JPWO2004009829A1 - メチオニンの製造法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、加水分解によりメチオニンを生成しうる物質を原料として、生体触媒を用いてメチオニンに変換する際、生体触媒の繰り返し使用が可能であって、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるとともに、反応液からメチオニンを固形品として得る実用的なメチオニンの製造法である。詳しくは、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質をアンモニア水溶液中で生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程、前記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程、前記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程によりメチオニンを製造する方法である。
Description
本発明は、医薬品や飼料添加剤として利用されているメチオニン結晶の製造法に関する。メチオニンは特に飼料添加物市場において固形(結晶)品で提供されることが求められている。
生体触媒のニトリル加水分解活性を用いた2−アミノ酸の製造方法としては、2−アミノニトリルや2−アミノアミドを原料とする方法(特公昭58−15120号公報、特表昭63−500004号公報、特開平2−31694号公報、特表平3−500484号公報、特公平3−16118号公報、WO02/08439、特開2002−34593、US−6417395)及びシアンヒドリンを原料とする方法(特開平9−140391)が知られている。しかしながら、いずれの方法においても、メチオニンのような水溶解度の低い固形2−アミノ酸を生体触媒と効率よく分離精製する実用的方法については開示されていない。
また、ホルムアルデヒド、青酸及びアンモニアの反応で得られるグリシノニトリルからグリシンの微生物学的製造において、反応液中に生成するアンモニアを分離する方法が知られている(特開2001−258586、特開2001−299377、特開2001−340096、特開2001−340097)が、この方法におけるアンモニア分離は、反応によるpHの上昇を抑えるために、ニトリルの加水分解によって生成するアンモニアを分離するものであり、さらにまた、グリシンは水溶解度が高い(25℃で25g/100g・H2O)のでアンモニアを留去することでグリシンを晶析させるものでもない。
本発明の課題は、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の加水分解によりメチオニンを生成しうる物質を原料として、生体触媒を用いてメチオニンに変換する際、生体触媒の繰り返し使用が可能であって、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるとともに、反応液からメチオニンを固形品として容易に単離しうる実用的なメチオニンの製造法を提供することにある。
本発明者らは、高ニトリラーゼ活性を安定的に持続しうるニトリラーゼ産生菌アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC104(FERM BP−5829)及びアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC204(FERM BP−7662)を既に見い出している。これらニトリラーゼ産生菌を生体触媒として用いて、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを加水分解してメチオニンを得る製造技術を検討する過程で、メチオニンの水に対する溶解度が低い(25℃で3.38g/100g・H2O、50℃で6.07g/100g・H2O)ため、反応開始直後から反応液中にメチオニン結晶が析出してしまい、これが生体触媒と凝集して、メチオニン析出晶と生体触媒と反応液との3成分を効率よく分離することが困難となり、生体触媒を高い回収率でリサイクルすることが困難であるという問題に直面した。一方、反応中、メチオニンを析出させないで、反応液(水)に溶解させた状態を保って、生体触媒を分離回収することは可能であるが、この場合は、メチオニンの水に対する溶解度が低いため、メチオニンの蓄積濃度を5%未満というきわめて低い濃度に維持する必要があり、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させることができず、生産性の極めて低い製造技術となり、実用性に乏しいことがわかった。
上記の問題は、アミダーゼ産生菌を生体触媒として用いて、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドを加水分解してメチオニンを得る場合においても、同様に発生する。
そこで、本発明者らは、上記本発明の課題を同時に解決すべく鋭意検討を重ねた結果、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるには、反応液中にアンモニアを存在させればよいと考え、メチオニンに対するアンモニアのモル比を0、1、1.5、2、2.5、とした5種類の溶液を調製し、5〜50℃でメチオニンの溶解度を調べる予備実験を行った。図1に示される結果から、反応液中にアンモニアをメチオニンに対するモル比として過剰量存在させることによって、メチオニンの溶解度が増加することを見い出し、メチオニンを溶解状態で反応液中に5〜30重量%蓄積させ、菌体触媒を100%回収するシステムを考案した。メチオニンを20重量%程度水に溶解させるにはNaOHやKOH等の無機アルカリを添加することによっても可能であるが、この場合は、メチオニンの固形遊離体としての製品を得るにあたって、酸を用いて中和する必要があり、この際、無機塩廃棄物が大量に発生し、これを除去する操作が別途必要になるという問題が生ずる。
また、メチオニンの固形遊離体の分離回収は、加水分解反応槽から生体触媒と分離後排出されるメチオニンを含むアンモニア水溶液(含メチオニンアンモニア水溶液)からアンモニアを留去し、析出するメチオニン結晶を採取することにより容易に行うことができる。メチオニン結晶を分離回収した母液は、残存原料2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルや2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド、メチオニン、アンモニアを少量含んでいるので、加水分解反応槽にリサイクルすることが望ましく、これによって廃棄物の出ないプロセスを完結することができる。本発明は以上の知見に基づき完成に至ったものである。
また、ホルムアルデヒド、青酸及びアンモニアの反応で得られるグリシノニトリルからグリシンの微生物学的製造において、反応液中に生成するアンモニアを分離する方法が知られている(特開2001−258586、特開2001−299377、特開2001−340096、特開2001−340097)が、この方法におけるアンモニア分離は、反応によるpHの上昇を抑えるために、ニトリルの加水分解によって生成するアンモニアを分離するものであり、さらにまた、グリシンは水溶解度が高い(25℃で25g/100g・H2O)のでアンモニアを留去することでグリシンを晶析させるものでもない。
本発明の課題は、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の加水分解によりメチオニンを生成しうる物質を原料として、生体触媒を用いてメチオニンに変換する際、生体触媒の繰り返し使用が可能であって、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるとともに、反応液からメチオニンを固形品として容易に単離しうる実用的なメチオニンの製造法を提供することにある。
本発明者らは、高ニトリラーゼ活性を安定的に持続しうるニトリラーゼ産生菌アースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC104(FERM BP−5829)及びアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)NSSC204(FERM BP−7662)を既に見い出している。これらニトリラーゼ産生菌を生体触媒として用いて、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを加水分解してメチオニンを得る製造技術を検討する過程で、メチオニンの水に対する溶解度が低い(25℃で3.38g/100g・H2O、50℃で6.07g/100g・H2O)ため、反応開始直後から反応液中にメチオニン結晶が析出してしまい、これが生体触媒と凝集して、メチオニン析出晶と生体触媒と反応液との3成分を効率よく分離することが困難となり、生体触媒を高い回収率でリサイクルすることが困難であるという問題に直面した。一方、反応中、メチオニンを析出させないで、反応液(水)に溶解させた状態を保って、生体触媒を分離回収することは可能であるが、この場合は、メチオニンの水に対する溶解度が低いため、メチオニンの蓄積濃度を5%未満というきわめて低い濃度に維持する必要があり、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させることができず、生産性の極めて低い製造技術となり、実用性に乏しいことがわかった。
上記の問題は、アミダーゼ産生菌を生体触媒として用いて、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドを加水分解してメチオニンを得る場合においても、同様に発生する。
そこで、本発明者らは、上記本発明の課題を同時に解決すべく鋭意検討を重ねた結果、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるには、反応液中にアンモニアを存在させればよいと考え、メチオニンに対するアンモニアのモル比を0、1、1.5、2、2.5、とした5種類の溶液を調製し、5〜50℃でメチオニンの溶解度を調べる予備実験を行った。図1に示される結果から、反応液中にアンモニアをメチオニンに対するモル比として過剰量存在させることによって、メチオニンの溶解度が増加することを見い出し、メチオニンを溶解状態で反応液中に5〜30重量%蓄積させ、菌体触媒を100%回収するシステムを考案した。メチオニンを20重量%程度水に溶解させるにはNaOHやKOH等の無機アルカリを添加することによっても可能であるが、この場合は、メチオニンの固形遊離体としての製品を得るにあたって、酸を用いて中和する必要があり、この際、無機塩廃棄物が大量に発生し、これを除去する操作が別途必要になるという問題が生ずる。
また、メチオニンの固形遊離体の分離回収は、加水分解反応槽から生体触媒と分離後排出されるメチオニンを含むアンモニア水溶液(含メチオニンアンモニア水溶液)からアンモニアを留去し、析出するメチオニン結晶を採取することにより容易に行うことができる。メチオニン結晶を分離回収した母液は、残存原料2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルや2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド、メチオニン、アンモニアを少量含んでいるので、加水分解反応槽にリサイクルすることが望ましく、これによって廃棄物の出ないプロセスを完結することができる。本発明は以上の知見に基づき完成に至ったものである。
すなわち本発明は、
[1](1)加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質をアンモニア水溶液中で加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程、(2)前記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程、(3)前記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程を有することを特徴とするメチオニンの製造法や、
[2]原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解する[1]記載のメチオニンの製造法や、
[3]原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解する[1]記載のメチオニンの製造法や、
[4]アンモニア水溶液として、第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン量の1.5〜10倍当量のアンモニアを含む水溶液を用いる[1]〜[3]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[5]第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン濃度が5〜30重量%である[1]〜[4]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[6]生体触媒を再利用する[1]〜[5]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[7]生体触媒として、固定化菌体を用いる[1]〜[6]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[8]メチオニン結晶を分離回収した母液、及び留去されたアンモニアを加水分解反応に再利用する[1]〜[7]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[9]第1の工程を加圧下で実施する[1]〜[8]のいずれか記載のメチオニンの製造法
に関する。
[1](1)加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質をアンモニア水溶液中で加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程、(2)前記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程、(3)前記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程を有することを特徴とするメチオニンの製造法や、
[2]原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解する[1]記載のメチオニンの製造法や、
[3]原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解する[1]記載のメチオニンの製造法や、
[4]アンモニア水溶液として、第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン量の1.5〜10倍当量のアンモニアを含む水溶液を用いる[1]〜[3]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[5]第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン濃度が5〜30重量%である[1]〜[4]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[6]生体触媒を再利用する[1]〜[5]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[7]生体触媒として、固定化菌体を用いる[1]〜[6]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[8]メチオニン結晶を分離回収した母液、及び留去されたアンモニアを加水分解反応に再利用する[1]〜[7]のいずれか記載のメチオニンの製造法や、
[9]第1の工程を加圧下で実施する[1]〜[8]のいずれか記載のメチオニンの製造法
に関する。
第1図、メチオニンに対するアンモニアのモル比を0、1、1.5、2、2.5とした5種類の溶液における5〜50℃でのメチオニンの溶解度を調べた結果を示す図である。
第2図は、本発明のメチオニンの製造法における、廃棄物のでないプロセスの概略を示す図である。
第2図は、本発明のメチオニンの製造法における、廃棄物のでないプロセスの概略を示す図である。
本発明のメチオニンの製造法としては、(1)加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質をアンモニア水溶液中で加水分解活性を有する生体触媒、好ましくは、原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒や原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程、(2)前記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程、(3)前記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程を有する方法であれば特に制限されるものではないが、例えば図2に示されるように、生体触媒を再利用するなど廃棄物のでないプロセスとすることが好ましい。
上記2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルや2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド以外の加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質としては、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸低級アルキルエステル、メチルチオエチルヒダントイン、メチルチオエチルヒダントイン酸、メチルチオエチルヒダントイン酸アミド等を挙げることができる。
2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程で使用される生体触媒としては、アンモニア水溶液等の水溶液中でニトリルを加水分解する活性を有する微生物等の生体触媒であれば特に制限されるものではなく、かかる生体触媒としては、例えばアースロバクター(Arthrobacter)属、バリオボラックス(Variovorax)属等に属する微生物を挙げることができ、これらの中でも特に、アースロバクター・エスピーNSSC104、アースロバクター・エスピーNSSC204、及びバリオボラックス・パラドキサス(Variovorax paradoxus)IAM12374を好適に例示することができる。
アースロバクターNSSC104は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に、受託番号FERM BP−5829として1996年2月6日付で寄託されており、その菌学的性質についてはWO97/32030に記載されている。また、アースロバクターNSSC204は同じく独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に、受託番号FERM BP−7662として2000年6月22日付で寄託されており、その菌学的性質についてはWO02/08439に記載されている。また、バリオボラックス・パラドキサスIAM12374は東京大学分子細胞生物研究所より容易に入手でき、その菌学的性質についてはインターナショナル・ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロジー(International Journal of Systematic Bacteriology)第41巻、445−450頁(1991年)に記載されている。
2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程で使用される生体触媒としては、アンモニア水溶液等の水溶液中でアミドを加水分解する活性を有する微生物等の生体触媒であれば特に制限されるものではなく、かかる生体触媒としては、例えばロドコッカス・ロドクロス(Rhodococcus rhodochrous)IFO15564を好適に例示することができる。
ロドコッカス・ロドクロス(Rhodococcus rhodochrous)IFO15564は、独立行政法人製品評価技術基盤機構・生物遺伝資源センター(NBRC)より容易に入手でき、その菌学的性質についてはテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)第32巻、1343−1346頁に記載されている。
これらの微生物の培養は、酵素誘導物質、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機イオン、さらに必要ならば有機栄養源を含む通常の培地で行われる。酵素誘導物質としては、イソブチロニトリル、2−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、ε−カプロラクタムなどの環状アミド化合物等が使用され、特に2−アミノベンゾニトリルが好ましい。炭素源としてはグルコース等の炭水化物、エタノール等のアルコール類、有機酸その他が適宜用いられる。窒素源としては、アミノ酸、硝酸塩、アンモニウム塩その他が用いられる。無機イオンとしては、リン酸イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、鉄イオン、その他が必要に応じて使用される。有機栄養源としては、ビタミン、アミノ酸など及びこれらを含有するコーンスチープリカー、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス、その他が適宜用いられる。培養は好気的条件下に、pH6〜9、温度25〜37℃の適当な範囲に制御しつつ行えばよい。
本発明に用いられる生体触媒としては、上記のように培養した菌体又はその菌体から調製した固定化菌体、粗酵素もしくは固定化酵素などの菌体処理物が挙げられる。菌体又は酵素を固定化する場合は担体結合法、包括法等の通常行われる固定化技術を適用できる。酵素または粗酵素を調製する場合は、菌体を超音波、高圧ホモジナイザー等によって破砕した後に、硫安塩析、クロマトグラフィー等の通常行われる酵素精製技術が適用できる。また反応に用いた菌体等の生体触媒は実質的な活性の低下なしに繰り返し加水分解反応に使用することができることから、再利用することが好ましい。
かかる生体触媒による加水分解反応は、アンモニアを含む水性溶媒中で上記の生体触媒を2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質に作用させることによって行われる。生体触媒は乾燥重量に換算して、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜6重量%の濃度で使用される。また、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質は、0.01〜50重量%の濃度で反応に使用され、必要ならば反応の間、逐次添加あるいは連続添加することができる。また、アンモニアを含む水性溶媒としては、アンモニア水を主成分とする有機溶媒を含んでもよい水性溶媒で、アミン等の有機塩基、有機酸あるいは無機塩基を含んでも良い。アンモニアは0.5〜30重量%、好ましくは0.8〜10重量%の濃度の水溶液で使用し、また、メチオニンの蓄積濃度の1.5〜10倍当量のアンモニアを含む水溶液を用いることができる。さらに、アンモニアの溶解量を高め、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるために、加水分解反応を加圧下で実施することもできる。
上記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程においては、含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離して反応系外に排出することもできるし、生体触媒を含メチオニンアンモニア水溶液と分離して反応系外に排出することもできる。このような加水分解反応終了後の含メチオニンアンモニア水溶液と生体触媒との分離方法としては、公知の固液分離方法であれば特に制限されず、例えば濾過、遠心分離、限外濾過濃縮法などによって行うことができ、回収された生体触媒は、前記のように、繰り返し加水分解反応に使用することができる。また、固定化菌体や固定化酵素を使用した場合の含メチオニンアンモニア水溶液と生体触媒との分離は、特別な固液分離手段は必要なく、反応槽の排出口にストレーナー等の簡単な粗目のフィルターを設けて固定化生体触媒の反応槽からの流出を防止すればよい。
上記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程における含メチオニンアンモニア水溶液からのアンモニア留去は、加圧脱気・減圧脱気あるいは加熱留去によって行われ、メチオニンに対して過剰量のアンモニアを一定量留去すればメチオニンが晶析させることができる。留去されたアンモニアはメチオニンと等モル分を除いて、加水分解反応に再利用することができる。再利用できない除外されたアンモニアは、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質を合成するのに使用することができる。このように、晶析したメチオニンは濾過・遠心分離器等の固液分離機を用いて固形品として回収することができ、メチオニン結晶回収分離後の母液は、残存2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質、メチオニン、アンモニア等を少量含んでいるので、加水分解反応にリサイクルすることができる。
本発明で製造されるメチオニンは、用いる生体触媒の光学選択性によってD型、L型あるいはラセミ体のメチオニンとして得ることができ、生成分離されたメチオニン結晶は、更に精製あるいは粒度調整を必要に応じて行うことができる。
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1(NSSC204株によるDL−メチオニンの製造)
(NSSC204株の培養)
酵母エキス0.5%、グルコース0.5%、リン酸水素二カリウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.1%、食塩0.1%、硫酸マグネシウム7水塩0.02%、硫酸第一鉄0.001%及び2−アミノベンゾニトリル0.03%を含む培地2mlを試験管にとり121℃で20分間滅菌した。この試験管にアースロバクターNSSC204株を一白金耳植菌し、33℃で一晩振盪培養し前培養物を調製した。次いで、コーンスチープリカー(濾過滅菌)2.0%、スクロース(121℃で20分間滅菌)1.0%、2−アミノベンゾニトリル(121℃で20分間滅菌)0.03%を含むpH7.2(2N苛性ソーダで調整)の培地20mlを100ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、上記の前培養物0.2mlを植え継ぎ、さらに4日間33℃で振盪培養した。
(DL−メチオニンの生成)
得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体濃度で0.1%(W/W)となるように133mMの2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルと25mM 1,3−ジアミノプロパンを含む水溶液(pH11.2)に懸濁し、35℃で緩やかに振盪しながら加水分解反応を行った。添加4時間後に遠心分離して菌体を除去し、残った反応液に含まれるメチオニンの濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて定量した結果、125mMのDL−メチオニンの蓄積を確認した。
実施例2 (NSSC204株によるDL−メチオニンの連続生産)
実施例1で得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として2%(W/W)濃度となるように10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアを含む水溶液(pH9.5)に懸濁した。その菌体懸濁液300gを30℃に保温された500ml容量の3口フラスコに入れ、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを毎時5.5gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、精密濾過膜(旭化成製microza PMP−003)を用いて連続的に菌体を濾過し、反応濾液を毎時約54gの速度で回収した。その際、反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニア水を連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールした。反応濾液に含まれる2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルの濃度は徐々に増加して反応開始後8時間で0.4%(W/W)に達した後、その濃度は8日間維持され、その間のメチオニン生産速度は毎時5.36gであった。
実施例3 (固定化NSSC204株によるDL−メチオニンの連続生産)
(NSSC204株の固定化)
実施例1で得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として10%(W/W)濃度となるように1%(W/W)アルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁した。次いでその懸濁液を0.1M塩化カルシウム水溶液に滴下して固定化菌体ビーズを作製した。得られた固定化菌体ビーズ225gを内径30mmのカラムに充填し、10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアと2.5mM1,3−ジアミノプロパンと10mM塩化カルシウムを含む水溶液(pH9.5)を毎時0.21の流速で11流して平衡化した。次いでビーズを30℃に保温された500ml容量の3口フラスコに移し、平衡化水溶液を加えて全量を300gとした後、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを毎時5.16gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、反応液は固定化ビーズを吸い込まないようにサクションフィルターを通して毎時約50gの速度で回収した。その際反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニアと20mMエチレンジアミンと10mM塩化カルシウムを含む水溶液を連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールした。反応濾液に含まれる2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルの濃度は徐々に増加して反応開始後12時間で0.5%(W/W)に達した後、その濃度は20日間維持され、その間のメチオニン生産速度は毎時5.03gであった。
実施例4(固形DL−メチオニンの回収)
菌体を分離した反応液250g(メチオニン25g,2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル1.25g,アンモニア2.3%を含有)を攪拌機を付した500mLフラスコに仕込み,真空ポンプを使用し,加熱することなく減圧下にアンモニアを留去した。アンモニアの留去により析出したメチオニンを濾別し,メチオニン11.3gを得た。母液にはメチオニン13.7gと1.25gの2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルが含まれており,分解物は生成していなかった。この母液を用いて菌体反応−晶析を繰返し実施したが,得られるメチオニンの収率は99%と定量的であり,純度も99%以上で着色も認められなかった。
実施例5(固定化IFO15564株によるDL−メチオニンの連続生産)
(IFO15564株の培養と固定化)
トリプトン1.0%、酵母エキス0.5%、食塩1.0%を含む培地2mlを試験管にとり121℃で20分間滅菌した。この試験管にロドコッカス・ロドクロスIFO15564株を一白金耳植菌し、30℃で一晩振盪培養し、前培養物を調製した。次いで、コーンスチープリカー(濾過滅菌)2.0%、スクロース(121℃で20分間滅菌)1.0%、ε−カプロラクタム(121℃で20分間滅菌)0.5%を含むpH7.2(2N苛性ソーダで調整)の培地20mlを100ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、上記の前培養物0.2mlを植え継ぎ、さらに3日間30℃で振盪培養した。得られたロドコッカス・ロドクロスIFO15564株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として10%(W/W)濃度となるように1%(W/W)アルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁した。次いでその懸濁液を0.1M塩化カルシウム水溶液に滴下して固定化菌体ビーズを作製した。
(DL−メチオニンの連続生産)
得られた固定化菌体ビーズ225gを内径30mmのカラムに充填し、10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアと10mM塩化カルシウムを含む水溶液を毎時0.2lの流速で1l流して平衡化した。次いでビーズを35℃に保温された500ml容量の3口フラスコに移し、平衡化水溶液を加えて全量を300gとした後、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドを毎時11.54gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、反応液は固定化ビーズを吸い込まないようにサクションフィルターを通して毎時約105gの速度で回収した。その際、反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニアと10mM塩化カルシウムを含む水溶液で連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=50/950/1)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールして、14日間の連続反応を行った。その間のメチオニン生産速度は平均で毎時10.57gであった。
実施例6(固形DL−メチオニンの回収)
実施例5で得られる反応濾液を250gサンプリングし、攪拌機付の500mlフラスコに仕込み、真空ポンプを使用し、減圧下にアンモニアを留去した。アンモニアの留去により析出したメチオニンを濾別し、メチオニン11.3gを得た。母液にはメチオニン13.7gと1.02gの2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドが含まれており、分解物は生成していなかった。この母液を用いて菌体反応−晶析を繰り返して実施したが、得られるメチオニンは99%と定量的であり、純度も99%以上で着色も認められなかった。
上記2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルや2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド以外の加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質としては、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸低級アルキルエステル、メチルチオエチルヒダントイン、メチルチオエチルヒダントイン酸、メチルチオエチルヒダントイン酸アミド等を挙げることができる。
2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程で使用される生体触媒としては、アンモニア水溶液等の水溶液中でニトリルを加水分解する活性を有する微生物等の生体触媒であれば特に制限されるものではなく、かかる生体触媒としては、例えばアースロバクター(Arthrobacter)属、バリオボラックス(Variovorax)属等に属する微生物を挙げることができ、これらの中でも特に、アースロバクター・エスピーNSSC104、アースロバクター・エスピーNSSC204、及びバリオボラックス・パラドキサス(Variovorax paradoxus)IAM12374を好適に例示することができる。
アースロバクターNSSC104は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に、受託番号FERM BP−5829として1996年2月6日付で寄託されており、その菌学的性質についてはWO97/32030に記載されている。また、アースロバクターNSSC204は同じく独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に、受託番号FERM BP−7662として2000年6月22日付で寄託されており、その菌学的性質についてはWO02/08439に記載されている。また、バリオボラックス・パラドキサスIAM12374は東京大学分子細胞生物研究所より容易に入手でき、その菌学的性質についてはインターナショナル・ジャーナル・オブ・システマチック・バクテリオロジー(International Journal of Systematic Bacteriology)第41巻、445−450頁(1991年)に記載されている。
2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程で使用される生体触媒としては、アンモニア水溶液等の水溶液中でアミドを加水分解する活性を有する微生物等の生体触媒であれば特に制限されるものではなく、かかる生体触媒としては、例えばロドコッカス・ロドクロス(Rhodococcus rhodochrous)IFO15564を好適に例示することができる。
ロドコッカス・ロドクロス(Rhodococcus rhodochrous)IFO15564は、独立行政法人製品評価技術基盤機構・生物遺伝資源センター(NBRC)より容易に入手でき、その菌学的性質についてはテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)第32巻、1343−1346頁に記載されている。
これらの微生物の培養は、酵素誘導物質、微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機イオン、さらに必要ならば有機栄養源を含む通常の培地で行われる。酵素誘導物質としては、イソブチロニトリル、2−アミノベンゾニトリル等のニトリル化合物、ε−カプロラクタムなどの環状アミド化合物等が使用され、特に2−アミノベンゾニトリルが好ましい。炭素源としてはグルコース等の炭水化物、エタノール等のアルコール類、有機酸その他が適宜用いられる。窒素源としては、アミノ酸、硝酸塩、アンモニウム塩その他が用いられる。無機イオンとしては、リン酸イオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、硫酸イオン、鉄イオン、その他が必要に応じて使用される。有機栄養源としては、ビタミン、アミノ酸など及びこれらを含有するコーンスチープリカー、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス、その他が適宜用いられる。培養は好気的条件下に、pH6〜9、温度25〜37℃の適当な範囲に制御しつつ行えばよい。
本発明に用いられる生体触媒としては、上記のように培養した菌体又はその菌体から調製した固定化菌体、粗酵素もしくは固定化酵素などの菌体処理物が挙げられる。菌体又は酵素を固定化する場合は担体結合法、包括法等の通常行われる固定化技術を適用できる。酵素または粗酵素を調製する場合は、菌体を超音波、高圧ホモジナイザー等によって破砕した後に、硫安塩析、クロマトグラフィー等の通常行われる酵素精製技術が適用できる。また反応に用いた菌体等の生体触媒は実質的な活性の低下なしに繰り返し加水分解反応に使用することができることから、再利用することが好ましい。
かかる生体触媒による加水分解反応は、アンモニアを含む水性溶媒中で上記の生体触媒を2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質に作用させることによって行われる。生体触媒は乾燥重量に換算して、通常0.1〜10重量%、好ましくは1〜6重量%の濃度で使用される。また、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質は、0.01〜50重量%の濃度で反応に使用され、必要ならば反応の間、逐次添加あるいは連続添加することができる。また、アンモニアを含む水性溶媒としては、アンモニア水を主成分とする有機溶媒を含んでもよい水性溶媒で、アミン等の有機塩基、有機酸あるいは無機塩基を含んでも良い。アンモニアは0.5〜30重量%、好ましくは0.8〜10重量%の濃度の水溶液で使用し、また、メチオニンの蓄積濃度の1.5〜10倍当量のアンモニアを含む水溶液を用いることができる。さらに、アンモニアの溶解量を高め、反応液中のメチオニンの溶解蓄積量を増加させるために、加水分解反応を加圧下で実施することもできる。
上記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程においては、含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離して反応系外に排出することもできるし、生体触媒を含メチオニンアンモニア水溶液と分離して反応系外に排出することもできる。このような加水分解反応終了後の含メチオニンアンモニア水溶液と生体触媒との分離方法としては、公知の固液分離方法であれば特に制限されず、例えば濾過、遠心分離、限外濾過濃縮法などによって行うことができ、回収された生体触媒は、前記のように、繰り返し加水分解反応に使用することができる。また、固定化菌体や固定化酵素を使用した場合の含メチオニンアンモニア水溶液と生体触媒との分離は、特別な固液分離手段は必要なく、反応槽の排出口にストレーナー等の簡単な粗目のフィルターを設けて固定化生体触媒の反応槽からの流出を防止すればよい。
上記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程における含メチオニンアンモニア水溶液からのアンモニア留去は、加圧脱気・減圧脱気あるいは加熱留去によって行われ、メチオニンに対して過剰量のアンモニアを一定量留去すればメチオニンが晶析させることができる。留去されたアンモニアはメチオニンと等モル分を除いて、加水分解反応に再利用することができる。再利用できない除外されたアンモニアは、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質を合成するのに使用することができる。このように、晶析したメチオニンは濾過・遠心分離器等の固液分離機を用いて固形品として回収することができ、メチオニン結晶回収分離後の母液は、残存2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等の原料物質、メチオニン、アンモニア等を少量含んでいるので、加水分解反応にリサイクルすることができる。
本発明で製造されるメチオニンは、用いる生体触媒の光学選択性によってD型、L型あるいはラセミ体のメチオニンとして得ることができ、生成分離されたメチオニン結晶は、更に精製あるいは粒度調整を必要に応じて行うことができる。
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1(NSSC204株によるDL−メチオニンの製造)
(NSSC204株の培養)
酵母エキス0.5%、グルコース0.5%、リン酸水素二カリウム0.1%、リン酸二水素カリウム0.1%、食塩0.1%、硫酸マグネシウム7水塩0.02%、硫酸第一鉄0.001%及び2−アミノベンゾニトリル0.03%を含む培地2mlを試験管にとり121℃で20分間滅菌した。この試験管にアースロバクターNSSC204株を一白金耳植菌し、33℃で一晩振盪培養し前培養物を調製した。次いで、コーンスチープリカー(濾過滅菌)2.0%、スクロース(121℃で20分間滅菌)1.0%、2−アミノベンゾニトリル(121℃で20分間滅菌)0.03%を含むpH7.2(2N苛性ソーダで調整)の培地20mlを100ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、上記の前培養物0.2mlを植え継ぎ、さらに4日間33℃で振盪培養した。
(DL−メチオニンの生成)
得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体濃度で0.1%(W/W)となるように133mMの2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルと25mM 1,3−ジアミノプロパンを含む水溶液(pH11.2)に懸濁し、35℃で緩やかに振盪しながら加水分解反応を行った。添加4時間後に遠心分離して菌体を除去し、残った反応液に含まれるメチオニンの濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて定量した結果、125mMのDL−メチオニンの蓄積を確認した。
実施例2 (NSSC204株によるDL−メチオニンの連続生産)
実施例1で得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として2%(W/W)濃度となるように10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアを含む水溶液(pH9.5)に懸濁した。その菌体懸濁液300gを30℃に保温された500ml容量の3口フラスコに入れ、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを毎時5.5gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、精密濾過膜(旭化成製microza PMP−003)を用いて連続的に菌体を濾過し、反応濾液を毎時約54gの速度で回収した。その際、反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニア水を連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールした。反応濾液に含まれる2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルの濃度は徐々に増加して反応開始後8時間で0.4%(W/W)に達した後、その濃度は8日間維持され、その間のメチオニン生産速度は毎時5.36gであった。
実施例3 (固定化NSSC204株によるDL−メチオニンの連続生産)
(NSSC204株の固定化)
実施例1で得られたアースロバクターNSSC204株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として10%(W/W)濃度となるように1%(W/W)アルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁した。次いでその懸濁液を0.1M塩化カルシウム水溶液に滴下して固定化菌体ビーズを作製した。得られた固定化菌体ビーズ225gを内径30mmのカラムに充填し、10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアと2.5mM1,3−ジアミノプロパンと10mM塩化カルシウムを含む水溶液(pH9.5)を毎時0.21の流速で11流して平衡化した。次いでビーズを30℃に保温された500ml容量の3口フラスコに移し、平衡化水溶液を加えて全量を300gとした後、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルを毎時5.16gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、反応液は固定化ビーズを吸い込まないようにサクションフィルターを通して毎時約50gの速度で回収した。その際反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニアと20mMエチレンジアミンと10mM塩化カルシウムを含む水溶液を連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を、高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:エタノール/水/トリフルオロ酢酸=5/95/0.04)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールした。反応濾液に含まれる2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルの濃度は徐々に増加して反応開始後12時間で0.5%(W/W)に達した後、その濃度は20日間維持され、その間のメチオニン生産速度は毎時5.03gであった。
実施例4(固形DL−メチオニンの回収)
菌体を分離した反応液250g(メチオニン25g,2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル1.25g,アンモニア2.3%を含有)を攪拌機を付した500mLフラスコに仕込み,真空ポンプを使用し,加熱することなく減圧下にアンモニアを留去した。アンモニアの留去により析出したメチオニンを濾別し,メチオニン11.3gを得た。母液にはメチオニン13.7gと1.25gの2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルが含まれており,分解物は生成していなかった。この母液を用いて菌体反応−晶析を繰返し実施したが,得られるメチオニンの収率は99%と定量的であり,純度も99%以上で着色も認められなかった。
実施例5(固定化IFO15564株によるDL−メチオニンの連続生産)
(IFO15564株の培養と固定化)
トリプトン1.0%、酵母エキス0.5%、食塩1.0%を含む培地2mlを試験管にとり121℃で20分間滅菌した。この試験管にロドコッカス・ロドクロスIFO15564株を一白金耳植菌し、30℃で一晩振盪培養し、前培養物を調製した。次いで、コーンスチープリカー(濾過滅菌)2.0%、スクロース(121℃で20分間滅菌)1.0%、ε−カプロラクタム(121℃で20分間滅菌)0.5%を含むpH7.2(2N苛性ソーダで調整)の培地20mlを100ml容量のバッフル付き三角フラスコに入れ、上記の前培養物0.2mlを植え継ぎ、さらに3日間30℃で振盪培養した。得られたロドコッカス・ロドクロスIFO15564株の培養液を遠心分離し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥菌体として10%(W/W)濃度となるように1%(W/W)アルギン酸ナトリウム水溶液に懸濁した。次いでその懸濁液を0.1M塩化カルシウム水溶液に滴下して固定化菌体ビーズを作製した。
(DL−メチオニンの連続生産)
得られた固定化菌体ビーズ225gを内径30mmのカラムに充填し、10%(W/W)DL−メチオニンと2.28%(W/W)アンモニアと10mM塩化カルシウムを含む水溶液を毎時0.2lの流速で1l流して平衡化した。次いでビーズを35℃に保温された500ml容量の3口フラスコに移し、平衡化水溶液を加えて全量を300gとした後、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドを毎時11.54gの速度で攪拌しながら連続的に添加した。一方、反応液は固定化ビーズを吸い込まないようにサクションフィルターを通して毎時約105gの速度で回収した。その際、反応容器内の液量が減少しないように、液面センサーに連動したポンプを用いて回収した反応濾液と同容量の1.14%(W/W)アンモニアと10mM塩化カルシウムを含む水溶液で連続的に補給した。回収反応濾液のDL−メチオニン濃度を高速液体クロマトグラフィー(カラム:TSKgel ODS−80TM、キャリア:アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=50/950/1)を用いて1時間毎に測定し、10%(W/W)濃度を維持するように反応濾液の回収速度をコントロールして、14日間の連続反応を行った。その間のメチオニン生産速度は平均で毎時10.57gであった。
実施例6(固形DL−メチオニンの回収)
実施例5で得られる反応濾液を250gサンプリングし、攪拌機付の500mlフラスコに仕込み、真空ポンプを使用し、減圧下にアンモニアを留去した。アンモニアの留去により析出したメチオニンを濾別し、メチオニン11.3gを得た。母液にはメチオニン13.7gと1.02gの2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドが含まれており、分解物は生成していなかった。この母液を用いて菌体反応−晶析を繰り返して実施したが、得られるメチオニンは99%と定量的であり、純度も99%以上で着色も認められなかった。
本発明によれば、2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリル、2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミド等を原料とし、ニトリル加水分解活性、アミド加水分解活性等を有する生体触媒を用いて、アンモニア水中にメチオニンを溶解状態で生成させ、その後アンモニアを留去して製品形態として要求される固形メチオニンを高効率かつ簡便に製造できる。しかも、従来の化学的製造法に比べて格段にエネルギーコスト・廃棄物排出量が低い。
Claims (9)
- (1)加水分解によりメチオニンを生成しうる原料物質をアンモニア水溶液中で加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解して含メチオニンアンモニア水溶液に変換する第1の工程、(2)前記第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液を生体触媒と分離する第2の工程、(3)前記第2の工程で分離された含メチオニンアンモニア水溶液よりアンモニアを留去しメチオニン結晶を析出・分離する第3の工程を有することを特徴とするメチオニンの製造法。
- 原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブチロニトリルをアンモニア水溶液中でニトリル加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解することを特徴とする請求項1記載のメチオニンの製造法。
- 原料物質としての2−アミノ−4−メチルチオブタン酸アミドをアンモニア水溶液中でアミド加水分解活性を有する生体触媒によって加水分解することを特徴とする請求項1記載のメチオニンの製造法。
- アンモニア水溶液として、第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン量の1.5〜10倍当量のアンモニアを含む水溶液を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のメチオニンの製造法。
- 第1の工程で得られる含メチオニンアンモニア水溶液中のメチオニン濃度が5〜30重量%であることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のメチオニンの製造法。
- 生体触媒を再利用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のメチオニンの製造法。
- 生体触媒として、固定化菌体を用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のメチオニンの製造法。
- メチオニン結晶を分離回収した母液、及び留去されたアンモニアを加水分解反応に再利用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のメチオニンの製造法。
- 第1の工程を加圧下で実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のメチオニンの製造法。
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