JPS6349792B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はローラを支持する重量部材を軌道に沿
つて移動できるように軌道またはレールと係合さ
せて使用する荷重支持ローラ構造体の改良に関す
るものである。特に本発明はレールに沿つて摺動
するドアーまたは窓を支持するローラ構造体に関
するものである。

軸に回転輪を取付けた形状の車輪からなるロー
ラ構造体はすでに公知である。またレールまたは
軌道上に配置するため特別な形状のリムまたは同
様のタイヤを有する車輪を備えることも知られて
いる。更に耐摩耗性および低摩擦性の種々の材料
からなるローラ構造体を備えることも知られてい
る。しかしながら、公知の型式のローラ構造体は
通常重量物を支持するのに使用するとき１つの明
瞭な不利益を受け、これは負荷または圧力が働か
されるレールまたは軌道との接触区域が非常に小
さいということにある。この負荷または圧力は摩
耗および変形がローラおよび軌道の双方に発生す
るということを意味し、かつ同様にタイヤまたは
特別な軌道またはレールでは多くの場合最終的な
ローラ構造体を非常に扱いにくく、または非常に
高価にしてしまうか、もしくは修理または交換が
できないように複雑にしないかぎりは摩耗または
変形を回避することができない。

本発明の目的は、前述の欠点を防止するように
その構造を改良したローラ構造体を提供すること
にある。

本発明による軌道またはレール上に移動する部
材に取付けるようにしたローラ構造体は複数の短
いローラが配置され且つローラが転動しながら移
動する連続楕円形通路を有する筐体から構成し、
該筐体には前記通路の直線部分に通じる細長いス
ロツトまたは溝穴を形成し、それにより短いロー
ラの複数の回転接触面をレールと係合させるよう
にしたものである。

本発明によるローラ構造体の複数の回転接触面
は負荷または圧力を単一の車輪またはローラによ
るよりも大きな接触区域または支持区域にわたつ
て分布せしめる。

好ましくは、ローラ筐体には楕円形の通路を形
成し、使用時にはこの通路に沿つてローラが移動
する。前記短いローラは筐体内に配置した対向端
をもつ円筒体の形状にしてあるので、各ローラの
中央部分が筐体内のスロツトまたは溝穴を介して
露出される回転接触面を備えるようになつてい
る。

前記筐体はそれぞれ楕円形の溝を有する２つの
同様な対向筐体部で形成されているので、前記対
向筐体部を互いに組立てると溝が通路を形成す
る。ローラの数および寸法は負荷、軸承接触面お
よびレールまたは軌道の基準に依存して変えるこ
とができる。

直線型、たとえば回転接触面と係合するリブま
たはビーズを有するレールまたは軌道において
は、本発明のローラ構造体の筐体に形成したスロ
ツトまたは溝穴の対向側部に、レールまたは軌道
上にローラ構造体を配設するための接触面または
案内面を設けることができる。

筐体または短いローラは低摩擦材料、たとえば
アセタール樹脂から作ることが好適である。樹脂
の種類は所望の物理的特性にしたがつて選択でき
るが、他の材料も軌道またはレールに使用される
材料と適合するように使用することもできる。ア
セタール樹脂はドアーまたは窓を摺動させる軌道
またはレールに一般に使用されるようなアルミニ
ウム合金との使用にとくに適するものである。

ドアーまたは窓を摺動させるのに使用するロー
ラ構造体に生じる他の問題は開口またはレール間
隔の高さの差に順応させ、かつ嵌合せ中にドアー
または窓を調整するための調整機構を備えること
にある。本発明によるローラ構造体の筐体はキヤ
リヤ内に取付けられ、該キヤリヤは一方ではロー
ラ構造体を嵌合することができ、他方ではキヤリ
ヤを中心に筐体の調整を行うことができるように
なつている。

好ましい構成において、キヤリヤは筐体と係合
し且つローラの通路の直線部分を中心に傾斜させ
た少なくとも１つの面を有し、筐体は軌道または
レールを中心に本発明によるローラ構造体によつ
て支持される部材を上下動させるように前記直線
部分の範囲の距離を変えるために前記傾斜面上で
調整運動するように取付けられている。

このように調整は前記傾斜面に沿つてキヤリヤ
を中心に筐体を押圧または移動させるように配設
した１本のネジまたは棒によつて達成することが
できる。好ましくはキヤリヤ上に筐体を配設する
２つの傾斜面を有する。筐体の運動を制限するた
めに受台またはストツパを設けることができる。

本発明のローラ構造体をパチオドアーに実施し
た添付図面に示す実施例について詳細に説明す
る。

本発明の実施例に関し、第１図および第２図に
は框２と下側横木部材３からなる金属製フレーム
を有するパチオドアーを支持するために配置され
た従来の真直な軌道またはレール１を示してあ
る。フレームには公知の方法で全体的または部分
的にガラスが入れられ、そして下側横木部材３は
その内部にローラ構造体４を隠す逆溝形状の部分
を含んでいる。さらに、框２は中空部分からなつ
ている。通常、金属製フレームは押出しアルミニ
ウム部品からなつている。

ローラ構造体４はドアーのフレーム部材に固着
するため止めネジ２６および２７を螺合するさら
穴付ネジ孔２５を有するキヤリヤ５を含んでい
る。ドアーの設計および構造によつて適宜の固着
手段を設けることができる。

キヤリヤ５は平面図においてほゞ矩形の形状に
なつているが対向する２つの同じ側部６を有し、
これらの側部６は離して配置され且つそれらの間
に筐体７が収容される溝状凹部を形成している。
キヤリヤ５は好ましくは金属製であり、ダイキヤ
ストのごとき鋳造品から成るかまたは組立体であ
つてもよい。

筐体７は中央ボルトとナツト８によつてともに
保持される２つの同じ対向部材７ａおよび７ｂか
ら形成されている。各筐体の対向部材７ａ，７ｂ
は楕円形の溝９ａ，９ｂをそれぞれ有し、これら
の溝部分は複数の短い円筒状ローラ１０の端部を
収容するようにチヤネル形状になつている。特
に、第３図および第４図から明らかな通り溝９
ａ，９ｂは筐体部７ａ，７ｂがともに連結される
際にローラ１０を閉じ込めるところの通路を形成
する。

ローラ１０は通路のまわりを移動しながら転動
できるように十分な間隙を有して配置されてい
る。筐体部７ａ，７ｂおよびローラ１０はアセタ
ール樹脂のような低摩擦のプラスチツク材料から
作られている。

組立てを便利にし且つ筐体部７ａ，７ｂを配置
するために、一方の筐体部に他方の筐体部の嵌合
孔内に受容させる突起１１を設けるか、もしくは
独立のピンを設けることができる。更にキヤリヤ
の内面には短い長手方向のリブ（図示せず）を形
成してあり、このリブは筐体部７ａ，７ｂの接合
面に延伸する溝穴１２ａ，１２ｂによつて筐体７
に形成された長手方向スロツト内に配置せしめら
れている。

また筐体部７ａ，７ｂはそれぞれの溝９ａ，９
ｂに通じる筐体部の下端に沿つて延伸している溝
穴１３ａ，１３ｂを有している。組立てた筐体に
おいて、これらの溝穴１３ａ，１３ｂは細長いス
ロツト１３を形成し、該スロツト１３を介して複
数のローラ１０がレール１の頭部と回転係合する
ようになつている。回転係合するように装着され
たこれらローラ１０の長さは実質上直線でありそ
して各ローラ１０は軸受面を有し、この軸受面を
介して荷重を伝達することができる。これはレー
ル１の長さに沿う全荷重の広がりを達成し且つ高
い荷重点が回避される。

加えて、スロツト１３の対向側面はレールの頭
部の各側部に延伸する作用をなし、これは摺動運
動中レールの長さに沿つてドアーを支持するロー
ラ構造体の配置と案内を援助する。

このローラ構造体のさらに他の特徴によれば、
短いローラ１０を支持する筐体７はキヤリヤ５に
関して上下に調整することができ、又レール１に
関してパチオドアーを調整させることができる。
このような調整は嵌合せ、取外しまたは取付けも
しくは部品の摩耗のときに必要とされる。

この調整のために、キヤリヤ５の各側部６は傾
斜面１４を備え、この傾斜面に対して筐体７の各
側部の同様な傾斜面１５が摺動可能に係合させて
配設してある。組立て筐体の端面１６は切欠部に
配置させた小さなスラスト板１７を備えている。
このスラスト板１７はキヤリヤ５の端壁１９から
螺入させた調整ネジ１８によつて係合されるよう
に配設されている。金属製フレームの框２に設け
たクリアランス開口部２０を介して調整ネジ１８
の頭部を回転させると、筐体７はキヤリヤ５に関
して筐体の位置を変えられるように傾斜面に沿つ
て移動することができる。２つの調整端部位置を
第１図および第２図に示してある。

ローラ構造体をともに保持し且つ調整を制限す
るために、受止め板２１がスラスト板１７に対向
するキヤリヤ５の端面に形成した切欠溝穴２２に
取付けられている。該受止め板２１は筐体部５
ａ，５ｂにそれぞれ形成された２つの突起２３
ａ，２３ｂと係合するための受けを備えるように
配設されている。これらの突起２３ａ，２３ｂは
各々傾斜面１４と平行に延伸して、キヤリヤ５の
側部６に設けた案内面２４を有する傾斜スロツト
を補足し、その案内と配置を助けるように配設さ
れている。

調整範囲はキヤリヤおよび筐体の寸法を変える
ことにより種々変えることができ、ローラ通路の
長さ、使用される材料の型式および他の特性を変
えることによつて荷重支持能力を増大させること
ができる。

筐体とローラがアセタール樹脂からなる前述の
実施例によるローラ構造体について試験を行つ
た。ローラはポリアセタール棒から作られその直
径は約８mmであつた。一対のローラ構造体を重さ
113.6キログラムのドアーに取付け、該ドアーを
1.22メートルの長さの軌道上を前後運動せしめる
ように配設した。一回の往復運動は各ローラ構造
体の回転運動の2.44メートルを示しかつ時間当り
の往復運動を420回とした。30000往復運動および
200時間に相当する積載または静止荷重の期間後、
ローラ構造体を検査した。ローラまたは該ローラ
運動のための通路を形成する筐体部の目に視える
摩耗の徴候は認められなかつた。したがつて、さ
らにドアーに45.5キログラムの荷重を加えてさら
に10000往復運動を静止荷重下で50時間で行つた。
再び検査した後、摩耗または損傷の徴候は認めら
れず、且つ両ローラ構造体はさらに使用するに適
するものであつた。この試験は、40000往復運動
が27年間１日４回ドアーを開閉するのに相当する
ことを意味することにより有益である。また留意
すべき重要なことはこの試験が局部変形または局
部応力が生じる静止荷重期間を含んだが、これら
の変形または応力は負荷が軌道と係合する複数の
ローラにわたつて分布されるため認められなかつ
たことにある。

さらに、正円筒形状の短いローラの使用は製造
および組立てに有利ではあるが、他の形状も使用
することができる。例えば、ローラを、レールの
頭部の形状と相当するような形に作ることもで
き、またローラの端部に段を付けることもでき、
更にローラを支持ピン上に複数のスリーブまたは
管を組立てることによつて作ることもできる。

本発明によるローラ構造体は容易に取外しまた
は取換えることができ、且つ注油の必要もない。
筐体は好ましくは低摩擦材料から作られるけれ
ど、ローラと共に使用されるため適当な摩耗およ
び摩擦特性を有するように選ばれたアルミニウム
または亜鉛合金のような金属から作ることもでき
る。

またキヤリヤの構造は、とくに組立て筐体を囲
む側部を開放した箱状キヤリヤや、該側部を閉じ
かつ筐体部をともに組立てゝ保持するような一枚
の板を設けるように変更することもできる。この
ような構造において、箱状キヤリヤは傾斜面を備
えかつ開放側方部および側板には相補溝または凹
部が設けられる。本発明は上述した構成であるか
ら、複数のローラは楕円形通路に沿つて転動しな
がら移動し且つ直線状溝穴を介してレールに複数
の転動接触面を備えるので、全荷重と圧力とをレ
ールの長さの大きな区域に分散でき、レールに沿
つてドアーを軽快に走行させることができると共
に摩耗を減少させることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明によるローラ構造体の実施例を示し
たもので、第１図は軌道上を摺動するローラ構造
体を取付けたパチオドアーの角隅部を示す正面
図、第２図は軌道に関してパチオドアーを持ち上
げた調整位置にあるローラ構造体を示す第１図と
同じ正面図、第３図はローラ構造体の一部を断面
で示した斜視図、第４図はローラ構造体の分解斜
視図である。 １…軌道、４…ローラ構造体、５…キヤリヤ、
７…ローラ筐体、７ａ，７ｂ…筐体部、９ａ，９
ｂ…連続通路、１０…ローラ、１３…スロツト、
１４，１５…傾斜面、１８…調整ネジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ドアー等に取付けるキヤリア５と、該キヤリ
   ア５に支持され且つレールと係合する複数のロー
   ラを支持するローラ筐体７とから構成し、ローラ
   筐体７を２つのローラ筐体部材７ａ，７ｂから形
   成し、各ローラ筐体部材には楕円形の溝９ａ，９
   ｂとローラ筐体部材の下端に沿つて溝９ａ，９ｂ
   に開口している溝穴１３ａ，１３ｂとをそれぞれ
   形成し、連続楕円形通路を形成するため溝９ａ，
   ９ｂを並列させると共に該楕円形通路の直線部分
   に開口する縦長溝穴１３を形成するために溝穴１
   ３ａ，１３ｂを並列させ、ローラを短い正円筒体
   の形状にさせてローラ筐体部材７ａ，７ｂ間に延
   伸させると共にその対向端を溝９ａ，９ｂに配置
   させたことを特徴とするローラ構造体。 ２ ドアー等に取付けるキヤリア５と、該キヤリ
   ア５に支持され且つレールと係合する複数のロー
   ラを支持するローラ筐体７とに係合傾斜面１４，
   １５をそれぞれ備え、傾斜面１４，１５の関連位
   置を移動させてキヤリア５に関してローラ筐体７
   の位置を垂直方向に移動させるようにキヤリア５
   とローラ筐体７との間に作用する調整機構をキヤ
   リア５に配設させたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載のローラ構造体。