JP2005307380A - 複合繊維パッケージ及びその巻取方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衣料用に適したPTT系複合繊維パッケージ及びその製造方法であり、複合繊維を延伸することなくそのまま編織にするか、もしくは延伸仮撚加工を施して編織物に供した際に、優れたストレッチ性能を有しながら、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるパッケージ及びその巻取方法を提供する。
【解決手段】 2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型または偏心鞘芯型に複合された単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートで他方が他のポリエステルである該複合繊維が巻量2kg以上で積層され、以下に示す特定の条件を満足するポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維糸パッケージ。
【選択図】 なし

Description

本発明は溶融紡糸法で得られる複合繊維パッケージ及びその巻取方法に関する。更に詳しくは、衣料用に適したポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維パッケージの巻取方法であり、複合繊維を延伸することなくそのまま編織にするか、もしくは延伸仮撚加工を施して編織物に供した際に、優れたストレッチ性能を有しながら、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるパッケージ及びその巻取方法に関する。
ポリトリメチレンテレフタレート繊維(以下「PTT繊維」と称す)は、低モジュラスで、且つ、伸長回復性に優れることから、近年工業的な使用が拡大しつつある。
極限粘度が異なる2種類のポリエステル成分からなる複合繊維として、特許文献1には、単糸を構成する少なくとも一方の成分にPTTを用いるか、両方の成分に極限粘度の異なるPTTを用いたサイド−バイ−サイド型2成分系複合繊維(以下、PTT系複合繊維と称す)が提案されている。これらの先行技術には、この複合繊維はソフトな風合いと良好なストレッチバック性を有することが示されており、この特性を活かして種々のストレッチ編織物、或いは嵩高性編織物への応用が可能であることが開示されている。
PTT系複合繊維の溶融紡糸−巻取方法には、未延伸繊維を一旦巻き取った後に延伸する2段階法と、紡糸−巻取を連続して行う1段階法がある。
特許文献2や、特許文献3には、これらのPTT系複合繊維を製造するに当たり、紡糸−延伸を連続一段階で行う、いわゆる一段階溶融紡糸法が提案されている。一段階法の巻取りでは、繊維は一般に紙管に積層され、パッケージとして巻き取られる。パッケージに巻かれたPTT系複合繊維は、紡糸や延伸時に受けた伸長応力がパッケージに積層された後に収縮し、パッケージの巻締りが生じる。パッケージの巻締りは、ボビン軸からパッケージを取り出すことが不可能な場合が生じる程に大きい。また、PTTはガラス転移温度が30〜45℃と低いことから、後加工に供給されるまでの経日変化により、繊維が収縮することによりパッケージの巻締りが生じ、紙管が変形し、繊維の解舒が困難となることがある。
PTT系複合繊維は、このような巻締りにより、パッケージの最内層に巻かれている繊維(以下、「最内層」と称す)と、パッケージの表層に巻かれた繊維(以下、「表層」と称す)とで、染着性に差が生じ、欠点となるという問題があることが明らかになった。一般には、巻取時のボビン軸と押さえロールとのスリップなどにより、最内層が表層よりも染着率が低い、いわゆる淡染となる傾向がある。また、最内層に巻かれた繊維には、ヒケ状の欠点が発生することも明らかになった。
殊に、該PTT系複合繊維パッケージを仮撚加工に供する場合には、パッケージから次のパッケージへテール移行させて使用されることから、表層と最内層が連続して織編物へ配置されるために、染色後に染着差が目立ち、織編物の商品価値を損なうという問題があった。
このような、パッケージの巻締りによる最内層品位の問題や、仮撚加工における最内層淡染の問題は、上記特許文献1、2、3には全く開示されていない。
一方、合成繊維について、パッケージの最内層品位を改善する提案が種々なされている。例えば、特許文献4には、パーチメント紙の内側に防油層を設けた糸条巻取用紙管とこれを用いたパッケージが提案されている。該提案によれば、パッケージの最内層部の仕上げ剤が紙管へ吸収されることがなく、テール移行通過性や染め色差が解消されることが示されている。
特許文献5には、全巻量に対して10〜40重量%の巻量になるまで、巻取速度を巻始め速度に対して、0.1〜2.0%漸増して最高巻取速度とするポリエステル部分配向糸の巻取方法が提案されている。
しかし、特許文献4や特許文献5の提案は、公知のポリアミドやポリエチレンテレフタレートからなる繊維には一定の効果を発揮するものの、PTT繊維については、いずれも、及び両方を組み合わせても最内層の課題を解決することが困難であった。
従って、一段階溶融紡糸法でPTT系複合繊維をパッケージに巻き取るに際して、最内層の染め課題が解消された巻取方法及びそれによって品位の良好なパッケージの出現が強く求められていた。
特開2001−055634号公報 特開2001−348734号公報 特開2002−061030号公報 特開2000−272837号公報 特許第2854245号公報
本発明の課題は、衣料用に適したPTT系複合繊維パッケージ及びその製造方法であり、複合繊維を延伸することなくそのまま編織にするか、もしくは延伸仮撚加工を施して編織物に供した際に、優れたストレッチ性能を有しながら、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるパッケージ及びその巻取方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PTT系複合繊維パッケージを直接紡糸延伸法により製造するに際して、PTT系複合繊維及びパッケージの物性と熱収縮特性を特定することにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の発明は、2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型または偏心鞘芯型に複合された単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートで他方が他のポリエステルである該複合繊維が巻量2kg以上で積層され、以下に示す(1)〜(3)の条件を満足するポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維パッケージ、である。
(1)0.9×10-3cN/dtexの荷重下で沸水処理後の伸縮伸長率が10〜200%
(2)紙管に接する最内層の糸量1g部における仕上げ剤付着率の、パッケージ表層部における仕上げ剤付着率に対する減少率が、0〜30%
(3)パッケージを温度45℃で24時間保持した後に測定した、紙管巻き締め応力が10〜50kPa
本発明の第2の発明は、2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型または偏心鞘芯型に複合された単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートで他方が他のポリエステルであるポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維を溶融紡糸し、冷却風により冷却固化後に、巻取速度を2000〜5000m/分で巻き量2kg以上のパッケージとして巻き取るに際し、以下の(A)〜(C)を満足することを特徴とする複合繊維の巻取方法。
(A)表面に耐水耐油処理を施し、かつ、表面の凹凸が0.5mm以下である紙管を用いる。
(B)巻き始めから満巻きまでの綾振りガイド入口部の張力T(巻取張力)を下記式1〜3の範囲なるように制御する。
式1;Tmax(0-50)≦Tmax(50-100)
式2;Tmin(0-50)≦Tmin(50-100)
式3;0≦Tmax(50-100)−Tmin(0-50)≦0.05(cN/dTex)
Tmax(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最大値
Tmin(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最小値
Tmax(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最大値
Tmin(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最小値
(C)パッケージ巻取り中の最終ロール出口部の張力をT’、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTとしたときに、T’、Tを下記式4、5のように制御する。
式4;0≦T−T’≦0.05(cN/dTex)
式5;T≦0.11(cN/dTex)
本発明は、衣料用に適したPTT系複合繊維パッケージの提供であり、複合繊維を延伸することなくそのまま編織にするか、もしくは延伸仮撚加工を施して編織物に供した際に、優れたストレッチ性能を有しながら、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるパッケージ及びその巻取方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のPTT系複合繊維パッケージは、2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型、または偏心鞘芯型に貼合わされた単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がPTTである複合繊維が巻量2kg以上積層されたものである。
2種類のポリエステル成分の配置は、糸長方向に沿ってサイド−バイ−サイド型に貼り合せたものや、一方のポリエステル成分で他のポリエステル成分の全て、または一部が包みこまれ、且つ繊維断面において両者が偏心的に配置された偏心鞘芯型の複合繊維から選択される。より好ましくは、前者のサイド−バイ−サイド型である。
他方の成分は特に限定されないが、PTTとの貼合わせた場合の接着性からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などから選択されるのが好ましい。最も好ましい組合わせは、2つの成分のいずれも、少なくとも90モル%以上がPTTからなるポリマー同士の組み合わせである。また、PTT同士の組合わせにおいては、平均極限粘度が0.6〜1.2dl/gであることが好ましい。平均極限粘度が0.6未満では、複合繊維もしくは複合繊維を延伸仮撚して得られる加工糸の強度が約2cN/dtex以下となり、強度が要求されるスポーツ分野への適用が制約される。平均極限粘度が1.2を越えると、極限粘度が高いにもかかわらず仮撚加工糸の強度が約2cN/dtex以下となる。好ましい平均極限粘度は、0.8〜1.1dl/gである。
2つの成分の粘度差は、0.05〜0.8dl/gであることが好ましい。粘度差が0.05未満では捲縮発現が不十分となる。粘度差が0.8dl/gを越えると、紡口直下での糸曲がりが大きくなり、糸切れなどが増加する。2つの成分がPTT同士においては、粘度差は0.1〜0.4であることが好ましく、より好ましい粘度差は0.1〜0.25の範囲である。
本発明において、極限粘度の異なる2つのポリエステルの単糸断面における配合比率は、高粘度成分と低粘度成分の比率が40/60〜70/30であることが好ましい。高粘度成分の比率が40%未満になると、糸の強度が2.5cN/dtex未満となり、スポーツ用途などへの使用が制限される。また、高粘度成分の比率が70%より大きいと捲縮性能が低下する。更に好ましい配合比率は、45/55〜65/35である。
本発明を構成するPTT系複合繊維の少なくとも一方の成分を構成するPTTポリマーは、90モル%以上がトリメチレンテレフタレート繰り返し単位からなり、10モル%以下がその他のエステル繰り返し単位からなるポリマーである。ホモポリマー及び10モル%以下のその他のエステル繰り返し単位を含む共重合ポリトリメチレンテレフタレートである。共重合成分の代表例は、次のごときものが挙げられる。
酸性分としては、イソフタール酸や5−ナトリウムスルホイソフタル酸に代表される芳香族ジカルボン酸、アジピン酸やイタコン酸に代表される脂肪族ジカルボン酸等々である。グリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等々である。また、ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸もその例である。これらの複数が共重合されていても良い。トリメリット酸、ペンタエリストール、ピロメリット酸などの3官能性架橋成分は、紡糸安定性を損なうことや、仮撚加工糸の破断伸度が低下し仮撚加工時に糸切れが多発することから、共重合を避けることが好ましい。
本発明に使用するPTTポリマーの製造方法は、公知のもので良い。溶融重合のみで所定の極限粘度に相当する重合度とする1段階法や、一定の極限粘度までは溶融重合で重合度を上げ、続いて固相重合で所定の極限粘度に相当する重合度まで上げる2段階法でも良い。後者の固相重合を組み合わせる2段階法であることが、環状ダイマーの含有率を減少させる目的から、好ましい。1段階法で重合度を所定の極限粘度とする場合には、紡糸に供給する以前に抽出処理などにより環状ダイマーを減少させておくことが好ましい。
本発明に使用するPTTポリマーは、トリメチレンテレフタレート環状ダイマーの含有率が2.5重量%以下であることが好ましい。トリメチレンテレフタレート環状ダイマーの含有率は、1.1重量%より少ないことが更に好ましい。更に好ましいトリメチレンテレフタレート環状ダイマー含有率は、1.0重量%以下である。
また、本発明を構成するPTT系複合繊維には、本発明の効果を妨げない範囲で、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、制電剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、種々の顔料等々の添加剤を含有又は共重合として含んでいてもよい。
本発明のポリエステル系複合繊維パッケージに巻かれる複合繊維は、溶融紡糸して延伸することなく巻き取られる前配向複合繊維及び、紡糸−延伸を連続して行う直接紡糸延伸後に巻き取られる延伸複合繊維を対象とする。
本発明のポリエステル系複合繊維パッケージは、巻重量が2kg以上であることが必要である。巻量が2kg未満では、仮撚加工や編織加工時にパッケージの交換作業を頻繁に行なうことが必要となり、人手や作業コストが増大し経済的に不利となる。好ましい巻量は約3kg以上、より好ましくは約4kg以上である。巻量の上限はないが、人手による作業を考慮すれば約20kgである。
以下、本発明の第1の発明であるPTT系複合繊維パッケージについて詳細に説明する。
本発明を構成するPTT系複合繊維は、0.9×10-3cN/dtexの荷重下で沸水処理後の伸縮伸長率が10〜200%であることが必要である。ここで、伸縮伸長率は、次式により算出される。
伸縮伸長率%=〔(L2 −L1 )/L1 〕×100
L1 =0.9×10-3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L2 =0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
伸縮伸長率が10%未満であると、複合繊維を使用する第1の目的である織物や編物にした際のストレッチ性が不足する。また、伸縮伸長率が200%を超えると、織物や編物にした際のストレッチ性はあるものの、地厚感があり、PTT系複合繊維の特徴である風合いの柔らかさが損なわれてしまいやすい。好ましい伸縮伸長率の範囲は、20〜160%である。
本発明のPTT系複合繊維パッケージにおいて、紙管に接する最内層の糸量1g部における仕上げ剤付着率の、パッケージ表層部における仕上げ剤付着率に対する減少率が、0〜30%であることが必要である。ここで、上記減少率は、以下の式で算出する。
仕上げ剤減少率=〔(WT−W1)/WT〕×100(%)
WT;表層部糸の仕上げ剤付着率
W1;最内層の糸量1g部の仕上げ剤付着率
仕上げ剤減少率が30%を超えると、AJLでの複合繊維の飛走性の変化に伴う織物品位異常や、複合繊維の編み針との摩擦力変化に伴う編物品位異常や、フリクション仮撚での複合繊維の加工張力変化に伴う加工糸の染め・捲縮異常を起こしやすくなる。仕上げ剤減少率は、小さければ小さいほど好ましい。10%以下であると品位への影響は軽微である。
本発明のPTT系複合繊維パッケージは、温度45℃で24時間保持した後に測定した、紙管巻き締め応力が10〜50kPaであることが必要である。紙管巻き締め応力の測定法は、後述する。紙管巻き締め応力が10kPa未満であると、パッケージ輸送中の衝撃等によりパッケージが変形する。パッケージが変形するとパッケージに巻かれた複合繊維を解舒する際に、解舒性が悪化する。一方、50kPaを越えると、パッケージに内在する応力が高いために複合繊維の巻き締まりが生じ、パッケージの解舒性が悪化する。好ましい紙管巻き締め応力は、15〜40kPaである。
本発明を構成するPTT系複合繊維の破断伸度は、25〜90%であることが好ましい。破断伸度が25%未満であるとパッケージに内在する応力が高くなりやすいために、パッケージの解舒性が悪化しやすくなる。一方、破断伸度が90%を越えると、複合繊維の配向度が低いために、巻き取り後の経時変化に対する安定性が悪化しやすくなる。より好ましい破断伸度は、複合繊維をそのまま織物や編物に使用する際は、30〜45%、延伸仮撚加工用の原糸として用いる際は、45〜80%である。
次に、本発明を構成するPTT系複合繊維の製造方法について説明する。
本発明を構成するPTT系複合繊維の製造方法には、以下に述べる2軸の押出機を有する複合紡糸用設備を用いて製造することができる。図1に本発明の製造方法に用いる複合紡糸設備の模式図を示す。ただし、本発明の製造方法は図1により特に限定されるものではなく、公知の2軸押出機を有する複合紡糸用設備を使用することができる。
図1においては、極限粘度の高いPTTを押出機2側のポリマーチップ乾燥機1に、極限粘度の低い他のポリエステルを押出機4側のポリマーチップ乾燥機3に供給して吐出することが好ましい。
まず、一方の成分をポリマーチップ乾燥機1で20ppm以下の水分率までに乾燥されたポリマーを250〜280℃の温度に設定された押出機2に供給し溶融する。他のポリエステル成分を同様にして、ポリマーチップ乾燥機3および押出機4により溶融する。
溶融ポリマーは、その後ベンド5あるいは6を経て250〜285℃に設定されたスピンヘッド7に送液され、ギヤポンプで別々に計量される。その後、スピンパック8に装着された複数の孔を有する紡糸口金9で2種類の成分が合流し、サイド−バイ−サイド貼り合わせるか、または偏心鞘芯型にした後、マルチフィラメント10として紡糸チャンバー内に押し出される。紡糸チャンバー内に押し出された複合繊維10は、長さ50〜300mmの非送風領域11を経た後、冷却風12によって室温まで冷却固化され、仕上げ剤付与装置13で仕上げ剤を付与した後、所定の速度で回転する第1ロール14によって引き取られ、一旦巻取ることなく、次いで第2ロール15を経由した後に、巻取機によって所定の繊度の複合繊維パッケージ17として巻き取られる。さらに、必要に応じて、第2ロール15と巻取機の間に、第3ロール16を設置してもよい。
押出機及びスピンヘッドの温度は、ポリマーの極限粘度や形状によって上記範囲から最適なものを選ぶ。
複合繊維10は、第1ロール14に接する前に、パッケージの解舒性を良好にする等の目的で、仕上げ剤付与装置13によって仕上げ剤が付与される。複合繊維に付与する仕上げ剤は、水系エマルジョンタイプが使用される。
仕上げ剤の水系エマルジョンの濃度は、10重量%以上好ましくは15〜30重量%が採用される。
仕上げ剤の種類としては、脂肪酸エステル及び/又は鉱物油を10〜80重量%含むか、または分子量1000〜20000のポリエーテルを50〜98重量%含む仕上げ剤を、繊維に対し0.3〜1.5重量%付与することが好ましい。 また、複合繊維は必要に応じて仕上げ剤付与装置13と第1ロール14との間、及び/又は第1ロール14と第2ロール15との間、及び/又は第2ロール15と第3ロール16との間、及び/又は第3ロール16と巻取機の間で交絡付与装置により、交絡を付与しても良い。交絡付与装置は公知のインターレーサーなどが採用される。流体圧力を0.01〜0.6MPaに調整することにより、2〜50ヶ/mの交絡度を付与することができる。
第1ロールは、複合繊維の引取速度を一定にするために、表面粗さが1S以下の鏡面であることが好ましい。より好ましい表面粗さの範囲は、0.2S以下である。さらに、糸導入部の直径よりも糸出口部の直径が2〜7%漸次大きくなる、すなわち、周速度が2〜7%漸次速くすることができるテーパーロールを用いることは、第1ロール上のPTT系複合繊維の張力を維持する上でより好ましい。
また、第2ロールは、複合繊維をロール上で熱セットした際の応力集中を緩和するために、表面粗さが2S以上の梨地ロールを用いることが好ましい。より好ましい表面粗さの範囲は、2〜4Sである。第3ロールを用いる際は、第2ロールと同程度の粗度であることがより好ましい。
巻取機は公知のものでよく、トラバース方式に関してもカムトラバース方式、羽トラバース方式など、特に限定しない。好ましくは、接触ロールを積極的に駆動する自己駆動方式の巻取機を用い、さらにオーバーフィード率を0〜2%とすることが、パッケージに巻き取られる直前の複合繊維の張力を下げる目的で好ましい。
ロールの速度は、2000〜5000m/分の間で、目標となる複合繊維の物性に合わせて任意に決定してよい。ロールの温度も、目標となる複合繊維の物性に合わせて任意に決定してよい。
次に、本発明の第2の発明である、PTT系複合繊維パッケージの巻取方法について説明する。
本発明のPTT系複合繊維パッケージの巻取方法においては、表面に耐水耐油処理を施し、かつ、表面の凹凸が0.5mm以下である紙管を用いることが必要である。ここで、耐水耐油処理とは、公知のパーチメント紙を用いたもの、及び/または紙管表面に、耐水耐油性能を有するフッ素系樹脂等を塗布したもの等を意味する。
前述したように、PTT系複合繊維には、パッケージの解舒性を良好にする等の目的で、仕上げ剤付与装置によって仕上げ剤が付与される。しかしながら、紙管表面に接触して積層されている複合繊維では、複合繊維表面に付与された仕上げ剤が紙管に吸着され、結果、仕上げ剤付与率がパッケージ表面の複合繊維よりも紙管表面に接触して積層されている複合繊維の方が低くなる現象が確認されている。このことは複合繊維の仕上げ剤減少率の巻き量毎の変化を示す図2を見ても明らかである。この現象は、パッケージが巻き取られてからの経過時間が長ければ長いほど、より低くなる傾向がある。
仕上げ剤付与率がパッケージ表面の複合繊維よりも紙管表面に積層されている複合繊維の方が低くなる現象を抑制する為に、紙管表面に耐水耐油処理を施すことが有効であるが、特に、耐水耐油処理として耐水耐油性能を有するフッ素系樹脂等を塗布した場合は、紙管表面に凹凸が生じやすい。
複合繊維パッケージの内層部分が解舒される際、紙管表面の接触回数が増加する。そのため、紙管表面の凹凸が0.5mmを超えると、パッケージの内層部分の解舒の際に糸切れを生じてしまう。より好ましい紙管表面の凹凸は、0.1mm以下である。
本発明中では紙管の厚みは特に限定しないが、複合繊維の巻き締りに対する抗力や、紙管コスト等の観点から、5〜10mmであることがより好ましい。
本発明のPTT系複合繊維の巻取方法においては、巻き始めから満巻きまでの綾振りガイド入口部の張力T(巻取張力)を下記式1〜3のように制御することが必要である。
式1;Tmax(0-50)≦Tmax(50-100)
式2;Tmin(0-50)≦Tmin(50-100)
式3;0≦Tmax(50-100)−Tmin(0-50)≦0.05(cN/dTex)
Tmax(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最大値
Tmin(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最小値
Tmax(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最大値
Tmin(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最小値
パッケージ中のPTT系複合繊維には、パッケージに巻き取られる際の巻取張力に伴う応力と、パッケージに巻き取られるまでに緩和されなかった延伸及び熱セット時の応力とが存在する。これら応力の緩和現象が、パッケージ中の糸質変化、いわゆる巻き締まりである。パッケージの表層にある繊維は、その直下に比較的ソフトな繊維の層があるので、収縮することで応力は緩和される。ところが、パッケージ最内層の繊維は、その直下に繊維よりも十分硬い紙管の存在により、収縮が制限される。そのために、パッケージの表層の繊維と最内層の繊維には糸質差が生じる。
さらに、PET等のポリマーと比較してPTTはガラス転移温度が30〜45℃の範囲であり室温に近いために応力緩和速度が速く、そのためPETよりも短い時間であってもパッケージの表層の繊維と最内層の繊維に糸質差が生じやすい傾向にある。
その上、PTT系複合繊維においてストレッチ性能を向上させるには、延伸、及びまたは、熱セット過程でPTT成分に応力をできるだけ集中させ、2つのポリエステル成分間に配向度差を生じさせることが有効であるので、必然的にパッケージ中に延伸及び熱セット時の応力が内在しやすい。そのため、さらにパッケージの表層の繊維と最内層の繊維に糸質差が生じやすい傾向にある。
本発明の製造方法における上記式1〜3のように制御する目的は、パッケージ内層の繊維を表層の繊維よりもリラックスさせて巻き取ることにより、前述した、直下層の硬度違いによる内層と表層の収縮差をできるだけ小さくし、その結果、糸質差をできるだけ小さくすることである。
そのため、式1または式2の範囲を外れると、前述した内層と表層の収縮差により、最内層の繊維に糸質差が生じやすい。
一方、式3の範囲を外れると、内層と表層の収縮差は小さくなるものの、パッケージに内在する応力が高くなるために、複合繊維の巻き締まりによりパッケージの巻きフォーム及び解舒性が悪化しやすい。
上記式1〜3を達成する手段のひとつとして、巻取機の巻取速度を巻き厚み毎に制御して巻取り、パッケージ巻取り中の糸速度Vを下記式6〜8のように制御することが好ましい。
式6;Vmax(0-50)≦Vmax(50-100)
式7;Vmin(0-50)≦Vmin(50-100)
式8;0.1≦〔(Vmax(50-100)−Vmin(0-50))/Vmin(0-50)〕×100≦2.0(%)
Vmax(0-50);巻き厚み0〜50%における糸速度最大値
Vmin(0-50);巻き厚み0〜50%における糸速度最小値
Vmax(50-100);巻き厚み50〜100%における糸速度最大値
Vmin(50-100);巻き厚み50〜100%における糸速度最小値
本発明中において、巻取速度とは巻取機の接触ロールの周速度(ベクトル)を、糸速度とは接触ロールの周速度(ベクトル)とトラバース方向の速度(ベクトル)の和の絶対値を意味している。例えば、巻取機の接触ロールの周速度が3000m/分で、綾角が7.0度で巻き取っている際、次の如く算出される。
トラバース速度=3000×tan7.0=368m/分
糸速度=3000/cos7.0=3023m/分
さらに、前述している請求項5記載の発明の目的が内層と表層の収縮差を最小にし、その結果、糸質差を最小にすることから、例えば鬼綾回避機能のような、糸速度の短周期での変化や特定微小巻き径での変化は、式4、5における糸速度とは考えていない。言うまでもなく、パッケージの満巻きから空紙管への自動切替成功率を上げるために切替時の短い時間帯に行う切替増速率に伴う糸速度の変化も、式6〜8における糸速度とは考えていない。
接触ロールの周速度により速度制御を行っている巻取機においては、糸速度が一定であってもパッケージが巻き太るに伴い巻取張力が低下する傾向にある。その理由としては、パッケージが巻き太るに伴ってパッケージが回転する際の空気抵抗、いわゆる風損が大きくなるためにパッケージを回転させている軸の運動エネルギーが損なわれることや、パッケージが巻き太るに伴って接触ロールとパッケージの接触面積が増加することにより、接触ロールとパッケージのスリップ率が低下し、結果パッケージの周速度が低下するためであると考えられる。
パッケージが巻き太るに伴い巻取張力が低下を抑制する方法として、〔(Vmax(50-100)−Vmin(0-50))/Vmin(0-50)〕×100≧0.1%とすることが有効である。
式1〜3を達成する他の手段としては、例えば、糸速度を一定で最終ロール速度をパッケージの巻き厚みに応じて制御することが挙げられる。
本発明のPTT系複合繊維パッケージの製造方法においては、巻き厚み毎に綾角を変化させる綾角変化巻を行なうことがパッケージのフォームを良好にする観点から好ましい。一例として、パッケージの巻取開始から終了までの間に、巻き厚み毎に綾角を3度〜10度の範囲で異ならせて巻き取ることが好ましい。さらに、綾角は、内層よりも中間層の綾角度を大きくすることが好ましい。綾角が3度未満では、巻崩れが生じて正常な巻取が困難である。綾角が10度を越えると、パッケージのフォームが耳高となりやすい。より好ましくは、綾角は4度〜9度の範囲で内層において綾角を低くし、巻径の増加とともに綾角度を徐々に高くし、パッケージの中層において最も高くし、その後、外層に至っては再び綾角を小さくする制御である。その場合、綾角変化によって生ずる糸速度変化を考慮する必要がある。
本発明のPTT系複合繊維の製造方法においては、パッケージ巻取り中の最終ロール出口部の張力をT’、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTとしたときに、T’、Tを下記式4、5のように制御することが必要である。
式4;0≦T−T’≦0.05(cN/dTex)
式5;T≦0.11(cN/dTex)
前述したように、パッケージ中のPTT系複合繊維には、パッケージに巻き取られる際の巻取張力に伴う応力と、パッケージに巻き取られるまでに緩和されなかった延伸及び熱セット時の応力とが内在する。そのために、巻取張力が高いと、パッケージに内在する応力が高くなるために、巻き締まりによるフォーム不良や解舒不良が生じやすい。一方、最終ロールの出口部の張力は、最終ロール中の応力よりも低いとロールに繊維がとられるといった現象が生じやすい。それらのために、PTT系複合繊維パッケージを巻き取るには、最終ロール出口部の張力T’と綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)Tを上記式4、5のように制御することが必要である。
巻取張力Tが0.11cN/dTexを超えると、パッケージに内在する応力が高くなるために、巻き締まりによるフォーム不良や解舒不良が生じる傾向にある。一方、T−T’が0.05cN/dTexを超えると、最終ロールに繊維がとられるといった現象が生じる傾向にある。好ましい範囲は、T−T’≦0.02cN/dTexであり、かつ、T≦0.09cN/dTexである。
上記式4、5を達成する手段としては、例えば、最終ロールと巻取機の綾振りガイド間の交絡ノズル等の接糸ガイドを排除したり、最終ロール出口部から綾振りガイドまでの距離が2m以下にして空気抵抗を可能な限りなくすこと等が挙げられる。
本発明の衣料用に適したPTT系複合繊維パッケージは、延伸することなくそのまま編織にしたり、もしくは延伸仮撚加工を施して編織物に供したりすることができる。特に、繊維の形態が複雑でしかもパッケージの最内層まで繊維を使用する延伸仮撚加工に使用した場合には、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるといった本発明の効果がより強く発揮される。
本発明のポリエステル系複合繊維パッケージの仮撚加工としては、一般に用いられているピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー仮撚タイプ等の加工方法が採用される。特に、仮撚速度が高速で、しかも仕上げ剤付着率や糸質に影響されやすい傾向にあるフリクションタイプやニップベルトタイプの仮撚において本発明のパッケージを使用すると、よりいっそうの効果が発揮される。
本発明のポリエステル系複合繊維を仮撚加工することなく使用して得られる編織物も、周期的な染め変動欠点のない良好な品位と、ソフトな風合いを呈する編織物が得られる。
編織物には、全て本発明のポリエステル系複合繊維を使用してもよく、または他の繊維と混合して一部に使用してもよい。混繊複合する他の繊維としては、ポリエステル、セルロース、ナイロン6、ナイロン66、アセテート、アクリル、ポリウレタン弾性繊維、ウール、絹等の長繊維及び短繊維などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のポリエステル系複合繊維と他の繊維とを混繊複合した編織物とするには、混繊複合糸は、他の繊維をインターレース混繊、インターレース混繊後延伸仮撚、どちらか一方のみ仮撚しその後インターレース混繊、両方別々に仮撚後インターレース混繊、どちらか一方をタスラン加工後インターレース混繊、インターレース混繊後タスラン加工、タスラン混繊、等の種々の混繊方法によって製造することができる。かかる方法によって得た混繊複合糸には、交絡度が10ヶ/m以上付与することが好ましい。
以下に実施例などをもって本発明を更に詳細に説明するが、言うまでもなく本発明は実施例などにより限定されるものではない。
なお、実施例などにおいて行った物性の測定方法及び測定条件を説明する。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次式の定義に基づいて求められる値である。
[η]=lim(ηr−1)/C
C→0
定義中のηrは純度98%以上のo−クロロフェノールで溶解したPTTポリマーの稀釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶液の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cはg/100mlで現されるポリマー濃度である。
(2)沸水処理後の伸縮伸長率
糸を周長1.125mの検尺機で10回かせ取りし、0.9×10-3cN/dtexの荷重を掛けた状態で、沸騰水中で30分間熱処理する。次いで、同荷重を掛けたまま乾熱180℃で15分間乾熱処理する。処理後、無負荷の状態でJIS−L−1013に定められた恒温恒湿室に一昼夜静置した。次いで、かせに以下に示す荷重を掛けてかせ長を測定し、以下の式から伸縮伸長率を測定する。
伸縮伸長率=〔(L2 −L1 )/L1 〕×100
L1 =1×10-3cN/dtex荷重付加時のかせ長
L2 =0.18cN/dtex荷重付加時のかせ長
(3)仕上げ剤減少率
仕上げ剤付着率は、繊維重量を除いてJIS−L−1013に準拠して測定を行った。PTT系複合繊維パッケージは、パッケージ巻き取り後3ヶ月経過したものを使用した。
複合繊維を周長1.125mの検尺機で1gの質量になるようにかせ取りし、質量を正確に秤量した(繊維重量)後に、複合繊維をジエチルエーテルで洗浄し、ジエチルエーテルを留去し、その質量を正確に秤量した(除去後重量)。それらの値から、繊維表面に付着した純仕上げ剤量を繊維重量で割って求めた比率を仕上げ剤付着率を求め、さらに仕上げ剤減少率を算出した。
仕上げ剤付着率=〔(繊維重量−除去後重量)/繊維重量〕×100(%)
仕上げ剤減少率=〔(WT−W1)/WT〕×100(%)
WT;表層部糸の仕上げ剤付着率
W1;最内層の糸量1g部の仕上げ剤付着率
(4)紙管巻き締め応力
測定には、図3に示す装置を用いた。測定には、45℃で24時間クリルスタンドに保管した満巻きパッケージを用いた。実施例、または比較例で得られた満巻パッケージ(紙管外径A108φ、巻き径C340φ)を、中央に紙管径よりも152φ大きな穴B(本発明中では260φの円形の穴)の開いたステージの中央に、紙管の中心とステージ中央の穴の中心がほぼ一致するように載せる。ステージとは反対面の紙管に径Dが100φである圧力計を備えたエアーシリンダーを設置し、シリンダー内圧力が2kg/cm2/分の速度で昇圧するように圧力を徐々に上げた。パッケージ中の紙管がずれ始めるシリンダー内圧力を測定して、紙管巻き締め応力を次式より算出した。
紙管巻き締め応力=P×π×(100/20)2×9.8/[π×(0.5×L)2×H]/1000(kPa)
P;シリンダー内圧力(kg/cm2
H;パッケージ最内層部のトラバース方向の巻き幅(m)
L;紙管外径(m)
(5)破断伸度
JIS−L−1013に基づいて測定した。
(6)張力
張力の測定は、張力計としてROTHSCHILD Min Tens R−046を用いて、走行する繊維に掛かる張力計指示値(cN)を測定し、繊維の繊度D(dtex)で徐して巻取張力、及び最終ロール出口部の張力を測定した。
張力(cN/dtex)=[張力計指示値]/D
T;綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)
T’;最終ロール出口部の張力
(7)紡糸安定性
1錘当たり6エンドの紡口を装着した溶融紡糸機を用いて、各実施例ごとに2日間の溶融紡糸と延伸を行った。
この期間中の糸切れの発生回数と、得られた延伸糸パッケージに存在する毛羽の発生頻度(毛羽発生パッケージの数の比率)から、以下のように判定した。
◎ ; 糸切れ0回、毛羽発生パッケージ比率 5%以下
○ ; 糸切れ2回以内、毛羽発生パッケージ比率 10%未満
× ; 糸切れ3回以上、毛羽発生パッケージ比率 10%以上
(8)仮撚加工性(解舒性)
下記条件で仮撚加工を行い、96錘/台で、パッケージのテール繋ぎを実施し、1パッケージ中の表層から内層までの全ての繊維を仮撚加工した際の糸切れ回数で解舒性を以下のように評価した。
仮撚加工機 村田機械製作所(株)製;33H仮撚機(ベルトタイプ)
仮撚条件 糸速度 500 m/分
ベルト角度 107.5度
DR 1.125
VR 1.390
第1ヒーター温度 170 ℃
◎:糸切れ回数が1回以下で非常に良好
○:糸切れ回数が2〜5回で良好
×:糸切れ回数が6回以上で、工業的生産が困難
(9)染め品位(表層/内層色差、染め斑)
PTT系複合繊維または仮撚加工糸を一口編みした後、精練・染色して品位を判定した。また、テール繋ぎを実施した前後から、表層と最内層の色差判定を行った。
◎ ;染め斑、色差などの欠点なく、極めて良好
○ ;染め斑、色差などの欠点なく、良好
× ;染め斑もしくは色差があり、不良
(10)ストレッチ性能
PTT系複合繊維または仮撚加工糸のストレッチ性能は、下記に示すような織物にて評価した。布帛の作成は以下のように行った。
経糸に84dtex/24fのPTT単一の繊維(旭化成 「ソロテックス」)の無撚糊付け糸を用い、緯糸に本発明の各実施例および比較例のPTT系複合繊維または仮撚加工糸を用いて平織物を作成した。
経密度 97本/インチ
緯密度 88本/インチ
織機 津田駒工業社製 ウオータージェットルームZW−303
製織速度 450回転/分
得られた生機を、液流リラクサーにて95℃でリラックス精練後、液流染色機にて120℃で染色を行った。
次いで、170℃で仕上、幅だし熱セットの一連の処理を行った。仕上げ後の織物の経緯の密度は、以下であった。
経密度 160本/インチ
緯密度 93本/インチ
得られた布帛を用い以下の方法でストレッチ率と回復率を評価した。
島津製作所(株)製の引張試験機を用いて、つかみ幅2cm、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分で、試料を緯方向に伸長させたときの2.94N/cmの応力下での伸び(%)をストレッチ率とした。その後、再び同じ速度でつかみ間隔10cmまで収縮させた後、再度応力−歪み曲線を描き、応力が発現するまでの伸度を残留伸度(A)とする。回復率は以下の式によって求めた。
回復率=〔(10−A)/10〕×100%
測定されたストレッチ率と回復率から、ストレッチ性能を下記のように判定した。
◎ ;ストレッチ性能20%以上、かつ回復率85%以上
○ ;ストレッチ性能10〜20%、かつ回復率80〜85%
× ;ストレッチ性能10%未満、または回復率80%未満
(11)総合評価
解舒性、加工性及び染品位の全てについて、以下のように判定した。
◎:解舒性、加工性及び染品位ともに全てが非常に良好
○:解舒性、加工性及び染品位が非常に良好であるが、いずれかが良好
×:解舒性、加工性及び染品位のいずれかが不良
[実施例1〜3、比較例1〜3]
本実施例では、PTT系複合繊維パッケージを得る例について説明する。即ち、PTT系複合繊維及びパッケージの物性、条件がパッケージの解舒性、染め品位(表層/内層色差)、ストレッチ性能に及ぼす効果について説明する。
以下、実施例の製造・巻取条件を示す。
一方の成分として酸化チタンを0.4重量%含む極限粘度1.2dl/gのPTTと、他方の成分として酸化チタンを0.4重量%含む極限粘度0.92dl/gのPTTペレットを図1のような紡糸機及び巻取機を用いて、92dTex/36フィラメントのPTT系複合繊維パッケージを製造した。
本実施例における紡糸条件は、以下の如くである。
(紡糸条件)
ペレット乾燥温度及び到達水分率 110℃、15ppm
押出機温度 押出機2 250℃
押出機4 255℃
スピンパック温度 265℃
冷却風条件 温度 22℃、相対湿度 90%
速度 0.5m/sec
仕上げ剤(ポリエーテルエステルを主成分とする水系エマルジョン濃度20重量%):仕上げ剤付与率 0.7%
紡糸口金から仕上げ剤付与ノズルまでの距離 75cm
(巻取条件)
第1ロール速度 2500m/分
温度 55℃
第2ロール速度 3050m/分
温度 80℃
第3ロール速度 3050m/分
温度 60℃
第3ロール〜綾振りガイド距離 1.5m
巻取機(TMT(株);AW−909:ボビン軸とコンタクトロールの両軸が自己駆動 オーバーフィード率0.5% 綾角 内層から表層に巻き太るに伴い、4.0→8.8→6.0と変化
巻取速度 3005m/分
糸速度変化パターン 図4のパターン1
巻取時のパッケージ温度 25℃
使用紙管 紙管長115mm、厚さ7mm
表面に耐水耐油処理を施した紙管
得られたPTT系複合繊維パッケージの繊維物性は、以下の通りであった。
(PTT系複合繊維パッケージ)
巻径 340mm
巻幅 95mm
巻重量 5.8kg
(PTT系複合繊維物性)
平均糸粘度[η] 1.1dl/g
繊度 91.6dtex
強度 2.0 cN/dtex
伸度 表1に記載
得られたPTT系複合繊維及びパッケージの物性、及び評価結果を表1に示す。
実施例2〜3は、実施例1の条件に対し、PTT系複合繊維パッケージを巻き取る際のロール速度・温度、及び巻取速度を変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。実施例1、3のこれら紡糸条件を表2に示す。
一方、比較例1、2は、実施例1の条件に対し、使用ポリマーの極限粘度、ロール速度・温度、及び巻取速度を変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。また、比較例3は、ロール速度・温度を変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。
各実施例により得られたPTT系複合繊維及びパッケージの物性、及び評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例に示すPTT系複合繊維パッケージは、良好な解舒性、染め品位(表層/内層色差)、ストレッチ性能を有していた。
[実施例4〜5、比較例4〜8]
実施例4〜5は、実施例1の条件に対し、PTT系複合繊維パッケージを巻き取る際の張力(糸速度)変化パターンを変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。尚、糸速度変化パターンは、図4のパターン2〜3である。
一方、比較例4は、実施例1の条件に対しPTT系複合繊維パッケージを巻き取る際の使用紙管の種類を変更して、すなわち耐水耐油処理を施していない紙管を用いて得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。また、比較例5は、実施例1の条件に対し、PTT系複合繊維パッケージを巻き取る際の紙管の種類は同等であり、すなわち同様の耐水耐油処理を施しておるものの、紙管表面に0.7mmの凹凸を有する紙管を用いて得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。
一方、比較例6〜7は、実施例1の条件に対しPTT系複合繊維パッケージを巻き取る際の張力(糸速度)変化パターンを変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。なお、糸速度変化パターンは、図4のパターン4〜5である。
一方、比較例8は、実施例1の条件に対しPTT系複合繊維パッケージを巻き取る際の、パッケージ巻取り中の最終ロール出口部の張力T’、及び綾振りガイド入口部の張力T(巻取張力)を変更して得られた複合繊維の物性、及び評価結果である。
各実施例により得られたPTT系複合繊維及びパッケージの物性、及び評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の実施例に示すPTT系複合繊維パッケージは、良好な解舒性、染め品位(表層/内層色差)、ストレッチ性能を有していた。
Figure 2005307380
Figure 2005307380
本発明は、衣料用に適したPTT系複合繊維パッケージが提供でき、優れたストレッチ性能を有しながら、パッケージ表層、最内層における染め色差がなく、染め斑もなく、しかもパッケージを使用する際の解舒性が良好であるパッケージ及びその巻取方法を提供する。
複合繊維パッケージを製造するプロセスの模式図である。 複合繊維の仕上げ剤減少率の巻き厚み毎の変化を示す図である。 本発明で用いた、複合繊維の紙管巻き締め応力測定装置の模式図である。 本発明で用いた、複合繊維の糸速度変化パターンの模式図である。
符号の説明
1:ポリマーチップ乾燥機
2:押出機
3:ポリマーチップ乾燥機
4:押出機
5:ベンド
6:ベンド
7:スピンヘッド
8:スピンパック
9:紡糸口金
10:複合繊維
11:非送風領域
12:冷却風
13:仕上げ剤付与装置
14:第1ロール
15:第2ロール
16:第3ロール
17:PTT系複合繊維パッケージ
18:エアーシリンダー
19:シリンダー内圧力
20:複合繊維パッケージ
21:ステージ

Claims (8)

  1. 2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型または偏心鞘芯型に複合された単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートで他方が他のポリエステルである該複合繊維が巻量2kg以上で積層され、以下に示す(1)〜(3)の条件を満足するポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維パッケージ。
    (1)0.9×10-3cN/dtexの荷重下で沸水処理後の伸縮伸長率が10〜200%
    (2)紙管に接する最内層の糸量1g部における仕上げ剤付着率の、パッケージ表層部における仕上げ剤付着率に対する減少率が、0〜30%
    (3)パッケージを温度45℃で24時間保持した後に測定した、紙管巻き締め応力が10〜50kPa
  2. 複合繊維パッケージを温度45℃で24時間保持した後に測定した、紙管巻き締め応力が15〜40kPaであることを特徴とする請求項1に記載の複合繊維パッケージ。
  3. 複合繊維の破断伸度が、25〜90%であることを特徴とする請求項1に記載の複合繊維パッケージ。
  4. 複合繊維を構成する単糸の両方の成分が、少なくとも90モル%以上がポリトリメチレンテレフタレートからなり、複合繊維の平均極限粘度が0.6〜1.2dl/gであることを特徴とする請求項1又は3に記載のポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維パッケージ。
  5. 2種類のポリエステル成分がサイド−バイ−サイド型または偏心鞘芯型に複合された単糸群からなり、単糸を構成する少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートで他方が他のポリエステルであるポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維を溶融紡糸し、冷却風により冷却固化後に、巻取速度を2000〜5000m/分で巻き量2kg以上のパッケージとして巻取るに際し、以下の(A)〜(C)を満足することを特徴とする複合繊維の巻取方法。
    (A)表面に耐水耐油処理を施し、かつ、表面の凹凸が0.5mm以下である紙管を用いる。
    (B)巻き始めから満巻きまでの綾振りガイド入口部の張力T(巻取張力)を下記式1〜3のように制御する。
    式1;Tmax(0-50)≦Tmax(50-100)
    式2;Tmin(0-50)≦Tmin(50-100)
    式3;0≦Tmax(50-100)−Tmin(0-50)≦0.05(cN/dTex)
    Tmax(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最大値
    Tmin(0-50);巻き厚み0〜50%における巻取張力最小値
    Tmax(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最大値
    Tmin(50-100);巻き厚み50〜100%における巻取張力最小値
    (C)パッケージ巻取り中の最終ロール出口部の張力をT’、綾振りガイド入口部の張力(巻取張力)をTとしたときに、T’、Tを下記式4、5のように制御する。
    式4;0≦T−T’≦0.05(cN/dTex)
    式5;T≦0.11(cN/dTex)
  6. 巻き始めから満巻きまで、綾角を変化させる綾角変化巻を行なうことを特徴とする請求項5に記載の巻取方法。
  7. 巻取機の巻取速度を巻き厚み毎に制御して巻取り、パッケージ巻取り中の糸速度Vを下記式6〜8のように制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の巻取方法。
    式6;Vmax(0-50)≦Vmax(50-100)
    式7;Vmin(0-50)≦Vmin(50-100)
    式8;0.1≦〔(Vmax(50-100)−Vmin(0-50))/Vmin(0-50)〕×1
    00≦2.0(%)
    Vmax(0-50);巻き厚み0〜50%における糸速度最大値
    Vmin(0-50);巻き厚み0〜50%における糸速度最小値
    Vmax(50-100);巻き厚み50〜100%における糸速度最大値
    Vmin(50-100);巻き厚み50〜100%における糸速度最小値
  8. 最終ロール出口部から綾振りガイドまでの距離が2m以下であることを特徴とする請求項5〜7に記載の巻取方法。
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