JPWO2009017001A1 - 回路部材の接続構造 - Google Patents

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Abstract

第1の回路電極32を有する第1の回路部材30と、第1の回路部材30に対向し、第2の回路電極42を有する第2の回路部材40との間に、複数の導電粒子12を含有する回路接続材料が介在して、第1の回路電極32と第2の回路電極42とが電気的に導通する回路部材の接続構造1において、第1の回路電極32と第2の回路電極42とが2個の導電粒子12を介して導通する接続箇所を少なくとも1箇所備え、導電粒子12の最外層22の一部が外側に突出して複数の突起部14が形成されており、最外層22が、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる、ことを特徴とする回路部材の接続構造1。

Description

本発明は、回路部材の接続構造に関する。
液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit:FPC)とTCPとの接続、又はFPCとプリント配線板との接続といった回路部材同士の接続には、接着剤中に導電粒子を分散させた回路接続材料(例えば、異方導電性接着剤)が使用されている。また、最近では半導体シリコンチップを基板に実装する場合、回路部材同士の接続のためにワイヤボンドを使用することなく、半導体シリコンチップをフェイスダウンして基板に直接実装する、いわゆるフリップチップ実装が行われている。このフリップチップ実装においても、回路部材同士の接続には異方導電性接着剤等の回路接続材料が使用されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開昭59−120436号公報 特開昭60−191228号公報 特開平1−251787号公報 特開平7−90237号公報 特開2001−189171号公報 特許2794009号公報
ところで、近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、回路部材に形成された回路の高密度化が進展し、隣接する回路電極同士の間隔や回路電極の幅が非常に狭くなる傾向があり、また回路電極の表面積が減少する傾向にある。回路電極の表面積が減少すると、対向する回路電極間に捕捉される導電粒子の個数も減少するため、回路電極間の接続抵抗が増加し、回路電極間の接続不良が起きることが問題であった。
上述のような回路電極間の接続不良を解消する方法としては、回路接続材料中の導電粒子の配合量を増加させ、回路電極間に捕捉される導電粒子の個数を増加させることが考えられる。しかし、導電粒子の配合量が増加すると、回路電極間の導通に寄与しない導電粒子が、隣接する他の回路電極間に捕捉されている導電粒子と接触することによって、ショートが発生する傾向があった。
上述のようなショートの発生を解消する方法としては、導電粒子の表面を電気的絶縁性の被膜で被覆する方法が開発されている(例えば、上記特許文献6参照。)。しかし、表面に絶縁性の被膜を有する導電粒子を用いた場合、被膜の無い導電粒子を用いた場合に比べて回路電極間の接続抵抗値が高くなる傾向にある。そのため、安定した接続抵抗を得るためには、対向する回路電極間に捕捉される導電粒子の個数を多くしなければならず、結果的に回路接続材料中の導電粒子の配合量が過剰になり、回路接続材料の製造コストが上昇してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、対向する回路電極間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路部材の接続構造を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、導電粒子の表面形状、及び最外層の材質が回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性に影響することを見出した。
すなわち、本発明者は、従来の回路接続材料に含まれる導電粒子の表面は平坦であったため、回路接続時に導電粒子の表面が接着剤組成物に及ぼす圧力が小さく、導電粒子と電極との間の接着剤組成物を十分に排除できないため、導電粒子と回路電極とを十分に接触させることができず、回路電極間の電気的接続が不十分となることを見出した。また、本発明者は、従来の回路接続材料に含まれる導電粒子の最外層は、比較的軟らかい金属であるAuの膜であるため、回路電極に対して導電粒子の最外層が変形してしまい、最外層が回路電極へ食い込み難いことを見出した。
そして、本発明者は、導電粒子の表面(最外層)に突起部を設け、最外層の硬度を限定し、更に必要最小限の数量の導電粒子を回路電極間に介在させることによって、回路電極間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の回路部材の接続構造(接続構造体)は、第1の回路電極を有する第1の回路部材と、第1の回路部材に対向し、第2の回路電極を有する第2の回路部材との間に、複数の導電粒子を含有する回路接続材料が介在して、第1の回路電極と第2の回路電極とが電気的に導通する回路部材の接続構造において、第1の回路電極と第2の回路電極とが2個の導電粒子を介して導通する接続箇所を少なくとも1箇所備え、導電粒子の最外層の一部が外側に突出して複数の突起部が形成されており、最外層が、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる、ことを特徴とする。
本発明では、導電粒子が回路接続材料中の接着剤組成物に及ぼす圧力が、突起部に集中するため、突起部を欠く導電粒子が接着剤組成物に及ぼす圧力より大きくなる。そのため、突起部が接着剤組成物を容易に貫通して第1及び第2回路電極に接触することができる。また、導電粒子の最外層の材質をビッカス硬度が300Hv以上である金属とすることによって、突起部が回路電極へくい込み易くなるため、導電粒子と回路電極とが確実に接触し、導電粒子と回路電極との接触面積が大きくなる。その結果、第1及び第2回路電極間の接続箇所で両回路電極に接触する導電粒子の数が2個であっても、回路電極間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を高めることができる。
上記本発明の回路部材の接続構造では、導電粒子の粒径が1〜4μmであることが好ましい。
本発明者は、導電粒子の表面形状のみならず、導電粒子の粒径が、回路電極間の電気的接続に影響することを見出した。すなわち、本発明者は、回路接続材料に含まれる導電粒子の粒径が大きい場合、導電粒子の表面積が大きくなり、導電粒子と回路電極との間に挟まれる接着剤組成物の量が多くなるため、回路電極間の接続時に導電粒子と回路電極との間の接着剤組成物を十分に排除することが出来ないことを見出した。
そこで、本発明では、導電粒子の粒径を1〜4μmに限定することによって、導電粒子の表面積が小さくなり、導電粒子と回路電極間に挟まれる接着剤組成物の量も少なくなる。そのため、回路接続材料を回路部材間で加圧硬化して、回路電極間を接続する時に、導電粒子と回路電極との間の接着剤組成物を十分に排除し易くなり、回路電極間の接続抵抗を低減し易くなる。
上記本発明の回路部材の接続構造では、最外層がNiからなることが好ましい。最外層を、ビッカス硬度が300Hv以上の金属であるNiで構成することによって、本発明の効果を得やすくなる。
上記本発明の回路部材の接続構造では、最外層の厚さが65〜125nmであることが好ましい。最外層の厚さをこのような範囲とすることで、回路電極間の接続抵抗が低下し易くなる。
上記本発明の回路部材の接続構造では、突起部の高さが50〜500nmであることが好ましい。突起部の高さが50nm未満の場合、高温高湿処理後に接続抵抗値が高くなる傾向があり、500nmより大きい場合には、導電粒子と回路電極との接触面積が小さくなるため接続抵抗値が高くなる傾向がある。
上記本発明の回路部材の接続構造では、隣接する突起部間の距離が1000nm以下であることが好ましい。これにより、導電粒子と回路電極との間に接着剤組成物が入り込み難く、接続抵抗値を高め易くなる。
上記本発明の回路部材の接続構造では、第1又は第2の回路電極が、インジウム−錫酸化物(ITO)又はインジウム−亜鉛酸化物(IZO)であることが好ましい。回路電極がITO又はIZOからなる場合、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を向上させる効果が顕著となる。
本発明によれば、対向する回路電極間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路部材の接続構造を提供することができる。
本発明に係る回路部材の接続構造の好適な一実施形態を示す概略断面図である。 図2(a)、図2(b)は、それぞれ本発明に係る回路接続材料の好適な一実施形態における導電粒子の概略断面図である。 実施例1の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率を示すグラフである。 実施例2の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率を示すグラフである。 比較例1の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率を示すグラフである。 比較例2の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率を示すグラフである。 比較例3の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率を示すグラフである。
符号の説明
1・・・回路部材の接続構造、10・・・回路接続部材(硬化後の接着剤組成物)、11・・・絶縁性物質、12・・・導電粒子、14・・・突起部、21・・・核体、21a・・・中核部、21b・・・核側突起部、22・・・最外層(金属層)、30・・・第1の回路部材、31・・・第1の回路基板、31a・・・主面、32・・・第1の回路電極、40・・・第2の回路部材、41・・・第2の回路基板、41a・・・主面、42・・・第2の回路電極、H・・・導電粒子の突起部の高さ、S・・・隣接する突起部間の距離、H・・・導電粒子の突起部の高さ、φ・・・突起部を含めた導電粒子全体の粒径。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
[回路部材の接続構造]
本発明に係る回路部材の接続構造の一実施形態について詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の回路部材の接続構造1は、相互に対向する第1の回路部材30及び第2の回路部材40と、回路接続部材10とを備える。
第1の回路部材30は、第1の回路基板31と、回路基板31の主面31a上に形成される第1の回路電極32とを備えている。第2の回路部材40は、回路基板41と、第2の回路基板41の主面41a上に形成される第2の回路電極42とを備えている。第1の回路基板31の主面31aに形成された第1の回路電極32と、第2の回路基板41の主面41aに形成された第2の回路電極42とは互いに対向している。回路基板31、41において、回路電極32、42の表面はそれぞれ平坦になっている。なお、本発明において「回路電極の表面が平坦」とは、回路電極の表面の凹凸が20nm以下であることをいう。
第1の回路部材30の主面31aと第2の回路部材40の主面41aとの間には、これらを接続する回路接続部材10が設けられている。回路接続部材10は、後述するフィルム状回路接続材料を硬化処理することによって形成される。回路接続部材10は、絶縁性物質11と導電粒子12とを含有している。導電粒子12の最外層(金属層22)の一部は外側に突出して複数の突起部14を形成している(図1、2参照)。
回路部材の接続構造1は、対向する第1の回路電極32と第2の回路電極42とが、回路接続部材10に含有される2個の導電粒子12を介して導通している接続箇所を備えている。即ち、接続箇所においては、2個の導電粒子12が、第1の回路電極32及び第2の回路電極42の双方にそれぞれ直接接触している。
具体的には、各導電粒子12の金属層22に形成された突起部14が、絶縁性物質11を貫通して第1の回路電極32及び第2の回路電極42の双方に確実に接触している。これは、回路部材30、40の接続時において、導電粒子12が接着剤組成物(硬化前の絶縁性物質11)に及ぼす圧力が突起部14に集中して、従来の導電粒子(突起部14を欠く導電粒子)が接着剤組成物に及ぼす圧力より大きくなるためである。このため、回路電極32、42間の接続抵抗が十分に低減され、回路電極32、42間の良好な電気的接続が可能となる。従って、回路電極32、42間の電流の流れを円滑にすることができ、回路の持つ機能を十分に発揮することができる。また、第1の回路電極32と第2の回路電極42との接続箇所での導通に要する導電粒子12の個数が2個であるため、回路接続部材10中の導電粒子12の配合量が必要最小限で済み、回路接続材料及び回路部材の接続構造の製造コストを削減できる。
なお、本実施形態において、「第1の回路電極32と第2の回路電極42とが、回路接続部材10に含有される2個の導電粒子12を介して導通している」とは、第1の回路電極32と第2の回路電極42との間の接続抵抗値を、マルチメータを用いて温度23±1℃、湿度60±10%の環境下、測定電流1mAで測定を行い、初期状態の接続抵抗値、及び500時間の高温高湿処理(85℃85%RH)後の接続抵抗値をそれぞれ測定し、初期状態から高温高湿処理後までの接続抵抗値の変化率が20%以下であることをいう。
従来の回路部材の接続構造では、仮に回路電極間を回路接続部材に含有される2個の導電粒子を介して電気的に接続したとしても、接続抵抗値の変化率を20%以下とすることは困難であり、回路電極間の電気特性の長期信頼性を得ることは困難であったが、本実施形態では、接続抵抗値の変化率を20%以下とすることが可能となり、回路電極間の電気特性の長期信頼性を得ることができる。
第1の回路電極32又は第2の回路電極42の厚さは、50nm以上であることが好ましい。厚さが50nm未満の場合、回路接続材料中に含まれる導電粒子表面の突起部14が、回路部材同士の圧着時に回路電極32、42を貫通し回路基板31、41と接触してしまう恐れがあり、回路電極32、42と導電粒子12との接触面積が減少し接続抵抗が上昇する傾向にある。
回路電極32、42の材質としては、Au、Ag、Sn、Pt族の金属又はインジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、Al、Crが挙げられるが、ITO又はIZOが好ましい。回路電極32、42がITO又はIZOからなる場合、回路電極間の電気的接続及び電気特性の長期信頼性を向上させる効果が顕著となる。なお、回路電極32、42は、その全体を上記物質で構成されているが、回路電極表面のみを上記物質で構成されていてもよい。
回路基板31、41の材質は特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、ガラス、又はシリコンである。
第1の回路部材30及び第2の回路部材40の具体例としては、半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板が挙げられる。これらの回路部材には、回路電極(回路端子)が通常は多数設けられている。なお、場合によっては、回路部材に回路電極が単数設けられていても良い。
回路部材の接続構造1の形態としては、ICチップとチップ搭載基板との接続構造、電気回路相互の接続構造の形態が挙げられる。
第1の回路電極32又は第2の回路電極42の少なくとも一方の表面積は15000μm以下であり、且つ、回路部材の接続構造1が、第1の回路電極32と第2の回路電極42との間における平均導電粒子数が3個以上である接続箇所を更に備えていてもよい。ここで、平均導電粒子数とは、回路電極1つあたりの導電粒子12の数の平均値を言う。本実施形態では、第1の回路電極32と第2の回路電極42とを接続箇所において2個の導電粒子により安定的に導通させることが可能であるが、回路部材の接続構造1が、平均導電粒子数が3個以上である接続箇所を更に備えることによって、回路電極間の接続抵抗をより十分に低減することができる。なお、回路電極32、42間における平均導電粒子数が1個の場合には、接続抵抗が高くなりすぎ、電子回路が正常に動作しなくなる傾向がある。
[回路接続材料]
フィルム状回路接続材料(硬化前の回路接続部材10)は、回路接続材料をフィルム状に成形してなるものであり、例えば、回路接続材料を、塗工装置を用いて支持体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等)上に塗布し、所定時間熱風乾燥することにより作製することができる。
フィルム状回路接続材料は、導電粒子12と、接着剤組成物とを含有するものであり、接着剤組成物は接着性を有し、硬化処理により硬化する(図1、2参照)。フィルム状回路接続材料を、第1及び第2の回路部材30、40の間に介在させて硬化させることによって、第1の回路部材30が有する第1の回路電極32と、第2の回路部材40が有する第2の回路電極42とが電気的に導通する。
(導電粒子)
フィルム状回路接続材料が含有する導電粒子12は、図2(a)に示すように、有機高分子化合物からなる核体21と、核体21の表面上に形成される最外層(金属層22)とで構成される。核体21は、中核部21aと、中核部21aの表面上に形成される核側突起部21bとで構成される。核体21は、中核部21aの表面に中核部21aよりも小さな径を有する核側突起部21bを複数個吸着させることにより形成することができる。金属層22の一部は、外側に突出して複数の突起部14を形成している。
突起部14を含めた導電粒子12全体の粒径φは、1〜4μmであることが好ましく、3μmであることがより好ましい。粒径φが上記のように小さい場合、導電粒子の表面積も小さくなり、導電粒子12と回路電極32、42間に挟まれる接着剤組成物の量も少なくなる。そのため、回路接続材料を回路部材30、40の間で加圧硬化して回路電極32、42間を接続する時に、導電粒子12と回路電極32、42との間の接着剤組成物を排除し易くなり、回路電極32、42間の接続抵抗を低減し易くなる。粒径φが1μm未満の場合、第1回路電極32と第2回路電極42との接続後に回路電極32、42間の接続箇所が加熱されると、回路接続材料の膨張幅が粒径φを上回るため、回路電極間の接続信頼性が悪化する傾向がある。また、導電粒子12の粒径φが4μmを超える場合、導電粒子12の表面積が大きくなり、導電粒子12と回路電極32、42間に挟まれる接着剤組成物の量が多くなるため、回路電極32、42間の接続時に導電粒子12と回路電極32、42との間の接着剤組成物を十分に排除できず、回路電極32、42間の電気的接続が不十分となる傾向がある。
金属層22(最外層)は、導電性を有し、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる。
ビッカス硬度が300Hv以上である金属から構成した金属層22は、従来のようなAuからなる最外層よりも硬いため、金属層22から突出した突起部14は、従来よりも回路電極32、42に深く食い込み易くなり、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が増加する。そして、回路接続材料が硬化処理されることによって、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が十分に確保された状態が長期間にわたって保持される。そのため、第1の電極と第2の電極とを2個の導電粒子により安定的に導通させ易くなる。
核体21の中核部21aを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。なお、核体21の中核部21aの平均粒径は1〜4μmであることが好ましい。核体21の核側突起部21bを構成する有機高分子化合物としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂又はこれらの共重合体が挙げられ、これらを架橋したものを使用してもよい。核側突起部21bを構成する有機高分子化合物は、中核部21aを構成する有機高分子化合物と同一であっても異なっていてもよい。なお、核側突起部21bの平均粒径は50〜500nmであることが好ましい。
導電粒子12の硬度は導電粒子12の核体21の硬度にほぼ支配される。導電粒子12の硬度は核体21を構成する分子の構造とその架橋点間距離、及び架橋度に依存する。ベンゾグアナミン等は分子中に剛直な構造を有し、その架橋点間距離も短いため、核体21を構成する全分子に占めるベンゾグアナミン等の割合が高くなるほど、硬い導電粒子12が得られ、また、導電粒子12の核体21の架橋度を高くすることで硬い導電粒子12が得られる。アクリル酸エステル、ジアリルフタレート等は架橋点間距離が長くなるため、核体21を構成する全分子に占めるアクリル酸エステル、ジアリルフタレート等の割合が高くなるほど、柔らかい導電粒子12が得られ、また、架橋度を低くすることで柔らかい導電粒子12を得ることが出来る。
金属層22は、ビッカス硬度が300Hv以上の金属、例えば、Cu、Ni又はNi合金、Ag又はAg合金等からなり、特にNiからなることが好ましい。金属層22は、例えば、ビッカス硬度が300Hv以上の金属を核体21に対して無電解メッキ法を用いてメッキすることにより形成することができる。
金属層22の厚さ(メッキの厚さ)は65〜125nmであることが好ましく、75〜100nmであることがより好ましく、80〜100nmであることが特に好ましい。金属層22の厚さをこのような範囲とすることで、回路電極32、42間の接続抵抗がより一層低下し易くなる。金属層22の厚さが65nm未満では、層厚が小さいためメッキの欠損等が発生して接続抵抗が大きくなる傾向があり、125nmを超えると導電粒子間で凝結が発生して隣接する回路電極間で短絡が生じる傾向がある。ここで、本明細書における導電粒子12の金属層22の厚さは、突起部14を含まない金属層22の平均厚みを指すものであり、導電粒子12の断面を電子顕微鏡で観察することで測定することができる。
突起部14の高さHは50〜500nmであることが好ましく、100〜300nmであることがより好ましい。突起部の高さが50nm未満の場合、回路部材の接続構造を高温高湿処理した後に接続抵抗値が高くなる傾向があり、500nmより大きい場合には、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が小さくなるため接続抵抗値が高くなる傾向がある。
隣接する突起部14間の距離Sは1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。また、隣接する突起部14間の距離Sは、導電粒子12と回路電極32、42との間に接着剤組成物が入り込まず、十分に導電粒子12と回路電極32、42とを接触させるためには、少なくとも50nm以上であることが好ましい。
なお、導電粒子12の突起部14の高さH及び隣接する突起部14間の距離Sは、電子顕微鏡により測定することができる。
フィルム状回路接続材料における導電粒子12の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して0.1〜30体積部であることが好ましく、その配合量は用途により使い分けることができる。過剰な導電粒子12による回路電極32、42の短絡等を防止する観点から、導電粒子12の配合量は0.1〜10体積部であることがより好ましい。
なお、導電粒子12は、図2(b)に示すように、核体21が中核部21aのみで構成されてもよい。この導電粒子12は、核体21の表面を金属メッキし、核体21の表面上に金属層22を形成することにより得ることができる。また、突起部14は、金属メッキの際、メッキ条件を変更して金属層22の厚さを変化させることで形成することができる。なお、メッキ条件の変更は、例えば、最初に使用したメッキ液に、これよりも濃度の高いメッキ液を追加することでメッキ液濃度を不均一にすることにより、行うことができる。
金属層22が核体21から完全に剥離している粒子の混入率は、全導電粒子(25万個程度)に対して、5%未満であることが好ましく、1%未満であることがより好ましく、0.1%未満であることが更に好ましい。金属層22が核体21から完全に剥離している粒子の混入率を上記の範囲とすることで、回路電極32、42間の導通を確実なものとすることができる。金属層22が核体21から完全に剥離している粒子の混入率が5%以上である場合、導電に関与しない粒子が回路電極32、42上に存在して接続抵抗が大きくなる傾向がある。
核体21に対する金属層22の被覆率は70%以上であることが好ましく、80〜100%であることがより好ましい。金属層22の被覆率をこのような範囲とすることで、回路電極32、42間の接続抵抗をより一層良好なものとすることができる。金属層22の被覆率が70%未満では導電粒子表面の導通面積が小さくなるため接続抵抗が大きくなる傾向がある。
(接着剤組成物)
フィルム状回路接続材料が含有する接着剤組成物としては、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の潜在性硬化剤とを含有する組成物(以下、「第1組成物」という。)、ラジカル重合性物質と、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とを含有する組成物(以下、「第2組成物」)、又は第1組成物と第2組成物との混合組成物が好ましい。
第1組成物が含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。
第1組成物が含有する潜在性硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させることができるものであればよく、このような潜在性硬化剤としては、アニオン重合性の触媒型硬化剤、カチオン重合性の触媒型硬化剤、重付加型の硬化剤等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用できる。これらのうち、速硬化性において優れ、化学当量的な考慮が不要である点からは、アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤が好ましい。
アニオン又はカチオン重合性の触媒型硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ジアミノマレオニトリル、メラミン及びその誘導体、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらの変成物も使用することができる。重付加型の硬化剤としては、ポリアミン類、ポリメルカプタン、ポリフェノール、酸無水物等が挙げられる。
アニオン重合型の触媒型硬化剤として第3級アミン類やイミダゾール類を配合した場合、エポキシ樹脂は160℃〜200℃程度の中温で数10秒〜数時間程度の加熱により硬化する。このため、可使時間(ポットライフ)が比較的長くなるので好ましい。カチオン重合型の触媒型硬化剤としては、例えば、エネルギー線照射によりエポキシ樹脂を硬化させる感光性オニウム塩(芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が主として用いられる)が好ましい。また、エネルギー線照射以外に加熱によって活性化しエポキシ樹脂を硬化させるものとして、脂肪族スルホニウム塩等がある。この種の硬化剤は、速硬化性という特徴を有することから好ましい。
これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系又はポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜及びケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長できるため好ましい。
第2組成物が含有するラジカル重合性物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。このようなラジカル重合性物質としては、アクリレート(対応するメタクリレートも含む。以下同じ。)化合物、アクリロキシ(対応するメタアクリロキシも含む。以下同じ。)化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂等が挙げられる。ラジカル重合性物質は、モノマー又はオリゴマーの状態で用いてもよく、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。上記アクリレート化合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、ラジカル重合性物質として、必要によりハドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。またさらに、耐熱性の向上の観点から、アクリレート化合物がジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。
上記マレイミド化合物は、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するものである。このようなマレイミド化合物としては、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,N'−p−フェニレンビスマレイミド、N,N'−m−トルイレンビスマレイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3'−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3'−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−(3,3'−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N'−3,3'−ジフェニルスルホンビスマレイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記シトラコンイミド樹脂は、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有するシトラコンイミド化合物を重合させてなるものである。シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記ナジイミド樹脂は、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合してなるものである。ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N'−m−フェニレンビスナジイミド、N,N'−p−フェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N'−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4'−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
また、上記ラジカル重合性物質に下記一般式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質を併用することが好ましい。この場合、金属等の無機物表面に対する接着強度が向上するため、回路電極32、42同士の接着に好適である。
Figure 2009017001
[上記式中、nは1〜3の整数を示す。]
リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応させることにより得られる。リン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質として、具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等がある。これらは単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記一般式(I)で示されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性物質の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合するフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
上記ラジカル重合性物質は、アリルアクリレートと併用することもができる。この場合、アリルアクリレートの配合量は、ラジカル重合性物質と、必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤とは、加熱により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤である。このような硬化剤としては、過酸化化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。このような硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。高反応性とポットライフの向上の観点から、半減期10時間の温度が40℃以上、かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上、かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
上記硬化剤の配合量は、接続時間を25秒以下とする場合、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、2〜10質量部であることが好ましく、4〜8質量部であることがより好ましい。これにより、充分な反応率を得ることができる。なお、接続時間を限定しない場合の硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質と必要により配合されるフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.05〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。
第2組成物が含有する、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステルパーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。また、回路電極32、42の腐食を抑えるという観点から、含有される塩素イオンや有機酸の濃度が5000ppm以下である硬化剤が好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ない硬化剤がより好ましい。このような硬化剤の具体例としては、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられ、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定された硬化剤がより好ましい。なお、上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノデート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α'ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる
ハイドロパーオキサイドとして、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
シリルパーオキサイドとしては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。また、これらの硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化した硬化剤は、可使時間が延長されるために好ましい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料には、必要に応じて、フィルム形成材を添加して用いてもよい。フィルム形成材とは、液状物を固形化し構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いを容易とし、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械的特性等を付与するものであり、通常の状態(常温常圧)でフィルムとしての取扱いができるものである。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性、機械的強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は、2官能フェノール類とエピハロヒドリンを高分子化するまで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。フェノキシ樹脂は、例えば2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。また、フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性や熱的特性の観点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下、沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で、反応固形分が50質量%以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。
上記2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を有するものである。2官能フェノール類としては、例えば、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基や、その他の反応性化合物により変性(例えば、エポキシ変性)されていてもよい。フェノキシ樹脂は、単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料は、更に、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を含んでいてもよい。ここで、応力緩和に優れることから、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用することが好ましい。これらのアクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
本実施形態のフィルム状回路接続材料は、更に、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
ゴム微粒子は、その平均粒径が、配合する導電粒子12の平均粒径の2倍以下であり、且つ室温(25℃)での貯蔵弾性率が導電粒子12及び接着剤組成物の室温での貯蔵弾性率の1/2以下であるものであればよい。特に、ゴム微粒子の材質が、シリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR、ポリブタジエンゴムである微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したこれらゴム微粒子は、耐溶剤性が優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
また、回路接続材料に充填剤を含有させてもよい。これにより、回路電極32、42間の電気特性の接続信頼性等が向上する。充填剤は、その最大径が導電粒子12の粒径の1/2以下であれば使用できる。また、導電性を持たない粒子を併用する場合には、導電性を持たない粒子の直径以下であれば使用できる。充填剤の配合量は、接着剤組成物100体積部に対して5〜60体積部であることが好ましい。配合量が60体積部を超えると、接続信頼性向上効果が飽和する傾向があり、他方、5体積部未満では充填剤添加の効果が不充分となる傾向がある。
上記カップリング剤としては、ビニル基、アクリル基、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する化合物が、接着性が向上するので好ましい。
[回路部材の接続構造の製造方法]
次に、上述した回路部材の接続構造1の製造方法について説明する。先ず、第1の回路部材30と、第2の回路部材40と、回路接続材料とを準備する。
回路接続材料としては、フィルム状回路接続材料を準備する。フィルム状回路接続材料の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。
次に、第1の回路部材30の上に、フィルム状回路接続材料を載せる。そして、第1の回路部材30の回路電極32と、第2の回路部材40の回路電極42が重なるように、第2の回路部材40をフィルム状回路接続材料の上に載せる。このようにして、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間にフィルム状回路接続材料を介在させる。このとき、フィルム状回路接続材料はフィルム状で、取扱いが容易であるため、第1の回路部材30と第2の回路部材40とを接続する際に、それらの間に容易に介在させることができ、第1の回路部材30と第2の回路部材40との接続作業を容易に行うことができる。
次に、第1の回路部材30及び第2の回路部材40を介してフィルム状回路接続材料を加熱しながら加圧して硬化処理を施し、第1の回路部材30と第2の回路部材40との間に回路接続部材10を形成する。硬化処理は、一般的な方法により行うことが可能であり、その方法は接着剤組成物により適宜選択される。
本実施形態では、フィルム状回路接続材料の硬化処理において、導電粒子12の金属層22から突出した突起部14が、接着剤組成物を貫通して、第1又は第2の回路電極32、42の最外層(電極表面)に深く食い込むため、導電粒子12と回路電極32、42とが確実に接触すると共に、導電粒子12と回路電極32、42との接触面積が大きくなる。このような状態で接着剤組成物を硬化すると、第1の回路部材30と第2の回路部材40との高い接着強度が実現されるのみならず、回路電極32、42の表面における凹凸の有無に拘わらず、対向する回路電極32、42間の接続抵抗を充分に低減し、回路電極32、42間の電気特性の信頼性が高い状態を長期間にわたって保持することができる。
以上、本発明に係る誘電体磁器組成物の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、フィルム状回路接続材料を用いて回路部材の接続構造を製造しているが、フィルム状でない回路接続材料を用いてもよい。例えば、回路接続材料を溶媒に溶解させた溶液を、第1の回路部材30又は第2の回路部材40の一方に塗布し乾燥させ、乾燥後の塗布物上に他方の回路部材を載せることによって、第1及び第2の回路部材30、40間に回路接続材料を介在させることができる。
また、回路部材の接続構造1には絶縁層が設けられていないが、第1の回路部材30において、第1の回路電極32に隣接して第1の絶縁層が形成されてもよいし、第2の回路部材40において、第2の回路電極42に隣接して第2の絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、絶縁材料で構成されていれば特に制限されないが、通常は有機絶縁性物質、二酸化珪素又は窒化珪素から構成される。
(導電粒子No.1の作製)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーの混合比を変えて、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、得られた重合体を分級することで約3μmの粒径を有する核体を得た。得られた核体の表面に、無電解Niメッキ処理をして、均一な厚さ100nmのNi層(金属層)を形成し、更にAuを25nm置換メッキすることにより、導電粒子No.1を得た。
(導電粒子No.2の作製)
導電粒子No.1と同様の核体に対して、無電解Niメッキ処理をした。無電解Niメッキ処理の際のメッキ液の仕込み量、処理温度及び処理時間を適宜調整してメッキ厚を所定の値に設定することにより、Niメッキの突起部が形成された最外層を核体の表面に備えた導電粒子No.2を得た。なお、突起部を含まないNiメッキの金属層の目標膜厚は80〜90nmとした。
(導電粒子No.3の作製)
導電粒子No.2上にAuを25nm置換メッキすることにより、突起部が形成され、Auからなる最外層を備えた導電粒子No.3を得た。
(導電粒子No.4の作製)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジビニルベンゼン及びスチレンモノマーの混合比を変えて、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを用いて懸濁重合し、得られた重合体を分級することで約5μmの粒径を有する核体を得た。得られた核体の表面に、無電解Niメッキ処理をして、均一な厚さ100nmのNi層(金属層)を形成し、更にAuを25nm置換メッキすることにより、導電粒子No.4を得た。
上記各導電粒子No.1〜4を、電子顕微鏡(日立製作所製、S−800)を用いて観察し導電粒子の粒子径φ、金属層の厚み、突起の高さ(突起部の高さH)、及び隣接する突起間の距離(突起部間の距離S)を計測した。結果を表1に示す。
Figure 2009017001
(回路接続材料Aの作製)
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド株式会社製,商品名PKHC)100gを、トルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液とした。アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部−エチルアクリレート30質量部−アクリロニトリル30質量部−グリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、分子量:85万)100gをトルエン/酢酸エチル=50/50(質量比)の混合溶剤に溶解して、固形分15質量%のアクリルゴム樹脂溶液とした。次いで、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(旭化成社製、商品名「ノバキュアHX−3941HP」)300gをこの溶液に加え、撹拌し、接着剤組成物含有液とした。さらに、前記接着剤組成物含有液100体積部に対し、導電粒子No.2を0.5体積部分散してフィルム塗工用溶液を得た。そして、この回路接続材料含有液(フィルム塗工用溶液)を、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、80℃3分の熱風乾燥により、PETフィルム上での厚みが18μmのフィルム状回路接続材料Aを得た。
(回路接続材料Bの作製)
前記回路接続材料Aと同様に接着剤組成物含有液を作製し、この接着剤組成物含有液100体積部に対して、導電粒子No.1を0.5体積部分散させて回路接続材料含有液を調製した。そして、この回路接続材料含有液を、前記回路接続材料Aと同様に塗布、乾燥させることによって、PETフィルム上での厚みが18μmのフィルム状回路接続材料Bを得た。
(回路接続材料Cの作製)
前記回路接続材料Aと同様に接着剤組成物含有液を作製し、この接着剤組成物含有液100体積部に対して、導電粒子No.3を0.5体積部分散させて回路接続材料含有液を調製した。そして、この回路接続材料含有液を、前記回路接続材料Aと同様に塗布、乾燥させることによって、PETフィルム上での厚みが18μmのフィルム状回路接続材料Cを得た。
(回路接続材料Dの作製)
前記回路接続材料Aと同様に接着剤組成物含有液を作製し、この接着剤組成物含有液100体積部に対して、導電粒子No.4を0.5体積部分散させて回路接続材料含有液を調製した。そして、この回路接続材料含有液を、前記回路接続材料Aと同様に塗布、乾燥させることによって、PETフィルム上での厚みが18μmのフィルム状回路接続材料Dを得た。
(実施例1)
第1の回路部材として、ポリイミドフィルム(厚さ38μm)と、SnめっきCu箔(Snめっき厚:2μm、Cu箔厚:6μm)からなる2層構造を有するフレキシブル回路板(以下FPC)を準備した。このFPCの回路については、ライン幅18μm、ピッチ50μmとした。次に、第2の回路部材として表面上にITO(最外層、膜厚:50nm)/Cr(膜厚:200nm)の2層構成の回路電極(表面抵抗<20Ω))を備えるガラス基板(厚さ1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、第2の回路部材上に所定のサイズ(1.0×30mm)に裁断した回路接続材料Aを貼付け、70℃、1.0MPaで3秒間加熱、加圧を行い仮接続した。次いで、PETフィルムを剥離した後、FPCと第2の回路部材とでフィルム状回路接続材料を挟むようにFPCを配置し、FPCの回路と第2の回路部材の回路の位置合わせを行った。なお、このとき意図的に回路位置をずらすことで、第1と第2の回路電極接続面積を減少させ、電極上に捕捉される導電粒子個数の増減を行った。次いで、180℃、(回路接続材料面積に対して)3MPa、15秒の条件でFPC上方から圧着ツールを用いて加熱、加圧を行いFPCと第2の回路部材とを本接続した。こうして、実施例1の回路部材の接続構造を得た。
(実施例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として表面上にIZO回路電極(膜厚:50nm、表面抵抗<20Ω)を備えるガラス基板(厚さ1.1mm)を用意した。この第2の回路部材の回路については、ライン幅25μm、ピッチ50μmとした。そして、実施例1と同様の接続方法で、回路接続材料Aを用いた第1及び2の回路部材の仮接続、本接続を行い、実施例2の回路部材の接続構造を得た。
(比較例1)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1と同様の接続方法で、回路接続材料Bを用いた第1及び2の回路部材の仮接続、本接続を行い、比較例1の回路部材の接続構造を得た。
(比較例2)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1と同様の接続方法で、回路接続材料Cを用いた第1及び2の回路部材の仮接続、本接続を行い、比較例2の回路部材の接続構造を得た。
(比較例3)
第1の回路部材として、実施例1と同様のFPCを準備した。次に、第2の回路部材として実施例1と同様のITO/Cr回路電極を備えるガラス基板を用意した。そして、実施例1と同様の接続方法で、回路接続材料Dを用いた第1及び2の回路部材の仮接続、本接続を行い、比較例3の回路部材の接続構造を得た。
(回路電極上に存在する導電粒子数)
微分干渉顕微鏡を用いて、実施例1、2及び比較例1〜3の各回路部材の接続構造において接続抵抗測定箇所となる電極上に存在する(回路電極間の接続箇所1箇所あたりに補足されている)導電粒子数(電極上粒子個数)を目視にて計測した(n=38)。
(接続抵抗の測定)
実施例1、2及び比較例1〜3の回路部材の接続構造について、FPCの回路電極と、第2の回路部材の回路電極との間の接続抵抗値をマルチメータ(株式会社エーディーシー製、商品名「デジタル・マルチメータ7461A」)で測定した。測定環境は、温度23±1℃、湿度60±10%とし、測定電流は1mAとした。接続抵抗値としては、接続直後の抵抗値(初期抵抗値)と、80℃、95%RHの高温高湿槽中に250時間及び500時間保持した後(高温高湿処理後)の抵抗値(処理後抵抗値)をそれぞれ測定した。なお、高温高湿処理後の接続抵抗の測定は、回路部材の接続構造を試験槽から取り出した後、上記測定環境下で30min放置した後に行った。また、測定した抵抗値は各電極上粒子個数においてn=3で平均を求めた。
次に、初期からの抵抗変化率を求めた。初期からの抵抗変化率は、初期抵抗値から処理後抵抗値までの増加量を初期抵抗値で除した値を百分率で示しており、式(処理後抵抗値−初期抵抗値)/初期抵抗値×100で算出した。この抵抗変化率が小さいほど、対向する回路電極同士間の電気的接続が良好であり、回路電極間の電気特性の長期信頼性が高いことを示す。
実施例1、2及び比較例1〜3の各電極上粒子個数における初期からの抵抗変化率(%)を図3〜7に示す。すなわち、図3〜7では、回路電極間の接続箇所1箇所に存在する導電粒子数と、この接続箇所における抵抗変化率を示す。高温高湿処理500h処理後において抵抗変化率が20%以下を示す最小の電極上粒子個数を、回路電極間が導通可能となる電極上粒子個数とする。
図3、5〜7に示されるように、回路電極の最外層がITOで構成されている回路部材を回路接続材料Aで接続した実施例1の接続構造と、同一の回路部材を回路接続材料B〜Dで接続した比較例1〜3の接続構造とを比較すると、高温高湿処理500h処理後において抵抗変化率が20%以下を示す電極上粒子個数が、比較例1(図5参照)では最小4個、比較例2(図6参照)では最小3個、比較例3(図7参照)では最小5個必要であるのに対して、実施例1(図3参照)では最小2個であり、比較例1〜3に比べ少ない導電粒子数で電極間の導通が安定することが確認された。また、図4に示されるように、回路電極がIZOで構成されている接続部材を、回路接続材料Aを用いて接続した実施例2の接続構造においても、電極上粒個数が最小2個であっても電極間の導通が安定することが確認された。
以上のことから、回路電極の全体もしくは最外層がITO及びIZOで構成されている回路部材を、導電粒子径が1〜4μmの範囲であり、導電粒子の表面(最外層)に複数の突起部を有し、かつ最外層の材質がNiである導電粒子を含む回路接続材料で接続した場合、電極上(回路電極の接続箇所1箇所当たり)に導電粒子が2個存在すれば、回路電極間が導通可能となることが分かった。すなわち、実施例1、2の接続構造によれば、高温高湿環境下や熱衝撃試験等においても必要最小限の電極上導電粒子個数で安定した接続信頼性を得ることが可能であることが分かった。
以上説明したように、上記本発明によれば、対向する回路電極間の良好な電気的接続を達成できると共に回路電極間の電気特性の長期信頼性を十分に高めることができる回路部材の接続構造を提供することができる。

Claims (8)

  1. 第1の回路電極を有する第1の回路部材と、前記第1の回路部材に対向し、第2の回路電極を有する第2の回路部材との間に、複数の導電粒子を含有する回路接続材料が介在して、前記第1の回路電極と前記第2の回路電極とが電気的に導通する回路部材の接続構造において、
    前記第1の回路電極と前記第2の回路電極とが2個の前記導電粒子を介して導通する接続箇所を少なくとも1箇所備え、
    前記導電粒子の最外層の一部が外側に突出して複数の突起部が形成されており、
    前記最外層が、ビッカス硬度が300Hv以上である金属からなる、ことを特徴とする回路部材の接続構造。
  2. 前記導電粒子の粒径が1〜4μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  3. 前記最外層がNiからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  4. 前記最外層の厚さが65〜125nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  5. 前記突起部の高さが50〜500nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  6. 隣接する前記突起部間の距離が1000nm以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  7. 前記第1又は第2の回路電極が、インジウム−錫酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
  8. 前記第1又は第2の回路電極が、インジウム−亜鉛酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の回路部材の接続構造。
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