JPWO2011055751A1 - 微結晶セレンからなるガス感受性材料及びそれを用いたガスセンサ - Google Patents

微結晶セレンからなるガス感受性材料及びそれを用いたガスセンサ Download PDF

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Abstract

微結晶セレン(好適にはセレンナノワイヤ)からなるガス感受性材料及び該ガス感受性材料が2つの電極間に配置された素子構造を有するガスセンサ。微結晶セレンは作製が容易であり、また、安価であることから、従来のガスセンサに使用されるガス感受性材料に比べてコストメリットが高い。また、微結晶セレンは室温下において湿度の影響を受けず有機ガス分子と高感度に反応し、しかも、一定電圧下に流れる電流値の変化の大きさが感受する有機ガスの種類によって異なるため、その変化の大きさの違いから、有機ガスの種類を判別することが可能である。

Description

本発明は微結晶セレンからなるガス感受性材料及び該ガス感受性材料を用いてガス(特に有機ガス)を検出する新規なガス検出技術に関する。
近年、環境中のガス検出は、環境中の有毒ガスや無臭の一酸化炭素ガス等による危険からの回避のためにますます重要となってきている。このような環境中のガス検出を行うにはガスセンサとしては、従来、半導体式のガスセンサが知られている(例えば、特許文献1)。このガスセンサは、金属酸化物からなるN型半導体とP型半導体とを接触させた状態で高温に保ち、両半導体の接触部に環境中のガスが接触する際に、センサの抵抗値が変化することを利用して、この抵抗値の変化を電気的に検出しているP−N式ガスセンサであり、最近では、一酸化炭素ガスを選択性良く検出できるP−N式一酸化炭素ガスセンサも提案されている(特許文献2)。近時では、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を用いたガスセンサについての検討(非特許文献1、特許文献3)や、酸化スズ(SnO)ナノワイヤを用いたガスセンサの検討がなされている(非特許文献2)。
P−N式ガスセンサは、一酸化炭素ガス以外にメタン、エタノール、酢酸エチル等の有機ガスを同時に検出できる。また、P−N式一酸化炭素ガスセンサは、一酸化炭素ガスのみを検出することが可能である。しかし、これらのガスセンサは、単体で感度良くガスの種類を判別することはできていない。また、室温安定性に欠け、ヒーターによる高温の検出動作が必要であり、多くの消費電力を必要とする。また、金属酸化物半導体にはバルク結晶を用いるため、充分な検出感度を得るには、ガス検知部(N型半導体素子とP型半導体素子の積層部)をある程度大きくすることが必要になり、センサを充分にコンパクト化することができない。一方、感度向上のためにガス検知部を大きくするとガス検知応答性が低下してしまう。また、P型半導体とN型半導体を必要とすることから、自ずとコストが高くなり、製造工程も煩雑になる。
一方、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を用いたガスセンサは、その主材である単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を製造するには、大掛かりで複雑な製造装置を必要とし、コスト面及び量産性に大きな問題を抱えている。また、検出対象のガスは、水素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等や、二酸化窒素等の無機ガスであり、有機ガスの検出や判別には不向きである。また、酸化スズ(SnO)ナノワイヤを用いたガスセンサは動作温度が高く、また、加熱を必要とするために消費電力も大きい。
近年、事務所ビルやマンションなどの新築工事、及び外壁等の改修工事などの建設現場において、多くの有害な揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ベンゼン、キシレン、アセトン、メタノールなど)を含有する塗料、接着剤、防水材などの建材が使用されており、このような建材から揮発性有機化合物が周辺環境に発散することが、シックハウス症候群の要因の一つであると認識されており、環境中の有機ガスの検出技術の向上が重要になっている。また、これらの揮発性有機化合物は爆発性有機ガスを発することから、危険回避のための検出技術の向上が重要となっている。さらに、飲酒運転防止用としてのエチルアルコール検出技術に関しても重要度が増している。
特許第3081244号公報 特許第4205601号公報 特開2009−98121号公報 特表2004−515782号公報
A.Karthigeyan,N.Minami,and K. Iakoubovskii,Jpn. J. Appl.Phys.47(2008)pp.7440−7443 P.Carpentiero et al. J.Vac. Sci. Technol B 23 (2005) pp. 2784
従って、本発明が解決しようとする課題は、有機ガスを高感度に検出し得、かつ、室温で動作する、安価でコンパクトなガスセンサ及びそのためのガス感受性材料を提供することである。
また、有機ガスの種類を判別する能力を有し、かつ、室温で動作する、安価でコンパクトなガスセンサ及びそのためのガス感受性材料を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、アモルファスセレンから有機溶媒の触媒作用によって結晶成長して得られる微結晶セレンを、一定電圧下に置くと電流が流れ、しかも、室温中で有機ガス分子と接触することでその電流値が変化し、とりわけ、繊維状又は針状の六方晶系の微結晶セレンであるセレンナノワイヤは、セレン本来のP型半導体の性質を有し、かつ、有機ガス分子に対する感度が高いことが分かり、室温中で、一定電圧下で微結晶セレンに流れる電流値の変化を観測することによって有機ガスを検出することができ、しかも、その電流値の変化の挙動が有機ガスの種類によって異なり、有機ガスの種類を判別することも可能であることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、
(1)微結晶セレンからなるガス感受性材料、
(2)微結晶セレンがセレンナノワイヤである、上記(1)記載のガス感受性材料、
(3)有機ガスの検出用である、上記(1)又は(2)記載のガス感受性材料、
(4)有機ガスが、室温での比誘電率が1.0〜38.0の範囲内にある揮発性有機化合物由来のガスである上記(3)記載のガス感受性材料、
(5)上記(1)記載のガス感受性材料が2つの電極間に配置された素子構造を有するガスセンサ、
(6)上記(2)記載のガス感受性材料が2つの電極間に配置された素子構造を有するガスセンサ、
(7)有機ガスの検出用である上記(5)又は(6)記載のガスセンサ、
(8)有機ガスが、室温での比誘電率が1.0〜38.0の範囲内にある揮発性有機化合物由来のガスである上記(7)記載のガスセンサ、
(9)一定電圧の基で生じる2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの違いからガス種を識別する上記(5)〜(8)のいずれかに記載のガスセンサ、
(10)飽和感度において2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの違いからガス種を識別する上記(5)〜(8)のいずれかに記載のガスセンサ、及び
(11)緩和時間の違いを尺度として一定電圧の基で生じる2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの時間的な特性の違いからガス種を識別する上記(5)〜(8)のいずれかに記載のガスセンサ、に関する。
なお、特許文献4には、半導体ナノワイヤを用いたナノワイヤセンサが記載され、その半導体ナノワイヤについては、公知の種々の気相成長法を例示して、気相成長法によってシリコンナノワイヤと同様にナノサイズの微結晶セレン(セレンナノワイヤ)も製造されるかのごとく記載されている。しかし、ナノサイズの微結晶セレンは気相成長法によって得られておらず、実際にセレンナノワイヤを作製した例は記載されていない。また、ガスセンサの記載はあるが、セレンを有機ガスの検出又は識別に利用できることは一切記載されていない。
本発明の微結晶セレンからなるガス感受性材料は、作製が容易であり、また、安価であることから、従来のガスセンサに使用されるガス感受性材料に比べてコストメリットが高い。また、微結晶セレンは室温下において有機ガス分子と高感度に反応し、しかも、一定電圧下に流れる電流値の変化の大きさが感受する有機ガスの種類によって異なるため、その変化の大きさの違いから、有機ガスの種類を判別することが可能である。
本発明のガスセンサは、微結晶セレンからなるガス感受性材料を2つの電極間に配置する簡単なセンサ素子構造でよく、しかも、2つの電極間に配置する微結晶セレンの量も少量でよいため、有機ガスを判別する能力を有し、室温で動作する、安価でコンパクトなガスセンサを実現することができる。特に、六方晶系の微結晶セレンであるセレンナノワイヤは高感度であるため、2つの電極間に配置する量が極少量でよいので、より安価でコンパクトなガスセンサを実現することが可能である。また、加熱手段を必要としないので、エネルギーコストも少ない。また、六方晶系の微結晶セレンであるセレンナノワイヤはセンサ素子として一定期間動作した後、有機溶媒に接触させることで初期状態に再生することができるので、半永久的に使用することも期待できる。
(a)はアモルファスセレンの走査型電子顕微鏡(SEM)写真、(b)はナノサイズの繊維状微結晶セレン(六方晶系)のSEM写真、(c)は粒状微結晶セレン(単斜晶系)のSEM写真である。 (a)はアモルファスセレンのX線回折パターン、(b)はナノサイズの繊維状微結晶セレン(六方晶系)のX線回折パターン及び(c)は粒状微結晶セレン(単斜晶系)のX線回折パターンである。 セレンナノワイヤに流れる電流値が減少するメカニズム(ガスセンシングの原理)の模式図である。 本発明のガスセンサの一例の模式側面図である。 本発明のガスセンサの電流−電圧特性を示す図である。 本発明のガスセンサのエタノールガスに対する感度特性を示す図である。 図6の一部の拡大図である。 セレンナノワイヤを使用したガスセンサの電流−電圧特性(I−V特性)の両対数グラフである。 セレンナノワイヤを使用したガスセンサ、粒状の微結晶セレン(単斜晶系)を使用したガスセンサ及びアモルファスセレン微粉末を使用したガスセンサの感度特性を示す図である。 実施例1、3〜5で得られたセレンナノワイヤのSEM写真である。 セレンナノワイヤの太さと有機ガスに対する反応感度の関係を示す図であり、用いたセレンナノワイヤのSEM写真とともに示したものである。 有機ガスの比誘電率(εr)とセンサ応答(S=ΔI/I)との関係を示す図である。 電流変化量(センサ応答(S=ΔI/I))と電流変化量の緩和時間(τ)との関係を示す図である。 本発明のガスセンサのエタノールガス濃度とセンサ応答(S=ΔI/I)との関係(相関性)を示す図である。 本発明のガスセンサ応答(S=ΔI/I)の有機ガス濃度依存性を示す図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して説明する。
本発明の微結晶セレンは、アモルファスセレンを有機溶媒に室温下で少なくとも数分以上接触させることによって、アモルファスセレンから結晶成長(自己成長)して生成するものであり、六方晶系の微結晶セレン(セレンナノワイヤ)および単斜晶系の微結晶セレンを含む。
ここで、アモルファスセレンは、通常、粒径が20〜30μm程度の微粉末に粉砕して使用する。アモルファスセレンを接触させる有機溶媒としては、比誘電率(室温)が4.0よりも大きい溶媒、例えば、アセトン、ピリジン、2−プロパノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、ベンジルアミン、ピペリジン、アニリン、キノリン、アセトフェノン、ベンゾニトリル等や、比誘電率(室温)が4.0より小さい溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等が使用される。
有機溶媒として比誘電率(室温)が4.0よりも大きい有機溶媒を使用すると、ナノサイズ(概ね数nm〜800nm)の太さの、長さが1〜10μm程度の繊維状又は針状の六方晶系の微結晶セレンであるセレンナノワイヤが生成し、比誘電率(室温)が4.0より小さい有機溶媒を使用すると、粒径が1〜10μm程度の粒状の単斜晶系の多面体からなる微結晶セレンが生成する。なお、緩やかな曲線状に成長した微結晶(六方晶系)セレンを「繊維状」と呼び、直線状でやや短めに成長した微結晶(六方晶系)セレンを「針状」と呼び、「セレンナノワイヤ」はこれらのいずれか一方又は両者を包括する概念である。なお、本明細書でいう「室温」とは概ね20〜25℃の範囲である。
図1(a)はアモルファスセレンのSEM写真、図1(b)はアモルファスセレンをアセトンに10日間接触させることで生成したナノサイズの繊維状の微結晶セレンのSEM写真、図1(c)はアモルファスセレンをベンゼンに10日間接触させることで生成した粒状の微結晶セレンのSEM写真である。
図2(a)は上記アモルファスセレンのX線回折パターン、図2(b)は上記のアモルファスセレンをアセトンに10日間接触させることで生成した繊維状微結晶セレンのX線回折パターン、図2(c)は上記のアモルファスセレンをベンゼンに10日間接触させることで生成した粒状の微結晶セレンのX線回折パターンである。
図2(b)の回折パターンは六方晶系を示し、図2(c)の回折パターンは単斜晶系を示している。図2(c)の回折パターンでは、図2(a)のアモルファスセレンによるX線回折パターンが重畳して見られる。
アモルファスセレンと有機溶媒の接触は、有機溶媒の液中にアモルファスセレンを置く態様、有機溶媒の蒸気(ガス)中にアモルファスセレンを置く態様、固体有機物質の蒸気(ガス)中にアモルファスセレンを置く態様等があり、生成させるべき微結晶セレンの形状等に応じて適宜選択することができる。なお、アモルファスセレンのかわりに単斜晶系セレンを使用しても同様の態様で微結晶セレンを生成させることができる。
繊維状又は針状の六方晶系の微結晶セレン(以下、単に「セレンナノワイヤ」ともいう。)は本来のP型半導体の性質を有し、非常に安定であり(すなわち、安定な結晶形態であり)、高温下及び低温下においてもそのナノサイズの繊維状又は針状の形状が維持される。
セレンナノワイヤの形状や大きさ(太さ、長さ)、粒状の単斜晶系の多面体からなる微結晶セレンの粒径等は、アモルファスセレンに接触させる有機溶媒の種類、有機溶媒の接触のさせ方、作業環境(温度、圧力)等によってコントロールすることができる。
なお、セレンナノワイヤの太さはアモルファスセレンに接触させる有機溶媒の比誘電率が小さく、その接触時間が長くなるほど太くなる傾向を示し、アモルファスセレンに接触させる有機溶媒の比誘電率が大きく、その接触時間が短くなるほど細くなる傾向を示す。また、セレンナノワイヤの長さは、有機溶媒との接触時間が長くなると長くなり、有機溶媒との接触時間が短くなると、短くなる傾向を示す。
また、同じ溶媒を使用しても、アモルファスセレンと溶媒との接触の仕方によって、生成するセレンナノワイヤの形状は変化する。例えば、後述の表1に示されるように、アモルファスセレンをアセトンの液中に置くことで生成するセレンナノワイヤに比べて、アモルファスセレンをアセトンの蒸気(ガス)中に置くことで生成するセレンナノワイヤは太短くなる。
室温中で微結晶セレンを一定電圧下に置くと、セレンナノワイヤにおいては、セレン本来のP型半導体の性質による電気伝導機構によって一定の電流が流れる。また、単斜晶系の微結晶セレンの場合は、自体は絶縁体であるが、粒形が小さく、表面が汚れていることによる表面伝導によるためか、セレンナノワイヤよりも電流値は小さいが、一定の電流が流れる。そして、室温中で微結晶セレンに有機ガス分子が接触すると有機ガス分子と反応してその電気抵抗が上昇するために電流値が減少し、有機ガスを取り除くと、電流値は上昇して有機ガスに接触する前の状態に復帰する。一方、微結晶セレンは、一定電圧下で微結晶セレンに流れる電流値の変化を観測することで有機ガスを感知(検出)することができる。特に、セレンナノワイヤは有機ガス分子との反応感度が極めて高く、電流値の減少及び上昇(復帰)の応答速度が速い。また、一定電圧下で微結晶セレンに流れる電流値変化の挙動が有機ガスの種類によって異なるので、例えば、一定電圧の基で生じる電流値変化の大きさの違いから有機ガスの種類を識別することができる。また、微結晶セレン(特にセレンナノワイヤ)は水に対して安定であり、湿度の影響も受けにくく、高感度に有機ガスを感知(検出)することができる。
有機ガスがセレンナノワイヤに接触(吸着)することでセレンナノワイヤに流れる電流値が減少するメカニズム(ガスセンシングの原理)を図3に示す。すなわち、半径rのセレンナノワイヤを想定すると、セレンナノワイヤはP型半導体であるので、キャリアは正孔(ホール)である。セレンナノワイヤの表面に有機ガス(電子供与性基をもつガス分子)が吸着すると、セレンナノワイヤ中に電子が注入され、注入された電子はセレンナノワイヤ中のホールと結合することにより消滅し、セレンナノワイヤー中のホール密度が減少する。注入された電子がホールと結合することで、図のΔr分だけセレンナノワイヤの半径が減少することでセレンナノワイヤの表面積が減少し、その結果、電流値が減少する。
このときの、センサ応答(S)は以下の式で表される。


式中、rはセレンナノワイヤの半径、Iは初期電流値、Iは最小電流値、JSCは空間電荷制限電流領域での電流密度である。
本発明のガスセンサは、微結晶セレンを2つの電極間に配置した素子構造を形成して構成される。
図4は本発明のガスセンサの一例の模式側面図であり、当該ガスセンサ100に示されるように、本発明のガスセンサは、微結晶セレン1を有するガス検知部2、該ガス検知部2を挟んで対向する電極3、4及び電流値測定部30を含む。
ガス検知部2は微結晶セレン1をガスと接触可能に保持する構造部であり、図4の例では、微結晶セレン1としてセレンナノワイヤを使用し、セレンナノワイヤをカーボンテープ(厚みは通常50〜160μm程度)4Bの片面に吸着固定して構成されている。なお、カーボンテープ4Bへのセレンナノワイヤの吸着固定は、例えば、セレンナノワイヤをカーボンテープ4B上に微量散布し、適度に圧着することによって行うことができる。なお、電極間距離の固定(素子の固定化)は、センサが機能することを確認後、センサの基盤9A、9Bを接着剤(例えば、シアノアクリレート系瞬間接着剤)などで接着することにより行うことができる。
カーボンテープ4Bとしては導電性フィラーとしてカーボン粉を含有する両面粘着テープ(例えば、日新EM(株)製のカーボン系両面テープ等)が好適に使用される。両面粘着タイプのカーボンテープを使用することで、カーボンテープ4Bの片面上にセレンナノワイヤ1を散逸させることなく保持でき、さらにセレンナノワイヤがカーボンテープ4Bの粘着面に突き刺さって保持され、場合によってはセレンナノワイヤ1がカーボンテープ4Bを突き抜けて基体電極4Aに接触するので、セレンナノワイヤと電極間の電気的接続を安定かつ確実に形成することができる。また、カーボンテープ4Bが弾力性を有することから、外部からの振動を受けてもセレンナノワイヤ及び電極との接触が安定に維持される。
微結晶セレン1として単斜晶系の多面体からなる微結晶セレンを使用する場合も、ガス検知部2は、セレンナノワイヤと同様の態様で微結晶セレンを保持して構成される。
電極3、4は、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウムスズ)、カーボン等の一般的な導電性電極の形成に用いられる材料によって形成される。図4の例では、微結晶セレン(セレンナノワイヤ)1に接触する側の電極3を、微結晶セレン(セレンナノワイヤ)1に接触する金薄膜3Bと、該金薄膜3Bをその表面に担持する基体電極(銅板)3Aとで構成し、微結晶セレン(セレンナノワイヤ)1を保持する側の電極4を、カーボンテープ4Bと、該カーボンテープ4Bを表面に担持する基体電極(銅板)4Aとで構成している。なお、金薄膜3Bは導電性の向上と銅面の酸化による導電性の劣化防止のために設けられている。
電流値測定部30は、電源5と、電源5の電力を調整する可変抵抗6、電極3、4間に印加される電圧を測定する電圧計7、電極3、4間のガス検知部2に流れる電流値を測定する電流計8を有する。
かかる一例のガスセンサ100では、電極3、4の外側にエポキシ樹脂製の基盤9A、9Bを配設しているが、これら基盤9A、9Bは素子構造部の剛性及び絶縁性を高めるため及び素子全体の固定化(素子化)のために設けられている。すなわち、電極間距離の固定(素子の固定化)は、センサが機能することを確認後、センサの基盤9A、9Bを接着剤(例えば、シアノアクリレート系瞬間接着剤)などで接着することにより行うことができる。
本発明のガスセンサにおけるセンサ動作は、通常、電極間距離(d)を20〜30μm程度とした、対向する2つの素子電極3、4に1〜15V程度の電圧を印加して行う。例えば、5Vを印加すると、ガス検知部2には40〜120μA程度の一定の電流が流れる。なお、ここでいう電極間距離(d)はカーボンテープ4Bと金薄膜3Bとの間の距離であり、ガス検知部における微結晶セレンの集合物による薄層(微結晶セレン層)の厚みに相当する。そして、ガス検知部2が有機ガスに曝されると電流値が減少し、ガス検知部2への有機ガスの接触がなくなると、電流値が元の状態に復帰する。例えば、図5は微結晶セレン1にセレンナノワイヤ(太さ:23.3nm、長さ:4μm)を使用したガスセンサの室温下、大気中での電流−電圧特性を示し、図6は5Vの定電圧を電極3、4に印加して、ガス検知部2に、100μLのエタノールガスを含有する5Lの空気を断続的に接触させたときの電流値変化を示している。なお、5Vの駆動は電池での動作に対応させたものであり、他の電圧でも駆動可能である。
一定電圧の基で生じる電流値の変化の挙動は、ガス検知部2に接触する有機ガスの種類によって異なる。このため、本発明のガスセンサにおいては、かかる電流値の変化を観測することで、一定電圧の基で生じる電流値変化の大きさの違いから有機ガスの種類を識別することができる。
図7は図6の一部を拡大して示したものである。図中のIは有機ガス(エタノールガス)に接触する前のガス検知部2に流れる初期電流値である。また、Iは最小電流値、ΔIは電流変化量である。
本発明のガスセンサのセンサ応答(S)は、次式で表される。
センサ応答(S)は有機ガスに対する電流値変化量ΔI=(I−I)を初期電流値Iで正規化したものである。
センサは有機ガスの濃度変化に対して固有の応答を持つ。よって、後述の実験例から明らかなように、ガス検知部2に接触するガス中の有機ガスの濃度によって、センサ応答S=ΔI/Iが異なることから、有機ガスの濃度を検出することができる。
また、後述の実験例から明らかなように、センサ応答(S)は、電流値変化量(ΔI)が100%濃度の高濃度の有機ガスに接触したときの電流値変化量(飽和感度)である場合、その値が有機ガスの種類によって異なることから、これを利用することで、有機ガスを識別することができる。
また、後述の実験例から明らかなように、異なる有機ガス間で、電流値変化量(ΔI)とその緩和時間(すなわち、ΔIの最大値に到達する時間もしくはΔIが減少する時間(緩和時間(τr)))とが相関性を示すので、かかる緩和時間(τr)の違いを尺度として、有機ガスを識別することも可能である。すなわち、緩和時間(τr)の違いを尺度として一定電圧の基で生じる電流値変化の大きさの時間的な特性の違いからガス種を識別することができる。
また、有機ガス毎に、飽和感度(100%濃度での電流値変化量(ΔI))と、種々のガス濃度での電流値変化量を基準データとして採っておき、該基準データをメモリに格納したマイコンに電流計8からの実測の電流値が入力される判定装置(図示せず)をガスセンサに組み込むことで、有機ガスの検出及び識別を自動判定することも可能である。
本発明のガスセンサにおいて、ガス検知部2にセレンナノワイヤを使用する場合、ナノワイヤの主に太さ方向をガス検出(電気伝導)に利用する態様では、ナノワイヤの重なり方向の電気伝導の寄与が主となり、ワイヤの重なり具合によりワイヤ間の隙間を利用してセンサ感度を上げることができる。従って、かかる態様の場合、セレンナノワイヤの太さ(D)が細いほど、ガス検知部2に有機ガスが接触することによる電流減少量(感度)が大きくなる傾向にある。従って、かかる態様の場合、セレンナノワイヤの太さ(D)は500nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以下である。下限は特に限定されないが、好ましくは数nm以上である。一方、セレンナノワイヤの長さ(L)はワイヤの重なりが生じるように長いほど良い。したがって、アスペクト比(L/D)は5以上が好ましく、より好ましくは10以上、とりわけ好ましくは15以上である。上限は特に限定されないが、50以下が好ましく、より好ましくは30以下である。
一方、セレンナノワイヤの長さ方向を主にガス検出(電気伝導)に利用する態様では、セレンナノワイヤの長さ(L)は電極間距離に応じて選択され、電極間距離と同等かそれよりも若干長い程度、すなわち、電極間距離をdとすると、d+0〜d+√2dμm程度が好ましい。なお、セレンナノワイヤの長さが長くなるにつれて、ナノワイヤの重なりによるワイヤの太さ方向の電気伝導の寄与が増す傾向となる。
本発明でいうセレンナノワイヤの太さ(D)及び長さ(L)とは、SEM写真を撮った後、写真画像より複数のセレンナノワイヤ(サンプル数:50)の太さと長さを計測し、各々の分布のグラフにおける、分布強度のピーク値を採用した。
本発明のガスセンサにおいて、ガス検知部2に単斜晶系の多面体からなる微結晶セレンを使用する場合、その平均粒径は1〜10μmが好ましい。なお、かかる平均粒径はSEM写真を撮った後、写真画像より複数の粒子(サンプル数:50)の粒径を測定し、それから得られる粒径分布のグラフより、分布強度のピーク値を採用した。
本発明のガスセンサにおいて、ガス検知部2における素子電極3、4の対向面の面積は0.5〜数mm程度でよく、好ましくは1mm程度である。また、電極3、4の間に介在させる微結晶セレンの量は20〜100μg/mm程度の極微量でよく、好ましくは50μg/mm程度の極微量でよい。
なお、上記一例のガスセンサ100では、ガス検知部2は一方の電極4A上に接着固定したカーボンテープ4Bにセレンナノワイヤ1を吸着固定する態様にて構成したが、一方の電極4の電極面にセレンナノワイヤを有機溶媒に展開して塗布して付着させる態様や、絶縁基板上にセレンナノワイヤを有機溶媒に展開して塗布して付着させるか、或いは、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等の樹脂を用いてセレンナノワイヤを絶縁基板上に固定し、かかる基板上のセレンナノワイヤに、一方の電極の櫛歯の隙間に他方の電極の櫛歯が位置するように櫛歯を対向させた一対の櫛型電極を接触配置することで、構成することもできる。
本発明でいう有機ガスとは、環境や人体への影響が懸念される揮発性有機化合物のことであり、例えば、メタン、エタン、n−ブタン、イソブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ペンタン、2−メチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、n−ヘキサン、3−メチルヘキサン、n−ヘプタン、3−メチルヘプタン、ノナン、デカン、ウンデカン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシル、プロピレン、cis−2−ブテン、trans−2−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、1,3−ブタジエン、イソプレン、cis−2−ペンテン、trans−2−ペンテン、1−ヘプテン、ジペンテン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、クメン、スチレン、ナフタレン、テトラリン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、臭化メチル、クロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、1,1−ジクロロエチレン、n−プロピルブロマイド、1,2−ジクロロプロパン、塩化アリル、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノール、メチルメルカプタン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酸化プロピレン、エチレンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ビニル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピオン酸、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン、ジメチルスルホキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、ピペリジン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトニトリル、アクリロニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。中でも、ベンゼン、トルエン、ピリジン、ピペリジン、アセトン、エタノール、メタノール、イソブタノール、ホルムアルデヒド、フェノール、酢酸エチル、スチレン、トリメチルアミン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の室温での比誘電率が1.0〜40.0(特に1.0〜38.0)の範囲にある揮発性有機化合物を特に高感度に検出することができる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
市販の粒状アモルファスセレン(純度:99.9999%、Rare Metallic Co., Ltd)を乳鉢で微粉末に粉砕した。粉砕後のアモルファスセレンは粒径が20〜30μmの不定形粒子であった。このアモルファスセレン微粉末約0.3gをガラス管内の7mLのアセトン(比誘電率:20.7)中に投入し、室温下で10日間放置した。また、同様に、アモルファスセレン微粉末約0.3gをガラス管内の7mLのベンゼン(比誘電率:2.3)中に投入し、室温下で10日間放置した。
微粉末のアモルファスセレン、アセトン中の生成物、及びベンゼン中の生成物の形態を走査型電子顕微鏡(SEM)(JOEL JXA-8900)を用いて観察し、また、その結晶構造をX線回折装置(リガク(株)製、RINT 2500)で分析した。
図1(a)はアモルファスセレンのSEM写真、図1(b)はアセトン中の生成物のSEM写真、図1(c)はベンゼン中の生成物のSEM写真である。図1(b)から、アセトン中の生成物は太さがナノサイズ(258nm)で、長さが4.3μmのナノワイヤ状の形状物であり、図1(c)から、ベンゼン中の生成物は平均粒径が約10μmの多面体形状の微粒子であることが分かった。
図2(a)はアモルファスセレンのX線回折パターン、図2(b)はアセトン中に生成したナノワイヤ状物のX線回折パターン、図2(c)はベンゼン中に生成した多面体形状の微粒子のX線回折パターンである。図2(b)のX線回折パターンは六方晶系セレンを示し、図2(c)のX線回折パターンは単斜晶系セレンを示している。なお、図2(c)の緩やかなX線回折パターンの部分は、アモルファスセレンのものである。
以上の結果から、アモルファスセレンを有機溶媒に接触させることにより、有機溶媒の触媒作用によりアモルファスセレンは自己的に結晶成長して、太さがナノサイズのナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン、すなわち、セレンナノワイヤか、或いは、多面体粒子からなる粒状の単斜晶系微結晶セレンが得られることが分かった。
実施例2
実施例1で得られた、セレンナノワイヤ(太さが258nm、長さが4.3μmのナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)、粒状の微結晶セレン(平均粒径が約10μmの粒状の単斜晶系微結晶セレン)及び実施例1で使用したアモルファスセレン微粉末(粉砕物)を使用して図4に示すガスセンサを作製した。
すなわち、縦×横×厚みが1.0mm×1.0mm×0.16mmのカーボンテープ(日新EM(株)製のカーボン系両面テープ)の片面に、極微量(50μg程度)のセレンナノワイヤを木製の極細棒によって均一に吸着させた。セレンナノワイヤの吸着後のカーボンテープの厚みは約75μm、セレンナノワイヤの吸着層の厚みは23μmであった。また、セレンナノワイヤの秤量は、ザルトリウス(株)製のベーシックプラス天びんBP221Sにて行った。そして、このカーボンテープのセレンナノワイヤを吸着させた片面とは反対側の片面を、縦×横×厚みが1.0mm×1.0mm×35μmの銅板からなる第1の電極板で支持する一方、縦×横×厚みが1.0mm×1.0mm×35μmの銅板の片面に厚みが0.02〜0.03μm程度の金薄膜をスパッタリングによる蒸着の方法で形成した積層導電板からなる第2の電極板を用意して、その金薄膜をカーボンテープの片面に吸着保持された繊維状の微結晶セレンに接触させて、第1の電極板に対向配置させた(電極間距離:23μm)。そして、両電極間に電流計、電圧計及び電源を含む回路を形成し、ガスセンサを完成させた。
同様に、粒状の微結晶セレン(単斜晶系)をガス検知部に使用したガスセンサ装置、及び、アモルファスセレン微粉末(粉砕物)をガス検知部に使用したガスセンサ装置を作製した。
図5はこのようにして作製したガスセンサ装置の電流−電圧特性(I−V特性)を示す。この図から、セレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)は、セレン本来のP型半導体として電気伝導機構による電流−電圧特性を示すことがわかった。また、粒状の単斜晶系微結晶セレン及びアモルファスセレン微粉末のいずれにおいても、電流値は小さいが、同様な電流−電圧特性を示した。また、図8はガス検知部にセレンナノワイヤを適用したガスセンサの電圧が0〜約20Vでの電流−電圧特性(I−V特性)の両対数グラフであり、約電圧が1Vまではオーミック特性であり、それより高電圧領域になると空間電荷制限電流(SCLC)領域となって、非線形になることが分かる。SCLC領域の電流密度(JSC)は次の式で表される。
式中、εSeは六方晶系セレンの誘電率、μSeは六方晶系セレンの移動度、ζ(D/L)はアスペクト比(D/L)の関数で与えられる比例定数で、D/L>>1のとき(通常のバルク結晶の場合)は、ζ(D/L)=9/8である。dは電極間距離、Vは電圧である。
次に、定電圧5Vで電流を流したガスセンサ装置のガス検知部に100μLのエタノールガスを含有する5Lの空気(被検ガス)を断続的に接触させて、電流値変化を観測した。測定は、シリンジによってエタノールをガスバックの中に入れた後、ミニポンプ(SIBATA MP−Σ30N(柴田科学(株)製))にて空気を一定量入れ被検ガスをつくり、そのガスバックから逆にミニポンプにて一定流量でノズルからガスセンサの検知部に向けて被検ガスを非接触で排出することにより行った。
図6はガス検知部にセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)を使用したガスセンサ装置の有機ガス(エタノールガス)に対する電流値変化を示す。この図から、セレンナノワイヤは、有機ガスに対する反応感度が高く、有機ガスとの接触により速やかに抵抗上昇して電流値が減少し、しかも、その電流減少量が大きく、また、有機ガスとの接触を断つと速やかに電流値が増大し、高感度のセンサ素子となることが分かる。
実験例1
上記作製したガスセンサ装置について、室温にて、定電圧5Vで電流を流したガス検知部に有機ガスを接触させて、有機ガスに対する電流値(I/I)の変化を調べた。ここで、Iは有機ガスをガス検知部に接触させる前の定電流値、Iは有機ガスをガス検知部に接触させた後の電流値である。有機ガスにはアセトンとベンゼンを使用し、有機ガスのガス検知部への接触は、有機溶媒(アセトン、ベンゼン)を綿棒に浸透させた後に、ガス検知部分に接近させ、綿棒より揮発するアセトン5400ppmとベンゼン220ppmのガスをそれぞれガス検知部に120秒間接触させた。なお、有機ガスの濃度は(株)ガステック製のガス検知管にて測定を行った。なお、綿棒に有機溶媒を浸透させた後に、ガス検知部分に接近、綿棒より揮発する有機ガスを測定する方法(すなわち、セレンナノワイヤに有機ガスを受動的に吸着させる方法)は、実際の有機ガスが空気中に漂う環境下でのガスセンサによるガス検知動作に対応させたものである。
この結果を図9に示す。図中、上段のチャートがガス検知部にセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)を使用した装置の感度特性、中段のチャートがガス検知部に粒状の単斜晶系微結晶セレンを使用した装置の感度特性、下段のチャートがガス検知部にアモルファスセレン粒子を使用した装置の感度特性である。
図9から、アモルファスセレン粒子に比べて、粒状の単斜晶系微結晶セレン及びセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)は有機ガスに対する反応感度が高く、特に、セレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)は、有機ガスに対する反応感度が極めて高く(電流減少量が大きく)、緩和時間も非常に短い(電流減少速度が速い)ことが分かる。
実施例3
アセトンの代わりに(R) -(-) -2−ブタノール(比誘電率:16.72)を使用した以外は実施例1と同様にしてアモルファスセレン微粉末(粉砕物)を(R) -(-) -2−ブタノール中に室温下で10日間浸漬し、結晶構造をX線回折装置で分析したところ、六方晶系微結晶セレンであった。得られた(R) -(-) -2−ブタノール中の生成物を乾燥させた後に、アセトンの液中に入れ、超音波にて絡み合った微結晶セレンをほぐした後に、アセトンの液中に浮遊する微結晶セレンをSEMで観察したところ、太さが175nmで、長さが5.40μmのセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)であった。
実施例4
アセトンの代わりに(R) -(-) -2−ヘプタノール(比誘電率:9.25)を使用した以外は実施例1と同様にしてアモルファスセレン微粉末(粉砕物)を(R) -(-) -2−ヘプタノール中に室温下で2年間浸漬し、結晶構造をX線回折装置で分析したところ、六方晶系微結晶セレンであった。得られた(R) -(-) -2−ヘプタノール中の生成物を乾燥させた後に、アセトンの液中に入れ、超音波にて絡み合った微結晶セレンをほぐした後に、アセトンの液中に浮遊する微結晶セレンをSEMで観察したところ、太さが470nmで、長さが2.48μmのセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)であった。
実施例5
アセトンの飽和蒸気で満たしたデシケータ内に実施例1で使用したアモルファスセレン微粉末(粉砕物)を入れ、室温下で、40日間放置した。デシケータ内の生成物の結晶構造をX線回折装置で分析したところ、六方晶系微結晶セレンであった。デシケータ内の生成物の形態を乾燥させた後に、アセトンの液中に入れ、超音波処理にて絡み合った微結晶セレンをほぐした後に、アセトンの液中に浮遊する微結晶セレンをSEMで観察したところ、太さが275nmで、長さが2.85μmのセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)であった。
下記の表1は上記実施例1、3〜5で得られたセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)の太さ(D)と長さ(L)を使用した有機溶媒とともに示したものである。
表中の有機溶媒の( )内のR、Sは、光学的キラリティー(R:時計回り、S:反時計回り)を、+、-は、旋光性(+:右、-:左)を表す。
また、図10は実施例1、3〜5でセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)のSEM写真であり、(a)は実施例3のセレンナノワイヤのSEM写真、(b)は実施例1のセレンナノワイヤのSEM写真、(c)は実施例5のセレンナノワイヤのSEM写真、(d)は実施例4のセレンナノワイヤのSEM写真である。
実施例6
アセトンの代わりに下記の有機溶媒を使用した以外は実施例1と同様にしてアモルファスセレン微粉末(粉砕物)を下記の表2に示す有機溶媒中に浸漬し、セレンナノワイヤを作製した。 (R)-(-) -2-へプタノールでは、太さ(D)が565nm、長さ(L)が3.75μmのセレンナノワイヤが得られ、(R)-(-) -2-ブタノールでは、太さ(D)が274nm、長さ(L)が3.25μmのセレンナノワイヤが得られ、(R)-(+) -2-へプタノールでは、太さ(D)が233nm、長さ(L)が3.75μmのセレンナノワイヤが得られた。そして、かかる太さが異なる3種のセレンナノワイヤを個別に使用して、前記と同様にして、ガス検知部のセレンナノワイヤの太さが異なる3種のセンサ装置を作製した。
下記の表2は得られたセレンナノワイヤ(ナノワイヤ状の六方晶系微結晶セレン)の太さ(D)と長さ(L)を使用した有機溶媒とともに示したものである。
実験例2
実施例6で作製した3種のガスセンサ装置について、室温にて、定電圧5Vで電流を流したガス検知部に有機ガスを接触させて、有機ガスに対する反応感度(I/I)を調べた。有機ガスにはベンゼンを使用し、有機ガスのガス検知部への接触は、実験例1と同様の方法で行うことで、220ppmの有機ガスをガス検知部に100〜400秒間接触させた。この結果を図11に示す。
図中、上段に太さ(D)が565nmのセレンナノワイヤのSEM写真と感度特性チャートを、中段に太さ(D)が274nmのセレンナノワイヤのSEM写真と感度特性チャートを、下段に太さ(D)が233nmのセレンナノワイヤのSEM写真と感度特性チャートを、それぞれ示す。
図11から、セレンナノワイヤの太さが細くなるにつれて、有機ガスに対する反応感度が高く(電流減少速度が速く)、反応時間(緩和時間)も非常に短いことが分かる。セレンナノワイヤの太さ方向でこのような傾向を持つ理由は、ナノワイヤの細線化による表面積の増大が主要因であると考えられる。このことは、SEM像からも推察できる。
実験例3
実施例6で得られた3種のセレンナノワイヤをそれぞれガス検知部に使用した各ガスセンサにおいて、市販の有機溶媒を使用して、室温にて、定電圧10Vで電流を流したガス検知部に、種々の有機ガス(メタノール、エタノール、1−ブタノール、ホルムアルデヒド、アセトン、ピリジン、ピペリジン、ベンゼン、トルエン、シクロへキサン、ジエチルエーテル)を接触させて、有機ガスの種類と、センサのセンサ応答(S)の関係を調べた。実験方法としては、各有機ガスに対して実験例1と同様の方法で行った。そして、有機ガスの比誘電率と、センサ応答(S)である電流値変化度(ΔI/I)との関係を調べた。何れの装置においても、同様の結果が得られたので、代表例として、太さ(D)が233nm、長さ(L)が3.75μmのセレンナノワイヤを使用したガスセンサ装置での結果を図12に示す。
セレンナノワイヤを使用したガスセンサ装置の被検ガスの濃度(N)に対するセンサ応答(S(N))は次の式で表すことができる。


式中、εrは有機ガスの比誘電率(市販の有機溶媒の原液の比誘電率)、Aはセレンナノワイヤとガスとの接触効率、Vは電圧、dは電極間距離、Nは濃度、nはベキ数、Nは市販の有機溶媒の原液の濃度である。
ここで、2>>ξ(εr−1)/(εr+2)であることから、センサ応答は、下記式で表すことができる。
式中、Nは、有機ガスのNmで規格化された濃度N/Nmである。
図12中の曲線は上記式〔数4〕によるA=0.75、ξ=2.15のときのフィッテングである。高濃度の有機ガスの場合、有機ガスの種類による比誘電率の違いによって、センサ応答(S)である電流値変化度(ΔI/I)が異なるので、本発明のガスセンサでは、有機ガスの種類を判別することも可能である。
各有機ガスに対して、センサ応答(S)である電流値変化度(ΔI/I)と、電流が変化する時間(=緩和時間(τ))との関係を調べた。何れの装置においても、同様の結果が得られたので、代表例として、太さ(D)が233nm、長さ(L)が3.75μmのセレンナノワイヤを使用したガスセンサ装置での結果を図13に示す。
図13から明らかなように、本発明のガスセンサでは、異なる有機ガス間で、ガス検知部が有機ガスに接触することによる電流変化量(ΔI)とその緩和時間(τr)とが相関性を示すので、電流変化量の緩和時間(すなわち、一定電圧で生じる電流変化の大きさの時間的な特性)の違いを利用することによって、有機ガスを判別することも可能であることが分かる。
実験例4
実施例6で得られた3種のセレンナノワイヤをそれぞれガス検知部に使用した各ガスセンサにおいて、室温にて、定電圧5Vで電流を流したガス検知部に、エタノールガスの含有量が異なる種々の被検ガス(空気)を接触させて、被検ガス中のエタノールガス濃度とセンサの感度特性の関係を調べた。被検ガス中のエタノールガス濃度と、ガス検知部に被検ガスが接触する前の電流値Iとガス検知部に被検ガスが接触することによる電流値変化量(ΔI)との比である電流値変化度(ΔI/I)との関係を調べた。何れの装置においても、同様の結果が得られたので、代表例として、太さ(D)が233nm、長さ(L)が3.75μmのセレンナノワイヤを使用したガスセンサ装置での結果を図14に示す。また、ベンゼンガス、アセトンガスおよびメタノールガスについても同様の試験を行った。なお、アルコールガス(エタノールガス、メタノールガス)のガス濃度の調整はアルコールを希釈することにより行い、アセトンガス及びベンゼンガスのガス濃度の調整は、有機溶媒(アセトン、ベンゼン)を染み込ませた綿棒とガス検知部分間の距離を1mm〜5mmの範囲内で変化させることによって行った。ガスの濃度は(株)ガステック製のガス検知管にて測定を行なった。
図14から、被検ガス中の有機ガス濃度と、センサ応答(S)である電流値変化度(ΔI/I)とは相関性を示すことが分かる。
また、図15はエタノールガス、メタノールガス、アセトンガス、ベンゼンガスのそれぞれにおけるガス濃度(規格化データ)とセンサ応答(S)との関係を示す。
図15はFreundlich(フロインドリッヒ)の吸着等温式に良い一致を示している。値がn=1/5のとき良い一致を示した。
従って、有機ガスの種類が分かっている場合に、かかる有機ガスの濃度と電流値変化度(ΔI/I)との関係を基準データとして、環境中の特定の有機ガスの濃度を把握することができる。
本発明の微結晶セレンは、ガス感受性が高いことから、ガスセンサとして使用できる。また、本発明の微結晶セレンは、種々の有機ガスに対する吸着能力が高いことから、有毒ガスの吸着物質として使用することも期待できる。
1 微結晶セレン
2 ガス検知部
3 電極
3A 基体電極(銅板)
3B 金薄膜
4 電極
4A 基体電極(銅板)
4B カーボンテープ
5 電源
6 可変抵抗
7 電圧計
8 電流計
9A 基盤
9B 基盤
30 電流値測定部
100 ガスセンサ
本出願は日本で出願された特願2009−254461を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含される。
本発明のガスセンサにおけるセンサ動作は、通常、電極間距離(d)を20〜30μm程度とした、対向する2つの素子電極3、4に1〜15V程度の電圧を印加して行う。例えば、5Vを印加すると、ガス検知部2には40〜120μA程度の一定の電流が流れる。なお、ここでいう電極間距離(d)はカーボンテープ4Bと金薄膜3Bとの間の距離であり、ガス検知部における微結晶セレンの集合物による薄層(微結晶セレン層)の厚みに相当する。そして、ガス検知部2が有機ガスに曝されると電流値が減少し、ガス検知部2への有機ガスの接触がなくなると、電流値が元の状態に復帰する。例えば、図5は微結晶セレン1にセレンナノワイヤ(太さ:23.3nm、長さ:4μm)を使用したガスセンサの室温下、大気中での電流−電圧特性を示し、図6は5Vの定電圧を電極3、4に印加して、ガス検知部2に、100μLのエタノールを含有する5Lの空気を断続的に接触させたときの電流値変化を示している。なお、5Vの駆動は電池での動作に対応させたものであり、他の電圧でも駆動可能である。
次に、定電圧5Vで電流を流したガスセンサ装置のガス検知部に100μLのエタノールを含有する5Lの空気(被検ガス)を断続的に接触させて、電流値変化を観測した。測定は、シリンジによってエタノールをガスバックの中に入れた後、ミニポンプ(SIBATA MP−Σ30N(柴田科学(株)製))にて空気を一定量入れ被検ガスをつくり、そのガスバックから逆にミニポンプにて一定流量でノズルからガスセンサの検知部に向けて被検ガスを非接触で排出することにより行った。

Claims (11)

  1. 微結晶セレンからなるガス感受性材料。
  2. 微結晶セレンがセレンナノワイヤである、請求項1記載のガス感受性材料。
  3. 有機ガスの検出用である、請求項1又は2記載のガス感受性材料。
  4. 有機ガスが、室温での比誘電率が1.0〜38.0の範囲内にある揮発性有機化合物由来のガスである請求項3記載のガス感受性材料。
  5. 請求項1に記載のガス感受性材料が2つの電極間に配置された素子構造を有するガスセンサ。
  6. 請求項2に記載のガス感受性材料が2つの電極間に配置された素子構造を有するガスセンサ。
  7. 有機ガスの検出用である請求項5又は6記載のガスセンサ。
  8. 有機ガスが、室温での比誘電率が1.0〜38.0の範囲内にある揮発性有機化合物由来のガスである請求項7記載のガスセンサ。
  9. 一定電圧の基で生じる2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの違いからガス種を識別する請求項5〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  10. 飽和感度において2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの違いからガス種を識別する請求項5〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  11. 緩和時間の違いを尺度として一定電圧の基で生じる2つの電極間に流れる電流値変化の大きさの時間的な特性の違いからガス種を識別する請求項5〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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