JPS641311B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱転写型印刷方法に係り、一色の転写
の後記録紙の転写部分が転写紙より剥離した後転
写紙と一色分先送りし、次に記録紙と転写紙を共
にプラテンローラの回転により戻して次の一色の
転写を行なうことにより、プラテンローラの径が
小さく装置全体が小型軽量となり、記録紙がプラ
テンローラの回転に従つてずれることなく移動し
て複数回の転写で色ずれを起こすことなく一般の
普通紙を記録紙として使用できる熱転写型印刷方
法を提供することを目的とする。

従来より三原色のイエロー部、マゼンダ部、シ
アン部が所定長順次繰り返して設けられた転写紙
を用いて一個のサーマルヘツドでカラー印刷を行
なう熱転写型印刷装置がある。この熱転写型印刷
装置には記録紙をプラテンローラに巻付けて固定
し、プラテンローラの１回転に付き１色の印刷を
行ないプラテンローラの３回転でカラー印刷を行
なうものがある。しかし、その装置では例えば
A4サイズの記録紙に印刷を行なうためにはプラ
テンローラの外径が略95mm以上となり、装置が大
型で重く高価になるという欠点がある。

また、記録紙の両側に一定ピツチの穴を設け、
スプロケツトによりプラテンローラの回転と共に
記録紙を送つて１色の印刷を行なつた後、スプロ
ケツトを逆回転して記録紙を戻して次の一色の印
刷を行ない、同様にしてカラー印刷を行なうもの
がある。この装置はプラテンローラの外径を小さ
くすることができるが、両側に一定ピツチの穴を
設けた特別の記録紙にしか印刷することができず
一般に普通紙に印刷をすることができないという
欠点があつた。

本発明は上記の欠点を除去したものであり以下
図面と共にその一実施例につき説明する。

第１図は本発明方法を適用した印刷装置の一実
施例の構成図を示す。同図中、１は供給ローラで
あり、この供給ローラ１には例えば幅215mmで長
さ310mm毎にイエローの熱溶融性インクの塗布さ
れたイエロー部、これと同様なマゼンダ部、シア
ン部が順次繰り返して設けられた転写紙２が巻回
されている。この転写紙２はガイド柱３、プラテ
ンローラ４、ローラ５に導びかれて巻取ローラ６
に案内され、この巻取ローラ６に巻回されてお
り、モータ７に駆動される巻取ローラ６の時計方
向回転及びモータ７に駆動される供給ローラ１の
反時計方向回転によつて転写紙２が移動せしめら
れる。

また、８はクランプローラでモータ９に駆動さ
れて回転し、このクランプローラ８とパルスモー
タ１０に回転駆動されるプラテンローラ４との間
に記録紙１１を挾持してこれを移動せしめる。ま
た、１２，１３はクランプローラであり、クラン
プローラ１３はモータ１４の駆動力をスリツプ機
構（図示せず）を介して伝達されて回転し、クラ
ンプローラ１２，１３の外周は互いに当接してお
りクランプローラ１２はクランプローラ１３の回
転につれて回転し、クランプローラ１２，１３間
に記録紙を挾持して移動させる。ローラ５はアー
ム１５の先端に取り付けられており、モータ９に
よつて回転駆動され、アーム１５は支点１６を中
心として回動自在とされており、通常はバネ２８
に付勢されてローラ５がプラテンローラ４に当接
しプランジヤ１７の駆動によりローラ５がプラテ
ンローラ４より離間するよう回転する。サーマル
ヘツド１８はヘツドホルダ１９に固定され、この
ヘツドホルダ１９は支点２０を中心として回動自
在とされており、モータ２１に駆動されるカム２
９の回転によりヘツドホルダ１９がプラテンロー
ラ４に当接又はこれにより離間するよう回動す
る。２２〜２４はセンサである。センサ２２は転
写紙２のイエロー部、マゼンダ部、シアン部夫々
の一定位置に設けられたマークを検出する。セン
サ２３，２４夫々は記録紙の有無を検出する。こ
れらのセンサ２２〜２４夫々の検出信号はマイク
ロコンピユータ２５に供給され、マイクロコンピ
ユータ２５は上記検出信号に応じてモータ７，
９，１０，１４及びプランジヤ１７，２１を駆動
させる。

次に本発明装置の動作を第２図に示すフロチヤ
ートと共に説明する。マイクロコンピユータ２５
は電源投入後第３図示のフロチヤートを実行す
る。記録紙１１が供給されると、センサ２３はこ
れを検出し、ステツプ３０に続いてステツプ３１
が実行される。ステツプ３１においてローラ５が
プラテンローラ４に当接し、サーマルヘツド１８
がプラテンローラ４より離間した状態で、モータ
７，９，１０，１４が駆動されて第１図に矢印で
示す如くプラテンローラ４は反時計方向に回転
し、ローラ５、クランプローラ８，１３、巻取ロ
ーラ６夫々は時計方向に回転せしめられる。これ
によつて記録紙１１はプラテンローラ４の回転に
より移動し、また、巻取ローラ６に巻き取られて
移動する転写紙２に案内され、更にガイド板２
６，２７に案内された後クランプローラ１２，１
３に挾持されて移動して記録紙ローデイングが行
なわれる。この記録紙１１がクランプローラ１
２，１３を通過して記録紙１１の先端がセンサ２
４で検出されると、ステツプ３２の判断によつて
次のステツプ３３の転写紙２の巻戻し動作を開始
する。

ステツプ３３において、プランジヤ１７が駆動
され第３図に示す如くローラ５はプラテンローラ
４より離間する。また、モータ７の駆動によつて
供給ローラ１は矢印に示す如く反時計方向に回転
し転写紙２が巻戻される。このとき記録紙１１は
停止したクランプローラ１２，１３に挾持されて
おり移動しない。転写紙２が巻戻されて例えばイ
エロー部の先端がプラテンローラ４のサーマルヘ
ツド１８の圧接される位置となつたとき転写紙２
のマークがセンサ２２で検出され、これによつて
ステツプ３４からステツプ３５の実行に移行す
る。ステツプ３５ではプランジヤ１７の駆動によ
りローラ５がプラテンローラ４より離間した状態
でモータ９，１０，１４夫々が駆動される。パル
スモータ１０には例えば200パルスの駆動パルス
が供給されプラテンローラ４は所定角度だけ時計
方向に回転し、またモータ９の駆動によりクラン
プローラ８はプラテンローラ４の周速度より僅か
に大なる周速度で反時計方向に回転し、またモー
タ１４の駆動によりプラテンローラ１３が時計方
向に回転する。これによつて記録紙１１の印刷開
始位置がプラテンローラ４のサーマルヘツド１８
の圧接される位置まで記録紙１１が巻戻されて頭
出しが行なわれる。このときクランプローラ８の
周速度はプラテンローラ４より大であり、クラン
プローラ１３は記録紙１１の移動とは逆方向に回
転してバツクテンシヨンを与えているので記録紙
１１はプラテンローラ４の表面上に弛むことなく
密着している。

この後、サーマルヘツド１８に供給されて印刷
される印刷情報が用意されるとステツプ３６が実
行される。ステツプ３６においてプランジヤ１７
は駆動されずローラ５は第４図に示す如くプラテ
ンローラ４に当接し、モータ２１の駆動によりカ
ム２９が所定角度回転しサーマルヘツド１８がプ
ラテンローラ４に圧接される。またパルスモータ
１０に例えば200パルスの駆動パルスが供給され
てプラテンローラ４は反時計方向に回転し、これ
と共にモータ７，９，１４の駆動によつてローラ
５、巻取ローラ６、クランプローラ１３夫々が時
計方向に回転し、クランプローラ８が反時計方向
に回転する。これによつて転写紙２及び記録紙１
１は同一速度で第４図の矢印Ａ方向に走行する。
この間サーマルヘツド１８には印刷情報が供給さ
れ、サーマルヘツド１８の熱により溶融された転
写紙２のインクが記録紙に転写される。サーマル
ヘツド１８への印刷情報の供給が終つた後、パル
スモータ１０には例えば200パルスの駆動パルス
が更に供給され、かつ、モータ７，９，１４が駆
動されて、転写紙２及び記録紙１１は空送りされ
る。これによつて転写紙２と記録紙１１の転写紙
を終了した部分はローラ５を通過し、記録紙１１
の転写部分は転写紙２より剥離される。

次にステツプ３７ではプランジヤ１７及びモー
タ２１の駆動によつてローラ５及びサーマルヘツ
ド１８はプラテンローラ４より離れ、記録紙１１
が停止したプラテンローラ４とクランプローラ
８、クランプローラ１２，１３に挾持された状態
で、モータ７が一定時間駆動されて巻取ローラ６
だけが時計方向に回転し、例えば転写紙２のマゼ
ンダ部の後端がローラ５に当接するまでつまり転
写紙２の１色分が先送りされる。このステツプ３
７の転写紙２の先送りの際記録紙１１の転写がな
された部分は先送りのため移動する転写紙２に接
触してはいないため記録紙１１に転写されたイン
クを傷めることはない。次に、ステツプ３８にお
いて、プランジヤ１７の駆動によりローラ５がプ
ラテンローラ４より離間した状態でパルスモータ
１０には例えば2200パルスの駆動パルスが供給さ
れプラテンローラ４は時計方向に回転し、これと
ともにモータ７，９，１４の駆動によつて供給ロ
ーラ１、クランプローラ８が反時計方向に回転し
プラテンローラ１３が時計方向に回転して転写紙
２と記録紙１１とが巻戻される。このときプラテ
ンローラ８の周速度はプラテンローラ４の周速度
より大であり、またクランプローラ１３が記録紙
１１にバツクテンシヨンを与えるため記録紙１１
は弛むことなくプラテンローラ４の外周上に密着
し、プラテンローラ４の回転に従つて移動する。
この巻戻しを終了すると記録紙１１の印刷開始位
置及び転写紙２のマゼンダ部の先端夫々はプラテ
ンローラ４のサーマルヘツド１８の圧接される位
置におかれている。

この後ステツプ３９を経てステツプ３６が再び
実行されてマゼンダの転写が行なわれ、更にステ
ツプ３７，３８によつてシアンの転写準備がさな
れ、ステツプ３９からステツプ３６の実行によつ
てシアンの転写が行なわれて記録紙１１にカラー
印刷が行なわれる。この後ステツプ４０よりステ
ツプ４１に移行し、このステツプ４１においてプ
ランジヤ１７の駆動によりローラ５がプラテンロ
ーラ４より離間した状態でモータ９，１０，１４
の駆動によりプラテンローラ４が反時計方向に回
転し、クランプローラ８，１３が時計方向に回転
して記録紙１１が排出され、カラー印刷の処理が
終了する。

このように記録紙１１は常にプラテンローラ４
に密着してプラテンローラ４の回転に従つて移動
し、転写後記録紙の転写部分は空送りによつて転
写紙より剥離された後転写紙の先送りがなされる
ため、記録紙が転写紙に付着して位置ずれを起す
ことはない。従つて記録紙の移動量を正確にでき
３回の転写により色ずれを完全に除去することが
できる。記録紙の移動はスプロケツトを使用しな
いので記録紙として一般の普通紙を使用できる。
また、一色の転写後記録紙を記録開始位置まで戻
すのでプラテンローラの外径を小さくすることが
でき、これによつて装置全体が小型軽量となる。

なお、転写紙はイエロー部、マゼンダ部、シア
ン部の他にブラツク部が設けられたものであつて
も良く、転写紙の色は何色であつても良く、上記
実施例に限定されない。

上述の如く本発明になる熱転写型印刷方法は、
複数色の熱溶融性インクが所定長順次繰り返し設
けられた転写紙と記録紙とをプラテンローラの外
周上で重ねプラテンローラを回転して走行せしめ
インクを該プラテンローラ外周上でサーマルヘツ
ドにより溶融して一色ずつ記録紙に転写し、複数
回の転写でカラー印刷を行なう熱転写型印刷方法
において、一色の転写終了後記録紙の転写部分が
転写紙の転写部分より離間して剥離するまでプラ
テンローラを回転して記録紙と転写紙とを共に走
行させて空送りした後、プラテンローラの回転を
停止して転写紙のみを一色分の所定長だけ先送り
し、次にプラテンローラを転写時とは逆方向に回
転して記録紙と先送りされた転写紙とを共に転写
時と逆向きに走行させて転写及び空送りによる送
り量だけ戻した後、次の一色の転写を行なうた
め、プラテンローラの外径は小さくて済み装置全
体が小型軽量となり、記録紙のその転写部分が転
写紙に付着することなくプラテンローラの回転に
従つて移動しスプロケツトの使用なくして記録紙
の移動量を正確にでき一般の普通紙を記録紙とし
て使用でき、更に、記録紙と先送りされた転写紙
とを戻す際、記録紙を転写紙と逆方向に回転する
プラテンローラとプラテンローラの周速度より大
なる周速度で回転するローラとで挾持して引張す
ることにより走行せしめると共に他の２つのロー
ラで挾持してバツクテンシヨンを加え、プラテン
ローラ外周上に記録紙を弛みなく密着させたた
め、記録紙の移動量がより正確になり複数回の転
写による色ずれを除去することができる等の特長
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法を適用した装置の一実施例
の構成図、第２図は本発明方法の一実施例のフロ
チヤート、第３図、第４図夫々は第１図示の装置
の各動作状態を説明するための図である。 １……供給ローラ、２……転写紙、４……プラ
テンローラ、５……ローラ、６……巻取ローラ、
７，９，１４……モータ、８，１２，１３……ク
ランプローラ、１０……パルスモータ、１１……
記録紙、１７，２１……プランジヤ、１８……サ
ーマルヘツド、１９……ヘツドホルダ、２２〜２
４……センサ、２５……マイクロコンピユータ、
３０〜４１……ステツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数色の熱溶融性インクが所定長順次繰り返
   し設けられた転写紙と記録紙とをプラテンローラ
   の外周上で重ね該プラテンローラを回転して走行
   せしめ該インクを該プラテンローラ外周上でサー
   マルヘツドにより溶融して一色ずつ該記録紙に転
   写し、複数回の転写でカラー印刷を行なう熱転写
   型印刷方法において、該一色の転写終了後該記録
   紙の転写部分が該転写紙の転写部分より離間して
   剥離するまで該プラテンローラを回転して該記録
   紙と転写紙とを共に走行させて空送りした後、該
   プラテンローラの回転を停止して該転写紙のみを
   一色分の該所定長だけ先送りし、次に該プラテン
   ローラを転写時とは逆方向に回転して該記録紙と
   該先送りされた転写紙とを共に転写時と逆向きに
   走行させて該転写及び該空送りによる送り量だけ
   戻した後、次の一色の転写を行なうことを特徴と
   する熱転写型印刷方法。 ２ 該記録紙と該先送りされた転写紙とを戻す
   際、該記録紙を転写時と逆方向に回転する該プラ
   テンローラと該プラテンローラの周速度より大な
   る周速度で回転するローラとで挾持して引張する
   ことにより走行せしめると共に他の２つのローラ
   で挾持してバツクテンシヨンを加え、該プラテン
   ローラ外周上に記録紙を弛みなく密着させたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の熱転写
   型印刷方法。