JPWO2006106591A1 - 延性破壊特性に優れた高強度鋼板及び高強度溶接鋼管並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、パイプラインでは、鋼管の母材に発生した延性き裂が管軸方向に100m/s以上の高速で100mから数kmにも及ぶ長距離を伝播する可能性があり、耐アレスト性が要求される。耐アレスト性は、き裂の伝播を停止させる特性であり、脆性き裂が母材を伝播して停止する特性、即ち耐脆性破壊特性と、延性き裂が母材を伝播して停止する特性、即ち延性破壊特性に分類される。このうち、脆性破壊特性については、圧延面に(211)面を集積させて脆性き裂伝播停止特性を向上させた構造用鋼材が提案示されている(例えば、特開2002−24891号公報)。
耐脆性破壊特性は、落重破壊試験(Drop Weight Tear Test、DWTT試験という)を行い、延性破面率が85%以上になる温度(DWTT遷移温度という)で評価される。特に、脆性き裂は溶接部から発生することが多いため、試験片の中央部に溶接ビードを形成して脆性き裂を導入し、DWTT試験を行って評価することができ、このような耐脆性破壊特性に優れた鋼管が提案されている(例えば、特開平11−36042号公報)。
一方、延性破壊特性の評価には、鋼管の表面に爆薬を装着して爆発させ、発生した延性き裂が停止するか否かを判定するフルクラックバーストテストが最適である。しかし、フルクラックバーストテストは試験に要するコストが非常に高いため、シャルピー衝撃試験又はDWTT試験によって代用されていた。これは、フルクラックバーストテストの結果とシャルピー吸収エネルギー又はDWTT試験によって求められる吸収エネルギー(DWTT吸収エネルギーという)が、引張強度がX70級程度までの鋼については、比較的良く一致するためである。
しかし、引張強度がX100級以上の高強度鋼板と高強度溶接鋼管では、鋼管のフルクラックバーストテストと素材である鋼板のシャルピー吸収エネルギー及びDWTT吸収エネルギーとの間には相関が認められないことが判明し、シャルピー衝撃試験及びDWTT試験が高強度鋼板の延性破壊特性の評価に適していないことがわかった。そのため、試験コストが高い鋼管のフルクラックバーストテストの代替として、延性破壊特性を簡便に評価し得る試験方法が必要とされ、更にはその試験によって得られた知見を活用し、延性破壊特性に優れた高強度鋼板及び高強度溶接鋼管の開発が要望されていた。
また、X100級に相当する高強度鋼板及び高強度溶接鋼管では、板面平行割れと呼ばれる欠陥が発生すること合がある。本発明において、板面平行割れとは、特に鋼板の板厚中心部の近傍に発生し易い、板面に平行な割れであり、水素に起因した欠陥である。この板面平行割れは超音波探傷法によって検出することができる。高強度鋼板及び高強度溶接鋼管は水素による割れ感受性が高いため、板面平行割れが存在し、延性破壊特性が劣化することがあった。
本発明者は、円周方向の引張強度が760MPa以上900MPa未満の高強度溶接鋼管の延性破壊特性を適正に評価し得る簡便な試験方法について検討を行い、得られた知見に基づいて更に延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管を得るための母材の成分、ミクロ組織及び集合組織について検討を行った。その結果、母材、即ち鋼板のミクロ組織、集合組織を最適化することが有効であるという知見を得、更に製造条件について検討を行い、延性破壊特性に優れた高強度鋼板及び高強度溶接鋼管並びにそれらの製造方法を発明するに至った。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.01〜0.5%、Si:0.01〜3%、Mn:0.1〜5%、P:0.03%以下、S:0.03%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、面積率で1〜60%のフェライトを含み残部がベイナイト及びマルテンサイトからなるミクロ組織を有し、圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転させた断面の{100}の集積度の最大値が3以下であり、超音波探傷法で測定された板厚平行割れが1mm未満であることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
(2) 質量%で、更に、Ni:0.1〜2%、Mo:0.15〜0.6%、Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.005〜0.03%を含有することを特徴とする上記(1)記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
(3) 質量%で、更に、Al:0.06%以下、B:0.0001〜0.005%、N:0.0001〜0.006%、V:0.001〜0.1%、Cu:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.8%、Zr:0.0001〜0.005%、Ta:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.01%、REM:0.0001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.006%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
(4) フェライトの平均粒径が5μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
(5) 圧延面の{100}の集積度が1.6〜7であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
(6) 引張強度TSが760〜900MPa未満であり、−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギーEが3000〜9000Jであり、TSとEが下記(1)式を満足することを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
20000≦20TS+E≦25000 ・・・ (1)
(7) 母材が上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板からなることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管。
(8)シーム溶接金属の成分が、質量%で、C:0.04〜0.14%、Si:0.05〜0.4%、Mn:1.2〜2.2%、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:1.3〜3.2%、Cr+Mo+V:1〜2.5%、O:0.01〜0.06%を含有し、更に、Ti:0.003〜0.05%、Al:0.02%以下、B:0.005%以下の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする上記(7)に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管。
(9) 上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の成分からなる鋼を溶製、連続鋳造して鋼片とし、該鋼片を再加熱し、再結晶圧延及び未再結晶圧延後、水冷する工程からなる上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の鋼板の製造方法であって、未再結晶圧延の終了温度が600〜800℃であり、800℃以下での累積圧下率が10%以上であり、水冷時の鋼板中心部の600℃から450℃までの平均冷速が0.5〜10℃/sであり、水冷停止温度が350℃超であることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
(10) 鋼片の再加熱温度が1100〜1250℃であることを特徴とする上記(9)記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
(11) 再結晶圧延における900℃以上での各圧延パスの圧下率の平均値が5%以上であり、最終パスの圧下率が10%以上であることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
(12) 未再結晶圧延における880℃以下での累積圧下率が60%以上であることを特徴とする上記(9)〜(12)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
(13) 上記(7)に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管を製造する方法であって、上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板をUO工程で管状に成形し、端部同士を溶接ワイヤー及び焼成型フラックス又は溶融型フラックスを使用してサブマージドアーク溶接し、その後、拡管を行うことを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
(14) 上記(8)に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管を製造する方法であって、溶接ワイヤーの成分が、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.3%以下、Mn:1.2〜2.4%、Ni:4〜8.5%、Cr+Mo+V:3〜5%を含有し、更に、Ti:0.005〜0.15%、Al:0.02%以下の1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする上記(13)に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
(15) サブマージドアーク溶接の板厚1mm当たりの比入熱が0.13〜0.25kJ/mm2であることを特徴とする上記(13)又は(14)に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
図2は、鋼板の45°面の{100}の集積度とプリクラックDWTTエネルギーとの関係を示す図である。
図3は、鋼板の45°面及び圧延面の{100}の集積度と破断形態との関係を示す図である。
図4は、鋼板のミクロ組織と引張強度及びプリクラックDWTTエネルギーとの関係を示す図である。
次に、本発明者は、き裂の伝播のエネルギーを適正に評価するための試験方法について検討を行った。本発明者は、フルクラックバーストテストで発生したき裂が、鋼管の長手方向を軸として肉厚断面から20〜50°回転した断面に沿って、鋼管の長手方向に進展していることに注目した。即ち、鋼板では、き裂が鋼板の圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した断面に沿って進展することになる。なお、鋼管の長手方向を軸として肉厚断面から20〜50°回転した断面及び鋼板の圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した断面を総称して45°面という。上記の知見から、本発明者は、鋼板のき裂の伝播のエネルギーの評価には、45°面に沿って進展し易い試験片、即ち、板厚方向に対する板幅方向の比が大きいDWTT試験片を用いることが最適であると考えた。更に、ノッチの先端を鋭くして、き裂の発生のエネルギーを低下させるために、楔状の治具に圧力を加えるプレスノッチを導入し、更に3点曲げによって延性き裂を導入する方法を検討した。
その結果、プレスノッチを試験片の中央に導入し、プレスノッチの反対側の中央部とプレスノッチ側の両端と荷重を加える3点曲げを行う際に、最大荷重に達した後、最大荷重の5%までの範囲で荷重が低下した時点で停止し、延性き裂を導入した試験片を用いて、DWTT試験(以下、プリクラックDWTT試験という)を行えば、得られた吸収エネルギー(プリクラックDWTTエネルギーという)によって、き裂の伝播のエネルギーを適正に評価できることがわかった。
この知見に基づき、本発明者は種々の鋼板についてプリクラックDWTT試験を行い、鋼板の延性破壊特性が向上する要因について検討を行った。まず、0.06C−2Mn−Ni−Cu−Cr−Mo−Ti系の鋼板のプリクラックDWTTエネルギーとミクロ組織との関係を明確にするために、鋼板のフェライトの面積率と、−20℃でのプリクラックDWTTエネルギーとの関係を調査した。その結果、図1に示すように、ミクロ組織のフェライトの面積率が1〜60%であると、−20℃でのプリクラックDWTTエネルギーが3000J以上に向上することがわかった。なお、鋼板のフェライトの面積率は、鋼板の板厚断面の光学顕微鏡組織写真を画像解析して求めた。
更に、本発明者は、鋼板の圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した断面の集合組織を調査し、その最大値とプリクラックDWTTエネルギーとの関係を検討した。その結果、図2に示すように、圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した断面の{100}の集積度の最大値(45°面の{100}の集積度という)が3以上になるとプリクラックDWTTエネルギーが著しく低下することがわかった。なお、{100}の集積度は、試料のX線回折による強度の測定値を、ランダムな方位を有する標準試料のX線回折による強度の測定値で除して評価する。即ち、{100}の集積度が3であることは、{100}のX線回折の強度の測定値がランダムな方位を有する標準試料の測定値の3倍であることを意味する。なお、{100}は、等価な(100)の結晶面をまとめて示すものである。
鋼板の45°面に{100}が集積するとプリクラックDWTTエネルギーが著しく低下する理由は次のように考えられる。延性破壊のき裂は、理論的には、鋼板の圧延方向を軸として板厚断面から45°回転した面に沿って、即ち、板厚方向から45°傾斜して圧延方向に進展する。したがって鋼板の45°面に鋼の劈開面に相当する{100}が集積していると、き裂が進展する面と劈開面が一致するため、ひとたび鋼板の45°面にて脆性破壊が発生するとき裂が一気に伝播すると考えられる。なお、理論的には圧延方向を軸として板厚断面から45°回転した面での{100}の集積度が最大となるが、実際に測定を行うと、40°回転した面の近傍での{100}の集積度が最大であることが多い。
次に、鋼板の45°面で{100}が集積した部位のミクロ組織を観察した結果、主にベイナイト及びマルテンサイトであることがわかった。一般的に、未再結晶温度域での熱間圧延(未再結晶圧延という。)を行う場合、オーステナイトは、冷却時にベイナイト及びマルテンサイトに変態し、鋼板の45°面には{100}が集積し易い。一方、未再結晶圧延されたフェライトは、鋼板の表面に平行な面である圧延面に{100}が集積し易い。そのため、未再結晶圧延時のフェライト分率が増加すると鋼板の45°面の{100}の集積度が低下する傾向がある。また、鋼板の圧延面の{100}の集積度が増加すると、き裂が伝播し易い劈開面が圧延面に沿った方向にも増加するため、セパレーションが発生し易くなる。一般的にはセパレーションの発生は靭性を損なうものであるが、セパレーションが発生しない場合と比較すると、セパレーションの発生によってプリクラックDWTTエネルギーの低下が著しく抑制されることがわかった。
更に、本発明者は鋼板の45°面の{100}の集積度が3以下であり、X100級の引張強度を有する種々の鋼板について、鋼板の圧延面における{100}の集積をX線回折によって調査し、鋼板の45°面及び圧延面の{100}の集積度とセパレーションの発生との関係を図3に示した。鋼板の圧延面の{100}の集積度は、測定面が鋼板の表面と平行になるように板厚中心部から採取した試験片を用いて、X線回折によって測定した。図3は、鋼板の45°面の(100)の集積度と鋼板の圧延面の{100}の集積度と破壊の形態の関係を示したものである。なお、45°面の(100)の集積度は、圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した面を測定面としてX線回折を行い、最大値を採用した。なお、圧延方向を軸として板厚断面から40°回転した面の{100}の集積度が最大であった。また、図3において、○はセパレーションの発生が顕著であること、△はセパレーションの発生がほとんど認められないことを意味する。
図3において、△は圧延面の{100}の集積度が1.6未満であり、セパレーションの発生が顕著ではない。一方、□は圧延面の{100}の集積度が1.6以上であり、セパレーションの発生が顕著である。したがって、圧延面の{100}の集積度が1.6以上になるとセパレーションの発生が顕著になることがわかる。
本発明者は更に検討を進め、引張強度TSと−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギーEとの相関関係に及ぼすミクロ組織の影響について検討を行った。結果を図4に結果を示す。なお、図4において、引張強度は鋼管の円周方向に相当する、鋼板の幅方向のものである。図4から、引張強度が760MPa〜900MPa未満の範囲では、フェライトとベイナイト・マルテンサイトの2相からなるミクロ組織を有する鋼は、同程度の引張強度で比較すると、ミクロ組織がグラニュラーベイナイト単相である鋼よりも、プリクラックDWTTエネルギーが高いことがわかる。図4において、実線はEが3000〜9000Jであり、かつ20000≦20TS+E≦25000を満足する範囲を示す。なお、破線は21000≦20TS+E≦23000の範囲である。
また、高強度溶接鋼管の素材である高強度鋼板には、板表面に平行な板面平行割れが板厚中心部近傍に生じることがある。板面平行割れは水素に起因しており、プリクラックDWTTエネルギーを低下させ、延性破壊特性を損なう。この板面平行割れの発生は、水冷停止温度と相関があり、水冷停止温度を350℃超にすると実質的に板面平行割れの発生を防止できることがわかった。なお、板面平行割れの発生は、圧延後の鋼板から300mm角の試験片を採取し、JIS Z 2344に準拠して、周波数を5MPaとして垂直探傷による超音波探傷検査を行って確認することができる。即ち、超音波探傷検査の結果、板面平行割れが1mm未満であれば、欠陥の大きさが検出限界未満であり、実質的に板面平行割れの発生が防止できていることを確認することができる。
なお、本発明者は、鋼管を切断して平板状にプレスし、採取した試験片を用いて、鋼板と同様にして鋼管の母材の集合組織およびミクロ組織を調査し、引張強度及び−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギーを測定した。鋼管の製造は、通常、鋼板の圧延方向が鋼管の長手方向になるようにして行ったため、鋼管の円周方向は鋼板の幅方向に、鋼管の肉厚断面は鋼板の板厚断面に対応している。その結果、平板状にプレスした鋼管の母材の諸特性は、素材である鋼板とほぼ同等であり、鋼管についても鋼板の知見がそのまま適用できることを確認した。
以下、本発明の高強度鋼板及び高強度溶接鋼管について詳細に説明する。
フェライトの面積率は、1%未満ではプリクラックDWTTエネルギーが低下し、60%を超えると、引張強度が低下する。引張強度と延性破壊特性のバランスを考慮すると、フェライトの面積率は、5%超〜20%以下であることが好ましい。なお、フェライト以外のミクロ組織はベイナイト及びマルテンサイトの混合組織(ベイナイト・マルテンサイトという。)である。ミクロ組織のフェライトとベイナイト・マルテンサイトは、光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡を用いた組織観察によって判別することが可能である。また、フェライトの面積率は、光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡で撮影した組織写真の画像解析によって測定することができる。
鋼板の圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した面での{100}の集積度の最大値(45°面の{100}の集積度)は、3を超えると延性破壊特性が著しく低下するため、3以下とし、下限はランダムな方位に相当する1とする。なお、45°面の{100}の集積度は、圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転した面を測定面としてX線回折を行い、最大値を求めるが、板厚断面から20〜50°の範囲を5°間隔で回転させた面の{100}の集積度を測定し、最大値を求めてもよい。
鋼板の圧延面に平行な欠陥である板面平行割れはプリクラックDWTTエネルギーを低下させるため、超音波探傷法で測定した板面平行割れが1mm未満であることが必要である。超音波探傷法による検査はJIS Z 2344に準拠して行えば良い。なお、超音波探傷法による板面平行割れの検出限界は1mm未満であるため、測定値が1mm未満であれば、実質的に鋼板に板面平行割れが存在しない。
フェライトの平均粒径は、5μmを超えて粗大化すると、破壊の破面単位が大きくなって伝播エネルギーが低下することがあるため、5μm以下であることが好ましい。また、フェライトの平均粒径が5μm以下であれば、微細なフェライトが分散することになり、層状にはならない。フェライトの平均粒径は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって撮影した組織写真を用いて、切断法によって測定することができる。フェライトの平均粒径は小さいほど好ましいが、1μm未満にするには製造コストが高くなる。したがって、現状ではフェライト平均粒径の下限は1μmである。
鋼板の圧延面における{100}の集積度は、セパレーションの発生によってプリクラックDWTTエネルギーの低下を抑制させるために、1.6以上とすることが好ましい。更にプリクラックDWTTエネルギーの低下を抑制するには、鋼板の圧延面における{100}の集積度を1.8以上とすることが好ましく、2以上が最適である。しかし、鋼板の圧延面における{100}の集積度が7を超えるとセパレーションによるプリクラックDWTTエネルギーの低下が顕著になる。なお、鋼板の圧延面における{100}の集積度の上限は、セパレーションによる低温靭性の低下を考慮すれば3.5以下とすることが好ましい。
上記のミクロ組織、集合組織を有する本発明の高強度鋼板は、引張強度及び延性破壊特性に優れ、引張強度が760MPa以上900MPa未満であり、プリクラックDWTTエネルギーは3000J以上である。また、本発明の高強度鋼は引張強度TSとプリクラックDWTTエネルギーEのバランスが優れており、Eが3000〜9000Jであり、かつ20000≦20TS+E≦25000を満足する。なお、TSとEの関係は、21000≦20TS+Eを満足することが好ましい。
次に母材の化学成分の限定理由について説明する。
Cは鋼の強度向上に極めて有効な元素であり、0.01%以上の添加が必要であり、0.02%以上のCを含有することが好ましい。しかし、C含有量が0.5%よりも多すぎると母材及び溶接熱影響部(HAZという)の低温靱性が劣化し、現地溶接性を損なうため、C含有量の上限を0.5以下とすることが必要である。なお、低温靭性を良好にするにはC含有量の上限を0.14%以下とすることが好ましく、更に好ましい上限は0.1%以下である。
Siは、脱酸に有効な元素であり、0.01%以上を含有することが必要である。しかし、3%超のSiを添加するとHAZの低温靱性が劣化し、現地溶接性を損なうため、添加量の上限を3%とすることが必要であり、好ましいSi含有量の上限は0.6%以下である。
Mnは、鋼の強度と低温靱性とのバランスを良好にするために有効な元素であり、0.1%以上添加することが必要であり、1.5%以上添加することが好ましい。一方、Mnを過剰に含有すると鋼の焼き入れ性が増してHAZの低温靱性を劣化させ、また、現地溶接性を損なう。したがって、Mnの添加量の上限を5%以下とすることが必要であり、好ましい上限は2.5%以下である。
P、Sは不純物元素であり、母材及びHAZの低温靱性をより一層向上させるために、Pの含有量及びSの含有量の上限をそれぞれ0.03%以下及び0.03%以下とすることが必要であり、更に、それぞれ0.015%以下及び0.003%以下にすることが好ましい。Pの含有量及びSの含有量の下限は低いほど好ましいため規定しないが、通常、それぞれ0.001%以上及び0.0001%以上を含有する。
更に、Ni、Mo、Nb、Tiを含有しても良い。
Niは、低温靱性及び強度を向上させる元素であり、Ni含有量の下限を0.1%以上とすることが好ましい。一方、Niの含有量が2%を超えると、溶接性を損なうことがあるため、Ni含有量の上限を2%とすることが好ましい。
Moは、鋼の焼き入れ性を向上させ、炭窒化物を形成して強度を向上させる元素であり、その効果を得るには、Mo含有量を0.15%以上とすることが好ましい。一方、Moを0.6%超含有すると、強度が高くなり過ぎてHAZの低温靱性を損なうことがあるため、Mo含有量の上限を0.6%とすることが好ましい。
Nbは炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であり、この効果を得るには、Nb含有量を0.001%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.1%よりも多すぎると、母材及びHAZの低温靱性を損なうことがあるため、Nb含有量の上限を0.1%とすることが好ましい。
Tiは、脱酸に有効であり、窒化物を形成して結晶粒径の微細化に寄与する元素であり、その効果を得るには、0.005%以上を添加することが好ましい。一方、Ti含有量が0.03%よりも多すぎると、粗大な炭化物を生じて、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.03%以下とすることが好ましい。
更に、Al、B、N、V、Cu、Cr、Zr、Ta、Ca、REM、Mgの1種又は2種以上を添加しても良い。
Alは脱酸材として有効な元素であるが、Al含有量が0.06%を超えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を阻害することがあるため、Al含有量の上限を0.06%以下とすることが好ましい。
Bは、焼入れ性を高め、溶接熱影響部の靱性を向上させる元素である。この効果を得るには、Bを0.0001%以上添加することが好ましく、一方、0.005%よりも過剰に添加すると、靱性が低下することがある。したがって、Bの添加量を0.0001〜0.005%の範囲とすることが好ましい。
Nは、Ti、Al等と窒化物を形成し、溶接熱影響部のオーステナイト粒の粗大化を防止する。この効果を得るには0.0001%以上Nを添加することが好ましいが、0.006%よりも過剰にNを添加すると、靱性の低下を招くことがある。したがって、Nの添加量を0.0001〜0.006%の範囲とすることが好ましい。
Vは、Nbと同様に炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であり、効果を得るには0.001%以上の添加が好ましい。一方、Vを0.1%超添加すると、靱性の低下を招くことがあるため、上限を0.1%以下とすることが好ましい。
Cuは、強度を上昇させる元素であり、0.01%以上添加することが好ましい。一方、1%超を添加すると鋼片加熱時や溶接時に割れを生じ易くするため、上限を1%以下とすることが好ましい。
Crは、析出強化によって鋼の強度を向上させる元素であり、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、Crを0.8%よりも過剰に添加すると靱性を低下させることがあるため、上限を0.8%以下とすることが好ましい。
Zr及びTaは、Nbと同様に炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であり、それぞれ、0.0001%以上の添加が好ましい。一方、Zr及びTaを、それぞれ、0.005%超添加すると、靱性の低下を招くことがあるため、Zr及びTaの添加量の上限をそれぞれ、0.005%以下とすることが好ましい。
Ca及びREMは硫化物を生成して、圧延方向に伸長したMnSの生成を抑制し、鋼材の板厚方向の特性、特に耐ラメラティアー性を改善する。この効果を得るには、Ca及びREMを、それぞれ、0.0001%以上添加することが好ましい。一方、Ca及びREMを、それぞれ、0.01%超添加すると、Ca及びREMの酸化物が増加するため、Ca及びREMの添加量の上限を、それぞれ、0.01%以下とすることが好ましい。
Mgは、MgO、MgS等の超微細なMg含有酸化物又は硫化物を生成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、HAZ靱性を向上させる元素である。この効果を得るには、Mgを0.0001%以上添加することが好ましい。一方、Mgを0.006%超添加するとMg含有酸化物、硫化物が粗大化するため、その上限を0.006%以下とすることが好ましい。
本発明の高強度溶接鋼管は、上記の鋼板を筒状に成形し、単部同士を突き合わせて溶接して製造する。なお、鋼管のUO工程による成形は、通常、鋼板の圧延方向が鋼管の長手方向になるようにして行う。鋼管の母材の集合組織、ミクロ組織、引張強度及び−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギーは、鋼板を平板状にプレスして採取した試験片を用いて測定すれば良く、結果が上記の範囲内であれば、本発明の高強度鋼板を母材とする鋼管であると判断することができる。
本発明の高強度溶接鋼管の溶接金属の成分は以下の範囲とすることが好ましい。
Cは、鋼の強度向上に極めて有効であり、マルテンサイト組織において目標とする強度を得るためには、C含有量を0.04%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.14%を超えると溶接低温割れが発生しやすくなり、現地溶接部とシーム溶接が交わる、いわゆるTクロス部のHAZ最高硬さの上昇を招くので、C含有量の上限を0.14%以下とすることが好ましい。更に好ましいC含有量の上限値は0.1%以下である。
Siは、ブローホールの発生を防止するために、0.05%以上含有させることが好ましい。一方、Si含有量が0.4%よりも多いと、低温靱性を劣化させることがあり、特に、内外面溶接や多層溶接を行う場合、再熱部の低温靱性を劣化させることがあるため、上限を0.4%以下とすることが好ましい。
Mnは、強度、低温靱性のバランスを良好にし、粒内ベイナイトの生成核となる介在物を形成する元素である。この効果を得るには、Mn含有量を1.2%以上にすることが好ましい。一方、Mn含有量が2.2%よりも多すぎると偏析が助長され、低温靱性が劣化することがあり、溶接材料の製造が困難になるので、Mn含有量の上限を2.2%以下とすることが好ましい。
P、Sは不可避的不純物であり、低温靱性の劣化を抑制し、低温割れ感受性を低減するためには、P、Sの含有量を、それぞれ0.01%以下とすることが好ましい。
Niは、焼き入れ性を高めて強度を向上させ、低温靱性を向上させる元素であり、この効果を得るためには、1.3%以上のNiを含有させることが好ましい。一方、Ni含有量が3.2%よりも多すぎると高温割れを生じることがあるため、Ni含有量の上限を3.2%以下とすることが好ましい。
Cr、Mo、Vは、何れも焼き入れ性を高め、強度を向上させる元素であり、効果を得るには、Cr+Mo+Vを1%以上とすることが好ましい。一方、Cr+Mo+Vを2.5%よりも多量に添加すると低温割れを生じることがあるため、Cr+Mo+V含有量の上限を2.5%以下とすることが好ましい。
Oは、焼入れ性を下げ、溶接金属の低温靭性を劣化させる元素であり、O量を0.06%に制限することが好ましい。一方、O量が低いと低温割れが発生し易くなると同時に現地溶接部の硬さが高くなることがあるため、0.01%以上とすることが好ましい。
また、Ti、Al、Bの1種又は2種以上を含有しても良い。
Tiは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの窒化物及び酸化物等を形成する元素であり、0.003%以上を含有させることが好ましい。一方、Ti含有量が0.05%よりも多すぎると、Tiの炭化物が多く生成し、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.05%とすることが好ましい。
Alは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの酸化物の生成を阻害することがあるため、Al含有量は少ない方が好ましい。Al含有量は0.02%以下を上限とすることが好ましく、更に好ましい上限は0.015%以下である。
Bは、焼き入れ性を高め、溶接金属の低温靱性を向上させる元素であるが、B含有量が0.005%よりも多すぎると低温靱性を劣化させることがあるため、B含有量の上限を0.005%以下とすることが好ましい。なお、焼入性及び低温靭性の向上という効果を得るには、Bを0.0003%以上含有することが好ましい。
その他、溶接金属は、溶接時の精錬及び凝固を良好に行わせるために添加させたZr、Nb、Mg等の元素を含有する場合がある。
溶接金属の組織は、主にベイナイト・マルテンサイト、粒内ベイナイトからなり、残部はフェライト及び/又は残留オーステナイトである。溶接金属の引張強度は母材よりも高いことが好ましく、引張強度を770MPa以上にするためには、ベイナイト・マルテンサイトの面積率を50%以上にすることが好ましい。更に溶接金属の低温靱性を良好にするには粒内ベイナイトの面積率を10%以上にすることが好ましい。ベイナイト・マルテンサイトと粒内ベイナイトは、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡による組織観察によって判別することができ、ベイナイト・マルテンサイト、粒内ベイナイトの面積率の測定は、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって撮影した組織写真の画像解析によって行うことができる。
次に、本発明の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法について説明する。本発明の範囲内の成分からなる鋼を製鋼工程で溶製後、連続鋳造し、得られた鋼片を再加熱し、熱間圧延を施し、冷却して鋼板を製造する。熱間圧延は、再結晶温度域で行う再結晶圧延と、更に引き続いて未再結晶温度域で行う未再結晶圧延からなる。
本発明者の延性破壊特性の優れた鋼板を得るには鋼板の{100}の集積を制御することが必要であり、熱間圧延時の組織と圧下率、特に未再結晶圧延の温度と圧下率を適正な範囲内とする必要がある。ベイナイト及びマルテンサイトが主体である高強度鋼板の場合、オーステナイトを未再結晶圧延すると、冷却によって変態し、鋼板の45°面に{100}が集積したベイナイト及びマルテンサイトが得られ易くなる。したがって、オーステナイト相が多い温度域での累積圧下率が高いと、鋼板の45°面の{100}の集積度が高くなる。一方、未再結晶圧延及び冷却によってフェライトが生成するとベイナイト・マルテンサイトが減少し、鋼板の45°面の{100}の集積度は低下する。更に、未再結晶圧延によって加工を受けたフェライト(加工フェライトという)は圧延面に{100}が集積するため、圧延面の{100}の集積は加工フェライトの生成量に大きく依存する。以上のことから、鋼板の45°面への{100}の集積を抑制するには、フェライトが生成しない高温度域での圧下量を低くし、更に、圧延面での{100}の集積を大きくするには温度が低下してフェライトが生成してから圧下率を高くすれば良いと考えられる。即ち、鋼板の集合組織を最適化するには、未再結晶圧延の条件を適正な範囲とすることが重要ではあるが、鋼板のミクロ組織及び集合組織は、鋼の成分、再結晶圧延などの条件にも影響される。
以下、本発明の高強度鋼板を得る製造条件について説明する。
未再結晶圧延の終了温度は、延性破壊特性の向上に有効であるフェライトを生成させ、フェライトの面積率を1〜60%とするために、800℃以下にすることが必要である。一方、600℃未満で未再結晶圧延を行うと鋼板の形状が悪くなるため、600℃以上で未再結晶圧延を終了することが必要である。なお、未再結晶圧延の終了温度の好ましい上限は780℃以下である。
未再結晶圧延において800℃以下での累積圧下率が10%末満であるとフェライトが生成しにくくなるため、下限を10%以上にすることが必要である。未再結晶圧延を800℃で終了する場合には、800℃での1パスの圧下率を10%以上とする。また、未再結晶圧延の累積圧下率は、800℃での板厚と未再結晶圧延終了時の板厚との差を800℃での板厚で除した値を百分率で示したものと定義され、通常、上限は90%以下である。なお、未再結晶圧延で生成するフェライトは650℃以上にて変態する粒界フェライト、即ちポリゴナルフェライトである。
未再結晶圧延の終了後、350℃超まで水冷して冷却するが、この際に600℃から450℃までの範囲の冷却速度を0.5℃/s以上にすることが必要である。これは、冷却速度が0.5℃/s未満では、未再結晶域圧延の終了時には微細であったオーステナイト粒が成長し、平均旧オーステナイト粒径が5μm超となり、低温靭性が低下するためである。また、オーステナイト粒成長を避けるために冷却速度を1℃/s以上とすることが好ましい。一方、冷却速度の上限は、鋼板表面近傍のフェライトの面積率を1%以上にするために、10℃/s以下とする。冷却を水冷によって行うのは冷却速度を制御し易いためである。また、水冷停止温度を350℃超とするのは、板面平行割れの発生を防止するためである。なお、水冷停止温度の上限は450℃以下とすることが好ましい。
鋼片の再加熱温度が1100℃未満であると、凝固組織に存在する粗大なオーステナイトの結晶粒の存在によって加熱後も同じような粗大粒が存在するので、微細化が不十分になり、鋼板の一部に粗大なベイナイト・マルテンサイトの結晶粒が生じることがある。一方、再加熱温度が1250℃を超えると粒成長によってオーステナイトの結晶粒が粗大化し易くなるため、鋼板全体の結晶粒径の微細化が不十分になって低温靭性を劣化させることがある。したがって、鋼片の再加熱温度は1100〜1250℃とすることが好ましい。
再結晶圧延は、圧延温度が900℃未満になるとオーステナイトの十分な再結晶化が図れず、結晶粒が細粒化しにくいため、900℃以上で行うことが好ましい。また、再結晶圧延の各パスの圧下率の平均値が5%未満であると十分に再結晶しないことがある。そのため、再結晶圧延の各パスの圧下率の平均値を5%以上とすることが好ましく、上限は通常20%程度である。
再結晶圧延の最終パスの圧下率は、10%以上とすることが好ましい。これは、圧延温度が低下するにしたがって再結晶しにくくなるため、1パス当たりの圧下率を大きくして再結晶を促進するためである。なお、再結晶圧延の最終パスの圧下率の上限は高いほど好ましいが、40%超とすることは困難である。
なお、各パスの圧下率は1パスの圧延前後の板厚の差を圧延前の板厚で除した値を百分率で示した値であり、最終パスの圧下率も同様である。また、各パスの圧下率の平均値は、各パスの圧下率を単純に合計し、パス数で除した値である。
再結晶圧延に引き続いて、結晶粒を更に扁平させて細粒化させるために未再結晶圧延を行う。
未再結晶圧延の温度は、880℃を超えると、板厚中心近傍の温度が圧延によって上昇し、再結晶温度を超えると粒成長が生じて、結晶粒の細粒化が不十分になることがある。また、未再結晶圧延の累積圧下量が60%未満では結晶粒径が微細化しにくくなる。そのため未再結晶圧延の温度範囲は880℃以下とすることが好ましく、累積圧下率は60%以上とすることが好ましい。なお、未再結晶圧延の累積圧下率は、未再結晶圧延前即ち再結晶圧延終了後の板厚と未再結晶圧延終了後の板厚の差を未再結晶圧延前の板厚で除した値を百分率で表したものである。また、45°面の{100}の集積度を抑制するには、未再結晶圧延の累積圧下率のうち、800℃以下での累積圧下率をより大きくすることが好ましい。
上記の製造条件によって得られた高強度鋼板を筒状にプレス成形し、端部同士を突き合わせてサブマージアーク溶接し、高強度溶接鋼管とする。サブマージアーク溶接は母材の希釈が大きい溶接であり、所望の特性すなわち溶接金属組成を得るためには、母材の希釈を考慮した溶接材料の選択が必要である。以下、溶接ワイヤーの化学組成の限定理由を述べるが、基本的には高強度ラインパイプを実現できる製造方法である。
Cは、溶接金属で必要とされる範囲のC含有量を得るために、母材成分による希釈及び雰囲気からCの混入を考慮して0.01〜0.12%とした。
Si、Mn、Ni、Cr+Mo+Vは、溶接金属で必要とされる範囲のSi、Mn、Ni、Cr+Mo+Vの含有量を得るために、母材成分による希釈を考慮して、それぞれ、0.3%以下、1.2〜2.4%、4〜8.5%、3〜5%とした。
Tiは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの窒化物及び酸化物等を形成する元素であり、0.005%以上を含有させることが好ましい。一方、Ti含有量が0.15%よりも多すぎると、Tiの炭化物が多く生成し、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.15%とすることが好ましい。
Alは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの酸化物の生成を阻害することがあるため、Al含有量は少ない方が好ましい。Al含有量の好ましい上限は0.02%以下である。
Bは、強度を確保するために、0.0003〜0.005%程度添加しても良い。その他P、Sの不純物は極力少ない方が望ましく、また、Zr、Nb、Mg等が脱酸を目的として使用される。
なお、溶接は単極だけでなく、複数電極での溶接も可能である。複数電極で溶接の場合は各種ワイヤーの組み合わせが可能であり、個々のワイヤーが上記成分範囲にある必要はなく、それぞれのワイヤー成分と消費量からの平均組成が上記成分範囲にあれば良い。
サブマージドアーク溶接に使用されるフラックスは大別すると焼成型フラックスと溶融型フラックスがある。焼成型フラックスは合金材添加が可能で拡散性水素量が低いという利点があるが、粉化しやすく繰り返し使用が難しいという欠点がある。一方、溶融型フラックスはガラス粉状で、粒強度が高く、吸湿しにくいという利点があるが、拡散性水素がやや高いという欠点がある。本発明の高強度鋼管を製造する場合には、溶接低温割れが起こりやすく、この点からは焼成型が望ましいが、一方、回収して繰り返し使用が可能な溶融型は大量生産に向きコストが低い利点がある。焼成型ではコストが高いことが、溶融型では厳密な品質管理の必要性が問題であるが、工業的に対処可能な範囲であり、どちらでも本質的には使用可能である。
次に溶接条件について以下に説明する。
最初に行う仮付け溶接は、MAGアーク溶接、MIGアーク溶接、TIGアーク溶接の何れでもよい。通常はMAGアーク溶接である。特に、内外面の溶接をサブマージドアーク溶接とすることが好ましいが、TIGアーク溶接、MIGアーク溶接又はMAGアーク溶接でも良い。内外面の溶接はそれぞれ1パスづつでも良いが、複数パス行っても良い。
サブマージアーク溶接の板厚1mmあたりの内外面の比入熱は0.13〜0.25kJ/mm2とすることが好ましく、この範囲は、板厚が15mm厚の内外面の溶接入熱が2〜3.8kJ/mmであることに相当する。サブマージアーク溶接の板厚1mmあたりの内外面の比入熱は0.13kJ/mm2未満では、入熱が小さすぎて溶け込みが不十分になり、溶接回数が多くなり、作業効率が悪くなることがある。一方、サブマージアーク溶接の板厚1mmあたりの内外面の比入熱が0.25kJ/mm2よりも大きいと、熱影響部が軟化し、溶接部の靭性が低下することがある。なお、仮付け溶接と内外面の溶接の溶接部が重複する場合には、溶接入熱は出来る限り低い方が好ましい。
内外面をサブマージドアーク溶接する場合、溶接速度を1m/分未満とするとラインパイプのシーム溶接としては非効率であり、3m/分を超えるとビード形状が不安定になることがある。したがって、サブマージドアーク溶接の溶接速度は、1〜3m/分の範囲内であることが好ましい。
シーム溶接後、拡管により真円度を向上させることが好ましい。真円度を高めるには塑性域まで変形させる必要があり、本発明の高強度鋼管の場合は、拡管後円周と拡管前円周の差を拡管前円周で除した値を百分率で表した拡管率が、0.5%以上であることが好ましい。一方、拡管率が2%を超えると、母材、溶接部とも塑性変形により靭性が劣化することがある。したがって、拡管率は0.5〜2%の範囲とすることが好ましい。
C:0.11%、Si;0.25%、Mn:1.5%、P:0.01%、S:0.002%を含有する鋼を溶製し、鋳造して鋼片とし、鋼片を再加熱して再結晶圧延及び未再結晶圧延を行い、水冷し、板厚が20mmの鋼板を製造した。本発明の鋼板の製造は以下の条件で行った。即ち、未再結晶圧延は、終了温度を600〜800℃の範囲内とし、800℃以下での累積圧下率を10%以上として行い、水冷は、600℃から450℃までの平均の冷却速度が0.5〜10℃/sになるようにして行い、350℃超から450℃未満の温度範囲内で停止した。一方、比較例の鋼板は未再結晶圧延の終了温度を800℃超とした。
鋼板から300mm角の試験片を採取し、JIS Z 2234に準拠して、周波数を5MPaとして垂直探傷で超音波探傷を行い、何れの鋼板も測定値が1mm未満であり、板面平行割れが生じていないことを確認した。鋼板の圧延方向の板厚断面が観察面となるように試験片を採取し、研磨及びエッチングを行い、ミクロ組織を光学顕微鏡で観察した。板厚中心部の近傍で撮影した組織写真を画像解析し、フェライトの面積率及びフェライト粒径を求めた。また、鋼板から圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°の範囲を5°間隔で回転させた断面をそれぞれ測定面とした試験片を採取してX線回折を行い、最大値を45°面の{100}の集積度とした。X線回析の試料は、測定点が板厚中心部の近傍となるように、厚みを2mm、最大径を30mmとして採取した。更に、鋼板の幅方向を長手方向として試験片を採取して−20℃でプリクラックDWTT試験を行い、プリクラックDWTTエネルギーを求めた。
結果を表1に示す。表1において、フェライト分率はフェライトの面積率、Eは−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギー、45°面{100}は鋼板の45°面の{100}の集積度である。本発明の鋼板は、フェライトの面積率が1〜60%の範囲であり、何れも45°面の{100}の集積度が3未満であり、−20℃でのプリクラックDWTTエネルギーは3000J以上と延性破壊特性に優れていた。しかし、比較例の鋼板はフェライトが生成しておらず、45°面の{100}の集積度が3を超え、母材のプリクラックDWTTエネルギーが3000J未満であり、延性破壊特性は良好でなかった。
表2に示す成分を含有する鋼を溶製して鋳造し、厚みが240mmの鋼片とした。これらの鋼片を表3に示す条件で板厚が14〜25mmの鋼板とした。得られた鋼板を筒状にプレス成形し、仮付け溶接を行った後、表4に示す成分を含有する鋼からなる溶接ワイヤーを用いて、表4に示す条件で内外面をサブマージドアーク溶接し、拡管率2%以下の拡管を行い、36インチ(913mm径)の鋼管を製造した。シーム溶接部から試料を採取して溶接金属の成分分析を行った。表5に溶接金属に含まれる成分を示す。
得られた鋼管を切断し、平板状になるようにプレスし、試料を採取してミクロ組織及び集合組織の調査を行った。研磨及びエッチングを行い、光学顕微鏡による組織観察を行った。ミクロ組織の観察は光学顕微鏡によって行い、試料は、鋼管の長手方向の肉厚断面が観察面となるように採取し、観察面を研磨し、エッチングした。光学顕微鏡組織写真を画像解析してフェライトの面積率及び粒径を測定した。また、集合組織の調査はX線回折によって行った。45°面の{100}の集積度を測定するための試料は、鋼管の長手方向を軸として母材の肉厚断面から20〜50°の範囲を5°間隔で回転させた面がそれぞれ測定面となるようにして採取した。また、圧延面の{100}の集積度を測定するための試料は、平板状にプレスした鋼管の母材の表面と平行な肉厚中心部近傍の面が測定面となるように採取した。X線回析の試料は、測定点が板厚中心部の近傍となるように、厚み2mm、最大径を30mmとして採取した。更に、平板状にプレスした鋼管の母材から300mm角の試験片を採取し、JIS Z 2234に準拠して、周波数を5MPaとして垂直探傷で超音波探傷検査を行った。超音波探傷検査の結果、欠陥の長径の測定値が全て1mm未満であるものを板面平行割れ無、測定値が1mm以上の欠陥を有するものを板面平行割れ有と評価した。
更に、鋼管の母材から円周方向を長手方向として、板厚中央部付近が試験片の平行部となるように、JIS Z 2240に準拠して2号引張試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。溶接金属の引張試験はJIS Z 3111に準拠してA2号引張試験片を用いて行った。
また、鋼管を平板状にプレスし、円周方向が長手方向になるようにDWTT試験片を採取し、肉厚方向にプレスノッチを導入して、更に3点曲げで延性き裂を導入し、プリクラックDWTT試験を−20℃で実施した。更に、鋼管を平板状にプレスし、円周方向が長手方向になるように試験片を採取してJIS Z 2242に準拠してシャルピー衝撃試験を行い、母材の−40℃におけるシャルピー吸収エネルギーを測定した。溶接金属の衝撃試験はJIS Z 3111に準拠して−30℃で行った。溶接熱影響部のシャルピー衝撃試験片は、鋼管の円周方向がシャルピー衝撃試験片の長手方向となるように採取した。試験片の肉厚断面を研磨して外面の溶接金属と内面の溶接金属の交点を確認し、その交点から溶接熱影響部側に2mm離した位置にVノッチを機械加工した。溶接熱影響部のシャルピー衝撃試験はJIS Z 2242に準拠して−30℃で行った。
更に、鋼管の内部に水とガスを充填し、爆発させて、発生したき裂が停止するか、鋼管の長手方向に伝播して貫通するかを見極める部分バースト試験を行った。
表6に試験結果を示す。表6のフェライト分率はフェライトの面積率であり、TSは引張強度、Eは−20℃でのプリクラックDWTTエネルギー、YSは降伏強度、YRは降伏比、vEはシャルピー吸収エネルギーであり、添え字は測定温度を示し、HAZは溶接熱影響部を意味する。表6において実施No.1〜11は本発明の例であり、これらの鋼管は何れも母材の−20℃でのプリクラックDWTTエネルギーが3000J以上である。また、部分ガスバースト試験でき裂が停止しており、延性破壊特性が優れている。
一方、実施No.12〜20は比較例であり、フェライトが生成していない。その結果、45°面の{100}の集積度が3を超え、母材のプリクラックDWTTエネルギーが3000J未満である。しかも、これらの特性が悪いために部分ガスバースト試験も貫通し、延性破壊特性も劣っている。更に、実施No.19及び20は水冷停止温度が350℃以下であるため、板面平行割れが発生し、プリクラックDWTTエネルギーが低下している。
Claims (15)
- 質量%で、C:0.01〜0.5%、Si:0.01〜3%、Mn:0.1〜5%、P:0.03%以下、S:0.03%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、面積率で1〜60%のフェライトを含み残部がベイナイト及びマルテンサイトからなるミクロ組織を有し、圧延方向を軸として板厚断面から20〜50°回転させた断面の{100}の集積度の最大値が3以下であり、超音波探傷法で測定された板厚平行割れが1mm未満であることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
- 質量%で、更に、Ni:0.1〜2%、Mo:0.15〜0.6%、Nb:0.001〜0.1%、Ti:0.005〜0.03%を含有することを特徴とする請求項1記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
- 質量%で、更に、Al:0.06%以下、B:0.0001〜0.005%、N:0.0001〜0.006%、V:0.001〜0.1%、Cu:0.01〜1%、Cr:0.01〜0.8%、Zr:0.0001〜0.005%、Ta:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.01%、REM:0.0001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.006%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
- フェライトの平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
- 圧延面の{100}の集積度が1.6〜7であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板
- 引張強度TSが760〜900MPa未満であり、−20℃におけるプリクラックDWTTエネルギーEが3000〜9000Jであり、TSとEが下記(1)式を満足することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板。
20000≦20TS+E≦25000 ・・・ (1) - 母材が請求項1〜6の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板からなることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管。
- シーム溶接金属の成分が、質量%で、C:0.04〜0.14%、Si:0.05〜0.4%、Mn:1.2〜2.2%、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:1.3〜3.2%、Cr+Mo+V:1〜2.5%、O:0.01〜0.06%を含有し、更に、Ti:0.003〜0.05%、Al:0.02%以下、B:0.005%以下の1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項7に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の成分からなる鋼を溶製、連続鋳造して鋼片とし、該鋼片を再加熱し、再結晶圧延及び未再結晶圧延後、水冷する工程からなる請求項1〜6の何れか1項に記載の鋼板の製造方法であって、未再結晶圧延の終了温度が600〜800℃であり、800℃以下での累積圧下率が10%以上であり、水冷時の鋼板中心部の600℃から450℃までの平均冷速が0.5〜10℃/sであり、水冷停止温度が350℃超であることを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
- 鋼片の再加熱温度が1100〜1250℃であることを特徴とする請求項9記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
- 再結晶圧延における900℃以上での各圧延パスの圧下率の平均値が5%以上であり、最終パスの圧下率が10%以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
- 未再結晶圧延における880℃以下での累積圧下率が60%以上であることを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板の製造方法。
- 請求項7に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管を製造する方法であって、請求項1〜6の何れか1項に記載の延性破壊特性に優れた高強度鋼板をUO工程で管状に成形し、端部同士を溶接ワイヤー及び焼成型フラックス又は溶融型フラックスを使用してサブマージドアーク溶接し、その後、拡管を行うことを特徴とする延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
- 請求項8に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管を製造する方法であって、溶接ワイヤーの成分が、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.3%以下、Mn:1.2〜2.4%、Ni:4〜8.5%、Cr+Mo+V:3〜5%を含有し、更に、Ti:0.005〜0.15%、Al:0.02%以下の1種又は2種を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項13に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
- サブマージドアーク溶接の板厚1mm当たりの比入熱が0.13〜0.25kJ/mm2であることを特徴とする請求項13又は14に記載の延性破壊特性に優れた高強度溶接鋼管の製造方法。
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