JPS637157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 本考案は、蓋体にベローズポンプを内蔵してな
るエアーポツトの押体ロツク機構に関するもので
ある。

(ロ) 従来技術とその問題点 従来、エアーポツトのポンプ構造において、ベ
ローズポンプを押圧する押体が誤つて押圧された
とき湯が出ないように、押体の下動を阻止するロ
ツク機構が設けられている。このロツク機構は、
一般に、押体の外周に大形な鍔部を設け、この鍔
部に凹部を形成する一方、ベローズポンプを内蔵
した蓋体の内面に上記凹部と係合する多数のリブ
を設け、このリブで上記押体の鍔部を上下動自在
に案内するとともに、押体を所定角度回動させる
ことにより、リブと凹部との係合を外し、押体が
下動できないようにしている。

ところが、上記のロツク機構の場合には、押体
の外周に鍔部を形成しなければならないため、押
体が大型化し、そのため蓋体の上部に大きなスペ
ース必要とし、蓋体の大型化をきたすとともに、
蓋体の内面に多数のリブを設ける関係上、蓋体の
外面に成形ヒケが生じ、外観を損う欠点があつ
た。また、押体の外周部を均等に案内し、かつロ
ツクするためには、蓋体が円筒形状のものに限ら
れ、蓋体の形状に制約があるという欠点があつ
た。

(ハ) 考案の目的 本考案三はかかる従来の欠点に鑑みてなされた
もので、その目的は、押体を小形化して蓋体上部
のスペースを縮少できるとともに、蓋体外面に成
形ヒケなどの外観不良を生じさせず、しかも蓋体
の形状に制約がないエアーポツトの押体ロツク機
構を提供することにある。

(ニ) 考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は、蓋体底
板と押体とに互いに嵌挿する筒体を突設し、これ
ら筒体の一方に縦リブを設け、他方に縦リブが係
合する案内溝を設けることにより、押体を上下動
自在に案内するとともに、押体を回動させて縦リ
ブと案内溝との係合を外すことにより、押体の下
動を阻止するようにしたものである。

(ホ) 実施例の説明 第１図、第２図は本考案を電気エアーポツトに
適用した一例を示し、容器本体１の上端部には樹
脂製の環状肩体２が固定されており、この肩体２
の上端部内側にパツキン３を介して金属製中容器
４が保持されている。この中容器４の下部外周に
は図示しない電熱ヒータが取付けられている。肩
体２の前端部には注出ユニツト５が着脱自在に装
着されている。この注出ユニツト５は、ユニツト
本体６とユニツト本体の内部に移動自在に収納し
た安全弁７と注出管８とを有しており、肩体２の
前端部に挿入することにより、中容器４の底部に
連通する給水管９と接続される。

上記肩体２の後端部にはヒンジ支持部１０が一
体に設けられており、このヒンジ支持部１０に挿
通された支軸１１を介して蓋体１２が開閉自在に
設けられている。蓋体１２の前端部には従来と同
様にフツク機構（図示せず）が設けられており、
このフツク機構により蓋体は常時閉鎖状態で保持
され、かつこのフツク機構を操作することによ
り、支軸１１を支点として開くことができる。

蓋体１２の内部にはベローズポンプ１３が収納
されている。このベローズポンプ１３はその上面
に上板１４を有しており、この上板１４の中央に
吸気孔１５を形成するとともに、下面中央には送
気孔１６を設け、この送気孔１６の内側にシール
ゴム１７を嵌着してある。上記上板１４の外周部
には上方に突出した段部１４ａが形成されてお
り、ベローズポンプ１３を圧縮させたときその蛇
腹部の重合分をこの段部１４ａで吸収し、全高を
低くできるようにしている。なお、ベローズポン
プ１３の上板１４と下面部との間には復帰スプリ
ング１８が介設され、上板１４を常時上方に押し
上げている。

蓋体１２の下面には排気孔２０を有する底板１
９が設けられ、上記排気孔２０の周縁上面には第
１筒体２１がベローズポンプ１３を貫通するよう
に立設されている。この第１筒体２１には、第２
図に示すごとく送気口を兼ねる案内溝２２が縦方
向に形成されており、第１筒体２１の上端部には
案内溝２２と隣接して切り欠き部２３が形成され
ている。上記ベローズポンプ１３の送気孔１６に
取付けたシールゴム１７は第１筒体２１の基部外
周に気密的に嵌着されており、これによつてベロ
ーズポンプ１３は底板１９に固定されている。底
板１９の排気孔２０にはシールゴム２４を介して
金属製内蓋２５の通気管２６が嵌入されており、
この内蓋２５の外周部に取付けた環状パツキン２
７は中容器４の上端面に圧着して中容器４の内部
を密閉している。なお、底板１９の周部下面には
上記環状パツキン２７の外側に一部が嵌合する垂
片２８が設けられている。この垂片２８は、上記
内蓋２５の偏心位置に設けた通気管２６を底板１
９の排気孔２０に嵌入したとき、内蓋２５の底板
１９に対する位置ずれを防止するためのもので、
こにより内蓋２５の環状パツキン２７は中容器４
の上端面に正しく圧着し、空気漏れをきたすこと
がない。

蓋体１２の上面には、ベローズポンプ１３を圧
縮させる押体２９が突出している。この押体２９
の外周面は蓋体１２の上面開口１２ａに対し摺動
自在となつている。押体２９の下面中央には、上
記ベローズポンプ１３の吸気孔１５内で第１筒体
２１の外側に摺動自在に嵌挿する第２筒体３０が
垂設されており、この第２筒体３０の内面に突設
した縦リブ３１が第１筒体２１の案内溝２２に対
し縦方向に係合して押体２９を上下動自在に案内
している。また、押体２９を所定角度回動させ、
縦リブ３１を案内溝２２から外して切り欠き部２
３上に対応させれば、押体２９の下動が阻止され
る。すなわちロツクされることになる。第２筒体
３０の下部外周には傘状の鍔部３３を有するシー
ルパツキン３２が嵌着されており、このシールパ
ツキン３２が常時はベローズポンプ１３の吸気孔
１５の上方に対応しており、押体２９を押圧した
とき、シールパツキン３２の鍔部３３が吸気孔１
５の縁部上面に密着して吸気孔１５を閉鎖するよ
うになつている。

なお、３４は第１筒体２１の内側に固定された
座板、３５はこの座板３４と押体２９下面との間
に介設された押体復帰用のスプリングで、上記座
板３４の外周部には縦リブ３１が挿通されるスリ
ツト３４ａが形成されている。

上記構成からなるポンプ構造の動作を説明す
る。まず、第２筒体３０の縦リブ３１を第１筒体
２１の案内溝２２の上方に対応させた状態から押
体２９を押し下げると、押体２９は外周が蓋体１
２の上面開口１２ａによつてガイドされ、かつ第
２筒体３０の内面が第１筒体２１によつてガイド
されるため、傾きなくスムーズに下動する。押体
２９の下動につれてシールパツキン３２がベロー
ズポンプ１３の上板１４に密着し、吸気孔１５が
閉鎖され、ベローズポンプ１３内の空気は第１筒
体２１の案内溝２２から内蓋２５の通気管２６を
介して中容器４内に送り込まれる。

つぎに、押体２９をロツクするには、押体２９
を所定角度回動させ、第２筒体３０の縦リブ３１
を第１筒体２１の切り欠き部２３上に対応させ
る。この状態から押体２９を押圧しても縦リブ３
１の下端が切り欠き部２３の上端面に当るため、
下動が阻止されロツクされる。

なお、上記実施例では縦リブ３１の下端を係止
するために第１筒体２１に切り欠き部２３を設け
たが、この切り欠き部２３は必ずしも必要ではな
く、単に第１筒体２１の上端面に縦リブ３１の下
端を係止してもよい。ただ切り欠き部２３を設け
ると、押体２９の遊回動が規制され、ロツク位置
が明確となるので使い易い。

第３図は本考案の他の実施例を示し、この実施
例では押体２９の上面を蓋体１２の上面と面一状
とし、押体２９を回動させるロツクレバー３６を
押体２９と一体に設ける一方、押体２９の下面に
第２筒体３０に加えて第３筒体３７を垂設し、こ
の第３筒体３７をベローズポンプ１３の吸気孔１
５の周縁に設けたシールパツキン３８に密着させ
て吸気孔１５を閉鎖できるようにしたものであ
る。

(ヘ) 考案の効果 以上の説明で明らかなように、本考案によれ
ば、蓋体底板と押体とに互いに嵌挿する筒体を突
設し、これら筒体の一方に縦リブを設け、他方に
縦リブが係合する案内溝を設けることにより、押
体を上下動自在に案内するとともに、押体を回動
させて縦リブと案内溝との係合を外すことによ
り、押体の下動を阻止するようにしたので、従来
のように押体の外周に鍔部を設ける必要がなく、
押体を小型化できるとともに、蓋体上部のスペー
スを縮少できる。また同時に蓋体の内面にリブを
設ける必要もないので、蓋体が成形ヒケなどの外
観不良をきたすことがない。さらに、蓋体底板と
押体とに筒体を設ければよいので、蓋体の形状に
制約がなく、自由な設計を行なうことが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を電気エアーポツトに適用した
一例の上部断面図、第２図は第１筒体と第２筒体
との斜視図、第３図は本考案の他の実施例の要部
断面図である。 １２……蓋体、１３……ベローズポンプ、１５
……吸気孔、１６……送気孔、１７……シールゴ
ム、１９……底板、２０……排気孔、２１……第
１筒体、２２……案内溝、２３……切り欠き部、
２９……押体、３０……第２筒体、３１……縦リ
ブ、３２……シールパツキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体にベローズポンプを内蔵してなるエアーポ
   ツトにおいて、蓋体底板の排気孔の周縁にベロー
   ズポンプ内に臨む第１筒体を立設する一方、ベロ
   ーズポンプを押圧する押体の下面には第１筒体と
   ベローズポンプの吸気孔内で摺動自在にかつ回動
   自在に嵌挿する第２筒体を垂設し、上記第１筒体
   と第２筒体の一方に縦方向の案内溝をもうけ、他
   方にこの案内溝と係合する縦リブを設け、上記案
   内溝と縦リブとが合致したとき押体は上下動自在
   であり、案内溝と縦リブとの位置がずれたとき押
   体の下動が阻止されるようにしたことを特徴とす
   るエアーポツトの押体ロツク機構。