JPS6412141B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、周波数ホツピング周波数拡散通信機
の同期捕捉装置に関し、更に詳しくは予め定めら
れた時系列であるホツピング・パターンによつて
周波数を変化（ホツプ）させて情報通信を行う周
波数ホツピング方式の周波数拡散通信用受信機に
おいて、受信信号のホツピング・パターンと同一
の符号系列を受信機で発生させ、両符号の位相が
同相となるように位相関係を見つけ出す同期捕捉
装置に関する。

いかなるデイジタル通信においても、通信相手
との同期が確保される必要がある。同期には、初
期回線接続の「同期捕捉」と初期回線接続後に良
好な状態で回線同期を確保する「同期保持」とが
ある。又、一般には「同期捕捉」はすみやかに行
われる必要がある。

周波数ホツピング方式の周波数拡散通信用送信
機は、一般に、第１図に示すような構成を有して
いる。第１図の送信機では、入力端子１１より加
えられた送信情報信号は変調器１２により周波数
_iの変調信号に変換される。この周波数_iの変調
信号は平衡変調器１３により、周波数（_i＋_FH）
の周波数ホツピング信号に周波数変換される。こ
の周波数（_i＋_FH）の周波数ホツピング信号は、
送信器１４を介して空中線１５より送信される。
なお、平衡変調器１３に与えられる周波数_FHの
局部信号は、拡散符号発生器１７により駆動され
る周波数ホツピングシンセサイザ１６により、発
生される。また、基準信号発生器１８は、拡散符
号発生器１７のタイミング信号を発生する。ま
た、拡散符号発生器１７が発生する信号がホツピ
ング・パターンである。

一方、周波数ホツピング方式の周波数拡散通信
用受信機は、従来、第２図に示すような構成を有
している。第２図の受信機では、空中線２０１で
受信された受信信号は、受信器２０２を介して平
衡変調器２０３に入力される。受信器２０２から
の周波数（_i＋_FH）の周波数ホツピング信号は、
上記平衡変調器２０３と、それに続く帯域波器
２０４とによつて、周波数_iの復調信号に周波数
変換される。この復調信号を基に、復調器２０５
は情報信号を復調し、これを出力端子２０６に出
力する。周波数（_i＋_FH）の周波数ホツピング信
号を周波数変換して周波数_iの復調信号を作るた
めの周波数_FHの局部信号は、拡散符号発生器２
０８により駆動される周波数ホツピングシンセサ
イザ２０７により発生される。拡散符号発生器２
０８が発生する信号がホツピング・パターンであ
る。同期保持回路２０９は、平衡変調器２０３で
周波数変換する際に、受信信号のホツピング・パ
ターンと受信機で発生するホツピング・パターン
とを一致させるためのタイミング信号を、拡散符
号発生器２０８に与える。

検波器２１０１と低域波器２１０２と相関検
出器２１０３は、初期回線接続時に、受信信号の
ホツピング・パターンと受信機のホツピング・パ
ターンとをすみやかに一致させるための同期捕捉
回路２１０を構成する。

ここで、一般的なスライデイング相関による同
期捕捉の動作原理について説明する。この同期捕
捉は周波数（_i＋_FH）の受信信号のホツピング・
パターンと、それと異なる速度で動作する周波数
_FHの局部信号のホツピング・パターンとの相関
を取ることにより行われ、その相関器は平衡変調
器２０３と、帯域波器２０４と、検波器２１０
１と、低域波器２１０２と、相関検出器２１０
３とにより、構成される。両者のホツピング・パ
ターンが完全に一致した時に帯域波器２０４を
通過する信号電力が最も大きくなり、従つて低域
波器２１０２の検波出力も最大となる。逆に両
者のホツピング・パターンが一致しないと、帯域
波器２０４を通過する信号電力は小さくなり、
低域波器２１０２の検波出力も小さくなる。し
たがつて、相関検出器２１０３により、低域波
器２１０２よりの検波出力のレベルを監視し、検
波出力レベルが最大となる位相関係になつた時
に、受信機のホツピング・パターン発生源である
拡散符号発生器２０８を駆動するタイミング信号
の速度を送信機のホツピング・パターンのタイミ
ング信号と同じ速度にすることで、同期捕捉を行
うことができる。

この同期捕捉方式では、第３図に示す通りホツ
ピング・パターンの位相関係を変化させながら行
われる。第３図の各_j（ただし、ｊ＝１，２，３，
…，ｎ）はホツピング・パターンを表わし、ａは
送信信号のホツピング・パターンを、ｂ，ｃ，
ｄ，ｅは受信機のホツピング・パターンの時間変
化を表わす。したがつて、ホツピング・パターン
の位相関係は、ａとｂ，ａとｃ，ａとｄ，ａとｅ
と変わり、この各位相関係の積分を取ることで、
相関を得ることができる。この４つの各位相関係
は1/2ビツトずつ位相を変化させた場合であるが、
一般には１／Ｍ（Ｍは２以上の整数）ビツトずつ
の位相を変化させればよい。同期捕捉の成功確率
を上げようとすると、Ｍを大きくとつて１／Ｍビ
ツトずつの位相を変化させる必要がある。ここ
で、ホツピング・パターンの符号長がＮ、相関処
理の積分時間をＴとすると、同期捕捉のための最
悪時間として Ｎ×Ｍ×Ｔ 時間を必要とする。

本発明の目的は、従来の周波数ホツピング周波
数拡散通信同期捕捉装置と同じ同期捕捉成功率を
達成するのに要する同期捕捉時間を、大幅に短縮
できる周波数ホツピング周波数拡散通信用同期捕
捉装置を提供することにある。

本発明の具体的な目的は、１／Ｍ（Ｍは２以上
の整数）ビツトずつ位相をずらすスライデイング
相関捕捉方式による周波数ホツピング周波数拡散
通信同期捕捉装置において、周波数ホツピングシ
ンセサイザ１台のみでＭ個のスライデイング相関
器を用いて、並列処理を行うようにすることによ
り、同期捕捉成功率を悪くすることなく同期捕捉
時間を１／Ｍに短縮した周波数ホツピング周波数
拡散通信用同期捕捉装置を提供することにある。

本発明によれば、ホツピング・パターンを発生
する１個の拡散符号発生器と、該拡散符号発生器
により駆動される１個の周波数ホツピングシンセ
サイザと、該周波数ホツピングシンセイザの出力
信号と、該出力信号に対して１／Ｍ（ただし、Ｍ
は２以上の整数）ビツトずつ遅延時間を増加させ
た（Ｍ−１）個の信号とを出力する分配遅延手段
と、同一の受信信号をそれぞれの一方の入力端子
に受けるＭ個の平衡変調器と、該平衡変調器の
各々の出力側に１個ずつ接続された帯域波器
と、該帯域波器の各々の出力側に１個ずつ接続
された検波器と、該検波器の各々の出力側に１個
ずつ接続された低域波器と、該低域波器の
各々の出力側に１個ずつ接続された相関検出器
と、該Ｍ個の相関検出器の出力信号を受ける１個
の制御切換器とを備え、前記分配遅延手段のＭ個
の出力信号は、前記Ｍ個の平衡変調器の他方の入
力端子にそれぞれ与えられており、前記制御切換
器は、前記Ｍ個の相関検出器の出力信号を基に、
前記受信信号のホツピング・パターンの位相と同
相になるように、前記拡散符号発生器のホツピン
グ・パターンの位相を制御することを特徴とする
周波数ホツピング周波数拡散通信同期捕捉装置が
得られる。

次に本発明の実施例について図面を参照して説
明する。

第４図に本発明による周波数ホツピング方式の
周波数拡散通信用受信機の１つの実施例を示す。
空中線２０１で受信された受信信号は、受信器２
０２を介して電力分配器２１１に加えられる。電
力分配器２１１の２つの出力は、並列相関処理を
行うため、平衡変調器２０３１と２０３２、帯域
波器２０４１と２０４２、検波器２１０１１と
２１０１２、低域波器２１０２１と２１０２
２、相関検出器２１０３１と２１０３２を各々介
して制御切換器２１３に与えられる。制御切換器
２１３は、相関器Ａの捕捉検出出力か相関器Ｂの
捕捉検出出力かを選択し、情報信号を復調するた
めに平衡変調器２０３１で受信信号のホツピン
グ・パターンに本受信機のホツピング・パターン
が一致するように同期保持回路２０９を制御す
る。同期保持回路２０９の出力信号はホツピン
グ・パターン発生源である拡散符号発生器２０８
に与えられる。周波数ホツピングシンセサイザ２
０７は拡散符号発生器２０８により駆動され、局
部発振信号を出力する。その局部発振信号は分配
器２１４により分配され、１つは平衡変調器２０
３１に加えられ、もう１つは1/2ビツト分の遅延
量をもつた遅延線２１２を通して平衡変調器２０
３２に加えられる。信号復調は平衡変調器２０３
１と帯域波器２０４１により逆拡散されること
により行われる。この復調信号を基に、復調器２
０５は情報信号を復調し、これを出力端子２０６
に出力する。このように、制御切換器２１３は、
相関器Ａ及びＢの出力を基に、本受信機のホツピ
ング・パターンの位相を制御して、信号復調時の
ホツピング・パターンの位相を受信信号のホツピ
ング・パターンと同相にする。

並列相関処理は相関器ＡとＢにより行われ、相
関器Ａが第３図のａとｂ，ａとｄの位相関係の相
関処理を行うとすると、相関器Ｂは第３図のａと
ｃ，ａとｅの位相関係を相関処理を行うことにな
る。これは遅延線２１２により1/2ビツト分の遅
延量を持つた周波数ホツピング局部発振信号と、
遅延量のない周波数ホツピング局部発振信号が平
衡変調器２０３１，２０３２に加えられるためで
ある。ただし、周波数ホツピングシンセサイザ２
０７は１回の相関処理に対して１ビツトずつホツ
ピング・パターンの位相を変化する様に動作す
る。

この同期捕捉装置は第２図の同期捕捉装置に比
較して、相関器を１系列増すだけで同期捕捉時間
を1/2にすることが可能となる。

なお、上記実施例は1/2ビツトずつ位相をずら
すスライデイング相関捕捉方式による周波数ホツ
ピング周波数拡散通信同期捕捉装置に適用した場
合であるが、本発明はそれに限定されるものでは
ない。即ち、本発明は、１／Ｍ（Ｍは２以上の整
数）ビツトずつ位相をずらすスライデイング相関
捕捉方式による周波数ホツピング周波数拡散通信
同期捕捉装置に適用する場合は、Ｍ個のスライデ
イング相関器を用いて並列処理を行うようにする
ことにより、同期捕捉成功率を悪くすることなく
同期捕捉時間を１／Ｍに短縮することができる。

以上説明したように、本発明によれば、従来の
周波数ホツピング周波数拡散通信同期捕捉装置と
同じ同期捕捉成功率を達成するのに要する同期捕
捉時間を、大幅に短縮できる周波数ホツピング周
波数拡散通信用同期捕捉装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な周波数ホツピング方式の周波
数拡散通信用送信機を示したブロツク図、第２図
は従来の周波数ホツピング方式の周波数拡散通信
用受信機を示したブロツク図、第３図はホツピン
グ・パターンの位相関係を示した図、第４図は本
発明に従う周波数ホツピング方式の周波数拡散通
信用受信機を示したブロツク図である。 １１…入力端子、１２…変調器、１３…平衡変
調器、１４…送信器、１５…空中線、１６…周波
数ホツピングシンセサイザ、１７…拡散符号発生
器、１８…基準信号発生器、２０１…空中線、２
０２…受信器、２０３…平衡変調器、２０４…帯
域波器、２０５…復調器、２０６…出力端子、
２０７…周波数ホツピングシンセサイザ、２０８
…拡散符号発生器、２０９…同期保持回路、２１
０…同期捕捉回路、２１０１…検波器、２１０２
…低域波器、２１０３…相関検出器、２０３１
…平衡変調器、２０３２…平衡変調器、２０４１
…帯域波器、２０４２…帯域波器、２１０Ａ
…同期捕捉回路、２１０１１…検波器、２１０２
１…低域波器、２１０３１…相関検出器、２１
０Ｂ…同期捕捉回路、２１０１２…検波器、２１
０２２…低域波器、２１０３２…相関検出器、
２１１…電力分配器、２１２…遅延線、２１３…
制御切換器、２１４…電力分配器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ホツピング・パターンを発生する１個の拡散
   符号発生器と、該拡散符号発生器により駆動され
   る１個の周波数ホツピングシンセサイザと、該周
   波数ホツピングシンセイザの出力信号と、該出力
   信号に対して１／Ｍ（ただし、Ｍは２以上の整数）
   ビツトずつ遅延時間を増加させた（Ｍ−１）個の
   信号とを出力する分配遅延手段と、同一の受信信
   号をそれぞれの一方の入力端子に受けるＭ個の平
   衡変調器と、該平衡変調器の各々の出力側に１個
   ずつ接続された帯域波器と、該帯域波器の
   各々の出力側に１個ずつ接続された検波器と、該
   検波器の各々の出力側に１個ずつ接続された低域
   波器と、該低域波器の各々の出力側に１個ず
   つ接続された相関検出器と、該Ｍ個の相関検出器
   の出力信号を受ける１個の制御切換器とを備え、
   前記分配遅延手段のＭ個の出力信号は、前記Ｍ個
   の平衡変調器の他方の入力端子にそれぞれ与えら
   れており、前記制御切換器は、前記Ｍ個の相関検
   出器の出力信号を基に、前記受信信号のホツピン
   グ・パターンの位相と同相になるように、前記拡
   散符号発生器のホツピング・パターンの位相を制
   御することを特徴とする周波数ホツピング周波数
   拡散通信同期捕捉装置。