JPS6347564B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 米国特許第3938231号において開示されている
様に、中心切削エンドミル（center cutting end
mill）が以前にも開発されており、該米国特許に
おいては、軸方向に進行する切削（axial plunge
cutting）或は半径方向の送りのために0゜の軸方
向リード角を伴つて、四角形のインサートが位置
決めされる。開示された形態の１つにおいては、
半径方向に対向した１対のインサートが用いら
れ、該インサートの１つは、エンドミルの中心軸
線を横断して延在する内方の円弧状のコーナー部
を伴つて位置付けられ、中心部を切削する作用を
もたらすが、一方、比較的外側にあるその他のイ
ンサートは軸方向に進行する切削において側壁部
表面を仕上加工し、且つ半径方向送り切削
（radial feed cut）については先行する切削エツ
ジをもたらす。

一方、その様なエンドミルは深さが限定された
軸方向に進行する切削について用いられ得るもの
であり、エンドミルの０度のアキシアルリード角
に配置された切削エツジは、全半径全体が同時に
ワークピースの外側表面に対して切削するが、正
のアキシアルリード角を有する切削エツジの場合
のように漸進的に切削しないので、ワークピース
の外側表面に対して垂直に貫通孔を穿孔するのに
は不十分である。

更に従来技術は、米国特許第3540323号及び第
3963365号において示された様なタイプの割出可
能なインサートドリルをも含んでおり、該米国特
許は各々が８つの割出可能な切削エツジを有する
一対の四角形インサートを用いており、該一対の
インサートは、一方のインサートにおける切削作
用を行うリード切削エツジ（lead cutting edge）
が内側半分を切削し、一方、他方のインサートは
孔の外側半分を切削する様に、位置決めされてい
る。内側インサートに関する負のリード角、すな
わち半径方向平面に対して進行方向と同方向への
傾斜角と、外側インサートに関する正のリード
角、すなわち半径方向平面に対して進行方向と逆
方向への傾斜角は、ドリル半径の約1/2の半径で
両方のインサートのリードコーナー部（lead
corner）が実質的に一致する。リード角は15゜か
ら45゜で用いられる。内側インサートの直線切削
エツジは（穿孔の）中心を横切つて延在してお
り、そして前記米国特許第3540323号の改良形で
ある前記米国特許第3963365号においては、内側
インサートのリードコーナー部は外側インサート
の対応するコーナー部の軸方向前方にて延在して
いる。前記米国特許第3963365号は更に、実質的
に直線中に進行する穿孔作業を行なわしめ且つ孔
の（内径部の）周囲面に対してドリル本体が摩擦
を生ずる事や該周囲面によつてドリル本体が摩耗
する事を防止する為に、ドリル本体の周囲面上に
１つ或いはそれ以上の、激しい摩耗に耐える耐摩
耗性ストリツプを設けることが必要であり、また
は望ましいと教示している。その様な要請は、
（外側インサートと）直径方向に向かい合つた関
係に位置された内側インサートにおける負の軸方
向リード角と組み合わされている外側インサート
における正の軸方向リード角を用いるという事
に、少なくとも部分的には関連していると思わ
れ、その結果、両方のインサートの切削エツジに
直角な反作用的切削力（reactive cutting force）
はドリル本体をかたよらせ、或はドリルの一方の
側に向かつて同一方向の成分を有する力を該ドリ
ルに付加してしまう傾向がある。

従来型ドリルを要約すれば、ドリルの侵入によ
るワークピースの反力は、切削エツジの取付角に
基く半径方向成分を含み、もしも侵入切削点のど
ちらかの側で平均を失えば、切削エツジは回転軸
線から離れてドリルのかたよりを生じさせる傾向
にある基本的な半径方向の力を生じる。また前記
侵入切削点の両側のどんな非対称切削エツジも、
前記のような平均を失つた半径方向の力を生じる
傾向があり、いずれもドリルの半径方向のふれを
生じるという欠点を有している。

発明の概要 本願発明は上記した従来技術の欠点に鑑み創作
されたものである。

アールがつけられた四角形の中心インサートを
有するドリルに関連して本明細書中で開示された
丸形中心インサートの改良点は、最も作業条件が
厳しくなつている中心部切削エツジが無限割出し
される事（図示の実施例において、丸形のインサ
ートが切削エツジにおけるポイントと共に調節可
能であり、そして理論的には円形切削エツジにお
いて無限個のポイントが存在し得る事）による利
点と共に、心立て作業の安定性が向上した事を含
んでいる。半径方向において最も内側の丸形イン
サートの切削エツジの円形アーク（円弧）は対称
形をした（工具）侵入用の心立溝（entering
centering groove）を形成するので、対称形の心
立溝においてはドリル軸線に関して、ドリルをど
ちらかの半径方向へかたよらせる力が生じること
はなく、またワークピースからの反力は丸形イン
サートの中心に向つて常に作用するので、ワーク
ピースからの平均した半径方向の反力によりドリ
ルは半径方向のふれを生じることはない。

従つて、本発明は丸形インサートと正方形イン
サートとの割出位置を組合せることにより、無限
数のかつ安定性に富む高速穿孔能力を有する割出
可能インサートドリルを提供することを目的とす
る。

好適実施例の記載 以下添付図面を参照して、本発明をさらに詳細
に説明する。

まず第１図について述べると、本発明の割出可
能ドリルは、中央の割出可能な丸形切削インサー
ト１２と、外側の割出可能な正方形（四角形）切
削インサート１３とを具えた切削端１１をもつた
シリンダ状シヤンク１０を含む。

インサート１２及び１３は切削面に垂直な側壁
を有するようにそれぞれ構成されており、丸形イ
ンサート１２は、半径の一部分の長さ１５−２３
だけドリル軸線１４からずれている最先端ポイン
ト２３Ａを伴つて延在している円弧状円形切削エ
ツジ２３を有し、この円弧状円形切削エツジは上
記最先端ポイント２３Ａてから実質的に前記軸線
１４を貫き、点１５に示すように軸線を通り越し
て延在している。また他のインサートポケツト１
８は、丸形インサート１２を位置付けている第１
のインサートポケツト１９の半径方向外側に設け
られ、全体形状が正方形のインサート１３を位置
付けている。正方形インサート１３の場合におい
てはターンオーバ割出（turnover indexing：イ
ンサートが異なる割出位置へ変位され回転され得
る事）や各面について四側面を割出す事に適合
し、丸形インサート１２の場合においては各面に
ついての無限割出に適合している。

インサート１２および１３は、丸形インサート
１２の場合各面に対する無限割出に、そしてイン
サート１３の場合各面に対する４つの側の割出お
よびターンオーバー割出に適合する切削面に垂直
な側壁を有して好ましくは構成されている。図面
を判りよくするため、インサートのレーキ角は第
３図に示されていないが、しかしながらポケツト
１８は、第２図および第５図に示すように10゜の
負の軸方向レーキ角を有し、一方、丸形インサー
トのポケツト１９は、第６図に示される12゜の負
のレーキ角を有している。

第３図に示されるように、各インサートの厚さ
が0.476cm（3/16インチ）で、一辺が1.270cm（1/
２インチ）の正方形インサートおよび直径が1.270
cm（1/2インチ）の丸形インサートを有する本発
明の実施例において、上記正方形インサートの切
削エツジ２０は、中心線の前方に配置されて負の
ラジアルレーキ角を有し、−例えば参照数字21で
示すように0.363cm（0.143インチ）先行し、一方
上記正方形インサートのシヨルダは、参照数字22
で示されるように、切削面の僅かに下方、例えば
中心線の前方約0.282cm（0.113インチ）に延び出
ている。

丸形インサート１２の場合、切削エツジ２３の
先導端は、参照数字24で示されるように0.071cm
（0.028インチ）だけ中心線から僅かに下方に延び
出し、一方負のアキシアルレーキ角の結果とし
て、ドリルの軸線１４に隣接する点１５における
切削エツジは中心線の下方約0.0127cm（0.005イ
ンチ）のところにある。上記丸形インサートのポ
ケツトシヨルダ２５は、参照数字26で示されるよ
うに、中心線の下方を0.127cm（0.050インチ）だ
けインサートの切削エツジの僅かに下方に延び出
ている。

第２図に示されるように、正方形インサートポ
ケツト１８は15゜の正のリード角を設けており、
インサートの切削エツジが、切削のコーン
（cone：もしもドリルが軸方向に前進する事なく
回転する場合に、それぞれの切削エツジによつて
払拭切削される円錐形の表面を云う。もしもその
様な円錐形表面が一対のインサートについて同一
であるならば、該インサートは回転の共通コーン
を形成する。）の重なり合うポイントにおいて、
0.005cm（0.002インチ）だけ丸形インサートの僅
かに後方を15゜の角度に沿つて延在し得る様に、
位置付けられている。

第７図を参照すると、切削インサートの上記の
様な配置により決定されるワークピースにおける
切削プロフイルが理解されるであろう。該プロフ
イルは、丸形インサートの切削エツジの初期接触
によつて形成される初期円弧状円形溝２８を含ん
でおり、該円形溝２８は中央の尖つた円錐２９に
おいて終結しており、且つ四角形インサートの切
削エツジ３１により交差される半径方向外方の周
縁部３０において終結しており、該四角形インサ
ートの切削エツジ３１は円形の陵部３２、直線部
分３３、円形の陵部３４、外側の直線部分３５、
及びドリルの直径に対応する末端コーナー部に至
るまで、外方に延在している。２つの四角形イン
サート３６が、第７図に想像線で示されている
が、図面の下端に示された方だけが、丸形インサ
ート３７に関連して切削を行なつており、他方の
想像線で示された四角形インサートは丸形インサ
ートに対して重なり合つた関係にある事を単に示
している旨が理解されるであろう。

第１，２および４図に関し説明すると、深い穿
孔のためには、中央通路４０、横断通路４１、連
結通路４２および削屑の洗い流す圧縮冷却液のた
めの広い縦溝４３を有している。この点に関し、
チツプ（切削により生ずる削り屑）の寸法が洗い
流し作用のための間〓に適合した（該間〓を閉塞
しない）ものである事を保証するために、即ち、
閉塞やジヤムを生じ得る大きなチツプを破砕して
冷却液によつて洗い流される様な十分に小さなチ
ツプとする事を保証するために、チツプ破砕溝
（chip breaker groove）１７が四角形インサー
ト１３中に備えられる事が重要である。チツプ割
り溝（chip splitting groove）の好ましい形式
が、第１４図に関連して、以下において記載され
る。

第１〜７図に示した２つのインサートの実施例
は、標準の長さ1.270cm（1/2インチ）の直径を有
する丸形インサートおよび上記1.270cm（1/2イン
チ）を一辺とする正方形インサートを用いた直径
3.810cm（１ 1/2インチ）のドリルについて好適
である。第８図及び第９図を参照すると、より大
きな直径の孔を穿孔するのに用いるのに好適であ
り、単一の丸形インサート４５と１対の四角形イ
ンサート４６，４７とを用いる変更態様が示され
ており、例えば、標準の1.270cm（1/2インチ）の
丸形インサート４５と1.588cm（5/8インチ）の四
角形インサート４６，４７とを用いる事により、
直径6.350cm（２ 1/2インチ）ドリルが得られる。
前記した２つのインサートの実施例と類似したポ
ケツトの形状がインサート４５および４６につい
て用いられ、四角形インサートの半径方向最も内
側の切削ポイントが、第７図に示されるように、
丸形インサートにより切削されたコーン（丸形イ
ンサートによつて切削された円錐形の部分）と重
なり合うことが重要である。外側の四角形インサ
ート４７は、四角形インサート４６によつて切削
されたコーンと重なり合い、このようなコーン
（切削された部分）を延長する様な態様でその切
削作用を行わねばならない。

２つのインサートを用いた実施例のように、丸
形インサートの中心線近傍の切削エツジは、参照
数字48で示すように0.0127cm（0.005インチ）だ
け中心線の僅か下にあり、一方、四角形インサー
ト４６の切削エツジは、参照数字49において示す
ように中心線の前方にあり、そして第２の四角形
インサート４７の切削エツジは、同様に、参照数
字50において示すように中心線の前方にあつて、
上記切削エツジから後方の中心線までの僅かな弦
関係から生じる側壁の間〓を与えている。この場
合も、第６図に示すように丸形インサートについ
て12゜の軸方向ポケツト角度が用いられ得て、且
つ第５図に示すように四角形インサートについて
10゜の軸方向ポケツト角度が用いられ得て、負レ
ーキを与えているが、第９図では図示を簡単にす
るために省略してある。前記したように、第８お
よび９図の実施例は、直径が1.270cm（1/2イン
チ）の標準丸形インサート４５を２つの1.588cm
（5/8インチ）の四角形インサートと一緒に用いる
ことによつて、6.350cmの切削直径をもたらすの
に適合しているであろう。このような厚さ0.635
cm（1/4インチ）の四角形インサートにより、第
９図に示した様に参照数字５０における0.498cm
（0.196インチ）の寸法および参照数字４９におけ
る0.343cm（0.135インチ）の寸法を伴つて、満足
な結果が得られた。

この実施例においては、シヤンク端部の横断ス
ロツト５４に係合するヘツドの内側端部において
一体的に形成された横断ドライブキー５３を、シ
ヤンクのパイロツト孔５６に係合する一体パイロ
ツトピン５５と一緒に使用することによつて、取
外し可能切削ヘツド５１がドリルシヤンク５２へ
の組み立てが行なわれる。図示してない適当な締
付装置が用いられて、シヤンクへ組み立てられた
ヘツドを保持する。第１０図において、同様な取
外し可能なヘツド５７が、シヤンクとは独立して
図示されており、第８および９図の３つのインサ
ートの実施例の場合と同じ直径の孔を切削するの
に適合した４つのインサートの組合せが示されて
いる。この場合、小さな四角形インサートが、5゜
程度の小さな正のリード角５８を設定している。
例として、共通の円錐切削面において重なり合つ
ている関係を有する0.953cm（3/8インチ）の四角
形インサート６２および1.270cm（1/2インチ）の
四角形インサート６０，６１と組合された直径
1.270cm（1/2インチ）の丸形インサート５９も、
直径6.350cm（２ 1/2インチ）直径の孔を切削す
るのに適合し得る。

第１３図を参照して説明すると、もう１つの変
形例が概略的に示されており、該変形例において
は、多数の丸形インサートが最も外側の単一の四
角形インサートと組合されている。参照符号６５
ａ，６５ｃおよび６５ｅの様な各々の側の丸形イ
ンサートが、第１０図の実施例と比較可能な適当
な正のリードを提供する好適な丸形ポケツト内で
接近して配置されており、各々の側のインサート
が重なり合つた関係で配置されて、６５ａ，ｂ，
ｃ，ｄおよびｅの連続する順番で半径方向へ漸次
増加する切削作用をもたらし、四角形インサート
すなわち正方形インサート６６の外側のコーナー
部が穿孔された孔の壁面の仕上げ切削をもたら
す。

第１４図を参照すると、全部の四角形インサー
トについてのチツプ分離ノツチ（chip splitting
notch）の好ましい形が示されており、角度67が
第１０図における参照数字58の様なリード角と対
応するようになつていて、それにより、最も外側
のノツチの半径方向最も内側のエツジがドリルの
軸線と略々平行に延在しており、該エツジにおい
てはチツプを分離するのを保証している。ノツチ
は、70℃程度の鋭角68で完成しており、0.050cm
（0.020インチ）程度の深さ69まで延在している。
ノツチの内側のエツジは、インサートのコーナー
部から距離70だけ離隔していて、この距離70はイ
ンサートの寸法により変化し得るが、インサート
幅の約1/3に等しい。0.0254cm（0.010インチ）程
度の小さなノツチのアール７１が、各ノツチの底
部に設けられている。ノツチのこの形は、半径方
向最も外側のノツチにおいてチツプを分離する事
を保証し、この構造は従来のアーチ状の溝からは
区別されるものであり、該従来の溝は単に異なる
厚さのチツプを作り出すのみで、確実にチツプを
分離する事を伴わない。

各々の実施例において、インサートは単一の半
径方向平面内に略々整合されており、軸方向に延
在する一対の通路内のチツプが通過するのを調整
し、該一対の通路はドリルを過度に弱める事がな
い。総ての場合において、中央の丸形インサート
は、ドリルがワークピース内に侵入する事
（entry）を安定化させ、且つ外側の四角形インサ
ートと協働して迅速で正確な穴あけをもたらすこ
とが確認された。第１０〜１２図の実施例の場合
において、ドリル直径に比較して小さな寸法のイ
ンサート及びのこ歯間隙状通路６３が小さなチツ
プをもたらす事が確認されており、該小さなチツ
プは、第８図中６４において図示されているドリ
ルシヤンク中の中央チヤンネルへ好適に接続され
た通路６４を流過して、冷却液が（該通路中を）
洗い流すのを容易にしている。

第９図を参照すると、たとえば、のこ歯間隙状
通路６３は、チツプが切削エツジから離れると同
時に該チツプをカールさせるのに適合したインサ
ートの切削面近傍のアーチ状端部を有しているの
が判るであろう。その様なアーチ状端部は、ドリ
ルの中心から、通路とドリルの外周部とが交差す
る最も外方のポイントを介して、半径方向ライン
を越えて延在しており、そして、穿孔された孔の
壁部に対して鋭角を為す様にチツプを誘導し、カ
ールする作用を縦溝開口内にもたらし且つドリル
外周部とワークピースの孔との間にチツプがくさ
び状に押し込まれる事を防止する旨が理解される
であろう。

四角形インサートのそれぞれに対する８つの割
出可能な位置と丸形インサートの両側における無
限の数との組合せが、予想も出来ない様な安定
性、がたつきのないことおよび切削作用の真直性
を伴う高速度および総合的に高度な穴あけ能力を
与える。

前記実施例から明らかなように、本発明によれ
ば、丸形インサートの対称円弧状切削エツジによ
り、対称形のドリル心立溝が形成されるので、ド
リルがどちらかの半径方向へかたよらされること
なく、またワークピースからの反力は丸形インサ
ートの中心に向つて常に作用するので、ワークピ
ースからの平均した半径方向の反力により、回転
軸に関して半径方向のふれを生じない極めて安定
性に富むインサートドリルが得られる。

さらに、丸形インサートと正方形インサートと
の割出位置組合せにより無限数の穿孔作業を可能
とし、安定性は勿論融通性に富む高速穿孔能力を
有する割出可能インサートドリルが得られる。

本明細書において記載した様な、好適に重なり
合つた関係を有する標準的に利用可能な丸形及び
四角形インサートを用いて、2.54〜6.35cm（１〜
２ 1/2インチ）の範囲のドリル寸法が容易にもた
らされる。負のブレーキ（角を有する）インサー
トは最高の割出能力のために好ましいが、好適な
ポケツトを伴つた正の（レーキ角を有する）イン
サートも満足すべき結果を有して使用され得る事
が理解されるであろう。

ドリルの軸方向中心線を横断して延在する円弧
状切削エツジを有する最も内側の丸形インサート
が対称形チツプを提供する事に基づき、且つ切削
エツジが非対称的に侵入する事に関連して生ずる
半径方向に偏倚する力が発生しない事に基づい
て、本発明の技術的効果が得られる。チツプ破砕
スカラツプ（scallop：切削の結果生ずる貝殻形
状）を伴つており且つドリル軸線について反対側
に配置された四角形インサートの重複する切削エ
ツジは、丸形インサートが侵入し且つ円弧状円形
溝においてドリルを安定させた後に、切削作用を
連続して行なう。その様な連続する切削作用はチ
ツプを小片に破砕し、該小片は、直線切削エツジ
におけるチツプ破砕溝によつて容易に洗い流され
る。四角形インサートの外側の切削コーナー部
は、円筒形の孔についての切削作用を完了する事
に適合し、且つ双方のインサートは新しい切削エ
ツジを提供する様に割り出す事が可能である。

尚、特許請求の範囲において、「インサートの
半径の大部分」なる文言を第１図を参照して説明
すると、丸形インサート１２の最先端ポイントか
らドリル軸の中心線との間の距離を意味する。こ
の距離はインサートの半径よりも小さいが、該半
径の1/2よりも大きいので、「半径の大部分」を構
成するのである。

次に「円弧状円形切削エツジ」なる文言は、第
７図中の円弧状溝２８を切削するインサートのエ
ツジを意味する。

「回転の共通コーン」なる文言は、ドリルが軸
方向に前進する事なく回転する場合に、それぞれ
の切削エツジによつて切削される円錐形をした表
面（形状）を意味する。もしも一対のインサート
について該円錐形表面が同一のものであれば、該
同一の円錐形表面は「回転の共通コーン」を構成
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に従う割出可能インサートド
リルの側面図である。第２図は、インサートを省
いたドリルボデーの切削端部の拡大部分図であ
る。第３図は、第１図の２つのインサートを所定
の位置にして示してあり、第２図の線３に沿つて
見た切削端部の図であつて、レーキ角は簡略化の
ため省略してある。第４図は、第２図の線４−４
に沿つて見た断面図である。第５図は、第２図の
線５−５に沿つて見た部分的断面図である。第６
図は、第２図の線６−６に沿つて見た部分的断面
図である。第７図は、ワークピースの切削プロフ
イールを示す部分的断面図である。第８図は、３
つのインサートの実施例において、第２の四角形
インサートを含むように変更したドリルの切削端
部の部分的側面図である。第９図は、第８図の変
形したドリルの端面図であり、インサートのレー
キ角は省略してある。第１０図は、第８図に示す
様なドリルシヤンクにおける選択的な組立てに適
合するようにされた、取外し可能な切削ヘツド中
に４つの切削要素を用いたもう１つの変形例であ
る。第１１図は、第１０図の変形例の端面図であ
つて、レーキ角が省略してある。第１２図は、第
８図および第１０図に示される様な切削ヘツドと
の組立に適合するスロツトを設けた構造を示すシ
ヤンクの端面図である。第１３図は、多数の丸形
インサートが、最も外側の単一の四角形インサー
トと組合せられている更に別の変形例を示す概略
図である。第１４図は、四角形インサートのチツ
プ分離ノツチの好ましい形を示している、四角形
インサートの１つのエツジの拡大図である。 １０……シリンダ状シヤンク、１１……切削端
部、１２……中央の丸形をした割出可能な切削イ
ンサート、１３……外側の四角形をした割出可能
な切削インサート、１８，１９……ポケツト、２
０，２３……切削エツジ、２５……ポケツトシヨ
ルダー、２８……初期円弧状円形溝、３１……切
削エツジ、３２……環状陵部、３６……四角形イ
ンサート、３７……丸形インサート、４３……縦
溝、４５……単一丸形インサート、４６，４７…
…四角形インサート、５９……丸形インサート、
６０，６１……四角形インサート、６２……四角
形インサート。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ドリル本体、該ドリル本体の一端部に形成さ
   れた少なくとも２個のインサートポケツト、を含
   み、前記インサートポケツトの一方は第１の丸形
   インサートを位置付ける手段を有しており、前記
   丸形インサートはインサートの半径の一部分の長
   さ１５−２３だけドリル軸線１４からずれている
   最先端ポイント２３Ａを伴つて延在している円弧
   状円形切削エツジを有し、該円弧状円形切削エツ
   ジは前記最先端ポイントから実質的に前記軸線１
   ４を貫き１５かつ該軸線を通り越して延在してお
   り、少なくとも１個の他のインサートポケツト１
   ８は前記第１のポケツト１９の半径方向外側に設
   けられ、全体形状が正方形であるインサート１３
   を位置付ける、 ことを特徴とする割出可能インサートドリル。