JPS6363559A - 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法 - Google Patents

連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法

Info

Publication number
JPS6363559A
JPS6363559A JP20507586A JP20507586A JPS6363559A JP S6363559 A JPS6363559 A JP S6363559A JP 20507586 A JP20507586 A JP 20507586A JP 20507586 A JP20507586 A JP 20507586A JP S6363559 A JPS6363559 A JP S6363559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
steel
cooling
austenite
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20507586A
Other languages
English (en)
Inventor
Tokiaki Nagamichi
常昭 長道
Yasuhiro Maehara
泰裕 前原
Kunio Yasumoto
安元 邦夫
Takashi Kanazawa
敬 金沢
Hiroshi Tomono
友野 宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP20507586A priority Critical patent/JPS6363559A/ja
Publication of JPS6363559A publication Critical patent/JPS6363559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、連続鋳造によって製造された鋳ハを熱間圧
延する際に生じがちな、オーステナイト粒界に沿って伝
播する表面疵を抑制し、表面性状の良好な熱間加工鋼材
を安定して製造する方法に関するものである。
〈背景技術〉 近年、鉄鋼の製造に当たっては、車直型若しくは湾曲型
の連続鋳造機を使用した連続鋳造1−稈が不可欠なもの
となっているが、このような連続鋳造法によってブルー
ムやスラブ等の鋳片を製造しようとすると、その鋳造の
途中で鋳片に加わる熱応力や曲げ応力によって表面疵(
表面割れ)が発生し、これを熱間直送圧延(連続鋳造で
得た鋳片を加熱することなく直ちに実施する圧延)又は
ホットチャージ圧延(連続鋳造で得た鋳片を室温にまで
冷却することなく再加熱して実施する圧延)しようとす
ると、前記表面疵がそのまま圧延工程にまで持ち来たさ
れて割れ疵が一層助長されると言う不都合があり、また
連続鋳造鋳片に通常の熱間加工(一旦常温にまで冷却し
た鋳片を再加熱して行う熱間鍛造や熱間圧延)を施す場
合でも表面h↑Eを発4rL易いと言う問題が目立ち、
表面性状の良好な熱間加工鋼材を製造する上で大きな障
害となっていた。
ところで、上述のような表面疵の発生状況を調査してみ
るといずれもオーステナイト(γ)粒界の割れを伴って
起きることが観察されることから、従来、前記表面疵の
発生原因の1つとして「鋳片の凝固・冷却中にオーステ
ナイト(T)粒界へ析出又は偏析する炭化物や窒化物(
NbC1^nN等)、(Mn、Fe)S等の硫化物、並
びにPやS等の不純物元素が結晶粒界の脆弱化を招く−
1ことが挙げられるようになり、表面疵(割れ)の発生
頻度は、上記の如き析出物や偏析を生しさせる元素の含
有量に大きく影響されることが知られるようになってき
た。
そこで、このような元素の含有量を制御することによっ
て鋳片の表面疵防止を図る試みもなされたが、この場合
には、製品の品質(特性)確保やコスト面で限界がある
上、化学成分の調整基準が今一つ明確でなく、従って化
学成分の調整のみでは十分に満足できる効果を挙げ得な
かったのである。
一方、かかる鋳片表面疵の発生頻度は、第1図で示され
るように鋳片のC含有量に大きく依存すると言う事実も
あるが、その原因は未だに不明であり、これに対する何
らの方策も見つからないこともあって、結局はこのよう
なC含有用領域を避けて操業が行われることすらあった
しかしながら、第1図にみられるような表面疵発生頻度
が急激に高くなる領域は必ずしも一定していないで、鋼
種によってもバラツキがあり、特に低合金鋼の場合には
C含有量から推し量れないような思いがけない成分組成
領域で表面きず発生頻度が極端に高くなることが多く、
しばしば、操業上極めて不都合な結果を招く事態がもた
らされていたのである。
従って、従来一般に実施されている表面疵防止対策は、
オシレーションマークを浅<シたり、凝固シェルに作用
する熱応力を軽減したりするために鋳片の冷却速度を小
さくすると言った不十分なものでしかなかった。
このようなことから、鋼の連続鋳造や、これに次いで実
施される熱間圧延において鋳片表面に割れ疵が発生する
のを確実に防止し、表面性状の良好な熱間加工鋼材を工
業的に量産し得る手段の出現が強く望まれているのが現
状であった。
く研究によって明らかとなった事項〉 本発明者等は、上述のような観点から、連続鋳造によっ
て製造される鋼鋳片の鋳造途中におりる表面疵発生や、
連続鋳造鋳片を熱間加」°する際に起こりがちな表面疵
の発生を確実に防11−する実施容易な手段を見出すべ
く、そのためには、第1図で示したような特定C含有量
領域近傍での表面疵発生頻度急増の原因解明が不可欠で
あるとの考えの下に種々の実験・研究を重ねたところ、
次に示すような知見を得たのである。即ち、 (a)  連続鋳造鋳片の結晶粒界割れは、従来言われ
ていたように、結晶粒界に析出又は偏析する炭化物、窒
化物、硫化物或いは不純物等に係る元素の含有量に影響
されることもさることながら、これらの析出や偏析密度
を左右するオーステナイト(γ)粒の粒度に大きく影響
され、凝固・冷却中のオーステナイト(γ)粒の粗大化
は鋳片の粒界割れを著しく助長すること。
(bl  凝固・冷却中の炭素鋼鋳片のオーステナイト
(T)粒粗大化の程度はそのC含有量の変化によって大
きく変わり、それもC含有量との中なる比例的関係を維
持しながら変化するわけではなく、第2図で示されるよ
うに、前述した表面疵を発生し易いC含有量領域で急激
に著しくなると言う挙動を示すこと(因に、第2図はF
e−C系鋼の凝固・冷却中に冷却速度を5℃/secと
したときの、C含有量とオーステナイト粒径との関係を
示す曲線である)。
fc)  これらの結果と、「凝固・冷却中のオーステ
ナイト(γ)粒の粗大化は、オーステナイト単相となっ
てから急激に起こり、しかも温度が高いほどその傾向が
著しい」と言う実験による確認事項とからみて、凝固・
冷却中の炭素鋼鋳片は、同一冷却条件下であると、必然
的に、第3図で示されるFe−C系平衡状態図からも明
らかな“オーステナイト単相化温度が最も高い組成のも
の”、即ら“包晶点組成(Fe−C系では0.18重量
%C)のもの”が最も粗大なオーステナイト(T)粒を
呈するようになり(因に、第3図中の破線は第2図で示
したオーステナイト粒粗大化挙動を表わす)、従って熱
間割れ感受性もこの付近のものが急激に高くなると結論
されること。
fd)  ところで、第2図で示されるオーステナイト
(T)粒径粗大化挙動と第1図で示される鋳片表面疵発
生頻度傾向とは必ずしも合致し7ていない。
しかしながら、これは、第2図が純粋なFe−C系での
実験結果であるのに対して第1図は実用鋼1の場合のデ
ータであると言う相違に起因するものであり、C以外の
含有元素(合金元素等)の影響によって包晶点がずれて
いるからに他ならないこと。
(e)シかも、鋼中に含有されるC以外の元素の種類に
よっては、鋼の熱間割れ感受性が一層鋭敏化し、鋳片表
面疵の増大を招く恐れがあること。
(f)  従って、鋳片の熱間割れ感受性をi+F価す
る場合には、C含有量のみでなく、合金元素の影響をも
含めたC当量(Cp )を指標にする必要があること。
(gl  状態図的な検討から鋼の包晶点に影響を及ぼ
すと考えられる元素として、C,、Mn、 Ni、Co
及びNが挙げられ、C当量(Cp)は次代で整理される
こと(なお、以下、成分割合を表わず%は車量%とする
)。即ち、 (h)  状態図的検討によって得られた上記式は実際
と良く合致しており、これに基づいて鋳片の熱間割れ感
受性を極めて的確に評価できること。
第4図は、これを確認するために本発明者等が実施した
実験結果を示すものであり、第1表に示される成分組成
内の合計50種類の鋼から採取した小片をアルミするつ
ぼ中で再溶解した後、冷却速度:5℃/secで冷却し
、そのオーステナイト粒径を測定して上記式で算出され
るCp値により整理したグラフである。
この第4図からも明らかなように、オーステナイト(γ
)粒径はCp値で良く整理され、Cp値が0.18で最
大値をとることがわかる。
(1)上記の如くにオーステナイ) (T)粒径がCp
(aに左右される理由は、オーステナイト単相化温度(
Tγ)がCp値の変化に追随して同様傾向で変化し、該
値により決定されるからであり、例えばCp4Fiが特
定の4Ft(0,18、即ち包晶点)のときにオーステ
ナイト(γ)粒径が最大値となるのは、該Cp値のとき
にオーステナイト単相化温度(TT)が最も高くなって
冷却過程でのオーステナイト(γ)粒成長期間も最長と
なり、本11人化の機会が十分に与えられるからである
こと。
このことは、先に示した第3図からも11?測されるこ
とではあるが、次に示す第5図を参照されたい。
第5図は、第1表に示される成分組成内の合計70種類
の鋼から採取した小片を゛アルミするつぼ中で再溶解し
た後、冷却速度二0.1℃/sec、 2.0”C/s
ec及び10℃/secで冷却し、そのオーステナイト
単相化温度(TT)を測定して前記式で算出されるcp
値により整理したグラフであるが、この第5図からも明
らかな如く、冷却速度が0.1’C/sec以下ではオ
ーステナイト1il−相比温度(TT)はCp値によっ
て良く整理されて次式のように表され、Cp値が0.1
8で最大値をとることが分かる。
T7=AC+1十B (Jl  また一方、同一組成鋼を凝固・冷却した場合
の鋳片のオーステナイト(γ)粒径は、Cp値(即ちT
γ”)に影響されることもさるごとなから高温領域での
冷却速度に大きく左右され、特にオーステナイト単相化
温度(′「γ)から約1000℃に至るまでの温度領域
における冷却速度によ−。
てほぼ決定されてしまうこと。
第6図は、各種C含有量の炭素鋼を溶解してから冷却速
度: 0.28℃/secで冷却するとともに、その途
中から水焼入れして組織を固定したものについて、該水
焼入れ温度とオーステナイI(r)粒径との関係をプロ
ットしたグラフである。また、第7図はTr面前後組織
の一例であり、0.15%C−1,48%Mn鋼を0.
1℃/secで冷却した場合の顕微鏡組織を示したもの
であって、第7図(a)は1470’C(Tγ→−5℃
)から水焼入れしたもの、そして第7図(b)は146
0℃(TT−5℃)から水焼入れしたものをそれぞれ示
しているが、この図からはTr面直後ら1粒が急激に粗
大化し始めることが分かる。更に、第6図及び第7図か
ら、急冷がオーステナイト(r)粒成長に大きく影響す
るのは極く高い温度域、特にオーステナイト単相化温度
(TT)から1000℃までの温度域に限られ、それよ
りも低い温度域では急冷の影響はそれほど顕著でなくな
ることが明らかである。
加えて第8図を参照されたい。第8図は、第1表に示さ
れる成分組成内の合計30種の鋼についてオーステナイ
ト単相化温度(Tr)以降の冷却速度を種々に変え、1
000℃に到達後急冷してその組織を固定したもののオ
ーステナイト(r)粒径を前記冷却速度で整理して表し
たグラフである。この第8図からは、オーステナイト単
相化温度(TT)が最も高くてオーステナイト粒が粗大
化し易い包晶組成ccp =0.11+)の鋼であった
としても、オーステナイト単相化温度(TT)以降の冷
却速度を大きくしてやればオーステナイ1−(r)粒の
粗大化を防止できることが分かる。
(kl  ところで、連続鋳造途中の鋳片の表面割れ傾
向や、連続鋳造に引き続いて行われる熱間直送圧延又は
ホットチャージ圧延での鋼片の表面割れ傾向は、連続鋳
造鋼片表層部(表面から3 van程度、多くとも10
 mW )の割れ感受性によって決まってくること。
(11従って、包晶組成付近の鋳片であってもオーステ
ナイト単相化温度(TT)以降の表層部冷却速度を大き
くすると、該表層部におけるオーステナイト粒の粗大化
が抑制されてφ位体積当たりの結晶粒界面積の大きい細
結晶粒組織が得られるようになり、このため結晶粒界に
集まる析出物や偏析の密度が低くなって割れ感受性が緩
和されるとともに靭性も高くなるので、前記表面割れの
恐れが払拭されてしまうこと。
(ml  このようなことから、連続鋳造によって製造
される鋳片の鋳造途中における表面TM(割れ)発生や
、連続鋳造鋳片を熱間圧延する際の表面疵(割れ)発生
傾向の強い鋼種を前記式(Cp値を算出する式)によっ
て簡単・確実に予測することが可能であり、また、これ
らの鋼種についても、鋳片の表層部がTr以上の温度で
ある間に表層部の冷却速度:10℃/sec以上で急冷
処理することにより表面疵発生を安定して抑えることが
可能であること。
(nl  ところで、垂直型又は湾曲型連続鋳造機に使
用されている通常の鋳型(長さが700〜900璽爾か
それ以−ト)では、溶鋼メニスカス近傍でこそ凝固シェ
ルと鋳型壁とが溶融パウダーを介して密着した状態の凝
固が進行し十分な冷却速度が確保されるものの、それよ
り下方になると溶鋼の凝固収縮と鋳片の温度降下に伴う
収縮とで鋳片は鋳型壁面から離れ鋳型の抜熱作用を損な
うエアーギヤノブを生じるようになって著しい冷却遅れ
が生じるので、[1記のような早い時期での高冷却速度
の確保は不可能であると言う問題があり、また、寸法の
短い鋳型を使用して鋳型内は極く薄い鋳片表面凝固層の
みを形成し、鋳型下端から早めに引き抜いた鋳片に冷却
媒体を吹き付けることで高温度域での冷却速度を高める
と言う手段を試みると鋳片のブレークアウトが起きる危
険が極めて高かったが、鋼の連続鋳造用両端開放鋳型と
して、第9図に示されるように鋳型1の上部内壁面2に
鋳片表層部温度測定用の検温センナ−3と冷却媒体吹き
込み用ノズル孔4とを配設し、かつ該上部内壁面2の上
方に冷却媒体吸引用導通孔6を設けることにより下部内
壁面に達した鋳片表層部の温度が先に述べた適正な範囲
(“1゛γ”以1−の急冷効果が期待できる範囲)であ
るか否かを検温センサー3にて検知するとともに、適正
温度域にある鋳片表層部を10℃/sec以上の冷却速
度で冷却できるように検温センサー3を通じて冷却媒体
吹き込み用ノズル孔4からの冷却媒体吹き込み噌を調節
し得るようにし、かつ、吹き込まれた冷却媒体が鋳型l
の上部内壁面5と溶鋼7のメニスカス8との間に間隙を
作ってそこからl−力に吹き抜け、メニスカス8近傍の
冷却を不安定化するのを冷却媒体吸引用導通孔6からの
スムーズな排出により確実に防止できるようにしたもの
を使用すると(なお、第9図において符号9は凝固シェ
ルを、符号10は冷却水通路を、そして符号11は冷却
水スプレーノズルをそれぞれ示す)鋳片ブレークアウト
による危険を確実に回避しつつ鋳込まれた溶鋼の高温で
の高い冷却速度を容易に確保することが可能となり、鋳
片表層部をT1以上の温度から10℃/sec以−ヒの
冷却速度で冷却すると言う条件を安定して達成できるよ
うになること。
即し、第9図において、鋳型1中に溶鋼7が鋳込まれと
まず鋳型の上部内壁面5の抜熱作用によって極く薄い凝
固シェルが形成されるが、この上部内壁面5の長さを例
えば 500fl程度(メニスカス下の長さ:300m
程度)と極く短かくしてお(と、鋳片の凝固シェルが形
成されたばかりの部分は直ちに下部内壁面2の位置にま
で降下されることとなり、冷却媒体吹き込み用ノズル孔
4から吹き込まれて冷却媒体吸引用導通孔6へと還 C 流する冷却媒体(例えばHeガス等)によって効率良く
冷却されるので、従来の両端開放鋳型におけるような、
“凝固や冷却による収縮のために凝固シェル面が鋳型内
壁面から離れて両面間に空気層を形成し、これによって
冷却遅れを生じる°と言う不都合を来たすことがなく、
しかも、検温センサー3により急冷開始鋳片の表層部温
度を正値に確認することができる上、冷却速度の調整も
容易となり、従って鋳片表層部の高温度域における高い
冷却速度が安定に確保されるのである。また、このよう
な鋳型であれば所望厚の凝固シェルが形成されるまでの
鋳片部分を鋳型内に止めておくことができるので、ブレ
ークアマシトによる危険が牛しることもない。なお、冷
却媒体吹き込み用ノズル孔4から吹き込む冷却媒体とし
−ζは、11(・ガス等の冷却ガスのほか、これらと水
との?Ii合ガス等を採用することもできる。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 鋼の連続鋳造に際し、両端開放鋳型内で溶鋼から鋳片表
層部を形成した後、該鋳片表層部をオーステナイト単相
化温度以上から10℃/sec以上の冷却速度で冷却す
ることにより、表面疵がなくしかも表面割れ感受性の低
い連続鋳造鋳片を鋼種に影響されることなく安定して量
産し得るようにし、以て連続鋳造鋳片の熱間直送圧延又
はホントチャージ圧延時の熱間割れを抑制して表面疵の
発生を防止するのをも可能とした点、 に特徴を有するものである。
ここで、「鋳片表層部」とは、鋳片の表面から311程
度、多くともIon程度までを指すものである。
そして、この発明の方法は鋼種を問わずに適用できるこ
とは勿論であるが、得られる効果の点からすればC:0
.7%以下、Mn:3%以下、Ni:3%以下、Cu:
2%以下及びN:0.5%以下で、更に必要によりCr
:3%以下、Nb : 0.5%以下、■二0.5%以
下、Ti : 0.5%以下、へj!:Q、1%以下及
びSi:3%以下のうちの1種以上をも含み、かつ、式 で算出されるCaO値が0.6を下回る低合金鋼(通常
の不可避不純物が含まれていても何ら影響を受けない)
を対象としたときに特に著しい。
なお、この発明において、溶鋼から形成された直後の鋳
片表層部の冷却条件を、特に[オーステナイト単相化温
度以上から10℃/sac、以上の冷却速度で冷却する
」と限定した理由を以下に説明する。
即ち、先に指摘した第6〜7図からも明らかなように、
鋳型内で凝固を始めて形成された鋳片表層部の温度がT
γ以下になるとγ粒の粗大化傾向が著しく顕著化するが
、このときに該鋳片表層部を特定の速い冷却速度で冷却
するとオーステリーイト(γ)粒の粗大化が抑制され、
鋳片表面疵の発生を十分に抑えることができる。ところ
が、この際の冷却速度が10℃/sec未満であるとオ
ーステナイ1−D)粒の粗大化抑制効果が不十分となり
、割れ感受性の低い鋳片を安定して得ることができなく
なる。従って、溶鋼から凝固・形成された直後の鋳片表
層部の冷却条件は、[オーステナイト単相化温度以上か
ら10℃/sec以上の冷却速度で冷却する」と定めた
。なお、第8図は、先にも説明したように鋳片表層部の
温度がTγを切ってからの冷却速度とオーステナイト(
T)粒との関係を示した線図であるが、この第8図から
も、前記冷却速度が10℃/sec以上であれば十分な
オーステナイト粒粗大化抑制効果を得られるのに対して
、該冷却速度が10℃/sec未満であると鋳片表層部
のオーステナイト粒が粗大化傾向を見せ、オーステナイ
ト粒界破壊を伴う鋳片表面疵の多発を招くようになるこ
とが明らかである。
また、先にも述べたように従来の垂直型又は湾曲型連続
鋳造機の鋳型では高温度域における鋳片表層部の冷却速
度を10℃/sec以上とすることは不可能であるが、
第9図に示す如き、内壁部に鋳片表層部の温度を測定で
きるセンサーと冷却媒体噴出ノズル(センサーの間に配
置され、冷却媒体噴出の調整が可能)をそれぞれ複数個
備えた両端開放鋳型を使用するか、或いは、両端開放鋳
型の長さを短かくすると共に、出口での鋳片表層部温度
がTr以トとなるように鋳片の引き抜き速度を調整した
上で鋳型直下で鋳片に冷却媒体を吹き付ける方法を採用
する等の手段により、前記冷却速度の確保は十分に可能
となる。
次に、この発明を実施例により比較例と対比しながら具
体的に説明する。
〈実施例〉 実施例 1 第2表に示されるところの、熱間圧延時に割れを生じ易
い成分組成であるA鋼を溶解し、実用の湾曲型連続鋳造
機(湾曲半径:12.5m)によって断面寸法が250
mX1200■lのスラブを次の2つの条件で製造し、
その表面疵発生状況を観察した。
■ 本発明の方法に従った条件(本発明例)第9図で示
されるような、内壁部に鋳片表層部の温度を測定できる
センサーと冷却媒体噴出ノズルとをそれぞれ複数個備え
た両端開放鋳型(形状と寸法は第3表に示す)を使用し
、鋳片表層部の第   3   表 温度がTrに近いことを感知したセンサーよりも上部位
置にあるノズルからの冷却媒体噴出量を多くすることに
よって該鋳片表層部の冷却速度を10’C/sec以上
に調整する。
■ 従来法通りの条件(比較例) 従来通りの両端開放鋳型を使用し、鋳型を出た後の鋳片
に対しては通常の水スプレー冷却を実施する。
なお、このときの鋳片表面の冷却速度をδ−デンドライ
トのアーム間隔により確認したが、その結果を第10図
に示す。
さて、鋳片表面疵の目視評価は表面温度二850℃でス
ラブ矯正点を通過した後の鋳片について実施したが、本
発明法によって得られたスラブは表面疵の発生が全く認
められなかったのに対して、比較法では表面疵の多発が
観察された。
実施例 2 第2表に示されるところの、連続鋳造鋳片には表面疵が
発生しにくいもののその後の熱間圧廷時に割れを生じ易
い成分組成である13鋼を溶解し、実施例1における条
件と同様の本発明法と比較法とで連続鋳造して断面寸法
が250mX1200−1のスラブを製造した。
この時の鋳片表面の冷却速度を、得られたスラブから採
取した試料のδ−デンドライトのアーム間隔によって確
認したが、その結果は第11図に示す通りであり、また
表面温度:950℃でスラブ矯正点を通過した鋳片につ
いて表面性状の観察を行ったが、何れのスラブにも表面
疵は認められなかった。
続いて、前記スラブ矯正点を通過した鋳片を切断し、約
900℃の温度にてそのまま125mm厚にまで5パス
での圧延を実施したところ、本発明法によって得られた
スラブには疵の発生が全く認められなかったのに対して
、比較法によるスラブには割れ疵が多発することが観察
された。
以上に説明した如く、この発明によれば、連続鋳造途中
や、これに続く熱間直送圧延又はホットチャージ圧延中
に割れ疵を発生し易い鋼種を用いても、それらのトラブ
ルを生じることなく所望製品の製造を実施することが可
能となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、C含有量と鋳片表面疵発仕W度との関係を示
すグラフ、 第2図は、Fe−C系鋼のC含有量とオーステナイト粒
径との関係を示すグラフ、 第3図は、Fe−C系平衡状態図、 第4図は、綱のCp値とオーステナイト粒径との関係を
示すグラフ、 第5図は、鋼のCp値とオーステナイl相化温度(Tr
)との関係を示すグラフ、 第6図は、冷却途中の各種C含有量の炭素鋼を種々の温
度にて水焼入れして組織を固定した際の、水焼入れ温度
とオーステナイト粒径との関係を示すグラフ、 第7図は、オーステナイト単相化温度(’l’r)の前
後における組織変化を比較した顕微鏡写真図であり、第
7図(a)は1470℃(Tr+5℃)から水焼入れし
た状態を、そして第7図(blは1460℃(Tγ−5
℃)から水焼入れした状態をそれぞれ示すもの、 第8図は、鋼のオーステナイト単相化温度以降の冷却速
度とオーステナイト粒径との関係を示すグラフ、 第9図は、本発明の方法を実施するのに好適な鋳型を使
用した連続鋳造の状況を示す模式図、第10図並びに第
11図は、それぞれ実施例1及び2において得られた鋳
片の、鋳片表面からの距離と冷却速度との関係を示した
グラフである。 図面において、 1・・・鋳型、       2・・・下部内壁面、3
・・・検温センサー、 4・・・冷却媒体吹き込み用ノズル孔、5・・・上部内
壁面、 6・・・冷却媒体吸引用導通孔、 7・・・溶鋼、       8・・・メニスカス、9
・・・凝固シェル、   10・・・冷却水通路、11
・・・冷却水スプレーノズル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 両端開放鋳型内で溶鋼から鋳片表層部を形成した後、該
    鋳片表層部をオーステナイト単相化温度以上から10℃
    /sec以上の冷却速度で冷却することを特徴とする、
    連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法。
JP20507586A 1986-09-02 1986-09-02 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法 Pending JPS6363559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20507586A JPS6363559A (ja) 1986-09-02 1986-09-02 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20507586A JPS6363559A (ja) 1986-09-02 1986-09-02 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS6363559A true JPS6363559A (ja) 1988-03-19

Family

ID=16501009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20507586A Pending JPS6363559A (ja) 1986-09-02 1986-09-02 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6363559A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02133529A (ja) * 1988-07-08 1990-05-22 Nippon Steel Corp 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
US8939194B2 (en) 2008-07-15 2015-01-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Continuous cast slab and producing method therefor
JP2015182110A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 新日鐵住金株式会社 厚鋼板用の連続鋳造鋳片

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02133529A (ja) * 1988-07-08 1990-05-22 Nippon Steel Corp 表面品質が優れたCr―Ni系ステンレス鋼薄板の製造方法
US8939194B2 (en) 2008-07-15 2015-01-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Continuous cast slab and producing method therefor
JP2015182110A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 新日鐵住金株式会社 厚鋼板用の連続鋳造鋳片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100224487B1 (ko) 오오스테나이트계 스테인레스강의 연속주조방법
JP2002086252A (ja) 連続鋳造方法
JPS6363559A (ja) 連続鋳造鋼片の熱間割れ防止方法
JP2928382B2 (ja) 極低炭素アルミキルド鋼の連続鋳造方法
JP2001138019A (ja) 連続鋳造方法
JP2518618B2 (ja) 鋼の連続鋳造用鋳型
JP3952580B2 (ja) 連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法および判定装置
JP6413644B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法および連続鋳造鋳片
JPS61195745A (ja) 鋼の連続鋳造用鋳型
JP3215573B2 (ja) 含ニッケル鋼の連続鋳造方法
JP3039369B2 (ja) Ni含有鋼の製造方法
JP3259270B2 (ja) 連続鋳造方法
JP2944476B2 (ja) 鋳片の表面割れを防止した連続鍛圧法
JP3374761B2 (ja) 連続鋳造鋳片、その連続鋳造方法および厚鋼板の製造方法
JP3402291B2 (ja) 連続鋳造鋳片、その連続鋳造方法および厚鋼板の製造方法
JPS63192537A (ja) オ−ステナイト系ステンレス鋼鋳片の連続鋳造法
JPS61193758A (ja) 表面性状の良好な熱間加工鋼材の製造法
JPS61195742A (ja) 鋼の連続鋳造装置
JPS63177950A (ja) フエライト系ステンレス鋼の鋳造方法
JPS62156056A (ja) 低合金鋼の連続鋳造方法
JPH0324297B2 (ja)
JP3283746B2 (ja) 連続鋳造用鋳型
JP4409167B2 (ja) 連続鋳造方法
JP2002361372A (ja) 高Cr含有鋼の鋳造方法
JP4612271B2 (ja) 極低炭素鋼の連続鋳造方法