JPWO2009037821A1 - 誘導電力伝送回路 - Google Patents
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Abstract
Description
2・・・受信アンテナ
3・・・電源回路
3a、3b、3c・・・送信回路
4・・・負荷回路
4a、4b、4c・・・受信回路
5・・・インピーダンス変換回路
6・・・誘導結合配線
C1、C2・・・容量
d・・・ずれ距離
D、G・・・コイル径
f・・・周波数
ω・・・角周波数
h・・・アンテナ間隔
I1、I2・・・アンテナ電流
L、L1、L2・・・実効的自己インダクタンス
M、Mo、M1、M2・・・相互インダクタンス
min・・・寄生容量値
Pe・・・電力伝送効率
P1・・・ポート1(接続端子位置)
P2・・・ポート2(接続端子位置)
P3・・・ポート3(接続端子位置)
P4・・・ポート4(接続端子位置)
P5・・・ポート5(接続端子位置)
P6・・・ポート6(接続端子位置)
r、r1、r2、r3・・・誘導抵抗
γ・・・1より大きい実数
X、Y・・・座標軸
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5・・・インピーダンス
図1(a)に、本発明の誘導電力伝送回路の送信アンテナ1と受信アンテナ2の平面図(XY図)を示し、図1(b)に側面図を示す。すなわち、本発明の誘導電力伝送回路は、実効的自己インダクタンスL1のコイル状の送信アンテナ1の配線の両端を容量C1でつないだ共振回路を作り、その共振回路のアンテナの配線の中間のポート1(P1)に直列に電源回路3を接続する。同様に、実効的自己インダクタンスL2のコイル状の受信アンテナ2の配線の両端を容量C2でつないだ共振回路を作り、その共振回路のアンテナの配線の中間のポート2(P2)に直列に負荷回路4を接続する。図1のように、互いに電磁誘導する両アンテナを(アンテナが共振する電磁界の波長)/(2π)以下の距離の近傍に近づける。この近傍距離に近づけることで、両アンテナは、電波を放射しない電磁誘導の相互作用が優勢になる。また、その送信アンテナ1の配線と受信アンテナ2の配線を少し離すと、両アンテナの配線の相互インダクタンスMは、密結合な相互誘導回路の相互インダクタンス√(L1×L2)の6割以下になる。
(式1)Ein=j{ωL1−(1/(ωC1))}×I1+jωM×I2
ここで、I1は送信アンテナ1に流れるアンテナ電流、I2は受信アンテナ2に流れるアンテナ電流であり、ω=2πfはその角周波数であり、fは高周波電流の周波数である。また、図2(a)の電源回路3側から見た、送信アンテナ回路1のポート1(P1)の入力インピーダンスZinに関しては、以下の式2が成り立つ。
(式2)Ein=Zin×I1
式1の右辺の最後の項のjωM×I2は、受信アンテナ2に流れる高周波のアンテナ電流I2が送信アンテナ1の配線の近傍の電磁界を時間変化させ、それが送信アンテナ1に誘導する誘導電圧E1である。それを式3であらわす。
(式3)E1=jωM×I2
式1と式2と式3から、アンテナ回路の入力インピーダンスZinが以下の式4であらわされる。
(式4)Zin=j{ωL1−(1/(ωC1))}+E1/I1
(式5)r1≡Real(E1/I1)=Real(jωM×I2/I1)
ここで、受信アンテナ2の電流I2と送信アンテナ1の電流I1の比を、実数の電流比パラメータαと位相角βを用いて以下の式6であらわすと、誘導抵抗r1は式7であらわせる。
(式6)I2/I1≡α・exp(−jβ)
(式7)r1=α・ωM・sin(β)
ここで、電源回路3から最も効率良く送信アンテナ1に電力を供給する条件は、電源回路3のインピーダンスZ1が図2(a)の電源回路3側から送信アンテナ1のポート1(P1)を見た回路のインピーダンスZinと整合する(等しくなる)ことである。電源回路3の出力インピーダンスZ1が純抵抗の場合は、そのZ1が誘導抵抗r1に等しくなることが整合の条件であると考える。この誘導抵抗r1は、受信アンテナ2の電流I2が送信アンテナ1に誘導する電圧E1のうち送信アンテナ1の電流I1と同位相の成分を送信アンテナの電流I1で割り算した値である。
(式8)E2=jωM×I1
すると、受信アンテナ2を負荷回路4に接続するポート2(P2)の電圧Eoutは以下の式9と式10であらわされる。
(式9)Eout=E2+j{ωL2−(1/(ωC2))}×I2
(式10)Eout=−Z2×I2
この誘導電圧E2の出力インピーダンスの実数成分を誘導抵抗r2とすると、誘導抵抗r2は以下の式11であらわされる。
(式11)r2≡Real(E2/(−I2))
=Real(−jωM×I1/I2)=(1/α)・ωM・sin(β)
ここで、受信アンテナ2から最も効率良く負荷回路4に電力を供給する条件は、受信アンテナ2に加わった誘導電圧E2を電源と見なして、その電源の出力インピーダンス(−E2/I2)が負荷回路4の入力インピーダンスZ2と受信アンテナの回路のリアクタンスj{ωL1−(1/(ωC1))}の和に整合する(等しくなる)ことであると考える。そのため、負荷回路4の入力インピーダンスZ2が純抵抗の場合は、そのZ2が誘導抵抗r2に等しくなることが整合の条件であると考える。この誘導抵抗r2は、送信アンテナ1の電流I1が受信アンテナ2に誘導する電圧E2のうち受信アンテナ2の電流I2と同位相の成分を受信アンテナの電流I2で割り算した値である。
(式12)ωL1−(1/(ωC1))=−α・ωM・cos(β)
(式13)
ωL2−(1/(ωC2))=−(1/α)・ωM・cos(β)
これらの式12と式13が成り立ちZ1=r1、Z2=r2の場合には、アンテナ1の電磁界とアンテナ2の電磁界が共鳴し、それにより、電源回路3から負荷回路4まで電力が完全な効率で伝送されると考える。
(式14)r1・r2=(ωM)2−g1×g2
(式15)g1≡ωL1−(1/(ωC1))
(式16)g2≡ωL2−(1/(ωC2))
(式17)α2=g1/g2
(式18)sin(β)2=Z1・Z2/(ωM)2
MとL1とC1とL2とC2が定まっている場合は、式14により、ωに応じてr1・r2が求まり、そして式17から電流比パラメータαが求まる。次に、式18から、位相角βが求まる。次に、式7と式11によって、r1とr2が求まる。特に、式17から、g1×g2は正である。そして、ωMが小さい値の場合にも式14が成り立つには、ωがあるωoの場合にg1=g2=0になる必要がある。そのための条件は以下の式19である。
(式19)L1・C1=L2・C2≡(1/ωo)2
式19が成り立つ場合に、ω=ωoのとき、すなわち、式12及び式13でcos(β)が0でsin(β)が1になる場合に、g1=g2=0が成り立つ。この第1の共鳴の場合については後で説明する。
(第2の共鳴の場合)
式19が成り立つ場合に、ωがωo以外のときには、式6と式7と式11と式15から式17を使うと、以下の式20が成り立つ。これを第2の共鳴の場合と呼ぶ。
(式20)|I2/I1|2=α2=L1/L2=C2/C1=r1/r2
この式20から以下の式21が成り立つ。
(式21)L1×|I1|2=L2×|I2|2
この式21は、送信アンテナ1に蓄積される電磁界のエネルギーと受信アンテナ2に蓄積される電磁界のエネルギーが等しく、両アンテナが互いにその電磁界エネルギーを交換して共鳴している状態をあらわしていると考える。
この式21を変形して、以下の式22を得る。
(式22)|I2|=|I1|×√(L1/L2)
すなわち、共鳴した送信アンテナ1の電流I1と受信アンテナ2の電流I2の比が、受信アンテナ2の配線の実効的自己インダクタンスL2と送信アンテナ1の配線の実効的自己インダクタンスL1の比の平方根である。電磁界シミュレーションの結果でも、共振して効率良く(100%近い効率で)エネルギーを伝送するアンテナ回路では式22の関係が成り立っていた。式22のように受信アンテナ2に多くの電流が流れるので、受信アンテナ2に流れる高周波のアンテナ電流I2が電磁界を時間変化させ、それにより送信アンテナ1に誘導電圧E1を発生させると考える。
(式23)k≡M/√(L1×L2)
(式24)r1=kωL1・sin(β)
(式25)r2=kωL2・sin(β)
(式26)ωL1−1/(ωC1)=−kωL1・cos(β)
(式27)ωL2−1/(ωC2)=−kωL2・cos(β)
式26と式27から、以下の式28が得られる。
(式28)ω=ωo/√(1+k・cos(β))
(式29)Pe=(1−ref2/r2)/(1+ref1/r1))
ここで、ref1は送信アンテナ1の実効的抵抗、ref2は受信アンテナ2の実効的抵抗である。式29が有効になる条件は、誘導抵抗r2がref2より大きいことである。送信アンテナ1の実効的抵抗ref1が誘導抵抗r1に比べて小さく、受信アンテナ2の実効的抵抗ref2が誘導抵抗r2に比べて小さい場合に電力の伝送効率が良くい。アンテナ配線の実効的抵抗refが誘導抵抗rに比べて無視できるほど小さい場合はほぼ100%の電力が伝送できると考える。また、送信アンテナ1と受信アンテナ2は、ダイポールアンテナに形成することもできるが、アンテナを図1のようなコイル状(渦巻き状)にアンテナ配線を巻くと、アンテナの実効的自己インダクタンスL1およびL2がダイポールアンテナの場合より大きくなり、式24と式25により誘導抵抗r1およびr2が大きくなるので、式29で計算される送信アンテナ1から受信アンテナ2までの電力伝送効率Peが大きくなる効果がある。
特に、ω≒ωoの場合は、式26と式27の左辺が0に近くなるので、その右辺も0に近くなるため、βがπ/2ラジアンに近くなり、cos(β)が0に近くなり、sin(β)が1に近くなり、式24と式25は以下の式30と式31になる。
(式30)r1≒kωL1
(式31)r2≒kωL2
このように、ω≒ωoの場合に、図2(a)に示す電源回路3の出力インピーダンスZ1を式30の誘導抵抗r1に整合させ、負荷回路4の負荷インピーダンスZ2を式31の誘導抵抗r2に整合させると、電源回路3から負荷回路4まで、電力を完全な効率で伝送できる。この第3の共鳴の場合は、第2の共鳴の場合の一種であるだけで無く、第1の共鳴の場合の一種でもあり、第1の共鳴の場合と第2の共鳴の場合とが両立する場合である。また、第3の共鳴の場合には、誘導抵抗rと結合係数kとアンテナの実効的自己インダクタンスLの間に式30と式31の関係があるので、この関係を利用して、結合係数kが予め分かっている場合は、シミュレーションで求めた誘導抵抗rからアンテナの実効的自己インダクタンスLを求めることができる。また、実効的自己インダクタンスLが予め分かっている場合は、求めた誘導抵抗rから結合係数kを求めることができる。
以下で、先に示した第1の共鳴の場合について詳しく説明する。第1の共鳴の場合は、式19が成り立つ場合に、sin(β)が1になる場合であって、g1=g2=0になる。この場合は、アンテナ電流I1とアンテナ電流I2の位相差をあらわす位相角βが90度(π/4ラジアン)の場合である。この場合は、角周波数ω=ωoで共振し、以下の式32から式35の状態でアンテナ系が共鳴する。
(式32)cos(β)=0
(式33)r1=ωM・α
(式34)r2=ωM/α
(式35)I2/I1=−jα
以上の関係は、以下のように言い換えることができる。すなわち、L1×C1=L2×C2=1/ωo2であるアンテナ系において、電力を伝送する交流の角周波数ωをωoにし、任意の正の数αに関して、送信アンテナ1に直列に接続する電源回路3の出力インピーダンスZ1をr1=ωM・αにし、受信アンテナに直列に接続する負荷回路4の入力インピーダンスZ2をr2=ωM/αにすると、電力を完全な効率で伝送できる。つまり、この共鳴の場合は、式9で示すようにアンテナの共鳴の角周波数ω=2πfがωoに一致して共鳴するが、任意のアンテナ電流の比αで電力を伝送できる特徴がある。アンテナ電流の比αが任意であるという意味は、送信アンテナ1の電流I1を大きくして大きな電磁界を発生させれば、受信アンテナ2に流れる電流I2が小さくても良い効率で電力を伝送できることを意味する。逆に、受信アンテナ2に流れる電流I2が大きければ、送信アンテナ1の電流I1が小さくても良い効率で電力を伝送できることを意味する。なお、誘導抵抗r1とr2の積が(ωM)の二乗の一定値である。また、誘導抵抗r2に対するr1の比は、アンテナ電流の比αの二乗であって任意に変えることができる。
第1の実施形態は、生体内に受信アンテナを埋め込み、生体外に送信アンテナから皮膚を隔てて生体内の受信アンテナまで電力を伝送する誘導電力伝送回路を構成する。図1から図12により、第1の実施形態を説明する。図1では、送信アンテナ1は、平面上に形成した幅が1mmで厚さが50μmの銅のリボン状の配線でコイル径Dが46mmの1巻のコイルを形成した。その送信アンテナ1は例えば厚さ25μmのポリイミドフィルム上に形成する。また、受信アンテナ2は、コイル径Gが50mmのアンテナ配線を、厚さが25μmのポリイミド層で覆って作り、生体内に手術によって埋め込むことができる。その送信アンテナ1の配線の中間に電源回路3の端子のポート1(P1)を直列に接続して給電する。電源回路3から送信アンテナ1まで接続する給電線は電源回路3の出力インピーダンスZ1に整合する特性インピーダンスの給電線を用いる。例えば、電源回路3の出力インピーダンスZ1が4Ωの場合は、それに整合する給電線は、比誘電率が3.5のポリイミドの50μmの厚さのフィルムの両面に厚さが50μmで幅が2.4mmの銅の配線を対向させることで特性インピーダンスを4Ωにした給電線を用いる。送信アンテナ1には、その両端をつなぐ100pFの容量C1を設置した。配線パターンで形成する100pFの容量C1は、一辺の長さが34mmの正方形の電極を2つ平行に配置し0.1mmの空気の間隔をあけることで形成できる。また、厚さ0.025mmで誘電率が3.5のポリイミドの両面に46mm×1.8mmの矩形の電極を形成することでも100pFの容量を形成できる。受信アンテナ2は、幅が1mmで厚さが50μmの銅の配線でコイル径Gが50mmの1巻のコイルを厚さ0.025mmのポリイミドフィルムで覆って形成する。この受信アンテナ2の径は送信アンテナ1の径と異ならせた。その受信アンテナ2の配線の中間に負荷回路4の端子のポート2(P2)を直列に接続する。また、受信アンテナ2の両端をつなぐ90pFの容量C2を設置する。図1(b)の側面図のように、送信アンテナ1と受信アンテナ2は、アンテナのコイルの軸方向(XY面に垂直方向)にアンテナ間隔hの距離を隔てて配置する。そして、図2(a)の回路図の誘導電力伝送回路を構成し、電源回路3は、アンテナ回路が共鳴する角周波数ωの電流I1を送信アンテナ1に出力するように、出力電流I1を正帰還して増幅する電源回路に構成し、アンテナの共鳴角周波数ωで発振させる。
この誘導電力伝送回路の第3の共鳴の場合の電力伝送効率Peを電磁界シミュレーションで求め、その場合に発生する誘導抵抗r1とr2を以下のように求めた。すなわち、電源回路3から負荷回路4へ最も効率良く電力を伝送する電源回路3の出力インピーダンスZ1の値を求め、その値が送信アンテナ1の誘導抵抗r1であるとし、同じく、最も効率良く電力を伝送する場合の負荷回路4の負荷インピーダンスZ2の値が受信アンテナ2の誘導抵抗r2であるとする。図3に、アンテナ間隔hを種々に変えてシミュレーションした結果の、電源回路3から負荷回路4までの電力の伝送のSパラメータ(S21)をdB(デシベル)であらわして縦軸に示す。その横軸は、電源回路が送信アンテナ1に流すアンテナ電流I1の周波数fをあらわすグラフを示す。図3(a)は、図1のアンテナ間隔hが1mmの場合を示し、図3(b)はh=10mmの場合を示し、図3(c)は、h=20mmの場合を示す。図3(a)で、アンテナ間隔hが1mmの場合は、送信アンテナ1の誘導抵抗r1が20Ωであり、受信アンテナ2の誘導抵抗r2が23Ωである。この誘導抵抗rに電源回路3と負荷回路4のインピーダンスZを一致させた場合にアンテナが共鳴して電力の伝送効率が最も良くなり、アンテナ電流I1の周波数fが40MHzの場合の電力の伝送効率は100%に近かった。アンテナ間の距離は(アンテナが共振する電磁界の波長)/(2π)以下の近傍距離にする必要があるが、本実施形態では、周波数f=40MHzの電磁界の波長は約7.5mの波長であり、アンテナ間隔hを20mm離しても、そのアンテナ間隔hは(アンテナが共振する電磁界の波長)/(2π)の60分の1であり十分近い。図3(b)で、アンテナ間隔hが10mmの場合は、r1=8Ωでr2=9Ωであり、図3(c)で、アンテナ間隔hが20mmの場合は、r1=4Ωでr2=4Ωである。図3(c)の、アンテナ間隔hが20mmの場合でも、S21は−0.3dBであり92%の電力を伝送できた。
(式36)
r/(2πfL)=1.8EXP(−4.3√(0.04+√(1/t2−1)))
(式37)
t=√(D×G/(((D+G)/2)2+h2))
近似式36のtは式37で計算される値である。図4で、実線で示す近似式36は、シミュレーション結果と良く一致する。
(式38)
k=A×((−t+2/t)×K(t)−(2/t)×E(t))
(式39)
A=μ√(D×G/(L1×L2))/2
ここで、μは透磁率であり、tは式37で定義し、K(t)は第1種完全楕円積分関数、E(t)は第2種完全楕円積分関数である。
(式40)
k=4.86A{1.8EXP(−4.3√(0.04+√(1/t2−1)))}
式40の最初の係数の4.86AにL1=160nHとL2=180nHと真空の透磁率μ=1.26μΩ・s/mを代入すると、それは約0.88で1割強程度の誤差で1になる。すなわち、式40で計算される両コイル間の電磁誘導の結合係数kは、1割強の誤差で近似式36の値に一致する。そのため、図4の縦軸は送信アンテナ1と受信アンテナ2の電磁誘導の結合係数kに一致すると言える。また、図4のグラフで、実線は、近似式36で計算した結果であり、それは、ほぼ両アンテナの配線の電磁誘導の結合係数kの計算結果をあらわしている。図4において、近似式36で計算した結合係数kとシミュレーション結果のr/(2πfL)は良く一致した。そのため、シミュレーション結果は式30と式31の計算結果に一致すると言える。
図4から、h=1mmで(h/√(D×G))が0.02の場合は、結合係数kが0.5であり誘導抵抗rが約20Ωであり、h=10mmで(h/√(D×G))が0.2の場合は結合係数kが0.2であり誘導抵抗rが8Ωであり、h=20mmで(h/√(D×G))が0.4の場合は結合係数kが0.1であり誘導抵抗rが4Ωである。図3(a)のグラフは、h=1mmで結合係数k=0.5であり誘導抵抗rが約20Ωの場合の電力の伝送効率Peの周波数特性をSパラメータS21で示す。図3(b)のグラフは、h=10mmで結合係数k=0.2で誘導抵抗rが8Ωの場合を示し、図3(c)のグラフは、h=20mmで結合係数k=0.1で誘導抵抗rが4Ωの場合を示す。図3のこれらのグラフでは、電力の伝送効率Peが飽和する周波数fの帯域の上限は、ほぼf/fo=1/√(1−k)であり、下限は、ほぼf/fo=1/√(1+k)になっている。このため、結合係数kを大きくすると、電力の伝送効率Peが飽和する周波数fの帯域幅の割合f/foが結合係数k程度の幅を確保できる効果がある。それゆえ、結合係数kを大きくすると、送信アンテナ1から受信アンテナ2への電力伝送効率Peを飽和させる周波数帯域幅を大きくでき、両アンテナの共振周波数同士を緩い精度で一致させれば十分であり、両アンテナ回路の製造と調整が容易になる効果がある。
変形例1は、生体内に埋め込んだ受信アンテナ2に電力を供給する交流の角周波数ωを低下させる誘導電力伝送回路を構成する。変形例1では、第1の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ2の端部間容量C1とC2を、ほぼ4倍の、C1=400pFと、C2=360pFにする。図5のグラフに、縦軸にシミュレーション結果の電力の伝送のSパラメータ(S21)を、横軸を周波数fで表す。図5のグラフでは、電力を伝送する共振周波数fが第1の実施形態の半分の20MHzになった。図6に、縦軸に、変形例1における誘導抵抗rを無次元量のr/(2πfL)、すなわち結合係数kであらわし、横軸をアンテナ間隔hを無次元量の(h/√(D×G))であらわすグラフを示す。図6も、図4と同様に、黒丸印と白丸印はシミュレーション結果を示し、実線は、近似式36の計算値を示す。図6でも、シミュレーション結果は近似式36の計算結果と良く一致した。図6で、h=1mmで(h/√(D×G))が0.02の場合は、結合係数kが0.5であり誘導抵抗rが約10Ωであり、h=10mmで(h/√(D×G))が0.2の場合は結合係数kが0.2であり誘導抵抗rが4Ωであり、h=20mmで(h/√(D×G))が0.4の場合は結合係数kが0.1であり誘導抵抗rが2Ωであり、共振周波数fが半分になることで誘導抵抗rが半分になった。
変形例2は、家屋の壁を隔てて電力を伝送する誘導電力伝送回路を構成する。図7のように送信アンテナ1と受信アンテナ2を、それぞれ厚さが50μmのポリイミド膜の上に形成し、縦横の直径Dをともに50mmの同じ寸法のアンテナにした。アンテナの配線は、幅が1mmで厚さが50μmの銅の配線にし、アンテナの両端間の容量C1とC2をともに100pFにする。アンテナの配線の上は厚さが30μm程度のソルダーレジストを印刷するかポリイミド膜を被せる等で形成した絶縁膜で覆う。この場合において、送信アンテナ1に対して受信アンテナ2を水平面(XY面)の方向で縦(Y方向)と横(X方向)にずらすずれ距離dは0にした場合をシミュレーションした。その結果、アンテナ電流が37.4MHzの周波数fで共振することを確認し、アンテナの実効的自己インダクタンスはL1=L2=L=176nHであることがわかった。図8に、縦軸に誘導抵抗rを無次元量のr/(2πfL)=結合係数kであらわし、横軸にアンテナ間隔hを無次元量の(h/D)であらわすグラフを示す。図8のグラフの横軸は、アンテナの軸方向のアンテナ間隔hを2mmから50mmまで種々に変えた場合をあらわす。図8のグラフの黒丸印はシミュレーションから得たrをあらわし、実線は、近似式36の計算結果を示す。シミュレーション結果は近似式36と良く一致した。
変形例3は、家屋の壁を隔てて電力を伝送する誘導電力伝送回路において、電力を伝送する交流の角周波数ωを低下させた誘導電力伝送回路を構成する。変形例2の送信アンテナ1と受信アンテナ2に、変形例2の4倍の400pFの端部間容量C1とC2を設置した場合をシミュレーションし、共振周波数fが変形例2の半分の約20MHzに低下させることができた。図10に、縦軸に誘導抵抗rを無次元量のr/(2πfL)であらわし、横軸にアンテナ間隔hを無次元量の(h/D)であらわすグラフを示す。図10で、黒丸印はシミュレーション結果の誘導抵抗r=r1=r2を示し、実線は近似式36の結果を示す。図10でも、シミュレーション結果は近似式36に良く一致した。
変形例4は、家屋の壁等の絶縁体を隔てて電力を伝送する誘導電力伝送回路において、図7の送信アンテナ1に平行に対向する受信アンテナ2をアンテナ面(XY面)内で縦横にずれ距離dずらして用いる誘導電力伝送回路を構成する。この誘導電力伝送回路において、送信アンテナ1と受信アンテナ2の端部間容量C1とC2を100pFに固定し、アンテナ間隔hを2mmに固定した場合について、種々のずれ距離dの場合についてシミュレーションして回路の整合条件を求めた。その結果を以下で説明する。この場合のアンテナ回路の共振周波数fは、変形例2と同じ37.4MHzのfoに固定した。図11に、この共振周波数f=37.4MHzにおけるシミュレーション結果を黒丸印であらわし、縦軸に誘導抵抗rを無次元量のr/(2πfL)であらわし、横軸にコイルのずれ距離dを無次元量(d/D)であらわすグラフを示す。コイルの位置を水平方向にずらすと、アンテナに現われるインピーダンスrが低下した。この原因は、コイルの位置をずらすと、コイル同士の電磁誘導の結合係数kが小さくなる為であると考える。
第2の実施形態は、生体外の送信アンテナ1から皮膚を隔てて生体内の受信アンテナ2まで電力を伝送する誘導電力伝送回路において、送信アンテナ1と受信アンテナ2の位置が安定せず電磁誘導の結合係数kが変動する場合に適応して安定して電力を供給する誘導電力伝送回路を構成する。この誘導電力伝送回路のアンテナは、図7の送信アンテナ1と受信アンテナ2を用いるが、それらは本発明の原理の第2の共鳴の場合で動作させる。
(式41)ω≒ωo/√(1±k)
そして、sin(β)を1より小さくし0に近づけ、式24と式25に示す誘導抵抗r1とr2を上限値のkωL1およびkωL2より小さくする。このように、第2の実施形態は、共鳴角周波数ωをωoからずらすことで、式24と式25に示す小さな値の誘導抵抗r1とr2を、電源回路3の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の負荷インピーダンスZ2に等しい値になるように調整して、電力を完全な効率で伝送する。この場合に、誘導抵抗r1とr2の比は実効的自己インダクタンスL1とL2の比になるので、電源回路の出力インピーダンスZ1と負荷回路の入力インピーダンスZ2の比は実効的自己インダクタンスL1とL2の比の固定値に設定する。このように、第2の実施形態の誘導電力伝送回路は、アンテナ間の距離が変化し安定しない場合でも、その変化に適応してアンテナ回路を共鳴させ、完全な効率の電力伝送を維持させることができる効果がある。
第3の実施形態は、家屋の壁を隔てて電力を伝送する誘導電力伝送回路で、アンテナの渦巻き配線の巻数を増すことでアンテナの誘導抵抗を大きくし、その誘導抵抗を電源回路3から送信アンテナ1までの電力の給電線の特性インピーダンスに近づける誘導電力伝送回路を構成する。この誘導電力伝送回路は、本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。図14(a)に第3の実施形態の誘導電力伝送回路の送信アンテナ1と受信アンテナ2の平面図を示し、図14(b)に側面図を示す。第1の実施形態と同様に、送信アンテナ1に電源回路3を接続し、受信アンテナ2に負荷回路4を接続する。図14では、送信アンテナ1として、厚さ50μmのポリイミドフィルム上に幅が1mmで厚さが50μmの銅の配線で形成したコイル径Dが54mmの3巻のコイルのアンテナの両端を280pFの端部間容量C1でつなぎ、アンテナの中間に電源回路3から給電する端子のポート1(P1)を設置した。受信アンテナ2は、送信アンテナ1と同じ形で同じ寸法のアンテナとし、縦横54mmの3巻のコイル状アンテナの両端を280pFの端部間容量C2でつなぎ、そのアンテナの中間に負荷回路4の端子のポート2(P2)を設置した。送信アンテナ1のコイルと受信アンテナ2のコイルは、図14(b)の側面図のように、コイル面を平行にし、コイル面(XY面)に垂直方向のアンテナ間隔hだけ離して配置し、更に、両者のコイルの軸を横(X)方向にのみ7mmのずれ距離dでずらして、縦(Y)方向にはずらさず配置した。
変形例5は、第3の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ2それぞれの両端をつなぐ端部間容量C1とC2の容量を第3の実施形態の容量の16分の1の17pFにして共振周波数fを高くした場合を示す。変形例5の場合は共振周波数f=35MHzで共振した。図16(a)に、その場合の誘導抵抗rを無次元量のr/(2πfL)にして縦軸であらわし、横軸にアンテナ間隔hを無次元量の(h/D)であらわすグラフを示す。このように、端部間容量C1とC2の容量を約16分の1に小さくすると、共振周波数fは約4倍の35MHzに大きくなった。図16(a)は、黒丸印で示すシミュレーション結果は実線で示す近似式36に概ね一致した。図16(b)に、縦軸に電源回路3から負荷回路4までの電力伝送効率をあらわし、横軸にアンテナ間隔hを無次元量(h/D)であらわすグラフを示す。図16(b)から、アンテナ間隔hをコイル径Dの8割程度の約40mm離した場合(h/D=0.8の場合)でも、電力伝送効率が約90%あり十分効率良く電力を伝送できる。図16(a)から、アンテナ間隔hを1mm離して(h/D)を約0.6にする場合に、r/(2πfL)=結合係数kが0.6になり誘導抵抗rが158Ωに高くなる。この実施形態の実効的インダクタンスLは第1の実施形態の7倍になったので、第1の実施形態の40MHzとほぼ同じ周波数fの35MHzの場合では、誘導抵抗rの値kωLは第1の実施形態の7倍に大きくなり、それに整合させる電源回路3及び負荷回路4のインピーダンスZが7倍に大きくなる。そして、誘導抵抗rが大きくなるので式29であらわせる電力伝送効率Peを向上させる効果がある。
第4の実施形態は、第3の実施形態のアンテナの両端に外部コンデンサを加えずに共振周波数fを高くすることでアンテナの誘導抵抗を高くし、電源回路3から送信アンテナ1までの電力の給電線に特性インピーダンスの高い給電線を用いる誘導電力伝送回路を構成する。すなわち、第4の実施形態では、図14の送信アンテナ1と受信アンテナ2の両端を開放し、アンテナの端部間に外部コンデンサは加えない。しかし、アンテナ端部間には、寄生容量値minの容量C1とC2がある。この誘導電力伝送回路も本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。第4の実施形態の誘導電力伝送回路のアンテナ系は、周波数f=154MHzで共振する。共振周波数f=154MHzと、外部コンデンサを加えた場合に得たアンテナのコイルの実効的自己インダクタンスL=1.2μHとから計算すると、このアンテナのコイルの両端は実効的に約1pFの寄生容量値minでつながれていることがわかる。このため、アンテナのコイル端を開放した状態でも、図2(a)の回路であって、送信アンテナ1と受信アンテナ2それぞれのアンテナの両端に約1pFの容量C1とC2をつないだ回路である。
第5の実施形態は、本発明の原理の第2の共鳴の場合を利用して、変成器を成す誘導電力伝送回路を構成する。すなわち、図2(a)の回路であって、空芯コイルの送信アンテナ1と受信アンテナ2を共鳴電磁界の波長の2π分の1より近い距離に設置し、コイルの巻き数を変えて実効的自己インダクタンスL1とL2を変えることで、電源回路3の出力インピーダンスZ1を、(L2/L1)倍の、負荷回路4の負荷インピーダンスZ2に変換する変成器を成す誘導電力伝送回路を構成する。第5の実施形態は、共振角周波数ωがωoと異なる場合の本発明の原理の第2の共鳴の場合には、アンテナのコイルの誘導抵抗rが、式24と式25に従って、アンテナの配線のコイル(巻線)の実効的自己インダクタンスLに比例して変わり、その比例係数は結合係数kと2πfとsin(β)の積であることを利用した。この変成器は、送信アンテナ1側に接続した電源回路3のkωL1以下のインピーダンスを、受信アンテナ側で見るとkωL2以下の出力インピーダンスに変換できる効果がある。本実施形態で、ポリイミドフィルム上に銅の配線をエッチングして螺旋状のパターン形成した空芯コイルの送信アンテナ1と受信アンテナ2の間隔に磁性体を設けず、アンテナ同士を空気中(あるいは絶縁体中)で対向させ近づけると、結合係数kが大きくなり、インピーダンス変換できるインピーダンスの値の上限が大きくなるので、両アンテナを空気中(あるいは絶縁樹脂などの絶縁体中)で近づけることが望ましい。この変成器では、送信アンテナ1の実効的自己インダクタンスL1と受信アンテナ2の実効的自己インダクタンスL2を、アンテナのコイルの巻数を変えて調整することでインピーダンスの変換率(L2/L1)を調整する。アンテナの配線のコイルの実効的自己インダクタンスLは、概ね巻数の二乗に比例して変わる。このように、第5の実施形態の変成器は、異なるインピーダンスZ1を持つ電源回路3と負荷回路4のインピーダンスZ2を変換して、電源回路3から負荷回路4へ略100%の電力を伝送する誘導電力伝送回路である。
本発明の第6の実施形態は、集積回路の配線層間に電力を伝送する誘導電力伝送回路を構成する。図18(a)に、第6の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ2の平面図を示し、図18(b)に側面図を示す。この誘導電力伝送回路は、本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。送信アンテナ1の配線の中間に電源回路3の端子のポート1(P1)を設置し、受信アンテナ2の配線の中間に負荷回路4の端子のポート2(P2)を設置する。図18では、送信アンテナ1と受信アンテナ2として、集積回路チップの配線層に形成した、厚さが1μmの銅で、第3の実施形態の1000分の1の寸法のコイルを用いた。すなわち、送信アンテナ1と受信アンテナ2は、配線幅が1μmでコイル径D及びGが54μmの3巻のコイルを用いた。このアンテナのコイルは集積回路チップ内の絶縁樹脂等の上層に形成したグローバル配線層に形成することが望ましい。また、このアンテナのコイル状の配線の両端は開放してその両端間は寄生容量値minの容量C1とC2で結合させる。集積回路チップの配線層に受信アンテナ2の配線を形成し、その集積回路を設置する基板の配線層に送信アンテナ1の銅の配線を形成し、基板側から集積回路チップに無線で電力を供給する誘導電力伝送回路が構成できる。図18(b)の側面図のように、送信アンテナ1のコイルと受信アンテナ2のコイルは、両者のコイルの軸を横(X)方向にのみ7μmのずれ距離dでずらして、縦(Y)方向にはずらさず、コイルの面に平行にアンテナ間隔hを保って配置した。
第7の実施形態は、電源回路3に直径が約300mmの送信アンテナ1を接続し、電子ディスプレイ装置に埋め込んだ約300mmの直径の受信アンテナ2までの空間を電力を伝送し、その受信アンテナ2に電子ディスプレイ装置の負荷回路4を接続して電子ディスプレイ装置を動作させる誘導電力伝送回路を構成する。この誘導電力伝送回路も本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。第7の実施形態では、第3の実施形態の図14(a)の3巻きのコイル状のアンテナの寸法を約6倍の300mmに拡大し、厚さ50μmで幅が10mmの銅の配線を3巻きした送信アンテナ1と受信アンテナ2を対向させてアンテナ間に電力を伝送する。このアンテナ配線は、ポリイミドフィルムに厚さ50μmで積層した銅箔をエッチングすることで形成することができる。この各アンテナのコイルの実効的自己インダクタンスL1とL2は4.9μHである。各アンテナコイルの配線の両端に100pFの容量C1とC2を接続する。この場合は、共振周波数fが7.3MHzになる。送信アンテナ1と受信アンテナ2のアンテナ間隔hをアンテナの寸法D程度の300mm離した場合に、両アンテナの結合係数kが約0.02になり、誘導抵抗r1とr2が約4Ωになる。この整合した回路での電力伝送効率Peは約94%になり電力が効率良く伝送できる。
変形例6は、直径が300mmの大きなアンテナを用いて、電力を動力として利用する車両などに電力を供給する誘導電力伝送回路を構成する。すなわち、変形例6では、電力供給設備の電源回路3から電力を、周波数が約7.3MHzの高周波電流にして、幅10mmの銅の配線の3巻きの矩形のコイルで直径Dが300mmの送信アンテナ1に電流を供給し、その送信アンテナ1から300mm程度の距離を隔てて対向する車両の受信アンテナ2に約94%の効率で電力を送信し、その受信アンテナ2から、その電力をその車両の充電池などの負荷回路4に伝送する誘導電力伝送回路を提案する。
第8の実施形態は、例えば携帯電話などの電子機器に非接触で電力を伝送する回路として、図20(a)の平面図のように、送信アンテナ1と受信アンテナ2を同一平面上に並べて配置して電力を伝送する誘導電力伝送回路を構成する。すなわち、縦横47mmの矩形の送信アンテナ1と受信アンテナ2を同一平面上に20mm隔てて並べた構造の誘導電力伝送回路である。この誘導電力伝送回路も本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。このアンテナ間の結合係数kは0.013である。送信アンテナ1と受信アンテナ2を配線するアンテナ面(XY面)は紙面に平行にし、紙面の表側の配線が7巻あり紙面の裏側の配線が7巻あるコイル状にアンテナを形成し、紙面の表側の配線と裏側の配線は、紙面に垂直方向に1mmの間隔をあけて配置する。アンテナの紙面の表側の配線と紙面の裏側の配線とはXY面に投影した配線パターンがY軸に関して左右対称になるように配線する。そして、アンテナの両端は開放し、アンテナの両端間を接続する容量C1とC2は寄生容量値minにする。送信アンテナ1の配線の中間に電源回路3の端子のポート1(P1)を設置し、受信アンテナ2の配線の中間に負荷回路4の端子のポート2(P2)を設置した。このアンテナは、アンテナ端を大きな容量で結んだ場合に実効的自己インダクタンスLを求めると8.9μHであった。ただし、アンテナの実効的インダクタンスLはアンテナ電流の分布に依存して変わり、アンテナ端を開放した場合の実効的インダクタンスLは、アンテナ端に大きな容量を接続した場合の実効的インダクタンスより小さいと考える。このアンテナは周波数f=23.8MHzで共振した。アンテナの自己インダクタンスを8.9μHとして計算すると、アンテナの両端は概ね5pFの寄生容量値minでつながれている。この寄生容量値minは、紙面の表側の配線と裏側の配線の、紙面に垂直方向の間隔を大きくすると寄生容量値minが小さくなる。
変形例7は、第8の実施形態のアンテナの紙面の表側の7巻の配線とそれと平行な紙面の裏側の7巻の配線の、紙面に垂直方向の間隔を4倍の4mmにする誘導電力伝送回路を構成する。このモデルを電磁界シミュレーションした結果、40.1MHzで共振した。このアンテナの両端を大きな容量で結んだ場合の実効的自己インダクタンスは8μHになったので、それを用いて計算すると、アンテナの両端を結ぶ寄生容量値minは2pFになり4割に小さくなった。このアンテナの誘導抵抗は、r=r1=r2=18Ωになり、この誘導抵抗rにインピーダンスZを整合させて電力を伝送するとS21は−0.455dBが得られ、約90%の効率で、より良い効率で電力を伝送できる。このアンテナでは、近似式36で計算する元にする実効的自己インダクタンスLの値は5.5μHであり、アンテナの両端を大きな容量で結んだ場合の8μHの約70%であると考える。更に、アンテナの紙面の表側の7巻の配線とそれと平行な紙面の裏側の7巻の配線の、紙面に垂直方向の間隔を更に大きく8mmにすると、アンテナは51.4MHzで共振し、送信アンテナ1と受信アンテナ2のアンテナ系の誘導抵抗r=r1=r2=34Ωになり、S21は−0.32dBになり約93%の効率で電力を伝送する。
変形例8は、第8の実施形態の図20(a)のアンテナを、紙面の片側だけの7巻のアンテナにし、図20(a)と同様に同一平面上に20mm隔てて配置する誘導電力伝送回路を構成する。その送信アンテナ1の配線の中間に電源回路3の端子のポート1(P1)を設置し、受信アンテナ2の配線の中間に負荷回路4の端子のポート2(P2)を設置して電磁界シミュレーションした。この変形例8のアンテナは、自己インダクタンスLが2.3μHであり、アンテナの両端間の寄生容量値minは0.8pFあり、115MHzで共振した。図20(a)の配置でのアンテナの誘導抵抗は、r=r1=r2=14Ωになり、この誘導抵抗rにインピーダンスZを整合させて電力を伝送するとS21は−0.49dBが得られ、約89%の効率で電力を伝送した。
第9の実施形態は、図2(b)の回路のように、送信回路3bか受信回路4bの一方、あるいは両方の回路を、アンテナのポートに一次巻線の端子を接続する変成器を加えた構成にし、その変成器の二次巻線の端子に電源回路3あるいは負荷回路4を接続して、本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる誘導電力伝送回路である。更に、本実施形態では、図21(a)のように、両端を容量C2で結んだ受信アンテナ2自体に、変成器の一次巻線を兼ねさせた。そして、そのアンテナに誘導結合する誘導結合配線6を変成器の二次巻線にし、その両端のポート4(P4)を負荷回路4に接続する。このときの負荷回路4の入力インピーダンスをZ4とあらわす。第9の実施形態を、図21により説明する。図21(a)は、第9の実施形態の送信アンテナ1と受信アンテナ2と誘導結合配線6の平面図を示す。図21(a)の平面図は、第9の実施形態を説明するために、第8の実施形態の図20(a)に示した構成の送信アンテナ1と受信アンテナ2をXY平面上に並べて配置し、その受信配線2の螺旋状の配線の中にXY平面に設置した螺旋状の誘導結合配線6を設置する。すなわち、縦横47mmの矩形の送信アンテナ1と受信アンテナ2をXY平面上に20mm隔てて並べ相互インダクタンスMで誘導結合させ、その受信アンテナ2で囲まれる中に、厚さが5μmで幅が1mmの銅の配線で、径が10mmから15mmのループ状の誘導結合配線6を設置した構造の誘導電力伝送回路である。その誘導結合配線6の両端を結ぶ端子のポート4(P4)を負荷回路4に接続する。
第10の実施形態は、本発明の原理の第1の共鳴の場合を利用して、空芯コイルを用いたインピーダンス変換回路5を成す誘導電力伝送回路を構成する。すなわち、図2(a)の回路で、L1×C1=L2×C2=1/ωo2であるアンテナ系において、電力を伝送する交流の角周波数ωをωoにし、任意の正の数αに関して、送信アンテナ1にポート1(P1)で直列に接続する電源回路3の出力インピーダンスZ1をr1=ωM・αにすると、受信アンテナに直列なポート2(P2)の出力インピーダンスがr2=ωM/αになる。こうして、インピーダンスを変換して電源回路3から負荷回路4に電力を伝送する誘導電力伝送回路を構成できる。すなわち、電源回路3と負荷回路4のインピーダンスは、その積のみを一定にし、両者のインピーダンスの比を任意に変換できるインピーダンス変換回路5を構成できる。
変形例9は、第10の実施形態の誘導電力伝送回路の負荷回路4と受信アンテナ2の組み合わせを、図2(b)の右側の受信回路4bにし、受信アンテナ2に誘導結合配線6が相互インダクタンスM2で誘導結合し、誘導結合配線6の両端のポート4に負荷回路4を接続する誘導電力伝送回路を構成する。詳しくは、図21(a)に示すように受信アンテナ2に誘導結合する誘導結合配線6を設置し、その両端のポート4(P4)に負荷回路4を接続する回路にする。一方、電源回路3と送信アンテナ1の組み合わせについては、図2(a)の左の送信回路3aの直列回路の構成にする。ポート4に接続した負荷回路4の入力インピーダンスをZ4とあらわす。変形例9の構成では、電源回路3の出力インピーダンスZ1が、負荷回路4側での誘導抵抗値として概ね(M2/M)2×Z1に変換される。そのため、その誘導抵抗値に負荷回路4の入力インピーダンスZ4を等しくすることで最も効率良く電力を伝送できる。また、更に、図2(c)の右側の受信回路4cのように、実効的インダクタンスL2を持つ受信アンテナ2自身に誘導結合配線6を兼用させ、その受信アンテナ2のアンテナ配線の両端の容量C2に並列なポート6に負荷回路4を接続する構成にもできる。その場合は、電源回路3の出力インピーダンスZ1を、その負荷回路4側のポート4では誘導抵抗値(L2/M)2×Z1に変換し、その誘導抵抗値に負荷回路4の入力インピーダンスZ4を等しくすると最も効率良く電力を伝送できる。
変形例10は、送信アンテナ1と電源回路3の組み合わせを、図21(a)の受信アンテナ2と負荷回路4の組み合わせのように、送信アンテナ1に誘導結合配線6を誘導結合し、誘導結合配線6の両端を電源回路3に接続した誘導電力伝送回路を構成する。変形例10では、電源回路3と送信アンテナ1の回路を、図2(b)の左側の送信回路3bにし、送信アンテナ1に誘導結合配線6を相互インダクタンスM1で誘導結合させ、誘導結合配線6の両端おポート3(P3)に電源回路3を接続する。このときの電源回路3の出力インピーダンスをZ3とあらわす。なお、負荷回路4と受信アンテナ2の組み合わせについては、図2(a)の右側の受信回路4aの直列回路の構成にする。変形例10の構成では、電源回路の出力インピーダンスZ3を負荷回路4側での誘導抵抗r2=(M/M1)2×Z3に変換し、その誘導抵抗r2に負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しくすると最も効率良く電力を伝送できる。また、更に、実効的インダクタンスL1を持つ送信アンテナ1自身をその誘導結合配線6に兼用した図2(c)の左側の送信回路3cにし、送信アンテナ1のアンテナ配線の両端の容量C1に並列なポート5に電源回路3を接続する構成の誘導電力伝送回路も構成できる。その場合は、その電源回路3の出力インピーダンスZ3を、負荷回路4側での誘導抵抗r2=(M/L1)2×Z3に変換し、その誘導抵抗に負荷回路4の入力インピーダンスZ2を等しくすると最も効率良く電力を伝送できる。
第11の実施形態は、送信アンテナ1と受信アンテナ2の間の距離が変動してインピーダンスが変動する場合に、第10の実施形態のインピーダンス変換回路5を用いてインピーダンスの変動を補正する誘導電力伝送回路を構成する。図22(b)に第11の実施形態の誘導電力伝送回路の平面図を示す。図22(b)では、送信アンテナ1のコイルのインダクタンスL1と受信アンテナ2のコイルのインダクタンスL2が同じインダクタンスL=L1=L2の場合を示すが、両者のインピーダンスが異なる場合にも本実施形態に思想を適用できる。先ず、図22(a)には、インピーダンス変換回路5を用いない場合の誘導電力伝送回路の送信アンテナ1と受信アンテナ2の平面図を示す。図22(a)のように送信アンテナ1と受信アンテナ2が結合係数kの値koで電磁結合する場合に相互インダクタンスMが値Moを持つものとする。その場合に、両アンテナを共振角周波数ω=ωo=1/√(L1・C1)で共鳴させると、式30と式31により、電源回路3の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2をωMoにして整合させて完全な効率で電力を伝送させることができる。
第12の実施形態の誘導電力伝送回路は、図23(a)のように、XY平面上に置いた縦横の直径D=300mmの1巻きの幅1mmの銅の螺旋状のアンテナ配線の送信アンテナ1と、送信アンテナ1の真中の同じXY平面上に、送信アンテナ1の直径Dの約6分の1の直径Gの受信アンテナ2を置いた誘導電力伝送回路である。この誘導電力伝送回路は本発明の原理の第3の共鳴の場合の動作をさせる。この受信アンテナ2は、第8の実施形態の図20(a)の2つの7巻きコイルをポート2(P2)の両端に接続してXY面に垂直方向に1mm離して対向させた直径G=47mmの受信アンテナ2である。この送信アンテナ1の両端は容量C1が116pFのコンデンサ(キャパシタンス素子)で接続し、受信アンテナ2の両端の容量C2は、浮遊容量5.2pFに加えて15.6pFのコンデンサ(キャパシタンス素子)を接続した。この送信アンテナ1の自己インダクタンスL1は1.5μHであり、受信アンテナ2の実効的自己インダクタンスL2は8.9μHである。
第13の実施形態の誘導電力伝送回路は、送信アンテナ1と電源回路3の組み合わせ、あるいは、受信アンテナ2と電源回路4の組み合わせを空間の電磁波を受け取りあるいは放射するアンテナに置き換えた誘導電力伝送回路である。本実施形態では、本発明の原理の第1の共鳴の場合の動作をさせる。すなわち、図24(a)のように、送信アンテナ1を、XY平面上に横(X方向)に置いた長さ940mmで幅1mmの銅のアンテナ配線で形成したダイポールアンテナにし、全体系では、空間の電磁波を受け取って電力に変換するアンテナにすることで、ダイポールアンテナが空間電磁波を受け取り回路に電力に供給する作用を電源回路3とした誘導電力伝送回路である。図24(a)の受信アンテナ2は、ポリイミドフィルム上に形成した直径G=54mmのコイル状の銅のアンテナ配線にし、その受信アンテナ2の端を送信アンテナ1からY方向に1mm隔て、受信アンテナ2と送信アンテナ1をXY面に垂直方向にアンテナ間隔hを10mm離して設置する。この受信アンテナ2は、第3の実施形態の図14の、両端を開放した3巻きコイルであり、その中間にポート2(P2)を設置し、コイルの両端には外付けコンデンサは接続しない。この誘導電力伝送回路の送信アンテナ1と受信アンテナ2は、アンテナ電流I1とアンテナ電流I2の位相差βを90度にし、cos(β)を0にし、共振角周波数ωをωoにして、先の式33から式35の状態でアンテナ系を共鳴させ、154MHzで共振させる。この送信アンテナ1と受信アンテナ2の1つの状態では30Ωの誘導抵抗r1とr2が発生する。この誘導抵抗r1とr2は、式33と式34に従って、送信アンテナ1の共振電流I1と受信アンテナ2の共振電流I2の比によって変わり、r1とr2の積の値が同じ他の値のr1とr2の組み合わせになる。送信アンテナ1は、その放射抵抗の値の出力インピーダンスZ1を持つ電源回路3と見なせるので、誘導抵抗r1をそのZ1の値に等しくする。それにより誘導抵抗r2の値が定まるので、その値r2に負荷回路の入力インピーダンスZ2を等しくする。こうして、誘導抵抗r1とr2を電源回路3の出力インピーダンスZ1と負荷回路4の入力インピーダンスZ2に整合して電力を伝送する。
Claims (12)
- 電源回路に接続した送信アンテナから角周波数ωの交流電力を空間を隔てた受信アンテナに伝送し負荷回路に伝送する誘導電力伝送回路であって、両端を容量C1でつないだ、実効的自己インダクタンスがL1の送信アンテナの中間に電源回路を直列に接続した回路と、両端を容量C2でつないだ、実効的自己インダクタンスがL2の受信アンテナの中間に負荷回路を直列に接続した回路を有し、前記送信アンテナと前記受信アンテナの間の距離を、電力を伝送する電磁界の波長の2π分の1以下の距離にして前記送信アンテナと前記受信アンテナの電磁誘導の結合係数をkにし、0ラジアン以上πラジアン以下の値の位相角βに関して、前記角周波数ωを、L2×C2×(1+k・cos(β))の値の逆数の平方根にして、前記電源回路の出力インピーダンスを約kωL1・sin(β)≡r1にし、前記負荷回路の入力インピーダンスを約kωL2・sin(β)≡r2にして前記電源回路から前記負荷回路に効率良く電力を伝送することを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項1に記載の誘導電力伝送回路において、前記電源回路と前記送信アンテナの回路の組み合わせを、前記送信アンテナに第1の誘導結合配線が相互インダクタンスM1で誘導結合し前記第1の誘導結合配線の両端に第2の電源回路を接続した回路に代え、前記第2の電源回路の出力インピーダンスを約(2πf×M1)2/r1にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項1に記載の誘導電力伝送回路において、前記負荷回路と前記受信アンテナの回路の組み合わせを、前記受信アンテナに第2の誘導結合配線が相互インダクタンスM2で誘導結合し前記第2の誘導結合配線の両端に第2の負荷回路を接続した回路に代え、前記第2の負荷回路の入力インピーダンスを約(2πf×M2)2/r2にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項1に記載の誘導電力伝送回路において、前記電源回路と前記送信アンテナと前記容量C1の回路を、空間から電磁波を受け取るアンテナに代えたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項1に記載の誘導電力伝送回路において、前記負荷回路と前記受信アンテナと前記容量C2の回路を、空間に電磁波を放射するアンテナに代えたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項2に記載の誘導電力伝送回路において、前記第1の誘導結合配線を前記送信アンテナが兼用し、前記第2の電源回路の出力インピーダンスを約(2πf×L1)2/r1にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項3に記載の誘導電力伝送回路において、前記第2の誘導結合配線を前記受信アンテナが兼用し、前記第2の負荷回路の入力インピーダンスを約(2πf×L2)2/r2にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 電源回路に接続した送信アンテナから角周波数ωの交流電力を空間を隔てた受信アンテナに伝送し負荷回路に伝送する誘導電力伝送回路であって、両端を容量C1でつないだ、実効的自己インダクタンスがL1の送信アンテナの中間に電源回路を直列に接続した回路と、両端を容量C2でつないだ、実効的自己インダクタンスがL2の受信アンテナの中間に負荷回路を直列に接続した回路を有し、前記送信アンテナと前記受信アンテナの間の距離を、電力を伝送する電磁界の波長の2π分の1以下にして相互インダクタンスをMにし、前記角周波数ωを1/√(L2×C2)にし、前記電源回路の出力インピーダンスZ1に対して、前記負荷回路の入力インピーダンスを約(ωM)2/Z1にして電力を伝送することを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項8に記載の誘導電力伝送回路において、前記電源回路と前記送信アンテナの回路の組み合わせを、前記送信アンテナに第1の誘導結合配線が相互インダクタンスM1で誘導結合し前記第1の誘導結合配線の両端に第2の電源回路を接続した回路に代え、前記第2の電源回路の出力インピーダンスZ3に対して、前記負荷回路の入力インピーダンスを約(M/M1)2×Z3にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項8に記載の誘導電力伝送回路において、前記負荷回路と前記受信アンテナの回路の組み合わせを、前記受信アンテナに第2の誘導結合配線が相互インダクタンスM2で誘導結合し前記第2の誘導結合配線の両端に第2の負荷回路を接続した回路に代え、前記電源回路の出力インピーダンスZ1に対して、前記第2の負荷回路の入力インピーダンスを約(M2/M)2×Z1にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項9に記載の誘導電力伝送回路において、前記第1の誘導結合配線を前記送信アンテナが兼用し、前記第2の電源回路の出力インピーダンスZ3に対して、前記負荷回路の入力インピーダンスを約(M/L1)2×Z3にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
- 請求項10に記載の誘導電力伝送回路において、前記第2の誘導結合配線を前記受信アンテナが兼用し、前記電源回路の出力インピーダンスZ1に対して、前記第2の負荷回路の入力インピーダンスを約(L2/M)2×Z1にしたことを特徴とする誘導電力伝送回路。
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