JP2007242307A - 導電性微粒子及び異方性導電材料 - Google Patents

導電性微粒子及び異方性導電材料 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性が良好で、かつ電極との接続信頼性の高い、突起を持つ銀めっきされた導電性微粒子を提供する。
【解決手段】 基材粒子の表面にニッケルメッキ被膜が形成され、該ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキにより銀メッキ被膜が形成され、最表面に微小突起を有することを特徴とする導電性微粒子。ニッケルメッキ被膜の表面に銀メッキ被膜が形成されていることにより、経時的にニッケルメッキ層が腐食して電気抵抗が増大することなく、しかも安価で電気抵抗が低い銀メッキ被膜を有しているため、導電性が良好なものとなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性微粒子及び異方性導電材料に関する。
導電性微粒子は、一般に、バインダー樹脂等に混合され、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等の異方性導電材料として広く用いられている。これらの異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
従来、導電性微粒子は、基材粒子として粒子径の均一な樹脂粒子やガラスビーズ等の非導電性粒子の表面にニッケル等の金属によるメッキを施したものが報告されている。これらの導電性微粒子のうち、ニッケルメッキされた導電性微粒子は安価に得られるが、経時的にメッキ層が腐食して電気抵抗が増大するという問題があった。
このため、ニッケルメッキされた粒子に、更に金メッキ又は銀メッキを施す等の手法が用いられている。
例えば、特許文献1には、実質的に球状な樹脂粉末粒子を無電解メッキ法により金属被覆を形成した導電性無電解メッキ粉体が開示されており、無電解ニッケルメッキを施した後、無電解金メッキが施されたものが報告されている。
また、例えば、特許文献2には、ニッケルメッキ被膜下地層を有する銅被覆された粒子を基材とし、更に無電解メッキ法による銀メッキ被膜を形成した無電解銀メッキ粉体が開示されている。これら特許文献1、2で用いられている導電性微粒子は、粒子径が均一で、適度な強度を有する樹脂微粒子等の非導電性微粒子の表面に、導電性膜として金属メッキ層を形成させた導電性微粒子が用いられている。
しかしながら、近年の電子機器の急激な進歩や発展に伴って、異方性導電材料として用いられる導電性微粒子の接続抵抗の更なる低減が求められてきている。例えば、電極端子面に形成された酸化被膜を突き破ったり、導電性微粒子と電極端子の間に侵入する接着樹脂を押し退けることができる導電性微粒子が望まれていた。
特開平8−311655号公報 特開平11−61424号公報
本発明は、上記現状に鑑み、導電性が高く、かつ電極との接続信頼性の高い導電性微粒子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、基材粒子の表面にニッケルメッキ被膜が形成され、該ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキにより銀メッキ被膜が形成され、最表面に微小突起を有する導電性微粒子を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の導電性微粒子は、基材粒子の表面にニッケルメッキ被膜が形成され、該ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキにより銀メッキ被膜が形成され、最表面に微小突起を有するものである。
本発明における基材粒子の材質は、適度な弾性率、弾性変形性及び復元性を有するものであれば、有機系材料であっても無機系材料であってもよく特に限定されないが、樹脂粒子等の有機系材料であることが好ましい。
上記有機系材料としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体;ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系重合体;(メタ)アクリル酸エステル重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、必要に応じて架橋型、非架橋型いずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。なかでも、ジビニルベンゼン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましく用いられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとはメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを意味する。
上記無機系材料としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物、炭素等が挙げられる。
これらの基材粒子は、単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
基材粒子の形状は、特に限定されず、例えば、球状、繊維状、中空状、針状等の特定の形状でもよく、不定形状であってもよい。なかでも、良好な電気的接続を得るために基材粒子の形状は球状が好ましい。
基材粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、1〜100μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。粒子径が1μm未満であると、メッキ被膜を形成する際に凝集が生じ易く、凝集を生じた基材粒子から製造された導電性微粒子は隣接電極間の短絡を引き起こすことがある。粒子径が100μmを超えると、基材粒子から製造された導電性微粒子のメッキ被膜が剥がれ易くなり導電信頼性が低下することがある。
基材粒子のCV値は、特に限定されるものではないが、10%以下であることが好ましい。CV値が10%を超えると、基材粒子から製造された導電性微粒子が相対向する電極間隔を任意に制御することが難しくなる。なお、上記CV値は、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除し百分率とすることにより求められるものである。
本発明におけるニッケルメッキ被膜の厚さは、3〜200nmが好ましく、6〜100nmがより好ましい。ニッケルメッキ被膜の厚さが3nm未満であると十分な強度のメッキ被膜が得られないことがあり、200nmを超えると利点は少なくなり原料費が増えるためコスト的に得策と言い難くなる。
本発明において、基材粒子の表面にニッケルメッキ被膜を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、無電解メッキ、電気メッキ、溶融メッキ等の方法が挙げられる。基材粒子が樹脂粒子等の非導電性である場合は、無電解メッキにより形成する方法が好適に用いられる。
本発明の導電性微粒子は、上記ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキにより銀メッキ被膜が形成されてなることが必要である。
本発明の導電性微粒子は、ニッケルメッキ被膜の表面に銀メッキ被膜が形成されていることにより、経時的にニッケルメッキ層が腐食して電気抵抗が増大することなく、しかも安価で電気抵抗が低い銀のメッキ被覆を有しているため、導電性が良好なものとなる。
本発明における銀メッキ被膜の厚さは、10〜80nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。銀メッキ被膜の厚さが10nm未満であると緻密で連続した銀メッキ被膜が得られないことがあり、その結果、十分な耐酸化性及び導電性が発揮されないことがある。銀メッキ被膜の厚さが80nmを超えると比重が大きくなり樹脂などへの分散が難しくなることがある。
本発明において、無電解銀メッキにより銀メッキ被膜を形成する方法としては、上記ニッケルメッキ被膜下地層の表面に銀メッキ被膜が形成される方法であれば特に限定されないが、ニッケルメッキ被膜と銀メッキ被膜との密着性が優れたものとすることができるため、例えば、下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法が好適に用いられる。また、下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法に加えて、例えば、自己触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法、及び置換型無電解銀メッキによる方法の少なくともいずれかの方法を併用してもよい。
上記の、下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法は、下地であるニッケル被膜のニッケルを触媒として銀メッキ被膜を析出させる方法である。
下地触媒型の還元型無電解銀メッキによる方法では、ニッケル被膜下地層の表面で酸化反応を起こし析出金属である銀の表面では酸化反応を起こさない還元剤をニッケル被膜下地層の表面に存在させ、無電解銀メッキ液中の銀塩を還元させて銀を析出させることにより銀メッキ被膜を形成することができる。
従って、本発明の導電性微粒子の製造方法は、基材粒子の表面に無電解ニッケルメッキによりニッケルメッキ被膜を形成させ、該ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキ液中の銀塩を還元させて銀を析出させ銀メッキ被膜を形成させることが好ましい。
上記の、導電性微粒子の製造方法もまた、本発明の一つである。
次に、導電性微粒子の製造方法における無電解ニッケルメッキについて具体的に説明する。
本発明における、基材粒子の表面に無電解ニッケルメッキによりニッケルメッキ被膜を形成させる方法としては、特に限定されず、例えば、触媒化工程において触媒が付与された基材粒子を、還元剤の存在下でニッケルイオンを含有する溶液中に浸漬し、触媒を起点として基材粒子の表面にニッケルを析出させる方法等が挙げられる。
上記触媒化工程において触媒を付与する方法としては、例えば、塩化パラジウムと塩化スズとの混合溶液にエッチングされた基材粒子を浸漬した後、硫酸や塩酸等の酸溶液又は水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で基材粒子表面を活性化してパラジウムを析出させる方法、硫酸パラジウム溶液にエッチングされた基材粒子を浸漬した後、ジメチルアミンボラン等の還元剤を含有する溶液で基材粒子表面を活性化してパラジウムを析出させる方法等が挙げられる。
ニッケルメッキ被膜を形成するために用いられる無電解ニッケルメッキ液としては、例えば、ホスフィン酸又はその塩や次亜リン酸ナトリウム等のリン系還元剤を含有する無電解ニッケルメッキ液等が挙げられる。
上記リン系還元剤を含有する無電解ニッケルメッキ液を用いた場合は、ニッケルメッキ被膜中にリンが含有されたものとなる。このように、ニッケルメッキ被膜は、リンを含有していてもよい。
上記ニッケルメッキ被膜中のリン含有量は、20重量%以下が好ましく、2〜15重量%がより好ましく、6〜14重量%が更に好ましい。
次に、導電性微粒子の製造方法における無電解銀メッキについて具体的に説明する。
無電解銀メッキ液としては、一般の無電解銀メッキ液と同様に、銀イオン源として水溶性銀塩と、銀イオンを安定して溶解させるための錯化剤とを含むものを用いる。
上記水溶性銀塩としては、水溶性を示すものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、硫酸銀等のノーシアン系銀塩;シアン化銀等のシアン系銀塩等が挙げられる。なかでも、環境問題等の観点よりノーシアン系銀塩が好ましい。
上記ノーシアン系銀塩を用いることにより、ノーシアン系の無電解銀メッキを行うことができ、シアン浴のように強アルカリで用いられることがないため基材粒子等への浸食がなく、環境にも配慮したものとなる。上記ノーシアン系銀塩のなかでも、水への溶解性を考慮すると硝酸銀が好ましい。
上記無電解銀メッキ液中の銀イオンの濃度は、0.005〜0.2mol/lが好ましい。銀イオンの濃度が、0.005mol/l未満であると液量が多くなりすぎて生産性の低下を招くとともに反応速度の低下を招くことがあり、0.2mol/lを超えるとメッキ浴の分解が起こり易くなる。
上記錯化剤としては、特に限定されず、例えば、イミド基又はアミド基を有する有機化合物;亜硫酸、亜硫酸塩、クエン酸等の有機酸、アンモニア等が挙げられる。なかでも、イミド基を有するコハク酸イミドが好ましい。
上記錯化剤の配合量としては、銀イオンに対して、0.8〜10倍モルが好ましく、2〜6倍モルがより好ましい。錯化剤の配合量が、0.8倍モル未満であると銀イオンを安定に溶解させる効果が不十分となることがあり、10倍モルを超えるとそれ以上の効果が得られ難くなり原料費が増えるためコスト的に得策と言い難くなる。
次に、下地触媒型の還元型無電解銀メッキを行う場合には、無電解銀メッキ液中に還元剤として、例えば、イミダゾール化合物を含有させることが好ましい。
上記イミダゾール化合物のなかでも、ベンズイミダゾールが特に好適である。
本発明の、導電性微粒子の製造方法は、無電解銀メッキ液中にイミダゾール化合物を含有させ、銀塩を還元させることが好ましい。
例えばイミダゾール化合物であるこれらの還元剤は、下地であるニッケル被膜の、ニッケルの触媒作用の下に、メッキ液中の銀イオンを還元して金属銀を析出し易くする作用をし、ニッケルメッキ被膜上を均一に銀メッキ被膜で覆うのに好適に用いられる。すなわち、析出した金属銀よりもニッケルの方が還元剤に対する触媒作用が強いので、ニッケルメッキ被膜上に均一に銀メッキ被膜が形成されることとなる。
更に、下地触媒型の還元型無電解銀メッキを行う場合には、無電解銀メッキ液中に結晶調整剤を含有させることが好ましい。
上記結晶調整剤を含有していることにより、ニッケルと銀との置換反応を抑え、銀結晶を微細にして、ニッケルメッキ被膜と銀メッキ被膜との密着性を優れたものとすることができるだけでなく、ピンホールの発生を抑えるため、非常に低抵抗な導電性微粒子を得ることができる。
上記結晶調整剤としては、特に限定されないが、グリオキシル酸が好適に用いられる。
本発明の、導電性微粒子の製造方法は、無電解銀メッキ液中に、更にグリオキシル酸を含有させ、銀を析出させることが好ましい。
上記無電解銀メッキ液として、水溶性銀塩等に、還元剤であるイミダゾール化合物、及び結晶調整剤であるグリオキシル酸を含むものを用いて、ニッケルメッキ被膜上に無電解銀メッキを行うことにより、シアン化合物を用いなくとも、更に、均一で密着性の優れた銀メッキ被膜を形成することができるとともに、導電性が良好な導電性微粒子を得ることができる。
上記無電解銀メッキ液には、更に必要に応じ、緩衝剤等の公知の成分を配合することができる。
上記無電解銀メッキ液のpHは、5〜10が好ましく、6〜9がより好ましい。pHが5未満であると反応速度が上がりメッキ液が不安定になる恐れがあり、pHが10を超えると銀の析出速度が非常に遅くなる恐れがある。
上記無電解銀メッキ液の液温は、0〜80℃が好ましく、15〜70℃がより好ましい。液温が0℃未満であると銀の析出速度が遅すぎて生産性が低下することがあり、液温が80℃を超えると反応が激しすぎて均一な銀メッキ被膜が得られないことがある。
また、無電解銀メッキ反応を行う際の反応時間は、予め実験等を行って所望の析出量が得られる時間に設定すればよいが、5〜60分が好ましく、7〜40分がより好ましい。
上記無電解銀メッキ液を用いて、ニッケルメッキ被膜が形成された基材粒子である被メッキ粒子をメッキする方法は、特に限定されず、例えば、予め銀塩、錯化剤、還元剤、結晶調整剤、及び緩衝剤等を混合し、pH及び温度を調整した無電解銀メッキ液に被メッキ粒子を直接投入する方法、上記と同様にして調整した無電解銀メッキ液に被メッキ粒子を水に分散させたスラリーで投入する方法、メッキ成分の一部を除いて調整した無電解銀メッキ液に、被メッキ粒子を分散させた後、残りのメッキ成分を添加する方法等が挙げられる。
本発明の導電性微粒子は、銀めっき層が金めっき層で覆われていてもよい。銀めっき層が金めっきにより覆われていることにより銀めっき層のマイグレーションを抑制することができる。なお、金めっき層はバリア層として機能すればよいので非常に薄いめっき層であれば十分である。
本発明の導電性微粒子は、最表面に微小突起を有する。
上記微小突起を最表面に形成する方法としては、特に限定されず、基材微粒子の表面に芯物質を付着させる方法が挙げられる。具体的には、基材微粒子の分散液中に芯物質を添加し、基材微粒子の表面上に芯物質を例えばファンデルワールス力により集積させ付着させる方法;基材微粒子を入れた容器に芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用(ハイブリダイゼーション)により基材微粒子の表面上に芯物質を付着させる方法が挙げられる。
上記芯物質を構成する導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。なかでも、導電性に優れているため、金属が好ましく用いられる。なお、金属は合金であってもよく、従って少なくとも1種以上の金属を用いることが好ましい。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等の金属;錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀、金等が好ましい。上記芯物質を構成する金属は、上記導電性膜を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。同じ金属により構成する場合には、芯物質と導電性膜との添加剤成分等の含有割合を異なるようにする。
芯物質の形状としては、特に限定されるものではないが、十分に観察され得る程度に突起が現れやすくなることから、塊状であることが好ましい。形状が塊状であるものとしては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、不定形の塊等が挙げられる。
基材微粒子の平均粒子径の0.5〜25%の範囲の最長の外径を有する芯物質を用いることが好ましい。より好ましくは、最長の外径が、基材微粒子の平均粒子径の1.5〜15%の範囲である芯物質が用いられる。また、ファンデアワールス力により芯物質を基材粒子に付着させる方法を行う場合は、芯物質の分散媒への分散性を考慮すると、芯物質の比重はできるだけ小さいほうが好ましい。さらに、基材微粒子及び芯物質の表面電荷を著しく変化させないために、分散媒として脱イオン水を用いることが好ましい。
芯物質は、基材微粒子の表面上に存在している。基材微粒子の表面上に存在する粒子状の芯物質の少なくとも80%以上が、基材微粒子に接触又は基材微粒子から5nm以内の距離に存在することがより好ましい。
芯物質が、基材微粒子に接触しているか、又は、基材微粒子から近接した位置に存在することにより、芯物質が確実にメッキ被膜で覆われることになる。よって、***した突起部分の基材微粒子に対する密着性が優れた導電性微粒子を得ることができる。更に、芯物質が基材微粒子に接触しているか、又は、基材微粒子から近接した位置に存在することにより、メッキ被膜の表面の突起を揃えることができる。また、芯物質の大きさを揃えると、メッキ被膜の表面で***した突起の高さが揃った導電性微粒子を得ることが容易である。従って、上記導電性微粒子を異方性導電材料として用いると、電極間の接続時には、導電性微粒子の導電性能のばらつきが小さくなり、導電信頼性に優れるという効果が得られる。
本発明における***した突起部分の平均高さは、導電性微粒子の平均粒子径(直径)の0.5%以上であることが好ましく、25%以下であることが好ましい。
上記突起部分の平均高さは、芯物質の大きさとメッキ被膜の厚さによって定まる。平均高さが導電性微粒子の平均粒子径の0.5%未満であると、突起の効果が得られにくく、平均高さが25%を超えると、電極に深くめり込み電極を破損させるおそれがある。
上記突起部分の平均高さのより好ましい範囲は、導電性微粒子の平均粒子径の3〜17%の範囲であり、さらに好ましくは10〜17%の範囲である。
芯物質の最長の外径をX、導電性膜又はメッキ被膜の膜厚をYとしたとき、X/Y比は、0.5〜5の範囲であることが好ましい。X/Y比がこの範囲となるように、芯物質の大きさと導電性膜又はメッキ被膜の膜厚とを選択することが望ましい。
本発明における突起の存在密度は、本発明の導電性微粒子の性能に大きく影響するため重要である。
1個の導電性微粒子当たりの突起数で表すと、突起の存在密度は3以上であることが好ましい。より好ましくは、突起の存在密度は8以上である。突起の存在密度が、3以上であると、本発明の導電性微粒子を異方性導電材料として用いた際の電極間の接続時に、導電性微粒子がどのような方向に向いても、突起が電極と接触し、接続状態が良好となる。
突起の存在密度は、例えば、基材微粒子の表面積に対して、添加する芯物質の量を変化させることにより、容易に制御することができる。
上記突起部分の平均高さは、確認された多数の突起部分のなかで、ほぼ全体が観察された50個の突起部分について測定する。このとき、最外側表面を形成する導電性膜またはメッキ被膜の突起が形成されていない部分を基準表面として、突起として現れている部分の高さを測定し、それを算術平均して突起部分の平均高さとする。なお、突起を付与した効果を確実に得るためには、突起が導電性微粒子の平均粒子径に対し、0.5%以上の平均高さを有することが挙げられる。
上記突起の存在密度は、無作為に選んだ50個の粒子について、上記突起部分の高さが導電性微粒子の平均粒子径の、より好ましい範囲である3%以上のものを突起として個数をカウントし、1個の導電性微粒子当たりの突起数に換算して、突起の存在密度とする
また、芯物質の硬度としては、特に限定されるものではないが、電極表面に形成されている絶縁被膜を突き破るが電極に潰される程度の、適度な硬さを有するものが好ましい。
ビッカース硬度による、芯物質の硬度に対する導電性膜の硬度の硬度比が、0.2〜0.7であることが好ましい。
芯物質は、ニッケル、銅、金、銀、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
また、金属メッキ被膜はリンを10重量%以上含有することが好ましい。導電性膜が軟らかくなり、この導電性膜の表面に***した突起は、異方性導電フィルム等により電極に熱圧着した際に、電極との十分な接続面積増加が起こり、接続信頼性を向上させることができる。リンの含有量が10重量%未満であると、金属メッキ被膜を含む導電性膜が軟らかくならず、電極に熱圧着した際に電極との十分な接続面積増加が起こらないことがある。
金属メッキ被膜中において、基材微粒子側から金属メッキ被膜膜厚の20%以下の領域で金属メッキ組成中に10〜20重量%のリンを含有し、金属メッキ被膜表面側から金属メッキ被膜膜厚の10%以下の領域で金属メッキ組成中に1〜10重量%のリンを含有することがより好ましい。金属メッキ被膜は全体として柔軟性を保ちつつ、基材微粒子側では基材微粒子との密着性を向上させ、金属メッキ被膜表面側では硬くして熱圧着時の樹脂排除性を向上させることができる。
本発明における金属メッキ被膜中のニッケルやリン等の含有比率は、例えば、EDX(Energy Dispersing X−ray analyzer:エネルギー分散型X線分析装置)により求めることができる。
また、金属メッキ被膜中の厚さ方向のリン含有量を制御するためにはニッケルメッキの前期工程と後期工程とで、ニッケルメッキ液のpH、温度、還元剤濃度等を制御すればよい。
本発明の導電性微粒子は、ビッカース硬度による、芯物質の硬度に対する導電性膜の硬度の硬度比が、0.2〜0.7であることが好ましい。導電性膜の硬度が芯物質の硬度よりも軟らかく硬度比が、0.2〜0.7であることにより、この導電性膜の表面に***した突起は、異方性導電フィルム等により電極に熱圧着した際に、導電性膜が潰れ易くなり電極との十分な接続面積増加が起こり、接続信頼性を向上させることができる。
上記ビッカース硬度は、押込硬さの一種であり、対面角が136度の正四角錐形のダイヤモンド圧子に静荷重をかけて試験片に永久くぼみをつけ、くぼみの対角線の長さを測定して硬さ(指数)を求めたものである。ビッカース硬度の特長は、荷重の大小にかかわらずくぼみが常に相似形になるので、試験荷重に無関係に硬さの測定値が同じ数値になるという相似の法則がなりたち、従って異なった荷重による値をそのまま比較できる点である。
芯物質は、軟質の金属粒子と硬質の非金属粒子とが併用されてあってもよい。
軟質の金属粒子の平均粒子径は、硬質の非金属粒子の平均粒子径に対して、1.05〜6倍であることが好ましい。これら芯物質により形成された硬さの異なる突起の存在により、異方性導電フィルム等により電極間を熱圧着する際に、突起が絶縁性樹脂の排除効果等により、接続抵抗値が低く導電信頼性に優れた導電接続を得ることができる。
本発明においては、軟質の金属粒子の平均粒子径が、硬質の非金属粒子の平均粒子径に対して、1.05〜6倍であることにより、軟質の金属粒子を芯物質とする突起の高さが、硬質の非金属粒子を芯物質とする突起の高さに対して高くなり、異方性導電フィルム等により電極間を熱圧着する際に、軟質の芯物質をもつ突起がまず電極に接触し硬質の芯物質をもつ突起が電極に接触するまで緩衝作用を及ぼす効果等により、精密な圧力制御を必要とすることなく、接続抵抗値が低く導電信頼性に優れた導電接続を得ることができる。
軟質の金属粒子の平均粒子径が、硬質の非金属粒子の平均粒子径に対して、1.05倍未満である場合は、上記緩衝作用を及ぼす効果が得られにくく、6倍を超える場合は、突起の高さの差が大きくなりすぎ硬質の芯物質をもつ突起が電極に接触しにくくなる。
本発明においては、軟質の金属粒子の平均粒子径は10.5〜600nmであり、硬質の非金属粒子の平均粒子径は10〜100nmであることが好ましい。
軟質の金属粒子の平均粒子径が10.5nm未満である場合は、芯物質として小さすぎ導電性膜表面に***した突起として現れず突起の効果が得られないことがあり、600nmを超える場合は、芯物質として大きすぎ導電性膜表面に***した突起が大きくなりすぎて導電性微粒子の粒子径が不揃いとなり安定した接続が得られないことがある。
同様に、硬質の非金属粒子の平均粒子径が10nm未満である場合は、芯物質として小さすぎ導電性膜表面に***した突起として現れず突起の効果が得られないことがあり、100nmを超える場合は、芯物質として大きすぎ導電性膜表面に***した突起が大きくなりすぎて導電性微粒子の粒子径が不揃いとなり安定した接続が得られないことがある。
本発明においては、軟質の金属粒子のビッカース硬度は50〜999であり、硬質の非金属粒子のビッカース硬度は1000〜3000であることが好ましい。
上記ビッカース硬度は、押込硬さの一種であり、対面角が136度の正四角錐形のダイヤモンド圧子に静荷重をかけて試験片に永久くぼみをつけ、くぼみの対角線の長さを測定して硬さ(指数)を求めたものである。ビッカース硬度の特長は、荷重の大小にかかわらずくぼみが常に相似形になるので、試験荷重に無関係に硬さの測定値が同じ数値になるという相似の法則がなりたち、従って異なった荷重による値をそのまま比較できる点である。
軟質の金属粒子のビッカース硬度が50未満である場合は、芯物質として軟らかすぎて突起の絶縁性樹脂排除効果が得られないことがあり、999を超える場合は、軟質なものとした効果が得られないことがある。
また、硬質の非金属粒子のビッカース硬度が1000未満である場合は、硬質なものとした効果が得られないことがあり、3000を超える場合は、芯物質として硬すぎて突起が電極を傷つけたりすることがある。
本発明における金属粒子は、軟質のものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル(ビッカース硬度約500)、銅(ビッカース硬度約100)、金、銀、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム等の金属;錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、適度な軟らかさと導電性が得られるので、ニッケル、銅、金、銀、亜鉛が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。従って、金属粒子は、ニッケル、銅、金、銀、及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
本発明における非金属粒子は、硬質のものであれば特に限定されず、例えば、シリカ(ビッカース硬度約1800)、シリコンカーバイド(ビッカース硬度約2400)、アルミナ、ジルコニア、ダイアモンド、窒化ホウ素等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。従って、非金属粒子は、シリカ、シリコンカーバイド、アルミナ、ジルコニア、ダイアモンド、及び窒化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の非金属からなることが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、導電性微粒子の外周に、絶縁性微粒子が設けられている場合には、絶縁性微粒子の平均粒子径が少なくとも30nm以上突起の平均高さまでであることが好ましい。
上記絶縁性微粒子の平均粒子径が30nm未満であると、絶縁性を保ち隣接する粒子間でのリーク電流の発生を抑制する効果が少なくなる。また、絶縁性微粒子の平均粒子径が突起の平均高さを超えると、突起がバインダー樹脂等の排除を助け電極と良好に接続する効果が少なくなる。
また、基材粒子をめっきする過程でめっき金属を異常析出させて導電性金属層の最外層と実質的に連続している微小突起を形成する方法が挙げられる。具体的には、基材微粒子の水性スラリーを、ニッケル塩、還元剤、錯化剤等を含んだ無電解メッキ浴に添加して無電解メッキを行う過程において、基材微粒子上へのニッケル皮膜の形成とメッキ浴の自己分解とを同時に起こして、この自己分解物を微小突起の核とし、次いで、構成成分が少なくとも2液に分離した無電解メッキ液により無電解メッキを行うことにより、微小突起の成長とニッケル皮膜の成長とを同時に行う方法が挙げられる。
微小突起の高さは0.02〜0.3μmであることが好ましい。0.02μm未満であると、接続時に突起部分が絶縁層である樹脂等を突き破ることができずに微小突起を付与した効果が得られにくい。0.3μmを超えると、弱い荷重で圧縮される液晶表示素子の上下基板電極間の導通用途等では点接触になり接続安定性に欠ける。
さらに、高さ0.1μm以下の微小突起の個数割合が80%以上を占めることが好ましい。80%未満では、大きな突起の割合が多くなり、微小突起の高さが高すぎる場合と同様、弱い荷重で圧縮される液晶表示素子の上下基板電極間の導通用途等では点接触になり接続安定性に欠ける。
微小突起は、導電性微粒子の正投影面において、直径が導電性微粒子直径の1/2である同心円内に15個以上存在してなることが好ましい。15個未満であると、安定した高い接続安定性を発揮できないことがある。上記正投影面としては、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)等により観察される。
また、微小突起を形成する方法としては、他にも基材微粒子表面にPdを形成する工程において、Pdを不均一に付着させPdの多い部分でメッキ層を成長させて微小突起を設ける方法や、基材粒子の表面に子粒子が結合した突起粒子を製造する方法が挙げられる。具体的には、重合性液滴の表面に子粒子を付着させた後、前記重合性液滴を重合させる方法等が挙げられる。
なお、上記導電性金属層が複数の層からなる場合には、上記微小突起部はいずれかの層又は任意の複数層に形成されていてもよい。微小突起は最外層に形成されてもよいし、内部の層に形成されてもよい。
本発明において、導電性膜中の芯物質の存在のしかたとしては、特に限定されず、例えば、基材微粒子の表面上に存在していてもよいし、基材微粒子の表面上から離れて存在していてもよい。なかでも、芯物質は基材微粒子に接触しているか、又は基材微粒子から5nm以内の距離に存在することが好ましい。また、導電性膜中の芯物質は2〜3個凝集していてもよいが、凝集個数は少ないほうが好ましい。
芯物質が基材微粒子に接触しているか、又は基材微粒子から5nm以内の距離に存在することにより、芯物質が確実にメッキ被膜で覆われることになり、***した突起の基材微粒子に対する密着性が優れた導電性微粒子を得ることができ、また、***した突起の高さが揃った導電性微粒子を得ることができる。従って、上記導電性微粒子を異方性導電材料として用いた電極間の接続時には、導電性微粒子の導電性能のばらつきが小さくなり、導電信頼性に優れるという効果が得られる。
導電性微粒子の表面積の70〜90%が***した突起で覆われていることが好ましい。表面上の突起の個数が十分となり、電極間に熱圧着して用いられた際に、樹脂排除性に優れ、電極に十分な個数の突起が接続され電極との接続面積が多くなり、接続抵抗値が低く接続信頼性に優れた導電接続を得ることができる。
上記突起で覆われる面積が導電性微粒子の表面積の70%未満であると、電極に接続される突起の個数が少なく、突起による樹脂排除効果が十分得られなかったり、電極との接続面積が十分得られなかったりすることがある。また、突起で覆われる面積が導電性微粒子の表面積の90%を超えると、突起の個数が多くなり過ぎて、逆に突起による樹脂排除効果が得られなくなったりすることがある。
突起の平均高さが、導電性微粒子の平均粒子径の2〜10%が好ましい。
また、突起の高さが100〜400nmである突起の個数割合が、80%以上であることが好ましい。
また、突起の外径が100〜400nmである突起の個数割合が、80%以上であることが好ましい。
芯物質を付着させる下地めっき層として結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層を形成することにより、硬質の芯物質が導電接続時の圧力で基材粒子に埋没する恐れのない導電性微粒子を得ることができる。
また、結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層より内側に非結晶構造ニッケル−リンメッキ層を形成させることにより基材粒子の表面に対するめっき層の密着性を高めることができ、導電性、耐熱性に優れるとともに、導電層を割れにくくすることができ、耐衝撃性が向上した導電性微粒子とすることができる。これは、タングステンを含有させることにより、層が微細結晶化し、層が硬くなることにより耐衝撃性が向上するためと考えられる。
上記非結晶構造ニッケル−リンメッキ層は、含リン率の好ましい下限が10wt%、好ましい上限が18wt%である。10wt%未満であると、非結晶構造ニッケル−リンメッキ層が硬くなりすぎ、割れやすくなることがあり、18wt%を超えると、非結晶構造ニッケル−リンメッキ層が軟らかくなりすぎ、基材微粒子と導電層との密着性が低下することがある。
上記結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層は、含リン率の好ましい下限が1wt%、好ましい上限が8wt%である。1wt%未満であると、結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層が硬くなりすぎ、割れやすくなることがあり、8wt%を超えると、非結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層が軟らかくなりすぎ、導電性微粒子としての充分な性能が発揮できないことがある。
また、上記結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層は、含タングステン率の好ましい下限が0.5wt%、好ましい上限が5wt%である。0.5wt%未満であると、微細結晶化させ、上記結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層を硬くするタングステンの性質を充分に発揮できないことがあり、5wt%を超えると、上記結晶構造ニッケル−タングステン−リンメッキ層が硬くなりすぎ、割れやすくなることがある。
また、当然のことながら、本発明の導電性微粒子に用いられるめっき層は、鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化シフェニルエーテルなどの物質が含まないことが望ましい。
また、本発明の導電性微粒子は、銀めっきされた導電性微粒子と金めっきされた導電性微粒子との混合物として用いられてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(パラジウム付着工程)
平均粒子径が5μm、CV値が5%のジビニルベンゼン系重合体樹脂粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP−205」)10gを、エッチングし水洗した後、パラジウム触媒を8重量%含有するパラジウム触媒化液100ml中に添加し攪拌した。その後、濾取し、水洗した。更にpH6に調整された0.5重量%のジメチルアミンボラン液に添加し、パラジウムにより活性化された樹脂粒子を得た。
(芯物質付着工程)
得られた粒子を脱イオン水300ml中で3分間攪拌し、分散させた。しかる後、その水溶液に金属ニッケル粒子スラリー(三井金属社製「2020SUS」、平均粒子径200nm)1gを3分間かけて添加し、芯物質を付着させた基材微粒子を得た。
(無電解ニッケルメッキ工程)
得られた芯物質を付着させた基材微粒子に蒸留水500mlを加え、十分に分散させて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/l、次亜リン酸ナトリウム1水和物20g/l、クエン酸50g/lからなるpHを7.5に調整した無電解ニッケルメッキ液を徐々に添加し、無電解ニッケルメッキを行った。
(無電解銀メッキ)
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水1180mlに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド25g、クエン酸1水和物3.5gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を70℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mlを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性微粒子を得た。
実施例2
(パラジウム付着工程)
実施例1と同様にしてパラジウムにより活性化された樹脂粒子を得た。
(無電解ニッケルメッキ工程)
・無電解メッキ前期工程
得られた粒子を水1200mlで希釈し、この水溶液にメッキ安定剤1mlを添加した。しかる後、硫酸ニッケル450g/l、次亜リン酸ナトリウム150g/l、クエン酸ナトリウム116g/lを混合したメッキ安定剤を含まない混合溶液120mlを、81ml/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認した。メッキ液の自己分解が起こり異常析出によるニッケル微小突起の形成が起こった。
・無電解メッキ後期工程
次いで、更に硫酸ニッケル450g/l、次亜リン酸ナトリウム150g/l、クエン酸ナトリウム116g/l、およびメッキ安定剤35mlの混合溶液650mlを、27ml/分の添加速度で定量ポンプを通して添加した。その後、pHが安定するまで攪拌し、水素の発泡が停止するのを確認した。
次いで、メッキ液を濾過し、濾過物を水で洗浄した後、80℃の真空乾燥機で乾燥して、ニッケルメッキされた導電性微粒子を得た。
(無電解銀メッキ)
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを純水1180mlに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド25g、クエン酸1水和物3.5gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀メッキ液を調製した。
次に、得られたニッケルメッキ被膜が形成された粒子を無電解銀メッキ液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を70℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に純水約1000mlを振り掛け洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、導電性微粒子を得た。
(比較例1)
パラジウムにより活性化された樹脂粒子に対して、無電解ニッケルめっきを行ったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を得た。
(導電性微粒子の評価)
L/Sが100mmとされた銅ハ゜ターン回路が印刷されたプリント基板2枚を用い、配線回路の交差部に導電粒子と樹脂との混合ペーストを塗布し、混合ペーストを加熱硬化させて配線回路を接続した。ついで、接続された電極間の抵抗を四端子法にて測定した。評価結果を表1に示した。
Figure 2007242307
本発明によれば、導電性が良好で、更にニッケルメッキ被膜と銀メッキ被膜との密着性が優れた導電性微粒子、該導電性微粒子の製造方法、及び該導電性微粒子の製造に用いられる無電解銀メッキ液を提供できる。

Claims (1)

  1. 基材粒子の表面にニッケルメッキ被膜が形成され、該ニッケルメッキ被膜下地層の表面に無電解銀メッキにより銀メッキ被膜が形成され、最表面に微小突起を有することを特徴とする導電性微粒子。
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