JPWO2010013717A1 - 血管再生基材 - Google Patents

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剛毅 松村
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悠紀 坂元
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Abstract

本発明は、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる血管再生基材を提供することを目的とする。本発明は、生体吸収性材料からなる発泡体、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強材、及び、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強糸からなるチューブ状の血管再生基材であって、前記補強糸と前記補強材とは、前記発泡体の中心又は外面に位置し、内面は前記発泡体であり、前記補強糸は、スパイラル状、リング状又はX字状で巻回されており、かつ、前記補強糸は、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体からなる血管再生基材である。

Description

本発明は、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる血管再生基材に関する。
現在、臨床において人工血管として使用されているのは、ゴアテックス等の非吸収性高分子を用いたものである。このような人工血管は、極めて血管に近い物性を発揮させることができ、短期的な血管の再建術には一定の成果をあげている。しかしながら、非吸収性高分子を用いた人工血管は、半永久的に異物が体内に残存し、また、血栓ができやすいことから、継続的に抗凝固剤等を投与しなければならないという問題があった。また、特に小児に使用した場合、成長に伴うサイズミスマッチにより改めて手術する必要が生じることや、人工血管の石灰化により再手術を要するという問題もあった。
これに対して近年、いわゆる再生医療技術による組織再生方法が試みられている。即ち、細胞の侵入が容易な人工血管を血管の欠損部に移植することにより、該人工血管を足場として患者自身の細胞が増殖する機序を利用して自己の組織を再生しようとする試みである。
このような再生医療技術を血管再生術に応用すべく本願発明者らは、生体吸収性高分子からなる発泡体に、芯材として生体吸収性高分子からなる補強材を組み込んだ血管再生基材を開発した(特許文献1)。この血管再生基材においては、発泡体が細胞をしっかりと接着できる足場となり、かつ、補強材が移植後に血管が再生するまでの期間、血流に耐えて強度を保たせる役割を果たし、縫合に耐える補強材の役目も果たす。発泡体と補強材とが共に生体吸収性高分子からなることにより血管再生後には材料が吸収されることから遠隔期において抗凝固剤等の継続的な使用は不要となる。更に、再生された血管は自己組織であるため成長も期待できる。実際、該血管再生基材は、臨床的にも極めて有意義であることが確認されつつある。しかしながら、実際の臨床応用のためには、より一層の血管再生効率と確実性を目指すべきことはいうまでもない。
特開2001−78750号公報
人工血管を移植したときに血管組織が再生できるかは、人工血管への細胞の侵入のし易さと、血管組織が再生するまでに狭窄が生じないことにかかっている。細胞を侵入し易くするためには、人工血管の材料が柔軟で吸水性が高いことが求められる。一方、組織の再生過程において、増殖した細胞が内腔方向への張力を発揮してしまうために狭窄が生じることから、人工血管のチューブ形状がつぶれにくい機械的強度を有すること、即ち、チューブ状体を圧縮したときに高い圧縮弾性率を発揮し、口径を維持することが求められる。このように、柔軟で吸水性が高いことと圧縮弾性率が高いこととはトレードオフの関係にあり、両立の難しい課題であった。更に、人工血管の圧縮弾性率が長期間にわたって高い場合には、再生した血管が硬くなってしまう「石灰化」が発生しやすいという問題もあった。
本発明は、細胞の侵入のし易さと、つぶれにくさ、石灰化の防止を両立して、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる血管再生基材を提供することを目的とする。
本発明は、生体吸収性材料からなる発泡体、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強材、及び、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強糸からなるチューブ状の血管再生基材であって、前記補強糸と前記補強材とは、前記発泡体の中心又は外面に位置し、内面は前記発泡体であり、前記補強糸は、スパイラル状、リング状又はX字状で巻回されており、かつ、前記補強糸は、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体からなる血管再生基材である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の血管再生基材は、生体吸収性材料からなる発泡体(以下、単に「発泡体」ともいう)、発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強材(以下、単に「補強材」ともいう)、及び、発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強糸(以下、単に「補強糸」ともいう)からなる。
上記発泡体は、侵入した細胞が接着して増殖し、組織が再生するための足場の役割を果たすものである。
上記発泡体の孔径は、細胞が侵入し易く増殖し易いとともに、血管の欠損部に移植した際にほとんど血液漏れしない程度であることが必要であり、具体的には好ましい下限は5μm、好ましい上限は100μmである。上記発泡体の孔径が5μm未満であると、細胞が発泡体の孔内に侵入できないことがあり、100μmを超えると、移植したときに血液漏れを起こすことがある。上記発泡体の孔径のより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記発泡体の平均孔径は、例えば、水銀圧入法や画像解析法等の従来公知の方法により測定することができる。
上記発泡体の厚みとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は1.5mmである。上記発泡体の厚みが0.3mm未満であると、チューブ状体を圧縮するときの圧縮弾性率が低く狭窄を起こしやすいことがあり、1.5mmを超えると、柔軟性に欠け、吸水率が低くなり、細胞が侵入しにくいことがある。上記発泡体の厚みのより好ましい下限は0.4mm、より好ましい上限は1.2mmである。
上記発泡体を構成する生体吸収性材料としては、例えば、ポリグリコリド、ポリラクチド(D、L、DL体)、ポリカプロラクトン、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体及びポリジオキサノン、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体等が挙げられる。なかでも、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体が好適である。これらの生体吸収性材料は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
上記発泡体は、親水化処理が施されていてもよい。親水化処理を施すことにより、より細胞の侵入を容易にすることができる。
上記親水化処理としては特に限定されず、例えば、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、オゾン処理、表面グラフト処理又は紫外線照射処理等が挙げられる。なかでも、血管再生基材の外観を変化させることなく吸水率を飛躍的に向上できることからプラズマ処理が好適である。
上記補強材は、上記発泡体を補強して、移植後に血管が再生するまでの期間、血流、血管内圧(血圧)に耐えて強度を保たせる役割、及び、血管との縫合時に糸かけ性、縫合性を向上させる役割を果たすものである。
上記補強材としては、上記発泡体より高強度であるものであれば特に限定されず、例えば、繊維状体、不織布状体又はフィルム状体等が挙げられる。なかでも、生体吸収性材料からなる繊維を編織成した横編地、縦編地、組紐、織地等の繊維状体が好適である。
上記補強材を構成する生体吸収性材料としては、例えば、ポリグリコリド、ポリ乳酸(D、L、DL体)、ポリカプロラクトン、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)共重合体、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体及びポリジオキサノン、グリコリド−ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体等が挙げられる。これらの生体吸収性材料は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。また、上記補強材を構成する生体吸収性材料は、上記発泡体を構成する生体吸収性材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記補強材を構成する繊維の太さとしては特に限定されないが、好ましい下限は15デニール、好ましい上限は500デニールである。上記補強材を構成する繊維の太さが15デニール未満であると、生体血管との吻合時に吻合できなくなることがあり、500デニールを超えると、上記補強材を作製できないことがある。上記補強材の太さのより好ましい下限は20デニール、より好ましい上限は450デニールである。
上記補強糸は、上記発泡体を補強して、移植後に血管が再生するまでの期間、血流、肺、その他周囲にある臓器からの圧迫、内腔方向への張力に耐えて強度を保たせる役割を果たすものである。
上記補強糸は、モノフィラメント糸であってもよく、マルチフィラメント糸であってもよいが、より高い曲げ弾性を有し、圧迫力に耐えることができることから、モノフィラメント糸が好適である。
上記補強糸の太さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.2mm、好ましい上限は0.7mmである。上記補強糸の太さが0.2mm未満であると、チューブ状体を圧縮するときの圧縮弾性率が低く狭窄を起こしやすいことがあり、0.7mmを超えると、柔軟性に欠け血管再生基材として使用しにくいことがある。上記補強糸の太さのより好ましい下限は0.25mm、より好ましい上限は0.5mmである。
上記補強糸を構成する生体吸収性材料は、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体である。グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体は、弾性率が630MPa程度と比較的「硬い」樹脂である一方、強度の半減期が1〜2週間と比較的短時間で分解して急速に強度が低下する性質を有する。グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体からなる補強糸を用いることにより、移植時からしばらくの間は充分な強度を保ち、血管再生基材がつぶれて血管が狭窄するのを防止できる一方、血管がある程度再生する頃には分解し、吸収することにより強度を失い、更に、材料が残存しないためにミネラルの沈着を防止でき、それにより「石灰化」を効率的に防止することができる。
また、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体は、上記発泡体に対する親和性が低く、比較的短時間で分解することとあいまって、移植後短期間で上記発泡体から剥離するものと思われる。グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体からなる補強糸を用いることにより、移植時からしばらくの間は充分な強度を保ち、血管再生基材がつぶれて血管が狭窄するのを防止できる一方、血管がある程度再生する頃には発泡体から剥離する。補強糸が剥離した発泡体は、細胞の増殖にあわせて伸縮が可能となるため、血管の再生が妨げられることがない。これも、「石灰化」を効率的に防止することにつながっているものと思われる。
なお、原因は不明であるが、補強糸にコーティング等を施して上記発泡体に対する親和性を向上させると、かえって狭窄等の原因となることがある。従って、上記補強糸は、コーティング等を施さない、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体のみからなるものであることが好ましい。
上記補強糸を構成するグリコリド−ε−カプロラクトン共重合体の組成比としては、グリコリド:ε−カプロラクトンの比率(モル比)が90:10から45:55であることが好ましい。グリコリドの比率が90を超えると補強糸が硬くて脆くなり、また分解が速くなりすぎる為に血管組織の再生に好ましくない。一方、ε−カプロラクトンの比率が55を超えると、補強糸が柔らかくなり過ぎる為に補強の効果が小さくなり、また、分解速度が遅くなるために「石灰化」を起こす原因になる。
上記発泡体と補強材との位置関係は、上記補強材が本発明の血管再生基材であるチューブ状体の中心又は外面に位置し、かつ、チューブ状体の内面は上記発泡体である。このような構造により、上記補強材が強度を保たせる役割を充分に発揮することができ、また、血管の内側から再生を進めて早期の血管再生を行うことができる。
上記補強糸は、このような上記発泡体と補強材との複合物に、スパイラル状、リング状又はX字状で巻回されている。このような態様にて補強糸が配置されることにより、得られる血管再生基材はよりつぶれにくいものとなる。上記補強糸は、発泡体の中心に位置しても、最外面に位置してもよい。
上記補強糸がスパイラル状又はリング状に巻回される場合、その巻回ピッチの好ましい下限は1mm、好ましい上限は10mmである。上記補強糸の巻回ピッチが1mm未満であると、「石灰化」の原因となったり血管再生遅延の原因となったりすることがあり、10mmを超えると、充分な補強効果が得れらないことがある。上記補強糸の巻回ピッチのより好ましい下限は2mm、より好ましい上限は8mmである。
本発明の血管再生基材であるチューブ状体の内径及び長さは目的とする血管に合わせて選択すればよい。
本発明に係る血管再生基材の厚みの好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は1.5mmである。血管再生基材の厚みが0.3mm未満であると、血流に耐え得る充分な強度が得られなかったり、縫合が困難になったりすることがあり、1.5mmを超えると、吸収にかかる期間が徒に長くなり、石灰化の原因となることがある。
本発明の血管再生基材を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、予め調製した上記補強材を型枠に設置し、該型枠中に上記発泡体を形成する生体吸収性材料の溶液を流し込んでから凍結した後、凍結乾燥する方法(凍結乾燥法)、予め調製した上記補強材に水溶性物質と上記発泡体を形成する生体吸収性材料との混合溶液を付着させ乾燥した後、該水溶性物質を水洗によって洗い流す方法(溶出法)等が挙げられる。凍結乾燥法においては、凍結温度やポリマーの濃度等によって種々の孔径を有する発泡体を調製することができる。溶出法においては、水溶性物質の粒子を調整することにより発泡体の孔径を制御することができる。
本発明の血管再生基材は、生体吸収性材料からなる発泡体を生体吸収性材料からなる補強材により外側方向への力に対する強化をしたうえで、更に、生体吸収性材料からなる補強糸により内側方向への力に対する強化をすることにより、上記発泡体が、細胞が侵入し接着できる足場となり、かつ、上記補強材及び補強糸が移植後に血管が再生するまでの期間、血流に耐えて強度を保たせる役割を果たす。一方、上記補強糸を構成する生体吸収性材料がグリコリド−ε−カプロラクトン共重合体であることから、分解が早いために「石灰化」の原因となることもない。
本発明の血管再生基材は、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる。
移植にあたっては、本発明の血管再生基材をそのまま移植してもよい。細胞を播種することなく本発明の血管再生基材をそのまま移植した場合であっても、本発明の血管再生基材の上記発泡体が良好な足場となり細胞が容易に侵入して血管を再生することができる。
また、予め血管内皮細胞、骨髄細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞等の細胞を播種してから移植する場合には、より早期での血管再生を期待できる。
本発明によれば、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる血管再生基材を提供することができる。
比較例1で得られた血管再生基材の移植部の組織切片を西山法により染色した染色像である。 実施例1の血管再生基材を移植し、術後13ヶ月後に犠牲死させたときの、移植部位の切開像である。 実施例1の血管再生基材を移植し、術後13ヶ月後に犠牲死させたときの、移植部位の染色像である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
外径10mmのフッ素樹脂製の棒に140デニールのポリグリコリド糸にて筒状に編成した平編地を装着した。平編地を装着した棒を、L−ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体(モル比50:50)の4重量%ジオキサン溶液中に浸漬し、−80℃で凍結した後、−40℃〜40℃で12時間凍結乾燥して発泡体を得た。次いで、これを反転させながらフッ素樹脂製の棒から外し、再度、フッ素樹脂製の棒に装着した。発泡体の表面に、補強糸としてグリコリド−ε−カプロラクトン共重合体(グリコリド:ε−カプロラクトンの比率(モル比)が75:25)のモノフィラメント糸(太さ1−0)を3mmのピッチでスパイラル状に巻きつけた。モノフィラメント糸を巻きつけた発泡体を、L−ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体(モル比50:50)の4重量%ジオキサン溶液中に30秒間浸漬し、−80℃で凍結した後、−40℃〜40℃で12時間凍結乾燥した。このような方法により、0.9mmの厚さの発泡層を有するサンドイッチ構造の血管再生基材を得た。
(比較例1)
補強糸として、L−ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体のモノフィラメント糸(太さ0.4mm、USPサイズ1−0)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により血管再生基材を得た。
(参考例1)
補強糸として、L−ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体(モル比50:50)でコーティングしたグリコリド−ε−カプロラクトン共重合体のモノフィラメント糸(太さ0.4mm、USPサイズ1−0)を用いた以外は実施例1と同様の方法により血管再生基材を得た。
なお、コーティングは、L−ラクチド−ε−カプロラクトン共重合体(モル比50:50)の4重量%ジオキサン溶液にグリコリド−ε−カプロラクトン共重合体のモノフィラメント糸を浸漬した後、乾燥させる方法にて行った。
(in vitro評価)
得られたチューブ状の血管再生基材について、直径を1/2になるまで圧縮するときに必要な強度を求めた。この値が大きければ、狭窄に対し、高い口径維持力を有することを意味する。
また、直径を圧縮する方向に200gの力を繰り返し加え、横に潰れて形状が保てなくなるまでの回数を測定した。
結果を表1に示した。
(動物実験による評価)
実施例、比較例及び参考例で得られた血管再生基材について、以下の方法にて動物実験による評価を行った。
体重10Kg前後のビーグル犬の下大静脈を一部切除し、実施例、比較例及び参考例で得られた血管再生基材に置換した。実施例1については11検体、比較例1については4検体、参考例1については8検体の試験を行い、術後6ヵ月後の生存数を測定した。
術後6ヵ月後に血管造影検査にて血管の形態を記録し、その後犠牲死させ、腹水の有無を目視にて観察した。更に、移植部(再生血管部)を指で触り、硬化病変の有無、また、巨視的に石灰化の有無を評価した。更に、組織切片を作成し、組織学的評価を顕微鏡にて評価し、また西山法やVon Kossa法にて石灰化の有無も評価した。
結果を表2に示した。
表2より、実施例1、比較例1の血管再生基材を移植した場合、術後6ヶ月後の生存率は100%であり、狭窄も腹水も認められなかった。しかしながら、実施例1の血管再生基材を用いた場合には石灰化が認められなかったのに対して、比較例1の血管再生基材を用いた場合には、全ての検体に明らかな石灰化が認められた。比較例1で得られた血管再生基材の移植部の組織切片を作製し、西山法により染色した染色像を図1に示した。実施例1においては、良好な血管の開存性と組織学的に静脈血管に極めて類似した組織の作成を認めており、石灰化も認められなかった。比較例1では、石灰化が認められ、導管としての機能は果たし得たものの、組織学的には問題があった。
実施例1の血管再生基材を移植し、術後13ヶ月後に犠牲死させたときの、移植部位の切開像を図2に、移植部位の染色像を図3に示した。
参考例1の血管再生基材を移植した場合、術後6ヶ月後における生存数が50%であった。術後6カ月以上生存していた検体(4頭)を調べたところ狭窄、腹水は認められなかった。しかし、術後6ヶ月までに死亡した検体について調べたところ、4頭全てで狭窄、腹水が認められた。
(実験例)
補強糸として用いる、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体のモノフィラメント糸の太さを1−0(0.4〜0.5mm)、2−0(0.35〜0.4mm)、3−0(0.25〜0.3mm)とした以外は実施例1と同様の方法により血管再生基材を得て、圧縮弾性を評価した。
結果を表3に示した。
本発明によれば、血管の欠損部に移植することにより、極めて高い効率で血管を再生することができる血管再生基材を提供することができる。

Claims (4)

  1. 生体吸収性材料からなる発泡体、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強材、及び、前記発泡体を補強する生体吸収性材料からなる補強糸からなるチューブ状の血管再生基材であって、
    前記補強糸と前記補強材とは、前記発泡体の中心又は外面に位置し、内面は前記発泡体であり、
    前記補強糸は、スパイラル状、リング状又はX字状で巻回されており、かつ、
    前記補強糸は、グリコリド−ε−カプロラクトン共重合体からなる
    ことを特徴とする血管再生基材。
  2. 発泡体は、ラクチド(D、L、DL体)−ε−カプロラクトン共重合体からなることを特徴とする請求項1記載の血管再生基材。
  3. 補強糸は、スパイラル状で巻回されていることを特徴とする請求項1記載の血管再生基材。
  4. 補強糸と補強材とは、発泡体の中心に位置していることを特徴とする請求項1記載の血管再生基材。
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