JPWO2007125749A1 - ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤 - Google Patents

ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2007125749A1
JPWO2007125749A1 JP2008513132A JP2008513132A JPWO2007125749A1 JP WO2007125749 A1 JPWO2007125749 A1 JP WO2007125749A1 JP 2008513132 A JP2008513132 A JP 2008513132A JP 2008513132 A JP2008513132 A JP 2008513132A JP WO2007125749 A1 JPWO2007125749 A1 JP WO2007125749A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
alkyl
halo
cycloalkyl
cycloalkenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008513132A
Other languages
English (en)
Inventor
雅次 織田
雅次 織田
敬 古谷
敬 古谷
長谷部 元宏
元宏 長谷部
信孝 黒木
信孝 黒木
和彦 菊武
和彦 菊武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Nohyaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Nohyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Nohyaku Co Ltd filed Critical Nihon Nohyaku Co Ltd
Publication of JPWO2007125749A1 publication Critical patent/JPWO2007125749A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic System
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/0803Compounds with Si-C or Si-Si linkages
    • C07F7/081Compounds with Si-C or Si-Si linkages comprising at least one atom selected from the elements N, O, halogen, S, Se or Te
    • C07F7/0812Compounds with Si-C or Si-Si linkages comprising at least one atom selected from the elements N, O, halogen, S, Se or Te comprising a heterocyclic ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/48Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with two nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • A01N43/601,4-Diazines; Hydrogenated 1,4-diazines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D241/00Heterocyclic compounds containing 1,4-diazine or hydrogenated 1,4-diazine rings
    • C07D241/02Heterocyclic compounds containing 1,4-diazine or hydrogenated 1,4-diazine rings not condensed with other rings
    • C07D241/10Heterocyclic compounds containing 1,4-diazine or hydrogenated 1,4-diazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D241/14Heterocyclic compounds containing 1,4-diazine or hydrogenated 1,4-diazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D241/24Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D409/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D409/02Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms containing two hetero rings
    • C07D409/12Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms containing two hetero rings linked by a chain containing hetero atoms as chain links

Abstract

一般式(I)【化1】[式中、Xはフルオロ(C1−C3)アルキル基を示す。Aは例えば【化2】{式中、R4は水素原子、又は(C1−C2)アルキル基を示し、Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C1−C4)アルキル基を示す。}である。]で表され、植物病害防除剤においても低薬量で広い防除スペクトラムを有するピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。

Description

本発明はピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、及び該化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤並びにその使用方法に関する。
従来、ある種のピラジンカルボキサミド誘導体が植物病害防除活性を有することが知られている(例えば、特許文献1乃至5参照。)。特許文献1にはピラジンカルボン酸とアミノインダン類とのアミド化合物が開示されているが、アミン部位において本発明化合物とは置換基が異なる。特許文献2には3−クロロピラジン−2−カルボン酸とアニリン類とのアミド化合物が開示され、特許文献3には3−クロロピラジン−2−カルボン酸とアミノチオフェン類とのアミド化合物が開示されているが、本発明化合物とはピラジンカルボン酸部位の置換基が異なる。特許文献4にはピラジンカルボン酸とアニリン類とのアミド化合物が開示されているが、本発明化合物はアニリン部位の置換基の位置が2位と他の位置の組み合わせとなるジ置換アニリンに対し、特許文献4では3,4−ジ置換又はトリ置換アニリンとなり、アニリン部位の置換基パターンが異なる。特許文献5にはアニリン部位の2位にヘテロ環が置換したヘテロ環カルボン酸アニリド誘導体が開示されているが、本発明のカルボン酸部分がピラジン環である化合物の具体的記載はない。
特開平2−175号公報 特開平10−251240号公報 特開2001−151770号公報 特開2006−8675号公報 国際公開第2005/123722号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の化合物は灰色かび病やうどんこ病に対し実用レベルでは全く活性を示さず、特許文献2、3及び5に記載の化合物は殺菌活性を有するものの実用レベルでは十分な活性を示さない。また、特許文献4に記載の化合物は殺ダニ活性を有するものの殺菌活性は低い等の課題があった。この様に従来技術では植物病害防除剤としてその効力や防除スペクトラムの点で必ずしも十分ではなかった。近年、地球環境への負荷が注目されるようになり、植物病害防除剤においても低薬量で広い防除スペクトラムを有する化合物が求められていた。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体及びその塩類が植物病害防除剤として優れた防除効果を示すのみならず、極めて広い殺菌スペクトラムを有することを見いだし、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は
(1)一般式(I)
Figure 2007125749
[式中、Xはフルオロ(C−C)アルキル基を示す。Aは以下の基、
Figure 2007125749

{式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、(C−C)アラルキル基、Zにより置換された(C−C)アラルキル基、ヘテロ環基又はZにより置換されたヘテロ環基を示す。
は水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基又は(C−C)アルキニルオキシ基を示す。
は(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、フェニル基、Zにより置換されたフェニル基、フェノキシ基、Zにより置換されたフェノキシ基、ナフチル基又はナフチルオキシ基を示す。
は水素原子、又は(C−C)アルキル基を示す。
Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。
上記において、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。}を示す。]
で表されるピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(2)Xがフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基である前記(1)に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(3)Aが
Figure 2007125749
{式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基又はトリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、(C−C)アラルキル基、Zにより置換された(C−C)アラルキル基、ヘテロ環基又はZにより置換されたヘテロ環基を示す。ここで、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。
は水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基又は(C−C)アルキニルオキシ基を示す。
Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
である前記(1)又は(2)に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(4)Aが
Figure 2007125749
{式中、Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
である前記(1)又は(2)に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(5)Aが
Figure 2007125749
{式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、フェニル基、Zにより置換されたフェニル基、フェノキシ基、Zにより置換されたフェノキシ基、ナフチル基又はナフチルオキシ基を示す。ここで、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。
Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
である前記(1)又は(2)に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(6)Aが
Figure 2007125749
{式中、Rは水素原子、又は(C−C)アルキル基を示す。Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
である前記1又は2に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類、
(7)前記(1)乃至(6)いずれかに記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類を有効成分とする植物病害防除剤、及び
(8)有用植物から病害を防除するために前記(7)に記載の植物病害防除剤の有効量を対象植物又は土壌に処理することを特徴とする植物病害防除剤の使用方法、
に関する。
本発明は、従来技術に比べて優れた性能、特に植物病害防除剤として低薬量で広い防除スペクトラムを有する化合物を提供するものである。
本発明のピラジンカルボキサミド誘導体の一般式(I)の定義において、「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、沃素原子又はフッ素原子を示す。
「(C−C)アルキル基」とは、例えばメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルオクチル基等の、直鎖又は分鎖状の炭素原子数1〜8個のアルキル基を示す。
「ハロ(C−C)アルキル基」とは、同一又は異なってもよい1以上のハロゲン原子により置換された直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜8個のアルキル基を示し、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロイソプロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2,3−ジブロモプロピル基等を示す。
「(C−C)アルケニル基」とは、例えばビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、1−ヘキセニル基等の、直鎖又は分鎖状の炭素原子数2〜6個のアルケニル基を示す。
「(C−C)アルキニル基」とは、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−メチル−1−プロピニル基、2−メチル−3−プロピニル基、ペンチニル基、1−ヘキシニル基等の、直鎖又は分鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキニル基を示す。
「(C−C)アルコキシ基」とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基、イソプロポキシ基、ノルマルブトキシ基、セカンダリーブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、ノルマルペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ノルマルヘキシルオキシ基等の、直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルコキシ基を示す。
「(C−C)シクロアルキル基」とは、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の、炭素数3〜7個のシクロアルキル基を示す。
「(C−C)シクロアルケニル基」とは、例えばシクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基等の炭素数4〜7個のシクロアルケニル基を示す。
「(C−C)アルケニルオキシ基」とは、例えばプロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等の、直鎖又は分鎖状の炭素原子数2〜6個のアルケニルオキシ基を示す。
「(C−C)アルキニルオキシ基」とは、例えばプロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基等の、直鎖又は分鎖状の炭素原子数2〜6個のアルキニルオキシ基を示す。
「(C−C)アルキルチオ基」とは、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ノルマルプロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ノルマルブチルチオ基、セカンダリーブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、ノルマルペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ノルマルヘキシルチオ基等の、直鎖又は分岐鎖状の炭素原子数1〜6個のアルキルチオ基を示す。
「(C−C)アルコキシカルボニル基」とは、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜4個のアルコキシ基と結合したカルボニル基を示す。
「(C−C)アルキルカルボニル基」とは、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基等の、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜4個のアルキル基と結合したカルボニル基を示す。
「(C−C)アラルキル基」とは、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、フェニルプロピル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基等の、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基とフェニル基又はナフチル基とが結合した基を示す。
「ヘテロ環基」とはピリジル基、ピリジン−N−オキシド基、ピリミジニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基等の、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を有する5又は6員複素環基を示す。
また、「C−C」、「C−C」等の数字は対応する基の炭素数を示す。さらに、上記の基が結合した場合もそれぞれの基は同じ意味を示す。
本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体の塩類としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩等の無機酸塩類、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩類、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、トリメチルアンモニウム等の無機又は有機の塩基との塩類を例示することができる。
本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体において、Xとして好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基であり、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。
また、一般式(I)においてAが示す以下の基
Figure 2007125749
において、Yとして好ましくは水素原子、フッ素原子又はメチル基であり、更に好ましくは水素原子である。R及びRとして好ましくは、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基又は(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基であり、特に好ましくは(C−C)アルキル基又はハロ(C−C)アルキル基である。Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基又は(C−C)アルコキシ基である。Rとして好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体及びその塩類(以下、これらを総称して「本発明化合物」ということがある)は、例えば下記の製造方法1及び2に従って製造されるが、これらの方法に限定されるものではない。
製造方法1
Figure 2007125749

(式中、X及びAは前記に同じくし、Lは塩素原子、臭素原子、アルコキシ基等の脱離基を表す。)
上記反応式に従い、一般式(II)で表されるピラジンカルボン酸誘導体と一般式(III)で表されるアミン類とを塩基の存在下、不活性溶媒中反応させることにより一般式(I)で表される本発明のピラジンカルボキサミド誘導体を製造することができる。この反応における反応温度は通常約−20℃〜120℃の範囲で、反応時間は通常約0.2時間〜24時間の範囲で行われる。一般式(III)で表されるアミン類は、一般式(II)で表されるピラジンカルボン酸誘導体に対して通常約0.2〜5倍モルの範囲の量で使用される。
上記反応に用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類;酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類;カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン等の第三級アミン類;ピリジン、ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物;等を挙げることができる。かかる塩基の量は、一般式(II)で表されるピラジンカルボン酸誘導体に対して通常約0.5〜10倍モルの範囲で使用される。上記反応に使用できる不活性溶媒としては、該反応を著しく阻害しないものであればよく、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の鎖状又は環状エーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、水、酢酸等の極性溶媒;等を挙げることができ、これらの不活性溶媒は単独で又は2種以上混合して使用することができる。
上記反応に使用される一般式(II)で表されるピラジンカルボン酸誘導体は、特開2006−8675号公報記載の方法、又はそれに準じた方法で製造されうる。一般式(III)で表されるアミン類は、公知の文献(例えば、特開2005−520863号公報、特開2001−151770号公報、特開平10−251240号公報、特開平10−310577号公報、国際公開第2005/123722号パンフレット及び国際公開第2005/4606号パンフレット等を参照。)に記載の方法、又はそれらに準じた方法で製造されうる。
製造方法2
Figure 2007125749
(式中、X及びAは前記に同じ。)
上記反応式に従い、一般式(II−1)で表されるピラジンカルボン酸と一般式(III)で表されるアミン類とを縮合剤及び塩基の存在下、不活性溶媒中反応させることにより一般式(I)で表される本発明のピラジンカルボキサミド誘導体を製造することができる。この反応における反応温度は通常約−20℃〜120℃の範囲で、反応時間は通常約0.2時間〜24時間の範囲で行われる。一般式(III)で表されるアミン類は一般式(II−1)で表されるピラジンカルボン酸に対して通常約0.2〜5倍モルの範囲の量で使用される。
縮合剤としては、通常のアミド合成に使用されるものであればよく、特に制限されないが、例えば向山試薬(2−クロロ−N−メチルピリジニウム ヨージド)、DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、CDI(カルボニルジイミダゾール)、メチル クロロフォーメート、DEPC(シアノリン酸ジエチル)等を例示することができ、その使用量は、一般式(II−1)で表されるピラジンカルボン酸に対して等モル乃至過剰モルの範囲から適宜選択して使用すればよい。
塩基及び不活性溶媒としては、製造方法1に同じくすればよい。反応終了後、目的物を含む反応系から常法により単離すればよく、必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより目的物を製造することができる。
かくして得られる本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体の代表例を第1表乃至第4表に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。物性は融点(℃)又は屈折率(n(測定温度℃))を示す。なお、以下の第1表乃至第4表において、「Me」はメチル基を、「i−」はイソを、「c−」はシクロを示し、「Q1〜Q5」は以下の構造式で表されるヘテロ環基を示す。
また、第1表乃至第4表の「物性」の欄中「NMR」と記載している化合物について、そのH−NMRデータを第5表に示す。
Figure 2007125749
Figure 2007125749
Figure 2007125749
Figure 2007125749
Figure 2007125749

Figure 2007125749


Figure 2007125749
Figure 2007125749
Figure 2007125749
Figure 2007125749
本発明の一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類を有効成分として含有する植物病害防除剤は、特に水稲、果樹、野菜、その他作物及び花卉の植物病害防除に適している。
本発明の植物病害防除剤の使用対象は糸状菌類病害、細菌類病害、ウイルス病病害であり、例えば、不完全菌類による病害(例えば、ボトリチス(Botrytis) 属病害、ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属病害、フザリウム(Fusarium)属病害、セプトリア(Septoria)属病害、サルコスポラ(Cercospora)属病害、シュードサルコスポレラ(Pseudocercosporella)属病害、リンコスポリウム(Rhynchosporium)属病害、ピリキュラリア(Pyricularia)属病害、アルタナリア(Alternaria)属病害等)、担子菌類による病害(例えばヘミレリア(Hemilelia)属病害、リゾクトニア(Rhizoctonia)属病害、ウスティラゴ(Ustilago)属病害、ティフラ(Typhula)属病害、プッキニア(Puccinia)属病害等)、子のう菌類による病害(例えば、ベンチュリア(Venturia)属病害、ポドスフェラ(Podosphaera)属病害、レプトスファエリア(Leptosphaeria)属病害、ブルメリア(Blumeria)属病害、エリシフェ(Erysiphe)属病害、ミクロドキュウム(Microdochium)属病害、スクレロチニア(Sclerotinia)属病害、ゲウマノマイセス(Gaeumannomyces)属病害、モニリニア(Monilinia)属病害、ウンシヌラ(Unsinula)属病害等)、その他の菌類による病害(例えば、アスコクイタ(Ascochyta)属病害、フォマ(Phoma)属病害、ピシウム(Pythium)属病害、コルティシウム(Corticium)属病害、ピレノフォラ(Pyrenophora)属病害等)、細菌類による病害(例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属病害、ザントモナス(Xanthomonas)属病害、エルウィニア(Erwinia)属病害等)、あるいは、ウイルス類(例えば、タバコモザイクウイルス等)等による病害等の防除に適している。
具体的病害としては、例えば、イネいもち病(Magnaporthe grisea
)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、イネごま葉枯病(Cochiobolus miyabeanus)、イネ苗立ち枯れ病(Rhizopus chinensis, Pythium graminicola, Fusarium graminicola, Fusarium roseum, Mucor sp., Phoma sp., Tricoderma sp.)、イネ馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、オオムギ及びコムギ等のうどんこ病(Blumeria graminis)、キュウリ等のうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、ナス等のうどんこ病(Erysiphe cichoracoarum)及び他の宿主植物のうどんこ病、オオムギ及びコムギ等の眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ等の黒穂病(Urocystis tritici)、オオムギ及びコムギ等の雪腐病(Microdochium nivalis, Pythium iwayamai, Typhla ishikariensis, Typhla incarnata, Sclerotinia borealis)、オオムギ及びコムギ等の赤かび病(Fusarium graminearum, Fusarium avenaceum, Fusarium culmorum, Microdochium nivalis)、オオムギ及びコムギ等のさび病(Puccinia recondita, Puccinia striiformis, Puccinia graminis)、オオムギ及びコムギ等の立枯病(Gaeumannomyces graminis)、エンバクの冠さび病(Puccinia coronata)、及び他の植物のさび病、キュウリ、イチゴ等の灰色かび病(Botrytis cinerea)、トマト、キャベツ等の菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、ジャガイモ、トマト等の疫病(Phytophthora infestans)及び他の植物の疫病、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)等の種々の植物のべと病、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、リンゴ斑点落葉病(Alternaria mali) 、ナシ黒斑病(Alternaria kikuchiana)、カンキツ黒点病(Diaporthe citri)、カンキツそうか病(Elsinoe fawcetti)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola)、ラッカセイ褐斑病(Cercospora arachidicola)、ラッカセイ黒渋病(Cercospora personata)、コムギ葉枯れ病(Septoria tritici)、コムギふ枯れ病(Leptosphaeria nodorum)、オオムギ網斑病(Pyrenophora teres)、オオムギ斑葉病(Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)、コムギ裸黒穂病(Ustilago nuda)、コムギなまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、シバの葉腐病(Rhizoctonia solani)、シバのダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、Psuedomonas属による、例えばキュウリ斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv. lachrymans)、トマト青枯病(Pseudomonas solanacearum)及びイネ籾枯細菌病(Pseudomonas glumae)、Xanthomonas属による、例えばキャベツ黒腐病(Xanthomonas campestris)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)及びカンキツかいよう病(Xanthomonas citri)、Erwinia属による、例えばキャベツ軟腐病(Erwinia carotovora)等の細菌病、タバコモザイク病(Tobacco mosaic virus)等のウイルス病等が挙げられる。
本発明の植物病害防除剤を使用できる植物は特に限定されるものではないが、例えば、穀類(例えば、イネ、オオムギ、コムギ、ライムギ、オートムギ、トウモロコシ、高粱等)、豆類(大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、落花生等)、果樹・果実類(リンゴ、柑橘類、梨、ブドウ、桃、梅、桜桃、クルミ、アーモンド、バナナ、イチゴ等)、野菜類(キャベツ、トマト、ほうれん草、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン等)、根菜類(ニンジン、馬鈴薯、サツマイモ、大根、蓮根、かぶ等)、加工用作物類(綿、麻、コウゾ、ミツマタ、菜種、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等)、瓜類(カボチャ、キュウリ、スイカ、メロン等)、牧草類(オーチャードグラス、ソルガム、チモシー、クローバー、アルファルファ等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、香料等用作物類(ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、胡椒、しょうが等)、花卉類(キク、バラ、蘭等)等の植物が挙げられる。
また、近年、遺伝子組み換え作物(除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、保存性向上作物、収量向上作物等)、昆虫性フェロモン(ハマキガ類、ヨトウガ類の交信攪乱剤等)、天敵昆虫等を用いたIPM(総合的害虫管理)技術が進歩しており、本発明の植物病害防除剤はそれらの技術と併用、あるいは体系化して用いることができる。
本発明化合物を植物病害防除剤の有効成分として用いる場合、他の成分を加えずそのまま用いてもよいが、通常は農薬製剤上の常法に従い使用上都合の良い形状に製剤して使用するのが一般的である。
即ち、一般式(I)で表されるピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類は、これらを適当な不活性担体に、又は必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合に配合して溶解、分離、懸濁、混合、含浸、吸着若しくは付着させて適宜の剤型、例えば懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、パック剤等に製剤して使用される。
本発明で使用できる不活性担体としては固体又は液体の何れであってもよく、固体の担体になりうる材料としては、例えば、ダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末、植物エキス抽出後の残渣、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えばカオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えば、タルク、ピロフィライト等)、シリカ類{例えば珪藻土、珪砂、雲母、ホワイトカーボン(含水微粉珪素、含水珪酸ともいわれる合成高分散珪酸で、製品により珪酸カルシウムを主成分として含むものもある。)}、活性炭、イオウ粉末、軽石、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の無機鉱物性粉末、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック担体、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等の化学肥料、堆肥等を挙げることができ、これらは単独で若しくは二種以上の混合物の形で使用される。
液体の担体になりうる材料としては、それ自体溶媒能を有するものの他、溶媒能を有さずとも補助剤の助けにより有効成分たる化合物を分散させうることとなるものから選択され、例えば代表例として次に挙げる担体を例示できる。すなわち、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(例えば、エチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、塩素化ベンゼン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、ジイソプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ−ト等)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができる。これら液体の担体は、単独で若しくは2種以上の混合物の形で使用される。
他の補助剤としては次に例示する代表的な補助剤をあげることができ、これらの補助剤は目的に応じて使用され、単独で、ある場合は二種以上の補助剤を併用し、又ある場合には全く補助剤を使用しないこともできる。
有効成分たる化合物の乳化、分散、可溶化及び/又は湿潤の目的のために界面活性剤を使用することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等の界面活性剤を挙げることができる。
また、有効成分化合物の分散安定化、粘着及び/又は結合の目的のために、次に例示する補助剤を使用することもでき、例えば、カゼイン、ゼラチン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等の補助剤を使用することもできる。
固体製品の流動性改良のために次に挙げる補助剤を使用することもでき、例えば、ワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等の補助剤を使用できる。懸濁性製品の解こう剤として、例えばナフタレンスルホン酸縮合物、縮合燐酸塩等の補助剤を使用することもできる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン油等の補助剤を使用することができる。
防腐剤としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、パラクロロメタキシレノール、パラオキシ安息香酸ブチル等を使用することができる。
更に必要に応じて機能性展着剤、ピペロニルブトキサイド等の代謝分解阻害剤等の活性増強剤、プロピレングリコール等の凍結防止剤、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等の酸化防止剤、紫外線吸収剤等その他の添加剤を使用することもできる。
本発明の植物病害防除剤において、有効成分である本発明化合物の配合割合は、必要に応じて加減することができ、植物病害防除剤100重量部中、0.01〜90重量部の範囲から適宜選択して使用すればよく、例えば、乳剤、水和剤、粉剤又は粒剤とする場合は0.01〜50重量%が適当である。
本発明の植物病害防除剤は各種病害を防除するためにそのまま、又は水等で適宜希釈し、若しくは懸濁させた形で使用すればよい。
本発明の植物病害防除剤の使用量は特に限定されず、種々の因子、例えば、目的、対象病害、作物の生育状況、病害の発生傾向、天候、環境条件、剤型、施用方法、施用場所、施用時期等によっても変動するが、通常は有効成分である本発明化合物の量に換算して10アール当たり0.001g〜10kg、好ましくは0.01g〜1kgの範囲から目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明の植物病害防除剤は、更に防除対象病害虫、防除適期の拡大のため、或いは薬量の低減をはかる目的で、他の農園芸用殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、生物農薬等と混合して使用することも可能であり、また、使用場面に応じて除草剤、植物成長調節剤、肥料等と混合して使用することもできる。
かかる目的で使用する他の農園芸殺菌剤としては、例えば、硫黄、石灰硫黄合剤、塩基性硫酸銅、イプロベンホス、エディフェンホス、トルクロホス・メチル、チラム、ポリカーバメイト、ジネブ、マンゼブ、マンコゼブ、プロピネブ、チオファネート、チオファネートメチル、ベノミル、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、フラメトピル、チフルザミド、メタラキシル、オキサジキシル、カルプロパミド、ジクロフルアニド、フルスルファミド、クロロタロニル、クレソキシム・メチル、フェノキサニル、ヒメキサゾール、エクロメゾール、フルオルイミド、プロシミドン、ビンクロゾリン、イプロジオン、トリアジメホン、ビテルタノール、トリフルミゾール、イプコナゾール、フルコナゾール、プロピコナゾール、ジフェノコナゾール、ミクロブタニル、テトラコナゾール、ヘキサコナゾール、テブコナゾール、チアジニル、イミベンコナゾール、プロクロラズ、ペフラゾエート、シプロコナゾール、イソプロチオラン、フェナリモル、ピリメタニル、メパニピリム、ピリフェノックス、フルアジナム、トリホリン、ジクロメジン、アゾキシストロビン、オリサストロビン、チアジアジン、キャプタン、プロベナゾール、アシベンゾラルSメチル、フサライド、トリシクラゾール、ピロキロン、キノメチオネート、オキソリニック酸、ジチアノン、カスガマイシン、バリダマイシン、ポリオキシン、ブラストサイジン又はストレプトマイシン等を挙げることができる。
同様の目的で使用する他の農園芸用殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤としては、例えば、エチオン、トリクロルホン、メタミドホス、アセフェート、ジクロルボス、メビンホス、モノクロトホス、マラチオン、ジメトエート、ホルモチオン、メカルバム、バミドチオン、チオメトン、ジスルホトン、オキシデプロホス、ナレッド、メチルパラチオン、フェニトロチオン、シアノホス、プロパホス、フェンチオン、プロチオホス、プロフェノホス、イソフェンホス、テメホス、フェントエート、ジメチルビンホス、クロルフェビンホス、テトラクロルビンホス、ホキシム、イソキサチオン、ピラクロホス、メチダチオン、クロロピリホス、クロルピリホス・メチル、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、ピリミホスメチル、ホサロン、ホスメット、ジオキサベンゾホス、キナルホス、テルブホス、エトプロホス、カズサホス、メスルフェンホスDPS(NK−0795)、ホスホカルブ、フェナミホス、イソアミドホス、ホスチアゼート、イサゾホス、エナプロホス、フェンチオン、ホスチエタン、ジクロフェンチオン、チオナジン、スルプロホス、フェンスルフォチオン、ジアミダホス、ピレトリン、アレスリン、プラレトリン、レスメトリン、ペルメトリン、テフルトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シペルメトリン、アルファシペルメトリン、シハロトリン、ラムダシハロトリン、デルタメトリン、アクリナトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、シクロプロトリン、エトフェンプロックス、ハルフェンプロックス、シラフルオフェン、フルシトリネート、フルバリネート、メソミル、オキサミル、チオジカルブ、アルジカルブ、アラニカルブ、カルタップ、メトルカルブ、キシリカルブ、プロポキスル、フェノキシカルブ、フェノブカルブ、エチオフェンカルブ、フェノチオカルブ、ビフェナゼート、BPMC(2−セコンダリーブチルフェニル−N−メチルカーバメート)、カルバリル、ピリミカーブ、カルボフラン、カルボスルファン、フラチオカルブ、ベンフラカルブ、アルドキシカルブ、ジアフェンチウロン、ジフルベンズロン、テフルベンズロン、ヘキサフルムロン、ノバルロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、クロルフルアズロン、酸化フェンブタスズ、水酸化トリシクロヘキシルスズ、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、メトプレン、ハイドロプレン、ビナパクリル、アミトラズ、ジコホル、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、ベンスルタップ、ベンゾメート、テブフェノジド、メトキシフェノジド、ピリダリル、メタフルミゾン、フルベンジアミド、クロマフェノジド、プロパルギット、アセキノシル、エンドスルファン、ジオフェノラン、クロルフェナピル、フェンピロキシメート、トルフェンピラド、フィプロニル、テブフェンピラド、トリアザメート、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス、硫酸ニコチン、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフラン、フルアジナム、ピリプロキシフェン、ヒドラメチルノン、ピリミジフェン、ピリダベン、シロマジン、TPIC(トリプロピルイソシアヌレート)、ピメトロジン、クロフェンテジン、ブプロフェジン、チオシクラム、フェナザキン、キノメチオネート、インドキサカルブ、ポリナクチン複合体、ミルベメクチン、アバメクチン、エマメクチン・ベンゾエート、スピノサッド、BT(バチルス・チューリンゲンシス)、アザディラクチン、ロテノン、ヒドロキシプロピルデンプン、塩酸レバミゾール、メタム・ナトリウム、酒石酸モランテル、ダゾメット、トリクラミド、バストリア又はモナクロスポリウム・フィマトパガム等を挙げることができる。
同様に、他の除草剤としては、例えば、グリホサート、スルホセート、グルホシネート、ビアラホス、ブタミホス、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ベンチオカーブ、ピリブチカルブ、アシュラム、リニュロン、ダイムロン、イソウロン、ベンスルフロンメチル、シクロスルファムロン、シノスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、アジムスルフロン、イマゾスルフロン、テニルクロール、アラクロール、プレチラクロール、クロメプロップ、エトベンザニド、メフェナセット、ペンディメタリン、ビフェノックス、アシフルオフェン、ラクトフェン、シハロホップブチル、アイオキシニル、ブロモブチド、アロキシジム、セトキシジム、ナプロパミド、インダノファン、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラフルフェンエチル、イマザピル、スルフェントラゾン、カフェンストロール、ベントキサゾン、オキサジアゾン、パラコート、ジクワット、ピリミノバック、シマジン、アトラジン、ジメタメトリン、トリアジフラム、ベンフレセート、フルチアセットメチル、キザロホップ・エチル、ベンタゾン又は過酸化カルシウム等を挙げることができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが発明の要旨を超えない限りそれらに限定されるものではない。
実施例1: N-[2-(1,3-ジメチルブチル)フェニル]−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(第1表の化合物No.1−1)の製造
3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸(0.15g;0.78mmol)、2−(1−ヒドロキシー1,3−ジメチルブチル)アニリン(0.15g;0.78mmol)のクロロホルム溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.15g;0.78mmol)を加え、室温にて10時間攪拌した。反応終了後、水を加え分液した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製してN-[2-(1−ヒドロキシ−1,3-ジメチルブチル)フェニル]−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(0.23g;収率80%)を得た。その物性データを以下に示す。
物性;H−NMR[CDCl/TMS,δ値(ppm)]
0.70(3H,d), 0.90(3H,d), 1.65(H,m), 1.75(3H,s), 1.90(2H,m), 2.10(1H,br), 7.10(1H,t), 7.25(1H,d), 7.30(1H,t), 8.50(1H,d), 8.80(1H,d), 8.82(1H,d), 11.60(1H,br).
上記で得たN-[2-(1−ヒドロキシ−1,3-ジメチルブチル)フェニル]−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(0.23g;0.63mmol)のトルエン溶液にp−トルエンスルホン酸(0.05g)を加え3時間加熱還流した。冷却後、水を加え分液した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮した残渣に、5%Pd/C(0.2g)及びエタノールを加え水素添加した。反応終了後濾過し、濾液を減圧下に濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して表題化合物(0.17g;収率75%)を得た。その物性データを次に示す。
物性;nD=1.5378(22℃)
実施例2: N−(1,1,3−トリメチルインダン−4−イル)−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(第2表の化合物No.2−1)の製造
4−アミノ−1,1,3−トリメチルインダン(0.26g;1.5mmol)及び3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸クロリド(0.32g;1.5mmol)のTHF(テトラヒドロフラン)(10ml)溶液にトリエチルアミン(0.2g;2mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製して表題化合物(0.45g;収率87%)を得た。その物性データを次に示す。
物性;融点 161.7〜162.2℃
実施例3: N−[2−(3,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(第3表の化合物No.3−1)の製造
3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボン酸(0.2g;1.04mmol)、3−アミノ−2−(3,3−ジメチルブチル)チオフェン(0.18g;0.98mmol)のクロロホルム溶液に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.21g;1.1mmol)及びトリエチルアミン(0.15g;1.5mmol)を加え、室温にて10時間攪拌した。反応終了後、水を加え分液した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して表題化合物(0.25g;収率67%)を得た。その物性データを次に示す。
物性;H−NMR[CDCl/TMS,δ値(ppm)]
0.90(6H,d), 1.30(3H,d), 1.50(1H,m), 1.55(2H,m), 3.15(1H,m), 7.16(1H,d), 7.66(1H,d), 8.80(1H,d), 8.90(1H,d), 9.30(1H,br).
以下に本発明の代表的な製剤例及び試験例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、製剤例中、「部」とあるのは重量部を示す。
[製剤例1]
Figure 2007125749
以上を均一に混合溶解して乳剤とする。
[製剤例2]
Figure 2007125749
以上を均一に混合粉砕して粉剤とする。
[製剤例3]
Figure 2007125749
以上を均一に混合し、適量の水を加えて混練し、造粒、乾燥して粒剤とする。
[製剤例4]
Figure 2007125749
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
次に、本発明化合物が植物病害防除剤として有用であることを試験例で示す。なお、本発明化合物は第1表乃至第4表に記載の化合物番号で示す。また、比較対照化合物として下記の4つの化合物を用いて同様の評価を行った。
比較化合物A: 3−メチル−N−(2−メチルインダン−4−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(特開平2−175号公報に記載の化合物番号13の化合物)
比較化合物B: N−{3−イソブチル−4−[1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}−3−トリフルオロメチルピラジン−2−カルボキサミド(特開2006−8675号公報に記載の化合物番号1−43の化合物)
比較化合物C: 3−クロロ−N−[2−(3,3−ジメチルブチル)チオフェン−3−イル]ピラジン−2−カルボキサミド(特開2001−151770号公報に記載の化合物番号1−25の化合物)
比較化合物D: 3−クロロ−N−[2−(3,3−ジメチルブチル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド(特開平10−251240号公報に記載の化合物番号20の化合物)
[試験例1]リンゴ黒星病防除効果試験
ポットで育成したリンゴ苗木(品種:王林)に本発明化合物を製剤例1にしたがって調製した乳剤を水で所定量に希釈して茎葉散布した。散布翌日にPSA培地で培養して得られたリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis) の胞子懸濁液を噴霧接種し、20℃多湿条件下で保持した。接種14日後に下記数式(1)に従って防除価(%)を求め、下記の判定基準に従って防除効果を判定した。なお、防除価の小数点以下は四捨五入した。
Figure 2007125749
判定基準
Figure 2007125749
上記の試験の結果、本発明化合物は有効成分濃度200ppm、散布薬量50mLにおいて所望の防除効果を示すことがわかり、特に化合物No.1−1、1−3、1−16、2−1、3−1、4−2は判定基準10の高い活性を示した。
[試験例2]キュウリ灰色かび病防除効果試験
直径9cmのポットで育苗した1葉期のキュウリ(品種:四葉)に本発明化合物を製剤例1にしたがって調製した乳剤を水で所定量に希釈して茎葉散布した。散布翌日にPSA培地で培養して得られたキュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の胞子懸濁液を直径6mmのペーパーディスクに含浸させてキュウリ子葉に置床接種し、20℃多湿条件下で保持した。接種7日後に下記数式(2)に従って防除価を求め、試験例1の判定基準に従って防除効果を判定した。
Figure 2007125749
上記の試験の結果、本発明化合物は有効成分濃度200ppm、散布薬量50mLにおいて所望の防除効果を示すことがわかり、特に化合物No.1−1、1−3、1−16、1−33、1−35、1−39、2−1、3−1は判定基準10の高い活性を示した。比較化合物A乃至Bは判定基準0で効果を示さなかった。比較化合物Cは判定基準2、比較化合物Dは判定基準3で低い活性であった。
[試験例3]オオムギうどんこ病防除効果試験
直径6cmのポットで育苗した1葉期のオオムギ(品種:関東6号)に本発明化合物を製剤例1にしたがって調製した乳剤を水で所定量に希釈して茎葉散布した。散布翌日にオオムギうどんこ病菌(Blumeria graminis hordei)に罹病したオオムギ葉から得られた胞子を振りかけて接種し、温室内で保持した。接種7日後に試験例1の判定基準に従って防除効果を判定した。
上記の試験の結果、本発明化合物は有効成分濃度200ppm、散布薬量50mLにおいて所望の防除効果を示すことがわかり、特に化合物No.1−1、1−3、1−16、1−37、1−39、2−1、3−1、4−1、4−2は判定基準10の高い活性を示した。
[試験例4]コムギ赤さび病防除効果試験
直径6cmのポットで育苗した1葉期のコムギ(品種:ホクシン)に本発明化合物を製剤例1にしたがって調製した乳剤を水で所定量に希釈して茎葉散布した。散布翌日にコムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)に罹病したコムギ葉から得られた胞子懸濁液を噴霧接種し、20℃多湿条件下で保持した。接種7日後に試験例1の判定基準に従って防除効果を判定した。
上記の試験の結果、本発明化合物は有効成分濃度200ppm、散布薬量50mLにおいて所望の防除効果を示すことがわかり、特に化合物No.1−1、1−3、1−16、1−37、1−38、1−39、2−1、3−1、4−1、4−2は判定基準10の高い活性を示した。
本発明の化合物は、地球環境への負荷が少なく、農園芸用植物病に対して低薬量で広い防除スペクトラムを有し、優れた防除効果を示す植物病害防除剤として有用である。

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 2007125749
    [式中、Xはフルオロ(C−C)アルキル基を示す。Aは以下の基、
    Figure 2007125749

    {式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、(C−C)アラルキル基、Zにより置換された(C−C)アラルキル基、ヘテロ環基又はZにより置換されたヘテロ環基を示す。
    は水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基又は(C−C)アルキニルオキシ基を示す。
    は(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、フェニル基、Zにより置換されたフェニル基、フェノキシ基、Zにより置換されたフェノキシ基、ナフチル基又はナフチルオキシ基を示す。
    は水素原子、又は(C−C)アルキル基を示す。
    Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。
    上記において、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。}を示す。]
    で表されるピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  2. Xがフルオロメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基である請求の範囲1に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  3. Aが
    Figure 2007125749
    {式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基又はトリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、(C−C)アラルキル基、Zにより置換された(C−C)アラルキル基、ヘテロ環基又はZにより置換されたヘテロ環基を示す。ここで、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。
    は水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基又は(C−C)アルキニルオキシ基を示す。
    Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
    である請求の範囲1又は2に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  4. Aが
    Figure 2007125749
    {式中、Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
    である請求の範囲1又は2に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  5. Aが
    Figure 2007125749
    {式中、Rは(C−C)アルキル基、ハロ(C−C)アルキル基、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル基、(C−C)アルケニル基、ハロ(C−C)アルケニル基、(C−C)アルキニル基、(C−C)アルコキシ基、ハロ(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルケニルオキシ基、ハロ(C−C)アルケニルオキシ基、(C−C)アルキニルオキシ基、(C−C)シクロアルキル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキル基、(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニル基、(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルキルオキシ基、(C−C)シクロアルケニルオキシ基、(C−C)アルキル(C−C)シクロアルケニルオキシ基、トリ(C−C)アルキルシリル(C−C)アルキル基、フェニル基、Zにより置換されたフェニル基、フェノキシ基、Zにより置換されたフェノキシ基、ナフチル基又はナフチルオキシ基を示す。ここで、Zはハロゲン原子、(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、(C−C)アルキルチオ基、シアノ基、(C−C)アルコキシカルボニル基、(C−C)アルキルカルボニル基、(C−C)ハロアルキル基、(C−C)ハロアルコキシ基又はフェニル基から独立して選ばれる1〜3の置換基を示し、隣接した2つのZはメチレンジオキシ基又はジフルオロメチレンジオキシ基を示すことができる。
    Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
    である請求の範囲1又は2に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  6. Aが
    Figure 2007125749
    {式中、Rは水素原子、又は(C−C)アルキル基を示す。Yは水素原子、ハロゲン原子又は(C−C)アルキル基を示す。}
    である請求の範囲1又は2に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類。
  7. 請求の範囲1乃至6いずれか1項に記載のピラジンカルボキサミド誘導体又はその塩類を有効成分とする植物病害防除剤。
  8. 有用植物から病害を防除するために請求の範囲7に記載の植物病害防除剤の有効量を対象植物又は土壌に処理することを特徴とする植物病害防除剤の使用方法。
JP2008513132A 2006-04-26 2007-04-11 ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤 Pending JPWO2007125749A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006121769 2006-04-26
JP2006121769 2006-04-26
PCT/JP2007/057938 WO2007125749A1 (ja) 2006-04-26 2007-04-11 ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2007125749A1 true JPWO2007125749A1 (ja) 2009-09-10

Family

ID=38655282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008513132A Pending JPWO2007125749A1 (ja) 2006-04-26 2007-04-11 ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2007125749A1 (ja)
WO (1) WO2007125749A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2012014304A (es) * 2010-06-07 2013-05-30 Dow Agrosciences Llc Carboxamidas de pirazinilo como fungicidas.
CN111741951B (zh) * 2018-03-02 2023-08-18 日本农药株式会社 酰胺化合物或其盐类、以及含有这些化合物的农业园艺用杀菌剂及其使用方法
CN108892646A (zh) * 2018-08-03 2018-11-27 上海凯爱网络科技有限公司 一种含二苯醚基的6-氯-2-吡嗪酰胺类化合物及其制备方法与应用
CN111285815A (zh) * 2018-12-07 2020-06-16 沈阳中化农药化工研发有限公司 一种吡嗪酰胺类化合物及用途

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH089601B2 (ja) * 1987-02-25 1996-01-31 三菱化学株式会社 N‐インダニルカルボン酸アミド誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPH08176112A (ja) * 1994-12-22 1996-07-09 Mitsui Toatsu Chem Inc N,n−ジ置換アニリン誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JP3385264B2 (ja) * 1995-04-11 2003-03-10 三井化学株式会社 置換チオフェン誘導体およびこれを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JP3982879B2 (ja) * 1996-08-15 2007-09-26 三井化学株式会社 置換カルボン酸アニリド誘導体およびこれを有効成分とする植物病害防除剤
JP2006002675A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Ricoh Co Ltd 液駆動装置、冷却装置、液駆動方法、冷却方法、熱定着装置、及び画像形成装置
GB0413970D0 (en) * 2004-06-22 2004-07-28 Syngenta Participations Ag Chemical compounds

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007125749A1 (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5084721B2 (ja) N−2−(ヘテロ)アリールエチルカルボキサミド誘導体及びこれを含有する有害生物防除剤
JP5090351B2 (ja) ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤
EP2132987B1 (en) Nematicidal agent composition and method of using the same
JP5136737B2 (ja) 4−シクロプロピル−1,2,3−チアジアゾール誘導体及び農園芸用植物病害防除剤並びにその使用方法
JP2009023994A (ja) 農園芸用殺菌剤組成物及びその使用方法
JP2001131141A (ja) フタラミド誘導体又はその塩類及び農園芸用殺虫剤並びにその使用方法
JP2008222709A (ja) 有害生物防除剤組成物及びその使用方法
KR100447464B1 (ko) 옥심 o-에테르 화합물과 농원예용 살진균제
JPWO2007125749A1 (ja) ピラジンカルボキサミド誘導体及びこれを含有する植物病害防除剤
US5770614A (en) 2-(substituted phenyl)-2-alkoxyimino-N-alkylacetamide compounds and fungicides containing the same
JP5077523B2 (ja) 置換ピラゾールカルボン酸アニリド誘導体又はその塩類、その中間体及び農園芸用薬剤並びにその使用方法
JPH09124640A (ja) ピリジルイミダゾール化合物、製法および農園芸用殺菌剤
JPH09235262A (ja) 新規ベンズアミドオキシム誘導体、その製法及び農園芸用殺菌剤
RU2425036C2 (ru) Производные пиразинкарбоксамида и средства, содержащие их, для подавления болезней растений
JP2012092033A (ja) 2−アミノチアゾールカルボキサミド誘導体及びその使用方法
JP2004323516A (ja) 3−アシルアミノサリチル酸アミド誘導体、製造法及び農園芸用殺菌剤
MXPA96005685A (en) Compounds of 2- (phenyl-substituted) -2-alcoxyimin-n-alkylacetamide fungicides that contains them