JPWO2005121009A1 - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
巻上機(9)を小型化し、且つ、全体構成を簡素化することにより、小スペース化されたエレベータ装置の大容量化を実現する。そのため、かご(2)上部のかご用吊車(2a)に対して平行な回動軸を有し、且つ、鉛直投影面上、かご用吊車(2a)の綱溝と一直線状の綱溝を有するかご用返し車(9a)をかご(2)上方に、また、釣合い重り(6)上部の釣合い重り用吊車(6a)に対して平行な回動軸を有し、且つ、鉛直投影面上、釣合い重り用吊車(6a)の綱溝と一直線状の綱溝を有する釣合い重り用返し車(9b)を釣合い重り(6)上方に配置するとともに、巻上機(10)及びそらせ車(11)を、かご用吊車(2a)及び釣合い重り用吊車(6a)の位置に合わせて昇降路頂部に配置することによって、かご(2)及び釣合い重り(6)を3:1ローピング方式に懸吊する。
Description
この発明は、エレベータのかごと釣合い重りとが主索によって懸吊された3:1ローピング方式のトラクション式エレベータ装置に関する。
近年のエレベータ装置は、建築物を可能な限り有効に利用するため、昇降路上方に設置される機械室の鉛直投影面積を昇降路の鉛直投影面積と略同程度としたり、従来機械室に設置されていた機器類を昇降路内に配置して、機械室の設置を不要にしたりすることによって、省スペース化を実現している。しかし、エレベータ装置の省スペース化により使用機器類のレイアウトや設置位置には大幅な制限が課せられてしまうため、大型の巻上機を設置して駆動トルクを増大させることはできず、エレベータ装置の大容量化は困難なものとなっていた。
一方、エレベータ装置の大容量化に対応する方法には、巻上機の駆動トルクを増大させる方法の他に、エレベータのかご及び釣合い重りを懸吊する主索のローピング方式によって実現するものも考えられる。例えば、日本特開2000−153975号公報に記載された牽引綱車エレベータには、かご及び釣合い重りを4:1ローピング方式によって懸吊するトラクション式エレベータ装置が示されている。4:1ローピング方式によってかご及び釣合い重りを懸吊する場合、巻上機に必要な駆動トルクを、例えば、1:1ローピング方式の場合の1/4、2:1ローピング方式の場合の1/2に軽減することができるため、大型の巻上機を設置することなく大容量のエレベータ装置を実現することが可能となる。しかし、4:1ローピング方式は、かごの移動距離と比較して主索の移動距離が大幅に長くなり、この主索を折り返す吊車や返し車が増加してしまうため、その構成及び配置が非常に複雑になるという問題が生じていた。
この発明の目的は、巻上機を小型化し、且つ、構成を簡素化することによって、省スペース化されたエレベータ装置の大容量化に対応することができるトラクション式エレベータ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明にかかるエレベータ装置は、かご上部のかご用吊車に対して平行な回動軸を有し、且つ、鉛直投影面上、かご用吊車の綱溝と一直線状の綱溝を有するかご用返し車をかご上方に、また、釣合い重り上部の釣合い重り用吊車に対して平行な回動軸を有し、且つ、鉛直投影面上、釣合い重り用吊車の綱溝と一直線状の綱溝を有する釣合い重り用返し車を釣合い重り上方に配置するとともに、互いに平行な回動軸を有する巻上機及びそらせ車を、かご用吊車及び釣合い重り用吊車の位置に合わせて昇降路頂部に配置することによって、かご及び釣合い重りを3:1ローピング方式に懸吊したものである。
[図1]第1図は、この発明にかかるエレベータ装置の第1の実施例を示す全体構成図である。
[図2]第2図は、この発明にかかるエレベータ装置の第1の実施例を示す平面図である。
[図2]第2図は、この発明にかかるエレベータ装置の第1の実施例を示す平面図である。
この発明をより詳細に説明するために、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
第1図はこの発明にかかるエレベータ装置の第1の実施例を示す全体構成図、第2図はその平面図である。図において、横断面が略四角形状を呈するエレベータ昇降路1内を昇降するかご2は、建築物の各階のエレベータ乗場と昇降路1とを連絡する乗場出入口3が設けられた昇降路壁1a側に配置されている。かご2は、その昇降可能範囲に渡って互いに対向するように立設された一対のかご用ガイドレール4によってその水平方向の移動が制限されており、昇降路壁1aを挟んで両側に対向する昇降路壁1b及び1cとこのかご2両側面との間には、それぞれ僅かな間隙5a及び5bが形成されている。また、かご2は、その両側面及び上面、下面のそれぞれの中央部を取り囲むように設けられた四角環状を呈するかご枠(図示せず)によって支持され、このかご枠の縦枠に設けられたガイドローラ(図示せず)等がかご2両側の間隙5a及び5bを通過するように配置されたかご用ガイドレール4に係合することによって、鉛直方向に案内されている。また、かご2の昇降路壁1b側上方から昇降路壁1c側上方に渡って設けられたかご枠の上枠(図示せず)には、かご用吊車2aが回動可能に設けられている。このかご用吊車2aは、昇降路壁1aに対して平行な回動軸を有しており、かご2の中央部上方に配置されている。
昇降路1内をこのかご2とは逆方向に昇降する釣合い重り6は、かご2を間に挟んで昇降路壁1aに対向する奥側の昇降路壁1dとかご2との間に形成された間隙5cを昇降するように配置されている。即ち、かご2と昇降路壁1dとの間には十分な距離が設けられていないため、釣合い重り6は、かご2の奥行方向よりも幅方向に長い構造を有している。この釣合い重り6は、昇降可能範囲に渡って互いに対向するように立設された一対の釣合い重り用ガイドレール7によってその水平方向の移動が制限されている。また、釣合い重り6は、略四角環状を呈する釣合い重り枠(図示せず)によって支持されており、この釣合い重り枠の縦枠に設けられたガイドシュー(図示せず)等が釣合い重り6の両側に配置された釣合い重り用ガイドレール7に係合することによって、鉛直方向に案内されている。また、釣合い重り6の上方に設けられた釣合い重り枠の上枠(図示せず)には、昇降路壁1c側端部に、釣合い重り用吊車6aが回動可能に設けられている。この釣合い重り用吊車6aは、釣合い重り6の長手方向に略平行なかご用吊車2aの回動軸に対して直交する回動軸を有しており、その昇降路壁1c側端部が、かご2の幅方向のほぼ中間部となるように配置されている。
また、昇降路1頂部に設けられ、昇降路1の鉛直投影面積と略同程度の鉛直投影面積を有する機械室8には、かご2の直上部にかご用返し車9aが、釣合い重り6の直上部に釣合い重り用返し車9bがそれぞれ回動可能に設けられている。ここで、かご用返し車9aは、かご用吊車2aの回動軸に対して略平行の回動軸を有しており、鉛直投影面上、かご用吊車2aよりも昇降路壁1a側に配置されるとともに、その外周面に形成された綱溝が、かご用吊車2aの外周面に形成された綱溝と略一直線状となるように配置されている。また、かご用返し車9aの昇降路壁1d側端部は、かご用吊車2a中心部の略直上部に位置するように配置されている。一方、釣合い重り用返し車9bは、釣合い重り用吊車6aの回動軸に対して略平行で、且つ、かご用吊車2a及びかご用返し車9aの回動軸に対して直交する回動軸を有するとともに、鉛直投影面上、釣合い重り用吊車6aよりも昇降路壁1b側に配置され、且つ、その外周面に形成された綱溝が、釣合い重り用吊車6aの外周面に形成された綱溝と略一直線状となるように配置されている。また、機械室8には、外周面に綱溝が形成された駆動綱車10a及びこの駆動綱車10aを任意の方向及び速度で回転制御するモータ部10bを備えたギヤレス巻上機10と、そらせ車11とが設置されている。ここで、ギヤレス巻上機10の駆動綱車10aは、昇降路1内に設けられた吊車や返し車と略同程度の径を有するとともに、かご用吊車2a及びかご用返し車9aの回動軸に対して略平行の回動軸を有している。また、駆動綱車10aは、鉛直投影面上、その綱溝がかご用吊車2aの綱溝及びかご用返し車9aの綱溝と略一直線状となるとともに、その昇降路壁1a側端部が、かご用吊車2aの昇降路壁1d側端部と所定の距離を有するように、かご用吊車2aの昇降路壁1d側に配置されている。一方、そらせ車11は、駆動綱車10aとかご用吊車2aとかご用返し車9aとのそれぞれの回動軸に対して略平行の回動軸を有しており、その外周面に形成された綱溝が、鉛直投影面上、かご用吊車2aとかご用返し車9aと駆動綱車10aとのそれぞれの綱溝と略一直線状となるように配置されている。また、その昇降路壁1d側端部は、釣合い重り用吊車6aの昇降路壁1c側端部の略直上部に位置するように配置されている。
以上のように構成されたかご2及び釣合い重り6を釣瓶式に懸吊する主索12は、その一端部が、かご用吊車2aの回動軸を支持するかご枠の上枠に、かご側引き止め具12aを介して弾性的に固定されている。そして、主索12は、かご側引き止め具12a側から、かご用返し車9a、かご用吊車2a、駆動綱車10a、そらせ車11、釣合い重り用吊車6a、釣合い重り用返し車9bに順次巻き掛けられており、他端部が、釣合い重り6を支持する釣合い重り枠の上枠に、釣合い重り側引き止め具12bを介して弾性的に固定されている。ここで、主索12は、かご用引き止め具12aからかご用返し車9aの昇降路壁1d側端部に至る部分と、そらせ車11の昇降路壁1d側端部から釣合い重り用吊車6aの昇降路壁1c側端部に至る部分と、釣合い重り用返し車9bの昇降路壁1b側端部から釣合い重り側引き止め具12bに至る部分とが、略鉛直方向となるように配置されている。また、主索12のかご用返し車9aの昇降路壁1a側端部からかご用吊車2aの昇降路壁1a側端部に至る部分と、かご用吊車2aの昇降路壁1d側端部から駆動綱車10aの昇降路壁1a側端部に至る部分とは、かご用吊車2aの回動軸を有する鉛直な平面に対して対称となるように、この平面に対して所定の角度を有するように配置されている。
このように、かご2及び釣合い重り6とは、主索12によって3:1ローピング方式に懸吊されており、駆動綱車10aの回転速度に対して1/3の速度で昇降路1内を昇降する。なお、主索12は、小さな径を有する吊車や返し車、駆動綱車10aに対応するため、曲げ寿命及びトラクション能力に優れた特性を有しており、例えば、鋼材からなる芯線に樹脂被覆が施され、高い摩擦係数を確保したもの等が使用されている。
この発明にかかるエレベータ装置の第1の実施例によれば、かご2と釣合い重り6とが3:1ローピング方式によって懸吊されているため、駆動綱車10aの径を、1:1ローピング方式の場合の1/3、2:1ローピング方式の場合の1/1.5としても、同程度の駆動トルクを得ることができ、ギヤレス巻上機10の小型化が可能となる。このようにギヤレス巻上機10を小型化することによって、ギヤレス巻上機10及びそらせ車11を、昇降路1と略同程度の鉛直投影面積を有する機械室8に設置することが可能となる。即ち、かご枠の上枠に設けられたかご用吊車2aと釣合い重り枠の上枠に設けられた釣合い重り用吊車6aとの位置に合わせて、ギヤレス巻上機10及びそらせ車11を設置することができる。このため、主索12の長さや吊車等の数量を最小限にして3:1ローピング方式を構成することが可能となるとともに、かご用吊車2aを支持するための固定体をかご2に新たに設置する必要はなく、構成を簡単にすることができる。なお、第1の実施例では、昇降路1の頂部に昇降路1と略同程度の鉛直投影面積を有する機械室8が設置されている場合について説明したが、機械室レスエレベータ装置においても、ギヤレス巻上機10やそらせ車11等を昇降路1内に設置することによって、第1の実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、ギヤレス巻上機10の駆動綱車10a及びそらせ車11の位置を、かご用吊車2a及び釣合い重り用吊車6aの位置に合わせるため、駆動綱車10aの回動軸が、かご用吊車2a及びかご用返し車9aの回動軸に対して所定の角度を有するように配置しても、第1の実施例と同様の効果を得ることは可能である。
以上のように、この発明にかかる3:1ローピング方式のエレベータ装置によれば、巻上機を小型化し、且つ、全体構成を簡単にすることができるため、省スペース化されたエレベータ装置においても、容易に大容量化を実現することが可能となる。
Claims (7)
- エレベータ昇降路内を昇降するかごと、このかごの上部に回動可能に設けられたかご用吊車と、前記かご上方の前記昇降路頂部に回動可能に設けられ、前記かご用吊車の回動軸に対して平行な回動軸を有するとともに、その綱溝が、鉛直投影面上、前記かご用吊車の綱溝と一直線状に配置されたかご用返し車と、前記かごとは逆方向に前記昇降路内を昇降する釣合い重りと、この釣合い重りの上部に回動可能に設けられた釣合い重り用吊車と、前記釣合い重り上方の前記昇降路頂部に回動可能に設けられ、前記釣合い重り用吊車の回動軸に対して平行な回動軸を有するとともに、その綱溝が、鉛直投影面上、前記釣合い重り用吊車の綱溝と一直線状に配置された釣合い重り用返し車と、前記昇降路頂部に設けられ、回動可能な駆動綱車を有する巻上機と、前記昇降路頂部に設けられ、前記1駆動綱車の回動軸に対して平行な回動軸を有するとともに、その綱溝が、鉛直投影面上、前記1駆動綱車の綱溝と一直線状に配置されたそらせ車とを備えたことを特徴とする3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- 釣合い重りは、奥側の昇降路壁とかごとの間に形成された間隙を昇降することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- 釣合い重り用吊車と釣合い重り用返し車とは、それぞれの回動軸がかご用吊車及びかご用返し車の回動軸に対して直交するように配置されたことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- 駆動綱車とそらせ車とは、それぞれの回動軸がかご用吊車及びかご用返し車の回動軸に対して平行に配置されるとともに、それぞれの綱溝が、鉛直投影面上、かご用吊車及びかご用返し車の綱溝に対して一直線状に配置されたことを特徴とする請求の範囲第3項に記載の3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- かご用吊車は、かごを支持するかご枠の上枠に設けられたことを特徴とする請求の範囲第1項から第4項の何れかに記載の3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- かご及び釣合い重りを懸吊する主索は、表面を樹脂で構成し、高い摩擦係数が得られるものを適用したことを特徴とする請求の範囲第1項から第5項の何れかに記載の3:1ローピング方式のエレベータ装置。
- 巻上機は、昇降路内に設けられたことを特徴とする請求の範囲第1項から第6項の何れかに記載の3:1ローピング方式の機械室レスエレベータ装置。
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