JPWO2005008784A1 - 電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

電界効果型トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005008784A1
JPWO2005008784A1 JP2005511874A JP2005511874A JPWO2005008784A1 JP WO2005008784 A1 JPWO2005008784 A1 JP WO2005008784A1 JP 2005511874 A JP2005511874 A JP 2005511874A JP 2005511874 A JP2005511874 A JP 2005511874A JP WO2005008784 A1 JPWO2005008784 A1 JP WO2005008784A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
effect transistor
semiconductor layer
field effect
organic semiconductor
nanotubes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005511874A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4632952B2 (ja
Inventor
七井 識成
識成 七井
脇田 尚英
尚英 脇田
竹内 孝之
孝之 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Publication of JPWO2005008784A1 publication Critical patent/JPWO2005008784A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4632952B2 publication Critical patent/JP4632952B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/20Carbon compounds, e.g. carbon nanotubes or fullerenes
    • H10K85/221Carbon nanotubes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]
    • H10K10/462Insulated gate field-effect transistors [IGFETs]
    • H10K10/466Lateral bottom-gate IGFETs comprising only a single gate
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/701Organic molecular electronic devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

本発明の電界効果型トランジスタは、ソース領域から注入されドレーン領域へ向かうキャリアが移動する半導体層を有し、前記半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料で形成されている。前記ナノチューブは、複数個のナノチューブが連結されているナノチューブであっても良い。

Description

本発明は、電界効果型トランジスタ及びその製造方法、特に薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
〔技術背景〕
現在、電界効果型の薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう)は、フラットパネルディスプレイ等における駆動素子として好適に使用されている。このTFTの構成としては種々の構成が提案されているが、基本的には、半導体層に接触して設けられたソース電極とドレーン電極との間に流れる電流を、半導体層に対して絶縁層を介して設けられたゲート電極に印加される電圧(つまり、印加される電圧で発生する電界)により制御するように構成されている。通常、TFTは、基板上の層を精密に制御加工構成する薄膜制御プロセスにより作製される。これらのTFTには、優れた電気特性や高い安定信頼性が求められる。現在実用化されているTFTでは、アモルファスシリコン(a−Si:H)や低温ポリシリコンを半導体層に使用し、酸化シリコンや窒化シリコンをゲート絶縁層として使用する。アモルファスシリコン(a−Si:H)や低温ポリシリコンのデバイスをベースにしたアクティブマトリックス型液晶ディスプレイ(AMLCD)を作製する数々の材料と処理方式は、高温での製造プロセスが多く必要とされるため、他の場合であれば有用な多くの基板物質が使用できなくなる。
フラットパネルディスプレイの技術発展の中、基板の軽量化、機械的柔軟性、耐衝撃性あるいは省資源に対する要求も出てきていて、シートライクな、あるいはペーパーライクなディスプレイや携帯機器などの実現が要求されている。しかし、これらに有用なAMLCD用のプラスチック板や樹脂フィルムを、150℃乃至250℃を越える温度での製造工程において使用することは困難である。
近年、上記アモルファスシリコンや低温ポリシリコンなどの半導体に代わって、半導体の性質を示す有機材料ベースからなる有機半導体を利用する有機半導体TFTも研究されている。有機材料を用いることで、シリコンを用いたプロセスで必要とされる高コストのかかる設備を準備することなく、これらのデバイスを製造することが可能となる。機械的フレキシビリティが向上し、室温かそれに近い低温でのプロセスでデバイスを作製することが可能となり、しなやかなプラスチック基板や樹脂フィルムなどを利用して、シートライクな、あるいはペーパーライクなディスプレイなどに適する基板として使用することができる。
従来から知られている、ペンタセンなどの低分子系有機半導体材料を半導体層に用いたTFTでは、単結晶または多結晶の結晶相からなる有機半導体層としているが、シリコン系半導体層を有するTFTに比べてキャリア移動度が小さく、約0.1〜0.6cm/Vsの値しか得られない。結晶粒界が増えたり結晶性が低下すると移動度はさらに小さくなり、TFTとして使用できなくなる。
また、有機半導体材料としてチオフェン系などの高分子系有機半導体材料を用いることも可能であるが、非晶質であるのでキャリア移動度は小さい(例えば、Takeo Kawase、他2名、IDW‘02,AMD2/EP1−1、pp.219−222、“Polymer Semiconductor Active−Matrix Backplane Fabricated by Ink−Jet Technique”(非特許文献1)参照)。非特許文献1によれば、フルオレン−ビチオフェン共重合体を半導体層に使用したTFTで、チャネルのキャリア移動度は0.003〜0.005cm/Vsのような低い値である。
非特許文献1に示されているような低いキャリア移動度の半導体層を有するTFTでは、通常、約数百μmもの極端に形状が大きいゲート幅が必要となり、実用的ではない。また、キャリア移動度が小さい高分子系有機半導体を使用する場合、ソース電極、ドレーン電極間の距離を極めて短くする必要があり、極端な微細加工が必要となり、現実的ではない。また、半導体層がチオフェン系などの高分子系有機半導体のみからなるTFTでは、オフ抵抗は高く、半導体層と絶縁層との剥離強度は強いが、チャネルのキャリア移動度は小さく、オン伝導性は低い。
これに対して、最近研究されている、カーボンから作製された、導電性が非常に良好で強靱な性質を有する、ナノ構造からなるカーボンナノチューブを半導体層に用いたTFTでは、キャリア移動度が大きく、約1000〜1500cm/Vs程度の値が得られている(例えば、Sami Rosenblatt、他5名、Nano Lett.2、pp.869−872(2002)、“High Performance Electrolyte Gated Carbon Nanotube Transistors”(非特許文献2)参照)。また、非特許文献2に示されるような高い値のキャリア移動度を有すると考えられる半導体系カーボンナノチューブを半導体層として用いたTFTの構成と製造方法が報告されている(例えば、Phaedon Avouris、Chem.Phys.281、pp.429−445(2002)、Fig.6、“Carbon nanotube electronics”(非特許文献3)参照)。
図15は、カーボンナノチューブを使用した半導体層を有する従来例のTFTの構成を模式的に示す断面図である。非特許文献3によれば、図15に示すように、TFT60は、ゲート電極を兼ねるpシリコン基板61上に、熱酸化シリコンからなる厚さ150nmのゲート絶縁層62上が形成され、ゲート絶縁層62上に直径1.4nmの半導体系カーボンナノチューブを適度の分散密度で分散して配置し、厚さ1.4nmの半導体層63を形成されている。そして、半導体層63の上に、チタン(Ti)あるいはコバルト(Co)金属を蒸着し、カーボンナノチューブとのコンタクト部66、67の両側に、チタンカーバイトあるいはコバルトからなるソース電極64、ドレーン電極65を形成し、接合抵抗が小さくトランスコンダクタンスが良好な特性を有するTFTを構成している。
しかし、半導体層がナノチューブのみからなるTFTでは、チャネルのキャリア移動度は大きく、オン伝導性は高いが、ゲート絶縁層62上にナノチューブを載せただけで半導体層63を形成しているので、その剥離強度は弱く、製造が困難である。
また、非特許文献3にあるように、直径1.4nmのカーボンナノチューブなどのナノチューブを適度の分散密度で分散配置し、1.4nmの厚さの半導体層を形成する工程において、ナノチューブの分散密度を高くし、これを一定とすることは、実際には困難である。さらに、ナノ構造の多数本のナノチューブを重ねずに並列配列させるプロセスは不安定な要素となり、TFTの電気特性のバラツキが大きくなるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、機械的柔軟性、及び耐衝撃性が優れた高キャリア移動度の電界効果型トランジスタ、特にTFTであって、極小の微細構造を必要とせず、電気特性のバラツキの少ないTFTと、そのTFTの製造方法を提供することを第1の目的としている。
また、本発明は、前記電界効果型トランジスタを複数個配置したアクティブマトリクス型のディスプレイや、前記電界効果型トランジスタを集積回路部に用いた無線IDタグや、携行用機器を提供することを第2の目的としている。
そして、これらの目的を達成するために、本発明に係る電界効果型トランジスタは、ソース領域から注入されドレーン領域へ向かうキャリアが移動する半導体層を有し、前記半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料で形成されている。本明細書において、ソース領域及びドレーン領域とは、ソース電極及びドレーン電極、並びに、ソース電極及びドレーン電極を半導体層に接続するコンタクト層又は高濃度不純物領域等を含む概念をいう。
前記半導体層は、例えば前記ナノチューブの周囲が前記有機半導体材料で被覆されている構成を含む。
また、前記半導体層において、前記ナノチューブが複数個連結されている構成であっても良い。例えば、前記ナノチューブは化学結合により複数個連結することができる。この場合、前記ナノチューブが連結された部分が前記有機半導体材料で被覆されていることが好ましい。
前記ナノチューブとして、カーボンナノチューブが好ましく用いられる。
前記有機半導体材料として、例えばチオフェン系材料からなる高分子系有機半導体材料が好ましく用いられる。
前記有機半導体材料として、他には、例えばアセン系材料からなる低分子系有機半導体材料が好ましく用いられる。
前記半導体層において、好ましくは前記ナノチューブが所定の方向にほぼ配向しているような構成とする。
前記電界効果型トランジスタは、好ましくはTFTである。
また、前記電界効果型トランジスタは、好ましくは基板上に形成されている。前記基板は、例えばプラスチック板または樹脂フィルムで形成することができる。
また、本発明は、ソース領域から注入されドレーン領域へ向かうキャリアが移動する半導体層を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料を用意する工程(a)、および前記複合材料を用いて前記半導体層を形成する工程(b)、を含む。
例えば、前記工程(a)は、前記有機半導体材料と前記ナノチューブを混合して前記複合材料を調製する工程を含む。
また、例えば、前記工程(a)においては、前記有機半導体材料の溶液に前記ナノチューブを混合して前記複合材料を調製し、前記工程(b)において、前記複合材料を乾燥させて半導体層を形成する。
また、例えば、前記工程(a)において、前記有機半導体材料で被覆されている前記ナノチューブを含む前記複合材料を調製する。このような方法として、前記有機半導体材料の溶液中に前記ナノチューブを浸漬して濾過する工程を繰り返して前記複合材料を調製する方法を採用することができる。
前記ナノチューブとして、カーボンナノチューブが好ましく用いられる。
また、前記工程(a)において、複数個が連結されている前記ナノチューブを用いても良い。この場合、例えば、前記工程(a)の前に、複数個の前記ナノチューブを連結させる工程(c)を含む。前記工程(c)においては、例えば複数個の前記ナノチューブを化学結合により連結させることができる。
また、本発明に係るアクティブマトリクス型ディスプレイは、請求の範囲第1項乃至第15項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、画素を駆動するためのスイッチング素子として複数個配設されてなる。
また、本発明に係る無線IDタグは、請求の範囲第1項乃至第15項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、集積回路を構成するための半導体素子として利用されてなる。
また、本発明に係る携行用機器は、請求の範囲第1項乃至第15項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、集積回路を構成するための半導体素子として利用されてなる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
図1は、第1の実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
図2は、半導体層を形成する方法を示すフローチャートである。
図3は、第1の実施形態のTFTの半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図4は、第2の実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
図5は、第2の実施形態のTFTの半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図6は、第3の実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
図7Aは、第3の実施形態のTFTの製造工程において、複合材料を塗布した直後の半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図7Bは、図7Aの状態からカーボンナノチューブを析出させた状態の半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図8は、第4の実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
図9は、第4の実施形態のTFTの半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図10は、第5の実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
図11は、第5の実施形態のTFTの半導体層における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。
図12は、第6の実施形態に係るアクティブマトリクス型ディスプレイの構成を模式的に示す断面図である。
図13は、第6の実施形態に係るTFTを用いた無線IDタグの構成を模式的に示した斜視図である。
図14は、第6の実施形態に係るTFTを用いた携帯電話の構成を模式的に示した正面図である。
図15は、カーボンナノチューブを使用した半導体層を有する従来例のTFTの構成を模式的に示す断面図である。
参照符号一覧表
1,15,20,21,23 薄膜トランジスタ
2 基板
3 ゲート絶縁層
4,13,16,22,24 半導体層
5 ゲート電極
6 ソース電極
7 ドレーン電極
8 チャンネル
10,17,25 カーボンナノチューブ
11,18,26 有機半導体材料
27 結合部
111 アクティブマトリクス型ディスプレイ
112 プラスティック基板
113,114 電極
115 交点
116a,116b 駆動回路
117 制御回路
118 ディスプレイパネル
120 無線IDタグ
121 プラスティック基板
122 アンテナ部
123 メモリーIC部
140 携帯電話
141 表示部
142 送受信部
143 音声出力部
144 カメラ部
145 折り畳み用可動部
146 操作スイッチ
147 音声入力部
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する図面において、同一要素については同じ番号を付している。
(第1の実施の形態)
第1の実施形態は、半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料によって形成されたTFTにかかる。
図1は、本実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、TFT1は、基板2上にゲート電極5と、ゲート絶縁層3と、半導体層4と、ソース電極6と、ドレーン電極7とを有している。具体的には、基板2の主面上にゲート電極5が設けられており、このゲート電極5を覆うようにゲート絶縁層3が設けられている。そして、ゲート絶縁層3上に、半導体層4が設けられており、半導体層4の上にソース電極6及びドレーン電極7が、互いに分離するように設けられている。尚、ゲート電極5は、平面視においてソース電極6とドレーン電極7との間に位置するように設けられている。このような構成により、ゲート電極5が、ゲート絶縁層3によって、半導体層4に電気的に生成されるチャンネル8から分離される構成となる。
半導体層4は、高分子系有機半導体材料とカーボンナノチューブとを含む複合材料を用いて形成されている。本実施形態において、複合材料として、フルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体材料と、通常、カーボンナノチューブ作製時に得られる半導体系と金属系が混在した混合系のカーボンナノチューブとが複合されたものを使用している。
以下、本実施形態のTFT1の製造方法について説明する。図2は、半導体層4を形成する方法を示すフローチャートである。図2に示すように、フルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体材料と、上記混合系のカーボンナノチューブ材料とを混合した複合材料をあらかじめ調製する複合材料調製工程(St1)と、調製した複合材料を使用して、ゲート絶縁層3の上に半導体層4を形成する半導体層形成工程(St2)を有する。
複合材料調製工程において、望ましくは、有機半導体材料とナノチューブとを混合比率を調整して混合する。混合比率を調整することにより、TFT1のキャリア移動度を調整することができる。ナノチューブの混合比率は、全体に対して体積比で約30〜90%が良い。ナノチューブの体積比が30%より低いと、半導体層4において十分な導電率を得ることが困難となる。また、ナノチューブの体積比が90%より大きいと、十分な結着作用を発現させることが困難となり、安定した半導体層4の形成が困難となる。ナノチューブの体積比は、約50〜70%がさらに良好である。また、複合材料調製工程において、複合材料調製工程及び半導体層形成工程が円滑に進むように、他の工程や材料を加えることも可能である。
尚、上記においては、複合材料調製工程(St1)により複合材料を用意することとしたが、複合材料調製工程(St1)に換えてすでに調製が完了している複合材料を用意する工程であってもよい。
TFT1は、複合材料を用いて半導体層4が形成されるので、多数本のナノチューブのみを分散して配列させることにより半導体層を形成するという困難な工程が不要となり、優れた特性を有するTFTを容易に安定して製造することができる。
次に、TFT1全体の製造方法を説明する。まず、基板2上にゲート電極5を形成するため、所定の電極材料を、所望の形状が得られるように予めパターニングされたスクリーン版を用いることによって印刷し、十分に乾燥させる。この工程によって、基板2上に所望の形状のゲート電極5が形成される。
次に、ゲート絶縁層3を形成するために、所定の絶縁材料を予めパターニングされたスクリーン版を用いることによって、基板2及びゲート電極5上に印刷し、十分に乾燥させる。この工程によって、基板2及びゲート電極5上にゲート絶縁層3が形成される。
次に、ゲート絶縁層3上に上述の半導体形成工程により、半導体層4を形成する。具体的には、複合材料調製工程であらかじめ調製した有機半導体材料とナノチューブとを混合した複合材料を、ゲート絶縁層3上に塗布することにより半導体層4を形成する。
そして、半導体層4上に所定の電極材料を蒸着して、ソース電極6とドレーン電極7とを形成する。
図3は、本実施形態のTFT1の半導体層4における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。図3に示すように、半導体層4においては、長さ約0.1〜数μm、直径約1〜数nmからなる、半導体系と金属系が混在した材料である混合系のカーボンナノチューブ10の1本ずつの周囲が、柔軟なフルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体材料1で被覆されている。すなわち、半導体層4においてカーボンナノチューブ10が有機半導体材料11の中に混合分散されている。本実施形態のTFT1のチャネルの移動度は110cm/Vsであり、半導体層4が有機半導体材料のみからなるTFTより大幅に向上している。
TFT1のオン時において、半導体層4における電流は、混合系のカーボンナノチューブ10の中を流れ、近接した短距離間に配置されたナノチューブ10間においては、ナノチューブ10の周囲を取り巻く高分子系有機半導体材料11の中を電流が流れる。従って、本実施形態によると、半導体層が高分子系有機半導体材料のみからなるTFTより、キャリア移動度やオン特性が大幅に改善したTFT1とすることができる。TFT1は、オフ時において、カーボンナノチューブ10の個々がその周囲を有機半導体材料11により被覆されていて直接接触することがないので、半導体層がナノチューブのみからなるTFTのオフ特性よりも良好となる。回路的にはカーボンナノチューブ10の個々の接触部に存在する有機半導体材料11が実質的にスイッチ部となるので、基板上に困難な極端な微細パターンを形成しなくても微細構造を有しているので製造し易く、かつ特性バラツキの少ないTFTとすることができる。
上述のように、本実施形態のTFT1の特性は、オン状態、オフ状態とも、有機半導体材料のみあるいはナノチューブ材料のみで半導体層が形成されたTFTの特性の中間値になるので、オン状態、オフ状態での片方の特性が不十分な場合の改善が可能となる。例えば、キャリア移動度が低い有機半導体材料のみからなる半導体層を有するTFTの場合、そのゲート幅は約数百μmの形状が必要となり、また、キャリア移動度が極めて高いナノチューブ材料のみからなる半導体層を有するTFTの場合、約0.1μmの極微のゲート幅となり、どちらも実用的ではない。これに対して、本実施形態のTFT1のキャリア移動度は、両者の中間値となり、数μm程度の実用的なゲート幅で設計製作でき、長く広いチャネル領域も使えるので、オン時、オフ時の導電率に合わせてチャネル形状の設計の自由度が高くなる。
さらに、本実施形態のTFT1においては、柔軟な半導体層4を形成できる高分子系有機半導体材料とナノチューブとを混合した複合材料を用いて半導体層4を形成したことにより、高分子系有機半導体材料のみからなる半導体層を有するTFTや、ナノチューブ材料のみのからなる半導体層を有するTFTより、剥離強度などの機械的強度がさらに向上し、高分子系有機半導体材料のみからなる半導体層を有するTFTより、化学的安定性、耐熱性が向上し、製造し易く利用に供し易いTFTとすることができる。
TFT1の製造工程において、半導体層4を形成する時に、あらかじめゲート絶縁層3の表面を配向処理し、半導体層4に配向をもたせてもよい。配向処理の方法は液晶技術におけるラビング法など、当該業者に周知の方法を利用できる。これらにより、有機半導体材料11を配向させるとともに、カーボンナノチューブ10を半導体層4の内部で良好に方向をそろえて配列させることができ、さらに特性を改善することができる。
また、TFT1の製造方法において、複合材料調製工程は、高分子系有機半導体材料の溶液中にナノチューブを浸漬して濾過し、これを繰り返すことにより複合材料を調製する工程としてもよい。この工程によると、余分な溶液がおおよそ取り除かれ、ナノチューブの周囲に有機半導体材料をさらに良好に被覆させた複合材料を調製することができる。この複合材料を用いて、容易に複合材料からなる半導体層4を形成することができる。
複合材料調製工程は、ナノチューブを分散させた高分子系有機半導体材料の溶液を噴霧し、乾燥させて複合材料を調製してもよい。この工程により、周囲が有機半導体材料で被覆されたナノチューブからなる粉体状の複合材料を調製できる。この複合材料を用いることにより、容易に複合材料からなる半導体層4を形成することができる。
複合材料調製工程は、有機半導体材料の高濃度溶液中に多量のナノチューブを投入し練合してペースト状の複合材料を調製してもよい。そして、半導体層形成工程において、ペースト状の複合材料を塗布あるいは印刷し、乾燥させて半導体層を形成してもよい。このような複合材料調製工程によると、ナノチューブの周囲に有機半導体材料を被覆したペースト状の複合材料を調製でき、半導体層形成工程でこの複合材料を塗布あるいは印刷し乾燥させることで、半導体層を容易に形成することができる。
上記基板2としては、例えばポリカーボネートからなるプラスチック板が用いられるが、フレキシブルで曲げることが可能なその他のプラスチック板や薄いガラス基板、薄い厚さのポリイミドフィルムなどのしなやかな性質を有する樹脂フィルムなども使用できる。このような基板を使用することにより、TFTをペーパーディスプレイあるいはシートディスプレイなどに利用することができる。
また、上記ゲート電極5、ソース電極6、ドレーン電極7に使用できる物質は、電気導電性を持ち、基板2や半導体層4と反応しないものならば使用可能である。ドープしたシリコンや金、銀、白金、プラチナ、パラジウムなどの貴金属や、リチウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の他に、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデンなどの金属、また、それらの合金も使用できる。その他、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンなどの導電性を持つ有機物も使用できる。特に、ゲート電極5は他の電極6,7よりも電気抵抗が大きくても動作可能であるので、製造を容易にするためにソース電極6、ドレーン電極7とは異なる材料を使用することも可能である。これらの電極は、室温あるいは室温に近い温度で被着形成する室温プロセスが可能である。
また、上記ゲート絶縁層3は、電気絶縁性を持ち、基板2や電極5,6,7、半導体層4と反応しないものならば、使用可能である。基板2として先に例示した柔軟なもの以外に、シリコンを使用することができる。シリコンからなる基板2上に通常のシリコン酸化膜を形成し、これをゲート絶縁層3としてもよい。さらに、酸化膜形成後に樹脂などの薄層を設けてもゲート絶縁層3として機能する。また、基板2や電極5,6,7と異なる元素で構成される化合物をCVD、蒸着、スパッタなどの方法で堆積することにより、または塗布、吹き付け、電解付着などすることによりゲート絶縁層3を形成してもよい。また、TFTのゲート電圧を下げるために、誘電率の高い物質をゲート絶縁層として用いることも知られており、誘電率の大きい化合物であって強誘電性化合物や強誘電体以外の化合物を用いてもよい。さらに、無機物に限らず、ポリフッ化ビニリデン系やポリシアン化ビニリデン系などの誘電率の大きな有機物でもよい。
なお、本実施形態では、複合材料に含まれる高分子系有機半導体材料としてチオフェン系共重合体を用いたが、キャリア移動度が適度の値を有する高分子系有機半導体材料であれば同様に実施可能である。また、高分子系有機半導体材料に代えて低分子系有機半導体材料を用いてもよく、例えば、高いキャリア移動度を有するアセン系材料を好ましく用いることができる。このような有機半導体材料が含まれる複合材料で半導体層を形成することにより、優れた特性を有するTFTとすることができる。
また、ナノチューブとしてカーボンナノチューブを用いたが、将来において、カーボン以外の材料からなるナノチューブも使用できる可能性がある。
また、高分子系有機半導体材料として、液晶相を有している高分子系有機半導体材料の溶液を用いる場合は、配向処理により、高分子系有機半導体分子が並ぶとともに、ナノチューブをもさらに良好に配列させることができる。また、高分子系有機半導体材料は、それ自身が液晶性高分子からなる有機半導体材料であってもよく、配向処理し硬化させて用いることができる。液晶性高分子からなる有機半導体材料を使用した場合は、さらに配向性が向上する。ナノチューブを配向させることにより、より隙間なくナノチューブを充填させることができ、ナノチューブの分散密度を向上させることができ、キャリア移動度をより向上させることができる。
また、本実施形態のTFT1は、ゲート電極5を基板上に設けたボトムゲート型としたが、TFT1の構成は図1に示すものに限定されることはなく、例えばゲート電極をゲート絶縁層上に基板とは反対側に設けたトップゲート型のTFTであっても良い。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料によって形成されたTFTにかかる。
図4は、本実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。図4に示すように、TFT15は、基板2上にゲート電極5と、ゲート絶縁層3と、ソース電極6と、ドレーン電極7と、半導体層16とを有している。具体的には、基板2の主面上にゲート電極5が設けられており、このゲート電極5を覆うようにゲート絶縁層3が設けられている。そして、ゲート絶縁層3上に、ソース電極6及びドレーン電極7が互いに分離するように設けられており、ソース電極6、ドレーン電極7、ゲート絶縁層3を覆うように半導体層16が設けられている。尚、ゲート電極5は、平面視においてソース電極6とドレーン電極7との間に位置するように設けられている。このような構成により、ゲート電極5が、ゲート絶縁層3によって、半導体層4に電気的に生成されるチャンネル8から分離される構成となる。
本実施形態のTFT15の製造方法は、半導体層16の形成方法を除いて、第1の実施形態のTFT1(図1参照)の製造方法とは各構成要素の積層順序が異なるのみなので、半導体層16の形成方法以外の説明を省略する。
本実施形態では、高分子系有機半導体材料と半導体系のカーボンナノチューブとを含む複合材料を用いて半導体層16を形成する。詳しくは、フルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体材料と、通常、半導体系と金属系が混在して得られるカーボンナノチューブから選別して得られた半導体系のカーボンナノチューブとを混合して複合材料を調製する。
半導体層16を形成する手順は、第1の実施形態の図2に示す手順と同様であり、上記有機半導体材料の溶液中に半導体系のカーボンナノチューブを浸漬して得られる複合材料の溶液を調製する複合材料調製工程(St1)と、その複合材料の溶液をゲート絶縁層3の上に塗布し、あるいはインクジェット法などによる吹き付けをし、これを濃縮して有機半導体材料が被覆された半導体系のカーボンナノチューブを析出することにより半導体層16を形成する半導体層形成工程(St2)を有する。かかる工程により、ナノチューブの1本ずつの配列を調整して分散配列させるという困難な工程を有することなく、多数本のナノチューブを分散配列させることができ、簡便な工程で半導体層16を形成することができる。
図5は、本実施形態のTFT15の半導体層16の有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。複合材料調製工程において、半導体系のカーボンナノチューブを高分子系有機半導体溶液に浸漬することにより、半導体系のカーボンナノチューブ17の1本ずつの周囲は、柔軟なフルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体材料18で被覆される。そして、カーボンナノチューブ17と高分子系有機半導体材料18とを混合した有機半導体材料の溶液を、ゲート絶縁層3あるいは電極6,7上の所望の位置に塗布あるいは吹き付け付着させ、これを濃縮し析出することにより、半導体層16を形成する。すなわち、半導体層16は、1本ずつの周囲が柔軟な高分子系有機半導体材料18で被覆された、長さ約0.1〜数μm、直径約1〜数nmの半導体系のカーボンナノチューブ17が積み重なって形成される。このように、高分子系有機半導体材料18は、カーボンナノチューブ17の各周囲を容易になめらかに被覆することができる。
ここで、約0.003〜0.01cm/Vsの低いキャリア移動度を有するチオフェン系高分子系有機半導体材料18と、約1000〜1500cm/Vsの高いキャリア移動度を有する半導体系カーボンナノチューブ17とからなる半導体層16を有するTFT15を作製した。このTFT15のチャネル8のキャリア移動度は、170cm/Vsの値を示し、高いキャリア移動度を有する、優れた特性のTFTとすることができた。
TFT15のオン時には、半導体層16における電流は、半導体系のナノチューブ17の中を大部分が流れ、近接した短距離間に配列したナノチューブ17間においては、ナノチューブ17の周囲に形成された高分子系有機半導体材料の中を電流が流れる。従って、キャリア移動度やオン特性が、有機半導体材料のみで半導体層を形成したTFTより大幅に改善される。
また、TFTのオフ時においては、ナノチューブ17の個々とその周囲に被覆形成された高分子系有機半導体材料18とが複合した半導体層16となっているので、半導体層16がナノチューブ17のみからなるTFTのオフ特性よりも良好となる。また、半導体層16がナノチューブ17のみからなるTFTと比較して長く広いチャンネル領域も使えるので、オン時、オフ時の導電率に合わせてチャンネル形状の設計の自由度が高くなる。
さらに、機械的に柔軟な膜を形成できる高分子系有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料からなる半導体層16としたことにより、高分子系有機半導体材料のみの場合やナノチューブ材料のみの場合より、剥離強度などの機械的強度がさらに向上し、高分子系有機半導体材料のみの場合より、化学的にも耐熱的にもその信頼性は向上し、製造し易く利用に供し易いTFTとすることができる。
また、TFT15の製造方法において、複合材料調製工程がナノチューブを分散した複合材料を調製する工程であって、半導体層形成工程が、複合材料を噴霧し乾燥させて半導体層を形成する工程であってもよい。これにより、複合材料調製工程で、有機半導体材料で周囲を被覆するようにナノチューブを分散した複合系半導体材料の溶液を用意し、半導体層形成工程で、基板上の所定の位置に複合系半導体材料の溶液を噴霧し、あるいはインクジェットの手段などで吹き付け塗布し、乾燥させることにより、半導体層を容易に形成することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料によって形成されたTFTにかかる。
図6は、本実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。図6に示すように、TFT20は、基板2上にソース電極6と、ドレーン電極7と、半導体層13と、ゲート絶縁層3と、ゲート電極5とを有するトップゲート型のTFTである。具体的には、基板2の主面上にソース電極6及びドレーン電極7が互いに分離するように設けられており、ソース電極6、ドレーン電極7、及び基板2を覆うように半導体層13が設けられ、半導体層13上にゲート絶縁層3が設けられ、ゲート絶縁層3上にゲート電極5が設けられている。尚、ゲート電極5は、平面視においてソース電極6とドレーン電極7との間に位置するように設けられている。このような構成により、ゲート電極5が、ゲート絶縁層3によって、半導体層13に電気的に生成されるチャンネルから分離される構成となる。
本実施形態のTFT20の製造方法は、半導体層13の形成方法を除いて、第1の実施形態のTFT1(図1参照)の製造方法とは各構成要素の積層順序が異なるのみなので、半導体層13形成方法以外の説明を省略する。
半導体層13を形成するために用いられる複合材料は第2の実施形態と同様である。また、半導体層13の形成方法は、ナノチューブ17を配向させる点を除いて第2の実施形態と同様である。すなわち、半導体層形成工程において、少なくともチャネル8を形成する部分に相当する基板2の表面に形成したポリイミド膜や単分子膜などの配向膜を、ラビング法などで所定の方向に配向処理した後、複合材料の溶液をゲート絶縁層3の上に塗布あるいは吹き付けし、これを濃縮して有機半導体材料が被覆された半導体系のカーボンナノチューブ17を析出させて半導体層13を形成する。
図7Aは、半導体層形成工程において、複合材料の溶液を基板2の表面に塗布した直後の半導体層13における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。図7Bは、塗布した複合材料を濃縮して有機半導体材料が被覆された半導体系のカーボンナノチューブ17を析出させた状態の半導体層13における有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。図7Aに示すように、複合材料の溶液19中でカーボンナノチューブ17の個々は基板(図示省略)表面の配向処理方向(矢印A)に対して、物理的におおよそ向きをそろえて配列される。この配向原理は液晶配向技術から明らかである。この状態で複合材料の溶液19を濃縮すると、図7Bに示すように、カーボンナノチューブ17は、その周囲が高分子系有機半導体材料18で被覆されつつ、良好に配向された状態で基板(図示省略)上に析出される。配向方向は、ソース電極,ドレーン電極(図示省略)を結ぶ線に対して、所望の電気特性が得られる方向を選択する。例えば、カーボンナノチューブの配向方向に関して、オン特性が向上される方向は、ソース電極とドレーン電極を結ぶ線との平行方向である。
また、有機半導体材料として液晶性の高分子系有機半導体材料を用いる場合は、配向処理により、高分子系有機半導体分子が並ぶとともに、ナノチューブをさらに良好に配列させることができる。また、ナノチューブをそろえて配列させることにより、隙間がなく充填率が高い半導体層13を形成することができるので、分散密度を向上させることができ、高いキャリア移動度を有するTFTを構成することができる。また、ナノチューブがそろえて配列されていることにより、電子がよりスムーズに流れるという効果もあり、かかる効果はキャリア移動度の向上に寄与する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料によって形成されたTFTにかかる。前記ナノチューブは複数個が連結されているナノチューブを含む。
図8は、本実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。図8に示すように、本実施形態のTFT21の構成は、半導体層22以外は、図1に示す第1の実施形態の構成と同様であるので、半導体層22の形成工程以外の説明は省略する。
第4の実施形態では、半導体層22は、有機半導体材料と、複数個が連結されているナノチューブとを含む複合材料で形成されている。
さらに詳しくは、複合材料は、キャリア移動度が高いカーボンナノチューブを用いその端部を共有結合などによって相互に化学結合させて連結したカーボンナノチューブと、フルオレン−ビチオフェン共重合体からなる高分子系有機半導体とを含む。カーボンナノチューブの連結個数は限定されることなく、2個連結されたもの、3個以上連結されたものを含んでいてもよい。
図9は、本実施形態のTFTの半導体層22の有機半導体材料とナノチューブとの関係を概念的に示す上面図である。複合材料調製工程において、カーボンナノチューブ25のユニット間を結合部27により相互に結合させて連結したカーボンナノチューブを含むナノチューブ材料と、有機半導体材料26とを含む複合材料を調製する。
例えば、以下に述べるように、カーボンナノチューブ25間を少なくともその端部で共有結合などによって化学結合させる方法により連結したナノチューブ材料をあらかじめ用意しておく。カーボンナノチューブユニットの典型的な例は(化1)の形で示される。
Figure 2005008784
(化1)に示す5員環と6員環で形成されたカーボンナノチューブ先端同士を化学結合させるために、(化2)に示すビスヘキシルオキシ基で置換したビススルホンを準備する。
Figure 2005008784
この(化2)に示す化合物と、(化1)のナノチューブ等モル量とを1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒で環流し、反応させる。約20時間の反応後に、カーボンナノチューブ間が連結された(化3)に示す化合物が生成される。
Figure 2005008784
(化3)に示すように、カーボンナノチューブは、ビス−o−キノジメタン基によってその端部が化学結合されて連結する。このようにして、カーボンナノチューブ25間を共有結合で連結させたナノチューブ材料を用意する。
本実施形態においては、上記のような合成方法で、形状がナノ構造で長さ0.2〜3μm、直径約1.5nm(1.4nm以上)からなるカーボンナノチューブ10同士が、その端部に共有結合する結合部12のスペーサで連結される。
半導体層22において、図9に示すように、少なくとも上記の合成方法で連結させたカーボンナノチューブ25の周囲や、その結合部27や結合部27の周囲28が、非晶質で機械的に強度が高いフルオレン−ビチオフェン共重合体の高分子系の有機半導体26の材料で被覆される。すなわち、図9において、半導体層22は、ナノ構造からなる互いに連結したカーボンナノチューブ25が有機半導体材料26の中に分散されていて、カーボンナノチューブ25やその結合部27および結合部27の周囲28は、非晶質で機械的に強度が高い高分子系有機半導体材料からなる有機半導体26で被覆されている。その結果、多数の連結したカーボンナノチューブ25の間にしなやかな材料である高分子系有機半導体材料が、良好に充填され、全体をしなやかに保持することができる。
TFT21オン時において、カーボンナノチューブ25を伝搬してきたキャリアは、カーボンナノチューブ25間の結合部27の周囲28における有機半導体材料26を介して、カーボンナノチューブ25間を伝わることができる。すなわち、有機半導体材料26によって、カーボンナノチューブ25が有する高いキャリア移動度が結合部27における化学結合において低下するのを補うことができ、高いキャリア移動度のTFTとすることができる。本実施形態のTFT21のチャネル8のキャリア移動度は、210cm/Vsであり、高いキャリア移動度を有することが示された。
上記により、半導体層22を形成する複合材料において、相互に結合させて連結したナノチューブ25を用いることにより、半導体層22内のナノチューブ25の配置数あるいは充填密度をさらに高めることができ、ナノチューブ25間の電気的な接合点密度をさらに高くでき、キャリア移動度をさらに向上させることができる。また、互いに化学的に連結させたナノチューブ25が半導体層22に含まれることにより、半導体層22の機械的強度が向上する。
また、カーボンナノチューブ25およびカーボンナノチューブ25間の結合部27の少なくとも周囲28を、有機半導体材料26で覆うことにより、望ましくは高分子系有機半導体材料で覆うことにより、カーボンナノチューブ間の結合部や結合部の周辺などが強固な膜を形成する高分子系有機半導体で覆われることになるので、カーボンナノチューブは強固に配置保持され、機械的強度の高いTFTとなる。
また、TFT22のオフ時において、ナノチューブ25個々はその周囲に有機半導体材料26が被覆されていて直接接触することがないので、TFT21のオフ特性は良好となる。
微視的にはナノチューブ25個々の接合点に存在する有機半導体材料26がスイッチ部となるので、作製に困難である極端な微細パターンを基板上に形成することなく、特性バラツキの少ないTFTとすることができる。
なお、複合材料調製工程、半導体層形成工程において、様々な方法を採用しうることは、第1の実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、複合材料調製工程前に、あらかじめ相互に連結されたナノチューブを用意し、これを複合材料の調製に用いる点のみ、第1の実施形態とは異なる。
なお,前記したような本願発明の構成により,半導体層が、有機半導体とナノチューブ(NT)とを混合して複合化して形成した複合系半導体層であるように構成され、複合系半導体層内のナノチューブは混合分散されたものとなっているような場合と比べ,カーボンナノチューブの配置数を増やし、ナノチューブ間における電気的な接合点の密度を高くし、より特性が高い薄膜トランジスタを実現できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料によって形成されたTFTにかかる。前記ナノチューブは複数個が連結されているナノチューブを含む。
図10は、本実施形態のTFTの構成を模式的に示す断面図である。図10に示すように、本実施形態のTFT23の構成は、半導体層24以外は、図4に示す第2の実施形態の構成と同様であるので、半導体層24の形成工程以外の説明は省略する。
第5の実施形態では、半導体層24は、有機半導体材料と、複数個が連結されているナノチューブとを含む複合材料で形成されている。
半導体層24を形成する方法は、まず、高分子系有機半導体材料の溶液中に複数本連結させたカーボンナノチューブを浸漬して複合材料を調製する複合材料調製工程と、前記複合材料をゲート絶縁層3の上に塗布あるいはインクジェット法などによる吹き付けをして濃縮または乾燥させ、その後、高分子系有機半導体材料で被覆された連結したカーボンナノチューブを析出する工程により、ゲート絶縁層3の上に半導体層24を形成する半導体層形成工程を有する。
図11は、本実施形態のTFT23の半導体層24における有機半導体材料とナノチューブとの関係を示す概念的に示す断面図である。半導体層24の形成には、フルオレン−ビチオフェン共重合体の高分子系有機半導体材料からなる有機半導体材料26と、以下に述べる合成法で作成した、複数本のカーボンナノチューブ25が連結したナノチューブ材料との複合からなる複合材料を使用する。カーボンナノチューブ25間を少なくともその端部で化学結合させて複数本連結したナノチューブ材料の合成方法は以下の通りである。
(化4)に示すカーボンナノチューブの(トリメチルシリル)エチニル誘導体を、THF中で、フッ化物イオンにより脱シリル化し、(化5)のナノチューブ誘導体分散液を形成する。反応が進んで、(化5)に示すナノチューブのアルキル誘導体化合物が十分形成されたら、トリフルオロ酢酸で反応を止める。
Figure 2005008784
Figure 2005008784
そして、形成された(化5)の化合物を、室温空気中、クロロベンゼンの中で、CuClとTMEDAにより6時間、酸化カップリングすることにより、(化6)に示すカーボンナノチューブが複数本連結した化合物が合成される。
Figure 2005008784
図11に示すように、長さ0.2〜3μm、直径約1.5nm(1.4nm以上)のナノ構造からなるカーボンナノチューブ25を、上記に述べた合成方法によって、2〜4本のカーボンナノチューブ25を共有結合によって連結させ、連結させたカーボンナノチューブ25と高分子系有機半導体材料26とからなる半導体層16を形成した。本実施形態のように、高キャリア移動度を有するカーボンナノチューブ25を複数本連結させたカーボンナノチューブを用いることで、カーボンナノチューブ同士をより近接させて配置することができ、またカーボンナノチューブの結合部27においては有機半導体26を介してキャリアが移動できる電気的な接合点が増加することになり、より高いキャリア移動度を有する半導体層24とすることができる。
約0.003〜0.02cm/Vsの低いキャリア移動度を有するチオフェン高分子系の有機半導体材料26と、約1000〜1500cm/Vsの高いキャリア移動度を有するカーボンナノチューブ25を複数本連結させたカーボンナノチューブを複合させた複合系半導体層24を有するTFT23を作製した。このTFT23のチャネル8のキャリア移動度は、240cm/Vsの値を示し、高いキャリア移動度を有する優れた特性のTFTとすることができた。
また、複合材料調製工程において、機械的強度が高い高分子系有機半導体膜がナノ構造からなるカーボンナノチューブを複数本連結させたカーボンナノチューブの周囲表面に被覆形成される。半導体形成工程において、作製された複合材料を濃縮して析出させながら、高分子系有機半導体膜で被覆された複数本連結させたカーボンナノチューブが積み重ねられることにより、半導体層24が形成される。高分子系有機半導体材料はしなやかな膜材料であるので、連結させたカーボンナノチューブを充填率よく保持し、かつ結合部においてキャリアを伝搬させるので、機械的強度や特性を向上させたTFTを容易に製造することができる。
また、複合材料調製工程が、有機半導体材料の溶液中に上記連結させたカーボンナノチューブを分散した複合材料の溶液を調製する工程であり、半導体層形成工程が複合材料の溶液を噴霧して乾燥させる工程であってもよい。
TFT23のオン時においては、半導体層24における電流はナノチューブ25の中を大部分が流れ、近接した短距離間で結合させて連結したナノチューブ25の間においては、周囲に被覆された高分子系有機半導体材料26の中を電流が流れる。また、結合させて連結したナノチューブを用いることで、連結しない場合よりも、半導体層24内でナノチューブ同士が近接する頻度が向上する。従って、高分子系有機半導体材料のみからなる半導体層や、高分子系有機半導体材料中に連結されないナノチューブが分散された半導体層を有するTFTよりも、高いキャリア移動度を有し、オン特性が優れたTFTとすることができる。
また、連結させたナノチューブ25とその周囲に被覆形成された高分子系有機半導体材料26とが複合された半導体層24となっているので、ナノチューブのみからなる半導体層を有するTFTよりも良好なオフ特性が得られる。
第4、第5の実施形態において、ナノチューブ間を結合させる方法として、共有結合による合成方法の一例を用いて説明したが、他の合成方法を使用しても同様に実施可能である。
また、第4、第5の実施形態のTFTの半導体層は、連結させたナノチューブを少なくとも含むものであるが、連結させたナノチューブの量はナノチューブ全体量の20〜100%でよい。望ましくはナノチューブ全体量の50〜100%が好ましく、連結させたナノチューブが多く含まれるほど、半導体層中のナノチューブの接合点密度が増加することになるので、特性がさらに高いTFTとすることができる。
また、第4、第5の実施形態で使用するナノチューブは、長さ0.2〜3μm、直径nm1以上、好ましくは1.4nm以上の形状範囲のものを使用することができるが、この範囲に限定されるものではない。また、上記ナノチューブにおいて、金属性と半導体性を含む混合系あるいは金属性を含まない半導体性のナノチューブを使用することができるが、半導体性のものが多い方が好ましい。さらに好ましくは、すべて半導体性であるのが良い。
また、ナノチューブは、上記においてカーボンナノチューブを使用するとして説明したが、将来において、炭素以外の材料からなるナノチューブも使用できる可能性がある。
また、上記第1〜第5の実施形態のTFTは、半導体回路装置や、その半導体回路装置を使用した携帯機器や使い捨て機器あるいはその他の電子機器などに適用することもできる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、第1〜第5の実施形態のTFTを用いたアプリケーション例として、シートライクなフレキシブルディスプレイ、無線IDタグ、及び携帯電話について説明する。
まず、フレキシブルディスプレイとしてアクティブマトリクス型ディスプレイの構成例について説明する。
図12は、本実施形態に係るアクティブマトリクス型ディスプレイの構成を模式的に示す断面図である。図12に示すように、本実施形態のアクティブマトリクス型ディスプレイ111は、プラスチック基板112上にマトリックス型に配置された複数本の電極113、114を有する。電極113、114の各交点115には第1〜第5の実施形態のいずれかのTFT(不図示)が配置されており各画素のスイッチング素子として機能する。各画素のスイッチング素子となる第1〜第5の実施形態のTFTは、情報信号を良好な特性でON/OFFすることができるので、信頼性の高いリライタブル可能なアクティブマトリクス型ディスプレイを提供することができる。TFTの上には、ディスプレイパネル118が配設されている。さらに、各交点115に配置されたTFTを電極113、114を介して駆動する駆動回路116a、116bと、駆動回路116a、116bを制御する制御回路117とを備える。駆動回路116a、116b及び制御回路117についても、第1〜第5の実施形態のTFTを備えた半導体回路により構成することが可能である。このような構成とすることにより、ディスプレイパネル118、駆動回路116a、116b、制御回路117を一体で作製することが可能となるので、機械的柔軟性及び耐衝撃性に優れたシートディスプレイを提供することが可能となる。
アクティブマトリクス型のディスプレイとして、シートライクあるいはペーパーライクなディスプレイを構成することができるが、ディスプレイパネルとして、液晶表示方式、電気泳動表示方式、有機EL方式、エレクトロクロミック表示方式(ECD)、電解析出方式、電子粉流体方式、干渉型変調(MEMS)方式などのディスプレイパネル方式を使うことができる。
次に、本発明に係るTFTを無線IDタグに応用した場合について説明する。図13は、本実施形態に係るTFTを用いた無線IDタグの構成を模式的に示した斜視図である。
図13に示すように、本実施形態に係る無線IDタグ120は、フィルム状のプラスチック基板121を基材として使用している。この基板121上には、アンテナ部122とメモリーIC部123とが設けられている。ここで、メモリーIC部123は、第1〜第5の実施形態のいずれかのTFTを利用して構成することが可能である。そして、この無線IDタグ120は、裏面に粘着効果を持たせることで、菓子袋やドリンク缶のような平坦でないものにも貼り付けて使用することが可能である。尚、無線IDタグ120の表面には、必要に応じて保護膜が設けられる。
このように、第1〜第5の実施形態のTFTを用いて無線IDタグを構成することにより、様々な形状、又は素材へ貼り付けることが可能なしなやかで壊れにくい無線IDタグを具現化することが可能になる。また、反応速度(処理速度)の速い無線IDタグを具現化することが可能になる。
尚、本発明の効果は、図13に示した無線IDタグの構成に限定されるものではない。従って、アンテナ部、メモリーIC部の配置や構成方法は、任意に設定可能である。また、例えば倫理回路部を無線IDタグに組み込むことも可能である。また、本実施形態では、プラスチック基板121上に予めアンテナ部122とメモリーIC部123とを形成しておく形態について説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、インクジェット印刷のような方法を用いて、直接対象物に無線IDタグを形成することも可能である。この場合も、本発明に係るTFTの構成を用いることにより、機械的柔軟性、耐衝撃性に優れた高性能な無線IDタグを作製することができる。
次に、本発明に係るTFTを携行用機器に応用した一例として、携帯電話に応用した場合について説明する。図14は、本実施形態に係るTFTを用いた携帯電話の構成を模式的に示した正面図である。
図14に示すように、本実施形態に係る携帯電話140は、電話番号等を表示する液晶表示装置等からなる表示部141と、ここでは収納自在なホイップアンテナからなる通信電波を送受信可能な送受信部142と、通信音声を出力するスピーカ等からなる音声出力部143と、写真撮影可能なCCD素子等を有するカメラ部144と、携帯電話140を必要に応じて折り畳むための折り畳み用可動部145と、電話番号や文字を入力するための複数の操作スイッチ146と、通信音声を入力するコンデンサマイク等からなる音声入力部147とを備えている。
この携帯電話140は、図14では特に図示しないが、その内部にIDやLSI等の集積回路を有している。そして、本発明に係るTFTを利用した集積回路が、携帯電話140を構成する演算素子、記憶素子、スイッチング素子等として適宜使用されている。これにより、携帯電話140は、携帯型の通信端末として機能する。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
〔産業上の利用の可能性〕
本発明は、機械的柔軟性、及び耐衝撃性が優れた高キャリア移動度のTFT及びその製造方法として有用である。また、本発明に係るTFTは、シートライク又はペーパーライクなアクティブマトリクス型のディスプレイや、無線IDタグ、携帯電話等の携行用機器等を製造するために有用である。

Claims (26)

  1. ソース領域から注入されドレーン領域へ向かうキャリアが移動する半導体層を有し、前記半導体層が有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料で形成されている、電界効果型トランジスタ。
  2. 前記半導体層において、前記ナノチューブの周囲が前記有機半導体材料で被覆されている、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 前記半導体層において、前記ナノチューブが複数個連結されている、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記半導体層において、前記ナノチューブは化学結合により複数個連結されている、請求の範囲第3項に記載の電界効果型トランジスタ。
  5. 前記半導体層において、前記ナノチューブが連結された部分が前記有機半導体材料で被覆されている、請求の範囲第3項に記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 前記ナノチューブは、カーボンナノチューブである、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  7. 前記有機半導体材料は、高分子系有機半導体材料である、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  8. 前記高分子系有機半導体材料は、チオフェン系材料である、請求の範囲第7項に記載の電界効果型トランジスタ。
  9. 前記有機半導体材料は、低分子系有機半導体材料である、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  10. 前記低分子系有機半導体材料は、アセン系材料である、請求の範囲第9項に記載の電界効果型トランジスタ。
  11. 前記半導体層において、前記ナノチューブが所定の方向にほぼ配向している、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  12. 前記電界効果型トランジスタは、薄膜トランジスタである、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  13. 前記電界効果型トランジスタは、基板上に形成されている、請求の範囲第1項に記載の電界効果型トランジスタ。
  14. 前記基板は、プラスチック板または樹脂フィルムである、請求の範囲第13項に記載の電界効果型トランジスタ。
  15. ソース領域から注入されドレーン領域へ向かうキャリアが移動する半導体層を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    有機半導体材料とナノチューブとを含む複合材料を用意する工程(a)、および
    前記複合材料を用いて前記半導体層を形成する工程(b)、を含む、電界効果型トランジスタの製造方法。
  16. 前記工程(a)は、前記有機半導体材料と前記ナノチューブとを混合して前記複合材料を調製する工程を含む、請求の範囲第15項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  17. 前記工程(a)において、前記有機半導体材料の溶液に前記ナノチューブを混合して前記複合材料を調製し、
    前記工程(b)において、前記複合材料を乾燥させて半導体層を形成する、請求の範囲第16項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  18. 前記工程(a)において、前記有機半導体材料で被覆されている前記ナノチューブを含む前記複合材料を調製する、請求の範囲第15項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  19. 前記工程(a)において、前記有機半導体材料の溶液中に前記ナノチューブを浸漬して濾過する工程を繰り返して前記複合材料を調製する、請求の範囲第18項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  20. 前記ナノチューブは、カーボンナノチューブである、請求の範囲第15項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  21. 前記工程(a)において、複数個が連結されている前記ナノチューブを用いる、請求の範囲第15項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  22. 前記工程(a)の前に、複数個の前記ナノチューブを連結させる工程(c)を含む、請求の範囲第21項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  23. 前記工程(c)において、複数個の前記ナノチューブを化学結合により連結させる、請求の範囲第22項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  24. 請求の範囲第1項乃至第14項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、画素を駆動するためのスイッチング素子として複数個配設されてなる、アクティブマトリクス型ディスプレイ。
  25. 請求の範囲第1項乃至第14項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、集積回路を構成するための半導体素子として利用されてなる、無線IDタグ。
  26. 請求の範囲第1項乃至第14項のいずれかに記載の電界効果型トランジスタが、集積回路を構成するための半導体素子として利用されてなる、携行用機器。
JP2005511874A 2003-07-17 2004-07-13 電界効果型トランジスタおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP4632952B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003275896 2003-07-17
JP2003275896 2003-07-17
JP2003318010 2003-09-10
JP2003318010 2003-09-10
PCT/JP2004/010275 WO2005008784A1 (ja) 2003-07-17 2004-07-13 電界効果型トランジスタおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005008784A1 true JPWO2005008784A1 (ja) 2006-09-28
JP4632952B2 JP4632952B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=34082361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005511874A Expired - Fee Related JP4632952B2 (ja) 2003-07-17 2004-07-13 電界効果型トランジスタおよびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7858968B2 (ja)
JP (1) JP4632952B2 (ja)
KR (1) KR100757615B1 (ja)
CN (1) CN100533770C (ja)
WO (1) WO2005008784A1 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4572543B2 (ja) * 2003-02-14 2010-11-04 東レ株式会社 電界効果型トランジスタ並びにそれを用いた液晶表示装置
GB0506899D0 (en) 2005-04-05 2005-05-11 Plastic Logic Ltd Multiple conductive layer TFT
KR100770258B1 (ko) 2005-04-22 2007-10-25 삼성에스디아이 주식회사 유기 박막트랜지스터 및 그의 제조 방법
JP4856900B2 (ja) * 2005-06-13 2012-01-18 パナソニック株式会社 電界効果トランジスタの製造方法
US7821079B2 (en) * 2005-11-23 2010-10-26 William Marsh Rice University Preparation of thin film transistors (TFTs) or radio frequency identification (RFID) tags or other printable electronics using ink-jet printer and carbon nanotube inks
KR100756817B1 (ko) * 2006-04-06 2007-09-07 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 박막 트랜지스터의 제조 방법
US20070275498A1 (en) * 2006-05-26 2007-11-29 Paul Beecher Enhancing performance in ink-jet printed organic semiconductors
KR101206661B1 (ko) * 2006-06-02 2012-11-30 삼성전자주식회사 동일 계열의 소재로 형성된 반도체층 및 소스/드레인전극을 포함하는 유기 전자 소자
US8323789B2 (en) 2006-08-31 2012-12-04 Cambridge Enterprise Limited Nanomaterial polymer compositions and uses thereof
US20100224862A1 (en) * 2007-09-07 2010-09-09 Hiroyuki Endoh Carbon nanotube structure and thin film transistor
US8043978B2 (en) * 2007-10-11 2011-10-25 Riken Electronic device and method for producing electronic device
JP2009231631A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Univ Nagoya カーボンナノチューブを用いた電界効果トランジスタ及びその製造方法
KR100986148B1 (ko) * 2008-04-04 2010-10-07 고려대학교 산학협력단 탄소나노튜브층과 유기반도체층이 적층된 구조의 활성층을구비하는 박막 트랜지스터 및 그 제조방법
CN101582449B (zh) 2008-05-14 2011-12-14 清华大学 薄膜晶体管
CN101582451A (zh) * 2008-05-16 2009-11-18 清华大学 薄膜晶体管
CN101582450B (zh) * 2008-05-16 2012-03-28 清华大学 薄膜晶体管
CN101599495B (zh) * 2008-06-04 2013-01-09 清华大学 薄膜晶体管面板
CN101582445B (zh) 2008-05-14 2012-05-16 清华大学 薄膜晶体管
CN101582444A (zh) 2008-05-14 2009-11-18 清华大学 薄膜晶体管
CN101582448B (zh) * 2008-05-14 2012-09-19 清华大学 薄膜晶体管
CN101582446B (zh) * 2008-05-14 2011-02-02 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 薄膜晶体管
CN101587839B (zh) 2008-05-23 2011-12-21 清华大学 薄膜晶体管的制备方法
CN101593699B (zh) 2008-05-30 2010-11-10 清华大学 薄膜晶体管的制备方法
CN101582382B (zh) * 2008-05-14 2011-03-23 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 薄膜晶体管的制备方法
CN101582447B (zh) * 2008-05-14 2010-09-29 清华大学 薄膜晶体管
TWI478348B (zh) * 2008-05-30 2015-03-21 Hon Hai Prec Ind Co Ltd 薄膜電晶體
KR100888236B1 (ko) * 2008-11-18 2009-03-12 서울반도체 주식회사 발광 장치
CN101997035B (zh) * 2009-08-14 2012-08-29 清华大学 薄膜晶体管
KR20120120363A (ko) * 2010-01-25 2012-11-01 더 보드 어브 트러스티스 어브 더 리랜드 스탠포드 주니어 유니버시티 풀러렌-도핑된 나노구조체 및 이를 위한 방법
WO2011091257A1 (en) * 2010-01-25 2011-07-28 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Joined nanostructures and methods therefor
US8872162B2 (en) 2010-03-10 2014-10-28 Nec Corporation Field-effect transistor and method for manufacturing the same
CN102856495B (zh) * 2011-06-30 2014-12-31 清华大学 压力调控薄膜晶体管及其应用
TWI508305B (zh) 2013-05-06 2015-11-11 E Ink Holdings Inc 主動元件
JP6232626B2 (ja) * 2013-10-31 2017-11-22 国立研究開発法人物質・材料研究機構 有機分子トランジスタ
US9379166B2 (en) * 2014-11-04 2016-06-28 Atom Nanoelectronics, Inc. Active matrix light emitting diodes display module with carbon nanotubes control circuits and methods of fabrication
KR20180133408A (ko) * 2016-04-19 2018-12-14 도레이 카부시키가이샤 반도체 소자, 그의 제조 방법, 무선 통신 장치 및 센서

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002082082A (ja) * 2000-09-07 2002-03-22 Matsushita Refrig Co Ltd 臭気センサー及びその製造方法
JP2002273741A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Polymatech Co Ltd カーボンナノチューブ複合成形体及びその製造方法
JP2002314093A (ja) * 2001-02-21 2002-10-25 Lucent Technol Inc 半導体デバイスのカプセル化方法
JP2003096313A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Toray Ind Inc 重合体コンポジット

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3086100B2 (ja) 1993-03-22 2000-09-11 富士写真フイルム株式会社 写真用支持体及びハロゲン化銀写真感光材料
JPH06273811A (ja) * 1993-03-22 1994-09-30 Mitsubishi Electric Corp 光・電子機能材料およびその薄膜の製法
CN1491419A (zh) * 2001-02-16 2004-04-21 ��Ļ���Ű˾ 高电导率聚苯胺组合物及其用途
KR100582724B1 (ko) * 2001-03-22 2006-05-23 삼성에스디아이 주식회사 평판 디스플레이 장치용 표시 소자, 이를 이용한 유기전계발광 디바이스 및 평판 디스플레이용 표시 소자의제조 방법
CN100334263C (zh) 2001-08-09 2007-08-29 旭化成株式会社 有机半导体元件
EP1291932A3 (en) * 2001-09-05 2006-10-18 Konica Corporation Organic thin-film semiconductor element and manufacturing method for the same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002082082A (ja) * 2000-09-07 2002-03-22 Matsushita Refrig Co Ltd 臭気センサー及びその製造方法
JP2002314093A (ja) * 2001-02-21 2002-10-25 Lucent Technol Inc 半導体デバイスのカプセル化方法
JP2002273741A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Polymatech Co Ltd カーボンナノチューブ複合成形体及びその製造方法
JP2003096313A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Toray Ind Inc 重合体コンポジット

Also Published As

Publication number Publication date
CN100533770C (zh) 2009-08-26
KR20060034706A (ko) 2006-04-24
US7858968B2 (en) 2010-12-28
US20070108480A1 (en) 2007-05-17
WO2005008784A1 (ja) 2005-01-27
KR100757615B1 (ko) 2007-09-10
CN1823426A (zh) 2006-08-23
JP4632952B2 (ja) 2011-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4632952B2 (ja) 電界効果型トランジスタおよびその製造方法
CN100420032C (zh) 场效应晶体管及其制造方法
Sun et al. Inorganic semiconductors for flexible electronics
US7746418B2 (en) Conductive thin film and thin film transistor
CN102024846B (zh) 3端子电子器件和2端子电子器件
TW479369B (en) A process for fabricating integrated circuit devices having thin film transistors
TWI343137B (ja)
Reichmanis et al. Plastic electronic devices: From materials design to device applications
US8030645B2 (en) Electronic device, process for producing the same and electronic equipment making use thereof
TW200843118A (en) Ambipolar transistor design
CN101689566B (zh) 半导体装置及其制造方法以及图像显示装置
US9000418B2 (en) Field effect transistor, method of manufacturing the same, and electronic device using the same
JP2006351613A (ja) 電界効果トランジスタ、その製造方法および電子機器
TW200830595A (en) Organic thin film transistor, organic composite electronic element, method for manufacturing such transistor and element, and display device and memory
KR100783851B1 (ko) 박막 트랜지스터와 그 제조 방법, 액티브 매트릭스형 디스플레이, 무선 id 태그 및 휴대용 기기
JP4767856B2 (ja) 電界効果トランジスタの製造方法
JP4892810B2 (ja) 電界効果型トランジスタ
JP5170627B2 (ja) 有機半導体装置の作製方法及び有機半導体装置
JP2008153257A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2010251472A (ja) 有機縦型トランジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4632952

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees