JPWO2011037150A1 - ニッケル微粉及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、日本国において2009年9月24日に出願された日本特許出願番号特願2009−219286を基礎として優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより、本出願に援用される。
特許文献1には、平均粒径0.1〜1.0μmで、かつ硫黄含有率が0.02〜1.0%であるニッケル超微粉が提案されている。この提案では、ニッケル超微粉の製造方法として、硫黄及び硫黄化合物の一方又は両方を随伴させながら行う塩化ニッケル蒸気の気相還元法が示され、硫黄を含有することで優れた球状のニッケル超微粉が得られるとされている。また、球状粒子であることが、積層セラミックコンデンサの製造工程で高い充填密度の薄層の内部電極を形成し、クラックや剥離を生じない特性を発揮するとしている。
特許文献2には、粒子形状が球状で、粒径が0.1〜1.0μmで、0.05〜0.2%の硫黄を含有する導電ペースト用ニッケル粉末が提案されている。この提案では、硫黄が主として表面部分に存在するとされ、この硫黄の作用により、球状化が促進され、粒子形状が球状で単分散性に優れたニッケル粉末が得られるとされている。また、その製造法として、硫黄を含有する雰囲気にて、塩化ニッケルの蒸気に気相還元反応を行わせることが開示されている。
特許文献3には、表面を硫黄換算で0.02〜0.20質量%の硫黄又は硫酸基で被覆してなるニッケル粉末が提案されている。この提案では、硫黄又は硫酸基でニッケル粉末が被覆されることにより、ニッケル粉末表面に、硫化ニッケル又は硫酸ニッケルが濃集した被膜層が形成され、高温での収縮が抑制され、焼結特性に優れたニッケル粉末が得られるとされている。また、その製造法として、硫黄を含むガスとニッケル粉末を接触処理することが開示されている。
特許文献4には、平均粒径0.05〜1.0μm、全重量に対して硫黄の含有量が100〜2000ppmであるニッケル粉末が記載されている。また、ニッケル粉末のESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)による表面解析においてニッケル原子に結合した硫黄原子に帰せられるピーク強度が粒子表面から中心方向に変化しているものであって、その強度が粒子表面から3nmより深い位置で最大となり、また、硫黄の含有する深さは30nmと厚いニッケル粉末が記載されている。その製造方法としては、硫黄を含有するニッケル粉末を非酸化性ガス雰囲気中に分散させ、300〜800℃の温度範囲で酸化性ガスと接触させ、短時間で表面酸化処理することが開示されている。この提案では、酸化性雰囲気中で脱バインダを行った場合にも酸化が進行せず、焼成中の酸化還元による体積変化が少なく、クラックやデラミネーション等の構造欠陥がなく、優れた積層電子部品を製造できるとしている。
1.ニッケル微粉
1−1.平均粒径
1−2.結晶子径
1−3.硫黄含有量
1−4.酸素含有量
2.ニッケル微粉の製造方法
2−1.原料調製工程
2−2.微粉化工程
2−3.回収工程
2−4.徐酸化工程
3.実施例
本発明の一実施の形態におけるニッケル微粉は、平均粒径が0.05〜0.3μm、比表面積径に対する結晶子径が60〜90%、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%、及び酸素含有量が0.4〜1.5質量%であり、表面に酸素を含む厚さが2〜15nmの被覆層を有し、少なくとも該被覆層の最外面がニッケル硫黄化合物及びニッケル酸素化合物を含む混合物で構成されている。
ニッケル微粉の平均粒径は、0.05〜0.3μmである。平均粒径が0.05μm未満であると、凝集が激しくなり、ペースト中へ均一に分散させることができず、塗布による電極の形成が困難となる。また、凝集粉が存在することで見かけ上の粒径が大きくなり、薄膜化した電極へ対応することができないばかりか、焼成時の焼結による収縮が大きくなってしまう。一方、平均粒径が0.3μmを超えると、薄膜化した電極へ対応することができない。平均粒径を0.05〜0.3μmとすることにより、ペースト中へ均一に分散させることができ、薄膜化した電極へ対応することができる。
ニッケル微粉の結晶子径は、比表面積径に対して60〜90%である。結晶子径は、焼結の進行に大きく影響する。結晶性が良い、すなわち、比表面積径に対する結晶子径が大きいものは、同程度の粒径を有するニッケル微粉に比べて、収縮開始温度が高く、焼結による収縮率が小さい。結晶子径を比表面積径に対して60〜90%とすることで、結晶性による効果と被覆層による効果との相乗化効果で、良好な収縮開始温度と収縮率が得られる。結晶子径が比表面積径に対して60%未満であると、ニッケル微粉の結晶性が悪いため、良好な収縮開始温度と収縮率が得られない。比表面積径に対する結晶子径の上限は、90%を超えてもよいが、比表面積径に対して100%、すなわち、ニッケル微粉が単結晶で構成されるニッケル微粉を得るのは困難であり、現実的ではない。
ニッケル微粉の硫黄含有量は、0.1〜0.5質量%であることが好ましく、さらに、0.2質量%を超え、0.5質量%未満であることが好ましい。硫黄含有量が、0.1質量%未満であると、表面の被覆層の形成が十分でなく、焼成時の収縮開始温度の高温化効果、及び収縮率の低減効果が十分に得られない。さらに、硫黄含有量が0.2質量%以下であると、収縮開始温度が改善されても収縮率の低減効果が十分出ない場合がある。一方、硫黄含有量が0.5質量%を超えると、酸素を含む適切な厚さの被覆層を得ることが困難となり、焼成時の腐食性ガスの発生、電子部品あるいは電子機器の回路の腐食問題が生じる。また、800℃付近よりSOxガスが大量に発生し、電極のクラック、剥離などが生じる。
ニッケル微粉の酸素含有量は、0.4〜1.5質量%であることが好ましい。酸素含有量が0.4質量%未満であると、表面の被覆層の形成が十分でなく、良好な収縮開始温度と収縮率が得られない。また、ニッケル微粉の表面活性が高いため、大気中での僅かの加熱によっても激しい酸化を起こす虞がある。酸素含有量が1.5質量%を超えると、水素含有ガスなどの弱還元性雰囲気中で焼成時に、ガス発生が激しくなり、電極のクラック、剥離などが生じる。
本発明の一実施の形態にけるニッケル微粉の製造方法(以下、本製法という。)は、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるニッケル原料を調製する原料調製工程と、調製されたニッケル原料を、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中にて熱プラズマにより気化させ、発生した硫黄及び酸素を含むニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる微粉化工程と、微粉化された微粉化ニッケルを冷却して回収する回収工程と、回収された微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る徐酸化工程とを有する。以下、各工程について詳細に説明する。
原料調製工程は、ニッケル原料中に含有される硫黄の量を調整する工程である。原料調製工程では、ニッケル、酸化ニッケル、硫黄化合物から少なくともニッケルを選択して、ニッケル原料中の硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるように配合し、ニッケル原料を得る。この原料調製工程においては、得られるニッケル微粉の硫黄含有量、すなわち、ニッケル原料中の硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるように配合すればよい。硫黄は、原料として用いるニッケル又は酸化ニッケルのいずれかに含有されていればよく、硫黄化合物として配合してもよい。
微粉化工程は、原料調製工程で得たニッケル原料を、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中にて熱プラズマにより気化させ、発生したニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる工程である。
回収工程は、微粉化工程において生成した微粉化ニッケルを冷却して回収する工程である。本製法において用いる熱プラズマは、高温領域が狭いため、プラズマ領域から出ると急冷凝縮されてニッケルが微粉化される。このとき、ニッケルが微粉であるため、ニッケルの凝固点以下の温度であっても、微粉化ニッケルが接触すると容易に焼結する。したがって、微粉化工程後の回収工程においては、微粉化ニッケルが気体中に分散している間、すなわち、回収装置で回収される前に十分に冷却する必要がある。
徐酸化工程は、回収した微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る工程である。
以下、本発明の一実施の形態におけるニッケル微粉及びその製造方法について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記載する。)観察:TEM((株)日立ハイテクノロジーズ製、HF−2200)を用いて観察した。また、電子線回折分析(以下、EDXと記載する。)(NORAN製、VANTAGE)も行った。
(2)比表面積径(以下、BET径と記載する。):多検体BET比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、Multisorb―16)を用いて比表面積を測定し、BET径に換算した。
(3)結晶子サイズ:X線回折装置(以下、XRDと記載する。)(PANalytical製、X’PertPRO)を用いて測定した。
(4)硫黄測定:ICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPS3000)を用いて測定した。
(5)酸素測定:酸素・窒素・アルゴン分析装置(LECO社製、TC−336)を用いて測定した。
(6)表面層分析:アルゴンイオンエッチング法を用い、FE−AES(ULVAC−PHI(株)製、Model 680)によって表面深さ方向分析を行った。表面に存在すると考えられるニッケル、硫黄、酸素、炭素について分析した。また、表面近傍に存在すると考えられるニッケル、硫黄、酸素について、XPS(VG Scientific製、ESCALAB220i―XL)を用いて分析を行った。
(7)ニッケル微粉の触媒活性の評価:ニッケル微粉に対して5重量%の樹脂バインダであるエチルセルロース(EC)を物理混合したニッケル微粉と、ニッケル微粉のみを、それぞれ、TG測定装置(ブルカー・エイエックスエス社製TG−DTA2000SR)を用いて、窒素ガス中、5℃/分の昇温速度で重量変化を測定した。その後、ECを混合したニッケル微粉の重量変化からニッケル微粉のみの重量変化を引き去り、ニッケル微粉中のECの重量変化を求めた。さらに、ニッケル微粉の触媒活性の評価として、ECの重量変化を一次微分して、ECの分解速度を求め、分解速度のピークをECの分解温度とした。
(8)熱収縮特性の評価:試料を約0.15g用い、ペレット状(φ5mm×t約1.5mm)に成型し、10gの加重をかけながら、98容量%窒素及び2容量%水素からなる混合ガス(200mL/分)による還元性雰囲気中において、熱機械分析装置(以下、TMAと記載する。)(ブルカー・エイエックスエス社製TMA4000SA)を用いて、熱収縮特性を測定した。温度範囲は室温から1300℃で昇温速度は5℃/分とした。収縮開始温度は、0.5%収縮した温度として評価した。また、収縮した最大値を収縮率として評価した。
プラズマ入力約60kWで高周波プラズマを点火して、アルゴンの総量209L/分、水素45L/分、雰囲気圧力60kPaに調整し、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン10リットル/分)により、プラズマ炎の内部にニッケル原料を1kg/hrで供給して微粉を作製した。
プラズマに供給する水素ガスを9L/分にした以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。ニッケル微粉のBET径は152nmであった。このニッケル微粉をXRDにより解析し、結晶子径をScherrer法によって算出したところ、1298Åであった。BET径に対する結晶子サイズは85%であり、単結晶に近い結晶性のニッケル微粉ができていることがわかった。硫黄及び酸素含有量は、それぞれ0.24質量%、1.0質量%であった。TMAによる測定の結果、収縮開始温度は約360℃であり、収縮率は7.9%であった。表1に各評価結果を他例と併せて示す。
ニッケル粉として以下に記載するニッケル粉末を用いた以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。ニッケル粉末(Inco Special Products and Inco Limited製、ニッケル、Type255、平均粒径2.2〜2.8μm)4kgを50℃に調整した純水16Lに投入し、一硫化水素ナトリウムn水和物を18g添加して30分間攪拌させた。その後に1回レパルプし、ろ過・真空乾燥(36時間)を行い、解砕してニッケル原料とした。ニッケル原料中の硫黄含有量は0.2質量%であり、酸素含有量は0.4質量%であった。
一硫化水素ナトリウムn水和物の添加量を36gとした以外は実施例3と同様にしてニッケル粉末を得た。得られたニッケル粉末は硫黄含有量が0.37質量%であり、酸素含有量が0.4質量%であった。このニッケル粉末をニッケル原料として用いた以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。
プラズマに供給するガスをアルゴンの総量180L/分、水素6L/分としたこと、ニッケル原料としてニッケル粉末(Inco Special Products and Inco Limited製、ニッケル、Type255、平均粒径2.2〜2.8μm)のみを用いたこと以外は実施例1と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。なお、ニッケル原料中の硫黄含有量は0質量%であり、酸素含有量は0.05質量%であった。
従来技術の一つである塩化ニッケル蒸気を水素で還元する化学気相反応法で製造されたニッケル微粉を比較例として用いた。その微粉のBET径は130nmであり、結晶子サイズは903Åであった。BET径に対する結晶子サイズは69%であった。硫黄及び酸素含有量はそれぞれ0.18質量%、1.6質量%であった。TMAによる測定の結果、収縮開始温度は320℃であり、収縮率は15.5%であった。
プラズマ入力約60kWで高周波プラズマを点火して、アルゴンの総量209L/分、水素45L/分、雰囲気圧力60kPaに調整し、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン24リットル/分)により、プラズマ炎の内部に実施例3と同様のニッケル原料を1kg/hrで供給して微粉を作製した。
プラズマに供給する水素ガスを9L/分にした以外は実施例5と同様してニッケル微粉を得るとともに評価した。ニッケル微粉のBET径は123nmであった。硫黄及び酸素含有量は、それぞれ0.16質量%、1.0質量%であった。
ニッケル粉としてニッケル原料中の硫黄含有量は0.15質量%とし、プラズマ入力約105kWで高周波プラズマを点火して、アルゴンの総量209L/分、水素18L/分、雰囲気圧力50kPaに調整し、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン24リットル/分)により、プラズマ炎の内部にニッケル原料を2.2kg/hrで供給して微粉を作製した。ニッケル微粉のBET径は、130nmであった。硫黄及び酸素含有量は、それぞれ0.2質量%、0.85質量%であった。
ニッケル粉としてニッケル原料中の硫黄含有量は0.18質量%とし、プラズマ入力約60kWで高周波プラズマを点火して、アルゴンの総量175L/分、水素6.4L/分、雰囲気圧力60kPaに調整し、安定したプラズマ炎を得た。搬送ガス(アルゴン15リットル/分)により、プラズマ炎の内部にニッケル原料を1.6kg/hrで供給して微粉を作製した。ニッケル微粉のBET径は、86nmであった。硫黄及び酸素含有量はそれぞれ0.27質量%、1.30質量%であった。
ニッケル粉としてニッケル原料中の硫黄含有量は0質量%にした以外は実施例8と同様の条件で行った。ニッケル微粉のBET径は、147nmであった。酸素含有量は0.79質量%であった。
Claims (15)
- 平均粒径が0.05〜0.3μm、比表面積径に対する結晶子径が60〜90%、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%、及び酸素含有量が0.4〜1.5質量%であり、
表面に酸素を含む厚さが2〜15nmの被覆層を有し、少なくとも該被覆層の最外面がニッケル硫黄化合物及びニッケル酸素化合物を含む混合物で構成されていることを特徴とするニッケル微粉。 - 前記被覆層は、ニッケル酸素化合物を含有し、
最表面側に存在するニッケル硫黄化合物を含む層と、内面側に存在するニッケル硫黄化合物を含まない層との2層から構成されることを特徴とする請求項1に記載のニッケル微粉。 - X線光電子分光法(XPS)分析において、最外面に含有される硫黄化合物における硫化ニッケルの存在比が50%〜100%、ニッケル酸素化合物における水酸化ニッケルの存在比が0〜50%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケル微粉。
- 前記最外面のニッケル硫黄化合物における硫酸ニッケルの存在比が40%以下であることを特徴とする請求項3に記載のニッケル微粉。
- 前記被覆層におけるニッケル硫黄化合物を含む層が、さらに最表面側に存在する硫酸ニッケルを含む層と、内面側に存在するニッケル硫黄化合物として主に硫化ニッケルを含む層との2層から構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル微粉。
- 前記被覆層は、表面から10nm以下の範囲に硫黄の傾斜的な濃度勾配を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル微粉。
- 前記被覆層におけるニッケル硫黄化合物の濃度分布は、前記最外面で最大となることを特徴とする請求項6に記載のニッケル微粉。
- 還元性雰囲気中において1300℃まで加熱した場合の収縮率が、熱機械的分析装置による測定において15%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のニッケル微粉。
- 還元性雰囲気中において熱プラズマにより気化させ、発生した蒸気を凝縮させて得た硫黄含有ニッケル微粉を弱酸化性雰囲気中で保持して得られるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のニッケル微粉。
- 硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるニッケル原料を調製する原料調製工程と、
前記調製されたニッケル原料を、不活性ガスと水素ガスを含む還元雰囲気中にて熱プラズマにより気化させ、発生した硫黄及び酸素を含むニッケル蒸気を凝縮させて微粉化させる微粉化工程と、
前記微粉化された微粉化ニッケルを冷却して回収する回収工程と、
前記回収された微粉化ニッケルを、酸素を含有する弱酸化性の不活性ガス雰囲気中で保持して微粉化ニッケル表面を徐酸化し、ニッケル微粉を得る徐酸化工程とを有するニッケル微粉の製造方法。 - 前記徐酸化工程における保持温度が100℃以下であることを特徴とする請求項10に記載のニッケル微粉の製造方法。
- 前記徐酸化工程における不活性ガス雰囲気中の酸素含有量が1〜5容量%であることを特徴とする請求項10又は11に記載のニッケル微粉の製造方法。
- 前記原料調製程では、予め硫黄含有量が0.1〜0.5質量%含まれるニッケルを前記ニッケル原料として調製するか、又は硫黄を含有した酸化ニッケルとニッケルとを配合し、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%となるニッケル原料を調製することを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のニッケル微粉の製造方法。
- 前記熱プラズマとして高周波誘導プラズマを用いることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載のニッケル微粉の製造方法。
- 平均粒径が0.05〜0.3μm、比表面積径に対する結晶子径が60〜90%、硫黄含有量が0.1〜0.5質量%、及び酸素含有量が0.4〜1.5質量%であり、
表面に酸素を含む厚さが2〜15nmの被覆層を有し、該被覆層の最外面がニッケル硫化物及びニッケル酸化物を含む混合物で構成されていることを特徴とするニッケル微粉。
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