JPWO2007046475A1 - 高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を紙管に積層したチーズ状パッケージであって、以下に示す(1)〜(4)の要件を満足することを特徴とする高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。(1)複合繊維を構成する単糸の断面形状が、長軸と短軸の比で示される扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、(3)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)と巻重量W(kg)との関係が、下記(式1)で表され、2≦W≦0.02S (式1)但し、240≦S≦1000(4)複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.92〜1.05g/cm3である。
Description
本発明は、直接紡糸延伸熱処理法で得られるポリトリメチレンテレフタレート系の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ及びその製造方法に関する。
ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称する)繊維は、低モジュラスで且つ、伸長回復性に優れることから、その柔らかさとストレッチ性を特長として、近年工業的な使用が拡大しつつある。
PTT繊維のストレッチ性を、一層際立たせる目的で、単糸を構成する少なくとも一方の成分にPTTを用いるか、両方の成分に固有粘度の異なるPTTを用いたサイド−バイ−サイド型の2成分系複合繊維(以下、PTT系複合繊維と言う)が提案されている。
PTT繊維のストレッチ性を、一層際立たせる目的で、単糸を構成する少なくとも一方の成分にPTTを用いるか、両方の成分に固有粘度の異なるPTTを用いたサイド−バイ−サイド型の2成分系複合繊維(以下、PTT系複合繊維と言う)が提案されている。
両方の成分に固有粘度が異なるPTTを用いたPTT系複合繊維は、PTT本来の柔らかさと伸長回復性を発現できることから、一方の成分のみにPTTを用いた複合繊維に比べて、PTTの特長を一層発現できる点で優れている。
PTT系複合繊維の製造方法としては、紡糸工程と延伸工程を二段階で行う方法(以下、二段階法と言う)と、これを連続して行う一段階法、いわゆる直接紡糸延伸熱処理法がある。
PTT系複合繊維の製造方法としては、紡糸工程と延伸工程を二段階で行う方法(以下、二段階法と言う)と、これを連続して行う一段階法、いわゆる直接紡糸延伸熱処理法がある。
公知の二段階法による巻取は、アルミニュームなどの圧縮強度の高い金属製ボビンに薄いプラスチック筒を被覆したボビンに巻き取られる。
二段階法では、通常は金属製ボビンを使用することから、延伸糸の巻取張力や沸水収縮率を高くしても、ボビンが圧縮変形することはない。特に、沸水収縮率を高く出来ることは、2成分の熱処理後の収縮差を利用して捲縮性能を付与する複合繊維においては、捲縮性能を上げるために有利である。
二段階法では、通常は金属製ボビンを使用することから、延伸糸の巻取張力や沸水収縮率を高くしても、ボビンが圧縮変形することはない。特に、沸水収縮率を高く出来ることは、2成分の熱処理後の収縮差を利用して捲縮性能を付与する複合繊維においては、捲縮性能を上げるために有利である。
一方、二段階法が一段階法と比較して不利な点も2つ挙げられる。
1つは、巻形状がテーパー巻であることから、巻重量を大きくすることができない。二段階法でのPTT系複合繊維の巻重量は高々2〜3kgである。近年は、織編機の高速化、省力化が進む中、二段階法においては巻重量の増大の要求に対応できない。
1つは、巻形状がテーパー巻であることから、巻重量を大きくすることができない。二段階法でのPTT系複合繊維の巻重量は高々2〜3kgである。近年は、織編機の高速化、省力化が進む中、二段階法においては巻重量の増大の要求に対応できない。
もう1つは、原糸製造工程の省力化が困難である。二段階法は、紡糸と延伸が別工程であるから、一段階法に比べて人手がかかり、結果的に原糸製造コストが高くなる。そのため、最近、一段階法として直接紡糸延伸熱処理法が検討されている。
特許文献1には、単糸を構成する両方の成分に固有粘度の異なるPTTを用いて、高い収縮応力を有するPTT系複合繊維が提案されている。
特許文献1には、単糸を構成する両方の成分に固有粘度の異なるPTTを用いて、高い収縮応力を有するPTT系複合繊維が提案されている。
特許文献2には、仮撚加工に適したPTT系複合繊維が記載されている。このPTT系複合繊維は、仮撚加工によりソフトな風合いと良好なストレッチバック性を有することが示されており、この特性を活かして種々のストレッチ編織物、或いは、嵩高性編織物への応用が可能であることが開示されている。
特許文献3には、PTT系複合繊維が積層されたパッケージが開示されており、パッケージから複合繊維を解舒する際の張力変動を低減することができると記載されている。
直接紡糸延伸熱処理法は、前述した通り二段階法に比較して製造コストが安価にできるという利点があるものの、PTT系複合繊維の捲縮性能、パッケージに巻取る場合、高温で長時間保管する場合などにいくつかの解決すべき課題がある。
直接紡糸延伸熱処理法は、前述した通り二段階法に比較して製造コストが安価にできるという利点があるものの、PTT系複合繊維の捲縮性能、パッケージに巻取る場合、高温で長時間保管する場合などにいくつかの解決すべき課題がある。
直接紡糸延伸熱処理法の第1の課題は、巻取る時のパッケージの巻締り問題である。
直接紡糸延伸熱処理法における巻取りでは、複合繊維は、一般に材質が紙製の円筒ボビン(以下、紙管と言う)に積層され、巻重量も2kg〜十数kgのパッケージとして巻き取られる。
直接紡糸延伸熱処理法における巻取りでは、複合繊維は、一般に材質が紙製の円筒ボビン(以下、紙管と言う)に積層され、巻重量も2kg〜十数kgのパッケージとして巻き取られる。
直接紡糸延伸熱処理法により製造され、紙管に巻かれたPTT系複合繊維は、延伸時に受けた伸長応力がパッケージに積層された後に収縮応力として残留し、PTT系複合繊維が収縮する。この収縮により、紙管が圧縮され、いわゆるパッケージの巻締りが生じる。パッケージの巻締りが顕著な場合には、巻取機のボビン軸からパッケージを取り外すことが不可能な場合が生じることがある。したがって、このような巻締りが生じると、工業的な生産が困難になる。
巻取機のボビン軸から単にパッケージを取り外すためだけならば、経済性を無視する程度にまで紙管を強固にして圧縮強度を上げればよい。しかしながら、そのような方法で巻き取ったパッケージは、巻き姿不良を生ずる。巻き姿不良の例として、パッケージ中層部が紙管の長さ方向に膨らむ、いわゆる「バルジ」形状や、パッケージの端面が紙管の直径方向に膨らむ、いわゆる「サドル」形状が挙げられる。このような巻き姿の異常が顕著になれば、パッケージの梱包が困難になったり、パッケージからの繊維の解舒不良を引き起こしたり、品質異常が生じる。
直接紡糸延伸熱処理法の第2の課題は、パッケージを高温長時間保管後に使用する際の、最内層に巻かれたPTT系複合繊維の解舒性や品質問題である。
高い捲縮性能を有するPTT系複合繊維を、輸送や貯蔵する場合に45℃以上の高温に長時間曝されると、パッケージに巻かれたPTT系複合繊維の収縮による巻締り現象により、前述したパッケージの巻き姿不良が発生したり、最内層部(紙管から巻き厚み約1mm部分を指す)の繊維同士があたかも接着したかのような擬「膠着」状態が発生する。
高い捲縮性能を有するPTT系複合繊維を、輸送や貯蔵する場合に45℃以上の高温に長時間曝されると、パッケージに巻かれたPTT系複合繊維の収縮による巻締り現象により、前述したパッケージの巻き姿不良が発生したり、最内層部(紙管から巻き厚み約1mm部分を指す)の繊維同士があたかも接着したかのような擬「膠着」状態が発生する。
このような巻締りが発生したパッケージからPTT系複合繊維を400〜1000m/分の高速で解舒すると、パッケージ最内層部のPTT系複合繊維の解舒張力変動が著しく大きくなり、別のパッケージの表層の糸との糸繋ぎ部分を解舒する時、即ち、テール移行時に糸切れが多発することが明らかになった。また、このような巻締りが発生したパッケージは、最内層部のPTT系複合繊維の染め品位も不良となることが明らかになった。
以上のように、巻取パッケージに係わる問題のため、直接紡糸延伸熱処理法により得られるPTT系複合繊維は、二段階法により得られるPTT系複合繊維に比較して、捲縮性能を高めることが極めて困難であった。
一方、直接紡糸延伸熱処理法により得られるPTT系複合繊維を、仮撚加工を施すことなくそのまま高密度の編織物等に供する場合には、該PTT系複合繊維の捲縮性能を仮撚加工糸に匹敵する程度に高めることが必要である。
一方、直接紡糸延伸熱処理法により得られるPTT系複合繊維を、仮撚加工を施すことなくそのまま高密度の編織物等に供する場合には、該PTT系複合繊維の捲縮性能を仮撚加工糸に匹敵する程度に高めることが必要である。
具体的には、直接紡糸延伸熱処理法により得られるPTT系複合繊維を、仮撚加工を施すことなく、次式で表されるカバーファクターが約2000〜4000であるような繊維拘束力が大きい織物(いわゆる高密度織物)に使用した場合には、該織物を熱処理して複合成分の収縮差を利用して捲縮を発現させても、充分なストレッチ性能が得られない。つまり、PTT系複合繊維を使用した高密度織物のストレッチ率を10%以上にすることは極めて困難であった。
カバーファクター={経糸本数×(経糸のデシテックス×0.9)1/2+緯糸本数×(緯糸のデシテックス×0.9)1/2}
但し、経糸本数及び緯糸本数は1インチ(2.54cm)当たりの本数である。
但し、経糸本数及び緯糸本数は1インチ(2.54cm)当たりの本数である。
高密度織物においてストレッチ性能を上げるためには、複合繊維の捲縮性能を高める必要がある。しかしながら、従来技術によって複合繊維の捲縮性能を高めるには複合繊維の巻取張力や沸水収縮率を高くする必要があり、一方、捲縮性能が高くなるとパッケージの巻締りが生じた。
例えば、実験室規模で、パッケージの巻重量が100g程度の少量巻きであれば、高捲縮性のPTT系複合繊維とすることが可能である。しかしながら、工業的に利用可能な巻重量のパッケージを得ようとすると、バルジが増大して梱包できなくなったり、パッケージの巻締りによって巻取機からパッケージを取り出すことが困難となったり、高温に長時間曝されることによりパッケージからPTT系複合繊維を解舒する際の解舒性が不良となるという問題が発生した。
すなわち、直接紡糸延伸熱処理法で製造されるPTT系複合繊維では、巻き姿の良好なパッケージを得ることと高捲縮性を付与することは、従来の技術では「二律背反」の課題であった。従って、直接紡糸延伸熱処理法で製造されるPTT系複合繊維に、二段階法で製造されるPTT系複合繊維に匹敵する高捲縮性を付与することが、当業界の悲願であった。
このような、PTT系複合繊維パッケージの巻取時の問題、及び、最内層部の繊維の解舒性や染め品位に係わる問題は、上記の特許文献1、2、3には、全く開示されていない。
特許文献4には、全巻重量に対して10〜40wt%の巻重量になるまで、巻取速度を、巻始めの速度に対して、0.1〜2.0%漸増して最高巻取速度とするポリエステル部分配向糸の製造方法が提案されている。
特許文献4には、全巻重量に対して10〜40wt%の巻重量になるまで、巻取速度を、巻始めの速度に対して、0.1〜2.0%漸増して最高巻取速度とするポリエステル部分配向糸の製造方法が提案されている。
しかしながら、特許文献4の提案は、破断伸度が約100〜150%であるポリエチレンテレフタレートの部分配向糸の染め品位解消には一定の効果を発揮するものの、分子構造が異なるPTT系複合繊維で、しかも、高捲縮性の延伸糸に対しては、高温でのパッケージ形状の維持性や最内層部におけるPTT系複合繊維の解舒性の課題を解決することは困難であった。
従って、直接紡糸延伸熱処理法によりPTT系複合繊維を巻重量2kg以上のチーズ状パッケージに巻き取るに際し、巻き姿が良好であり、かつ、高い捲縮性を有し、高温長時間でのパッケージ形状の維持性に優れ、最内層の解舒性や染め斑、色差の課題が解決されたPTT系複合繊維チーズ状パッケージ、及び、その製造方法の開発が強く求められていた。
直接紡糸延伸熱処理法で製造されるPTT系複合繊維では、巻き姿の良好なパッケージを得ることと高捲縮性を付与することは、従来の技術では「二律背反」の課題であった。従って、直接紡糸延伸熱処理法で製造されるPTT系複合繊維に、二段階法に匹敵する高捲縮性を付与することが、当業界の悲願であった。
本発明の第1の課題は、直接紡糸延伸熱処理法で得られるPTT系複合繊維のチーズ状パッケージであって、巻き姿が良好であり、かつ、高密度織物に用いた場合でも高い捲縮発現性能を発揮するPTT系複合繊維が、巻重量2kg以上で巻かれたチーズ状パッケージ、及び、その製造方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、PTT系複合繊維のチーズ状パッケージが高温に長時間曝された状態においても、パッケージの形状維持性に優れ、且つ、パッケージから複合繊維を解舒する際に最内層の解舒性が良好であり、染め色差や、染め斑などの欠点が解消された高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ、及び、その製造方法を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PTT系複合繊維を直接紡糸延伸熱処理法により製造するに際し、PTT系複合繊維の断面形状や、巻取に用いる紙管と巻取条件、特に、放縮率を特定範囲に規定したPTT系複合繊維チーズ状パッケージとすることにより、複合繊維の高い捲縮発現性能とチーズ状パッケージの形状維持性が共に良好になり、これまでの問題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
即ち、本発明は以下の通りである。
1.固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるPTTが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を紙管に積層したチーズ状パッケージであって、以下に示す(1)〜(4)の要件を満足することを特徴とする高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
(1)複合繊維を構成する単糸の断面形状が、長軸と短軸の比で示される扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、
(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、
(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、
(3)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)と巻重量W(kg)との関係が、下記(式1)で表され、
2≦W≦0.02S (式1)
但し、240≦S≦1000
(4)複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.92〜1.05g/cm3である。
2≦W≦0.02S (式1)
但し、240≦S≦1000
(4)複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.92〜1.05g/cm3である。
2.複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が4〜30%であることを特徴とする上記1に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
3.複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が8〜30%であることを特徴とする上記1に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
3.複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が8〜30%であることを特徴とする上記1に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
4.チーズ状パッケージを45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層の厚さ1mm部に積層されている複合繊維の解舒張力値(PPF)が、0〜100であることを特徴とする上記1、2又は3に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
5.チーズ状パッケージを45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層糸量1g部の仕上げ剤付着率aと、表層部に積層される複合繊維の仕上げ剤付着率bから、下記式(2)により算出される減少率d(%)が0〜30%であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
d=(b−a)/b×100 (式2)
d=(b−a)/b×100 (式2)
6.巻取紙管表面にJIS−P−8140:1988で測定される吸水度が40g/m2・15min以下である耐水耐油処理を施した紙管を用いることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
7.紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)Sが300〜800(cm2)であり、かつ、巻重量Wが3〜20(kg)であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
8.複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.93〜1.03g/cm3であることを特徴とする、上記1〜7のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
9.固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるPTTが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を溶融紡糸し、冷却風により冷却固化して、該単糸を扁平度が1.1〜3の扁平断面糸となした後、少なくとも3個の加熱ロールを用いて直接紡糸延伸熱処理を施し、巻取速度を2000〜5000m/分で巻重量2kg以上のチーズ状パッケージとして紙管に巻取るに際し、以下の(A)〜(D)を満足することを特徴とする高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
(A)破断伸度が25〜40%となる倍率で延伸し、
(B)複合繊維を、最終加熱ロールで温度と緊張比を組み合わせて熱処理して、巻取直後に測定される複合繊維の放縮率を0.3〜1.0%とし、
(C)扁平耐圧強度が1000〜7000Nの紙管に、
(D)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を240〜1200cm2にして巻取る。
(B)複合繊維を、最終加熱ロールで温度と緊張比を組み合わせて熱処理して、巻取直後に測定される複合繊維の放縮率を0.3〜1.0%とし、
(C)扁平耐圧強度が1000〜7000Nの紙管に、
(D)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を240〜1200cm2にして巻取る。
10.チーズ状パッケージ巻取り中の最終加熱ロール出口部の張力をTo、 綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTiとしたときに、To、Tiを下記式3及び4の範囲に制御することを特徴とする上記9に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
0≦Ti−To≦0.05(cN/dtex) (式3)
0.05<Ti≦0.20(cN/dtex) (式4)
0≦Ti−To≦0.05(cN/dtex) (式3)
0.05<Ti≦0.20(cN/dtex) (式4)
11.複合繊維を巻き取るに際し、巻き厚み1mm部の綾角を、パッケージ巻取り中の最大綾角の半分以下にして巻き取ることを特徴とする上記9又は10に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
12.上記1〜8のいずれかに記載された高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージから解舒された複合繊維であって、以下に示す(1)、(2)、(5)及び(6)の要件を満足する高捲縮性複合繊維。
(1)複合繊維の単糸断面形状が、長軸と短軸の比である扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、
(1)複合繊維の単糸断面形状が、長軸と短軸の比である扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、
(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、
(5)複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が4〜30%であり、
(6)複合繊維の乾熱収縮応力の極値温度が195〜225℃で、且つ、極値応力が0.05〜0.20cN/dtexである。
(5)複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が4〜30%であり、
(6)複合繊維の乾熱収縮応力の極値温度が195〜225℃で、且つ、極値応力が0.05〜0.20cN/dtexである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、複合繊維を構成するPTTは、90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなる。即ち、複合繊維を構成するPTTは、PTTホモポリマーであってもよく、10モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含む共重合PTTであってもよい。
本発明において、複合繊維を構成するPTTは、90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなる。即ち、複合繊維を構成するPTTは、PTTホモポリマーであってもよく、10モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含む共重合PTTであってもよい。
共重合PTTの場合、共重合成分の代表例は、以下のごときものが挙げられる。
酸性分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等々である。グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。また、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。これらの複数が共重合されていても良い。
酸性分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等々である。グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。また、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。これらの複数が共重合されていても良い。
トリメリット酸、ペンタエリストール、ピロメリット酸などの3官能性架橋成分は、紡糸安定性を損なうことから、共重合を避けることが好ましい。
本発明に使用するPTTの重合方法は、公知の方法を適用することができる。例えば、溶融重合のみで所定の固有粘度に相当する重合度とする1段階法や、一定の固有粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の固有粘度に相当する重合度まで上げる2段階法でも良い。
本発明に使用するPTTの重合方法は、公知の方法を適用することができる。例えば、溶融重合のみで所定の固有粘度に相当する重合度とする1段階法や、一定の固有粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の固有粘度に相当する重合度まで上げる2段階法でも良い。
高固有粘度成分は、固相重合を組み合わせる2段階法を用いることが、環状ダイマーの含有率を減少させる目的から好ましい。
1段階法で重合度を所定の固有粘度とする場合には、紡糸工程に供給する以前に、抽出処理などにより環状ダイマーを減少させておくことが好ましい。
1段階法で重合度を所定の固有粘度とする場合には、紡糸工程に供給する以前に、抽出処理などにより環状ダイマーを減少させておくことが好ましい。
本発明に使用するPTTは、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーの含有率が2.5wt%以下であることが好ましい。特に、高固有粘度成分のトリメチレンテレフタレート環状ダイマーの含有率は、1.2wt%より少ないことがさらに好ましく、特に好ましくは1.0wt%以下である。
また、本発明において、PTTは、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の他のポリエステルや、紡糸性を損なわない範囲で10モル%以下のポリエステル以外のポリマーを含有しても良い。
また、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有することができ、又は、これらが共重合されて含有してもよい。
また、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有することができ、又は、これらが共重合されて含有してもよい。
本発明のチーズ状パッケージは、固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるPTTが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる高捲縮の複合繊維がパッケージにチーズ状に積層されたものである。
固有粘度が高い成分は、一般に高配向かつ高収縮性となり、固有粘度が低い成分は一般に低配向かつ低収縮性となる。
固有粘度が高い成分は、一般に高配向かつ高収縮性となり、固有粘度が低い成分は一般に低配向かつ低収縮性となる。
高固有粘度成分には固有粘度が0.7〜1.5dl/gのPTTを、低固有粘度成分には固有粘度が0.5〜1.2dl/gのPTTを選択することが好ましい。高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度差は、0.05〜0.8dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5dl/gである。
固有粘度差が上記の範囲であると、延伸や巻取条件を調整することにより、優れた捲縮性能が得られ、また、紡口直下での糸曲がりが小さく、糸切れなどが少なく、さらに、高固有粘度成分の配向が進むので複合繊維の強度が1cN/dtex以上となり、充分な強度の編織物が得られる。
また、平均固有粘度は、得られる複合繊維の強度を維持する目的から、0.6〜1.2dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.1dl/gである。
平均固有粘度が上記の範囲であると、複合繊維の強度が約1cN/dtex以上となり、強度を要求されるスポーツ分野への適用が可能である。なお、固有粘度が高すぎると、かえって複合繊維の強度が低下し約1cN/dtex未満となる傾向がある。
平均固有粘度が上記の範囲であると、複合繊維の強度が約1cN/dtex以上となり、強度を要求されるスポーツ分野への適用が可能である。なお、固有粘度が高すぎると、かえって複合繊維の強度が低下し約1cN/dtex未満となる傾向がある。
本発明において、複合繊維を構成する固有粘度の異なる2種のPTTの単糸断面における配合比率は、高固有粘度成分と低固有粘度成分の比率が35/65〜65/35であることが好ましく、さらに好ましくは40/60〜60/40、最も好ましくは40/60〜50/50である。高固有粘度成分と低固有粘度成分の比率が上記の範囲であると、優れた捲縮性能が得られ、また、糸の強度が約1cN/dtex以上となり、スポーツ用途などへの使用が可能である。
本発明のチーズ状パッケージは、溶融紡糸−延伸を連続して行う直接紡糸延伸熱処理によって製造され、巻き取られた複合繊維のチーズ状パッケージを対象とする。
本発明のチーズ状パッケージは、巻重量が2kg以上である。巻重量が2kg未満では、編織加工時にパッケージの交換作業を頻繁に行なうことが必要となり、人手や作業コストが増大し経済的に不利となる。好ましい巻重量は約3kg以上、より好ましくは約4kg以上である。巻重量の上限はないが、人手による作業を考慮すれば約20kg以下である。
本発明のチーズ状パッケージは、巻重量が2kg以上である。巻重量が2kg未満では、編織加工時にパッケージの交換作業を頻繁に行なうことが必要となり、人手や作業コストが増大し経済的に不利となる。好ましい巻重量は約3kg以上、より好ましくは約4kg以上である。巻重量の上限はないが、人手による作業を考慮すれば約20kg以下である。
本発明のチーズ状パッケージに巻かれる複合繊維は、複合繊維の単糸断面形状が、長軸と短軸の比である扁平度が1.1〜3の扁平断面であることが必要である。扁平度は、断面形状の外接矩形の長軸(図1a、bにおいては、w)と短軸(図1a、bにおいては、h)の比で示される。
断面形状を扁平とすることにより、高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度差を小さくしても捲縮性能を高めることが可能となる。扁平度が1.1未満では、直接紡糸延伸熱処理法で複合繊維の顕在捲縮性能を高くすることが困難である。扁平度が3を超えると、得られる編織物に光沢斑によるイラツキが発生し、製品の品位を低下させる。好ましい扁平度は、1.5〜2.5である。
扁平の具体的な形状は、図1a、図1bに例示されるように、いわゆるピーナツ形状(図1aに例示)や雪だるま形状(図1bに例示)が好ましい。
扁平の具体的な形状は、図1a、図1bに例示されるように、いわゆるピーナツ形状(図1aに例示)や雪だるま形状(図1bに例示)が好ましい。
本発明のチーズ状パッケージに巻かれる複合繊維は、複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であることが必要である。複合繊維の顕在伸縮伸長率が30%未満では、高密度織物などに使用した場合に、ストレッチ性が不足する。顕在伸縮伸長率は高いほど好ましいが、顕在伸縮伸長率が200%を超える場合には、紡糸延伸中に毛羽や糸切れが発生し、工業的な製造が困難である。好ましい顕在伸縮伸長率は、40〜150%であり、より好ましくは50〜150%である。
顕在伸縮伸長率が高いことは、複合繊維を仮撚加工することなく、高密度の編織物に使用して優れた捲縮性を発現させるための必要条件であるが、これ迄は、PTT系複合繊維の直接紡糸延伸熱処理法では、一方のみにPTTを使用した複合繊維や、PTT以外の成分からなる複合繊維に比較して、高い顕在伸縮伸長率を発現させることが極めて困難であった。
本発明のチーズ状パッケージは、紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)と巻重量W(kg)との関係が、下記(式1)を満足することが必要である。
2≦W≦0.02S (式1)
但し、240≦S≦1000
上記の(式1)の理解のために、図2の横軸に紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を、縦軸にPTT系複合繊維の巻重量W(kg)の関係を示す。
2≦W≦0.02S (式1)
但し、240≦S≦1000
上記の(式1)の理解のために、図2の横軸に紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を、縦軸にPTT系複合繊維の巻重量W(kg)の関係を示す。
上記の(式1)において、巻重量W(kg)が0.02Sを越えると、いかに紙管の強度を高めても、PTT系複合繊維チーズ状パッケージの巻締りや、高温に長時間曝された際の最内層部の解舒性が不良となる。巻重量が2kg未満では、複合繊維の巻取は可能となるが、繊維がコスト高となり、工業的実施が困難となる。
ここで、紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)は、複合繊維が巻かれている紙管の外径と巻き幅から算出される値である。より具体的には、紙管外径をD(cm)、巻取機の機械的なトラバース幅をL(cm)とした場合、S=π×D×L(cm2)で算出される。
本発明において、この接触面積(受圧面積)S(cm2)を240〜1000(cm2)に限定する理由は、紙管の外径と巻き幅を考慮して実用的な扁平耐圧強度を得るための要件である。接触面積Sの好ましい範囲は、300〜800(cm2)であり、最も好ましい範囲は550〜800cm2である。実用的には、紙管の外径は7〜15cmが好ましく採用され、最も好ましくは10〜13cmである。
本発明のチーズ状パッケージは、巻き幅が7〜30cmであることが好ましい。巻き幅が大きいほど、パッケージの巻重量を大きくすることが可能となり、後工程でのパッケージ交換作業の効率化が可能となり、工業的に有利である。更に、巻き幅が大きいほど、複合繊維が高捲縮性能を有していても、チーズ状パッケージの形状維持性能が向上する。
しかし、巻き幅が30cmを超えると、後述するパッケージから複合繊維を解舒する際の最内層の厚さ1mm部における解舒張力値(PPF)が100を超える場合がある。
しかし、巻き幅が30cmを超えると、後述するパッケージから複合繊維を解舒する際の最内層の厚さ1mm部における解舒張力値(PPF)が100を超える場合がある。
また、1台の巻取機において複数エンドを同時に巻き取るような設備において、紙管長(一般には巻き幅よりも1〜5cm程度長い)とエンド数の積で、パッケージを把持し回転する軸の長さTが決まるが、この長さTは、巻き幅に応じて長くなるので、極端に巻き幅が大きくなると、巻取機が極端に大きくなる為に、経済的に不利である。好ましい巻き幅は15〜25cmであり、最も好ましくは17〜22cmである。
本発明のチーズ状パッケージは、パッケージに巻かれた複合繊維の巻き密度が0.92〜1.05g/cm3であることが必要である。
巻き密度が0.92g/cm3未満では、顕在伸縮伸長率が30%未満となり、本発明の目的が達成されない。巻き密度が1.05g/cm3を超えると、巻取中に巻締りにより巻取機からパッケージを取り出すことが困難となる。巻き密度の好ましい範囲は、0.93〜1.03g/cm3、より好ましくは、0.93〜1.00g/cm3である。なお、巻き密度の測定は、後述するように巻重量をパッケージの体積で除して得られる値である。
巻き密度が0.92g/cm3未満では、顕在伸縮伸長率が30%未満となり、本発明の目的が達成されない。巻き密度が1.05g/cm3を超えると、巻取中に巻締りにより巻取機からパッケージを取り出すことが困難となる。巻き密度の好ましい範囲は、0.93〜1.03g/cm3、より好ましくは、0.93〜1.00g/cm3である。なお、巻き密度の測定は、後述するように巻重量をパッケージの体積で除して得られる値である。
本発明において、複合繊維の破断伸度は25〜40%であることが好ましく、より好ましくは25〜35%である。破断伸度が上記の範囲であると、パッケージに内在する応力が高くなりすぎないのでパッケージの解舒性が良好であり、繊維製造時に毛羽や糸切れの発生がなく安定した製造ができると共に、高い顕在伸縮伸長率が得られる。
本発明のチーズ状パッケージに巻かれる複合繊維は、0.9×10−2cN/dtexの荷重下で乾熱処理後の伸縮伸長率が4〜30%であることが好ましく、より好ましくは8〜30%、さらに好ましくは10〜25%である。なお、伸縮伸長率は、JIS−L1013に示される乾熱収縮率の測定法に準じ、0.9×10−2cN/dtexの荷重下で処理温度90℃にて乾熱処理した後、次式により算出される。
伸縮伸長率%=(L4−L3)/L3×100
L3=0.9×10−2cN/dtex荷重付加時のかせ長
L4=0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
複合繊維の伸縮伸長率が上記の範囲であると、織物や編物にした際のストレッチ性が十分であり、また、巻取に際して紙管の巻締りがなく、良好なパッケージフォームが得られるので工業的な製造が容易である。
L3=0.9×10−2cN/dtex荷重付加時のかせ長
L4=0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
複合繊維の伸縮伸長率が上記の範囲であると、織物や編物にした際のストレッチ性が十分であり、また、巻取に際して紙管の巻締りがなく、良好なパッケージフォームが得られるので工業的な製造が容易である。
本発明において、乾熱処理時の負荷荷重を0.9×10−2cN/dtexとする理由は、この負荷荷重で測定される伸縮伸長率と高密度織物製品のストレッチ率が良く対応するという本発明者らの知見に基づくものである。
本発明のチーズ状パッケージは、パッケージを乾熱45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層部の解舒張力値(PPF)が0〜100であることが好ましく、より好ましく0〜50である。
解舒張力値(PPF=Package Performance Factor)は、後述する方法により測定され、パッケージから複合繊維を解舒する際の解舒性を示す指標である。解舒張力を測定して統計的処理をすることにより、解舒性の良否を定量的に評価することができる。
解舒張力値(PPF=Package Performance Factor)は、後述する方法により測定され、パッケージから複合繊維を解舒する際の解舒性を示す指標である。解舒張力を測定して統計的処理をすることにより、解舒性の良否を定量的に評価することができる。
解舒張力値(PPF)は、小さいほど解舒性が良好である。解舒張力値(PPF)が0〜100であれば、400〜1000m/分の高速解舒においても、糸切れなどの発生がなく解舒性が良好である。解舒張力値(PPF)が100を超え500以内であれば、解舒時に糸切れが発生することがあり、解舒張力値(PPF)が500を超えると、特に、400〜1000m/分の高速解舒が困難となり、糸切れが生じやすくなる傾向がある。
従来、高い顕在捲縮性を有するPTT複合繊維は、捲縮を有しないPTT繊維や顕在捲縮が小さいPTT系複合繊維に比較して、チーズ状パッケージからの解舒性を良好とすることが困難であったが、本発明は、かかる問題を初めて解決したものである。
図3には、解舒張力値(PPF)が低く解舒性が好ましい例を示す。
図4には、解舒張力値(PPF)が高く解舒性が不良の例を示す。
図3には、解舒張力値(PPF)が低く解舒性が好ましい例を示す。
図4には、解舒張力値(PPF)が高く解舒性が不良の例を示す。
本発明において、チーズ状パッケージを乾熱45℃で24時間熱処理した後の特性を評価する理由は、パッケージの輸送や保管等で高温下に長時間曝された際の経時変化後の特性が、チーズ状パッケージの特性として重要だからである。時間を24時間とする理由は、24時間未満では諸特性が時間と共に変化するが、24時間経過すると諸特性の変化がほぼ終了し、一定値となるからである。
本発明において、複合繊維は、乾熱収縮応力の極値温度が190〜225℃であることが好ましく、極値応力が0.05〜0.20cN/dtexであることが好ましい。乾熱収縮応力の極値温度及び極値応力が上記の範囲であると、パッケージが高温に長時間曝された際にも繊維の収縮が少なく、解舒性が良好であり、また、延伸時に糸切れの発生が少なく安定した生産ができると共に、優れた顕在伸縮伸長率が得られる。
好ましい乾熱収縮応力の極値温度は190〜220℃であり、好ましい極値応力は0.07〜0.17cN/dtexである。
好ましい乾熱収縮応力の極値温度は190〜220℃であり、好ましい極値応力は0.07〜0.17cN/dtexである。
本発明のチーズ状パッケージにおいて、パッケージを乾熱45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層の糸量1重量部における仕上げ剤付着率aと、表層部に積層される複合繊維の仕上げ剤付着率bから算出される減少率dが、0〜30%であることが好ましい。ここで、上記の減少率dは、以下の式で算出する。
減少率d=(b−a)/b×100(%)
b;表層部糸の仕上げ剤付着率
a;最内層の糸量1重量部の仕上げ剤付着率
減少率d=(b−a)/b×100(%)
b;表層部糸の仕上げ剤付着率
a;最内層の糸量1重量部の仕上げ剤付着率
減少率が30%を超えると、AJL(エアジェットルーム)での複合繊維の飛走性の変化に伴う織物品位異常や、複合繊維の編み針との摩擦力変化に伴う編物品位異常を起こしやすくなる。減少率は小さければ小さいほど好ましく、10%以下であると品位への影響は軽微である。
次に、本発明のチーズ状パッケージの製造方法について説明する。
本発明のチーズ状パッケージの製造には、以下に述べる2台の押出機を有する複合紡糸用設備を用いる。なお、本発明のチーズ状パッケージの製造においては、後述する目的のため、少なくとも3個の加熱ロールを用いる。
本発明のチーズ状パッケージの製造には、以下に述べる2台の押出機を有する複合紡糸用設備を用いる。なお、本発明のチーズ状パッケージの製造においては、後述する目的のため、少なくとも3個の加熱ロールを用いる。
図5は、本発明の製造方法に用いる複合紡糸設備の一例を模式的に示す図である。
図5において、固有粘度の高いPTTをA側に、固有粘度の低いPTTをB側に供給して吐出することが好ましい。高固有粘度成分には固有粘度が0.7〜1.5dl/gのPTTを、低固有粘度成分には固有粘度が0.5〜1.2dl/gのPTTを選択することが好ましい。高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度差は、0.05〜0.8dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5dl/gである。
図5において、固有粘度の高いPTTをA側に、固有粘度の低いPTTをB側に供給して吐出することが好ましい。高固有粘度成分には固有粘度が0.7〜1.5dl/gのPTTを、低固有粘度成分には固有粘度が0.5〜1.2dl/gのPTTを選択することが好ましい。高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度差は、0.05〜0.8dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5dl/gである。
固有粘度差が上記の範囲であると、延伸や巻取条件を調整することにより、優れた捲縮性能が得られ、また、紡口直下での糸曲がりが小さく、糸切れなどが少なく、さらに、高固有粘度成分の配向が進むので複合繊維の強度が1cN/dtex以上となり、充分な強度の編織物が得られる。
本発明の製造方法に用いる紡糸口金は、高固有粘度成分と低固有粘度成分の吐出孔が吐出面〜吐出直後に合流するタイプを用いることが好ましい。このタイプの紡糸口金を用いることの利点は、固有粘度の差を0.1〜0.5dl/gと大きくしても、口金直下での糸曲がりが生じることがなく、安定した紡糸が可能となることである。
吐出孔の形状は、高固有粘度側と低固有粘度側で同一であっても良く、また、相互に異なっていても良い。より好ましくは、両者が円形〜楕円形で同一であることが好ましい。
近接する二つの楕円形孔を有する紡糸口金を用いると、得られる複合繊維の単糸の断面形状がいわゆる「ピーナツ」状となる。また、この紡糸口金を用いて、吐出する高固有粘度成分と低固有粘度成分の配合比率を異ならせることにより、得られる複合繊維の単糸の断面形状がいわゆる「雪だるま」状となる。
近接する二つの楕円形孔を有する紡糸口金を用いると、得られる複合繊維の単糸の断面形状がいわゆる「ピーナツ」状となる。また、この紡糸口金を用いて、吐出する高固有粘度成分と低固有粘度成分の配合比率を異ならせることにより、得られる複合繊維の単糸の断面形状がいわゆる「雪だるま」状となる。
複合繊維断面形状の扁平度は、主に吐出孔の形状や、二つの楕円形孔の間隔を特定することにより調整することができる。
以下に、本発明の製造方法を、図5に示す設備に基づいて説明する。
まず、固有粘度の高いPTTを乾燥機1で20ppm以下の水分率にまで乾燥し、ポリマー温度240〜280℃に設定された押出機2に供給し溶融する。固有粘度の低いPTTを乾燥機3で20ppm以下の水分率し、ポリマー温度を240〜280℃に設定された押出機4により溶融する。
以下に、本発明の製造方法を、図5に示す設備に基づいて説明する。
まず、固有粘度の高いPTTを乾燥機1で20ppm以下の水分率にまで乾燥し、ポリマー温度240〜280℃に設定された押出機2に供給し溶融する。固有粘度の低いPTTを乾燥機3で20ppm以下の水分率し、ポリマー温度を240〜280℃に設定された押出機4により溶融する。
溶融されたPTTは、ベンド5あるいは6を経て250〜280℃に設定されたスピンヘッド7に送液され、ギヤポンプで別々に計量される。次いで、スピンパック8に装着された複数の孔を有する紡糸口金9で2種類の成分が合流し、サイド−バイ−サイドに貼り合わされた後、マルチフィラメントとして紡糸チャンバー内に押し出される。
紡糸チャンバー内に押し出された複合繊維10は、長さ3〜20cmの非送風領域11を経た後、冷却風12によって室温まで冷却固化され、仕上げ剤付与ノズル13により仕上げ剤を付与した後、交絡処理ノズル18により交絡を付与される。その後、所定の速度で回転する加熱第1ロール14によって引き取られ、一旦巻取ることなく、次いで、加熱第2ロール15を経由した後に、加熱第3ロール16を経て巻取機によって所定の繊度の複合繊維パッケージ17として巻き取られる。
押出機及びスピンヘッドの温度は、PTT系ポリマーの固有粘度や形状によって上記範囲から最適なものを選ぶ。
上記のように、本発明では、少なくとも3個の加熱ロールが用いられる。なお、本発明において、最終加熱ロールとは、上記のような工程における最後の加熱ロールを指し、加熱ロールが3個用いられる場合には、第3番目の加熱ロールを指す。
上記のように、本発明では、少なくとも3個の加熱ロールが用いられる。なお、本発明において、最終加熱ロールとは、上記のような工程における最後の加熱ロールを指し、加熱ロールが3個用いられる場合には、第3番目の加熱ロールを指す。
紡糸後、冷却固化されたPTT系複合繊維10は、加熱第1ロール14に接する前に、パッケージの解舒性を良好にする等の目的で、仕上げ剤付与装置13によって仕上げ剤が付与される。複合繊維に付与する仕上げ剤は、水系エマルジョンタイプが使用される。
仕上げ剤の水系エマルジョンの濃度は、10wt%以上好ましくは15〜30wt%が採用される。仕上げ剤の種類としては、脂肪酸エステル及び/または鉱物油を10〜80wt%含むか、または、分子量1000〜20000のポリエーテルを50〜98wt%含む仕上げ剤を、繊維に対し0.3〜1.5wt%付与することが好ましい。
仕上げ剤の水系エマルジョンの濃度は、10wt%以上好ましくは15〜30wt%が採用される。仕上げ剤の種類としては、脂肪酸エステル及び/または鉱物油を10〜80wt%含むか、または、分子量1000〜20000のポリエーテルを50〜98wt%含む仕上げ剤を、繊維に対し0.3〜1.5wt%付与することが好ましい。
また、複合繊維は、必要に応じて仕上げ剤付与装置13と加熱第1ロール14との間、及び/または、加熱第1ロール14と加熱第2ロール15との間、及び/または、加熱第2ロール15と加熱第3ロール16との間、及び/または、加熱第3ロール16と巻取機の間で交絡付与装置18により、交絡を付与しても良い。交絡付与装置は、公知のインターレーサーなどを用いることができ、例えば、流体圧力を0.01〜0.6MPaに調整することにより、2〜50ヶ/mの交絡を付与することができる。
加熱第1ロール14は、複合繊維の引取速度を一定にするために、ロール表面が鏡面であって、表面の算術平均粗さRaは、好ましくは0.2a以下、さらに好ましくは0.05a以下である。また、加熱第1ロールとしては、糸導入部の直径よりも糸出口部の直径が2〜7%漸次大きくなる形状が好ましく、すなわち、周速度が2〜7%漸次速くなることができるテーパーロールを用いることが、加熱第1ロール14上の複合繊維の張力を維持する上で、より好ましい。
また、加熱第2ロール15及び加熱第3ロール16は、複合繊維をロール上で熱セットした際の応力集中を緩和するために、ロール表面が梨地であって、表面の算術平均粗さRaは、好ましくは0.4a以上、さらに好ましくは0.6〜1.6aである梨地ロールを用いることが好ましい。
本発明のチーズ状パッケージは、紡糸・延伸に続いて巻取を連続して行う直接紡糸延伸熱処理法により製造される。
加熱第1ロール14の温度は50〜90℃が好ましく、より好ましくは55〜70℃である。加熱第1ロールの温度が上記の範囲であると、延伸時に毛羽や糸切れの発生がなく、安定した製造ができる。
加熱第1ロール14の温度は50〜90℃が好ましく、より好ましくは55〜70℃である。加熱第1ロールの温度が上記の範囲であると、延伸時に毛羽や糸切れの発生がなく、安定した製造ができる。
加熱第1ロール14の速度は1500〜4000m/分であることが好ましい。加熱第1ロールの速度が上記の範囲であると、紡糸張力が適度で、糸揺れなどが少ないために糸切れが殆ど生じないうえに、未延伸糸の前配向が起こらないので高い延伸倍率が可能であり、その結果、強度が約1.5cN/dtex以上の複合繊維が得られ、広範な用途に使用できる。
複合繊維は、加熱第1ロール14と加熱第2ロール15、加熱第3ロール16を経て巻取機に巻き取られる。
複合繊維は、加熱第1ロール14と加熱第2ロール15、加熱第3ロール16を経て巻取機に巻き取られる。
本発明の製造方法においては、加熱第1ロール14と加熱第2ロール15の周速度を異ならせることにより、該加熱第1ロールと加熱第2ロール間で延伸を行い、複合繊維の破断伸度を25〜40%に設定する。延伸倍率は、複合繊維の固有粘度や加熱第1ロールの速度等により異なるが、好ましくは1.1〜3倍、より好ましくは1.1〜2.5倍である。延伸倍率が上記の範囲であると、複合繊維の破断伸度が25%以上、40%未満となり、本発明の目的が達成されると共に、延伸時の糸切れが殆ど発生せず、安定した製造ができる。
本発明の製造方法においては、加熱第2ロール15と加熱第3ロール16間で熱処理を施されることが必要である。加熱第2ロール15の温度は、好ましくは80〜160℃、より好ましくは100〜150℃である。加熱第2ロールの温度が上記の範囲であると、複合繊維の乾熱収縮応力の極値温度が190℃以上となり、高温でのパッケージの形状維持性が良好となり、また、延伸時に糸切れが生じない。
本発明の製造方法においては、加熱第2ロール15と加熱第3ロール16との間で、緊張熱処理を施すことが必要である。好ましい緊張比は0.97〜1.10、より好ましくは1.00〜1.05である。緊張比を上記の範囲とすることにより、複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率を4〜30%とすることができる。
なお、緊張比は、下記式で定義される。
緊張比=(加熱第3ロールの周速度)/(加熱第2ロールの周速度)
加熱第2ロール15と加熱第3ロール16との間で緊張熱処理を施す目的は、複合繊維を形成する2成分間の収縮率差もしくは内部歪差を最大にすることである。
緊張比=(加熱第3ロールの周速度)/(加熱第2ロールの周速度)
加熱第2ロール15と加熱第3ロール16との間で緊張熱処理を施す目的は、複合繊維を形成する2成分間の収縮率差もしくは内部歪差を最大にすることである。
一般的にポリマーは、延伸時に働く応力によって内部歪が生ずる。この内部歪は、ポリマー分子鎖の配向度が上がるに伴い大きくなる傾向がある。この内部歪の開放が、繊維に収縮を引き起こすのである。
複合繊維においては、高固有粘度成分側の内部歪が大であるので、高固有粘度成分は捲縮において内側に位置する。高固有粘度側と低固有粘度側の内部歪の差が大であるほど、捲縮性能は高くなる。この内部歪が複合繊維の巻取時に開放することにより捲縮が顕在化して、顕在捲縮になる。
複合繊維においては、高固有粘度成分側の内部歪が大であるので、高固有粘度成分は捲縮において内側に位置する。高固有粘度側と低固有粘度側の内部歪の差が大であるほど、捲縮性能は高くなる。この内部歪が複合繊維の巻取時に開放することにより捲縮が顕在化して、顕在捲縮になる。
この高固有粘度成分側と低固有粘度成分側の内部歪差を最大にするために、適度な緊張比で緊張熱処理を行う必要があるのである。緊張比が小さすぎると、熱処理中に高固有粘度成分側の内部歪が緩和して小さくなるために、高固有粘度成分と低固有粘度成分の内部歪の差が小さくなり、捲縮性能が低くなる。一方、緊張比が大きすぎると、高固有粘度成分の内部歪が増大する以上に低固有粘度成分の内部歪が増大するために、内部歪差が小さくなり、やはり捲縮性能も低くなる。
以上の様に、本発明においては、複合繊維は、延伸に続く緊張熱処理を必要とするために、少なくとも3個の加熱ロールを用いた直接紡糸延伸熱処理法で製造することが必要となるのである。
本発明の製造方法においては、複合繊維の放縮率を0.3〜1.0%に設定することが必要である。放縮率を0.3〜1.0%とすることにより、高捲縮性能を有する複合繊維を、巻重量2kg以上で、巻き姿が良好なチーズ状パッケージに巻き取ることができる。このことは、本発明者らが始めて見出したものである。なお、放縮率の測定法は後述する。
本発明の製造方法においては、複合繊維の放縮率を0.3〜1.0%に設定することが必要である。放縮率を0.3〜1.0%とすることにより、高捲縮性能を有する複合繊維を、巻重量2kg以上で、巻き姿が良好なチーズ状パッケージに巻き取ることができる。このことは、本発明者らが始めて見出したものである。なお、放縮率の測定法は後述する。
放縮率が1%を超えると、いかに紙管と複合繊維の接触面積や紙管の扁平圧縮強度を高くしても、巻締りが生じてパッケージ形状がバルジ状に変形し、安定した巻取が困難となる。また、放縮率が0.3%未満では、PTT系複合繊維の顕在伸縮伸長率が30%未満となり、本発明の目的が達成されない。好ましい放縮率は、0.4〜0.8%である。
放縮率を上記の範囲とするためには、加熱第3ロール16で熱処理する際の温度と弛緩率を適切に組合せることで可能となる。例えば、放縮率を1.0%以下とするためには、加熱第3ロール温度を50℃以上で且つ、弛緩率を1%以上とすればよく、放縮率を0.3%以上とするためには、加熱第3ロール温度を150℃以下で且つ、弛緩率を5%以下とすればよい。
加熱第3ロール16の温度は、好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜130℃が採用される。
加熱第3ロール16と巻取機の間では、弛緩率1〜5%の弛緩が行われることが好ましい。弛緩率は、次式で算出される。
弛緩率=[(加熱第3ロール速度/巻取速度)−1]×100(%)
加熱第3ロール16と巻取機の間では、弛緩率1〜5%の弛緩が行われることが好ましい。弛緩率は、次式で算出される。
弛緩率=[(加熱第3ロール速度/巻取速度)−1]×100(%)
本発明の製造方法においては、製造に使用する紙管の扁平耐圧強度は1000〜7000(N)であり、好ましくは2000〜7000N、さらに好ましくは4000〜6000(N)である。紙管の扁平耐圧強度が1000N未満では、顕在伸縮伸長率が30%以上の複合繊維を巻重量2kg以上で積層すると、巻締りが発生する。また、紙管の扁平耐圧強度が7000Nを超えると、紙管の直径を7cm未満の小径とすることや、紙管の厚みが1.5cmを超えることが必要となって、紙管のコストが高くなり工業的に不利となる。
紙管の扁平耐圧強度は、後述する方法により測定される、紙管の直径方向の潰れやすさの指標である。扁平耐圧強度が1000〜7000(N)である紙管の好ましい態様としては、紙管外径が5〜15cm、紙管厚みが0.8〜1.5cm、紙管長さ7〜30cmである。最も好ましい態様としては、紙管外径が10〜13cm、紙管厚みが0.8〜1.2cm、紙管長さ17〜22cmである。
本発明の製造方法においては、上記のような紙管を用いて、紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を240〜1000cm2にして巻取ることが必要であり、最も好ましい受圧面積Sの範囲は550〜880cm2である。
本発明の製造方法においては、巻取速度が2000〜5000m/分であることが必要である。巻取速度が2000m/分未満では、工業的な生産性が低下する。巻取速度が5000m/分を超えると、巻取条件をいかに調整しても巻締りが発生するために巻重量2kg以上の複合繊維パッケージを得ることができない。好ましい巻取速度は、2500〜4500m/分である。
本発明のチーズ状パッケージに用いる紙管は、紙管表面が耐水耐油処理を施されていることが好ましい。紙管表面の耐水耐油処理とは、紙管表面に公知のパーチメント紙を用いたもの、及び/または紙管表面に耐水耐油性能を有するフッ素系樹脂等を塗布したもの等を意味する。
複合繊維に水系エマルジョンタイプの仕上げ剤が用いられる場合は、特に耐水性能と耐油性能の両立が重要となる。耐水性能と耐油性能の両立の観点から、フッ素系樹脂をパーチメント紙表面に塗布したものを表面に用いた紙管が好ましい。さらに、上記フッ素系樹脂を表面に塗布したパーチメント紙を表面に用い、その下層に撥水紙を用いた紙管が、耐水性能と耐油性能の両立の観点から、一層好ましい。
耐水耐油性能は、JIS−P−8140:1998に基づいて測定される吸水度で評価した。好ましい吸水度は40g/m2・15min以下であり、より好ましい吸水度は20g/m2・15min以下である。
次に、本発明の製造方法のさらに好ましい態様について説明する。
巻取機は公知のものを用いることができ、トラバース方式に関してもカムトラバース方式、羽トラバース方式等でよく、特に限定されない。好ましくは、接触ロールを積極的に駆動する自己駆動方式の巻取機を用い、接触ロールとパッケージ間の周速度比、すなわちオーバーフィード率を0〜2%とすることが、パッケージに巻き取られる直前の複合繊維の張力を下げる目的で好ましい。
巻取機は公知のものを用いることができ、トラバース方式に関してもカムトラバース方式、羽トラバース方式等でよく、特に限定されない。好ましくは、接触ロールを積極的に駆動する自己駆動方式の巻取機を用い、接触ロールとパッケージ間の周速度比、すなわちオーバーフィード率を0〜2%とすることが、パッケージに巻き取られる直前の複合繊維の張力を下げる目的で好ましい。
本発明の製造方法においては、パッケージ巻取り中の加熱第3ロールの出口部の張力をTo、 綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTiとしたときに、To及びTiを下記(式3)、(式4)のように制御することが好ましい。
0≦Ti−To≦0.05(cN/dtex) (式3)
0.05<Ti≦0.20(cN/dtex) (式4)
0≦Ti−To≦0.05(cN/dtex) (式3)
0.05<Ti≦0.20(cN/dtex) (式4)
前述したように、本発明においては、複合繊維には、パッケージに巻き取られる際の巻取張力に伴う応力と、パッケージに巻き取られるまでに緩和されなかった延伸及び熱処理時の応力とが内在する。そのために、巻取張力が高いと、パッケージに内在する応力が高くなるために、巻き締りによるフォーム不良や解舒不良が生じやすい。一方、最終ロールの出口部の糸の張力が、最終ロール上に接触している糸の応力よりも低いと、ロールに糸が取られる(巻き込まれる)という現象が生じやすい。
上記のような問題を回避するために、複合繊維を巻き取る場合には、加熱第3ロール出口部の張力Toと、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)Tiを、上記(式3)、(式4)のように制御することが好ましいのである。
巻取張力Tiが0.20cN/dtexを超えると、パッケージに内在する応力が高くなるために、巻き締りによるフォーム不良や解舒不良が生じ、解舒張力値(PPF)が100を超えることがある。一方、Ti−Toが0.05cN/dtexを超えると、最終ロールに繊維が巻きつく現象が生じやすくなるために、糸切れが発生しやすくなる。好ましい範囲は、Ti−To≦0.02cN/dtexであり、かつ、Ti≦0.10cN/dTexである。
上記の(式3)、(式4)の範囲を満足させるための手段としては、例えば、最終ロールと巻取機における綾振りガイド間の交絡ノズル等の接糸ガイドを排除したり、接糸ガイド表面の材質として、例えば、ダイヤモンドライクカーボン製のような摩擦抵抗の小さい材質を採用したりする手段が挙げられる。また、最終ロール出口部から綾振りガイドまでの距離を2m以下にして空気抵抗を可能な限り小さくする手段等が挙げられる。
更に、高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの巻き姿をより良好にするために、綾角を内層から中層にかけて大きくし、中層から表層にかけて小さくするという、「綾角変化巻き」を採用することが好ましい。とりわけ、内層部の複合繊維の解舒張力を下げるために、巻き厚み1mm部の綾角を、パッケージ巻取り中の最大綾角の半分以下にすることが、更に好ましい。
本発明のチーズ状パッケージに巻かれる複合繊維を編織物に使用する場合には、使用する繊維の全量を該複合繊維としてもよく、または、他の繊維を混合して編織物の一部に使用してもよい。混繊複合する他の繊維としては、ポリエステル、セルロース、ナイロン6、ナイロン66、アセテート、アクリル、ポリウレタン弾性繊維、ウール、絹等の長繊維及び短繊維などがあげられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のチーズ状パッケージに巻かれる複合繊維と他の繊維とを混繊複合した編織物とすることもできる。混繊複合糸は、他の繊維をインターレース混繊、インターレース混繊後延伸仮撚、どちらか一方のみ仮撚しその後インターレース混繊、複合繊維と他の繊維とを別々に仮撚後インターレース混繊、どちらか一方をタスラン加工後インターレース混繊、インターレース混繊後タスラン加工、タスラン混繊、等の種々の混繊方法によって製造することができる。かかる方法によって得た混繊複合糸には、交絡度が10ヶ/m以上付与することが好ましい。
本発明により、固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるPTTが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を、巻重量2kg以上で、巻き姿の良好なチーズ状パッケージに巻き取ることができる。
本発明のチーズ状パッケージは、パッケージが高温に長時間曝されても形状維持性が良好であり、且つ、該パッケージの最内層部に積層される複合繊維は、解舒性が良好で染め色差がないという優れた効果を有する。また、該複合繊維は、カバーファクターが2000〜4000である高密度織物に用いた場合でも高い捲縮発現性能を有する。
1 ポリマー乾燥機
2 押出機
3 ポリマー乾燥機
4 押出機
5 ベンド
6 ベンド
7 スピンヘッド
8 スピンパック
9 紡糸口金
10 複合繊維
11 非送風領域
12 冷却風
13 仕上げ剤付与ノズル
14 第1ロール
15 第2ロール
16 第3ロール
17 PTT系複合繊維パッケージ
18 交絡処理ノズル
2 押出機
3 ポリマー乾燥機
4 押出機
5 ベンド
6 ベンド
7 スピンヘッド
8 スピンパック
9 紡糸口金
10 複合繊維
11 非送風領域
12 冷却風
13 仕上げ剤付与ノズル
14 第1ロール
15 第2ロール
16 第3ロール
17 PTT系複合繊維パッケージ
18 交絡処理ノズル
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例等により何ら限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
なお、測定方法、評価方法等は下記の通りである。
(1)固有粘度
固有粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
式中、ηrは純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解したPTT系ポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶液の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで表されるポリマー濃度である。
固有粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
(2)複合繊維の扁平度
複合繊維の断面写真を撮影した後に、図1aもしくは図1bに従い、下記のようにして扁平度を算出した。
扁平度=w/h
測定は、構成する複合繊維の全てのフィラメントについてそれぞれの単糸ごとに扁平度を算出し、それらを平均した値を用いた。
複合繊維の断面写真を撮影した後に、図1aもしくは図1bに従い、下記のようにして扁平度を算出した。
扁平度=w/h
測定は、構成する複合繊維の全てのフィラメントについてそれぞれの単糸ごとに扁平度を算出し、それらを平均した値を用いた。
(3)顕在伸縮伸長率
複合繊維を周長1.125mの検尺機で10回かせ取りし、JIS−L−1013に定められた恒温恒湿室に無負荷のまま一昼夜静置した。
次いで、かせに以下に示す荷重を掛けてかせ長を測定し、以下の式から顕在伸縮伸長率を測定した。
顕在伸縮伸長率(%)=〔(L2−L1)/L1〕×100
L1は、1×10−3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L2は、0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
複合繊維を周長1.125mの検尺機で10回かせ取りし、JIS−L−1013に定められた恒温恒湿室に無負荷のまま一昼夜静置した。
次いで、かせに以下に示す荷重を掛けてかせ長を測定し、以下の式から顕在伸縮伸長率を測定した。
顕在伸縮伸長率(%)=〔(L2−L1)/L1〕×100
L1は、1×10−3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L2は、0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
(4)受圧面積S
紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)は、複合繊維が巻かれている紙管の外径D(cm)と巻取機の機械的なトラバース幅L(cm)から、以下の式により算出した。
S=π×D×L
紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)は、複合繊維が巻かれている紙管の外径D(cm)と巻取機の機械的なトラバース幅L(cm)から、以下の式により算出した。
S=π×D×L
(5)巻き密度
チーズ状パッケージの巻重量(紙管重量を差し引いた重量)W(kg)を、パッケージの巻容積(cm3)で除した。
巻き密度=W×1000/巻容積
巻容積の算出を、図7に基づいて説明する。
チーズ状パッケージの平均の巻き幅z(cm2)と平均の巻厚みy(cm2)を以下の式で算出する。
チーズ状パッケージの巻重量(紙管重量を差し引いた重量)W(kg)を、パッケージの巻容積(cm3)で除した。
巻き密度=W×1000/巻容積
巻容積の算出を、図7に基づいて説明する。
チーズ状パッケージの平均の巻き幅z(cm2)と平均の巻厚みy(cm2)を以下の式で算出する。
z=(z1+z2)/2
y=(y1+y2)/2
さらに、紙管外径をD(cm)として巻容積(cm3)は以下のように算出される。
巻容積=π×{(y+D/2)2−(D/2)2}×z
y=(y1+y2)/2
さらに、紙管外径をD(cm)として巻容積(cm3)は以下のように算出される。
巻容積=π×{(y+D/2)2−(D/2)2}×z
(6)乾熱処理後の伸縮伸長率
複合繊維を周長1.125mの検尺機で10回かせ取りし、0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けた状態で、温度90±2℃の恒温槽中で30分間熱処理する。処理後、無負荷の状態でJIS−L−1013に定められた恒温恒湿室に一昼夜静置した。次いで、かせに以下に示す荷重を掛けてかせ長を測定し、以下の式から伸縮伸長率を測定した。
伸縮伸長率(%)=(L4−L3)/L3×100
L3は、1×10−3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L4は、0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
複合繊維を周長1.125mの検尺機で10回かせ取りし、0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けた状態で、温度90±2℃の恒温槽中で30分間熱処理する。処理後、無負荷の状態でJIS−L−1013に定められた恒温恒湿室に一昼夜静置した。次いで、かせに以下に示す荷重を掛けてかせ長を測定し、以下の式から伸縮伸長率を測定した。
伸縮伸長率(%)=(L4−L3)/L3×100
L3は、1×10−3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L4は、0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
(7)解舒張力値(PPF)
解舒張力値(PPF)測定にあたり、以下の条件でパッケージの熱処理を行った。
オーブン:LHU113(エスペック(株)社製)
温度 :45±2℃
湿度 :65±3%RH
時間 :24時間
解舒張力値(PPF)測定にあたり、以下の条件でパッケージの熱処理を行った。
オーブン:LHU113(エスペック(株)社製)
温度 :45±2℃
湿度 :65±3%RH
時間 :24時間
解舒張力値(PPF)は、RIETER―SCRAGE社製のPackage Performance Analyser(PPA3)を用いて、以下の測定条件で測定した。
解舒速度 :600m/分
解舒繊維長 :2000m
解舒張力値(PPF)は、上記の測定条件で測定を行うことにより、自動的に測定器(PPA3)が算出する値である。
解舒速度 :600m/分
解舒繊維長 :2000m
解舒張力値(PPF)は、上記の測定条件で測定を行うことにより、自動的に測定器(PPA3)が算出する値である。
(8)仕上げ剤減少率
仕上げ剤付着率は、繊維重量を除いてJIS−L−1013に準拠して測定を行った。チーズ状パッケージは、乾熱45±2℃で24時間熱処理した後に測定した。
仕上げ剤付着率は、繊維重量を除いてJIS−L−1013に準拠して測定を行った。チーズ状パッケージは、乾熱45±2℃で24時間熱処理した後に測定した。
複合繊維を周長1.125mの検尺機で1gの質量になるようにかせ取りし、質量を正確に秤量し(繊維重量)、次いで、複合繊維をジエチルエーテルで洗浄し、ジエチルエーテルを留去し、その質量を正確に秤量した(除去後重量)。それらの値から、繊維表面に付着した純仕上げ剤量を繊維重量で割って求めた比率から仕上げ剤付着率を求め、さらに仕上げ剤減少率を算出した。
仕上げ剤付着率(%)=〔(繊維重量−除去後重量)/繊維重量〕×100
仕上げ剤減少率(%)=〔(WT−W1)/WT〕×100
WTは、表層部の糸量1g部の仕上げ剤付着率
W1は、最内層の糸量1g部の仕上げ剤付着率
仕上げ剤減少率(%)=〔(WT−W1)/WT〕×100
WTは、表層部の糸量1g部の仕上げ剤付着率
W1は、最内層の糸量1g部の仕上げ剤付着率
(9)紙管表面の吸水度
JIS−P−8140:1998に準拠して紙管表面の吸水度を測定した。紙管表面を30mm×30mmの大きさに切り取ったサンプルを用い、接触させる液体として複合繊維に用いた20wt%水系エマルジョンを用い、液体との接触時間を15分間として評価した。吸水度が40g/m2・15min以下であれば、良好な耐水耐油性を有していると判断した。
JIS−P−8140:1998に準拠して紙管表面の吸水度を測定した。紙管表面を30mm×30mmの大きさに切り取ったサンプルを用い、接触させる液体として複合繊維に用いた20wt%水系エマルジョンを用い、液体との接触時間を15分間として評価した。吸水度が40g/m2・15min以下であれば、良好な耐水耐油性を有していると判断した。
(10)繊度、破断強度、伸度、沸水収縮率
JIS−L−1013に基づいて測定した。
JIS−L−1013に基づいて測定した。
(11)放縮率
巻取機で所定の巻重量を巻き取った複合繊維チーズ状パッケージは、すぐに、JIS−L−0105で定められる標準状態の試験室へ運ばれた。その後直ちにチーズ状パッケージから複合繊維を取り出し、上端をクリップで固定し、初荷重(0.05cN/dTex)をかけ、正しく500mmを測って2点を打った。以上の操作は、複合繊維チーズ状パッケージを巻取後から15分以内で行った。
巻取機で所定の巻重量を巻き取った複合繊維チーズ状パッケージは、すぐに、JIS−L−0105で定められる標準状態の試験室へ運ばれた。その後直ちにチーズ状パッケージから複合繊維を取り出し、上端をクリップで固定し、初荷重(0.05cN/dTex)をかけ、正しく500mmを測って2点を打った。以上の操作は、複合繊維チーズ状パッケージを巻取後から15分以内で行った。
その後、初荷重をかけた状態で一昼夜放置した後、2点間の長さを測り(L5)、下記式で放縮率を算出した。
放縮率(%)=(500−L5)/500×100
放縮率(%)=(500−L5)/500×100
(12)紙管の扁平耐圧強度
JIS−L−6417:1982に準拠して測定した。測定は、図6aのような器具を用いて紙管の直径方向に力を加える圧縮試験を行った。この際の圧縮速度は1分間に30mmとした。その結果、得られた図6bのような荷重変形曲線から一次変曲点(降伏点)を読み取り、扁平耐圧強度とした。
JIS−L−6417:1982に準拠して測定した。測定は、図6aのような器具を用いて紙管の直径方向に力を加える圧縮試験を行った。この際の圧縮速度は1分間に30mmとした。その結果、得られた図6bのような荷重変形曲線から一次変曲点(降伏点)を読み取り、扁平耐圧強度とした。
(13)張力
張力の測定は、張力計として、Min Tens R−046(ROTHSCHILD社製)を用いて、走行する繊維に掛かる張力計指示値(cN)を測定し、繊維の繊度D(dtex)で除して巻取張力、及び最終ロール出口部の張力を測定した。
張力(cN/dtex)=[張力計指示値]/D
Tiは、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)
Toは、最終ロール出口部の張力
張力の測定は、張力計として、Min Tens R−046(ROTHSCHILD社製)を用いて、走行する繊維に掛かる張力計指示値(cN)を測定し、繊維の繊度D(dtex)で除して巻取張力、及び最終ロール出口部の張力を測定した。
張力(cN/dtex)=[張力計指示値]/D
Tiは、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)
Toは、最終ロール出口部の張力
(14)乾熱収縮の極値応力と極値温度
熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2S)を用いて測定した。
熱応力測定装置(カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2S)を用いて測定した。
複合繊維(繊度がD(dtex)である)を約20cm長の長さに切り取り、これの両端を結んで約8cm長の輪をつくり測定器に装填する。初荷重0.05cN/dtex、昇温速度100℃/分の条件で測定し、熱応力の温度変化をチャートに書かせる。熱応力は、高温域で山型の曲線を描く。この山型曲線のピーク値の読み取り値(cN)から、下記式で求められる値を極値応力とした。また、ピークを示す温度を極値温度とした。
極値応力(cN/dtex)=〔(ピーク値の読み取り値:cN)/(D×2)〕−(初荷重:cN/dtex)
極値応力(cN/dtex)=〔(ピーク値の読み取り値:cN)/(D×2)〕−(初荷重:cN/dtex)
(15)巻締りの有無及び紡糸安定性
1錘当たり6エンドの紡口を装着した溶融紡糸機を用いて、各実施例ごとに2日間の溶融紡糸と延伸・巻取を行った。
この期間中の巻締りの有無と、糸切れの発生回数及び得られた複合繊維チーズ状パッケージに存在する毛羽の発生頻度(毛羽発生パッケージの数の比率)から、以下のように判定した。
1錘当たり6エンドの紡口を装着した溶融紡糸機を用いて、各実施例ごとに2日間の溶融紡糸と延伸・巻取を行った。
この期間中の巻締りの有無と、糸切れの発生回数及び得られた複合繊維チーズ状パッケージに存在する毛羽の発生頻度(毛羽発生パッケージの数の比率)から、以下のように判定した。
(巻締りの有無)
良好:巻締り発生無し、かつ、パッケージ形状変形無し
不良:巻締り発生有り、又は、パッケージ形状変形有り
良好:巻締り発生無し、かつ、パッケージ形状変形無し
不良:巻締り発生有り、又は、パッケージ形状変形有り
(糸切れ、毛羽発生評価)
極良:糸切れ0回、毛羽発生パッケージ比率5%以下
良:糸切れ2回以内、毛羽発生パッケージ比率10%未満
不良:糸切れ3回以上、毛羽発生パッケージ比率10%以上
極良:糸切れ0回、毛羽発生パッケージ比率5%以下
良:糸切れ2回以内、毛羽発生パッケージ比率10%未満
不良:糸切れ3回以上、毛羽発生パッケージ比率10%以上
(16)染め品位(表層/内層色差、染め斑)
複合繊維チーズ状パッケージの最内層部と最外層部をテール繋ぎしてシームレス編み機で一口編みした後、精練・染色して品位を判定した。
染色は、以下の条件にて行ない、乾燥して品位を判定した。
染め斑は、0〜10級まで格付けをし、8級以上を合格とした。
色差は、最内層と最外層の染着濃度を0〜3まで0.5段階ごとに肉眼で色差(NBS)判定を行ない、色差が1.0以下を合格と判定した。
複合繊維チーズ状パッケージの最内層部と最外層部をテール繋ぎしてシームレス編み機で一口編みした後、精練・染色して品位を判定した。
染色は、以下の条件にて行ない、乾燥して品位を判定した。
染め斑は、0〜10級まで格付けをし、8級以上を合格とした。
色差は、最内層と最外層の染着濃度を0〜3まで0.5段階ごとに肉眼で色差(NBS)判定を行ない、色差が1.0以下を合格と判定した。
染料:FORON NAVY S−2GL 200(クラリアントジャパン(株)製)
染料濃度:0.5%omf
浴比 :1:18
染色温度:100℃
染色時間:1時間
染料濃度:0.5%omf
浴比 :1:18
染色温度:100℃
染色時間:1時間
(評価)
極良:染め斑、色差などの欠点がなく、極めて良好
良:染め斑、色差などの欠点がなく、やや良好
不良:染め斑もしくは色差があり、不良
極良:染め斑、色差などの欠点がなく、極めて良好
良:染め斑、色差などの欠点がなく、やや良好
不良:染め斑もしくは色差があり、不良
(17)ストレッチ性能
複合繊維を用いた布帛のストレッチ性を評価した。布帛の作成は以下のようにして行った。
経糸に84dtex/24fのPTT単独の繊維「ソロテックスTM」(ソロテックス社製)の無撚糊付け糸を用い、緯糸に本発明の各実施例および比較例のPTT系複合繊維を用いて平織物を作成した。
複合繊維を用いた布帛のストレッチ性を評価した。布帛の作成は以下のようにして行った。
経糸に84dtex/24fのPTT単独の繊維「ソロテックスTM」(ソロテックス社製)の無撚糊付け糸を用い、緯糸に本発明の各実施例および比較例のPTT系複合繊維を用いて平織物を作成した。
経密度 :97本/2.54cm
緯密度 :88本/2.54cm
織機 :津田駒工業社製 ウオータージェットルームZW−303
製織速度:450回転/分
得られた生機を、液流リラクサーにて95℃でリラックス精練後、液流染色機にて120℃で染色を行った。次いで、170℃で仕上、幅だし熱セットの一連の処理を行った。仕上げ後の織物の経緯の密度は、以下の通りであった。
緯密度 :88本/2.54cm
織機 :津田駒工業社製 ウオータージェットルームZW−303
製織速度:450回転/分
得られた生機を、液流リラクサーにて95℃でリラックス精練後、液流染色機にて120℃で染色を行った。次いで、170℃で仕上、幅だし熱セットの一連の処理を行った。仕上げ後の織物の経緯の密度は、以下の通りであった。
経密度:160本/2.54cm
緯密度:93本/2.54cm
得られた布帛のカバーファクターは、2660であった。
この布帛につき、以下の方法でストレッチ率と回復率を評価した。
緯密度:93本/2.54cm
得られた布帛のカバーファクターは、2660であった。
この布帛につき、以下の方法でストレッチ率と回復率を評価した。
島津製作所(株)製の引張試験機を用いて、つかみ幅2cm、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分で、試料を緯方向に伸長させたときの2.94N/cmの応力下での伸び(%)をストレッチ率とした。
その後、再び同じ速度で、つかみ間隔10cmまで収縮させた後、再度、応力−歪み曲線を描き、応力が発現するまでの伸度を残留伸度(A)とした。回復率は以下の式によって求めた。
その後、再び同じ速度で、つかみ間隔10cmまで収縮させた後、再度、応力−歪み曲線を描き、応力が発現するまでの伸度を残留伸度(A)とした。回復率は以下の式によって求めた。
回復率=〔(10−A)/10〕×100%
測定されたストレッチ率と回復率から、ストレッチ性能を下記の基準で判定した。
極良:ストレッチ性能20%以上、かつ回復率85%以上
良:ストレッチ性能10〜20%、かつ回復率80〜85%
不良:ストレッチ性能10%未満、または回復率80%未満
測定されたストレッチ率と回復率から、ストレッチ性能を下記の基準で判定した。
極良:ストレッチ性能20%以上、かつ回復率85%以上
良:ストレッチ性能10〜20%、かつ回復率80〜85%
不良:ストレッチ性能10%未満、または回復率80%未満
(18)総合評価
解舒性、染品位及びストレッチ性能の全てについて、以下の基準で判定した。
極良:解舒性、染品位及びストレッチ性能の全てが非常に良好
良:解舒性、染品位及びストレッチ性能が非常に良好であるが、いずれかが良好
不良:解舒性、加工性及び染品位のいずれかが不良
解舒性、染品位及びストレッチ性能の全てについて、以下の基準で判定した。
極良:解舒性、染品位及びストレッチ性能の全てが非常に良好
良:解舒性、染品位及びストレッチ性能が非常に良好であるが、いずれかが良好
不良:解舒性、加工性及び染品位のいずれかが不良
〔実施例1〜4、比較例1及び2〕
本実施例では、製造条件としてロール速度を変更し、破断伸度と放縮率を変更した際の、複合繊維の物性、チーズ状パッケージの解舒性、染め品位(表層/内層色差)、布帛ストレッチ性能に及ぼす効果について説明する。
本実施例では、製造条件としてロール速度を変更し、破断伸度と放縮率を変更した際の、複合繊維の物性、チーズ状パッケージの解舒性、染め品位(表層/内層色差)、布帛ストレッチ性能に及ぼす効果について説明する。
以下に、実施例1の製造条件を示す。
一方の成分して酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度1.26dl/gのPTTと、他方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度0.92dl/gのPTTを、図5に示すような複合紡糸設備を用いて、下記に示す条件で、167dtex/48フィラメントのPTT系複合繊維のチーズ状パッケージを製造した。
一方の成分して酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度1.26dl/gのPTTと、他方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度0.92dl/gのPTTを、図5に示すような複合紡糸設備を用いて、下記に示す条件で、167dtex/48フィラメントのPTT系複合繊維のチーズ状パッケージを製造した。
(紡糸条件)
ペレット乾燥温度及び到達水分率:110℃、15ppm
押出機温度:A軸255℃、B軸250℃
スピンヘッド温度:265℃
紡糸口金:孔径0.30mmΦの二つの孔が相互に0.2mmの間隔で穿孔され、口金当たり48個の孔を有する口金
ペレット乾燥温度及び到達水分率:110℃、15ppm
押出機温度:A軸255℃、B軸250℃
スピンヘッド温度:265℃
紡糸口金:孔径0.30mmΦの二つの孔が相互に0.2mmの間隔で穿孔され、口金当たり48個の孔を有する口金
高固有粘度成分/低固有粘度成分比:40/60(wt%)
冷却風条件:温度22℃、相対湿度90%、速度0.4m/sec
仕上げ剤:ポリエーテルエステルを主成分とする水系エマルジョン( 濃度20wt%、仕上げ剤付与率0.7wt%)
紡糸口金から仕上げ剤付与ノズルまでの距離:75cm
冷却風条件:温度22℃、相対湿度90%、速度0.4m/sec
仕上げ剤:ポリエーテルエステルを主成分とする水系エマルジョン( 濃度20wt%、仕上げ剤付与率0.7wt%)
紡糸口金から仕上げ剤付与ノズルまでの距離:75cm
(巻取条件)
第1ロール:速度2500m/分、温度55℃
第2ロール:速度は表1に記載、温度130℃
第3ロール:速度は表1に記載、温度110℃
第3ロール〜綾振りガイド距離:1.5m
巻取機:AW−909(TMTマシナリー(株)社製、ボビン軸とコンタクトロールの両軸が自己駆動)
オーバーフィード率:0.5%
第1ロール:速度2500m/分、温度55℃
第2ロール:速度は表1に記載、温度130℃
第3ロール:速度は表1に記載、温度110℃
第3ロール〜綾振りガイド距離:1.5m
巻取機:AW−909(TMTマシナリー(株)社製、ボビン軸とコンタクトロールの両軸が自己駆動)
オーバーフィード率:0.5%
綾角:巻厚みごとに綾角度を下記のように変化させた。
巻厚み:0〜1mm ;4.0度
巻厚み:40〜60mm ;8.8度
巻厚み:100〜120mm ;6.0度
巻取時のパッケージ温度:25℃
使用紙管:紙管長25cm、厚さ0.9cm、紙管外径11.2cm
巻厚み:0〜1mm ;4.0度
巻厚み:40〜60mm ;8.8度
巻厚み:100〜120mm ;6.0度
巻取時のパッケージ温度:25℃
使用紙管:紙管長25cm、厚さ0.9cm、紙管外径11.2cm
紙管表面のパーチメント紙にフッ素系樹脂(INT−330:東京産業洋紙社製)を塗布した紙管を用いた。該紙管の吸水度は5g/m2・15minであり、扁平耐圧強度は5370Nであった。
得られたチーズ状パッケージ及び複合繊維の物性は、以下の通りであった。
得られたチーズ状パッケージ及び複合繊維の物性は、以下の通りであった。
(チーズ状パッケージ)
巻径 :240cm
巻幅 :19 cm
巻重量 :6.0kg
受圧面積S:669cm2
巻径 :240cm
巻幅 :19 cm
巻重量 :6.0kg
受圧面積S:669cm2
(複合繊維物性)
糸固有粘度 :1.1dl/g
繊度 :167dtex
単糸断面及び扁平度:雪だるま型、扁平度1.7(図1bに示す)
最内層1重量部の仕上げ剤減少率:5%
得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表1及び2に示す。
糸固有粘度 :1.1dl/g
繊度 :167dtex
単糸断面及び扁平度:雪だるま型、扁平度1.7(図1bに示す)
最内層1重量部の仕上げ剤減少率:5%
得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表1及び2に示す。
また、実施例2〜4、比較例1及び2は、表1及び2に記載したロール速度を除いては、実施例1と同様の条件で複合繊維チーズ状パッケージを製造した。各実施例及び比較例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表1及び2に示す。
表1及び2から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性を有し、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
表1及び2から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性を有し、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
比較例1は、本発明が特定している範囲外で、破断伸度が小さく、放縮率が大きいので、巻き締りが発生し、解舒性と染め品位(表層部と最内層部の色差が発生)において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例2は、本発明が特定している範囲外で、破断伸度が大きいので、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例2は、本発明が特定している範囲外で、破断伸度が大きいので、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
〔実施例5〜7、比較例3及び4〕
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを構成する単糸断面形状の効果について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、紡糸孔の形状を異ならせて、扁平度が異なる断面形状のPTT系複合繊維を得た。
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを構成する単糸断面形状の効果について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、紡糸孔の形状を異ならせて、扁平度が異なる断面形状のPTT系複合繊維を得た。
各実施例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び評価結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性能と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
表3から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性能と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
比較例3は、本発明が特定している範囲外で、扁平度が小さいので、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例4は、本発明が特定している範囲外で、扁平度が大きいので、布帛の染め品位が悪化し(光沢斑によるイラツキが発生)、本発明の効果を奏していなかった。
比較例4は、本発明が特定している範囲外で、扁平度が大きいので、布帛の染め品位が悪化し(光沢斑によるイラツキが発生)、本発明の効果を奏していなかった。
〔実施例8及び9、比較例5及び6〕
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを巻き取る際の、放縮率の効果について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、第3ロール温度及び弛緩率を異ならせて、放縮率が異なる複合繊維を得た。
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを巻き取る際の、放縮率の効果について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、第3ロール温度及び弛緩率を異ならせて、放縮率が異なる複合繊維を得た。
各実施例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び評価結果を表4に示す。
表4から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
表4から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
比較例5は、本発明が特定している範囲外で、放縮率が大きいので、巻き締りが発生し、解舒性と染め品位(表層部と最内層部の色差が発生)において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例6は、本発明が特定している範囲外で、放縮率が小さいので、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例6は、本発明が特定している範囲外で、放縮率が小さいので、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
〔実施例10〜12、比較例7及び8〕
本実施例では、紙管の扁平耐圧強度、及び、紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)の効果について説明する。
実施例2に示す条件で紡糸延伸して巻き取るに際し、使用する巻取機(巻幅、紙管外径)、紙管の種類(紙管の厚み、扁平耐圧強度)を変更して巻取を行った。
本実施例では、紙管の扁平耐圧強度、及び、紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)の効果について説明する。
実施例2に示す条件で紡糸延伸して巻き取るに際し、使用する巻取機(巻幅、紙管外径)、紙管の種類(紙管の厚み、扁平耐圧強度)を変更して巻取を行った。
各実施例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表5に示す。
表5から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層/内層色差)を有していた。
表5から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層/内層色差)を有していた。
比較例7は、本発明が特定している範囲外で、扁平耐圧強度が小さいので、巻き締りが発生し、解舒性と染め品位(表層部と最内層部の色差が発生)において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例8は、本発明が特定している範囲外で、受圧面積が大きいので、解舒性において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例8は、本発明が特定している範囲外で、受圧面積が大きいので、解舒性において、本発明の効果を奏していなかった。
〔実施例13及び14、比較例9〜11〕
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを巻き取る際の、巻重量の影響について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、紙管への巻き取り時間を変更することにより、表6の実施例13及び14に示すような、巻重量の異なるチーズ状パッケージを得た。
比較例として、特許文献1に記載の実施例9の追試を行い、表6の比較例9〜11に示すような、巻重量の異なる複合繊維チーズ状パッケージを得た。
本実施例では、複合繊維チーズ状パッケージを巻き取る際の、巻重量の影響について説明する。
実施例2と同様の紡糸・延伸・巻取を行うにあたり、紙管への巻き取り時間を変更することにより、表6の実施例13及び14に示すような、巻重量の異なるチーズ状パッケージを得た。
比較例として、特許文献1に記載の実施例9の追試を行い、表6の比較例9〜11に示すような、巻重量の異なる複合繊維チーズ状パッケージを得た。
比較例9〜11の製造条件は以下の通りである。
一方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度1.2dl/gのPTTと、他方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度0.65dl/gのPTTを、図5に示すような複合紡糸設備を用いて、165dtex/12フィラメントの複合繊維のチーズ状パッケージを製造した。ただし、第3ロールには複合繊維を介さずに、第2ロールから直接、巻取機でパッケージの巻き取りを行った。
一方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度1.2dl/gのPTTと、他方の成分として酸化チタンを0.4wt%含む固有粘度0.65dl/gのPTTを、図5に示すような複合紡糸設備を用いて、165dtex/12フィラメントの複合繊維のチーズ状パッケージを製造した。ただし、第3ロールには複合繊維を介さずに、第2ロールから直接、巻取機でパッケージの巻き取りを行った。
比較例9〜11における紡糸条件は、以下の通りである。
(紡糸条件)
ポリマー乾燥温度及び到達水分率:110℃、15ppm
押出機温度:A軸255℃、B軸250℃
スピンヘッド温度:260℃
紡糸口金:孔径0.30mmΦの二つの孔が相互に0.2mmの間隔で穿孔され、口金当たり12個の孔を有する口金
(紡糸条件)
ポリマー乾燥温度及び到達水分率:110℃、15ppm
押出機温度:A軸255℃、B軸250℃
スピンヘッド温度:260℃
紡糸口金:孔径0.30mmΦの二つの孔が相互に0.2mmの間隔で穿孔され、口金当たり12個の孔を有する口金
高固有粘度成分/低固有粘度成分比:50/50(wt)
冷却風条件 :実施例2と同様
仕上げ剤 :実施例2と同様
紡糸口金から仕上げ剤付与ノズルまでの距離:95cm
冷却風条件 :実施例2と同様
仕上げ剤 :実施例2と同様
紡糸口金から仕上げ剤付与ノズルまでの距離:95cm
(巻取条件)
第1ロール:速度1100m/分、温度70℃
第2ロール:速度3960m/分、温度150℃
第3ロール〜綾振りガイド距離:1.5m
巻取機 :実施例2と同様
巻取速度 :3762m/分
巻取時のパッケージ温度:25℃
使用紙管 :実施例2と同様
第1ロール:速度1100m/分、温度70℃
第2ロール:速度3960m/分、温度150℃
第3ロール〜綾振りガイド距離:1.5m
巻取機 :実施例2と同様
巻取速度 :3762m/分
巻取時のパッケージ温度:25℃
使用紙管 :実施例2と同様
(複合繊維物性)
糸固有粘度 :0.9dl/g
繊度 :167dtex
単糸断面及び扁平度:ピーナツ型、扁平度1.7(図1aに示す)
表6から明らかなように、本発明の実施例13及び14に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性、及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
糸固有粘度 :0.9dl/g
繊度 :167dtex
単糸断面及び扁平度:ピーナツ型、扁平度1.7(図1aに示す)
表6から明らかなように、本発明の実施例13及び14に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性、及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
比較例9は、巻重量0.1kgでは、良好な解舒性、染め品位(表層部と最内層部の色差)を有していた。
しかしながら、比較例10及び11は、巻重量2.0kg以上では巻締りが発生し、巻き姿、解舒性、染め品位いずれも不良であった。
しかしながら、比較例10及び11は、巻重量2.0kg以上では巻締りが発生し、巻き姿、解舒性、染め品位いずれも不良であった。
比較例10及び11は、本発明が特定している範囲外で、放縮率が大きいので、巻き締りが発生し、解舒性と染め品位(表層部と最内層部の色差が発生)において、本発明の効果を奏していなかった。
〔実施例15〜17、比較例12〕
本実施例では、高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度、及び、固有粘度差の効果について説明する。
実施例2に示す条件で紡糸延伸して巻き取るに際し、使用するポリマーの固有粘度を変更して紡糸及び巻取を行った。
各実施例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表7に示す。
本実施例では、高固有粘度成分と低固有粘度成分の固有粘度、及び、固有粘度差の効果について説明する。
実施例2に示す条件で紡糸延伸して巻き取るに際し、使用するポリマーの固有粘度を変更して紡糸及び巻取を行った。
各実施例により得られた複合繊維及びチーズ状パッケージの物性、及び、評価結果を表7に示す。
表7から明らかなように、本発明の実施例に示す複合繊維及びチーズ状パッケージは、優れたストレッチ性と、形状維持性及び、最内層部において、良好な解舒性、染め品位(表層/内層色差)を有していた。
比較例12は、本発明が特定している範囲外で、固有粘度差が小さいために、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
比較例12は、本発明が特定している範囲外で、固有粘度差が小さいために、複合繊維の捲縮性能が不足し、布帛のストレッチ性において、本発明の効果を奏していなかった。
Claims (12)
- 固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を紙管に積層したチーズ状パッケージであって、以下に示す(1)〜(4)の要件を満足することを特徴とする高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
(1)複合繊維を構成する単糸の断面形状が、長軸と短軸の比で示される扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、
(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、
(3)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)と巻重量W(kg)との関係が、下記(式1)で表され、
2≦W≦0.02S (式1)
但し、240≦S≦1000
(4)複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.92〜1.05g/cm3である。 - 複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が4〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- 複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が8〜30%であることを特徴とする請求項1に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- チーズ状パッケージを45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層の厚さ1mm部に積層されている複合繊維の解舒張力値(PPF)が、0〜100であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- チーズ状パッケージを45℃で24時間熱処理した後に測定される、最内層糸量1g部の仕上げ剤付着率aと、表層部に積層される複合繊維の仕上げ剤付着率bから、下記式(2)により算出される減少率d(%)が0〜30%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
d=(b−a)/b×100 (式2) - 巻取紙管表面にJIS−P−8140:1988で測定される吸水度が40g/m2・15min以下である耐水耐油処理を施した紙管を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- 紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)Sが300〜800(cm2)であり、かつ、巻重量Wが3〜20(kg)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- 複合繊維チーズ状パッケージの巻き密度が0.93〜1.03g/cm3であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージ。
- 固有粘度が異なり且つ90モル%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートが、サイド−バイ−サイド型に複合された単糸群からなる複合繊維を溶融紡糸し、冷却風により冷却固化して、該単糸を扁平度が1.1〜3の扁平断面糸となした後、少なくとも3個の加熱ロールを用いて直接紡糸延伸熱処理を施し、巻取速度を2000〜5000m/分で巻重量2kg以上のチーズ状パッケージとして紙管に巻取るに際し、以下の(A)〜(D)を満足することを特徴とする高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
(A)破断伸度が25〜40%となる倍率で延伸し、
(B)複合繊維を、最終加熱ロールで温度と緊張比を組み合わせて熱処理して、巻取直後に測定される複合繊維の放縮率を0.3〜1.0%とし、
(C)扁平耐圧強度が1000〜7000Nの紙管に、
(D)紙管と複合繊維の接触面積(受圧面積)S(cm2)を240〜1200cm2にして巻取る。 - チーズ状パッケージ巻取り中の最終加熱ロール出口部の張力をTo、 綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTiとしたときに、To、Tiを下記式3及び4の範囲に制御することを特徴とする請求項9に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
0≦Ti−To≦0.05(cN/dtex) (式3)
0.05<Ti≦0.20(cN/dtex) (式4) - 複合繊維を巻き取るに際し、巻き厚み1mm部の綾角を、パッケージ巻取り中の最大綾角の半分以下にして巻き取ることを特徴とする請求項9又は10に記載の高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載された高捲縮性複合繊維チーズ状パッケージから解舒された複合繊維であって、以下に示す(1)、(2)、(5)及び(6)の要件を満足する高捲縮性複合繊維。
(1)複合繊維の単糸断面形状が、長軸と短軸の比である扁平度が1.1〜3の扁平断面であり、
(2)複合繊維の顕在伸縮伸長率が30〜200%であり、
(5)複合繊維に0.9×10−2cN/dtexの荷重を掛けて90℃で30分間乾熱処理した後の伸縮伸長率が4〜30%であり、
(6)複合繊維の乾熱収縮応力の極値温度が195〜225℃で、且つ、極値応力が0.05〜0.20cN/dtexである。
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