本発明は、車両に搭載される車載情報システムに関し、特に車載情報システムの利便性を向上させる技術に関する。
近年、車内LAN(Local Area Network)に、例えばナビゲーション装置、モニタ、AV(Audio Visual)機器といった複数の車載機器を接続し、これら複数の車載機器が相互に通信しながらナビゲーション、または、映画または音楽の鑑賞などを可能にした車載情報システムが開発されている。
しかしながら、現状では、複数のモニタが接続された車載情報システムは少ない。特に、定員が7〜8名といった多人数が乗車可能な乗用車では、座席が例えば3列に配置されており、最後部の座席から前方に取り付けられているモニタを見たり、操作したりすることは困難である。その一方、通常は車両を1人または2名程度の乗車人数で使用し、後部座席にほとんど人が乗ることのない車両にとっては、使用頻度の低い後部座席にまでモニタを取り付けるのは不経済である。
そこで、外部の機器を利用して車載情報システムの利便性を高める技術が開発されている。例えば、特許文献1は、乗車前に車外のモバイル機器から車載のナビゲーション装置に対して目的地または経由地などを設定できる車載情報システムを開示している。
上述した特許文献1に開示された車載情報システムは、車載のナビゲーション装置に対して単一の利用者がアクセスすることを前提としている。したがって、乗車中の複数の利用者が通信により車載情報システムにアクセスできる技術の開発が望まれている。
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、複数の利用者が各自のモバイル機器を用いてネットワーク接続された複数の車載機器にアクセスできる車載情報システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明に係る車載情報システムは、LANに接続された複数の車載機器と、LANに接続されて外部と通信する外部通信ユニットと、外部通信ユニットに通信で接続することにより複数の車載機器にアクセスする複数のモバイル機器とを備え、複数のモバイル機器の1つは、要求元として、外部通信ユニットに通信要求を送信し、外部通信ユニットは、要求元のモバイル機器から受信した通信要求に応答して、該要求元のモバイル機器にIDを割り当て、該割り当てたIDと、複数の車載機器を表すアイコンを含む初期操作画面とを要求元のモバイル機器に送信し、要求元のモバイル機器は、外部通信ユニットから受信した初期操作画面のアイコンが指示されることにより選択された車載機器を示す機器情報と、外部通信ユニットから受信したIDとを外部通信ユニットに送信し、外部通信ユニットは、要求元のモバイル機器から受信したIDが正当である場合に、要求元のモバイル機器から受信した機器情報で示される車載機器を操作するコマンドを含む機器操作画面を要求元のモバイル機器に送信し、要求元のモバイル機器は、外部通信ユニットから受信した機器操作画面のコマンドの中から選択された1つのコマンドを機器情報で示される車載機器に送信し、車載機器は、外部通信ユニットから受信したコマンドに対応する処理を実行して処理結果を外部通信ユニットに送信し、外部通信ユニットは、車載機器から受信した処理結果を要求元のモバイル機器に送信し、要求元のモバイル機器は、外部通信ユニットから受信した処理結果に応じた情報を出力する。
この発明に係る車載情報システムによれば、外部から持ち込んだモバイル機器を外部通信ユニットに通信で接続することにより、LANに接続されている複数の機器にアクセスし、これらの機器に表示される情報を入手したり、また、これらの機器を操作したりすることができる。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの他の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムで使用される外部通信ユニットの構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、ナビゲーション装置で発生された情報をモバイル機器に表示させる動作を示すシーケンス図である。
図4に示す通信要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示す車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示すコマンド受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示す車載機器データ受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、DVDプレーヤーで発生された情報をモバイル機器に表示させる動作を示すシーケンス図である。
図9に示す車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、既に他のモバイル機器でDVDプレーヤーを操作している場合の動作を示すシーケンス図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、DVDプレーヤーからデータを取得中に優先権を取得してDVDプレーヤーを制御する動作を示すシーケンス図である。
図12に示す優先要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの他の構成を示すブロック図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの構成を示すブロック図である。この車載情報システムは、ナビゲーション装置1、表示制御装置2、アンプ3、AV機器4および車載カメラ5といった車載機器ならびに外部通信ユニット6が車内LAN7に接続されて構成されている。車内LAN7は、この発明のLANに対応する。
なお、図1に示す車載情報システムは、リング型LANを用いた場合を示しているが、図2に示すようなバス型LANを用いることもできる。また、LANとしては、ケーブルを用いた有線LANまたはケーブルを用いない無線LANを使用することができる。また、複数の車載機器の間は、Bluetoothを用いて接続するように構成することもできる。
ナビゲーション装置1は、経路探索または経路案内といったナビゲーション機能を実現するための処理を実行する。このナビゲーション装置1による処理結果は、車内LAN7を介して表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送られる。
表示制御装置2には、モニタ2aが接続されている。表示制御装置2は、ナビゲーション装置1、AV機器4、車載カメラ5および外部通信ユニット6から車内LAN7を介して送られてくる映像信号に基づき描画信号を生成し、モニタ2aに送る。モニタ2aは、表示制御装置2から送られてくる描画信号に基づき映像を表示する。
アンプ3にはスピーカ3aが接続されている。アンプ3は、ナビゲーション装置1、AV機器4または外部通信ユニット6から車内LAN7を介して送られてくる音声信号を増幅し、スピーカ3aに送る。スピーカ3aは、アンプ3から送られてくる増幅された音声信号に応じて音を発生する。
AV機器4は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤー、DTV(Digital Television)またはゲーム機などから構成されている。DVDプレーヤーは、装着されたDVDに記録されているデータを再生して映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。DTVは、受信した電波に基づき映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。ゲーム機は、記録媒体に記録されたデータを再生して映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。
車載カメラ5は、自車の周囲を撮影する。この撮影により得られた画像は、映像信号として表示制御装置2に送られる。
外部通信ユニット6には、複数のモバイル機器8がケーブル、赤外線、または、例えばBluetoothといった微弱電波などを用いた通信方式によって接続される。外部通信ユニット6は、外部のモバイル機器8との間で行われる有線通信、赤外線通信または微弱電波による通信を制御する。モバイル機器8としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機または携帯音楽プレーヤーなどを用いることができる。
なお、モバイル機器8は、カードスロットなどを利用して外部通信ユニット6に接続するように構成することもできる。また、外部通信ユニット6は、いずれかの車載機器に内蔵するように構成することもできるし、いずれかの車載機器にコネクタなどを用いて取り付けるように構成することもできる。
次に、外部通信ユニット6の詳細を説明する。図3は、外部通信ユニット6の構成を示すブロック図である。この外部通信ユニット6は、LAN通信制御部11、モバイル通信制御部12、一時記憶部13、ID管理部14、表示データ生成部15および状態管理部16から構成されている。
LAN通信制御部11は、車内LAN7に接続されている車載機器との間の通信を制御する。具体的には、LAN通信制御部11は、車載機器から車内LAN7を介して送られてくるデータを受信して状態管理部16に送るとともに、状態管理部16から送られてくるデータを、車内LAN7を介して車載機器に送信する。
モバイル通信制御部12は、複数のモバイル機器8との間の通信を制御する。具体的には、モバイル通信制御部12は、複数のモバイル機器8からのデータを受信して状態管理部16に送るとともに、状態管理部16から送られてくるデータを複数のモバイル機器8に送信する。
一時記憶部13は、状態管理部16から送られてくるデータを一時的に記憶する。この一時記憶部13に記憶されているデータは、状態管理部16によって読み出される。ID管理部14は、複数のモバイル機器8の各々に付与される固有番号(ID)を管理する。このID管理部14には、状態管理部16で生成されたIDが記憶されるとともに、ID管理部14に記憶されているIDは、状態管理部16によって読み出される。
表示データ生成部15は、状態管理部16から送られてくるデータに基づき表示データを生成する。この表示データ生成部15で生成された表示データは、状態管理部16に送られる。状態管理部16は、LAN通信制御部11、モバイル通信制御部12、一時記憶部13、ID管理部14および表示データ生成部15を制御する。この状態管理部16で行われる処理の詳細は後述する。
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの動作を説明する。図4は、モバイル機器8から車載機器としてのナビゲーション装置1を操作し、この操作に応答してナビゲーション装置1で発生された情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作を示すシーケンス図である。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされると、このモバイル機器8(この発明の「要求元のモバイル機器」に対応する)から外部通信ユニット6に対して通信要求が送信される。外部通信ユニット6では、この通信要求に応答して、通信要求受信処理が実行される。
図5は、外部通信ユニット6で実行される通信要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。通信要求受信処理では、まず、通信要求が確認される(ステップST11)。すなわち、モバイル通信制御部12は、モバイル機器8からの通信要求を受信し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、通信要求を受信したことを確認する。
次いで、ポートの空きの有無が確認される(ステップST12)。すなわち、状態管理部16は、通信ポートの空きが存在するかどうかを調べる。このステップST12において、ポートの空きがあることが判断されると、IDの割り当てが行われる(ステップST13)。すなわち、状態管理部16は、通信要求を送信したモバイル機器8にIDを割り当てる。この状態管理部16で割り当てられたIDは、ID管理部14に送られて記憶される。
次いで、初期操作画面が送信される(ステップST14)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して初期操作画面の生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して初期操作画面を表す表示データ(以下、「初期操作画面データ」という)を生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った初期操作画面データと、ステップST13で割り当てたIDとをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDおよび初期操作画面データが送信される。その後、通信要求受信処理は終了する。
上記ステップST12において、ポートの空きがないことが判断されると、ポートの空きがない旨が通知される(ステップST15)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して、ポートに空きがない旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、ポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して、ポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、通信要求受信処理は終了する。
外部通信ユニット6からIDおよび初期操作画面データを受信したモバイル機器8は、IDを自己の内部に保存するとともに、画面上に、初期操作画面データに基づき生成した操作可能な車載機器のアイコン、例えば「ナビ」、「カメラ」、「DVD」および「DTV」といったアイコンを表示させる。この例の場合、ナビゲーション装置1、車載カメラ5、AV機器4としてのDVDプレーヤーおよびAV機器4としてのDTVが操作可能であることを表している。ユーザは、初期操作画面に表示されたアイコンの中から、動作させたい車載機器のアイコンを選択する。この初期操作画面上で、1つのアイコンが選択されると、選択されたアイコンに対応する車載機器を示す機器情報およびIDが外部通信ユニット6に送信される。この際、モバイル機器8は、自己の画面の特性を規定する画面情報を送信するように構成できる。なお、モバイル機器8は、外部通信ユニット6からポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データを受信した場合は、そのメッセージを表示する。
機器情報およびIDを受信した外部通信ユニット6では、車載機器選択受信処理が行われる。図6は、車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。この車載機器選択受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST21)。すなわち、モバイル通信制御部12は、モバイル機器8から送信されてきたIDおよび機器情報を受信して状態管理部16に送る。状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取ったIDが、ID管理部14に格納されているIDに一致するかどうかを調べる。
このステップST21において、IDが一致することが判断されると、次いで、要求車載機器が確認される(ステップST22)。すなわち、状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取った機器情報によって示される車載機器が動作可能状態であることを確認する。
次いで、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST23)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して、ステップST22で確認した車載機器の操作画面の生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して車載機器の操作画面を表す表示データ(以下、「機器操作画面データ」という)を生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った機器操作画面データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST21において、IDが一致しない、つまり不一致であることが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST24)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対してIDが不一致である旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、IDが不一致である旨のメッセージを表す表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、先に選択した車載機器のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、初期操作画面において「ナビ」が選択された場合は、機器操作画面には、「現在地」、「目的地」、「経路」および「VICS情報」(VICS(Vehicle Information and Communication System)は登録商標)などといったコマンドが表示される。これらのコマンドはナビゲーション装置1に実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。なお、モバイル機器8は、外部通信ユニット6からIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データを受信した場合は、そのメッセージを表示する。
コマンドを受信した外部通信ユニット6では、コマンド受信処理が行われる。図7は、コマンド受信処理の詳細を示すフローチャートである。このコマンド受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST31)。このステップST31の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。このステップST21において、IDが一致することが判断されると、次いで、車載機器へのコマンドが確認される(ステップST32)。すなわち、状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取ったコマンドが存在することを確認する。
次いで、車載機器にコマンドが送信される(ステップST33)。すなわち、状態管理部16は、ステップST32で確認したコマンドをLAN通信制御部11に送る。これにより、LAN通信制御部11は、状態管理部16から受け取ったコマンドを、車内LAN7を介して車載機器に送信する。その後、コマンド受信処理は終了する。
上記ステップST31において、IDが一致しないことが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST34)。このステップST34の処理は上述したステップST24の処理と同じである。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、コマンド受信処理は終了する。
外部通信ユニット6からコマンドを受信した車載機器は、そのコマンドに対応する処理(コマンド処理)を実行する。このコマンド処理により得られた処理結果を表すデータは、外部通信ユニット6に送信される。
車載機器から処理結果を表すデータを受信した外部通信ユニット6では、車載機器データ受信処理が実行される。図8は、車載機器データ受信処理を示すフローチャートである。車載機器データ受信処理では、モバイル機器8にデータを送信する処理が実行される(ステップST41)。すなわち、LAN通信制御部11は、車載機器から処理結果を表すデータを受信し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、LAN通信制御部11から受け取った処理結果を表すデータをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル機器8に車載機器から処理結果を表すデータが送信される。これにより、モバイル機器8において、車載機器における処理結果、例えば地図上に自車マークが位置する案内図が表示される。
なお、状態管理部16は、モバイル機器8から画面の特性を規定する画面情報が送られてきている場合は、LAN通信制御部11から受け取った処理結果を表すデータを画面情報に応じて変換した後にモバイル通信制御部12に送るように構成できる。この構成によれば、モバイル機器8は、その画面に適した状態の画像を表示することができる。
次に、モバイル機器8から車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーを操作し、この操作に応答してDVDプレーヤーで発生された情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作を、図9に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされてから、初期操作画面が表示されるまでの動作は、上述したナビゲーション装置1の情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作と同じである。
ユーザは、初期操作画面に表示されたアイコンの中から、動作させたい車載機器のアイコン、この場合は、「DVD」のアイコンを選択する。モバイル機器8は、初期操作画面の中の「DVD」が選択されると、IDと、選択された車載機器(DVDプレーヤー)を示す機器情報とを外部通信ユニット6に送信する。外部通信ユニット6では、機器情報に対する応答として、車載機器選択受信処理が行われる。図10は、車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
車載機器選択受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST51)。このステップST51の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。このステップST51において、IDが一致することが判断されると、次いで、要求車載機器が確認される(ステップST52)。このステップST52の処理は、上述したステップST22の処理と同じである。
次いで、既接続モバイル機器の確認が行われる(ステップST53)。すなわち、状態管理部16は、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在するかどうかを調べる。このステップST53において、既に車載機器に接続しているモバイル機器8が存在しないことが判断されると、そのモバイル機器8に優先権を付与し、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST54)。このステップST54の処理は、上述したステップST23の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST53において、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在することが判断されると、既接続モバイル機器ありの通知が行われる(ステップST55)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して既にモバイル機器8の接続がある旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、既にモバイル機器8の接続がある旨のメッセージを表示するための表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して既にモバイル機器8の接続がある旨のメッセージを表示するための表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST51において、IDが一致しないことが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST56)。このステップST56の処理は上述したステップST24の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨を表すメッセージを表示するための表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、先に選択した車載機器(DVDプレーヤー)のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、初期操作画面において「DVD」が選択された場合は、機器操作画面には、「再生」、「停止」、「早送り」および「巻き戻し」などといったコマンドが表示される。これらはDVDプレーヤーに実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。
コマンドを受信した外部通信ユニット6では、コマンド受信処理が行われる。このコマンド受信処理は、図7のフローチャートに示したコマンド受信処理と同じである。すなわち、外部通信ユニット6は、モバイル機器8から受信したコマンドを車載機器(DVDプレーヤー)に送信する。外部通信ユニット6からコマンドを受信した車載機器は、そのコマンドに対応する処理を実行し、処理結果を表すデータを外部通信ユニット6に送信する。外部通信ユニット6は、車載機器から受信したデータをモバイル機器8に送信する。以後、車載機器から外部通信ユニット6を経由してモバイル機器8にデータを送信する処理は繰り返し実行される。これにより、モバイル機器8には、車載機器における処理結果、つまり、DVDプレーヤーで再生された映像が表示される。
また、上述した実施の形態1では、モバイル機器8から、ナビゲーション装置1およびAV機器4としてのDVDプレーヤーにアクセスする場合について説明したが、他の車載機器についてもほぼ同様に制御することができる。また、車載機器から得られたデータに基づきモバイル機器8の画面に映像を表示する場合について説明したが、車載機器から得られるデータには、音声データまたは文字データなども含めることができる。また、モバイル機器8内に保存されているデータを車載機器に送信し、出力させるように構成することもできる。
次に、モバイル機器8から車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーを操作しようとした場合に、既に他のモバイル機器8でDVDプレーヤーを操作している場合の動作を、図11に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされてから、初期操作画面で「DVD」が選択されることにより、IDおよび機器情報が外部通信ユニット6に送信されるまでの動作は、上述したナビゲーション装置1の情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作と同じである。
IDおよび機器情報を受信した外部通信ユニット6では、車載機器選択受信処理が行われる。この車載機器選択受信処理では、図10に示した車載機器選択受信処理と同様に、IDの確認(ステップST51)および要求車載機器の確認(ステップST52)が行われた後に、既接続モバイル機器の確認(ステップST53)において、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在することが判断されると、外部通信ユニット6の状態管理部16は、車載機器から受け取って既接続の他のモバイル機器8に送信している処理結果を表すデータを、通信要求を送信したモバイル機器8に繰り返して送信する。したがって、通信要求を送信したモバイル機器8には、DVDプレーヤーで再生された、既接続の他のモバイル機器8と同じ映像が表示される。
次に、優先権が付与されておらず車載機器の操作が不可能な非優先状態のモバイル機器8で、車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーからデータを取得中に、優先権を取得してDVDプレーヤーを制御する場合の動作を、図12に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
非優先状態のモバイル機器8には、操作不可である旨のメッセージが表示されるとともに、優先要求ボタンが表示されている。モバイル機器8の優先要求ボタンを押す優先要求操作がなされると、このモバイル機器8から外部通信ユニット6に対して優先要求が送信される。外部通信ユニット6では、この優先要求に応答して、優先要求受信処理が実行される。
図13は、外部通信ユニット6で実行される優先要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。優先要求受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST61)。このステップST61の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。ステップST61において、IDが一致することが判断されると、次いで、対象車載機器の制御可否が確認される(ステップST62)。すなわち、状態管理部16は、先にモバイル通信制御部12から受け取った機器情報によって示される車載機器が動作可能状態であるかどうかを確認する。
このステップST62において、対象車載機器の制御が不可能であることが判断されると、優先要求受信処理は終了する。一方、ステップST62において、対象車載機器の制御が可能であることが判断されると、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST63)。このステップST63の処理は、上述したステップST23の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、優先要求受信処理は終了する。
上記ステップST61において、IDが一致しない、つまり不一致であることが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST64)。このステップST64の処理は、上述したステップST24の処理と同じである。その後、優先要求受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、選択されている車載機器のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、先の初期操作画面において「DVD」が選択されている場合は、機器操作画面には、「停止」、「早送り」および「巻き戻し」などといったコマンドが表示される。これらのコマンドは、その時点でDVDプレーヤーに実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。以降の動作は、図9を参照して説明した動作と同じである。
なお、上述した操作中も車載機器からデータが送信されている場合、外部通信ユニット6は、そのデータをモバイル機器8に対して送信し、モバイル機器8では、受信したデータを表示する動作を継続する。
なお、優先と非優先との切り替え方法としては、優先権を持つモバイル機器8の許可を必要とする方法と不要とする方法を用いることができ、また、一定時間の間に操作が行われていない場合、どのモバイル機器8からの操作も可能とする方法を用いることもできる。
また、上述した実施の形態1では、データを取得する対象の車載機器としてDVDを例示したが、その他のDTV、ラジオまたはオーディオなどを対象とすることができる。また、データを取得する対象の車載機器としてHDD(Hard Disk Drive)が可能な場合、DVDのように各モバイル機器に対して同じデータが送信される必要はなく、異なるデータを送信するように構成することもできる。この場合、データを処理する速度が高速になるので、モバイル機器間で優先と非優先とを区別する必要はなくなり、各モバイル機器で独立した操作が可能となる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムとしての車載情報システムによれば、外部から持ち込んだモバイル機器8を外部通信ユニット6に通信で接続することにより、車内LAN7に接続されている複数の車載機器にアクセスし、これらの車載機器に表示される情報を入手したり、また、これらの車載機器を操作したりすることができる。したがって、車両の所有者は該車両の全座席にモニタ2aなどを取り付けることなく、乗車者が所有するモバイル機器8を車内に持ち込むことにより、車載機器に表示される情報を簡易に入手できるようになる。
なお、図1、図2及び図14で、システム構成は一例であり、図に記載のない機器(例:ETC車載器、他のAV機器等)が接続されていてもよく、また、図に記載されている機器(例:車載カメラ等)が接続されていなくてもよい。
この発明に係る車載情報システムは、LANに接続されている複数の機器にアクセスし、これらの機器に表示される情報を入手したり、また、これらの機器を操作したりすることができる。そのため、ナビゲーション装置、モニタ、AV機器といった複数の車載機器を接続し、これらの車載機器が相互に通信しながらナビゲーションや音楽の鑑賞等ができる車載情報システムに用いるのに適している。
本発明は、車両に搭載される車載情報システム及び車載情報システムの外部通信ユニットに関し、特に車載情報システムの利便性を向上させる技術に関する。
近年、車内LAN(Local Area Network)に、例えばナビゲーション装置、モニタ、AV(Audio Visual)機器といった複数の車載機器を接続し、これら複数の車載機器が相互に通信しながらナビゲーション、または、映画または音楽の鑑賞などを可能にした車載情報システムが開発されている。
しかしながら、現状では、複数のモニタが接続された車載情報システムは少ない。特に、定員が7〜8名といった多人数が乗車可能な乗用車では、座席が例えば3列に配置されており、最後部の座席から前方に取り付けられているモニタを見たり、操作したりすることは困難である。その一方、通常は車両を1人または2名程度の乗車人数で使用し、後部座席にほとんど人が乗ることのない車両にとっては、使用頻度の低い後部座席にまでモニタを取り付けるのは不経済である。
そこで、外部の機器を利用して車載情報システムの利便性を高める技術が開発されている。例えば、特許文献1は、乗車前に車外のモバイル機器から車載のナビゲーション装置に対して目的地または経由地などを設定できる車載情報システムを開示している。
上述した特許文献1に開示された車載情報システムは、車載のナビゲーション装置に対して単一の利用者がアクセスすることを前提としている。したがって、乗車中の複数の利用者が通信により車載情報システムにアクセスできる技術の開発が望まれている。
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、複数の利用者が各自のモバイル機器を用いてネットワーク接続された複数の車載機器にアクセスできる車載情報システム及び車載情報システムの外部通信ユニットを提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明に係る車載情報システムは、LANに接続された車載機器と、LANに接続されて外部と通信し、車載機器にモバイル機器からアクセスすることを可能とする外部通信ユニットとを備え、外部通信ユニットは、モバイル機器から受信した通信要求に応答して、モバイル機器にIDを割り当て、該割り当てたIDと、車載機器を表すアイコンを含む初期操作画面とをモバイル機器に送信し、モバイル機器から送信された機器情報とIDとを受信した外部通信ユニットは、受信したIDが正当である場合に、モバイル機器から受信した機器情報で示される車載機器を操作するコマンドが選択できる機器操作画面をモバイル機器に送信し、モバイル機器から送信された、車載機器へのコマンドを受信した外部通信ユニットは、車載機器へコマンドを送信し、外部通信ユニットからコマンドを受信した車載機器は、コマンドに対応する処理を実行して処理結果を外部通信ユニットに送信し、外部通信ユニットは、車載機器から受信した処理結果をモバイル機器に送信する。
また、この発明に係る車載情報システムの外部通信ユニットは、車載機器が接続されたLANに接続されて外部と通信し、車載機器にモバイル機器からアクセスすることを可能とする車載情報システムの外部通信ユニットであって、モバイル機器から受信した通信要求に応答して、モバイル機器にIDを割り当て、該割り当てたIDと、車載機器を表すアイコンを含む初期操作画面とをモバイル機器に送信し、モバイル機器から送信された機器情報とIDとを受信し、受信したIDが正当である場合に、モバイル機器から受信した機器情報で示される車載機器を操作するコマンドが選択できる機器操作画面をモバイル機器に送信し、モバイル機器から送信された、車載機器へのコマンドを受信した場合に、車載機器へコマンドを送信し、車載機器から受信したコマンドに対応する処理の処理結果をモバイル機器に送信する。
この発明に係る車載情報システム及び車載情報システムの外部通信ユニットによれば、外部から持ち込んだモバイル機器を外部通信ユニットに通信で接続することにより、LANに接続されている複数の機器にアクセスし、これらの機器に表示される情報を入手したり、また、これらの機器を操作したりすることができる。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの他の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムで使用される外部通信ユニットの構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、ナビゲーション装置で発生された情報をモバイル機器に表示させる動作を示すシーケンス図である。
図4に示す通信要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示す車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示すコマンド受信処理の詳細を示すフローチャートである。
図4に示す車載機器データ受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、DVDプレーヤーで発生された情報をモバイル機器に表示させる動作を示すシーケンス図である。
図9に示す車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、既に他のモバイル機器でDVDプレーヤーを操作している場合の動作を示すシーケンス図である。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムにおいて、DVDプレーヤーからデータを取得中に優先権を取得してDVDプレーヤーを制御する動作を示すシーケンス図である。
図12に示す優先要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの他の構成を示すブロック図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの構成を示すブロック図である。この車載情報システムは、ナビゲーション装置1、表示制御装置2、アンプ3、AV機器4および車載カメラ5といった車載機器ならびに外部通信ユニット6が車内LAN7に接続されて構成されている。車内LAN7は、この発明のLANに対応する。
なお、図1に示す車載情報システムは、リング型LANを用いた場合を示しているが、図2に示すようなバス型LANを用いることもできる。また、LANとしては、ケーブルを用いた有線LANまたはケーブルを用いない無線LANを使用することができる。また、複数の車載機器の間は、Bluetoothを用いて接続するように構成することもできる。
ナビゲーション装置1は、経路探索または経路案内といったナビゲーション機能を実現するための処理を実行する。このナビゲーション装置1による処理結果は、車内LAN7を介して表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送られる。
表示制御装置2には、モニタ2aが接続されている。表示制御装置2は、ナビゲーション装置1、AV機器4、車載カメラ5および外部通信ユニット6から車内LAN7を介して送られてくる映像信号に基づき描画信号を生成し、モニタ2aに送る。モニタ2aは、表示制御装置2から送られてくる描画信号に基づき映像を表示する。
アンプ3にはスピーカ3aが接続されている。アンプ3は、ナビゲーション装置1、AV機器4または外部通信ユニット6から車内LAN7を介して送られてくる音声信号を増幅し、スピーカ3aに送る。スピーカ3aは、アンプ3から送られてくる増幅された音声信号に応じて音を発生する。
AV機器4は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤー、DTV(Digital Television)またはゲーム機などから構成されている。DVDプレーヤーは、装着されたDVDに記録されているデータを再生して映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。DTVは、受信した電波に基づき映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。ゲーム機は、記録媒体に記録されたデータを再生して映像信号および音声信号を生成し、表示制御装置2、アンプ3および外部通信ユニット6に送る。
車載カメラ5は、自車の周囲を撮影する。この撮影により得られた画像は、映像信号として表示制御装置2に送られる。
外部通信ユニット6には、複数のモバイル機器8がケーブル、赤外線、または、例えばBluetoothといった微弱電波などを用いた通信方式によって接続される。外部通信ユニット6は、外部のモバイル機器8との間で行われる有線通信、赤外線通信または微弱電波による通信を制御する。モバイル機器8としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機または携帯音楽プレーヤーなどを用いることができる。
なお、モバイル機器8は、カードスロットなどを利用して外部通信ユニット6に接続するように構成することもできる。また、外部通信ユニット6は、いずれかの車載機器に内蔵するように構成することもできるし、いずれかの車載機器にコネクタなどを用いて取り付けるように構成することもできる。
次に、外部通信ユニット6の詳細を説明する。図3は、外部通信ユニット6の構成を示すブロック図である。この外部通信ユニット6は、LAN通信制御部11、モバイル通信制御部12、一時記憶部13、ID管理部14、表示データ生成部15および状態管理部16から構成されている。
LAN通信制御部11は、車内LAN7に接続されている車載機器との間の通信を制御する。具体的には、LAN通信制御部11は、車載機器から車内LAN7を介して送られてくるデータを受信して状態管理部16に送るとともに、状態管理部16から送られてくるデータを、車内LAN7を介して車載機器に送信する。
モバイル通信制御部12は、複数のモバイル機器8との間の通信を制御する。具体的には、モバイル通信制御部12は、複数のモバイル機器8からのデータを受信して状態管理部16に送るとともに、状態管理部16から送られてくるデータを複数のモバイル機器8に送信する。
一時記憶部13は、状態管理部16から送られてくるデータを一時的に記憶する。この一時記憶部13に記憶されているデータは、状態管理部16によって読み出される。ID管理部14は、複数のモバイル機器8の各々に付与される固有番号(ID)を管理する。このID管理部14には、状態管理部16で生成されたIDが記憶されるとともに、ID管理部14に記憶されているIDは、状態管理部16によって読み出される。
表示データ生成部15は、状態管理部16から送られてくるデータに基づき表示データを生成する。この表示データ生成部15で生成された表示データは、状態管理部16に送られる。状態管理部16は、LAN通信制御部11、モバイル通信制御部12、一時記憶部13、ID管理部14および表示データ生成部15を制御する。この状態管理部16で行われる処理の詳細は後述する。
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムの動作を説明する。図4は、モバイル機器8から車載機器としてのナビゲーション装置1を操作し、この操作に応答してナビゲーション装置1で発生された情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作を示すシーケンス図である。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされると、このモバイル機器8(この発明の「要求元のモバイル機器」に対応する)から外部通信ユニット6に対して通信要求が送信される。外部通信ユニット6では、この通信要求に応答して、通信要求受信処理が実行される。
図5は、外部通信ユニット6で実行される通信要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。通信要求受信処理では、まず、通信要求が確認される(ステップST11)。すなわち、モバイル通信制御部12は、モバイル機器8からの通信要求を受信し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、通信要求を受信したことを確認する。
次いで、ポートの空きの有無が確認される(ステップST12)。すなわち、状態管理部16は、通信ポートの空きが存在するかどうかを調べる。このステップST12において、ポートの空きがあることが判断されると、IDの割り当てが行われる(ステップST13)。すなわち、状態管理部16は、通信要求を送信したモバイル機器8にIDを割り当てる。この状態管理部16で割り当てられたIDは、ID管理部14に送られて記憶される。
次いで、初期操作画面が送信される(ステップST14)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して初期操作画面の生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して初期操作画面を表す表示データ(以下、「初期操作画面データ」という)を生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った初期操作画面データと、ステップST13で割り当てたIDとをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDおよび初期操作画面データが送信される。その後、通信要求受信処理は終了する。
上記ステップST12において、ポートの空きがないことが判断されると、ポートの空きがない旨が通知される(ステップST15)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して、ポートに空きがない旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、ポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して、ポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、通信要求受信処理は終了する。
外部通信ユニット6からIDおよび初期操作画面データを受信したモバイル機器8は、IDを自己の内部に保存するとともに、画面上に、初期操作画面データに基づき生成した操作可能な車載機器のアイコン、例えば「ナビ」、「カメラ」、「DVD」および「DTV」といったアイコンを表示させる。この例の場合、ナビゲーション装置1、車載カメラ5、AV機器4としてのDVDプレーヤーおよびAV機器4としてのDTVが操作可能であることを表している。ユーザは、初期操作画面に表示されたアイコンの中から、動作させたい車載機器のアイコンを選択する。この初期操作画面上で、1つのアイコンが選択されると、選択されたアイコンに対応する車載機器を示す機器情報およびIDが外部通信ユニット6に送信される。この際、モバイル機器8は、自己の画面の特性を規定する画面情報を送信するように構成できる。なお、モバイル機器8は、外部通信ユニット6からポートに空きがない旨のメッセージを表す表示データを受信した場合は、そのメッセージを表示する。
機器情報およびIDを受信した外部通信ユニット6では、車載機器選択受信処理が行われる。図6は、車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。この車載機器選択受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST21)。すなわち、モバイル通信制御部12は、モバイル機器8から送信されてきたIDおよび機器情報を受信して状態管理部16に送る。状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取ったIDが、ID管理部14に格納されているIDに一致するかどうかを調べる。
このステップST21において、IDが一致することが判断されると、次いで、要求車載機器が確認される(ステップST22)。すなわち、状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取った機器情報によって示される車載機器が動作可能状態であることを確認する。
次いで、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST23)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して、ステップST22で確認した車載機器の操作画面の生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して車載機器の操作画面を表す表示データ(以下、「機器操作画面データ」という)を生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った機器操作画面データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST21において、IDが一致しない、つまり不一致であることが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST24)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対してIDが不一致である旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、IDが不一致である旨のメッセージを表す表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、先に選択した車載機器のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、初期操作画面において「ナビ」が選択された場合は、機器操作画面には、「現在地」、「目的地」、「経路」および「VICS情報」(VICS(Vehicle Information and Communication System)は登録商標)などといったコマンドが表示される。これらのコマンドはナビゲーション装置1に実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。なお、モバイル機器8は、外部通信ユニット6からIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データを受信した場合は、そのメッセージを表示する。
コマンドを受信した外部通信ユニット6では、コマンド受信処理が行われる。図7は、コマンド受信処理の詳細を示すフローチャートである。このコマンド受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST31)。このステップST31の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。このステップST21において、IDが一致することが判断されると、次いで、車載機器へのコマンドが確認される(ステップST32)。すなわち、状態管理部16は、モバイル通信制御部12から受け取ったコマンドが存在することを確認する。
次いで、車載機器にコマンドが送信される(ステップST33)。すなわち、状態管理部16は、ステップST32で確認したコマンドをLAN通信制御部11に送る。これにより、LAN通信制御部11は、状態管理部16から受け取ったコマンドを、車内LAN7を介して車載機器に送信する。その後、コマンド受信処理は終了する。
上記ステップST31において、IDが一致しないことが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST34)。このステップST34の処理は上述したステップST24の処理と同じである。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨のメッセージを表す表示データが送信される。その後、コマンド受信処理は終了する。
外部通信ユニット6からコマンドを受信した車載機器は、そのコマンドに対応する処理(コマンド処理)を実行する。このコマンド処理により得られた処理結果を表すデータは、外部通信ユニット6に送信される。
車載機器から処理結果を表すデータを受信した外部通信ユニット6では、車載機器データ受信処理が実行される。図8は、車載機器データ受信処理を示すフローチャートである。車載機器データ受信処理では、モバイル機器8にデータを送信する処理が実行される(ステップST41)。すなわち、LAN通信制御部11は、車載機器から処理結果を表すデータを受信し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、LAN通信制御部11から受け取った処理結果を表すデータをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル機器8に車載機器から処理結果を表すデータが送信される。これにより、モバイル機器8において、車載機器における処理結果、例えば地図上に自車マークが位置する案内図が表示される。
なお、状態管理部16は、モバイル機器8から画面の特性を規定する画面情報が送られてきている場合は、LAN通信制御部11から受け取った処理結果を表すデータを画面情報に応じて変換した後にモバイル通信制御部12に送るように構成できる。この構成によれば、モバイル機器8は、その画面に適した状態の画像を表示することができる。
次に、モバイル機器8から車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーを操作し、この操作に応答してDVDプレーヤーで発生された情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作を、図9に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされてから、初期操作画面が表示されるまでの動作は、上述したナビゲーション装置1の情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作と同じである。
ユーザは、初期操作画面に表示されたアイコンの中から、動作させたい車載機器のアイコン、この場合は、「DVD」のアイコンを選択する。モバイル機器8は、初期操作画面の中の「DVD」が選択されると、IDと、選択された車載機器(DVDプレーヤー)を示す機器情報とを外部通信ユニット6に送信する。外部通信ユニット6では、機器情報に対する応答として、車載機器選択受信処理が行われる。図10は、車載機器選択受信処理の詳細を示すフローチャートである。
車載機器選択受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST51)。このステップST51の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。このステップST51において、IDが一致することが判断されると、次いで、要求車載機器が確認される(ステップST52)。このステップST52の処理は、上述したステップST22の処理と同じである。
次いで、既接続モバイル機器の確認が行われる(ステップST53)。すなわち、状態管理部16は、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在するかどうかを調べる。このステップST53において、既に車載機器に接続しているモバイル機器8が存在しないことが判断されると、そのモバイル機器8に優先権を付与し、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST54)。このステップST54の処理は、上述したステップST23の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST53において、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在することが判断されると、既接続モバイル機器ありの通知が行われる(ステップST55)。すなわち、状態管理部16は、表示データ生成部15に対して既にモバイル機器8の接続がある旨を表すメッセージの生成を要求する。表示データ生成部15は、この要求に応答して、既にモバイル機器8の接続がある旨のメッセージを表示するための表示データを生成し、状態管理部16に送る。状態管理部16は、表示データ生成部15から受け取った表示データをモバイル通信制御部12に送る。これにより、モバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して既にモバイル機器8の接続がある旨のメッセージを表示するための表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
上記ステップST51において、IDが一致しないことが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST56)。このステップST56の処理は上述したステップST24の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対してIDが不一致である旨を表すメッセージを表示するための表示データが送信される。その後、車載機器選択受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、先に選択した車載機器(DVDプレーヤー)のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、初期操作画面において「DVD」が選択された場合は、機器操作画面には、「再生」、「停止」、「早送り」および「巻き戻し」などといったコマンドが表示される。これらはDVDプレーヤーに実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。
コマンドを受信した外部通信ユニット6では、コマンド受信処理が行われる。このコマンド受信処理は、図7のフローチャートに示したコマンド受信処理と同じである。すなわち、外部通信ユニット6は、モバイル機器8から受信したコマンドを車載機器(DVDプレーヤー)に送信する。外部通信ユニット6からコマンドを受信した車載機器は、そのコマンドに対応する処理を実行し、処理結果を表すデータを外部通信ユニット6に送信する。外部通信ユニット6は、車載機器から受信したデータをモバイル機器8に送信する。以後、車載機器から外部通信ユニット6を経由してモバイル機器8にデータを送信する処理は繰り返し実行される。これにより、モバイル機器8には、車載機器における処理結果、つまり、DVDプレーヤーで再生された映像が表示される。
また、上述した実施の形態1では、モバイル機器8から、ナビゲーション装置1およびAV機器4としてのDVDプレーヤーにアクセスする場合について説明したが、他の車載機器についてもほぼ同様に制御することができる。また、車載機器から得られたデータに基づきモバイル機器8の画面に映像を表示する場合について説明したが、車載機器から得られるデータには、音声データまたは文字データなども含めることができる。また、モバイル機器8内に保存されているデータを車載機器に送信し、出力させるように構成することもできる。
次に、モバイル機器8から車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーを操作しようとした場合に、既に他のモバイル機器8でDVDプレーヤーを操作している場合の動作を、図11に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
複数のモバイル機器8の1つにおいて通信要求操作がなされてから、初期操作画面で「DVD」が選択されることにより、IDおよび機器情報が外部通信ユニット6に送信されるまでの動作は、上述したナビゲーション装置1の情報をモバイル機器8に表示させる場合の動作と同じである。
IDおよび機器情報を受信した外部通信ユニット6では、車載機器選択受信処理が行われる。この車載機器選択受信処理では、図10に示した車載機器選択受信処理と同様に、IDの確認(ステップST51)および要求車載機器の確認(ステップST52)が行われた後に、既接続モバイル機器の確認(ステップST53)において、既に車載機器(DVDプレーヤー)に接続しているモバイル機器8が存在することが判断されると、外部通信ユニット6の状態管理部16は、車載機器から受け取って既接続の他のモバイル機器8に送信している処理結果を表すデータを、通信要求を送信したモバイル機器8に繰り返して送信する。したがって、通信要求を送信したモバイル機器8には、DVDプレーヤーで再生された、既接続の他のモバイル機器8と同じ映像が表示される。
次に、優先権が付与されておらず車載機器の操作が不可能な非優先状態のモバイル機器8で、車載機器としてのAV機器4の1つであるDVDプレーヤーからデータを取得中に、優先権を取得してDVDプレーヤーを制御する場合の動作を、図12に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
非優先状態のモバイル機器8には、操作不可である旨のメッセージが表示されるとともに、優先要求ボタンが表示されている。モバイル機器8の優先要求ボタンを押す優先要求操作がなされると、このモバイル機器8から外部通信ユニット6に対して優先要求が送信される。外部通信ユニット6では、この優先要求に応答して、優先要求受信処理が実行される。
図13は、外部通信ユニット6で実行される優先要求受信処理の詳細を示すフローチャートである。優先要求受信処理では、まず、IDが確認される(ステップST61)。このステップST61の処理は、上述したステップST21の処理と同じである。ステップST61において、IDが一致することが判断されると、次いで、対象車載機器の制御可否が確認される(ステップST62)。すなわち、状態管理部16は、先にモバイル通信制御部12から受け取った機器情報によって示される車載機器が動作可能状態であるかどうかを確認する。
このステップST62において、対象車載機器の制御が不可能であることが判断されると、優先要求受信処理は終了する。一方、ステップST62において、対象車載機器の制御が可能であることが判断されると、車載機器の機器操作画面が送信される(ステップST63)。このステップST63の処理は、上述したステップST23の処理と同じである。これにより、外部通信ユニット6のモバイル通信制御部12からモバイル機器8に対して機器操作画面データが送信される。その後、優先要求受信処理は終了する。
上記ステップST61において、IDが一致しない、つまり不一致であることが判断されると、次いで、IDが不一致である旨が通知される(ステップST64)。このステップST64の処理は、上述したステップST24の処理と同じである。その後、優先要求受信処理は終了する。
外部通信ユニット6から機器操作画面データを受信したモバイル機器8においては、その画面上に、選択されている車載機器のコマンドが機器操作画面として表示される。例えば、先の初期操作画面において「DVD」が選択されている場合は、機器操作画面には、「停止」、「早送り」および「巻き戻し」などといったコマンドが表示される。これらのコマンドは、その時点でDVDプレーヤーに実行させることができる機能を示している。ユーザは、この機器操作画面に表示されたコマンドの中から、所望のコマンドを選択する。この機器操作画面上で、1つのコマンドが選択されると、選択されたコマンドが外部通信ユニット6に送信される。以降の動作は、図9を参照して説明した動作と同じである。
なお、上述した操作中も車載機器からデータが送信されている場合、外部通信ユニット6は、そのデータをモバイル機器8に対して送信し、モバイル機器8では、受信したデータを表示する動作を継続する。
なお、優先と非優先との切り替え方法としては、優先権を持つモバイル機器8の許可を必要とする方法と不要とする方法を用いることができ、また、一定時間の間に操作が行われていない場合、どのモバイル機器8からの操作も可能とする方法を用いることもできる。
また、上述した実施の形態1では、データを取得する対象の車載機器としてDVDを例示したが、その他のDTV、ラジオまたはオーディオなどを対象とすることができる。また、データを取得する対象の車載機器としてHDD(Hard Disk Drive)が可能な場合、DVDのように各モバイル機器に対して同じデータが送信される必要はなく、異なるデータを送信するように構成することもできる。この場合、データを処理する速度が高速になるので、モバイル機器間で優先と非優先とを区別する必要はなくなり、各モバイル機器で独立した操作が可能となる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係る車載情報システムとしての車載情報システムによれば、外部から持ち込んだモバイル機器8を外部通信ユニット6に通信で接続することにより、車内LAN7に接続されている複数の車載機器にアクセスし、これらの車載機器に表示される情報を入手したり、また、これらの車載機器を操作したりすることができる。したがって、車両の所有者は該車両の全座席にモニタ2aなどを取り付けることなく、乗車者が所有するモバイル機器8を車内に持ち込むことにより、車載機器に表示される情報を簡易に入手できるようになる。
なお、図1、図2及び図14で、システム構成は一例であり、図に記載のない機器(例:ETC車載器、他のAV機器等)が接続されていてもよく、また、図に記載されている機器(例:車載カメラ等)が接続されていなくてもよい。
この発明に係る車載情報システムは、LANに接続されている複数の機器にアクセスし、これらの機器に表示される情報を入手したり、また、これらの機器を操作したりすることができる。そのため、ナビゲーション装置、モニタ、AV機器といった複数の車載機器を接続し、これらの車載機器が相互に通信しながらナビゲーションや音楽の鑑賞等ができる車載情報システムに用いるのに適している。