JPWO2011040000A1 - アッパーサポートおよびその製造方法 - Google Patents

アッパーサポートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

リバウンドストッパ金具固定のためにインナ金具の外周面を切削加工することを不要となし得て、アッパーサポートの製造コストを安価となし得、またかしめ加工を少ない力で容易に行い得るとともに、リバウンドストッパ金具をインナ金具に対し回転方向に強固に固定状態となし得るアッパーサポートを提供する。車体とショックアブソーバとの間でゴム弾性体の弾性変形により防振作用するアッパーサポートにおいて、インナ金具12には、上端面から且つ周方向において部分的にリバウンドストッパ金具18の板厚よりも大きく上向きに突出する凸係合片58を設ける一方、リバウンドストッパ金具18には凸係合片58に対応する切欠凹部66を設け、凸係合片58を切欠凹部66に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、リバウンドストッパ金具18よりも上側に突き抜けた部分を折り曲げてかしめ、リバウンドストッパ金具18をインナ金具12の上端部に固定しておく。

Description

この発明はサスペンションにおけるショックアブソーバのピストンロッドと車体とを弾性連結し、それらの間で防振作用するアッパーサポートに関する。
従来、車両においてサスペンションの要素をなすショックアブソーバのピストンロッドと車体とをアッパーサポートで弾性連結し、アッパーサポートの防振作用でショックアブソーバから車体側に振動が伝達されるのを防止ないし抑制することが行われている。
従来、かかるアッパーサポートとして様々な種類,形態のものが知られているが、その1つとして、(イ)上面が開放形状をなす筒状のインナ金具と、(ロ)インナ金具の径方向外側に配置されたアウタ金具と、(ハ)それらインナ金具とアウタ金具とを連結するゴム弾性体と、(ニ)インナ金具と別体で板状に構成され、中心穴周りにおいてインナ金具の上端部にかしめにより固定されてインナ金具とともに上下動し、リバウンド時にストッパ作用をなすリバウンドストッパ金具とを有し、アウタ金具の側で車体に固定され、インナ金具の側でショックアブソーバのピストンロッドに固定されて、車体とショックアブソーバとの間でゴム弾性体の弾性変形により防振作用するアッパーサポートが公知である。
図16はその具体例を示している。
図16において200はアッパーサポートで、202は筒状をなすインナ金具、204はインナ金具202の径方向外側に配置されたアウタ金具、206はそれらインナ金具202とアウタ金具204とを連結する状態にそれらに一体に加硫接着されたゴム弾性体、208はインナ金具202の上端部に固定されてインナ金具202とともに上下動し、リバウンド時にストッパ作用をなすリバウンドストッパ金具である。
リバウンドストッパ金具208はインナ金具202とは別体で板状に構成されており、インナ金具202に固定されて保持されている。
アウタ金具204は、径方向外方に張り出した板状の取付部212を有しており、その取付部212において取付ボルト214により車体パネル216に取付固定されるようになっている。
インナ金具202は、内側の第1金具202−1と、外側の第2金具202−2との2つの金具から成っており、外側の第2金具202−2の上部が、内側の第1金具202−1に対し外嵌状態で溶接され、それら第1金具202−1と第2金具202−2とが接合されている。
内側の第1金具202−1はベアリング218を固定し保持する機能を有しており、その下端部がベアリング218にかしめられ、ベアリング218を固定している。
図16に示すアッパーサポート200において、リバウンドストッパ金具208はかしめによってインナ金具202の上端部に固定されている。
そのかしめによる固定は次のようにして行われている。
即ち、図16の部分拡大図に示すようにインナ金具202の上端部外周面を全周に亘り切削加工して、そこに予め円筒状の薄肉部220と、段付部222とを形成しておき、そして薄肉部220に対してリバウンドストッパ金具208を中心穴210において外嵌状態に嵌め合せて、下面を段付部222にて形成される着座面224に着座させ、その着座面224によってリバウンドストッパ金具208を上下方向に位置決状態に支持させる。
その後、円筒状の薄肉部220を全周に亘って拡径変形させながら径方向外方に折り曲げて、リバウンドストッパ金具208の上面を押圧する状態にかしめ、リバウンドストッパ金具208をインナ金具202に固定状態とする。
上記のかしめは、インナ金具202の上端部を全周に亘って拡径変形させながら曲げ加工するものであり、強い加工力を必要とする。
例えばかしめ加工されるインナ金具202の上端部が上記のような薄肉部220とされておらず、切削加工前の肉厚のままであると、これを全周に亘り拡径を伴って折り曲げる際に極めて強い力が必要となってかしめ装置が力不足となり、かしめ加工自体が困難化する。
このときに無理に折曲げによるかしめを行うと亀裂や割れ等が発生してしまう。
そこでインナ金具の上端部を薄肉となしておいて、これをかしめ加工するようにしている。上記の薄肉部220の形成はこのような意味を有している。
尚、このようにインナ金具202に対して別体に構成されたリバウンドストッパ金具208を上記のようなかしめによって固定する点については下記特許文献1,特許文献2,特許文献3等に開示されている。
しかしながら上記の薄肉部220及び段付部222を形成するための切削加工には多大な時間と手間とを要し、その切削加工のためのコストが非常に高いものとなり、このことがアッパーサポート200の製造コストを大きく押し上げる要因となる。
またこのようにしてインナ金具202の外周面の切削加工により、リバウンドストッパ金具208をセットするための段付部222、即ち着座面224を形成する場合、着座面224の幅(径方向の幅)は自ずと小さなものとなり、かしめによる固定のためにリバウンドストッパ金具208を薄肉部220に嵌めて着座面224に着座させたとき、リバウンドストッパ金具208が不安定な状態となって座りが悪く、かしめ加工がしづらくなったり或いはリバウンドストッパ金具208の固定姿勢が不安定化してしまう要素となる。
インナ金具202、詳しくは第1金具202−1は、例えば2mm程度の肉厚寸法があっても、上端部に対して外周面を切削加工することで、上記の着座面224として確保可能な幅は例えば片側で0.7mm程度の幅の狭いものとなってしまう。
このような狭い幅の着座面224ではリバウンドストッパ金具208をセットする際に、安定してこれを支持することができない場合がある。
その他、図16に示すアッパーサポートでは、かしめによる固定力を十分に強く確保することが難しく、振動入力によってかしめ部に緩みが生じることがある。
而してそのような緩みが生じると、リバウンドストッパ金具208がインナ金具202に対して相対回転をしてしまったり、或いはその緩みに起因してリバウンドストッパ金具208ががたつきを生じ、その際に不快な異音を発生するといった問題が生ずる。
このようなことから特許文献2,特許文献3に開示のものでは、リバウンドストッパ金具208の中心穴210の周面或いは中心穴210周りの上面に溝部を設けて、かしめ加工の際にインナ金具202の一部をそこに食い込ませ、インナ金具202とリバウンドストッパ金具208とを回転方向に固定することが提案されている。
しかしながらこの場合、回転方向の固定力、保持力には自ずと限界があり、インナ金具202とリバウンドストッパ金具208とを回転方向に十分強固に固定することは難しい。
特許第3800888号公報 特開2004−150497号公報 特開2002−310209号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、リバウンドストッパ金具固定のためにインナ金具の外周面を切削加工することを不要となし得て、アッパーサポートの製造コストを安価となし得、またかしめ加工を少ない力で容易に行い得るとともに、かしめによる固定強度を高強度となし得、またリバウンドストッパ金具をインナ金具に対し回転方向にも強固に固定状態となし得るアッパーサポートを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(イ)上面が開放形状をなす筒状のインナ金具と、(ロ)該インナ金具の径方向外側に配置されたアウタ金具と、(ハ)それらインナ金具とアウタ金具とを連結するゴム弾性体と、(ニ)該インナ金具と別体で板状をなし、中心穴周りにおいて該インナ金具の上端部にかしめにより固定されて該インナ金具とともに上下動し、リバウンド時にストッパ作用をなすリバウンドストッパ金具と、を有し、前記アウタ金具の側で車体に固定され、前記インナ金具の側でショックアブソーバのピストンロッドに固定されて、該車体と該ショックアブソーバとの間で前記ゴム弾性体の弾性変形により防振作用するアッパーサポートにおいて、前記インナ金具には、上端面から且つ周方向において部分的に前記リバウンドストッパ金具の板厚よりも大きく上向きに突出する凸係合片を設ける一方、前記リバウンドストッパ金具には、該凸係合片に対応する位置において且つ該凸係合片に対応する周方向幅で切欠凹部を設け、前記凸係合片を該切欠凹部に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、前記リバウンドストッパ金具の上面よりも上側に突き抜けた部分を折り曲げて該リバウンドストッパ金具の上面を押圧する状態にかしめ、該リバウンドストッパ金具を前記インナ金具の上端部に固定してあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記インナ金具の上端面を着座面として前記リバウンドストッパ金具が着座せしめられ、上下方向に位置決め状態に支持されていることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1又は2において、前記切欠凹部が前記中心穴の周面から径方向外方に窪んだ形態で設けてあり、前記凸係合片の前記リバウンドストッパ金具の上面よりも上側に突き抜けた部分を径方向外方に折り曲げてかしめてあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れか1項において、前記凸係合片及び前記切欠凹部が、周方向に間隔を隔てて複数設けてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項4において、前記凸係合片及び前記切欠凹部が、周方向に等間隔で全周に亘って設けてあることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れか1項において、前記凸係合片が、前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定状態で前記切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌り合っていることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項6において、前記凸係合片は、前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定前において根元部の周方向幅が前記切欠凹部の周方向幅よりも大とされていて、該切欠凹部への挿入時に塑性変形を伴って該切欠凹部に周方向に隙間無く嵌り合うものとされているとともに、該凸係合片の上端が該切欠凹部よりも周方向幅が小さくされていて、該上端に続く周方向の外側面が前記根元側に向って漸次周方向幅の増大する挿入ガイド面をなしているか又は/及び前記切欠凹部における前記リバウンドストッパ金具の下面側の部分の周方向の内側面が、上方に向って漸次周方向幅の減少する挿入ガイド面をなしていることによってガイド手段が構成されていることを特徴とする。
請求項8のものは、請求項6において、前記インナ金具の前記上端面から突設された前記凸係合片の根元部の周方向両側には、該インナ金具の該上端面から立ち上がる角部に対して湾曲面を備えたアール部が設けられており、該凸係合片の該根元部の周方向幅が該アール部により根元側に向って漸次増大されて前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定前において該根元部の周方向幅の最大値が前記切欠凹部の周方向幅よりも大とされていて、該リバウンドストッパ金具のかしめ固定状態で塑性変形を伴って該凸係合片の該根元部が該リバウンドストッパ金具の該切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌り合っていることを特徴とする。
請求項9のものは、請求項1〜8の何れか1項に記載のアッパサポートを製造するに際して、前記インナ金具の成形用材としてカップ形状の成形用材を用い、該成形用材の底部を打抜き加工するときに該底部において前記凸係合片の形成部位を径方向の内向きに残すようにし、その後これを上向きに立ち上がらせることで該凸係合片とすることを特徴とする。
請求項10のものは、請求項9において、前記成形用材の打抜き加工に用いられる打抜型に付された角部アール面取りにより、前記凸係合片の根元部の周方向両側において前記インナ金具の前記上端面から立ち上がる前記角部に対して前記湾曲面を備えた前記アール部を形成し、該凸係合片のかしめ加工による該インナ金具に対する前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定に際して、塑性変形を伴って該凸係合片の該アール部を該リバウンドストッパ金具の前記切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌め合わせることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、インナ金具の上端面から周方向において部分的にリバウンドストッパ金具の板厚よりも大きな突出高さをもって上向きに突出する凸係合片をインナ金具に設ける一方、リバウンドストッパ金具には、その凸係合片に対応する位置において且つ対応する周方向幅で切欠凹部を設け、凸係合片を切欠凹部に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、リバウンドストッパ金具の上面よりも上側に突き抜けた部分を折り曲げてかしめ、リバウンドストッパ金具をインナ金具の上端部に固定したものである。
本発明においては、インナ金具のかしめ部となる部分を従来のように切削加工によらないで形成することができる。
具体的に例示をすれば、例えば、インナ金具を板材の絞り加工にて形成し、その際に底部を打抜き加工するとき、凸係合片を径方向の内向きに残すようにし、その後これを上向きに立ち上げることで、切削加工によらずに簡単にかしめ部となる凸係合片を形成することができる。
そして、この凸係合片を、リバウンドストッパ金具の切欠凹部に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、リバウンドストッパ金具から上側に突き抜けた部分を折り曲げ、かしめることでリバウンドストッパ金具をインナ金具の上端部に固定状態とすることができる。
而して、この凸係合片は周方向に部分的に設けられているものであるため、凸係合片を折り曲げてかしめる際に、従来のようにインナ金具の上端部を全周に亘って拡径させながら曲げ加工し、かしめる場合のように強い力を必要とせず、小さな力で容易に曲げ加工即ちかしめ加工を行うことができる。
しかも、この凸係合片は、外周面に切削加工を施すことなく肉厚の厚いままの状態でかしめ加工できるため、かしめの力が小さくて済む一方で、かしめ後において強いかしめ強度を得ることができる。即ちかしめによる固定強度を高強度となすことができる。
更に、このインナ金具の凸係合片は、リバウンドストッパ金具の切欠凹部に対して周方向(回転方向)に嵌り合った状態であるため、周方向の機械的ないし物理的な係合に基づいてインナ金具とリバウンドストッパ金具との回転方向の制限作用を高強度をもってなすことができ、リバウンドストッパ金具がインナ金具に対し相対回転してしまうのを効果的に制限することができる。
また、凸係合片と切欠凹部との係合に基づいて、リバウンドストッパ金具をインナ金具に対し回転方向に高強度で固定できるため、リバウンドストッパ金具に溝等を設けて、かしめ加工の際にその溝部にインナ金具の一部を食い込ませるといったことをしなくてもよく(但しそのようにすることも自由である)、溝部形成のための加工を省略することが可能となる。
尚、板状をなすリバウンドストッパ金具の切欠凹部もまた、例えばプレス加工での打抜き等によって容易に形成することができる。
この請求項1においては、インナ金具の上端面を着座面となして、その上端面によりリバウンドストッパ金具を上下方向に位置決め状態に支持させるようになすことができる(請求項2)。
この場合、インナ金具の上端面を全肉厚に亘って着座面として利用でき、着座面の径方向の幅を拡く確保することができる。
従って、かしめ加工に際してリバウンドストッパ金具をその着座面で支持させる状態にセットしたときに、リバウンドストッパ金具の座りが良く、これを安定して支持することができ、かしめ加工が行い易くなるとともに、リバウンドストッパ金具を良好にインナ金具に固定することができる。
これら請求項1,2においては、リバウンドストッパ金具の切欠凹部を、その中心穴の周面から径方向外方に窪んだ形態で設けておき、上記凸係合片のリバウンドストッパ金具よりも上側に突き抜けた部分を径方向外方に折り曲げ、かしめておくことができる(請求項3)。
この場合において、インナ金具の上端部の内径とリバウンドストッパ金具の中心穴の径とを同径とし、インナ金具の上端部の内周面の位置と、リバウンドストッパ金具の中心穴の周面の位置とを合致させておくことができる。
本発明では、上記凸係合片及び対応する切欠凹部を、周方向に間隔を隔てて複数設けておくことができる(請求項4)。
このようにすれば、凸係合片のかしめによる固定強度及び回転方向における固定強度をともにより高強度となすことができる。
この場合において、それら凸係合片及び切欠凹部を周方向に等間隔で全周に亘って設けておくことができる(請求項5)。更に、各凸係合片及び切欠凹部の形状や寸法をそろえて相対的な周方向位置関係を不特定構造とすることにより、インナ金具にリバウンドストッパ金具を組み付けるに際しての周方向での相対的な位置合わせを容易とすることも可能となる。
本発明ではまた、上記凸係合片及び切欠凹部を、固定状態で周方向に隙間無く嵌り合った状態としておくことができる(請求項6)。
本発明では、凸係合片と切欠凹部との機械的ないし物理的な係合によって、インナ金具とリバウンドストッパ金具との間で回転方向の力を確実に伝えて、周方向での当接位置で確実に相対回転阻止できるものの、それらの間に周方向の嵌合クリアランスが生じていると、そこでがたつきを生じることを避け得ず、そしてそのことが不快な異音の発生に繋がる恐れがある。
しかるにこの請求項6によれば、そのようながたつきを生ぜしめないので、そのがたつきに起因する異音の発生を防止することができる。
この場合において凸係合片を、固定前において根元部の周方向幅を切欠凹部の周方向幅よりも大となしておき、切欠凹部への挿入時に塑性変形を伴って凸係合片を切欠凹部に周方向に隙間無く嵌り合うものとなし、一方その上端は切欠凹部よりも周方向幅を小さくなしておいて、上端に続く周方向の外側面を根元側に向って漸次周方向幅の増大する挿入ガイド面をなすようにしておくか、又は/及び切欠凹部におけるリバウンドストッパ金具の下面側の部分の周方向の内側面を、上方に向って漸次周方向幅の減少する挿入ガイド面をなすようにしておくことができる(請求項7)。
このようにしておけば、凸係合片を切欠凹部に挿入するに際して挿入性を良好となし得るとともに、挿入後においては凸係合片と切欠凹部とを周方向に隙間無く嵌り合った状態となすことができる。
本発明の一実施形態のアッパーサポートの図である。 図1のリバウンドストッパ金具をインナ金具に固定した状態の平面図である。 同リバウンドストッパ金具とインナ金具とを固定前の状態で示した図である。 同リバウンドストッパ金具の単品図である。 同インナ金具における内側の第1金具の単品図である。 図3の凸係合片を形成する方法の説明図である。 同実施形態におけるリバウンドストッパ金具のインナ金具への固定手順を示した図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 図10に示された実施形態におけるインナ金具の製造工程で用いられる打抜型の一例を示す説明図である。 図10に示された実施形態におけるインナ金具の製造方法の一例を説明するための製造工程説明図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。 従来のアッパーサポートの一例を示した図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はショックアブソーバのピストンロッドと車体とを弾性連結して、ピストンロッドと車体との間で防振作用するアッパーサポートで、筒状をなすインナ金具12と、インナ金具12の径方向外方に配置されたアウタ金具14と、それらインナ金具12及びアウタ金具14を弾性連結する状態に、それらに一体加硫接着されたゴム弾性体16と、インナ金具12とは別体で板状をなし、インナ金具12の上端部にかしめにより固定されてインナ金具12とともに上下動し、リバウンド時にストッパ作用をなすリバウンドストッパ金具18とを有している。
このアッパーサポート10は、アウタ金具14の側で車体に固定されると共に、インナ金具12の側でショックアブソーバのピストンロッドに固定されており、ピストンロッドと車体とを弾性連結する働きと、車体からの荷重をゴム弾性体16を介してサスペンションのコイルスプリングに伝え、車体の荷重をコイルスプリングにて支持させる働きとを有している。
アウタ金具14は、略テーパ状をなす筒状部20と、その上端側から径方向外方に張り出した、周方向に環状をなすフランジ部22とを有している。
フランジ部22の外周端部は全周に亘り図中下向きに湾曲形状で曲げられている。図中24はその曲げ部を表している。
フランジ部22は、周方向の3個所が更に径方向外方へと突出せしめられており、その突出部分が板状の取付部26を成している。
取付部26には、取付ボルト28用の貫通の固定孔30が形成されており、そこに取付ボルト28が挿通状態で固定されている。
ここで取付ボルト28には、大径の頭部32側にセレーション部34が設けられており、このセレーション部34を固定孔30の内面に食い込ませる状態に固定孔30に固定されている。
アッパーサポート10は、この取付部26において取付ボルト28により車体側に固定される。
アウタ金具14は、筒状部20の上端からフランジ部22にかけての部分が断面逆U字状に上向きに突出しており、その突出部がリバウンドストッパ作用時のストッパ当り部36を成している。
一方インナ金具12は、内側の第1金具12‐1と、外側の第2金具12‐2とから成っている。
第1金具12‐1は、上部の円筒状の小径部38と、下部の円筒状の拡径部40とを有しており、その拡径部40の内側にベアリング42を保持している。
拡径部40は、下端が径方向内向きに折り曲げられてかしめられ、そのかしめによって、ベアリング42が抜止め状態に保持されている。
図中44は、その拡径部40のかしめ部を表している。
外側の第2金具12‐2は、上部の円筒状の嵌合部46と、下向きにスカート状に拡がった形態の下部のスカート部48とを有しており、その上部の嵌合部46が第1金具12−1の小径部38に外嵌する状態に、第1金具12−1に対し固定されている。
第2金具12−2のスカート部48の下端部且つ外周端部は、バウンド側のストッパ作用時のストッパ当り部49を成している。
ゴム弾性体16は、インナ金具12とアウタ金具14との間に挟まれた環状且つ略テーパ状のゴム本体部50を有しており、そのゴム本体部50に連続する形態で、上記のストッパ当り部36の上側にリバンド側のゴムストッパ部52を、またストッパ当り部49の上側にバウンド側のゴムストッパ部54を一体に有している。
本実施形態において、リバウンドストッパ金具18は、図3及び図4に示しているように凹陥部80を有する浅い皿状をなしており、またインナ金具12、詳しくは第1金具12−1よりも硬い材料で構成されていることが好ましい。具体的には、ここではリバウンドストッパ金具18がSPH440にて構成され、また第1金具12−1がSPC270にて構成されている。
リバウンドストッパ金具18は、リバウンドストッパ作用時に大きな荷重を受ける。そのためにリバウンドストッパ金具18は硬い材料で構成されていることが好ましい。
一方インナ金具12は、リバウンドストッパ金具18ほどには大きな荷重が作用せず、またこのインナ金具12、詳しくは第1金具12−1はプレス加工による板材の絞り加工にて製造されることから、更にはその下端部と、後に述べる上端側の凸係合片58とが折り曲げられ、かしめ加工されることから、変形加工が困難とならないようにリバウンドストッパ金具18よりも軟らかい材料で構成されていることが好ましい。
図3は、これらインナ金具12における第1金具12−1と、リバウンドストッパ金具18とを、かしめによる固定前の形状で示している。
図示のようにインナ金具12には、その上端面56から且つ周方向において部分的に、リバウンドストッパ金具18の板厚よりも大きく上向きに突出する凸係合片58が設けられている。
ここで凸係合片58は、全周に亘って一定間隔ごとに複数(ここでは6個)設けられている。
凸係合片58は、正面視形状が4角形状をなしており、そして隣接する凸係合片58と58との間に、同じく正面視形状が4角形状をなす凹部60が形成されている。なお、正面視とは、円筒形状を有する第1金具12−1の中心軸に直交する軸直角方向での視図に略等しく、第1金具12−1を周上の一箇所において中心軸と平行に延びる切断線をもって切り開いた展開図を表すものに等しい。
本実施形態において、第1金具12−1は板材をプレス加工により絞り加工することによって形成されている。
この絞り加工では、周知のとおり深絞り用の成形型(パンチ,ダイス,しわ押えを含む)を用いて板材に対してプレス加工装置を用いた絞り加工を施すことにより、先ず有底の円筒状(カップ形状)に形成する。しかる後に、かかる中間加工品であるカップ形状の成形品における底部を、打抜き加工用の打抜型(ダイス及びパンチを含む)を用いて、同じくプレス加工による打抜き加工により除去することで、最終的に上面が開放形状をなす第1金具12−1が形成される。
尚、拡径部40もまたプレスによる拡径加工で形成される。
その底部の打抜き加工の際に、先ず、図6(A)に示しているように底部を凹凸形状に打抜き加工し、具体的には径方向内向きに突出した凸係合片58Aを残す形で底部を打抜き加工する。この打抜き加工は、周知のとおり目的とする打抜き部分の形状に対応したダイス及びパンチの剪断面をもって行うことが出来る。そして、その後、同じくプレス加工での曲げ加工(フォーミング加工)により、径方向内向きとなっている各凸係合片58Aを軸方向、即ち図中上向きに曲げ起すことで、第1金具12−1の円筒状部と同じ曲率で周方向に湾曲して、上端面56から上向きに起立した形態の凸係合片58Aを備えた図6(B)の第1金具12−1を形成することができる。
一方、リバウンドストッパ金具18には、円形の中心穴62の周面64から径方向外方に窪んだ形態で切欠凹部66が設けられている。
切欠凹部66もまた、上記の凸係合片58に対応して全周に亘り互いに等間隔で複数(ここでは6個)設けられている。
この実施形態において、図4に示す切欠凹部66の周方向幅寸法T2 は、図5に示す凸係合片58の周方向幅寸法T1 よりも僅かに幅広で形成されている。
尚、径方向の深さは、ここでは凸係合片58の厚みとほぼ同等とされており、更に中心穴62の直径は、インナ金具12の上端部内径と同等とされており、図2に示す組付状態では中心穴62の周面64と、インナ金具12の内周面とは合致した状態となる(図1の部分拡大図参照)。
また、リバウンドストッパ金具18における周方向に隣接した切欠凹部66と66との間の部分は、切欠凹部66を基準として見たとき径方向内方への突出部68となる。
尚、上記中心穴62の直径を、インナ金具12の上端部内周面の直径よりも僅かに大きくし、リバウンドストッパ金具18の中心穴62の周面64が、インナ金具12の内周面よりも僅かに径方向外方に引き込んだ位置としておくこともできる。また、装着条件等に応じて、反対に、リバウンドストッパ金具18の中心穴62の周面64が、インナ金具12の内周面よりも僅かに径方向内方に突出した位置とすることも可能である。
この実施形態では、図3に示す状態において図7(I)に示すようにインナ金具12の各凸係合片58を、リバウンドストッパ金具18の対応する切欠凹部66に下方から上向きに挿通し、各凸係合片58を切欠凹部66に嵌め合せた状態とする。
このとき、リバウンドストッパ金具18は、インナ金具12の上端面56を着座面として、そこに下面が着座した状態となり、リバウンドストッパ金具18がその上端面56にて上下方向に位置決め状態に支持される。
この実施形態では、インナ金具12上端部の内径と、リバウンドストッパ金具18の中心穴62の直径とが同径とされているため、リバウンドストッパ金具18は、インナ金具12の上端面56を全肉厚に亘って着座面となして、そこに着座せしめられる。即ち、インナ金具12の上端面56が、軸直角方向に広がる平坦面とされており、その全肉厚の領域に対して、リバウンドストッパ金具18の内周縁部の下面が当接状態で重ね合わされて支持されている。
以上のように各凸係合片58を各切欠凹部66に嵌め合せた上で、次に図7(II)に示すように凸係合片58の、リバウンドストッパ金具18の上面よりも上側に突き抜けた部分を径方向外方に折り曲げて、リバウンドストッパ金具18の上面を押圧する状態にかしめることで、リバウンドストッパ金具18をインナ金具12に固定する。
このとき、図2に示しているように各凸係合片58は、リバウンドストッパ金具18側の各突出部68に対し、あたかも歯車が噛み合ったように周方向に機械的ないし物理的に係合した状態となる。
従って本実施形態によれば、リバウンドストッパ金具18が、インナ金具12に対してかしめにより上下方向に固定されるとともに、凸係合片58と切欠凹部66との周方向の嵌め合いにより回転方向にも強固に固定され、インナ金具12とリバウンドストッパ金具18との間で確実に回転方向の力が伝えられる。
以上のように本実施形態においては、インナ金具12のかしめ部となる部分(凸係合片58)を従来のように切削加工によらないで形成することができ、そしてこの凸係合片58を、リバウンドストッパ金具18の切欠凹部66に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、リバウンドストッパ金具18から上側に突き抜けた部分を折り曲げ、かしめることで、リバウンドストッパ金具18をインナ金具12の上端部に固定状態とすることができる。
この凸係合片58は周方向に部分的に設けられているものであるため、凸係合片58を折り曲げてかしめる際に、従来のようにインナ金具の上端部を全周に亘って拡径させながら曲げ加工し、かしめる場合のように強い力を必要とせず、小さな力で容易に曲げ加工即ちかしめ加工を行うことができる。
しかもこの凸係合片58は、外周面に切削加工を施すことなく肉厚の厚いままの状態でかしめ加工できるため、かしめの力が小さくて済む一方で、かしめ後において強いかしめ強度を得ることができる。即ちかしめによる固定強度を高強度となすことができる。
更にこのインナ金具12の凸係合片58は、リバウンドストッパ金具18の切欠凹部66に対して周方向(回転方向)に嵌り合った状態であるため、周方向の機械的ないし物理的な係合に基づいてインナ金具12とリバウンドストッパ金具18との回転方向の固定強度をも高強度となすことができ、リバウンドストッパ金具18がインナ金具12に対し相対回転してしまうのを確実に防止することができる。
また凸係合片58と切欠凹部66との係合に基づいて、リバウンドストッパ金具18をインナ金具12に対し回転方向に高強度で固定できるため、リバウンドストッパ金具18に溝等を設けて、かしめ加工の際にその溝部にインナ金具の一部を食い込ませるといったことをしなくてもよく、溝部形成のための加工を省略することが可能となる。
この実施形態においては、インナ金具12の上端面56を全肉厚に亘ってリバウンドストッパ金具18を上下方向に位置決め状態に支持させるための着座面として利用でき、着座面の径方向の幅を拡く確保することができる。
従って、かしめ加工に際してリバウンドストッパ金具18をその着座面で支持させる状態にセットしたときに、リバウンドストッパ金具18の座りが良く、これを安定して支持することができ、かしめ加工が行い易くなるとともに、リバウンドストッパ金具18を良好にインナ金具12に固定することができる。
また本実施形態では、上記凸係合片58及び対応する切欠凹部66を、周方向に等間隔で複数設けており、これにより凸係合片58のかしめによる固定強度及び回転方向における固定強度をともに、効果的に高強度となすことができる。
上記実施形態では、リバウンドストッパ金具18の切欠凹部66の周方向幅T2 が、インナ金具12の凸係合片58の周方向幅T1 よりも僅かに大きくされており、この場合、凸係合片58を切欠凹部66に挿入する際の挿入性が良好であるものの、凸係合片58と切欠凹部66との間に周方向に若干の嵌合クリアランスが生ずる。
この嵌合クリアランスは、リバウンドストッパ金具18がインナ金具12に対して周方向にがたつきを生ずる要因となる。
図8は、この周方向のがたつきを無くすために、凸係合片58の根元部の周方向幅寸法T1 を、切欠凹部66の周方向幅寸法T2 よりも僅かに大きくし(図8(A)参照)、図8(B)に示す嵌め合せ状態で、凸係合片58と切欠凹部66との間の周方向の嵌め合せの隙間を無くすようにした例である。
ここで凸係合片58のT1 の寸法公差を、一例として10+0.625(mm)〜10+0.025(mm)、切欠凹部66のT2 の寸法公差を10−0.025(mm)〜10−0.625(mm)となしておくことで、凸係合片58を切欠凹部66に挿入及び嵌め合せ可能としつつ、凸係合片58を塑性変形させることで嵌め合せ状態における凸係合片58と切欠凹部66との間の周方向隙間をゼロとすることができる。
尚、挿入性を良くするために凸係合片58の上端を、切欠凹部66の周方向幅T2 よりも小寸法としておき、そしてその上端に続く周方向の外側面を根元側に向って漸次周方向幅の増大するガイド手段としての挿入ガイド面69となしておくのが好都合である。
ここでは挿入ガイド面69は傾斜面とされている。
このようにしておけば、凸係合片58の切欠凹部66への挿入性を良好とすることができ、円滑に凸係合片58を切欠凹部66に図中上向きに挿入し圧入することができる。
尚、図8では、凸係合片58の根元部において一定の周方向幅T1 を有する部分の高さ寸法が、切欠凹部66の厚さ寸法と略等しくされていたが、これに限定されない。即ち、一定の周方向幅T1 を有する部分の高さ寸法は、切欠凹部66の厚さ寸法に比して小さくても良いし、大きくても良い。
また、図9(A)に示しているように切欠凹部66の側、詳しくはその下面側に、凸係合片58を挿入ガイドする傾斜形状のガイド手段としての挿入ガイド面70を、上記凸係合片58の挿入ガイド面69を設ける代わりに、或いは凸係合片58の挿入ガイド面69とともに設けておくこともできる。
なお、図9(A)では、挿入ガイド面70が、切欠凹部66の周方向両側縁部における下端角部に対してC面取り形状で形成されていたが、これに限定されない。即ち、かかる挿入ガイド面70は、切欠凹部66の周方向両端面において厚さ方向の全体に亘って延びるテーパ面とされていても良いし、また、湾曲した凸状又は凹状の面形状とされていても良い。
また、凸係合片58の根元部の周方向幅寸法T1 を切欠凹部66の周方向幅T2 よりも大とする場合において、図9(B)に示しているように、上記の挿入ガイド面69を、凸係合片58の上端から付根に到るまで設けておくことも可能である。
或いはまた、凸係合片58の根元部の周方向幅寸法T1 を切欠凹部66の周方向幅T2 よりも大とする場合において、正面視を表す図10に示されているように、インナ金具12−1の上端面56から突設された凸係合片58の根元部の周方向両側において、該インナ金具12−1の上端面56から立ち上がる角部Aに対して凹状の湾曲面(アール面)を備えたアール部72が設けられている。
すなわち、凸係合片58の根元部の周方向幅がアール部72,72により根元側に向って漸次増大されている。特に本実施形態では、リバウンドストッパ金具18のかしめ固定前において根元部の周方向幅Tの最大値T1 が、切欠凹部66の周方向幅T2 よりも大とされている。なお、凸係合部58において、アール部72で周方向幅が拡大されていない部分(根元部を除く上方への突出先端側部分)の周方向幅T3 は、切欠凹部66の周方向幅T2 以下とされており、好ましくは切欠凹部66の周方向幅T2 よりも小さくされており、凸係合部58の切欠凹部66への嵌め入れが容易となっている。
このような図10に示された構造であっても、図9(B)等に示されている構造と同様に、リバウンドストッパ金具18の切欠凹部66に対してインナ金具12−1の凸係合片58が嵌め入れられて、該凸係合片58が外周側にプレス加工で曲げ加工されることにより、リバウンドストッパ金具18の突出部68がインナ金具12−1の上端面56に重ね合わされ、該突出部68の下面が該上端面56に対して当接状態とされてかしめ固定される。かかる曲げ加工によるかしめ固定に際しては、上述のとおりT1 >T2 とされていることにより、塑性変形を伴って、凸係合片58の根元部の周方向両側のアール部72,72がリバウンドストッパ金具18の切欠凹部66の周方向両端縁部に対して周方向に隙間無く嵌り合わされることとなり、その結果、インナ金具12−1に対してリバウンドストッパ金具18が周方向の相対変位を確実に阻止された状態で固定され得るのである。
ところで、図10に示されたインナ金具12−1における凸係合片58の根元部の周方向両側のアール部72,72は、凸係合片58の形成工程を巧く利用することにより、特別な加工を必要とすることなく、形成することが可能である。具体的には、図6において説明したように深絞り加工でカップ形状とした中間成形品の底部を打抜き加工するに際して用いられる打抜型としてのダイス74およびパンチ76として、図11に嵌合状態での概略構造を示す如きものを用いることとなるが、これらダイス74およびパンチ76において、各角部Bには、面取り状のアール形状を付する。この角部Bにアール形状を付することは、金型の製作を容易とすると共に、金型の耐久性や寸法精度を向上するうえでも望ましい。
そして、このように各角部Bにアール形状を付したダイス74およびパンチ76を用いて、カップ形状とした中間成形品の底部を打抜き加工することで、得られる成形品には、図12(A)に示すように、対応する各角部に対して、アール面72´が付されることとなる。それ故、かかる打抜き加工後に、前述のとおり曲げ加工(フォーミング加工)を施して、径方向内向きとなっている各凸係合片58Aを上向きに曲げ起すことで、形成された凸係合片58の根元部には、それぞれ、目的とするアール面72が付されることとなるのである。
なお、根元部の周方向両側にアール面72,72が形成された凸係合片58の具体的形状は、例えば図13に示されているように、周方向両端縁部が、高さ方向の先端側部分において傾斜した挿入ガイド面69,69とされていても良いし、或いは、図14に示されているように周方向両端縁部が高さ方向に略全体に亘って傾斜した挿入ガイド面69,69とされていても良い。
その他、上記実施形態ではリバウンドストッパ金具18側の切欠凹部66を、中心穴62の周面64に連続する形態で、即ち周面64で開口する形態で設けているが、本発明においては場合によって図15に示しているようにその切欠凹部66を、中心穴62の周面64から径方向外方に引き込んだ位置において、周面64で開口しない形態で設けておくといったことも可能である。
またこの場合において、切欠凹部66に上向きに挿入し嵌め合せた凸係合片58を、径方向外方に折り曲げてかしめる場合の他、径方向内方に折り曲げてかしめるといったことも可能である。
また、上記実施形態では、凸係合片58と切欠凹部66は、位置および周方向幅が対応するように、全周に亘り互いに等間隔で複数設けられているが、凸係合片58と切欠凹部66が、対応して上下方向および周方向の位置決めがされる程度に複数設けられていれば良く、等間隔に設けられていなくてもよい。
その他、本発明においては切欠凹部66に挿入したインナ金具12の凸係合片58を折り曲げてかしめる際に、その折曲げによる根元部分の周方向への変形による肉の拡がりを利用して、凸係合片58と切欠凹部66との間の周方向の隙間を無くすようにすることも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
10:アッパーサポート、12:インナ金具、14:アウタ金具、16:ゴム弾性体、18:リバウンドストッパ金具、56:上端面、58:凸係合片、60:凹部、62:中心穴、66:切欠凹部、69,70:挿入ガイド面、72:アール部

Claims (10)

  1. (イ)上面が開放形状をなす筒状のインナ金具と、(ロ)該インナ金具の径方向外側に配置されたアウタ金具と、(ハ)それらインナ金具とアウタ金具とを連結するゴム弾性体と、(ニ)該インナ金具と別体で板状をなし、中心穴周りにおいて該インナ金具の上端部にかしめにより固定されて該インナ金具とともに上下動し、リバウンド時にストッパ作用をなすリバウンドストッパ金具と、を有し、前記アウタ金具の側で車体に固定され、前記インナ金具の側でショックアブソーバのピストンロッドに固定されて、該車体と該ショックアブソーバとの間で前記ゴム弾性体の弾性変形により防振作用するアッパーサポートにおいて、
    前記インナ金具には、上端面から且つ周方向において部分的に前記リバウンドストッパ金具の板厚よりも大きく上向きに突出する凸係合片を設ける一方、前記リバウンドストッパ金具には、該凸係合片に対応する位置において且つ該凸係合片に対応する周方向幅で切欠凹部を設け、前記凸係合片を該切欠凹部に上向きに挿入し嵌め合せた状態で、前記リバウンドストッパ金具の上面よりも上側に突き抜けた部分を折り曲げて該リバウンドストッパ金具の上面を押圧する状態にかしめ、該リバウンドストッパ金具を前記インナ金具の上端部に固定してあることを特徴とするアッパーサポート。
  2. 請求項1において、前記インナ金具の上端面を着座面として前記リバウンドストッパ金具が着座せしめられ、上下方向に位置決め状態に支持されていることを特徴とするアッパーサポート。
  3. 請求項1又は2において、前記切欠凹部が前記中心穴の周面から径方向外方に窪んだ形態で設けてあり、前記凸係合片の前記リバウンドストッパ金具の上面よりも上側に突き抜けた部分を径方向外方に折り曲げてかしめてあることを特徴とするアッパーサポート。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、前記凸係合片及び前記切欠凹部が、周方向に間隔を隔てて複数設けてあることを特徴とするアッパーサポート。
  5. 請求項4において、前記凸係合片及び前記切欠凹部が、周方向に等間隔で全周に亘って設けてあることを特徴とするアッパーサポート。
  6. 請求項1〜5の何れか1項において、前記凸係合片が、前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定状態で前記切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌り合っていることを特徴とするアッパーサポート。
  7. 請求項6において、前記凸係合片は、前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定前において根元部の周方向幅が前記切欠凹部の周方向幅よりも大とされていて、該切欠凹部への挿入時に塑性変形を伴って該切欠凹部に周方向に隙間無く嵌り合うものとされているとともに、該凸係合片の上端が該切欠凹部よりも周方向幅が小さくされていて、該上端に続く周方向の外側面が前記根元側に向って漸次周方向幅の増大する挿入ガイド面をなしているか又は/及び前記切欠凹部における前記リバウンドストッパ金具の下面側の部分の周方向の内側面が、上方に向って漸次周方向幅の減少する挿入ガイド面をなしていることによってガイド手段が構成されていることを特徴とするアッパーサポート。
  8. 請求項6において、前記インナ金具の前記上端面から突設された前記凸係合片の根元部の周方向両側には、該インナ金具の該上端面から立ち上がる角部に対して湾曲面を備えたアール部が設けられており、該凸係合片の該根元部の周方向幅が該アール部により根元側に向って漸次増大されて前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定前において該根元部の周方向幅の最大値が前記切欠凹部の周方向幅よりも大とされていて、該リバウンドストッパ金具のかしめ固定状態で塑性変形を伴って該凸係合片の該根元部が該リバウンドストッパ金具の該切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌り合っていることを特徴とするアッパーサポート。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のアッパサポートを製造するに際して、前記インナ金具の成形用材としてカップ形状の成形用材を用い、該成形用材の底部を打抜き加工するときに該底部において前記凸係合片の形成部位を径方向の内向きに残すようにし、その後これを上向きに立ち上がらせることで該凸係合片とすることを特徴とするアッパサポートの製造方法。
  10. 請求項9において、前記成形用材の打抜き加工に用いられる打抜型に付された角部アール面取りにより、前記凸係合片の根元部の周方向両側において前記インナ金具の前記上端面から立ち上がる前記角部に対して前記湾曲面を備えた前記アール部を形成し、該凸係合片のかしめ加工による該インナ金具に対する前記リバウンドストッパ金具のかしめ固定に際して、塑性変形を伴って該凸係合片の該アール部を該リバウンドストッパ金具の前記切欠凹部に対して周方向に隙間無く嵌め合わせることを特徴とするアッパサポートの製造方法。
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