JPWO2005045516A1 - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

撮像装置(20)は、ジャイロセンサ(9)により撮像装置(20)の振れを計測し、静止画の記録の開始の指示があるまでは、撮像用レンズ群(1)と補正レンズ(2)の光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に補正レンズを停止させる制御である「中心停止制御」を行い、撮像素子(3)における露光開始後は、計測結果に基づいて撮像素子(3)上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ(2)の位置を制御する「レンズ補正制御」を行い、撮像素子(3)における露光完了後、次の記録開始の指示があるまでに、補正レンズ(2)を光軸中心位置に復帰させた後、補正レンズ(2)に対して中心停止制御を行う。

Description

本発明は手ブレ補正機能付きの撮像装置に関し、特に、静止画撮像に好適な撮像装置に関する。
近年、デジタルカメラの高倍率化に伴い、手ブレ補正の重要性が増してきている。従来の手ブレ補正技術としては例えば特許文献1〜3に開示されたものがある。
特許文献1に記載のカメラは、光軸からの手ブレ補正レンズの偏心量を検出し、その偏心量がゼロになるようにカメラを振る方向を表示する。
特許文献1に記載のカメラによれば、操作者は表示に従ってカメラを動かすことにより、あらゆる方向の手ブレに対して、手ブレ補正レンズのストロークを大きくとれて手ブレのない写真を得ることができる。つまり、操作者の動作によって、カメラの手ブレ補正の範囲を有効に使用することができる。しかし、この技術では、操作者がカメラを移動する必要があり、操作者に煩雑で困難な操作を要求することになり、現実的には操作者は希望する画像を自由に撮ることは困難であると考えられる。
これに対し、特許文献2、3には像ブレを自動的に補正する技術が開示されている。
特許文献2に記載の像ぶれ補正技術は、補正光学系が変位可能ゾーン(手ぶれ補正を行うために補正光学系が変位する領域)の限界に突き当たらないようにすることを目的とする。より具体的には、補正光学系が変位可能ゾーンの限界付近にあるときに、像ぶれ防止動作開始にあたって補正光学系をセンタリング操作する。
また、特許文献3には、レリーズ釦(シャッタ釦)の押下後に補正光学系をセンター位置にセットして振れ補正を開始するという技術が開示されている。具体的には、レリーズ釦を押下した後、ミラーアップし、補正光学系をセンター位置にセットし、振れ補正を開始し、シャッタを開いてフィルムに適正な露光を与えた後にシャッタを閉じる技術が開示されている。
特開平5−249529号公報 特開平1−131521号公報 特開平5−224270号公報
デジタルカメラにおいて、前述のように手ぶれ補正技術は重要性を増しているが、シャッタ釦の押下による操作者の撮像開始指示があった後、できるだけ早期に露光動作を開始し、撮像に要する時間をできるだけ短くすることもまた重要な課題の1つである。しかし、手ぶれ補正を行う場合、撮像開始指示があっても、手ぶれ補正による補正が完了しないと露光を開始することはできず、手ぶれ補正が、静止画像の撮像に要する時間の短縮化を妨げる要因となるおそれがある。
特許文献2では、補正光学系のセンタリング操作の実施タイミングについて記載しておらず、例えば、シャッタ釦押下後に補正光学系のセンタリング操作を開始したのでは、像ぶれ防止動作開始までに時間を要し、結果として静止画像の撮像に要する時間がかかるという問題がある。
また、特許文献3の技術では、レリーズ釦の押下後(すなわち、撮像指示がなされた後)に、補正光学系をセンター位置にセットしている。補正光学系のセンター位置へのセットが完了するまで露光を開始することはできないため、特許文献3の技術では、撮像指示がなされてから露光動作の開始までに時間を要し、撮像に要する時間が大きくなってしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、手振れを低減しつつ、静止画像の撮像に要する時間を低減する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る撮像装置は、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置である。撮像装置は、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して前記撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズと、撮像装置の振れを計測する計測手段と、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示手段と、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に補正レンズを停止させるよう、補正レンズ位置を制御する「中心停止制御」と、計測手段の計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう、補正レンズ位置を制御する「レンズ補正制御」とを選択的に実行するレンズ制御手段とを備える。レンズ制御手段は、指示手段から記録の開始の指示があるまでは中心停止制御を行い、撮像素子における露光開始後はレンズ補正制御を行い、撮像素子における露光完了後、指示手段から次の記録の開始の指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させた後、補正レンズに対して中心停止制御を行う。
撮像装置は、撮像素子から転送された静止画像を受けて画像処理を行う画像処理手段をさらに備えてもよい。そのとき、レンズ制御手段は、撮像素子における露光完了後、撮像素子から画像処理手段への静止画像の転送が完了する前に、補正レンズが光軸中心位置に復帰するよう補正レンズを制御するのが好ましい。
レンズ制御手段は、撮像素子の露光を開始する時間よりも、補正レンズを安定的に制御するのに必要な時間だけ早く、レンズ補正制御を開始するようにしてもよい。
レンズ制御手段は、計測手段の計測結果を判断する際の基準値を更新する基準値更新機能を有し、レンズ補正制御をしている間は基準値更新機能を作動させないようにしてもよい。
撮像装置は、計測手段の結果を積分する積分手段をさらに備えてもよい。レンズ制御手段は、積分手段の出力に基づいて、補正レンズの仮想的な位置を算出し、この仮想的な位置に基づいて前記レンズ補正制御を行う。また、積分手段は、レンズ制御手段で算出された補正レンズの仮想的な位置に基づいて、計測手段の結果の積分に対するゲインを調整する。
積分手段は、撮像装置の振れの周波数が所定値より小さい領域において、補正レンズの仮想的な位置が光軸中心位置から所定範囲内にあるときはゲインが一定になるようにし、補正レンズの仮想的な位置が所定範囲外にあるときは、光軸中心位置からの距離にしたがいゲインが減少するように、ゲインを調整してもよい。
さらに、積分手段は、撮像装置の振れの周波数が所定値より小さい領域では、ゲインを撮像装置の振れの周波数の増加にしたがい増加させ、撮像装置の振れの周波数が所定値以上の領域では、前記ゲインが一定になるように、ゲインを調整してもよい。
本発明に係る制御方法は、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズとを備え、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置の制御方法である。制御方法は、撮像装置の振れを計測し、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示を受け、静止画の記録の開始の指示があるまでは、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に補正レンズを停止させる制御である「中心停止制御」を行い、撮像素子における露光開始後は、計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ位置を制御する「レンズ補正制御」を行い、撮像素子における露光完了後、次の記録開始指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させた後、補正レンズに対して中心停止制御を実施する。
本発明に係る別の撮像装置は、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置において、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズと、撮像装置の振れを計測する計測手段と、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示手段と、中心近傍補正制御とレンズ補正制御とを選択的に実行するレンズ制御手段とを備える。中心近傍補正制御では、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置の近傍に、計測手段の計測結果に基づいて、撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズを制御する。レンズ補正制御では、計測手段の計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ位置を制御する。レンズ制御手段は、指示手段からの指示があるまでは中心近傍補正制御を行い、撮像素子における露光開始後はレンズ補正制御を行い、撮像素子における露光完了後、指示手段から次の撮像指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させ、補正レンズに対して中心近傍補正制御を行う。
本発明によれば、手ブレを低減した良好な画像の撮像を可能としつつ、撮像に要する時間を短縮した撮像装置を提供することができる。
本発明のデジタルカメラの構成を示すブロック図 (a)補正レンズの中心が撮像レンズ群の光軸上にあるときの補正レンズ、CCDおよび結像領域の位置関係を示す図、(b)補正レンズの中心が撮像レンズ群の光軸から偏心したときの補正レンズ、CCDおよび結像領域の位置関係を示す図 実施の形態1における撮像装置の動作を示すフローチャート (a)実施の形態1における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態1における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態1における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止を示すタイミングチャート、(d)実施の形態1における撮像装置の中心停止制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態1における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態1における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)図4(a)〜図4(f)に対する経過時間を示すタイミングチャート (a)実施の形態2における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態2における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態2における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止を示すタイミングチャート、(d)実施の形態2における撮像装置の中心近傍補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態2における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態2における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)図5(a)〜図5(f)に対する経過時間を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態3における制御部の仮想レンズ位置の算出に必要な構成を示す図 (a)ジャイロセンサの出力信号の波形の一例を示す図、(b)図7(a)に示すジャイロセンサの出力信号に対するハイパスフィルタの出力波形を示す図、(c)AC成分を含むジャイロセンサの出力信号の波形の一例を示す図、(d)図7(c)に示すジャイロセンサの出力信号に対するハイパスフィルタの出力波形を示す図 ゲイン調整部で調整される積分ゲインの周波数特性を示す図 仮想レンズ位置に対する、低周波領域の積分ゲインの特性を示す図 実施の形態3における撮像装置の動作を示すフローチャート (a)実施の形態3における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態3における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態3における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止状態を示すタイミングチャート、(d)実施の形態3における撮像装置の中心停止制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態3における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態3における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)実施の形態3における撮像装置の仮想レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(h)図11(a)〜図11(g)に対する経過時間を示すタイミングチャート
符号の説明
1 撮像用レンズ群
2 補正レンズ
3 CCD
8 制御部
9 ジャイロセンサ
10 シャッタ釦
11 ドライバ
12 水平モータ
13 垂直モータ
20 デジタルカメラ
32 ハイパスフィルタ
34 DC検出部
36 積分回路
38 ゲイン決定部
43 ゲイン調整部
以下添付の図面を参照し、本発明に係る撮像装置の実施形態について説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明に係るデジタルカメラの構成を示す。デジタルカメラ20は、光学系として、レンズ1a〜1cを含む撮像用レンズ群1と補正レンズ2とを含む。さらに、デジタルカメラ20は、光学系を介して集光された光学信号を電気信号に変換するCCD3と、CCD3からの出力信号を画像処理する画像処理部4と、補正レンズ2を駆動するモータ12、13及びドライバ11と、デジタルカメラ20の各部の動作を制御する制御部8と、デジタルカメラ20のブレを検出するジャイロセンサ9とを備える。さらに、デジタルカメラ20は、撮像画像を表示する液晶モニタ5と、画像の記録媒体であるメモリカード7を挿入するためのカードスロット6と、シャッタ釦10を備える。
デジタルカメラ20は、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいて水平モータ12および垂直モータ13によって補正レンズ2を駆動することにより、CCD3上に結像する画像のブレを補正する。具体的には、デジタルカメラ20は中心停止制御とレンズ補正制御とを選択的に実行する。中心停止制御は、補正レンズ2の中心(光軸)が撮像用レンズ群1の光軸と一致する位置(以下「光軸中心位置」という)に停止するよう補正レンズ2を制御する。レンズ補正制御は、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいてCCD3上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ2の位置を制御する。このとき、デジタルカメラ20は、少なくともシャッタ釦10が全押しされるまでは中心停止制御を行い、シャッタ釦10が全押しされた後はレンズ補正制御を行う。
撮像用レンズ群1の各レンズ1a〜1cはレンズ鏡筒内(図示せず)に保持されている。撮像用レンズ群1は被写体からの光学信号を集光してCCD3上に結像する。レンズ1a〜1cは、それらの各光軸(光軸P)が互いに一致するよう整列して配置されている。図1では、撮像用レンズ群1は説明の便宜上3枚で構成しているが、この構成には限られない。また、レンズ1a〜1cは、それぞれ凸レンズ、凹レンズ、非球面レンズ、球面レンズ等のいずれかであり、この組合せも限定されない。
補正レンズ2は、CCD3に対して被写体側に位置し、光軸Pに垂直の面内で移動可能である。以下、補正レンズ2の移動可能な垂直面を「補正レンズ可動面」という。デジタルカメラ20のブレが発生したときに、補正レンズ2をブレの方向と反対方向に移動させることにより、ブレを相殺してブレのない画像をCCD3上に結像できる。
CCD3は、撮像用レンズ群1および補正レンズ2により集光される光学信号を電気信号に変換して画像データを生成する半導体素子である。画像処理部4は、CCD3で生成された画像データに対してYC処理、解像度変換、圧縮処理等の変換をする手段である。液晶モニタ5は、画像処理部4で変換された画像データを表示する表示手段である。カードスロット6は、画像処理部4で圧縮された画像データをメモリカード7に書き込むための制御をする記憶媒体制御手段である。メモリカード7は、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等の不揮発性の半導体メモリを含む記憶媒体である。
ジャイロセンサ9は、デジタルカメラ20のブレを計測する計測手段である。より詳細には、ジャイロセンサ9は、デジタルカメラ20の角速度を計測することによって、デジタルカメラ20のブレを計測するものである。ジャイロセンサ9は、制御部8に対して計測結果を電圧の変化による信号として出力する。ジャイロセンサ9はデジタルカメラ20が動作中、常時作動している。
シャッタ釦10は、制御部8に対して、CCD3で生成される静止画像の記録に関する指示をする操作手段である。操作者がシャッタ釦10を半押しすると、制御部8はこれを受けて、露光量をそのときの適正な値になるようロックする。半押しの後、操作者がシャッタ釦10を全押しすると、制御部8はこれを受けて、静止画像をCCD3で生成し、画像処理部4で圧縮し、メモリカード7に記録するよう、CCD3、画像処理部4およびカードスロット6を制御する。
制御部8は半導体チップおよびそのチップ内に格納されたプログラム等から構成される。例えば、制御部8はマイクロコンピュータで構成される。制御部8は、CCD3、画像処理部4、カードスロット6およびドライバ11を制御する制御手段である。制御部8は、CCD3に対して、所定のタイミングで露光動作、CCD転送動作、モニタスルー動作等の動作モードを切り替えるよう制御する。制御部8は、画像処理部4に対して、静止画像の圧縮およびカードスロット6への出力の動作または液晶モニタ5へのスルー画像の出力動作の動作モードを切り替えるよう制御する。制御部8は、カードスロット6に対して、静止画像のメモリカード7への書き込みを開始するよう制御する。
また、制御部8は、ドライバ11に対して、ジャイロセンサ9の計測結果およびシャッタ釦10からの制御信号に基づいて、モータ12、13の制御方法を指示する。より詳しくは、制御部8は、ジャイロセンサ9で測定されるデジタルカメラ20の角速度を積分し、その積分値に相当するブレ量を補正レンズ2によって相殺するようにモータ12、13を駆動するようドライバ11に指示をする。また、制御部8は、少なくともシャッタ釦10が全押しされるまでは、補正レンズ2が光軸中心位置に停止するようドライバ11に指示し、シャッタ釦10が全押しされた後は、ジャイロセンサ9の検出結果に基づき補正レンズ2の位置を補正するようドライバ11に指示する。
ここで、ジャイロセンサ9からの出力は、そのDC成分が除去され、そのAC成分のみが検出結果として使用される。つまり、ジャイロセンサ9からの出力信号のDC成分はジャイロセンサ9の計測結果を判断する際の基準値として使用される。制御部8は、ジャイロセンサ9の計測結果を判断する際の基準値(DC成分)を更新する機能(以下「基準値更新機能」という)を有する。基準値すなわちDC成分は、ジャイロセンサ9からの信号電圧の平均値として求められる。
基準値を更新する理由は、DC成分すなわち基準値が変動するからである。例えば、ジャイロセンサ9からの信号電圧の平均値(DC成分)は、デジタルカメラ20の環境温度に依存して変動する。これは、ジャイロセンサ9に含まれる圧電素子の出力が温度依存性を有するからである。ジャイロセンサ9のDC成分の変動後も、変動前のDC成分を基準としてジャイロセンサ9からの信号電圧を判断し、その判断に基づいてデジタルカメラ20のブレ量を予測すると、予測したブレ量と真のブレ量との誤差が大きくなってしまう。その誤差が大きい状態では、撮像画像は必要以上にブレてしまい、良好な画像を得ることができない。そこで、制御部8は、ジャイロセンサ9からのDC成分を検出し、ジャイロセンサ9からの信号電圧を判断する際の基準値を常に最新の値に更新している。なお、ジャイロセンサ9のDC成分の変動要因として、デジタルカメラ20の環境温度を例示したが、他にも、量産された各デジタルカメラ20の個体間のバラツキも変動要因となり得る。
但し、この基準値更新機能は、レンズ補正制御の期間中は作動しないよう制御する。これは、露光動作中に基準値が変更され、その基準値の変更により補正レンズ2が急激(不連続に)に移動し、それに伴う急激な像ブレの発生を防止するためである。
ドライバ11は、制御部8の指示に従って水平モータ12および垂直モータ13を制御する。この際、ドライバ11は、補正レンズ2の補正レンズ可動面上での位置を検出しつつ、その位置を制御部8の指示に近付けるように、これらのモータ12、13を制御する。水平モータ12は、ドライバ11の制御に従って補正レンズ2を水平方向に駆動する。垂直モータ13は、ドライバ11の制御に従って補正レンズ2を垂直方向に駆動する。
なお、CCD3は本発明における撮像素子の一例であり、CCD3の代わりにCMOSセンサも利用できる。CMOSセンサの場合、CMOSセンサの各画素からの読み出し期間がCCDの転送期間に相当する。ジャイロセンサ9は本発明におけるデジタルカメラ20のブレ量の計測手段の一例である。計測手段としては角加速度センサも利用できる。この場合は、検出した角加速度を積分することにより角速度を検出したのと同様の効果が得られる。シャッタ釦10は本発明における記録指示手段の一例である。制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなる構成は、本発明のレンズ制御手段の一例である。モータ12、13は、リニアモータ、回転モータまたは圧電アクチュエータ等で構成できる。
図2は、CCD3上の結像の様子を示した図である。図2(a)は、補正レンズ2の中心が光軸P上にあるときの補正レンズ2、CCD3および結像領域の位置関係を示す。図2(b)は、補正レンズ2の中心が光軸Pから偏心したときの位置関係を示す。結像領域Rは、撮像用レンズ群1および補正レンズ2によってCCD3の素子面に結像された被写体の画像形成領域である。図2(a)に示すように、補正レンズ2の中心が光軸P上にあるとき、結像領域Rは、形状に歪みが小さく真円状に形成される。そのため、CCD3上に形成される画像も歪みの小さいものとなる。
これに対して、図2(b)に示すように、補正レンズ3の中心が光軸Pから偏心すると、結像領域Rは、その形状に歪みが出て潰れた円状になる。そのため、CCD3上に形成される画像も歪みが大きくなる。特に、CCD3に結像される画像のうち、補正レンズ2の外縁に近い部分の画像の歪みが大きくなる。図2(b)においては、コーナー領域C2、C3で生成される画像の歪みが大きくなる。
以上より、CCD3上に形成される画像も歪みを小さくするために、CCD3で画像を露光する間は補正レンズ2を光軸上またはその近傍に位置するように制御するのが好ましいと言える。なお、上記の例では、補正レンズ2の中心が光軸から偏心したときの不具合として、画像の歪みが大きくなることを例として説明したが、このときの不具合は他の光学特性の劣化現象として現れる場合もある。例えば、解像度が悪くなったり、コントラスト(MTF)が劣化したり、色収差が大きくなるなどの光学特性の劣化現象が現れる場合もある。
以上のように構成したデジタルカメラ20の撮像動作を、図3、図4を用いて説明する。図3は撮像動作時のデジタルカメラ20の制御を示すフローチャートである。図4は、そのときのタイミングチャートである。
図4(a)は、CCD3の垂直基準信号を示す。CCD3はこの垂直基準信号に同期して、露光、CCD転送、モニタスルー等の動作を行う。垂直基準信号は3種類の周期により発信される。第1の周期は、2.0/60秒の周期(以下「2VD周期」という)である。CCD3は、上記の露光モードおよびモニタスルーモードでは、この2VD周期で動作する。第2の周期は、4.283/60秒の周期(以下「LONG_VD周期」という)である。CCD3は、このLONG_VD周期の3つ分で1つのCCD転送モードを完了するよう設計されている。1つのCCD転送モードで1フレーム分の画像情報が転送される。第3の周期は、2.152/60秒の周期(以下「調整周期」という)である。この調整周期は、CCD転送モード完了後に1周期分用意される。上述のように、CCD転送モードはLONG_VD周期の3周期分で完了するように設計されているが、様々な要因によりCCD転送モードがこの期間以上の時間を要する場合がある。このような場合に、その超過時間を調整するために調整周期が用いられる。LONG_VD周期の3周期分と調整周期の1周期分とを合わせると、15/60秒である。つまり、CCD転送モードは、長くても15/60秒で完了するように設計されている。
図4(b)は、上記CCD3の動作モードの遷移の様子を示す。CCD3は、露光期間において被写体からの光学信号を電荷に変換して各素子内に蓄積する。そして、CCD転送期間において、蓄積した電荷を、静止画像を生成するために画像処理部4に出力する。モニタスルー期間では、各素子内に蓄積した電荷をスルー画像として液晶モニタ5上に表示させるために、各素子内に蓄積した電荷を画像処理部4に出力する。ここで、CCD転送期間において電荷を出力する素子の数は、モニタスルー期間におけるものに比べて各段に大きい。つまり、CCD転送期間に生成される画像(静止画像)の画素数は、モニタスルー期間に生成される画像(スルー画像)の画素数より大きい。そのため、静止画を1画像分CCD転送するのに要する時間は、モニタスルーの場合よりも長くなる。
図4(c)に、基準値更新機能の作動/停止に関する時間変化を示す。図4(d)は、補正レンズ2の中心停止制御についてのON・OFFの状態を示す。図4(e)は、レンズ補正制御のON・OFFの状態を示す。図4(f)に、補正レンズ2の位置変動を示す。この位置は、便宜上、水平方向の位置を示すが、垂直方向についても同様の動作をする。以上の各イベントは、図4(g)に示すように図中左方向から右方向に進行する。
操作者がデジタルカメラ20の電源を投入する。制御部8は中心停止制御を開始し(S0)、補正レンズ2の中心を光軸Pに一致させるように補正レンズ2の位置を補正する。中心停止制御では、補正レンズ2に付加されたセンサを用いて補正レンズ2の位置を検出し、この検出した位置に基づき補正レンズ2を光軸中心位置に停止するよう制御する。
操作者が被写体に画角を合わせてシャッタ釦10を半押しすると、制御部8は、被写体からの光学信号に基づいて焦点や露出量等の撮像条件を設定する。この状態で、制御部8はシャッタ釦10が全押しされたかどうかを監視する(S1)。シャッタ釦10が全押しされると(ステップS1でYes、図4に示す時刻Ta)、露光終了時刻(Te)を算出し、これに基づいて補正レンズ2の駆動を開始する時刻(Tc)を設定する(S2)。
具体的には、制御部8は、現在設定されているシャッタスピードや絞り値等に基づいて、露光量が適正になるように露光時間を算出する。そして、制御部8は、露光時間、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間を考慮して、露光時間の終期を、CCD3の垂直基準信号の2VD周期に同期するように設定する。すなわち、図4の例では、露光時間の終期を時刻Teになるように設定する。次に、制御部8は、露光時間の終期から露光時間分だけ逆算して露光時間の始期(図4における時刻Td)を設定する。さらに、制御部8は、露光時間の始期(Td)から、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間分だけ逆算して、補正レンズ2の駆動開始時刻Tcを設定する。
ここで、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間とは、補正レンズ2に対しレンズ補正制御を開始してから、制御部8、ドライバ11およびモータ12、13を用いて、ジャイロセンサ9の計測結果に正確に追従できるようになるまでに要する時間である。このような時間が必要となるのは、補正レンズ2を制御するのに要するモータ12、13等の機構が補正動作を開始してから、その動作が安定するまでにある程度の時間を要するからである。この時間は典型的には20ミリ秒程度であるが、制御部8により適宜算出される。補正レンズ2の駆動機構の特性やジャイロセンサ9の特性により、この時間の長短は、個々のデジタルカメラ20やその時々の状況に依存する。そのため、制御部8がこれらの種々の要因に基づいて、この時間を算出するのである。
補正レンズ2の駆動開始時刻Tcの設定後、制御部8は、その開始時刻Tcに達したかどうかを監視する(S3)。なお、監視期間中、すなわち、レンズ補正制御の開始前は、補正レンズ2に対して中心停止制御が行われている。この監視期間中に、CCD3は、図4の時刻Tbにて、制御部8にアクセスし、時刻Tdにて露光を開始するよう指示されていることを認識する。
補正レンズ2の駆動開始時刻Tcに達すると(ステップS3でYes)、制御部8は、図4(c)に示すように、基準値更新機能を作動しない状態(OFF)にする(S4)。同時に、制御部8は、補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する(S5)。すなわち、制御部8はジャイロセンサ9の計測結果に基づいてドライバ11に対する指示を開始し、ドライバ11はこれを受けて水平モータ12及び垂直モータ13の制御を開始する。そして、モータ12、13は、ドライバ11の制御に基づいて補正レンズ2を駆動する。この補正レンズ2の制御は、CCD3での露光の開始前から終了するまでの間行われる。
補正レンズ2の補正制御中に露光開始時刻Tdに達すると(ステップS6でYes)、CCD3は、静止画像の記録のための露光を開始する(S7)。
露光時間が終了すると(ステップS8でYes、図4の時刻Te)、CCD3は各素子に蓄積した電荷、すなわち、静止画像を画像処理部4に出力する。この出力動作は、図4(b)に示すように、垂直基準信号のLONG_VD周期の3周期分を使って行われる。この間、画像処理部4は、CCD3から受けた静止画像に対してYC処理、解像度変換、圧縮変換等を行って、カードスロット6に送信する。そして、カードスロット6は、受信した静止画像をメモリカード7に書き込む。
CCD転送と同時に、制御部8は、図4(c)に示すように、基準値更新機能を再び作動状態(ON)とする(S10)。これにより、その後に実施する、ジャイロセンサ9の計測結果に基づくデジタルカメラ20のブレ量の計測を適正にすることができる。
さらに、制御部8は、CCD転送動作中に、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰するよう制御する(S11)。具体的には、制御部8は、ドライバ11が現在把握している補正レンズ2の位置を取得し、この現在位置から光軸中心位置にLONG_VD周期の1周期分で復帰させるための補正レンズ2の移動速度および移動方向を算出する。この移動速度は、補正レンズ2を一次関数的に移動するよう設定される。制御部8は、この移動速度および移動方向をドライバ11に送信する。ドライバ11は、これに従って、水平モータ12、垂直モータ13を制御し、水平モータ12、垂直モータ13が補正レンズ2を光軸中心位置まで駆動する。
補正レンズ2が光軸中心位置に復帰すると(図4の時刻Tf)、制御部8は、補正レンズ2に対して中心停止制御を開始する(S12)。以降、この状態を保持する。そして、CCD3がCCD転送動作を終えてモニタスルー動作に戻ると(図4の時刻Tg)、再びシャッタ釦10による撮像の指示を待つ状態に戻る。
以上のように本実施形態のデジタルカメラによれば、制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなるレンズ制御手段は、少なくともシャッタ釦10からの指示があるまでは中心停止制御を行い、シャッタ釦10からの指示があった後はレンズ補正制御を行う。この制御により、CCD3の露光開始時に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置することができ、それにより、補正レンズ2のストロークを大きくとることができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な静止画像を得ることができる。
また、レンズ制御手段は、CCD3における露光を開始する予定の時刻(図4における時刻Td)よりも補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間だけ早く(図4における時刻Tc)レンズ補正制御を開始する。これにより、レンズ制御手段は、CCD3を露光する全期間(図4における時刻Td〜時刻Te)において、安定的に補正レンズ2を制御できるため、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な撮像画像を得ることができる。
また、レンズ制御手段は、CCD3における露光が完了した後(図4における時刻Te)、次にシャッタ釦10が押下されるまでに、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させて、光軸中心位置に停止させる制御を行う。これにより、次の撮像開始時に、直ちに補正レンズ2は光軸中心位置を起点として制御される。前述した従来技術では、シャッタ釦押下後に補正レンズの光軸中心位置への移動を開始していたため、シャッタ釦押下後から補正動作を開始するまでの時間(図4(g)に示すTa〜Tcの期間)において補正レンズの移動時間を考慮する必要があり、シャッタ釦押下後から補正動作を開始するまで時間がかかっていた。これに対し、本発明では、シャッタ釦10押下時には補正レンズ2は光軸中心位置にあるため、補正レンズ2を光軸中心位置に移動させる時間を考慮しなくてよく、露光時間の算出等に要する時間のみを考慮すればよいため、シャッタ釦10の押下からレンズ補正制御開始までの時間(図4における時間Ta〜Tc)を短縮でき、全体として撮像に要する時間を短縮できる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかるデジタルカメラ20は、静止画像を生成していないときは、補正レンズ2を光軸中心位置に停止するように制御する中心停止制御を行った。これに対して、本実施形態では、静止画像を生成していないときは、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいて、補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置するよう制御し、CCD3上に形成される像の振れを補正する。これにより、実施の形態1にかかるデジタルカメラを用いる場合に比べて、液晶モニタ5上に表示されるスルー画像のブレが小さくなるため、操作者は、容易に撮像画像の画角を決めることができる。
本実施形態のデジタルカメラのハードウェア構成は図1に示す実施の形態1のものと同様であるが、制御部8での制御方法が実施の形態1のものと異なる。制御部8は静止画像を生成していないときにおいても、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいてCCD3上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ2を制御する。特に、その補正範囲、すなわち、補正レンズ2の移動範囲は、光軸中心位置の近傍(所定範囲内)に限定する。このような制御部8による、静止画像を生成していないときの補正レンズ2の制御を「中心近傍補正制御」という。中心近傍補正制御における、ジャイロセンサ9の計測結果に対する補正レンズ2の移動量の最大値(上限値、下限値)はレンズ補正制御の場合に比べて小さくする。
次に、本実施形態のデジタルカメラの制御部8の制御を図5のタイミングチャートを用いて説明する。
図5(a)は、CCD3の垂直基準信号を示す。図5(b)は、CCD3の動作モードの遷移の様子を示す。図5(c)に、基準値更新機能の作動/停止に関する時間変化を示す。図5(d)に、補正レンズ2の中心近傍補正制御についてのON・OFFの状態を示す。図5(e)に、レンズ補正制御のON・OFFの状態を示す。図5(f)に、補正レンズ2の位置を示す。以上の各イベントは、図5(g)に示すように図中左方向から右方向に進行する。
まず、操作者がデジタルカメラ32の電源を投入する。そして、被写体に画角を合わせてシャッタ釦10を半押しすると、制御部8は、被写体からの光学信号に基づいて焦点や露出量等の撮像条件を設定する。この状態で、制御部8は、シャッタ釦10が全押しされたかどうかを監視する。そして、シャッタ釦10が全押しされると(時刻Ta)、露光終了時刻(Te)を算出し、これに基づいて補正レンズ2を駆動させる開始時刻(Tc)を設定する。
次に、制御部8は、補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する時刻(Tc)を設定した後、この開始時刻に達したかどうかを監視する。監視期間中、制御部8は補正レンズ2に対して中心近傍補正制御を実施する。なお、この監視期間中、CCD3は、時刻Tbに制御部8にアクセスする。そして、このとき時刻Tdに露光を開始するよう指示されていることを認識する。
補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する時刻(Tc)に達すると、制御部8は、図5(c)に示すように、基準値更新機能を作動しない状態(OFF)にする。この補正レンズ2のレンズ補正制御は、CCD3での露光の開始前から終了するまでの間(Tc〜Te)行われる。
レンズ補正制御動作中に露光開始時刻Tdに達すると、CCD3は、静止画像の記録のための露光を開始する。そして、露光時間が終了すると(時刻Te)、CCD3は各素子に蓄積した電荷を出力し、静止画像を画像処理部4に出力する。この出力は、図5(b)に示すように、垂直基準信号のLONG_VD周期の3周期分を使って行われる。CCD転送と同時に、制御部8は、図5(c)に示すように、基準値更新機能を再び作動状態(ON)とする。これにより、その後に実施する、ジャイロセンサ9の計測結果に基づくデジタルカメラ20のブレ量の計測を適正にすることができる。
さらに、制御部8は、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させるよう制御する。補正レンズ2が光軸中心位置に復帰すると(Tf)、制御部8は、補正レンズ2に対して中心近傍補正制御を実施する。以降、この制御が保持される。
制御部8は、中心近傍補正制御をしている間、補正レンズ2の移動範囲を、図5(f)に示すように、光軸中心位置の近傍、すなわち、光軸中心位置を中心とした所定の範囲内に限定する。この範囲は、レンズ補正制御時の補正範囲よりも狭いものである。制御部8は、中心近傍補正制御において、補正レンズ2の補正量が中心近傍補正の上限値または下限値を超えそうになると、その補正範囲をその上限値または下限値になるよう制限する(例えば、図5(f)のTg〜Thの期間参照)。
また、制御部8は、中心近傍補正制御の間、ジャイロセンサ9の計測結果に対する補正レンズ2の移動量を、レンズ補正制御の場合(Tc〜Teの期間)に比べて小さくする。このため、スルー画像のブレ補正は多少効きが悪くなり、スルー画像のブレは発生するが、制御部8は、常に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍で制御することができる。
以上のように本実施形態によれば、制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなるレンズ制御手段は、少なくともシャッタ釦10からの指示があるまでは中心近傍補正制御を行い、シャッタ釦10からの指示があった後はレンズ補正制御を行うように構成した。これにより、CCD3の露光開始時に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置するようにできる。さらに、スルー画像のブレが小さくなるため、操作者は、容易に撮像画像の画角を決めることができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な静止画像を得ることができ、なおかつ、操作性の良いデジタルカメラを実現できる。
また、本実施形態では、中心近傍補正制御においてもジャイロセンサ9からの信号を用いて補正レンズ2の制御を行っているため、中心近傍補正制御からレンズ補正制御への移行において、補正レンズ2が連続的に動いている状態でレンズ補正制御が開始される。つまり、中心近傍補正制御からレンズ補正制御への移行において、ジャイロセンサ9からの信号に基づく補正制御の安定化のために設ける期間(図5(e)のTcからTdの間の期間)を、実施の形態1の場合と比較してさらに短縮することができる。よって、露光動作の開始時刻を早めることができ、撮像に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態においても、CCD3における露光完了後(図5における時刻Te)、次にシャッタ釦10が押下されるまでに、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させて、光軸中心位置の近傍に制御する。これにより、次の撮像開始時に、補正レンズ2は光軸中心位置の近傍からレンズ補正制御を開始できるので、露光動作の開始までに要する時間を短縮でき、撮像に要する時間を短縮できる。
なお、本発明の実施の形態1および2では、静止画撮像の単写の場合を説明したが、連写の場合にも本発明は適用できる。すなわち、連写の場合にも、第1回目の撮像終了後、CCD転送動作の間に補正レンズ2を光軸中心位置に戻し、CCD転送終了後、第2回目の撮像を開始すればよい。
また、本発明の実施の形態1および2では、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させるときに、一次関数的に補正レンズ2を移動しているが、これには限らない。例えば、反比例関数的に光軸Pに漸近するよう補正レンズ2を移動してもよい。このようにすることにより、早い段階で光軸中心に近づけることができ、しかも、ゆっくりと衝撃を少なくしつつ補正レンズ2を停止させることができる。
また、本発明の実施の形態1および2では、CCD3の露光開始の直前(時刻Tc)に、レンズ補正制御を開始するとしたが、CCD3の露光開始と同時(時刻Td)にレンズ補正制御を開始するようにしてもよい。これにより、CCD3の露光開始時(時刻Td)に補正レンズ2を確実に光軸中心位置またはその近傍に位置するようにできるため、補正レンズ2のストロークを最も大きく確保することができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、手ブレの少ない良好な静止画像を得ることができる。
また、本発明の実施の形態1および2では、レンズ制御手段は、レンズ補正制御をしている間(Tc〜Te)は基準値更新機能を作動しないとしたが、CCD3の露光期間(Td〜Te)中のみ基準値更新機能を作動しないとしても良い。
また、本発明の実施の形態1および2では、記録指示手段としてシャッタ釦10を一例として説明したが、これには限らず、例えば、撮像を開始する旨の信号をデジタルカメラ20に対して発信するリモコンであってもよい。
また、本発明の実施の形態1および2では、CCD3の垂直基準信号として、CCD3が4MピクセルのCCDである場合を示したが、これには限らない。例えば、CCD3が3Mピクセルの場合には、LONG_VD周期は6/60秒であり、CCD転送期間はLONG_VD周期の2周期分としても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態のデジタルカメラは、レンズ補正制御を開始した時(図11における時刻Tc)に、補正レンズ2を必要以上に移動してしまうことに起因する、新たな像ぶれ(以下「過補正に起因する像ぶれ」という)が発生するという不具合を防止することを目的とする。本実施の形態により、過補正に起因する像ぶれを短時間で解消できるため、撮像時間の短縮化を図ることができる。
本実施の形態のデジタルカメラのハードウェア構成は図1に示す構成と基本的に同様であるが、制御部8の構成が異なる。本実施の形態では、制御部8はジャイロセンサ9の計測結果に基づいて補正レンズ2の仮想レンズ位置を算出する。
ここで、仮想レンズ位置とは、制御部8がジャイロセンサ9の測定結果に基づいて算出した補正レンズ2の仮想的な位置であり、実際に補正レンズ2を移動するか否かとは関係なく常時算出される。具体的には、ジャイロセンサ9の測定結果である角速度を積分することにより得られる。
図6に、制御部8における、仮想レンズ位置の算出に必要な構成を示す。制御部8は、ハイパスフィルタ32、DC検出部34、減算器35、積分回路36及びゲイン決定部38を含む。ハイパスフィルタ32は抵抗41とコンデンサ42とからなり、約0.05Hz以上の信号を透過させるよう構成されている。積分回路36はゲイン調整部43を含む。ゲイン決定部38は積分回路36に含まれてもよい。
ジャイロセンサ9から角速度情報が出力される。この角速度情報のAC成分をハイパスフィルタ32で抜き出して、このAC成分を積分回路36で積分することにより、補正レンズ2の制御目標である仮想レンズ位置が求められる。
DC検出部34は、ハイパスフィルタ32の出力のDC成分を検出する。ハイパスフィルタ32の出力のDC成分とは、実施の形態1、2で述べた基準値更新機能における基準値のことである。つまり、基準値更新機能はDC検出部34で実行される。但し、DC検出部34はカメラが静止していることを検出したときのみ、基準値であるDC成分を検出し、更新を行うよう構成されている。
減算器35は、検出されたDC成分をハイパスフィルタ32の出力から減算する。この構成により、ハイパスフィルタ32の出力に含まれるDC成分を除去できる。
このようにDC成分の検出および除去が必要な理由を図7を用いて説明する。今、ジャイロセンサ9から図7(a)に示すような信号が出力されたとする。すなわち、時刻t1まで、一定の角速度ωであり、時刻t1後は0になるような出力である。このような出力は、例えば、時刻t1までパンニング撮影をした後、カメラを静止させたときに得られる出力である。
このような出力がハイパスフィルタ32に入力されると、ハイパスフィルタ32の出力は、図7(b)に示すような信号軌跡となる。すなわち、時刻t1で急激に変化し、その後除々に0に近づき、やがて(約20〜30秒後)0になる。これは、ハイパスフィルタ32のコンデンサ42と抵抗41の時定数に起因する特性である。この特性により、本来ジャイロセンサ9の出力には含まれていないDC成分がハイパスフィルタ32の出力に含まれることになり、このDC成分が後述する積分回路36で積分されると、実際のぶれに対して必要な補正以上に補正をしてしまい、それに起因する過度な像ぶれが発生する。
過補正に起因する像ぶれ発生のメカニズムをより具体的に説明する。
上述したように、ジャイロセンサ9の出力に含まれるDC成分はハイパスフィルタ32により除去される。また、ハイパスフィルタ32のコンデンサ42および抵抗41の時定数に起因するDC成分はDC検出部34および減算器35により除去される。
しかし、前述のようにDC検出部34はカメラが静止している場合のみ、DC成分(基準値)を検出し、更新するよう構成されている。そのため、図7(a)に示すような静止状態が保持される場合には、DC検出部34はDC成分を正常に検出でき、ハイパスフィルタ出力からDC成分を除去することができるが、図7(c)に示すような静止状態が保持されてない場合には、DC成分を除去することができない。実際のカメラでの撮影の場合、ジャイロセンサ9の出力は、図7(c)に示すような出力となる場合が多い。それは、パンニング動作をした直後にカメラを完全に静止させることは現実的に難しいことを考えると理解できる。
したがって、図7(c)に示すような静止状態が保持されてない場合は、DC検出部34から正しいDC検出結果が出力されないため、積分回路36への入力信号には余分なDC成分(Wdc)が残ってしまうことになる(図7(d)参照)。積分回路36はこの余分なDC成分(Wdc)をも積分してしまう。その結果、積分回路36の出力値は補正レンズ可動面上の一方向に次第に大きくなる。これは、仮想レンズ位置の絶対値が大きくなることに相当する。この積分の結果に基づくと、実際のぶれとは異なるぶれ情報に基づいて、補正レンズ2を駆動することになるため、必要以上に補正レンズ2を移動させてしまい、過補正に起因する像ぶれが発生してしまうことになる。
そこで、このような過補正に起因する像ぶれの発生を防ぐために、ハイパスフィルタ32の出力中に含まれるDC成分WdcをDC検出部34及び減算器35により除去している。
積分回路36の積分ゲインについて説明する。積分回路36は、ハイパスフィルタ32から出力される角速度情報のAC成分を積分する。このとき、積分値のゲインは、ゲイン調整部43で調整される。ゲイン調整部43で調整される積分ゲインは図8に示すように周波数特性を有する。すなわち、積分ゲインは、減算器35の出力の周波数が所定周波数(本実施形態では、1Hz)より低い周波数領域では周波数にともない増加し、所定周波数より高い周波数領域ではほぼ一定になるように設定される。低周波数領域での積分ゲインは高周波数領域のものより小さい値に設定される。これは、デジタルカメラがゆっくり振動している場合は補正の度合いを小さくし、速く振動している場合は補正の度合いを大きくすることを意味している。但し、この周波数特性は一例である。
また、積分ゲインは、低周波数領域では、仮想レンズ位置によっても変更される。図8において、グラフGa、Gb、Gcはそれぞれ異なる仮想レンズ位置(図9に示すA、B、C)に対する積分ゲインを示す。この変更はゲイン決定部38で行われる。ゲイン決定部38は、積分回路36からの出力である仮想レンズ位置の値に応じて、低周波領域での積分ゲインの初期値を決定する。すなわち、図9に示すように、仮想レンズ位置の絶対値が小さい場合(すなわち、仮想レンズ位置が光軸近傍の場合)には、低周波領域の積分ゲインの初期値を一定にする。このときの仮想レンズ位置の領域を「一定領域」という。また、仮想レンズ位置の絶対値が一定領域外にあるときは、その絶対値が大きいほど(すなわち、仮想レンズ位置が光軸から離れるほど)、積分ゲインが減少するように設定される。このときの仮想レンズ位置の領域を「可変領域」という。このように、仮想レンズ位置が光軸から離れるほど、積分ゲインを小さくすることは、仮想レンズ位置が光軸から離れている場合には、ゆるやかな振動(低周波領域の振動)に対しては補正をあまりかけないことを意味している。
図8に戻り、高周波領域(1Hz以上)での積分ゲインは、低周波領域(1Hz未満)での積分ゲインの特性とは異なり、仮想レンズ位置に依存しない。低周波領域での積分ゲインの値が小さい場合、ゆるやかなぶれは補正されることはないが、撮影時に生じる手ぶれ(通常約1〜20Hz)のような高い周波数のぶれに対しては、高い積分ゲインが設定されるため、確実に補正することができる。
図10、図11を参照して本実施形態の制御部8の動作を説明する。なお、図10に示す処理は、実施の形態1の制御に、本実施形態の仮想レンズ位置に基づく制御を追加したものである。
図10に示すように、制御部8は、デジタルカメラの動作期間中、常に仮想レンズ位置を算出しておく(S31)。レンズ補正制御(図11(e)参照)をしていないとき(時刻Ta〜TcおよびTe以後)、制御部8は中心停止制御を行うが、この間、仮想レンズ位置は算出するのみで実際の制御には使用されない。
一方、レンズ補正制御中(時刻Tc〜Te)は、制御部8は算出した仮想レンズ位置に基づいて補正レンズ2の位置を実際に制御する(S36)。この場合の制御は、仮想レンズ位置と実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように行うのではなく、レンズ補正制御を開始したとき(時刻Tc)の仮想レンズ位置の中心位置からのずれ量(Δdc)を仮想レンズ位置から差し引いた値(図11(g)の破線Yで示す値)と、実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように行う。すなわち、レンズ補正制御の期間において、算出した仮想レンズ位置をずれ量(Δdc)だけシフトした値と、実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように制御を行う。このようにすることにより、時刻Tcで補正レンズ2が急激に移動してしまうことを防止できる。
上記構成により、過補正が改善できる理由を、DC検出部34がDC成分を検出できる場合とできない場合とに分けて説明する。
DC検出部34がDC成分を検出できる場合、積分回路36に入力される信号にはDC成分は含まれないので積分結果がずれることはない。
一方、DC検出部34がDC成分を検出できない場合、積分回路36に入力される信号にはDC成分が含まれ、積分結果がずれてしまう。しかし、DC検出部34がDC成分を検出できない場合には、仮想レンズ位置は、中央から離れた位置にある可能性が高い。仮想レンズ位置が中央位置(光軸位置)から離れていると、図9に示すように低周波領域での積分ゲインは小さく設定されるため、積分値が大きくなることを抑制できる、その結果、補正レンズを必要以上に移動することを抑制できるため、過補正に起因する像ぶれを低減できる。
以上より、過補正に起因する像ぶれを改善できる。本実施形態の思想は実施の形態2におけるレンズ補正制御にも適用できる。
なお、ハイパスフィルタ32、DC検出部34、減算器35等は制御部8の外部に設けてもよい。
本発明は手振れを低減しつつ、静止画像の撮像に要する時間を低減する撮像装置を提供でき、電子スチルカメラやカメラ付き携帯電話機等の撮像機能を有する電子機器に適用できる。特に、光学的に高倍率の撮像が可能な撮像装置に有用である。
本発明は手ブレ補正機能付きの撮像装置に関し、特に、静止画撮像に好適な撮像装置に関する。
近年、デジタルカメラの高倍率化に伴い、手ブレ補正の重要性が増してきている。従来の手ブレ補正技術としては例えば特許文献1〜3に開示されたものがある。
特許文献1に記載のカメラは、光軸からの手ブレ補正レンズの偏心量を検出し、その偏心量がゼロになるようにカメラを振る方向を表示する。
特許文献1に記載のカメラによれば、操作者は表示に従ってカメラを動かすことにより、あらゆる方向の手ブレに対して、手ブレ補正レンズのストロークを大きくとれて手ブレのない写真を得ることができる。つまり、操作者の動作によって、カメラの手ブレ補正の範囲を有効に使用することができる。しかし、この技術では、操作者がカメラを移動する必要があり、操作者に煩雑で困難な操作を要求することになり、現実的には操作者は希望する画像を自由に撮ることは困難であると考えられる。
これに対し、特許文献2、3には像ブレを自動的に補正する技術が開示されている。
特許文献2に記載の像ぶれ補正技術は、補正光学系が変位可能ゾーン(手ぶれ補正を行うために補正光学系が変位する領域)の限界に突き当たらないようにすることを目的とする。より具体的には、補正光学系が変位可能ゾーンの限界付近にあるときに、像ぶれ防止動作開始にあたって補正光学系をセンタリング操作する。
また、特許文献3には、レリーズ釦(シャッタ釦)の押下後に補正光学系をセンター位置にセットして振れ補正を開始するという技術が開示されている。具体的には、レリーズ釦を押下した後、ミラーアップし、補正光学系をセンター位置にセットし、振れ補正を開始し、シャッタを開いてフィルムに適正な露光を与えた後にシャッタを閉じる技術が開示されている。
特開平5−249529号公報 特開平1−131521号公報 特開平5−224270号公報
デジタルカメラにおいて、前述のように手ぶれ補正技術は重要性を増しているが、シャッタ釦の押下による操作者の撮像開始指示があった後、できるだけ早期に露光動作を開始し、撮像に要する時間をできるだけ短くすることもまた重要な課題の1つである。しかし、手ぶれ補正を行う場合、撮像開始指示があっても、手ぶれ補正による補正が完了しないと露光を開始することはできず、手ぶれ補正が、静止画像の撮像に要する時間の短縮化を妨げる要因となるおそれがある。
特許文献2では、補正光学系のセンタリング操作の実施タイミングについて記載しておらず、例えば、シャッタ釦押下後に補正光学系のセンタリング操作を開始したのでは、像ぶれ防止動作開始までに時間を要し、結果として静止画像の撮像に要する時間がかかるという問題がある。
また、特許文献3の技術では、レリーズ釦の押下後(すなわち、撮像指示がなされた後)に、補正光学系をセンター位置にセットしている。補正光学系のセンター位置へのセットが完了するまで露光を開始することはできないため、特許文献3の技術では、撮像指示がなされてから露光動作の開始までに時間を要し、撮像に要する時間が大きくなってしまう。
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、手振れを低減しつつ、静止画像の撮像に要する時間を低減する撮像装置を提供することを目的とする。
本発明に係る撮像装置は、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置である。撮像装置は、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して前記撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズと、撮像装置の振れを計測する計測手段と、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示手段と、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に補正レンズを停止させるよう、補正レンズ位置を制御する「中心停止制御」と、計測手段の計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう、補正レンズ位置を制御する「レンズ補正制御」とを選択的に実行するレンズ制御手段とを備える。レンズ制御手段は、指示手段から記録の開始の指示があるまでは中心停止制御を行い、撮像素子における露光開始後はレンズ補正制御を行い、撮像素子における露光完了後、指示手段から次の記録の開始の指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させた後、補正レンズに対して中心停止制御を行う。
撮像装置は、撮像素子から転送された静止画像を受けて画像処理を行う画像処理手段をさらに備えてもよい。そのとき、レンズ制御手段は、撮像素子における露光完了後、撮像素子から画像処理手段への静止画像の転送が完了する前に、補正レンズが光軸中心位置に復帰するよう補正レンズを制御するのが好ましい。
レンズ制御手段は、撮像素子の露光を開始する時間よりも、補正レンズを安定的に制御するのに必要な時間だけ早く、レンズ補正制御を開始するようにしてもよい。
レンズ制御手段は、計測手段の計測結果を判断する際の基準値を更新する基準値更新機能を有し、レンズ補正制御をしている間は基準値更新機能を作動させないようにしてもよい。
撮像装置は、計測手段の結果を積分する積分手段をさらに備えてもよい。レンズ制御手段は、積分手段の出力に基づいて、補正レンズの仮想的な位置を算出し、この仮想的な位置に基づいて前記レンズ補正制御を行う。また、積分手段は、レンズ制御手段で算出された補正レンズの仮想的な位置に基づいて、計測手段の結果の積分に対するゲインを調整する。
積分手段は、撮像装置の振れの周波数が所定値より小さい領域において、補正レンズの仮想的な位置が光軸中心位置から所定範囲内にあるときはゲインが一定になるようにし、補正レンズの仮想的な位置が所定範囲外にあるときは、光軸中心位置からの距離にしたがいゲインが減少するように、ゲインを調整してもよい。
さらに、積分手段は、撮像装置の振れの周波数が所定値より小さい領域では、ゲインを撮像装置の振れの周波数の増加にしたがい増加させ、撮像装置の振れの周波数が所定値以上の領域では、前記ゲインが一定になるように、ゲインを調整してもよい。
本発明に係る制御方法は、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズとを備え、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置の制御方法である。制御方法は、撮像装置の振れを計測し、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示を受け、静止画の記録の開始の指示があるまでは、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に補正レンズを停止させる制御である「中心停止制御」を行い、撮像素子における露光開始後は、計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ位置を制御する「レンズ補正制御」を行い、撮像素子における露光完了後、次の記録開始指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させた後、補正レンズに対して中心停止制御を実施する。
本発明に係る別の撮像装置は、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置において、被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、撮像素子上に形成される像の振れを補正するために撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズと、撮像装置の振れを計測する計測手段と、撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示手段と、中心近傍補正制御とレンズ補正制御とを選択的に実行するレンズ制御手段とを備える。中心近傍補正制御では、撮像用レンズ群と補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置の近傍に、計測手段の計測結果に基づいて、撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズを制御する。レンズ補正制御では、計測手段の計測結果に基づいて撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ位置を制御する。レンズ制御手段は、指示手段からの指示があるまでは中心近傍補正制御を行い、撮像素子における露光開始後はレンズ補正制御を行い、撮像素子における露光完了後、指示手段から次の撮像指示があるまでに、補正レンズを光軸中心位置に復帰させ、補正レンズに対して中心近傍補正制御を行う。
本発明によれば、手ブレを低減した良好な画像の撮像を可能としつつ、撮像に要する時間を短縮した撮像装置を提供することができる。
以下添付の図面を参照し、本発明に係る撮像装置の実施形態について説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明に係るデジタルカメラの構成を示す。デジタルカメラ20は、光学系として、レンズ1a〜1cを含む撮像用レンズ群1と補正レンズ2とを含む。さらに、デジタルカメラ20は、光学系を介して集光された光学信号を電気信号に変換するCCD3と、CCD3からの出力信号を画像処理する画像処理部4と、補正レンズ2を駆動するモータ12、13及びドライバ11と、デジタルカメラ20の各部の動作を制御する制御部8と、デジタルカメラ20のブレを検出するジャイロセンサ9とを備える。さらに、デジタルカメラ20は、撮像画像を表示する液晶モニタ5と、画像の記録媒体であるメモリカード7を挿入するためのカードスロット6と、シャッタ釦10を備える。
デジタルカメラ20は、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいて水平モータ12および垂直モータ13によって補正レンズ2を駆動することにより、CCD3上に結像する画像のブレを補正する。具体的には、デジタルカメラ20は中心停止制御とレンズ補正制御とを選択的に実行する。中心停止制御は、補正レンズ2の中心(光軸)が撮像用レンズ群1の光軸と一致する位置(以下「光軸中心位置」という)に停止するよう補正レンズ2を制御する。レンズ補正制御は、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいてCCD3上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ2の位置を制御する。このとき、デジタルカメラ20は、少なくともシャッタ釦10が全押しされるまでは中心停止制御を行い、シャッタ釦10が全押しされた後はレンズ補正制御を行う。
撮像用レンズ群1の各レンズ1a〜1cはレンズ鏡筒内(図示せず)に保持されている。撮像用レンズ群1は被写体からの光学信号を集光してCCD3上に結像する。レンズ1a〜1cは、それらの各光軸(光軸P)が互いに一致するよう整列して配置されている。図1では、撮像用レンズ群1は説明の便宜上3枚で構成しているが、この構成には限られない。また、レンズ1a〜1cは、それぞれ凸レンズ、凹レンズ、非球面レンズ、球面レンズ等のいずれかであり、この組合せも限定されない。
補正レンズ2は、CCD3に対して被写体側に位置し、光軸Pに垂直の面内で移動可能である。以下、補正レンズ2の移動可能な垂直面を「補正レンズ可動面」という。デジタルカメラ20のブレが発生したときに、補正レンズ2をブレの方向と反対方向に移動させることにより、ブレを相殺してブレのない画像をCCD3上に結像できる。
CCD3は、撮像用レンズ群1および補正レンズ2により集光される光学信号を電気信号に変換して画像データを生成する半導体素子である。画像処理部4は、CCD3で生成された画像データに対してYC処理、解像度変換、圧縮処理等の変換をする手段である。液晶モニタ5は、画像処理部4で変換された画像データを表示する表示手段である。カードスロット6は、画像処理部4で圧縮された画像データをメモリカード7に書き込むための制御をする記憶媒体制御手段である。メモリカード7は、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等の不揮発性の半導体メモリを含む記憶媒体である。
ジャイロセンサ9は、デジタルカメラ20のブレを計測する計測手段である。より詳細には、ジャイロセンサ9は、デジタルカメラ20の角速度を計測することによって、デジタルカメラ20のブレを計測するものである。ジャイロセンサ9は、制御部8に対して計測結果を電圧の変化による信号として出力する。ジャイロセンサ9はデジタルカメラ20が動作中、常時作動している。
シャッタ釦10は、制御部8に対して、CCD3で生成される静止画像の記録に関する指示をする操作手段である。操作者がシャッタ釦10を半押しすると、制御部8はこれを受けて、露光量をそのときの適正な値になるようロックする。半押しの後、操作者がシャッタ釦10を全押しすると、制御部8はこれを受けて、静止画像をCCD3で生成し、画像処理部4で圧縮し、メモリカード7に記録するよう、CCD3、画像処理部4およびカードスロット6を制御する。
制御部8は半導体チップおよびそのチップ内に格納されたプログラム等から構成される。例えば、制御部8はマイクロコンピュータで構成される。制御部8は、CCD3、画像処理部4、カードスロット6およびドライバ11を制御する制御手段である。制御部8は、CCD3に対して、所定のタイミングで露光動作、CCD転送動作、モニタスルー動作等の動作モードを切り替えるよう制御する。制御部8は、画像処理部4に対して、静止画像の圧縮およびカードスロット6への出力の動作または液晶モニタ5へのスルー画像の出力動作の動作モードを切り替えるよう制御する。制御部8は、カードスロット6に対して、静止画像のメモリカード7への書き込みを開始するよう制御する。
また、制御部8は、ドライバ11に対して、ジャイロセンサ9の計測結果およびシャッタ釦10からの制御信号に基づいて、モータ12、13の制御方法を指示する。より詳しくは、制御部8は、ジャイロセンサ9で測定されるデジタルカメラ20の角速度を積分し、その積分値に相当するブレ量を補正レンズ2によって相殺するようにモータ12、13を駆動するようドライバ11に指示をする。また、制御部8は、少なくともシャッタ釦10が全押しされるまでは、補正レンズ2が光軸中心位置に停止するようドライバ11に指示し、シャッタ釦10が全押しされた後は、ジャイロセンサ9の検出結果に基づき補正レンズ2の位置を補正するようドライバ11に指示する。
ここで、ジャイロセンサ9からの出力は、そのDC成分が除去され、そのAC成分のみが検出結果として使用される。つまり、ジャイロセンサ9からの出力信号のDC成分はジャイロセンサ9の計測結果を判断する際の基準値として使用される。制御部8は、ジャイロセンサ9の計測結果を判断する際の基準値(DC成分)を更新する機能(以下「基準値更新機能」という)を有する。基準値すなわちDC成分は、ジャイロセンサ9からの信号電圧の平均値として求められる。
基準値を更新する理由は、DC成分すなわち基準値が変動するからである。例えば、ジャイロセンサ9からの信号電圧の平均値(DC成分)は、デジタルカメラ20の環境温度に依存して変動する。これは、ジャイロセンサ9に含まれる圧電素子の出力が温度依存性を有するからである。ジャイロセンサ9のDC成分の変動後も、変動前のDC成分を基準としてジャイロセンサ9からの信号電圧を判断し、その判断に基づいてデジタルカメラ20のブレ量を予測すると、予測したブレ量と真のブレ量との誤差が大きくなってしまう。その誤差が大きい状態では、撮像画像は必要以上にブレてしまい、良好な画像を得ることができない。そこで、制御部8は、ジャイロセンサ9からのDC成分を検出し、ジャイロセンサ9からの信号電圧を判断する際の基準値を常に最新の値に更新している。なお、ジャイロセンサ9のDC成分の変動要因として、デジタルカメラ20の環境温度を例示したが、他にも、量産された各デジタルカメラ20の個体間のバラツキも変動要因となり得る。
但し、この基準値更新機能は、レンズ補正制御の期間中は作動しないよう制御する。これは、露光動作中に基準値が変更され、その基準値の変更により補正レンズ2が急激(不連続に)に移動し、それに伴う急激な像ブレの発生を防止するためである。
ドライバ11は、制御部8の指示に従って水平モータ12および垂直モータ13を制御する。この際、ドライバ11は、補正レンズ2の補正レンズ可動面上での位置を検出しつつ、その位置を制御部8の指示に近付けるように、これらのモータ12、13を制御する。水平モータ12は、ドライバ11の制御に従って補正レンズ2を水平方向に駆動する。垂直モータ13は、ドライバ11の制御に従って補正レンズ2を垂直方向に駆動する。
なお、CCD3は本発明における撮像素子の一例であり、CCD3の代わりにCMOSセンサも利用できる。CMOSセンサの場合、CMOSセンサの各画素からの読み出し期間がCCDの転送期間に相当する。ジャイロセンサ9は本発明におけるデジタルカメラ20のブレ量の計測手段の一例である。計測手段としては角加速度センサも利用できる。この場合は、検出した角加速度を積分することにより角速度を検出したのと同様の効果が得られる。シャッタ釦10は本発明における記録指示手段の一例である。制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなる構成は、本発明のレンズ制御手段の一例である。モータ12、13は、リニアモータ、回転モータまたは圧電アクチュエータ等で構成できる。
図2は、CCD3上の結像の様子を示した図である。図2(a)は、補正レンズ2の中心が光軸P上にあるときの補正レンズ2、CCD3および結像領域の位置関係を示す。図2(b)は、補正レンズ2の中心が光軸Pから偏心したときの位置関係を示す。結像領域Rは、撮像用レンズ群1および補正レンズ2によってCCD3の素子面に結像された被写体の画像形成領域である。図2(a)に示すように、補正レンズ2の中心が光軸P上にあるとき、結像領域Rは、形状に歪みが小さく真円状に形成される。そのため、CCD3上に形成される画像も歪みの小さいものとなる。
これに対して、図2(b)に示すように、補正レンズ3の中心が光軸Pから偏心すると、結像領域Rは、その形状に歪みが出て潰れた円状になる。そのため、CCD3上に形成される画像も歪みが大きくなる。特に、CCD3に結像される画像のうち、補正レンズ2の外縁に近い部分の画像の歪みが大きくなる。図2(b)においては、コーナー領域C2、C3で生成される画像の歪みが大きくなる。
以上より、CCD3上に形成される画像も歪みを小さくするために、CCD3で画像を露光する間は補正レンズ2を光軸上またはその近傍に位置するように制御するのが好ましいと言える。なお、上記の例では、補正レンズ2の中心が光軸から偏心したときの不具合として、画像の歪みが大きくなることを例として説明したが、このときの不具合は他の光学特性の劣化現象として現れる場合もある。例えば、解像度が悪くなったり、コントラスト(MTF)が劣化したり、色収差が大きくなるなどの光学特性の劣化現象が現れる場合もある。
以上のように構成したデジタルカメラ20の撮像動作を、図3、図4を用いて説明する。図3は撮像動作時のデジタルカメラ20の制御を示すフローチャートである。図4は、そのときのタイミングチャートである。
図4(a)は、CCD3の垂直基準信号を示す。CCD3はこの垂直基準信号に同期して、露光、CCD転送、モニタスルー等の動作を行う。垂直基準信号は3種類の周期により発信される。第1の周期は、2.0/60秒の周期(以下「2VD周期」という)である。CCD3は、上記の露光モードおよびモニタスルーモードでは、この2VD周期で動作する。第2の周期は、4.283/60秒の周期(以下「LONG_VD周期」という)である。CCD3は、このLONG_VD周期の3つ分で1つのCCD転送モードを完了するよう設計されている。1つのCCD転送モードで1フレーム分の画像情報が転送される。第3の周期は、2.152/60秒の周期(以下「調整周期」という)である。この調整周期は、CCD転送モード完了後に1周期分用意される。上述のように、CCD転送モードはLONG_VD周期の3周期分で完了するように設計されているが、様々な要因によりCCD転送モードがこの期間以上の時間を要する場合がある。このような場合に、その超過時間を調整するために調整周期が用いられる。LONG_VD周期の3周期分と調整周期の1周期分とを合わせると、15/60秒である。つまり、CCD転送モードは、長くても15/60秒で完了するように設計されている。
図4(b)は、上記CCD3の動作モードの遷移の様子を示す。CCD3は、露光期間において被写体からの光学信号を電荷に変換して各素子内に蓄積する。そして、CCD転送期間において、蓄積した電荷を、静止画像を生成するために画像処理部4に出力する。モニタスルー期間では、各素子内に蓄積した電荷をスルー画像として液晶モニタ5上に表示させるために、各素子内に蓄積した電荷を画像処理部4に出力する。ここで、CCD転送期間において電荷を出力する素子の数は、モニタスルー期間におけるものに比べて各段に大きい。つまり、CCD転送期間に生成される画像(静止画像)の画素数は、モニタスルー期間に生成される画像(スルー画像)の画素数より大きい。そのため、静止画を1画像分CCD転送するのに要する時間は、モニタスルーの場合よりも長くなる。
図4(c)に、基準値更新機能の作動/停止に関する時間変化を示す。図4(d)は、補正レンズ2の中心停止制御についてのON・OFFの状態を示す。図4(e)は、レンズ補正制御のON・OFFの状態を示す。図4(f)に、補正レンズ2の位置変動を示す。この位置は、便宜上、水平方向の位置を示すが、垂直方向についても同様の動作をする。以上の各イベントは、図4(g)に示すように図中左方向から右方向に進行する。
操作者がデジタルカメラ20の電源を投入する。制御部8は中心停止制御を開始し(S0)、補正レンズ2の中心を光軸Pに一致させるように補正レンズ2の位置を補正する。中心停止制御では、補正レンズ2に付加されたセンサを用いて補正レンズ2の位置を検出し、この検出した位置に基づき補正レンズ2を光軸中心位置に停止するよう制御する。
操作者が被写体に画角を合わせてシャッタ釦10を半押しすると、制御部8は、被写体からの光学信号に基づいて焦点や露出量等の撮像条件を設定する。この状態で、制御部8はシャッタ釦10が全押しされたかどうかを監視する(S1)。シャッタ釦10が全押しされると(ステップS1でYes、図4に示す時刻Ta)、露光終了時刻(Te)を算出し、これに基づいて補正レンズ2の駆動を開始する時刻(Tc)を設定する(S2)。
具体的には、制御部8は、現在設定されているシャッタスピードや絞り値等に基づいて、露光量が適正になるように露光時間を算出する。そして、制御部8は、露光時間、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間を考慮して、露光時間の終期を、CCD3の垂直基準信号の2VD周期に同期するように設定する。すなわち、図4の例では、露光時間の終期を時刻Teになるように設定する。次に、制御部8は、露光時間の終期から露光時間分だけ逆算して露光時間の始期(図4における時刻Td)を設定する。さらに、制御部8は、露光時間の始期(Td)から、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間分だけ逆算して、補正レンズ2の駆動開始時刻Tcを設定する。
ここで、補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間とは、補正レンズ2に対しレンズ補正制御を開始してから、制御部8、ドライバ11およびモータ12、13を用いて、ジャイロセンサ9の計測結果に正確に追従できるようになるまでに要する時間である。このような時間が必要となるのは、補正レンズ2を制御するのに要するモータ12、13等の機構が補正動作を開始してから、その動作が安定するまでにある程度の時間を要するからである。この時間は典型的には20ミリ秒程度であるが、制御部8により適宜算出される。補正レンズ2の駆動機構の特性やジャイロセンサ9の特性により、この時間の長短は、個々のデジタルカメラ20やその時々の状況に依存する。そのため、制御部8がこれらの種々の要因に基づいて、この時間を算出するのである。
補正レンズ2の駆動開始時刻Tcの設定後、制御部8は、その開始時刻Tcに達したかどうかを監視する(S3)。なお、監視期間中、すなわち、レンズ補正制御の開始前は、補正レンズ2に対して中心停止制御が行われている。この監視期間中に、CCD3は、図4の時刻Tbにて、制御部8にアクセスし、時刻Tdにて露光を開始するよう指示されていることを認識する。
補正レンズ2の駆動開始時刻Tcに達すると(ステップS3でYes)、制御部8は、図4(c)に示すように、基準値更新機能を作動しない状態(OFF)にする(S4)。同時に、制御部8は、補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する(S5)。すなわち、制御部8はジャイロセンサ9の計測結果に基づいてドライバ11に対する指示を開始し、ドライバ11はこれを受けて水平モータ12及び垂直モータ13の制御を開始する。そして、モータ12、13は、ドライバ11の制御に基づいて補正レンズ2を駆動する。この補正レンズ2の制御は、CCD3での露光の開始前から終了するまでの間行われる。
補正レンズ2の補正制御中に露光開始時刻Tdに達すると(ステップS6でYes)、CCD3は、静止画像の記録のための露光を開始する(S7)。
露光時間が終了すると(ステップS8でYes、図4の時刻Te)、CCD3は各素子に蓄積した電荷、すなわち、静止画像を画像処理部4に出力する。この出力動作は、図4(b)に示すように、垂直基準信号のLONG_VD周期の3周期分を使って行われる。この間、画像処理部4は、CCD3から受けた静止画像に対してYC処理、解像度変換、圧縮変換等を行って、カードスロット6に送信する。そして、カードスロット6は、受信した静止画像をメモリカード7に書き込む。
CCD転送と同時に、制御部8は、図4(c)に示すように、基準値更新機能を再び作動状態(ON)とする(S10)。これにより、その後に実施する、ジャイロセンサ9の計測結果に基づくデジタルカメラ20のブレ量の計測を適正にすることができる。
さらに、制御部8は、CCD転送動作中に、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰するよう制御する(S11)。具体的には、制御部8は、ドライバ11が現在把握している補正レンズ2の位置を取得し、この現在位置から光軸中心位置にLONG_VD周期の1周期分で復帰させるための補正レンズ2の移動速度および移動方向を算出する。この移動速度は、補正レンズ2を一次関数的に移動するよう設定される。制御部8は、この移動速度および移動方向をドライバ11に送信する。ドライバ11は、これに従って、水平モータ12、垂直モータ13を制御し、水平モータ12、垂直モータ13が補正レンズ2を光軸中心位置まで駆動する。
補正レンズ2が光軸中心位置に復帰すると(図4の時刻Tf)、制御部8は、補正レンズ2に対して中心停止制御を開始する(S12)。以降、この状態を保持する。そして、CCD3がCCD転送動作を終えてモニタスルー動作に戻ると(図4の時刻Tg)、再びシャッタ釦10による撮像の指示を待つ状態に戻る。
以上のように本実施形態のデジタルカメラによれば、制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなるレンズ制御手段は、少なくともシャッタ釦10からの指示があるまでは中心停止制御を行い、シャッタ釦10からの指示があった後はレンズ補正制御を行う。この制御により、CCD3の露光開始時に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置することができ、それにより、補正レンズ2のストロークを大きくとることができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な静止画像を得ることができる。
また、レンズ制御手段は、CCD3における露光を開始する予定の時刻(図4における時刻Td)よりも補正レンズ2を安定的に制御するのに必要な時間だけ早く(図4における時刻Tc)レンズ補正制御を開始する。これにより、レンズ制御手段は、CCD3を露光する全期間(図4における時刻Td〜時刻Te)において、安定的に補正レンズ2を制御できるため、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な撮像画像を得ることができる。
また、レンズ制御手段は、CCD3における露光が完了した後(図4における時刻Te)、次にシャッタ釦10が押下されるまでに、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させて、光軸中心位置に停止させる制御を行う。これにより、次の撮像開始時に、直ちに補正レンズ2は光軸中心位置を起点として制御される。前述した従来技術では、シャッタ釦押下後に補正レンズの光軸中心位置への移動を開始していたため、シャッタ釦押下後から補正動作を開始するまでの時間(図4(g)に示すTa〜Tcの期間)において補正レンズの移動時間を考慮する必要があり、シャッタ釦押下後から補正動作を開始するまで時間がかかっていた。これに対し、本発明では、シャッタ釦10押下時には補正レンズ2は光軸中心位置にあるため、補正レンズ2を光軸中心位置に移動させる時間を考慮しなくてよく、露光時間の算出等に要する時間のみを考慮すればよいため、シャッタ釦10の押下からレンズ補正制御開始までの時間(図4における時間Ta〜Tc)を短縮でき、全体として撮像に要する時間を短縮できる。
(実施の形態2)
実施の形態1にかかるデジタルカメラ20は、静止画像を生成していないときは、補正レンズ2を光軸中心位置に停止するように制御する中心停止制御を行った。これに対して、本実施形態では、静止画像を生成していないときは、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいて、補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置するよう制御し、CCD3上に形成される像の振れを補正する。これにより、実施の形態1にかかるデジタルカメラを用いる場合に比べて、液晶モニタ5上に表示されるスルー画像のブレが小さくなるため、操作者は、容易に撮像画像の画角を決めることができる。
本実施形態のデジタルカメラのハードウェア構成は図1に示す実施の形態1のものと同様であるが、制御部8での制御方法が実施の形態1のものと異なる。制御部8は静止画像を生成していないときにおいても、ジャイロセンサ9の計測結果に基づいてCCD3上に形成される像の振れを補正するよう補正レンズ2を制御する。特に、その補正範囲、すなわち、補正レンズ2の移動範囲は、光軸中心位置の近傍(所定範囲内)に限定する。このような制御部8による、静止画像を生成していないときの補正レンズ2の制御を「中心近傍補正制御」という。中心近傍補正制御における、ジャイロセンサ9の計測結果に対する補正レンズ2の移動量の最大値(上限値、下限値)はレンズ補正制御の場合に比べて小さくする。
次に、本実施形態のデジタルカメラの制御部8の制御を図5のタイミングチャートを用いて説明する。
図5(a)は、CCD3の垂直基準信号を示す。図5(b)は、CCD3の動作モードの遷移の様子を示す。図5(c)に、基準値更新機能の作動/停止に関する時間変化を示す。図5(d)に、補正レンズ2の中心近傍補正制御についてのON・OFFの状態を示す。図5(e)に、レンズ補正制御のON・OFFの状態を示す。図5(f)に、補正レンズ2の位置を示す。以上の各イベントは、図5(g)に示すように図中左方向から右方向に進行する。
まず、操作者がデジタルカメラ32の電源を投入する。そして、被写体に画角を合わせてシャッタ釦10を半押しすると、制御部8は、被写体からの光学信号に基づいて焦点や露出量等の撮像条件を設定する。この状態で、制御部8は、シャッタ釦10が全押しされたかどうかを監視する。そして、シャッタ釦10が全押しされると(時刻Ta)、露光終了時刻(Te)を算出し、これに基づいて補正レンズ2を駆動させる開始時刻(Tc)を設定する。
次に、制御部8は、補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する時刻(Tc)を設定した後、この開始時刻に達したかどうかを監視する。監視期間中、制御部8は補正レンズ2に対して中心近傍補正制御を実施する。なお、この監視期間中、CCD3は、時刻Tbに制御部8にアクセスする。そして、このとき時刻Tdに露光を開始するよう指示されていることを認識する。
補正レンズ2のレンズ補正制御を開始する時刻(Tc)に達すると、制御部8は、図5(c)に示すように、基準値更新機能を作動しない状態(OFF)にする。この補正レンズ2のレンズ補正制御は、CCD3での露光の開始前から終了するまでの間(Tc〜Te)行われる。
レンズ補正制御動作中に露光開始時刻Tdに達すると、CCD3は、静止画像の記録のための露光を開始する。そして、露光時間が終了すると(時刻Te)、CCD3は各素子に蓄積した電荷を出力し、静止画像を画像処理部4に出力する。この出力は、図5(b)に示すように、垂直基準信号のLONG_VD周期の3周期分を使って行われる。CCD転送と同時に、制御部8は、図5(c)に示すように、基準値更新機能を再び作動状態(ON)とする。これにより、その後に実施する、ジャイロセンサ9の計測結果に基づくデジタルカメラ20のブレ量の計測を適正にすることができる。
さらに、制御部8は、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させるよう制御する。補正レンズ2が光軸中心位置に復帰すると(Tf)、制御部8は、補正レンズ2に対して中心近傍補正制御を実施する。以降、この制御が保持される。
制御部8は、中心近傍補正制御をしている間、補正レンズ2の移動範囲を、図5(f)に示すように、光軸中心位置の近傍、すなわち、光軸中心位置を中心とした所定の範囲内に限定する。この範囲は、レンズ補正制御時の補正範囲よりも狭いものである。制御部8は、中心近傍補正制御において、補正レンズ2の補正量が中心近傍補正の上限値または下限値を超えそうになると、その補正範囲をその上限値または下限値になるよう制限する(例えば、図5(f)のTg〜Thの期間参照)。
また、制御部8は、中心近傍補正制御の間、ジャイロセンサ9の計測結果に対する補正レンズ2の移動量を、レンズ補正制御の場合(Tc〜Teの期間)に比べて小さくする。このため、スルー画像のブレ補正は多少効きが悪くなり、スルー画像のブレは発生するが、制御部8は、常に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍で制御することができる。
以上のように本実施形態によれば、制御部8、ドライバ11、水平モータ12および垂直モータ13からなるレンズ制御手段は、少なくともシャッタ釦10からの指示があるまでは中心近傍補正制御を行い、シャッタ釦10からの指示があった後はレンズ補正制御を行うように構成した。これにより、CCD3の露光開始時に補正レンズ2を光軸中心位置の近傍に位置するようにできる。さらに、スルー画像のブレが小さくなるため、操作者は、容易に撮像画像の画角を決めることができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、ブレが少なく、光学特性の劣化の少ない良好な静止画像を得ることができ、なおかつ、操作性の良いデジタルカメラを実現できる。
また、本実施形態では、中心近傍補正制御においてもジャイロセンサ9からの信号を用いて補正レンズ2の制御を行っているため、中心近傍補正制御からレンズ補正制御への移行において、補正レンズ2が連続的に動いている状態でレンズ補正制御が開始される。つまり、中心近傍補正制御からレンズ補正制御への移行において、ジャイロセンサ9からの信号に基づく補正制御の安定化のために設ける期間(図5(e)のTcからTdの間の期間)を、実施の形態1の場合と比較してさらに短縮することができる。よって、露光動作の開始時刻を早めることができ、撮像に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態においても、CCD3における露光完了後(図5における時刻Te)、次にシャッタ釦10が押下されるまでに、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させて、光軸中心位置の近傍に制御する。これにより、次の撮像開始時に、補正レンズ2は光軸中心位置の近傍からレンズ補正制御を開始できるので、露光動作の開始までに要する時間を短縮でき、撮像に要する時間を短縮できる。
なお、本発明の実施の形態1および2では、静止画撮像の単写の場合を説明したが、連写の場合にも本発明は適用できる。すなわち、連写の場合にも、第1回目の撮像終了後、CCD転送動作の間に補正レンズ2を光軸中心位置に戻し、CCD転送終了後、第2回目の撮像を開始すればよい。
また、本発明の実施の形態1および2では、補正レンズ2を光軸中心位置に復帰させるときに、一次関数的に補正レンズ2を移動しているが、これには限らない。例えば、反比例関数的に光軸Pに漸近するよう補正レンズ2を移動してもよい。このようにすることにより、早い段階で光軸中心に近づけることができ、しかも、ゆっくりと衝撃を少なくしつつ補正レンズ2を停止させることができる。
また、本発明の実施の形態1および2では、CCD3の露光開始の直前(時刻Tc)に、レンズ補正制御を開始するとしたが、CCD3の露光開始と同時(時刻Td)にレンズ補正制御を開始するようにしてもよい。これにより、CCD3の露光開始時(時刻Td)に補正レンズ2を確実に光軸中心位置またはその近傍に位置するようにできるため、補正レンズ2のストロークを最も大きく確保することができる。従って、補正レンズ2の手ブレ補正可能な範囲を有効に使用することができ、手ブレの少ない良好な静止画像を得ることができる。
また、本発明の実施の形態1および2では、レンズ制御手段は、レンズ補正制御をしている間(Tc〜Te)は基準値更新機能を作動しないとしたが、CCD3の露光期間(Td〜Te)中のみ基準値更新機能を作動しないとしても良い。
また、本発明の実施の形態1および2では、記録指示手段としてシャッタ釦10を一例として説明したが、これには限らず、例えば、撮像を開始する旨の信号をデジタルカメラ20に対して発信するリモコンであってもよい。
また、本発明の実施の形態1および2では、CCD3の垂直基準信号として、CCD3が4MピクセルのCCDである場合を示したが、これには限らない。例えば、CCD3が3Mピクセルの場合には、LONG_VD周期は6/60秒であり、CCD転送期間はLONG_VD周期の2周期分としても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態のデジタルカメラは、レンズ補正制御を開始した時(図11における時刻Tc)に、補正レンズ2を必要以上に移動してしまうことに起因する、新たな像ぶれ(以下「過補正に起因する像ぶれ」という)が発生するという不具合を防止することを目的とする。本実施の形態により、過補正に起因する像ぶれを短時間で解消できるため、撮像時間の短縮化を図ることができる。
本実施の形態のデジタルカメラのハードウェア構成は図1に示す構成と基本的に同様であるが、制御部8の構成が異なる。本実施の形態では、制御部8はジャイロセンサ9の計測結果に基づいて補正レンズ2の仮想レンズ位置を算出する。
ここで、仮想レンズ位置とは、制御部8がジャイロセンサ9の測定結果に基づいて算出した補正レンズ2の仮想的な位置であり、実際に補正レンズ2を移動するか否かとは関係なく常時算出される。具体的には、ジャイロセンサ9の測定結果である角速度を積分することにより得られる。
図6に、制御部8における、仮想レンズ位置の算出に必要な構成を示す。制御部8は、ハイパスフィルタ32、DC検出部34、減算器35、積分回路36及びゲイン決定部38を含む。ハイパスフィルタ32は抵抗41とコンデンサ42とからなり、約0.05Hz以上の信号を透過させるよう構成されている。積分回路36はゲイン調整部43を含む。ゲイン決定部38は積分回路36に含まれてもよい。
ジャイロセンサ9から角速度情報が出力される。この角速度情報のAC成分をハイパスフィルタ32で抜き出して、このAC成分を積分回路36で積分することにより、補正レンズ2の制御目標である仮想レンズ位置が求められる。
DC検出部34は、ハイパスフィルタ32の出力のDC成分を検出する。ハイパスフィルタ32の出力のDC成分とは、実施の形態1、2で述べた基準値更新機能における基準値のことである。つまり、基準値更新機能はDC検出部34で実行される。但し、DC検出部34はカメラが静止していることを検出したときのみ、基準値であるDC成分を検出し、更新を行うよう構成されている。
減算器35は、検出されたDC成分をハイパスフィルタ32の出力から減算する。この構成により、ハイパスフィルタ32の出力に含まれるDC成分を除去できる。
このようにDC成分の検出および除去が必要な理由を図7を用いて説明する。今、ジャイロセンサ9から図7(a)に示すような信号が出力されたとする。すなわち、時刻t1まで、一定の角速度ωであり、時刻t1後は0になるような出力である。このような出力は、例えば、時刻t1までパンニング撮影をした後、カメラを静止させたときに得られる出力である。
このような出力がハイパスフィルタ32に入力されると、ハイパスフィルタ32の出力は、図7(b)に示すような信号軌跡となる。すなわち、時刻t1で急激に変化し、その後除々に0に近づき、やがて(約20〜30秒後)0になる。これは、ハイパスフィルタ32のコンデンサ42と抵抗41の時定数に起因する特性である。この特性により、本来ジャイロセンサ9の出力には含まれていないDC成分がハイパスフィルタ32の出力に含まれることになり、このDC成分が後述する積分回路36で積分されると、実際のぶれに対して必要な補正以上に補正をしてしまい、それに起因する過度な像ぶれが発生する。
過補正に起因する像ぶれ発生のメカニズムをより具体的に説明する。
上述したように、ジャイロセンサ9の出力に含まれるDC成分はハイパスフィルタ32により除去される。また、ハイパスフィルタ32のコンデンサ42および抵抗41の時定数に起因するDC成分はDC検出部34および減算器35により除去される。
しかし、前述のようにDC検出部34はカメラが静止している場合のみ、DC成分(基準値)を検出し、更新するよう構成されている。そのため、図7(a)に示すような静止状態が保持される場合には、DC検出部34はDC成分を正常に検出でき、ハイパスフィルタ出力からDC成分を除去することができるが、図7(c)に示すような静止状態が保持されてない場合には、DC成分を除去することができない。実際のカメラでの撮影の場合、ジャイロセンサ9の出力は、図7(c)に示すような出力となる場合が多い。それは、パンニング動作をした直後にカメラを完全に静止させることは現実的に難しいことを考えると理解できる。
したがって、図7(c)に示すような静止状態が保持されてない場合は、DC検出部34から正しいDC検出結果が出力されないため、積分回路36への入力信号には余分なDC成分(Wdc)が残ってしまうことになる(図7(d)参照)。積分回路36はこの余分なDC成分(Wdc)をも積分してしまう。その結果、積分回路36の出力値は補正レンズ可動面上の一方向に次第に大きくなる。これは、仮想レンズ位置の絶対値が大きくなることに相当する。この積分の結果に基づくと、実際のぶれとは異なるぶれ情報に基づいて、補正レンズ2を駆動することになるため、必要以上に補正レンズ2を移動させてしまい、過補正に起因する像ぶれが発生してしまうことになる。
そこで、このような過補正に起因する像ぶれの発生を防ぐために、ハイパスフィルタ32の出力中に含まれるDC成分WdcをDC検出部34及び減算器35により除去している。
積分回路36の積分ゲインについて説明する。積分回路36は、ハイパスフィルタ32から出力される角速度情報のAC成分を積分する。このとき、積分値のゲインは、ゲイン調整部43で調整される。ゲイン調整部43で調整される積分ゲインは図8に示すように周波数特性を有する。すなわち、積分ゲインは、減算器35の出力の周波数が所定周波数(本実施形態では、1Hz)より低い周波数領域では周波数にともない増加し、所定周波数より高い周波数領域ではほぼ一定になるように設定される。低周波数領域での積分ゲインは高周波数領域のものより小さい値に設定される。これは、デジタルカメラがゆっくり振動している場合は補正の度合いを小さくし、速く振動している場合は補正の度合いを大きくすることを意味している。但し、この周波数特性は一例である。
また、積分ゲインは、低周波数領域では、仮想レンズ位置によっても変更される。図8において、グラフGa、Gb、Gcはそれぞれ異なる仮想レンズ位置(図9に示すA、B、C)に対する積分ゲインを示す。この変更はゲイン決定部38で行われる。ゲイン決定部38は、積分回路36からの出力である仮想レンズ位置の値に応じて、低周波領域での積分ゲインの初期値を決定する。すなわち、図9に示すように、仮想レンズ位置の絶対値が小さい場合(すなわち、仮想レンズ位置が光軸近傍の場合)には、低周波領域の積分ゲインの初期値を一定にする。このときの仮想レンズ位置の領域を「一定領域」という。また、仮想レンズ位置の絶対値が一定領域外にあるときは、その絶対値が大きいほど(すなわち、仮想レンズ位置が光軸から離れるほど)、積分ゲインが減少するように設定される。このときの仮想レンズ位置の領域を「可変領域」という。このように、仮想レンズ位置が光軸から離れるほど、積分ゲインを小さくすることは、仮想レンズ位置が光軸から離れている場合には、ゆるやかな振動(低周波領域の振動)に対しては補正をあまりかけないことを意味している。
図8に戻り、高周波領域(1Hz以上)での積分ゲインは、低周波領域(1Hz未満)での積分ゲインの特性とは異なり、仮想レンズ位置に依存しない。低周波領域での積分ゲインの値が小さい場合、ゆるやかなぶれは補正されることはないが、撮影時に生じる手ぶれ(通常約1〜20Hz)のような高い周波数のぶれに対しては、高い積分ゲインが設定されるため、確実に補正することができる。
図10、図11を参照して本実施形態の制御部8の動作を説明する。なお、図10に示す処理は、実施の形態1の制御に、本実施形態の仮想レンズ位置に基づく制御を追加したものである。
図10に示すように、制御部8は、デジタルカメラの動作期間中、常に仮想レンズ位置を算出しておく(S31)。レンズ補正制御(図11(e)参照)をしていないとき(時刻Ta〜TcおよびTe以後)、制御部8は中心停止制御を行うが、この間、仮想レンズ位置は算出するのみで実際の制御には使用されない。
一方、レンズ補正制御中(時刻Tc〜Te)は、制御部8は算出した仮想レンズ位置に基づいて補正レンズ2の位置を実際に制御する(S36)。この場合の制御は、仮想レンズ位置と実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように行うのではなく、レンズ補正制御を開始したとき(時刻Tc)の仮想レンズ位置の中心位置からのずれ量(Δdc)を仮想レンズ位置から差し引いた値(図11(g)の破線Yで示す値)と、実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように行う。すなわち、レンズ補正制御の期間において、算出した仮想レンズ位置をずれ量(Δdc)だけシフトした値と、実際の補正レンズ2の位置とを一致させるように制御を行う。このようにすることにより、時刻Tcで補正レンズ2が急激に移動してしまうことを防止できる。
上記構成により、過補正が改善できる理由を、DC検出部34がDC成分を検出できる場合とできない場合とに分けて説明する。
DC検出部34がDC成分を検出できる場合、積分回路36に入力される信号にはDC成分は含まれないので積分結果がずれることはない。
一方、DC検出部34がDC成分を検出できない場合、積分回路36に入力される信号にはDC成分が含まれ、積分結果がずれてしまう。しかし、DC検出部34がDC成分を検出できない場合には、仮想レンズ位置は、中央から離れた位置にある可能性が高い。仮想レンズ位置が中央位置(光軸位置)から離れていると、図9に示すように低周波領域での積分ゲインは小さく設定されるため、積分値が大きくなることを抑制できる、その結果、補正レンズを必要以上に移動することを抑制できるため、過補正に起因する像ぶれを低減できる。
以上より、過補正に起因する像ぶれを改善できる。本実施形態の思想は実施の形態2におけるレンズ補正制御にも適用できる。
なお、ハイパスフィルタ32、DC検出部34、減算器35等は制御部8の外部に設けてもよい。
本発明は手振れを低減しつつ、静止画像の撮像に要する時間を低減する撮像装置を提供でき、電子スチルカメラやカメラ付き携帯電話機等の撮像機能を有する電子機器に適用できる。特に、光学的に高倍率の撮像が可能な撮像装置に有用である。
本発明のデジタルカメラの構成を示すブロック図 (a)補正レンズの中心が撮像レンズ群の光軸上にあるときの補正レンズ、CCDおよび結像領域の位置関係を示す図、(b)補正レンズの中心が撮像レンズ群の光軸から偏心したときの補正レンズ、CCDおよび結像領域の位置関係を示す図 実施の形態1における撮像装置の動作を示すフローチャート (a)実施の形態1における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態1における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態1における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止を示すタイミングチャート、(d)実施の形態1における撮像装置の中心停止制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態1における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態1における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)図4(a)〜図4(f)に対する経過時間を示すタイミングチャート (a)実施の形態2における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態2における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態2における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止を示すタイミングチャート、(d)実施の形態2における撮像装置の中心近傍補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態2における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態2における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)図5(a)〜図5(f)に対する経過時間を示すタイミングチャート 本発明の実施の形態3における制御部の仮想レンズ位置の算出に必要な構成を示す図 (a)ジャイロセンサの出力信号の波形の一例を示す図、(b)図7(a)に示すジャイロセンサの出力信号に対するハイパスフィルタの出力波形を示す図、(c)AC成分を含むジャイロセンサの出力信号の波形の一例を示す図、(d)図7(c)に示すジャイロセンサの出力信号に対するハイパスフィルタの出力波形を示す図 ゲイン調整部で調整される積分ゲインの周波数特性を示す図 仮想レンズ位置に対する、低周波領域の積分ゲインの特性を示す図 実施の形態3における撮像装置の動作を示すフローチャート (a)実施の形態3における撮像装置の垂直基準信号のタイミングチャート、(b)実施の形態3における撮像装置のCCDの動作の遷移を示すタイミングチャート、(c)実施の形態3における撮像装置の基準値更新機能の作動/停止状態を示すタイミングチャート、(d)実施の形態3における撮像装置の中心停止制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(e)実施の形態3における撮像装置のレンズ補正制御のON/OFF状態を示すタイミングチャート、(f)実施の形態3における撮像装置の補正レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(g)実施の形態3における撮像装置の仮想レンズ位置の変化を示すタイミングチャート、(h)図11(a)〜図11(g)に対する経過時間を示すタイミングチャート
符号の説明
1 撮像用レンズ群
2 補正レンズ
3 CCD
8 制御部
9 ジャイロセンサ
10 シャッタ釦
11 ドライバ
12 水平モータ
13 垂直モータ
20 デジタルカメラ
32 ハイパスフィルタ
34 DC検出部
36 積分回路
38 ゲイン決定部
43 ゲイン調整部

Claims (8)

  1. 被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置において、
    被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、
    被写体の光学信号を集光して前記撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、
    前記撮像素子上に形成される像の振れを補正するために、前記撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズと、
    前記撮像装置の振れを計測する計測手段と、
    前記撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示手段と、
    前記撮像用レンズ群と前記補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に前記補正レンズを停止させるよう、前記補正レンズ位置を制御する中心停止制御と、前記計測手段の計測結果に基づいて前記撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう前記補正レンズ位置を制御するレンズ補正制御とを選択的に実行するレンズ制御手段とを備え、
    前記レンズ制御手段は、
    前記指示手段から記録の開始の指示があるまでは前記中心停止制御を行い、前記撮像素子における露光開始後は前記レンズ補正制御を行い、
    撮像素子における露光完了後、前記指示手段から次の記録の開始の指示があるまでに、前記補正レンズを前記光軸中心位置に復帰させた後、前記補正レンズに対して前記中心停止制御を行う
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記撮像素子から転送された静止画像を受けて画像処理を行う画像処理手段をさらに備え、
    前記レンズ制御手段は、前記撮像素子における露光完了後、前記撮像素子から前記画像処理手段への静止画像の転送が完了する前に、補正レンズが光軸中心位置に復帰するよう補正レンズを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記レンズ制御手段は、前記撮像素子の露光を開始する時間よりも、前記補正レンズを安定的に制御するのに必要な時間だけ早く、前記レンズ補正制御を開始することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記レンズ制御手段は、前記計測手段の計測結果を判断する際の基準値を更新する基準値更新機能を有し、前記レンズ補正制御をしている間は前記基準値更新機能を作動させないことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記計測手段の結果を積分する積分手段を備え、
    前記レンズ制御手段は、前記積分手段の出力に基づいて、前記補正レンズの仮想的な位置を算出し、この仮想的な位置に基づいて前記レンズ補正制御を行い、
    前記積分手段は、前記レンズ制御手段で算出された前記補正レンズの仮想的な位置に基づいて、前記計測手段の結果の積分に対するゲインを調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記積分手段は、撮像装置の振れの周波数が所定値より小さい領域では、前記補正レンズの仮想的な位置が光軸中心位置から所定範囲内にあるときは、前記ゲインが一定になるようにし、前記補正レンズの仮想的な位置が所定範囲外にあるときは、光軸中心位置からの距離にしたがい前記ゲインが減少するように、前記ゲインを調整することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記積分手段はさらに、撮像装置の振れの周波数が前記所定値より小さい領域では、前記ゲインを該周波数の増加にしたがい増加させ、撮像装置の振れの周波数が所定値以上の領域では、前記ゲインが一定になるように、前記ゲインを調整することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 被写体の光学信号を露光して静止画像を生成する撮像素子と、被写体の光学信号を集光して前記撮像素子上に結像する撮像用レンズ群と、前記撮像素子上に形成される像の振れを補正するために前記撮像用レンズ群の光軸に垂直の面内で移動可能である補正レンズとを備え、被写体の光学信号を受けて静止画像データを生成する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像装置の振れを計測し、
    前記撮像素子で生成される静止画像の記録の開始を指示するための指示を受け、
    静止画の記録の開始の指示があるまでは、前記撮像用レンズ群と前記補正レンズの光軸が一致する補正レンズの位置である光軸中心位置に前記補正レンズを停止させる制御である中心停止制御を行い、
    前記撮像素子における露光開始後は、前記計測結果に基づいて前記撮像素子上に形成される像の振れを補正するよう前記補正レンズ位置を制御するレンズ補正制御を行い、
    撮像素子における露光完了後、次の記録の開始の指示があるまでに、前記補正レンズを前記光軸中心位置に復帰させた後、前記補正レンズに対して前記中心停止制御を実施する
    ことを特徴とする制御方法。
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