JPWO2009139108A1 - 弾性境界波装置 - Google Patents

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Abstract

周波数温度係数TCFの改善と高次モードスプリアスの抑圧とを両立し得る三媒質構造の弾性境界波装置を提供する。圧電基板2上に、誘電体からなる第1の媒質層3、及び第1の媒質層3を形成している誘電体と音速が異なる誘電体からなる第2の媒質層4が積層されており、圧電基板2と第1の媒質層3との界面にIDT電極5が配置されており、圧電基板2の速い横波のバルク波をV1、弾性境界波の高次モードの***振点の音速をVaとしたときに、Va>V1である弾性境界波装置1。

Description

本発明は、圧電基板と、誘電体との界面を伝搬する弾性境界波を利用した弾性境界波装置に関し、より詳細には、誘電体からなる第1の媒質層上に他の誘電体からなる第2の媒質層が積層された三媒質構造の弾性境界波装置に関する。
近年、弾性表面波装置に代わり、弾性境界波装置が注目されている。弾性境界波装置では、空洞を有するパッケージを必要としない。そのため、弾性境界波装置を用いることにより、共振子やフィルタの小型化を図ることができる。
下記の特許文献1には、圧電基板上に第1,第2の媒質層が積層された、三媒質構造の弾性境界波装置が開示されている。図8に示すように、圧電基板1001上にインターデジタル電極(図示せず)が形成されており、該圧電基板1001上に、多結晶酸化ケイ素膜が第1の媒質層1002として積層されている。第1の媒質層1002上に、第2の媒質層1003として多結晶ケイ素膜が積層されている。IDT電極は、上記圧電基板と多結晶酸化ケイ素膜との界面に配置されている。
図8に示すように、多結晶ケイ素膜の形成により、IDT電極で励振される弾性境界波のエネルギーが、図8に示すように、多結晶酸化ケイ素膜からなる第1の媒質層1002に閉じ込めることができる。
また、多結晶ケイ素膜の膜質が劣化した場合であっても、電気特性の劣化が生じ難い。さらに、多結晶酸化ケイ素膜及び多結晶ケイ素膜によりIDT電極が保護されるため、信頼性が高められる。また、三媒質構造を利用することにより、高周波化を進めることができる。
WO98/52279
しかしながら、特許文献1に記載のような三媒質構造の弾性境界波装置では、高次モードによるスプリアスが生じがちであるという問題があった。この高次モードスプリアスの大きさは、酸化ケイ素膜の膜厚により変化する。
もっとも、酸化ケイ素膜の膜厚を薄くすることにより、スプリアスを小さくすることができる。
しかしながら、酸化ケイ素膜の膜厚を小さくすると、弾性境界波装置の周波数温度係数TCFが負の値になり、かつ該TCFの絶対値が大きくなるという問題があった。すなわち、高次モードスプリアスの抑圧とTCFの改善とは、トレードオフの関係にあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、高次モードスプリアスを抑圧することができ、しかも周波数温度係数TCFの絶対値が小さい、良好な温度特性を有する三媒質構造の弾性境界波装置を提供することにある。
本発明によれば、圧電基板と、前記圧電基板上に積層されており、誘電体からなる第1の媒質層と、前記第1の媒質層の上面に積層されており、第1の媒質層を形成している前記誘電体とは音速が異なる誘電体からなる第2の媒質層と、前記圧電基板と、前記第1の媒質層との界面に配置されたIDT電極とを備える弾性境界波装置であって、前記圧電基板の速い横波バルク波の音速をV1、弾性境界波の高次モードの***振点の音速をVaとしたときに、Va>V1であることを特徴とする、弾性境界波装置が提供される。
本発明に係る弾性境界波装置では、高次モードの共振点での音速をVrとしたとき、好ましくは、Vr>V1であり、それによって、高次モードスプリアスをより効果的に抑圧することができる。
本発明に係る弾性境界波装置のある特定の局面では、前記第2の媒質層の音速が、前記第1の媒質層の音速よりも速くされている。この場合には、導波路効果が高められ、弾性境界波装置の特性をより改善することができる。
本発明に係る弾性境界波装置では、上記圧電基板は、好ましくは、LiNbO単結晶またはLiTaO単結晶からなり、その場合には、電気機械結合係数を高めることができる。従って、弾性境界波装置の特性を改善することができる。
本発明に係る弾性境界波装置の別の特定の局面では、前記第1の媒質層の音速が、前記LiNbOの遅い横波音速と、第2の媒質層の音速の内速い方の音速よりも遅くされている。その場合には、導波路効果が高められ、弾性境界波装置の特性をより一層向上させることができる。
本発明に係る弾性境界波装置において、第1の媒質層を構成する材料としては、好ましくは、SiOまたはSiONが用いられる。LiNbOなどの圧電単結晶の周波数温度係数TCFは、負の値であるが、SiOやSiONの周波数温度係数TCFは正の値である。従って、弾性境界波装置の周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができる。
本発明に係る弾性境界波装置において、好ましくは、第2の媒質層は、SiO、SiN、SiON、AlN、AlO、Si、SiC、DLC(ダイヤモンドドライクカーボン)及びポリシリコンからなる群から選択された少なくとも1種の材料からなる。その場合には、導波路効果が高められ、弾性境界波装置の特性をさらに改善することができる。
本発明に係る弾性境界波装置における上記IDT電極を構成する材料としては、好ましくは、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる金属膜を含む。その場合には、IDT電極の反射係数を高めたり、あるいは導電性を高めたりすることができ、それによって弾性境界波装置の特性をより一層改善することができる。
本発明に係る弾性境界波装置において前記IDT電極は、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる複数種の金属膜を積層してなる積層金属膜からなるものであってもよい。
(発明の効果)
本発明に係る弾性境界波装置では、圧電基板の速い横波のバルク波の音速V1よりも弾性境界波高次モードの***振点での音速Vaが速くされているため、高次モードスプリアスを抑圧することができる。従って、第1の媒質層を構成する材料の膜厚を薄くせずとも、高次モードスプリアスを抑圧することができるので、高次モードスプリアスの抑圧と、第1の媒質層を構成する材料の選択による周波数温度係数TCFの改善とを両立することができる。よって、高次モードスプリアスの影響が少なく、かつ温度変化による特性の変化が少ない、弾性境界波装置を提供することが可能となる。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の正面断面図及び電極構造を示す模式的平面図である。 図2は、本発明の一実施形態の弾性境界波装置についての第1の実験例の結果を示し、インピーダンスと周波数との関係を示す図である。 図3は、本発明の一実施形態の弾性境界波装置についての第1の実験例の結果を示し、高次モードが表われる部分のインピーダンスと音速との関係を示す図である。 図4は、本発明の一実施形態の弾性境界波装置についての第1の実験例の結果を示し、高次モードが表われる部分の位相と音速との関係を示す図である。 図5は、第2の実験例における音速と位相との関係を示す図である。 図6は、第3の実験例における音速と位相との関係を示す図である。 図7は、第4の実験例における音速と位相との関係を示す図である。 図8は、従来の弾性境界波装置を説明するための模式図である。
符号の説明
1…弾性境界波装置
2…圧電基板
3…第1の媒質層
4…第2の媒質層
5…IDT電極
6,7…反射器
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る弾性境界波装置の正面断面図及び電極構造を示す模式的平面断面図である。
弾性境界波装置1は、LiNbO単結晶からなる圧電基板2を有する。圧電基板2を構成する材料は、LiNbO単結晶に限定されず、LiTaO単結晶や水晶などを用いてもよい。
LiNbOやLiTaOは、負の周波数温度係数TCFを有する。従って、後述するSiOと組み合わせることにより、弾性境界波装置1の周波数温度係数TCFの絶対値を小さくすることができる。
圧電基板2上に、第1の媒質層3及び第2の媒質層4がこの順序で積層されている。すなわち、本実施形態の弾性境界波装置1は、三媒質構造を有する。
第1の媒質層3は誘電体からなり、本実施形態ではSiOからなる。なお、第1の媒質層3に用いられる誘電体は、SiOに限定されないが、好ましくは、正の周波数温度係数を有するSiOやSiONが用いられる。それによって、温度変化による特性の変化を小さくすることができる。
第2の媒質層4は、第1の媒質層3とは音速が異なる誘電体からなる。本実施形態では、第2の媒質層4は、SiONからなる。媒質層4を構成する材料としては、第2の媒質層4を形成している誘電体とは音速が異なる適宜の材料を用いることができる。第1の媒質層3がSiO以外の材料からなる場合には、第2の媒質層4はSiOにより形成されていてもよい。
第2の媒質層4を構成する誘電体としては、SiO、SiN、SiON、AlN、AlO、Si、SiC、DLC(ダイヤモンドドライクカーボン)及びポリシリコンからなる群から選択された少なくとも1種の材料を好適に用いることができる。上記群から選択された1種の材料を用いることにより、導波路効果を高めることができ、良好な特性を得ることができる。
圧電基板2と、第1の媒質層3との界面に、IDT電極5及び反射器6,7が形成されている。すなわち、弾性境界波装置1は、電極構造として、IDT電極5及び反射器6,7を有する。
図1(b)に示すように、IDT電極5の境界波伝搬方向両側に、上記反射器6,7が配置されており、それによって、1ポート型の弾性境界波共振子が構成されている。
もっとも、本発明の弾性境界波装置は、上記弾性境界波共振子に限らず、弾性境界波フィルタなどの様々な弾性境界波装置に適用することができる。従って、電極構造は、実現する弾性境界波装置の機能に応じて適宜変形される。
前述したように、特許文献1に記載の三媒質構造を有する従来の弾性境界波装置では、高次モードリップルが生じるという問題があった。そして、SiOからなる第1の媒質層の膜厚を薄くすれば、高次モードリップルを抑圧し得るものの、周波数温度係数TCFが悪化しがちであった。
そこで、本願発明者らは、SiO膜の膜厚を薄くせずとも、高次モードリップルを抑圧し得る構造について検討した。その結果、圧電基板2の速い横波バルク波の音速をV1、弾性境界波の高次モードの***振点の音速をVaとしたときに、Va>V1とすれば、高次モードリップルを効果的に抑圧し得ることを見出し、本発明をなすに至った。以下、具体的な実験例に基づいて、Va>V1とすることにより、第1の媒質層3の厚みを薄くせずとも、高次モードリップルを抑圧し得ることを説明する。
(第1の実験例)
図2は、弾性境界波装置1において、第1の媒質層3としてのSiO膜の規格化膜厚を47.5%、44.7%、42.2%、40.0%、38.0%及び36.2%とした場合の各インピーダンス特性を示す図である。ここで、LiNbO単結晶からなる圧電基板2としては、結晶方位がオイラー角で(0°,105°,0°)のLiNbOを用いた。また、IDT電極5を含む電極構造を、Pt膜、Al膜及びPt膜をこの順序で積層した積層金属膜により構成し、その規格化膜厚を、Pt/Al/Pt=1.1%/8.6%/1.1%とした。また、IDT電極5における電極指の対数は60、デューティ比は0.5、それぞれのSiO規格化膜厚に対応した境界波の波長λはそれぞれ1.6μm、1.7μm、1.8μm、1.9μm、2.0μm、2.1μmとした。反射器6,7における電極指の本数は50とした。第2の媒質層4としてのSiON膜の規格化膜厚は158%とした。なお、上記では、IDT電極を構成する膜の規格化膜厚とSiON膜の規格化膜厚はλ=1.9μmにおける規格化膜厚を示した。
図2における周波数(MHz)は上記電極波長λを用いて、音速V(m/秒)=λ(μm)×f(MHz)により音速V(m/秒)に変換できる。
図3は、高次モードが表われている部分を示すインピーダンスと音速との関係を示す図である。図3から明らかなように、SiO膜の規格化膜厚が変化すると、高次モードにおける共振点の音速Vr及び***振点におけるVaは変動する。SiOの規格化膜厚が47.5%〜36.2%で共振点の音速はVr=4700〜4780m/秒に位置しており、Vaは4730〜4780m/秒である。
なお、***振点における音速Vaとは、オープングレーティングサーキットモデルに基づき計算することにより得られる音速の値であり、共振点の音速Vrはショートグレーティングサーキットモデルに基づき計算することにより得られた音速の値である。
また、上記圧電基板2の速い横波バルク波の音速V1は、4750m/秒である。ただし、オイラー角により速い横波バルク波音速は変化する。
図3から明らかなように、SiO膜の規格化膜厚が47.5%及び44.7%の場合には、高次モードの***振点における音速Vaは、4750m/秒よりも遅くなり、その場合、高次モードスプリアスの大きさは、それぞれ、約26dB及び28dBである。
これに対して、高次モード***振点の音速Vaが4750m/秒となるSiOの規格化膜厚が42.2%の場合には、高次モードスプリアスは29dBと著しく小さくなる。さらに、高次モードの***振点における音速Vaが4750m/秒よりも速くなる、SiO膜の規格化膜厚が40.0%、38.0%及び36.2%の場合には、高次モードスプリアスの大きさは、30dB前後に位置している。
上記で、高次モードスプリアスの大きさは、高次モードの***振点と主モードの***振点とのインピーダンス比で表わしている。図2から主モードの***振点のインピーダンスが65dBであることがわかる。図3からSiO膜の規格化膜厚が47.5%の場合には、高次モードの***振点のインピーダンスが39dBであることがわかる。従って、高次モードのインピーダンスと主モードのインピーダンスの比は65dB−39dB=26dBとなるので、高次モードスプリアスの大きさは、26dBとしている。
図4は、高次モードが現れている部分を示す位相と音速との関係を示す図である。図4から明らかなように、SiO膜の規格化膜厚が47.5%及び44.7%の場合には、高次モードの***振点における音速Vaは、4750m/秒よりも遅くなり、その場合、高次モードの最大位相は、それぞれ、約10°及び−10°である。
これに対して、高次モードの***振点における音速Vaが4750m/秒となるSiO膜の規格化膜厚が42.2%の場合には、高次モードの最大位相は−35°と著しく小さくなる。さらに、高次モードの***振点における音速Vaが4750m/秒より速くなるSiO膜の規格化膜厚が40.0%、38.0%及び36.2%の場合には、高次モードの最大位相は−45°〜−55°に位置している。
従って、図2〜図4から明らかなように、Va>V1とすることにより、高次モードスプリアスを効果的に抑圧し得ることがわかる。
なお、高次モード共振点の音速Vrは、高次モード***振点の音速Vaよりも遅くなる。すなわち、Va>Vrである。従って、Vr>V1とすれば、Va>V1となるため、Va>V1とすることにより、高次モードスプリアスをより確実に抑制することができる。
(第2の実験例)
次に、IDT電極5のデューティを0.4、0.45、0.5、0.55及び0.6とされていることを除いては、第1の実験例と同様にして、複数種の弾性境界波装置を作製した。これらの弾性境界波装置における高次モードの位相特性を図5に示す。
図5から明らかなように、デューティ=0.6の場合、高次モードの***振点の音速Vaは4750m/秒付近である。これに対して、デューティ=0.4の場合の高次モードの***振点の音速Vaは4860m/秒付近に存在するはずである。もっとも、4860m/秒付近における***振点が不明瞭となっている。これは、高次モードの音速が速くなり、LiNbO側へ漏洩していることにより、***振点が不明瞭になっているためである。その結果、デューティ=0.4の場合、音速が4750m/秒付近において、最大位相が−40度と非常に小さくなっていること、すなわち、高次モードスプリアスを効果的に抑圧し得ることがわかる。
(第3の実験例)
圧電基板2側から、順に、IDT電極5を含む電極を、Pt/Al/Ptの順序で積層してなる積層金属膜により形成した。ここで、Al膜の規格化膜厚を8.6%とし、両側のPt膜の規格化膜厚の合計は一定とし、第1の媒質層3側のPt膜の規格化膜厚を2.2%、1.65%、1.1%、0.55%または0%と変化させた。なお、両側のPt膜の規格化膜厚の合計は2.2%とした。
上記のようにして、作製された複数種の弾性境界波装置における音速と位相との関係を図6に示す。
図6から明らかなように、図6に示されている全範囲において、高次モードの***振点の音速Vaが、4750m/秒よりも速くなり、最大位相が小さくなっていることがわかる。従って、高次モードスプリアスの応答を抑圧し得ることがわかる。
(第4の実験例)
IDT電極5を含む電極を、圧電基板2側からAl膜/Pt膜/Al膜の順に、Al、Pt及びAlをこの順序で積層した積層金属膜により形成した。ここでは、両側のAl膜の膜厚の合計は規格化膜厚で8.6%と一定とし、Pt膜の規格化膜厚は2.2%とし、第1の媒質層3側のAlの規格化膜厚を0%、2.04%、4.08%、6.12%または8.6%と変化させ、複数種の弾性境界波装置を作製した。
これらの弾性境界波装置における音速と位相との関係を図7に示す。なお、デューティ=0.50とし、SiOの規格化膜厚は40%とし、その他は、第1の実験例と同様とした。
図7から明らかなように、全範囲において、高次モード***振点の音速Vaが4750m/秒よりも速くされており、最大位相が小さくなっていることがわかる。従って、高次モードスプリアスの応答を効果的に抑圧し得ることがわかる。
第3及び第4の実験から明らかなように、IDT電極は、複数の金属膜を積層してなる積層金属膜により形成されていてもよい。この場合、積層金属膜は、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる複数種の金属膜を積層したものが用いられる。すなわち、上記群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる第1の金属膜と、上記群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金であって、第1の金属膜と異なる金属材料からなる第2の金属膜とを含む積層金属膜を用いてもよい。

Claims (9)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に積層されており、誘電体からなる第1の媒質層と、
    前記第1の媒質層の上面に積層されており、第1の媒質層を形成している前記誘電体とは音速が異なる誘電体からなる第2の媒質層と、
    前記圧電基板と、前記第1の媒質層との界面に配置されたIDT電極とを備える弾性境界波装置であって、
    前記圧電基板の速い横波バルク波の音速をV1、弾性境界波の高次モードの***振点の音速をVaとしたときに、Va>V1であることを特徴とする、弾性境界波装置。
  2. 前記高次モードの共振点の音速をVrとしたとき、Vr>V1である、請求項1に記載の弾性境界波装置。
  3. 前記第2の媒質層の音速が、前記第1の媒質層の音速よりも速い、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
  4. 前記圧電基板がLiNbO単結晶またはLiTaO単結晶からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  5. 前記第1の媒質層の音速が、前記LiNbOの遅い横波音速と、第2の媒質層の音速の内速い方の音速よりも遅い、請求項4に記載の弾性境界波装置。
  6. 前記第1の媒質層が、SiOまたはSiONからなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  7. 前記第2の媒質層が、SiO、SiN、SiON、AlN、AlO、Si、SiC、DLC(ダイヤモンドドライクカーボン)及びポリシリコンからなる群から選択された少なくとも1種の材料からなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  8. 前記IDT電極が、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる金属膜を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
  9. 前記IDT電極が、Al、Ti、Fe、Cu、Ag、Ta、Au及びPtからなる群から選択された1種の金属または該金属を主体とする合金からなる複数種の金属膜を積層してなる積層金属膜からなる請求項8に記載の弾性境界波装置。
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