JPS6350546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水道配管等における管の接続部分の継
手として使用され、特に継手部分において伸縮が
可能な継手に関するものである。

この種の伸縮継手は種々の構造のものが使用さ
れているが、止水が完全であること及び伸縮の対
応強度が容易に調整できることに対して充分満足
するものはない。つまり伸縮に関与する調整機構
が止水用のパツキングを押圧する点にあるため、
押圧を強くさえすれば止水もブレーキも強く作用
することになるが、これを反対に弱くすると締付
けから開放されたパツキングが水圧によつて変形
し、漏水の原因になつている。

このような従来例の構造にあつては、パツキン
グ又はＯリングの位置する部分が継手本体の端縁
内側におけるテーパー面のある部分であつて、テ
ーパー面に押し付けることにより圧縮変形させて
止水と伸縮のブレーキとを行わせている。従つ
て、パツキングは内部の水圧によつて常に外側に
押され、しかも外側に移動することによつて簡単
に弛んでしまい、水漏れが生じ易いのである。

本考案はこのような実情に鑑みなされたもので
あつて、その目的は止水用のパツキン又はＯリン
グに関係なくユニオンソケツトの伸縮抵抗を任意
に調整することができる伸縮継手に関するもので
ある。

以下本考案を図示の実施例により詳しく説明す
ると、１は伸縮継手本体であり、該本体の一方の
端部にはユニオンソケツト２が摺動自在に挿着し
て取付けられる。継手本体１のユニオンソケツト
が取付けられる端部において、内側に段部３が形
成されると共に、外側にはねじ山４が形成され
る。継手本体の他方の端部側には、その内側にね
じ部５が設けられると共に、内側にリング状に突
出するストツパー片６が一体に形成されている。

ユニオンソケツト２はその挿着側端縁の外側面
に外側へ張り出したリング状のストツパー７が一
体に形成されている。

このような継手本体１とユニオンソケツト２と
の連結において、予めユニオンソケツト側に一対
のストツパーリング８，９と該ストツパーリング
でサンドイツチ状にしたパツキング又はＯリング
１０を嵌めると共に、外周面にテーパー面１１ａ
を有する割リング状のブレーキリング１１を嵌め
込み、継手本体との連結時に一対のストツパーリ
ング８，９とＯリング１０とが段部３内に嵌り込
み、ブレーキリング１１が継手本体の端縁に当接
するようにする。そして、このブレーキリングの
テーパー面１１ａを当接させて袋ナツト１２をね
じ山４に螺合させ、袋ナツトの締付及び弛緩によ
つてブレーキリング１１とユニオンソケツト２の
外周面との当接圧、即ちブレーキ力が調整できる
ようになる。

茲に使用されるブレーキリング１１は、第３図
に示したものが使用されるが、切離し部１１ｂを
有する割リング状のものであり、切離し部の間隔
によつて締付度に限界が生ずるようにしてある。
更にこのブレーキリング１１の形状は、第４図に
示したように、継手本体側に当接する部分にフラ
ンジ部１１ｃを設けて、当接の安定とそれ自体の
強度を向上させてある。

このように構成された本考案の伸縮継手は、一
対のストツパーリング８，９と一緒にＯリング１
０を継手本体の内側の段部３内に納められてお
り、ユニオンソケツト２と継手本体１との間でＯ
リング１０を押し漬した状態で保持し、内側から
の水圧が掛つても、Ｏリング１０が外側に位置す
るストツパーリング９側に片寄るだけで漏水は生
じないのである。特に水圧が高くなつてもＯリン
グのストツパーリング９への押し付け圧が高くな
り、止水方向への変形であるため増々止水効果が
増大し漏水現象は生じない。

ユニオンソケツト２の伸縮に係る磨擦度合、即
ちブレーキ度合は、ブレーキリング１１をユニオ
ンソケツト２の外周面に圧接させる度合によつて
調整する。つまり、袋ナツト１２を締付けると、
ブレーキリング１１のテーパー面１１ａを介して
ブレーキリングを縮径させるように作用し、ブレ
ーキリングが縮径すればユニオンソケツト２との
当接圧が増大してブレーキ作用をし、ユニオンソ
ケツトの伸縮における規制がなされる。つまり、
水道管配設に当り、水道管連設後に水圧試験等を
行つて水漏れ等をチエツクするが、この時に掛け
られる水圧は17.5Kg／cm²であり、この程度の水
圧では伸びないようなブレーキが掛つていれば良
いのである。従つて袋ナツト１２を締めてブレー
キリング１１のユニオンソケツトに対する当接圧
を加減し、20〜25Kg／cm²で伸縮するようにすれ
ば良い。これは実験的に締付強度を算定し、トル
クレンチ等の器具を用いて締付ければ良い。この
ブレーキリング１１の締付けを行つても、Ｏリン
グ１０には何等影響を及ぼさないので、止水効果
等において変化はない。

以上説明したように本考案に係る伸縮継手は、
袋ナツトとブレーキリングとを介してユニオンソ
ケツトが接続される構成になつているため、袋ナ
ツトを締付けてブレーキリングを縮径し、それに
よつてユニオンソケツトとの当接圧を任意に調整
できるので、伸縮のためのブレーキ力を所定の値
に調整することができると云う優れた効果を奏す
る。

更に、ブレーキ力の調整はブレーキリングの縮
径によるため、止水用のパツキン又はＯリングと
は無関係となり、特にＯリングがテーパー面では
ない位置の段部に配設され、しかも一対のストツ
パーリングでサンドイツチされているので、内側
からの水圧が高くなつても外側のストツパーリン
グに対して押圧作用が掛るのみで、漏水すること
なく止水効果が一段と高まると云う効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る伸縮継手の一部を断面で
示した側面図、第２図は同伸縮継手の要部拡大断
面図、第３図は同伸縮継手に使用されているブレ
ーキリングの斜視図、第４図は他の実施例に係る
ブレーキリングの斜視図である。 １……継手本体、２……ユニオンソケツト、３
……段部、４……ねじ山、５……ねじ部、６……
ストツパー片、７……ストツパー、８，９……ス
トツパーリング、１０……Ｏリング、１１……ブ
レーキリング、１１ａ……テーパー面、１２……
袋ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 継手本体の一方の端部にユニオンソケツトを摺
   動自在に挿着させた管継手において、前記一方の
   端部の内側に段部を形成すると共に外側にねじ山
   を形成し、前記ユニオンソケツトの挿着端縁には
   外側に張り出させたストツパーを一体に形成し、
   該ストツパーが係合するように前記段部内に一対
   のストツパーリングとこれらストツパーリングで
   サンドイツチしたＯリングとを配設し、前記継手
   本体の端部に当接させて縮径できるブレーキリン
   グを配設し、該ブレーキリングは前記外側のねじ
   山に螺合した袋ナツトにより適宜の締付圧をもつ
   て締付けられるように構成したことを特徴とする
   伸縮継手。