JPWO2012017848A1 - 近赤外線カットフィルターおよびそれを含む撮像装置 - Google Patents

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Abstract

基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する光学フィルターであって、該基材が、示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、光学フィルター。

Description

本発明は、光学フィルターおよびそれを含む撮像装置に関する。
従来、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などには視感度補正や解像力低下を防止するために光学フィルターが用いられている。
例えば、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などにはカラー画像の固体撮像素子であるCCDやCMOSイメージセンサーが使用されているが、これら固体撮像素子はその受光部において近赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているために、視感度補正を行うことが必要であり、近赤外線カットフィルターを用いることが多い。
また、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、カメラ機能付き携帯電話などのレンズ光学系内で使用されている絞り装置や絞り兼用シャッタ装置等の光量調整装置では、ハンチングや回折現象による解像力低下等の防止のために、NDフィルター等の光学フィルターが用いられている。
これらの光学フィルターの基材の原料としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、およびノルボルネン系樹脂(特許文献1)が知られている。しかし、これらの樹脂はガラス転移温度が70〜180℃と低く耐熱性が十分でない場合があった。
また、特許文献2には、フルオレン骨格を有するポリカーボネート樹脂と、赤外線吸収能を有する色素とで構成される赤外線吸収フィルターが記載されている。
特開2005−338395号公報 特開2006−119383号公報
本発明は、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度に優れた光学フィルターを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のガラス転移温度を有する芳香族ポリエーテル系重合体、を含む基材と、誘電体多層膜とを有する光学フィルターによれば、前記課題を解決することができ、また、耐熱着色性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[9]を提供するものである。
[1] 基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する光学フィルターであって、該基材が、示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、光学フィルター。
[2] 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する、[1]に記載の光学フィルター。
Figure 2012017848
(式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 2012017848
(式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
[3] 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、[1]または[2]に記載の光学フィルター。
Figure 2012017848
(式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
Figure 2012017848
(式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
[4] 前記芳香族ポリエーテル系重合体において、前記構造単位(i)と前記構造単位(ii)とのモル比が50:50〜100:0である、[3]に記載の光学フィルター。
[5] 前記芳香族ポリエーテル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜500,000である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルター。
[6] 前記基材の厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルター。
[7] 前記基材の厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が3.0以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルター。
[8] 前記基材の厚み30μmにおける厚み方向の位相差(Rth)が200nm以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルター。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の光学フィルターを含む撮像装置。
本発明の光学フィルターは、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度に優れ、厚み方向の位相差が小さい。そのため、本発明の光学フィルターは、撮像装置に好適に使用できる。
≪光学フィルター≫
本発明の光学フィルターは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有し、該基材は、示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む。
本発明の光学フィルターは、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度に優れ、厚み方向の位相差が小さい。このため、本発明の光学フィルターは、撮像装置に好適に使用できる。
また、本発明の光学フィルターは、特に強い光を吸収する場合でも、その光の吸収によるフィルターの温度上昇による損傷や光学特性の劣化が少ない。
なお、本発明において、「耐熱着色性」とは、高温に曝された時の耐着色性をいい、例えば、大気中、高温(230℃)で1時間程度熱処理した際の着色のしにくさをいう。
<基材>
〔芳香族ポリエーテル重合体〕
前記芳香族ポリエーテル系重合体のガラス転移温度は、好ましくは240〜330℃であり、さらに好ましくは250〜300℃である。
このような芳香族ポリエーテル系重合体を含んでなる基材は、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度にバランスよく優れるため、光学フィルターに好適に用いられる。また、該基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を形成する際の加熱や熱処理を高温で行うことができるため、光学特性に優れる光学フィルターを得ることができる。
前記芳香族ポリエーテル系重合体は、主鎖にエーテル結合を形成する反応により得られる重合体であり、下記式(1)で表される構造単位(以下「構造単位(1)」ともいう。)および下記式(2)で表される構造単位(以下「構造単位(2)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する重合体であることが好ましい。重合体が構造単位(i)を有することで、ガラス転移温度が230〜350℃である芳香族ポリエーテルを得ることができる。このような重合体を含む基材は、光学フィルターの製造時および長期の使用環境下で、無色透明性が維持される。
Figure 2012017848
前記式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示す。a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の1価の有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
前記炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基としては、炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の炭化水素基がより好ましい。
前記直鎖または分岐鎖の炭化水素基の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基およびn−ヘプチル基が挙げられる。
前記炭素数3〜12の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜8の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数3または4の脂環式炭化水素基がより好ましい。
炭素数3〜12の脂環式炭化水素基の好適な具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロブテニル基、シクロペンテニル基およびシクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基が挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
前記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基およびナフチル基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
酸素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子および酸素原子からなる有機基が挙げられ、中でも、エーテル結合、カルボニル基またはエステル結合と炭化水素基とからなる総炭素数1〜12の有機基等を好ましく挙げることができる。
エーテル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルケニルオキシ基、炭素数2〜12のアルキニルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基および炭素数2〜12のアルコキシアルキル基などを挙げることができる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、プロペニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基およびメトキシメチル基等が挙げられる。
また、カルボニル基を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数2〜12のアシル基等を挙げることができる。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基およびベンゾイル基等が挙げられる。
エステル結合を有する総炭素数1〜12の有機基としては、炭素数2〜12のアシルオキシ基等が挙げられる。具体的には、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、イソプロピオニルオキシ基およびベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子および窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、シアノ基、イミダゾール基、トリアゾール基、ベンズイミダゾール基およびベンズトリアゾール基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子および窒素原子からなる有機基が挙げられ、具体的には、オキサゾール基、オキサジアゾール基、ベンズオキサゾール基およびベンズオキサジアゾール基等が挙げられる。
前記式(1)におけるR1〜R4としては、炭素数1〜12の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
Figure 2012017848
前記式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは、単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
前記重合体は、前記構造単位(1)と前記構造単位(2)とのモル比(但し、両者(構造単位(1)+構造単位(2))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から構造単位(1):構造単位(2)=50:50〜100:0であることが好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=70:30〜100:0であることがより好ましく、構造単位(1):構造単位(2)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
ここで、力学的特性とは、重合体の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
また、前記重合体は、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有してもよい。前記重合体がこのような構造単位(ii)を有すると、該重合体を含んでなる基材の力学的特性が向上するため好ましい。
Figure 2012017848
前記式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、nは0または1を示す。eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0である。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の有機基としては、炭素数1〜12の2価の炭化水素基、炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基、ならびに酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基等を挙げることができる。
炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基、炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基およびヘプタメチレン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基およびシクロへキシレン基等のシクロアルキレン基;シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基およびシクロヘキセニレン基等のシクロアルケニレン基などが挙げられる。当該脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素でもよい。
炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基およびビフェニレン基等が挙げられる。当該芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香族環上のいずれの炭素でもよい。
炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基、炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基および炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の2価のハロゲン化炭化水素基としては、ジフロオロメチレン基、ジクロロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、テトラクロロエチレン基、ヘキサフルオロトリメチレン基、ヘキサクロロトリメチレン基、ヘキサフルオロイソプロピリデン基およびヘキサクロロイソプロピリデン基等が挙げられる。
炭素数3〜12の2価のハロゲン化脂環式炭化水素基としては、前記炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
炭素数6〜12の2価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、前記炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の有機基としては、水素原子および炭素原子と、酸素原子および/または窒素原子とからなる有機基が挙げられ、エーテル結合、カルボニル基、エステル結合またはアミド結合と炭化水素基とを有する総炭素数1〜12の2価の有機基等が挙げられる。
酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価のハロゲン化有機基としては、具体的には、酸素原子および窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む炭素数1〜12の2価の有機基において例示した基の少なくとも一部の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基等が挙げられる。
前記式(3)におけるZとしては、単結合、−O−、−SO2−、>C=Oまたは炭素数1〜12の2価の有機基が好ましく、炭素数1〜12の2価の炭化水素基または炭素数1〜12の2価のハロゲン化炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜12の2価の炭化水素基としては、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖の2価の炭化水素基または炭素数3〜12の2価の脂環式炭化水素基が好ましい。
Figure 2012017848
前記式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。なお、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
前記重合体は、前記構造単位(i)と前記構造単位(ii)とのモル比(但し、両者((i)+(ii))の合計は100である。)が、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から(i):(ii)=50:50〜100:0であることが好ましく、(i):(ii)=70:30〜100:0であることがより好ましく、(i):(ii)=80:20〜100:0であることがさらに好ましい。
前記重合体は、光学特性、耐熱性および力学的特性の観点から前記構造単位(i)および前記構造単位(ii)を全構造単位中70モル%以上含むことが好ましく、全構造単位中95モル%以上含むことがより好ましい。
〔重合体の合成方法〕
前記重合体は、例えば、下記式(5)で表される化合物(以下「化合物(5)」ともいう。)および下記式(7)で表される化合物(以下「化合物(7)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を含む成分(A)と下記式(6)で表される化合物を含む成分(B)とを、反応させることにより得ることができる。
Figure 2012017848
前記式(5)中、Xは独立してハロゲン原子を示し、フッ素原子が好ましい。
Figure 2012017848
前記式(7)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、Xは、独立に前記式(5)中のXと同義である。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
Figure 2012017848
前記式(6)中、Raは、独立に水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基、メタンスルホニル基またはトリフルオロメチルスルホニル基を示し、この中でも水素原子が好ましい。なお、式(6)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義である。
前記化合物(5)としては、具体的には、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリルおよびこれらの反応性誘導体を挙げることができる。特に、反応性および経済性等の観点から、2,6−ジフルオロベンゾニトリルおよび2,6−ジクロロベンゾニトリルが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
前記式(6)で表される化合物(以下「化合物(6)」ともいう。)としては、具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンおよびこれらの反応性誘導体等が挙げられる。上述の化合物の中でも、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
前記化合物(7)としては、具体的には、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホン、2,4'−ジフルオロベンゾフェノン、2,4'−ジフルオロジフェニルスルホン、2,2'−ジフルオロベンゾフェノン、2,2'−ジフルオロジフェニルスルホン、3,3'−ジニトロ−4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、3,3'−ジニトロ−4,4'−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロジフェニルスルホン、2,4'−ジクロロベンゾフェノン、2,4'−ジクロロジフェニルスルホン、2,2'−ジクロロベンゾフェノン、2,2'−ジクロロジフェニルスルホン、3,3'−ジニトロ−4,4'−ジクロロベンゾフェノンおよび3,3'−ジニトロ−4,4'−ジクロロジフェニルスルホン等を挙げることができる。これらの中でも、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホンが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
化合物(5)および化合物(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物は、成分(A)100モル%中に、80モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがより好ましい。
また、成分(B)は、必要に応じて下記式(8)で表される化合物を含むことが好ましい。
化合物(6)は、成分(B)100モル%中に、50モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、80モル%〜100モル%含まれていることがより好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがさらに好ましい。
Figure 2012017848
前記式(8)中、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義であり、Raは、独立に前記式(6)中のRaと同義である。
前記式(8)で表される化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、2−フェニルヒドロキノン、4,4'−ビフェノール、3,3'−ビフェノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンおよびこれらの反応性誘導体等が挙げられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上述の化合物の中でも、レゾルシノール、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパンが好ましく、反応性および力学的特性の観点から、4,4'−ビフェノールが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
前記重合体は、より具体的には、以下に示す方法(I')で合成することができる。
方法(I'):成分(B)を有機溶媒中でアルカリ金属化合物と反応させて、成分(B)のアルカリ金属塩を得た後に、得られたアルカリ金属塩と、成分(A)とを反応させる。なお、成分(B)とアルカリ金属化合物との反応を成分(A)の存在下で行うことで、成分(B)のアルカリ金属塩と成分(A)とを反応させることもできる。
反応に使用するアルカリ金属化合物としては、リチウム、カリウムおよびナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などを挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
アルカリ金属化合物は、前記成分(B)中の全ての−O−Raに対し、アルカリ金属化合物中の金属原子の量が通常1〜3倍当量、好ましくは1.1〜2倍当量、さらに好ましくは1.2〜1.5倍当量となる量で使用される。
反応に使用する有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチルラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)およびトリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1〜4)などを使用することができる。これらの溶媒の中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホンおよびジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が特に好適に用いられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
さらに、前記反応の際には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールなどの水と共沸する溶媒をさらに用いることもできる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
成分(A)と成分(B)の使用割合は、成分(A)と成分(B)との合計を100モル%とした場合に、成分(A)が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは50モル%以上52モル%以下、さらに好ましくは50モル%を超えて52モル%以下であり、成分(B)が好ましくは45モル%以上55モル%以下、より好ましくは48モル%以上50モル%以下であり、さらに好ましくは48モル%以上50モル%未満である。
また、反応温度は、好ましくは60〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲である。反応時間は、好ましくは15分〜100時間、より好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
〔重合体の物性等〕
前記重合体は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:テトラヒドロフラン(以下「THF」ともいう。))で測定した、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは15,000〜400,000、さらに好ましくは30,000〜300,000である。
前記重合体は、熱重量分析法(TGA)で測定した熱分解温度が、好ましくは450℃以上、より好ましくは475℃以上、さらに好ましくは490℃以上である。
〔基材の製造方法〕
前記基材の製造方法としては、特に制限されないが、前記重合体を含む重合体組成物を支持体上に塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜から有機溶媒を除去することで支持体上に基材を形成する方法が挙げられる。
このような方法で基材を形成することにより、重合体の分子が一定方向に配向することを防ぐことができるため、より位相差の小さい基材を得ることができる。
前記重合体組成物としては、前記の方法(I')で得られた、重合体と有機溶媒との混合物をそのまま使用することができる。このような重合体組成物を用いることで、容易に、安価に基材を製造することができる。
また、前記重合体組成物は、前記の方法(I')で得られた重合体と有機溶媒との混合物から、重合体を固体分として単離(精製)した後、有機溶媒に再溶解させて重合体組成物を調製することもできる。
前記重合体を固体分として単離(精製)する方法は、例えば、メタノール等の重合体の貧溶媒に重合体を再沈殿させ、その後ろ過し、次いで減圧乾燥すること等により行うことができる。
前記重合体を溶解する有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンおよびγ−ブチロラクトンが好適に用いられ、塗工性、経済性の観点から、好ましくは、塩化メチレン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンが好適に使用される。これらの溶媒は、1種単独であるいは2種以上を併用することができる。
前記重合体を溶解させた重合体組成物中の重合体濃度は、重合体の分子量にもよるが、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。重合体組成物中の重合体の濃度が前記範囲にあると、厚膜化可能で、ピンホールが生じにくく、表面平滑性に優れる基材を形成することができる。
重合体組成物の粘度は、重合体の分子量や濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。重合体組成物の粘度が前記範囲にあると、成膜中の組成物の滞留性に優れ、厚みの調整が容易であるため、基材の成形が容易である。
また、重合体組成物にはさらに老化防止剤を含有させることができ、老化防止剤を含有することで、得られる基材の耐久性をより向上させることができる。
老化防止剤としては、好ましくはヒンダードフェノール系化合物を挙げることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、および、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどを挙げることができる。
前記重合体組成物に老化防止剤を配合する場合には、前記老化防止剤の配合量は、前記重合体100重量部に対して好ましくは0.01〜10重量部である。
前記重合体組成物を支持体上に塗布して塗膜を形成する方法としては、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコート法およびドクターブレードを用いる方法等が挙げられる。
塗膜の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜250μmであり、好ましくは2〜150μmであり、より好ましくは5〜125μmである。
前記支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムおよびSUS板などが挙げられる。
塗膜から前記有機溶媒を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、塗膜を加熱する方法が挙げられる。
前記加熱の条件は、塗膜から有機溶媒を除去できればよく、支持体や重合体に応じて適宜決めればよいが、例えば加熱温度は30〜300℃であることが好ましく、40〜250℃であることがより好ましく、50〜230℃であることがさらに好ましい。加熱時間としては、10分〜5時間であることが好ましい。
なお、加熱は二段階以上で行ってもよい。具体的には、30〜80℃の温度で10分〜2時間乾燥後、100〜250℃でさらに10分〜2時間加熱するなどである。また、必要に応じて、窒素雰囲気下、もしくは減圧下にて乾燥を行ってもよい。
また、前記基材を製造する際には、塗膜から有機溶媒を除去した後に、溶媒が除去された塗膜を焼成することが好ましい。基材を製造する際に、焼成工程を含むことで、熱収縮率の小さい基材を得ることができる。このため、基材上に誘電体多層膜を容易に形成することができる。
前記焼成の際には、前記支持体上に形成された塗膜を支持体ごと焼成してもよいが、支持体の性質に影響されない点から、前記支持体上に形成された塗膜を支持体から剥離し、その後焼成することが好ましい。なお、塗膜から有機溶媒を除去する方法は、塗膜を焼成することで行うこともできるが、焼成工程の前に、別途、有機溶媒を除去する工程を含んでもよい。なお、支持体から剥離した塗膜を焼成する際には、支持体から塗膜を剥離する前に予め塗膜から有機溶媒を除去する工程を含むことが好ましい。
前記焼成工程は、特定の温度で行うことが好ましく、焼成温度は好ましくは210℃〜350℃、より好ましくは220℃〜330℃、さらに好ましくは230℃〜320℃である。焼成時間は、好ましくは10分〜5時間である。
焼成雰囲気は、特に制限されないが、大気下または不活性ガス雰囲気下等であることが好ましく、不活性ガス雰囲気下であることが特に好ましい。
不活性ガスとしては、着色性の観点から窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられ、窒素であることが好ましい。
得られた基材は、支持体から剥離して用いることができるし、あるいは用いる支持体の種類や複合体の用途にもよるが剥離せずにそのまま用いることもできる。
前記基材の厚みは、所望の用途に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜250μm、より好ましくは2〜150μm、さらに好ましくは、10〜125μmである。
基材の位相差および表示装置の軽量化等を考慮すると、基材の膜厚は薄いことが好ましい。
〔基材の物性等〕
前記基材は、Rigaku社製8230型DSC測定装置(昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が、230〜350℃であることが好ましく、240〜330℃であることがより好ましく、250〜300℃であることがさらに好ましい。
前記基材が、このようなガラス転移温度を有すると、該基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を形成する際の加熱や熱処理を高温で行うことができるため、特に光学特性に優れる光学フィルターを容易に製造することができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、JIS K7105透明度試験法における全光線透過率が、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましい。全光線透過率は、ヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、波長400nmにおける光線透過率が、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。波長400nmにおける光線透過率は、紫外・可視分光光度計V−570(JASCO社製)を用いて測定することができる。
前記基材の光線透過率がこのような範囲にあることは、基材が特に高い光線透過率を有することを示すため、前記基材は、光学フィルターに好適に用いることができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、YI値(イエローインデックス)が、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値は、スガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定することができる。YI値がこのような範囲にあることで、着色のしにくい基材を得ることができ、光学フィルターに好適に用いることができる。
また、前記基材は、厚みが30μmである場合に、熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後のYI値(加熱後YI値)が3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。YI値がこのような範囲にあることで、高温下でも着色のしにくい基材を得ることができ、光学特性に優れる光学フィルターを得ることができる。
前記基材は、波長633nmの光に対して、好ましくは1.55〜1.75、より好ましくは1.60〜1.70の屈折率を有する。屈折率は、プリズムカプラ モデル2010(Metricon社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、引張強度が、50〜200MPaであることが好ましく、80〜150MPaであることがより好ましい。引張強度は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、破断伸びが、5〜100%であることが好ましく15〜100%であることがより好ましい。破断伸びは、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、引張弾性率が、2.5〜4.0GPaであることが好ましく、2.7〜3.7GPaであることがより好ましい。引張弾性率は、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて測定することができる。
前記基材は、厚みが30μmである場合に、厚み方向の位相差(Rth)が、200nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。位相差は、大塚電子社製RETS分光器を用いて測定することができる。
前記基材が、このような低い位相差を有すると、光学等方性に優れる基材となる。該基材を含む光学フィルターを撮像装置に用いる場合、表示面に着色や干渉縞が表れて、撮像装置の性能が低下することを好適に防ぐことができる。このため、本発明の光学フィルターは、撮像装置に好適に用いることができる。
前記基材は、Seiko Instruments社製SSC−5200型TMA測定装置を用いて測定した線膨張係数が、好ましくは80ppm/K以下、より好ましくは75ppm/K以下である。
前記基材は、湿度膨張係数が、15ppm/%RH以下であることが好ましく、12ppm/%RH以下であることがより好ましい。湿度膨張係数は、TMA(SIIナノテクノロジー社製、TMA−SS6100)湿度制御オプションを用いて測定することができる。基材の膨張係数が前記範囲にあることは、基材の寸法安定性(環境信頼性)が高いことを示すため、光学フィルターとしてより好適に用いることができる。
〔近赤外線吸収剤を含む基材〕
本発明の光学フィルターを近赤外線カットフィルターとして用いる場合には、例えば、近赤外線吸収剤を前記基材中に含むことが好ましい。このような近赤外線吸収剤を含む基材は、例えば、前記重合体組成物中に近赤外線吸収剤を配合させた組成物を用いること以外は前記基材の製造方法と同様の方法で製造することができる。
近赤外線吸収剤としては例えば、波長600〜800nmに吸収極大(λmax)がある化合物を挙げることができる。
このような近赤外線吸収剤としては、例えば、シアニン系染料、フタロシアニン系染料、アミニウム系染料、イミニウム系色素、アゾ系色素、アンスラキノン系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素およびポルフィリン系色素が挙げられる。
前記特定の波長領域に吸収極大を有する近赤外線吸収剤を含有してなる基材は、入射光の角度依存性が小さく、短波長(可視光)側の近赤外吸収波長が安定的に決定されるため、後述の誘電体多層膜のみを用いて作成した、短波長(可視光)側の近赤外反射波長が入射角に依存して変化する従来の近赤外線カットフィルターと比較して、入射角の変化に対して、透過特性の変化がより小さな近赤外線カットフィルターを得ることができる。
このような近赤外線吸収剤の市販品としては、具体的には、Lumogen IR765、Lumogen IR788(BASF製);ABS643、ABS654、ABS667、ABS670T、ABS694、IRA693N、IRA735(Exciton製);SDA3598、SDA6075、SDA8030、SDA8303、SDA8470、SDA3039、SDA3040、SDA3922、SDA7257(H.W.SANDS製);TAP−15、IR−706(山田化学工業製)などを挙げることができる。
これらの近赤外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、前記近赤外線吸収剤の使用量は所望の特性に応じて適宜選択されるが、前記基材に含まれる重合体100重量%に対して、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.01〜8.0重量%、さらに好ましくは0.01〜5.0重量%であることが好ましい。
近赤外線吸収剤の使用量が前記範囲内にあると、吸収波長の入射角依存性が小さく、近赤外線カット能、450〜600nmの範囲における透過率および強度に優れた近赤外線カットフィルターを得ることができる。
近赤外線吸収剤の使用量が前記範囲より多いと、近赤外線吸収剤の特性がより強く表れる近赤外線カットフィルターを得ることができる場合もあるが、450〜600nmの範囲における透過率が所望の値より低下する恐れや、基材や近赤外線カットフィルターの強度が低下する恐れがあり、近赤外線吸収剤の使用量が前記範囲より少ないと、450〜600nmの範囲における透過率が高い近赤外線カットフィルターを得ることができる場合もあるが、近赤外線吸収剤の特性が表れにくく、吸収波長の入射角依存性が小さな近赤外線カットフィルターを得ることが困難になる場合がある。
近赤外線吸収剤を含む基材の、ガラス転移温度、YI値、加熱後YI値、引張強度、破断伸び、引張弾性率、線膨張係数および湿度膨張係数の好ましい値は、前記[基材の物性等]の欄に記載の、基材のガラス転移温度、YI値、加熱後YI値、引張強度、破断伸び、引張弾性率、線膨張係数および湿度膨張係数の好ましい値と同様である。
なお、近赤外線吸収剤を含む基材は、用いる近赤外線吸収剤により、着色している場合がある。このため、近赤外線吸収剤を含む基材のYI値はマイナスの値になることもある。光学フィルターなどの光学部品は、黄色味を帯びないことが好ましいため、近赤外線吸収剤を含む基材のYI値はマイナスの値になっても、光学フィルター用の基材として好適に用いることができる。
〔顔料および/または染料を含む基材〕
本発明の光学フィルターをNDフィルターとして用いる場合には、例えば、顔料および/または染料を前記基材中に含むことが好ましい。このような顔料および/または染料を含む基材は、例えば、前記重合体組成物中に顔料および/または染料を配合させた組成物を用いること以外は前記基材の製造方法と同様の方法で製造することができる。
前記顔料は、特に制限されないが、可視光領域に吸収を有する顔料であって、可視光領域において、均一な光吸収性を有する(可視光領域において、平坦な分光透過率曲線を示す)顔料が好ましく、金属、カーボンブラック、金属酸化物、金属窒化物および金属窒酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機粒子が好ましい。前記無機粒子は無機超微粒子であることがより好ましい。
前記顔料の使用量は、前記基材に含まれる重合体100重量%に対して好ましくは0.01〜5重量%であり、より好ましくは0.05〜3重量%程度である。
前記基材中に顔料が前記量で含まれていると、可視光領域において適度に光を吸収し、所望の光学濃度を有するNDフィルターを容易に製造することができるため好ましい。
可視光領域に吸収をもつ金属、金属酸化物、金属窒化物および金属窒酸化物としては、いずれの金属の金属単体、酸化物、窒化物、窒酸化物でもよいが、元素周期表の第4周期の3〜11族に属する金属の金属単体、酸化物、窒化物、窒酸化物であることが好ましい。元素周期表の第4周期の3〜11族には、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)が属しており、これらの中では、Ti、Mn、FeまたはCuが好ましい。
さらに前記金属酸化物は2種以上の金属により構成された複合酸化物が好ましく、特に銅、鉄およびマンガンより構成される金属複合酸化物が好ましい。これら銅、鉄およびマンガンより構成される金属複合酸化物の組成比は特に限定されないが、銅、鉄およびマンガンより構成される金属複合酸化物を100重量%としたときに、銅酸化物は5〜30重量%、鉄酸化物は25〜70重量%、マンガン酸化物は25〜70重量%となる組成比を有する金属複合酸化物が好ましい。
前記のような組成比の、銅、鉄およびマンガンの酸化物より構成される金属複合酸化物の可視光領域における分光透過率曲線は、平坦性を有するため、該金属複合酸化物を用いたNDフィルターは、可視光領域において、平坦な分光透過率曲線を示すことになり、好ましい。
前記無機粒子の一次粒子径は好ましくは5〜100nm、より好ましくは20〜70nmである。一次粒子径をこの範囲とすることにより、NDフィルターの散乱光を抑制する効果がある。これにより、NDフィルターの解像度低下、画像のゴースト、フレアーを防止することができるため好ましい。
本発明において、前記基材中における顔料の形態は、一次粒子がそのまま分散した形態であってもよく、添加した一次粒子が凝集して、二次、三次以上の凝集粒子として分散した形態であってもよく、一次粒子と二次粒子以上の凝集粒子が混在して分散した形態であってもよい。いずれの場合においても、前記基材中における粒子の平均粒径は、50〜600nm程度であることが好ましく、より好ましくは50〜400nm程度、さらに好ましくは50〜200nm程度である。このような平均粒径を有する顔料を用いると、NDフィルターのヘイズ値を低下させることができるため好ましい。
また、前記染料は、可視光領域に吸収をもつ染料であれば特に制限はない。
有機物からなる染料を用いる場合は、その化学構造に起因する特定波長の吸収を有する。このため、本発明において、特定の顔料を前記基材中に含有することのみではNDフィルターの分光透過率曲線が平坦にならない場合には、該分光透過率曲線の極大値付近の波長領域に吸収を持つ特定の染料を顔料とともに前記基材中に配合することによって、NDフィルターの分光透過率曲線を平坦にすることができる。
このような、可視光領域に吸収をもつ染料としてはフタロシアニン系、チオール金属錯体系、アゾ系、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、アントラキノン系およびジイモニウム塩系等の色素化合物が挙げられる。
本発明において好適な可視光領域に吸収をもつ染料の市販品としては、SDA4137、SDA4428、SDA9800、SDA9811,SDB3535(以上SANDS社製)、KAYASORBシリーズ、Kayasetシリーズ(以上日本化薬社製)が挙げられる。
顔料および/または染料を含む基材の、ガラス転移温度、YI値、加熱後YI値、引張強度、破断伸び、引張弾性率、線膨張係数および湿度膨張係数の好ましい値は、前記[基材の物性等]の欄に記載の、基材のガラス転移温度、YI値、加熱後YI値、引張強度、破断伸び、引張弾性率、線膨張係数および湿度膨張係数の好ましい値と同様である。
<誘電体多層膜>
前記誘電体多層膜は、従来公知の方法によって製造することができる。
誘電体多層膜としては、具体的には、高屈折率材層と低屈折率材料層とを交互に積層した多層膜を好適に用いることができる。
高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常1.7〜2.5の材料が選択される。
これら材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛または酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウムなどを少量含有させたものが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常は1.2〜1.6の材料が選択される。
これら材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。
前記基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜を形成する方法は、特に制限されないが、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成し、これを前記基材に接着剤で張り合わせたり、前記基材上に、直接、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層することにより得ることができる。
これらの中でも、得られる誘電体多層膜の均一性や基材への該多層膜の密着性の観点から、スパッタ法で基材上に直接成膜することが好ましい。
スパッタ等で高屈折率材料層および低屈折率材料層を形成する際の温度は、使用する材料にもよるが、150〜350℃であることが好ましく、180〜300℃であることがより好ましく、220〜260℃であることがさらに好ましい。
誘電体多層膜を基材上に形成する際には、このような高温で行うことが好ましい。誘電体多層膜を高温で形成することで、高温に曝した後でもクラックの起こりにくい光学フィルターを得ることができる。
誘電体多層膜を基材上に形成する工程は、通常、200℃以上の高温で行われる。このため、この高温に耐えるため、具体的には、基材の動的粘弾性測定(バイブロン社製)による弾性率変化がTgマイナス20〜30℃で起こりうるため、用いられる基材に含まれる重合体には、通常、加熱温度より20℃以上高いTg(DSCで測定)を有することが求められる。前記部材が形成される基材は、少なくとも230℃以上の耐熱性が求められ、好ましくは230〜350℃、より好ましくは240〜330℃、さらに好ましくは250〜300℃の耐熱性が求められる。このため、基材に含まれる重合体のガラス転移温度もこの範囲にあることが好ましい。
前記重合体は、Tgが前記範囲にあるため、誘電体多層膜が形成される基材の材料として好適に用いることができる。
前記基材は、耐熱性に優れるため、基材上に直接誘電体多層膜を形成する場合であっても、その成膜可能温度範囲が広い。そのため、誘電体多層膜の有する性能を劣化することなく容易に誘電体多層膜を前記基材上に形成することができる。
前記高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の厚みは、通常、遮断しようとする赤外線波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚みである。厚みが前記範囲にあると、屈折率(n)と膜厚(d)との積(n×d)が式λ/4で算出される光学的膜厚と同様の値になり、反射・屈折の光学的特性の関係を維持できるため、特定波長の遮断・透過を容易にコントロールできる傾向にある。
また、前記高屈折率材料層および低屈折率材料層の各層の積層数は、好ましくは5〜50層、より好ましくは10〜45層である。
さらに、誘電体多層膜を蒸着した際に基材にソリが生じてしまう場合には、これを解消するために、基材両面に誘電体多層膜を蒸着する、基材の誘電多層膜を蒸着した面に紫外線等の放射線を照射する等の方法をとることができる。なお、放射線を照射する場合、誘電体多層膜を形成しながら照射してもよいし、誘電体多層膜を形成後別途照射してもよい。
<光学フィルター>
本発明の光学フィルターは、光学特性および耐熱着色性などに優れる。したがってカメラモジュールのCCDやCMOSなどの固体撮像素子用視感度補正用に主に用いられる近赤外線カットフィルターあるいは解像力低下防止用の光量調節用に主に用いられるND(減光)フィルターとして有用である。
本発明の光学フィルターは、特に、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、携帯情報端末、パソコン、ビデオゲーム、医療機器、USBメモリー、携帯ゲーム機、指紋認証システム、デジタルミュージックプレーヤー、玩具ロボット、おもちゃ等に有用である。さらに、自動車や建物などのガラス等に装着される熱線カットフィルターなどとしても有用である。
本発明の光学フィルターは特にハンダリフロー工程に対応できる耐熱性を有するため、カメラモジュールをメイン基板へ完全自動実装することが可能となる、前記の特長から特に、カメラモジュール用の光学フィルターとして、品質・コスト・デザインの面で大幅なメリットが期待される。
光学フィルターは、撮像装置等に使用される(組み込まれる)等の際に、加熱される場合がある。特にハンダリフロー工程に対応できる耐熱性を有することが好ましい。このため、光学フィルターは、高温に曝された後(例えば、250℃で10分間加熱した後)も、基材上に形成された誘電体多層膜にクラックの発生などの誘電体多層膜の変化が起こらないことが好ましい。
本発明の光学フィルターは、前記耐熱性および耐熱着色性などに優れる基材を有するため、誘電体多層膜を該基材上に形成する際の温度を高温にすることができる。これらのことから、本発明の光学フィルターは、高温に曝された後でも、クラックの起こりにくい熱安定性に優れるフィルターとなる。
また、本発明の光学フィルターには必要に応じて反射防止層を設けることができる。反射防止層は、前記基材と空気との界面、および/または誘電体多層膜と空気との界面における可視光の反射を防止、または低減させるものであれば、特に限定されるものではない。前記反射防止層は、前記基材の誘電体多層膜が積層された面と反対側の面に形成されることが好ましい。
反射防止層は、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などにより前記誘電体多層膜で説明した高屈折率材料と低屈折率材料を積層数1〜4層に積層することで形成することができる。
また、反射防止層を形成する方法としては、前記基材の表面に、熱によるインプリント法にて、反射防止層を形成する方法、または、高屈折率材料および低屈折率材料として、それぞれ、アルコキシチタン化合物およびアルコキシシラン化合物を原料とするゾルゲル材料等を用いてウェット塗布にて、反射防止層を形成する方法が挙げられる。
なお、ゾルゲル材料は通常、熱を用いて硬化させるが、エネルギー線(例えば紫外線等)を用いて、縮合触媒となる酸等を発生させ硬化させる、いわゆる光硬化によって反射防止層を形成させてもよい(特開2000-109560、特開2000-1648)。
これらの中でも、誘電体多層膜を形成する際に用いる材料、設備をそのまま使用できる点から、前記誘電体多層膜を形成するのと同様の方法で反射防止層を形成する方法、または、生産性の向上の点から、前記のウェット塗布により反射防止層を形成する方法が好適に用いられる。
≪撮像装置≫
本発明の撮像装置は、前記本発明の光学フィルターを含む。
本発明の光学フィルターは、光学特性に優れ、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度にバランスよく優れ、さらに、軽量であり、耐衝撃性に優れるため、性能に優れ、軽量で、低背化した撮像装置を得ることができる。
本発明の撮像装置としては、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、PCカメラ、監視カメラおよび自動車用カメラ等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(1)構造分析
下記実施例および比較例で得られた重合体の構造分析は、IR(ATR法、FT−IR,6700、NICOLET社製)およびNMR(ADVANCE500型,BRUKAR社製)により行った。
(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)
下記実施例および比較例で得られた重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、TOSOH製HLC−8220型GPC装置(カラム:TSKgelα―M、展開溶剤:THF)を用いて測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
下記実施例および比較例で得られた重合体および評価用フィルムのガラス転移温度は、Rigaku社製8230型DSC測定装置を用いて、昇温速度20℃/minとして測定した。
(3')熱分解温度
下記実施例および比較例で得られた重合体の熱分解温度を熱重量分析法(TGA:窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分、5%重量減少温度)により測定した。
(4)機械的強度
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムの室温における引張強度、破断伸びおよび引張弾性率を、引張試験機5543(INSTRON社製)を用いて、JIS K7127に準じて測定した。
(5)環境安定性
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムの線膨張係数をSeiko Instruments社製SSC−5200型TMA測定装置を用いて測定した。室温から280℃まで昇温した後、3℃/minで降温した際の200〜100℃での勾配から線膨張係数を算出した。
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムの湿度膨張係数をTMA(SIIナノテクノロジー社製、TMA−SS6100)湿度制御オプションを用いて下記条件にて測定を実施した。
湿度条件:40%RHから70%RHに10%RH毎に湿度を変更(引張法:加重5g)、温度:23℃
(6)光学特性
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムについて、全光線透過率およびYI値をJIS K7105透明度試験法に準じて測定した。具体的には、評価用フィルムの全光線透過率をヘイズメーターSC−3H(スガ試験機社製)を用いて測定し、YI値を、スガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱前YI)。
また、下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムを熱風乾燥機にて大気中230℃で1時間の加熱を行った後のYI値をスガ試験機社製SM−T型色彩測定器を用いて測定した(加熱後YI)。
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムの波長400nmにおける光線透過率は、紫外・可視分光光度計V−570(JASCO社製)を用いて測定し、得られた評価用フィルムの屈折率は、プリズムカプラ モデル2010(Metricon社製)を用いて測定した。
また、下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムの位相差(Rth)は、大塚電子社製RETS分光器を用いて測定した。なお、測定の際の基準波長は589nmであり、位相差の評価膜厚は30μmに規格化した値で示した。
(7)光学フィルターの評価
下記実施例で得られた評価用フィルムを10cm×10cm角に切り出し、得られたフィルムの一面に、蒸着温度150℃で近赤外線を反射する多層蒸着膜〔シリカ(SiO2:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO2:膜厚70〜120nm )層とが交互に積層されてなるもの,積層数50〕を形成した。次いで、基板の多層蒸着膜が積層された面に、コールドミラーを装着したメタルハライドランプを用いて1J/cm2の紫外線を窒素雰囲気下で照射することにより光学フィルターを製造した。この光学フィルターの分光透過率曲線を分光光度計(日立製作所社製、U−3140)を用いて測定した。
得られた光学フィルターの波長750〜1000nmの近赤外線領域における透過率が5%以下であった場合を「○」とした。
光学フィルターの評価結果を表1に示す。
(8)光学フィルターのクラック耐性の評価
下記実施例および比較例で得られた評価用フィルムを10cm×10cm角に切り出し、得られたフィルムの両面に、蒸着温度200℃で近赤外線を反射する多層蒸着膜〔シリカ(SiO2:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO2:膜厚70〜120nm )層とが交互に積層されてなるもの、積層数50層〕を形成することにより光学フィルターを製造した。得られた光学フィルターをオーブン中250℃で10分間加熱し、加熱前後で蒸着膜にクラックが発生していないか目視にて評価した。クラックが見られない場合を「○」とした。
光学フィルターの評価結果を表1に示す。
[実施例1]
3Lの4つ口フラスコに(A)成分:2,6−ジフルオロベンゾニトリル(以下、「DFBN」ともいう。)35.12g(0.253mol)、(B)成分:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(以下、「BPFL」ともいう。)70.08g(0.200mol)、レゾルシノール(以下、「RES」ともいう。)5.51g(0.050mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)443gおよびトルエン111gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、Dean−Stark管および冷却管を取り付けた。
次いで、フラスコ内を窒素置換した後、得られた溶液を140℃で3時間反応させ、生成する水をDean−Stark管から随時取り除いた。水の生成が認められなくなったところで、徐々に温度を160℃まで上昇させ、そのままの温度で6時間反応させた。
室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(重合体)を得た(収量95.67g、収率95%)。
得られた重合体の物性を表1に示す。得られた重合体の構造分析及び重量平均分子量の測定を行った。結果は、赤外吸収スペクトルの特性吸収が、3035cm-1(C−H伸縮)、2229cm-1(CN)、1574cm-1、1499cm-1(芳香環骨格吸収)、1240cm-1(−O−)であり、重量平均分子量が130,000であった。
次いで、得られた重合体をDMAcに再溶解させ、重合体濃度20質量%の重合体組成物を得た。該重合体組成物を、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなる基板上にドクターブレードを用いて塗布し、70℃で30分乾燥させ、ついで100℃で30分乾燥してフィルムとした後、PET基板より剥離した。その後、フィルムを金枠に固定し、さらに230℃、2時間焼成して、膜厚30μmの評価用フィルムを得た。
得られた評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例2]
RES5.51gの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン11.41g(0.050mol)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例3]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン8.41g(0.025mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例4]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン125.65g(0.250mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例5]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL87.60g(0.250mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例6]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、BPFL78.84g(0.225mol)および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン6.71g(0.025mol)を使用した以外は実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例7]
(A)成分として、DFBN35.12gの代わりに、DFBN28.10g(0.202mol)および4,4−ジフルオロベンゾフェノン11.02g(0.051mol)を用いた以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例8]
(A)成分の配合量を、DFBN17.56g(0.126mol)および4,4−ジフルオロベンゾフェノン27.55g(0.126mol)に変更した以外は実施例7と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例9]
(A)成分として、DFBN35.12gの代わりに、4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDS)63.56g(0.250mol)を使用した以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例10]
重合体濃度20質量%の重合体組成物を調製する際に、得られた重合体をDMAcに再溶解させた後、得られた溶液に、重合体100重量部に対し、近赤外吸収剤ABS670T(0.1重量部)を添加した以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[実施例11]
重合体濃度20質量%の重合体組成物を調製する際に、得られた重合体をDMAcに再溶解させた後、得られた溶液に、重合体100重量部に対し、近赤外吸収剤ABS694(0.1重量部)を添加した以外は実施例5と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。
[比較例1]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン84.06g(0.250mol)を使用した以外実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。なお、光学フィルターの評価は、着色部形成時にフィルムが変形、溶融したため実施することができなかった。
[比較例2]
帝人(株)製のポリエチレンナフタレートフィルム(ネオテックス)を使用し、評価は実施例1と同様の方法で行った(膜厚125μm)。フィルムの物性を表1に示す。なお、光学フィルターの評価は、着色部形成時にフィルムが変形、溶融したため実施することができなかった。
[比較例3]
温度計、攪拌機、窒素導入管、及び冷却管を取り付けた300mLの4つ口フラスコに、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン9.70g(23.6mmol)を添加した。次いで、フラスコ内を窒素置換した後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(60ml)を加え均一になるまで攪拌した。得られた溶液に2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物5.30g(23.6mmol)を室温で加え、そのままの温度で12時間攪拌を続けて反応させ、ポリアミック酸を含む溶液を得た。
得られたポリアミック酸を含む溶液にNMP(75ml)を加えて希釈した後、ピリジン(7.5ml)および無水酢酸(6.7ml)を加え、110℃で6時間攪拌してイミド化を行った。その後、室温まで冷却した後、大量のメタノールに投じ、ろ別によりろ物を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末(重合体)を得た(収量13.5g、収率95.3%)。
次いで、得られた重合体をDMAcに再溶解し、20質量%の樹脂溶液を得た。該樹脂溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる基板上にドクターブレード(100μmギャップ)を用いて塗布し、100℃で30分乾燥させ、ついで150℃で60分乾燥してフィルムとした後、PET基板より剥離した。その後、フィルムをさらに150℃、減圧下で3時間乾燥して、膜厚30μmの評価用フィルムを得た。評価は実施例1と同様の方法で行った。結果を表1に示す。
Figure 2012017848
前記結果より、前記フィルム(基材)は、光透過性、耐熱性、耐熱着色性および力学的強度にバランスよく優れることが分かる。また、本発明の光学フィルターは、優れた近赤外線カット性能を有することが分かる。そのため、本発明の光学フィルターは撮像装置に好適に用いることができる。
[比較例1]
(B)成分として、BPFL70.08gおよびRES5.51gの代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン84.06g(0.250mol)を使用した以外実施例1と同様に行った。得られた重合体および評価用フィルムの物性を表1に示す。なお、光学フィルターの評価は、多層蒸着膜形成時にフィルムが変形、溶融したため実施することができなかった。
[比較例2]
帝人(株)製のポリエチレンナフタレートフィルム(ネオテックス)を使用し、評価は実施例1と同様の方法で行った(膜厚125μm)。フィルムの物性を表1に示す。なお、光学フィルターの評価は、多層蒸着膜形成時にフィルムが変形、溶融したため実施することができなかった。

Claims (9)

  1. 基材と、該基材の少なくとも一方の面に形成された誘電体多層膜とを有する光学フィルターであって、該基材が、示差走査熱量測定(DSC、昇温速度20℃/分)によるガラス転移温度(Tg)が230〜350℃である芳香族ポリエーテル系重合体を含む、光学フィルター。
  2. 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(i)を有する、請求項1に記載の光学フィルター。
    Figure 2012017848
    (式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
    Figure 2012017848
    (式(2)中、R1〜R4およびa〜dは、それぞれ独立に前記式(1)中のR1〜R4およびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO2−または>C=Oを示し、R7およびR8は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。)
  3. 前記芳香族ポリエーテル系重合体が、さらに、下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(ii)を有する、請求項1または2に記載の光学フィルター。
    Figure 2012017848
    (式(3)中、R5およびR6は、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO2−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。)
    Figure 2012017848
    (式(4)中、R7、R8、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に前記式(2)中のR7、R8、Y、m、gおよびhと同義であり、R5、R6、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に前記式(3)中のR5、R6、Z、n、eおよびfと同義である。)
  4. 前記芳香族ポリエーテル系重合体において、前記構造単位(i)と前記構造単位(ii)とのモル比が50:50〜100:0である、請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 前記芳香族ポリエーテル系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000〜500,000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  6. 前記基材の厚み30μmにおけるJIS K7105透明度試験法による全光線透過率が85%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  7. 前記基材の厚み30μmにおけるYI値(イエローインデックス)が3.0以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  8. 前記基材の厚み30μmにおける厚み方向の位相差(Rth)が200nm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルター。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルターを含む撮像装置。
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