JPS642896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、たとえば一般家屋の屋根の骨組を構
成する傾斜梁材と、この傾斜梁材の上面に沿つて
載設される隅木材を、柱もしくは水平梁材に取付
固定するための梁材固定装置の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般家屋の骨組として複数本の柱が立設され、
これら柱の上端部に沿つて水平梁材が掛渡され
る。さらに、これら柱と水平梁材の上部には屋根
が設けられる。屋根を構成する骨組は、稜部であ
る傾斜梁材と、野地板と呼ばれる屋根下地材を載
設するためのたる木、このたる木を保持する棟木
や母屋および束木などからなること周知である。

ところで近時、一般家屋においても骨組に金属
材を採用して強度の増大と耐久性の向上を図るよ
うになつてきた。たとえば、上記柱として断面矩
形状の鋼管を用い、水平梁材には断面エ字状の鋼
材、および傾斜梁材には断面コ字状の鋼材を用い
る場合が多い。このようにした骨組の一部に金属
材を用いることにより、これら端部相互の接合構
造に対して新たな対応を要求されている。すなわ
ち、上記傾斜梁材の下端部は柱の上端部に載設さ
れるため、これらを直接取付固定するのは難し
く、接合固定に便利な金物を用いることが考えら
れる。

従来、第６図および第７図に示すような構造と
なつている。ａは鋼管からなる柱、ｂは鋼材から
なる水平梁材、ｃは鋼材を背中合せに固着した傾
斜梁材であり、ｄは傾斜梁材ｃを柱ａおよび水平
梁材ｂに取付固定するための接合金物である。こ
の接合金物ｄは、柱ａの上端部および水平梁材ｂ
上に載置され、かつ図示しない固定ボルトを介し
て水平梁材ｂに取付固定される水平板からなる固
定部ｅと、この固定部ｅ上面に立設されその上端
縁が傾斜梁材ｃの傾斜角度と同一角度に傾斜する
縦プレートｆとからなる。傾斜梁材ｃの端部は接
合金物ｄの縦プレートｆに、互いの上端縁が一直
線に連なるよう図示しない固定ボルトを介して連
結される。これら傾斜梁材ｃと縦プレートｆの上
部には、第７図および第８図に示すように、木材
からなる隅木材ｇが載置され、金属薄板を折曲し
てなる固定金物ｈが隅木材ｇと傾斜梁材ｃの側面
から押し当てられ、釘などの固定具ｉ…で互いに
固定される。

このような接合金物ｄを用いることにより、傾
斜梁材ｃの端部は隅木材ｇを載設した状態で柱ａ
もしくは水平梁材ｂの上部に連結固定され、必要
な強度を得ることができる。

しかしながら、隅木材ｇの固定手段については
問題が残つている。すなわち、隅木材ｇの側面側
から固定具ｉを打付けるので、傾斜梁材ｃに対し
て位置ずれが生じ易いことである。たとえ隅木材
ｇの両側面に固定金物ｈを当てて固定しても、固
定作業は片側から順次行なうので、正しい位置を
出し難い。さらに傾斜梁材ｃの下面側から上方に
向かつて固定具ｉを打付ける場合、無理な姿勢を
取らなければならないので、この作業が面倒であ
るなどの不都合がある。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、傾斜梁材端部の
連結固定および傾斜梁材に対する隅木材の位置決
めを容易、かつ正確に行なえるようにした梁材固
定装置を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、上面に沿つて隅木材を載設
してなる傾斜梁材の端部を柱もしくは水平梁材の
上部に連結固定するものにおいて、平板状の固定
部上に、上端縁が傾斜するプレートおよびこのプ
レートの両側に上記隅木材の幅寸法と同一の間隔
を存する位置決め用固定板を立設してなり、上記
固定部を柱もしくは水平梁材の上部に取付固定
し、プレートのの端部に傾斜梁材を連結するとと
もに上端縁で隅木材を支持し、位置決め用固定板
の相互間に上記隅木材を嵌合してその両側面から
取付固定するようにしたことを特徴とする梁材固
定装置である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図は、一般家屋の屋根部骨組を平面
的に示す。図中ｂ…は水平梁材、ｃ…は傾斜梁材
であり、それぞれの使用材質および位置は従来と
同一でよい。上記傾斜梁材ｃは、第２図および第
３図に示すような梁材固定装置Ａによつて連結固
定される。すなわちこれは、平板状の固定部１
と、プレート２および位置決め用固定板３，３と
からなる。上記固定部１は、柱ａの上端面および
水平梁材ｂ端部に載る面積を有し、かつ周端部に
は固定用孔４ａ…が穿設される。水平梁材ｂにも
固定用孔４ｂ…が穿設される。上記プレート２は
固定部１の略対角線に沿つて立設され、その一部
は固定部１より外方に突出し、固定用孔４ａ，４
ａが穿設される。なお、少なくともプレート２の
上端縁は上記傾斜梁材ｃの傾斜角度と同一角度を
もつて傾斜している。上記位置決め用固定板３，
３は、上記プレート２の両側の固定部１上に立設
される。互いの間隔は、傾斜梁材ｃおよび上記隅
木材ｇの幅寸法と同一であり、プレート２を中心
として均等に振分けられる。

しかして、屋根の骨組を作るには、はじめ梁材
固定装置Ａを柱ａの上端部に取付ける。すなわ
ち、固定部１を柱ａの上端面と水平梁材ｂの上部
とに亘つて載せ、互いの固定用孔４ａ，４ｂにボ
ルト５を挿入しナツト６で締付固定する。上記プ
レート２は、傾斜梁材ｃに向かつて突出する。つ
ぎに、傾斜梁材ｃの端部を上記プレート２の端部
に接合し、かつ所定角度傾斜させてから、固定用
孔４ｃと傾斜梁材ｃの端部に設けられる固定用孔
４ｄにボルト５を挿入しナツト６で締付固定す
る。この状態で傾斜梁材ｃとプレート２との上端
縁は、互いに一直線状に連らなることとなる。な
お上記傾斜梁材ｃは、断面コ字状の鋼材を図示し
ないスペーサを介し背中合せにして固着したもの
である。上記スペーサ２による間隙にプレート２
の端部が挿入され、取付固定されるようになつて
いるが、従来のように、直接背中合せに固着して
もよいこと勿論である。さらに、隅木材ｇを傾斜
梁材ｃ上に載置する。第４図に示すように、互い
の幅方向を正しく合せると、必然的に隅木材ｇは
位置決め用固定板３，３の間に挿嵌される。この
長手方向の位置が決まつたら、第５図に示すよう
に、釘などの固定具７…を位置決め用固定板３，
３の側面から打付けて互いの固定を図る。上記固
定具７…は全て水平方向に打付ければよいから、
無理な姿勢を取らずにすむ。このとき、隅木材ｇ
は固定板３，３によつて幅方向の位置をその両側
から規制されているから移動せずにすみ、したが
つて、常にその位置は正確である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、傾斜梁材
の取付固定が容易であるとともに隅木材取付時の
位置ずれを確実に防止できるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案の一実施例を示
し、第１図は一般家屋の屋根部の骨組を概略的に
示す平面図、第２図は梁材固定装置を用いて傾斜
梁材および隅木材を取付固定した状態の側面図、
第３図はその分解した斜視図、第４図は要部の斜
視図、第５図は第４図とは別の要部の縦断面図、
第６図ないし第８図は本考案の従来例を示し、第
６図は接合金物を用いて傾斜梁材および隅木材を
取付固定した状態の側面図、第７図はその分解し
た斜視図、第８図は要部の縦断面図である。 ｇ……隅木材、ｃ……傾斜梁材、ａ……柱、ｂ
……水平梁材、１……固定部、２……プレート、
３……位置決め用固定板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に沿つて隅木材を載設する傾斜梁材の端部
   を柱もしくは水平梁材の上部に連結固定するもの
   において、上記柱もしくは水平梁材の上部に取付
   固定される平板状の固定部と、この固定部上に立
   設されその上端縁に沿つて上記隅木材を支持する
   とともに上記傾斜梁材の端部に連結固定されるプ
   レートおよびこのプレートの両側に沿い上記隅木
   材の幅寸法と同一の間隔を存して立設され隅木材
   をその両側面から取付固定する一対の位置決め用
   固定板とからなることを特徴とする梁材固定装
   置。