JPS6342949Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はミシンの操作装置に関するものであ
る。

従来技術 縫製作業中においてはミシンベツド面上に載置
された加工布を案内するため、通常、作業者の手
は前記加工布上に添えられている。この時、操作
する必要のある操作装置は、その操作部が縫目形
成位置近傍に設けられていることが望ましい。

そこで、例えば、実公昭53−28601号公報には、
ミシンアームの顎部付近において前記操作部がそ
のミシンアームの外形線より前方に突出するよう
に設けられた操作装置が開示されている。

しかしながら、この種の操作装置においては、
操作部が前記位置に固定されているため、操作位
置が変更し得ず、作業条件或いは作業者によつて
は操作しにくい場合があつた。

目 的 本考案は上記の事情に鑑みなされたものであつ
て、その目的は、作業条件及び作業者に応じて操
作位置を変更し得、且つ安定した作動をなし得る
と共に構成簡単にして安価に製作し得るミシンの
操作装置を提供することにある。

解決手段 前記目的を達成するために、本考案において
は、ミシンフレームに形成された軸受孔に支持軸
を挿嵌すると共に、その支持軸に対し、それと直
交する貫通孔に挿嵌された手動操作体を調節ねじ
によつて位置決め固定し、その手動操作体と前記
ミシンフレーム又は前記ミシンフレームに取付け
られた部材との協働によつて前記支持軸の軸方向
の移動を阻止し、更に、前記手動操作体の移動操
作に伴つてミシンアームの各種機能の少なくとも
一つを作動させるためのスイツチを作動させるよ
うにミシンの操作装置を構成している。

実施例 以下、本考案を送り逆転機構の操作装置に具体
化した一実施例について図面に従つて説明する。

ミシンフレーム１０の脚柱部１１には、送り歯
（図示せず）の水平方向運動量を調節するための、
送り調節ダイヤル１２を含み且つ送り量及び送り
方向を調節可能な公知の送り調節機構が設けられ
ている。

その送り調節機構に作動的に連結され且つ前記
脚柱部１１に揺動可能に支承された逆転レバー軸
１３には前記脚柱部１１外方に突出する一端にお
いて、逆転レバー１４が固着されており、その逆
転レバー１４の下方への操作に伴つて逆送りを行
うようになつている。

前記逆転レバー軸１３には、更に、作動腕１５
を介し、逆転ソレノイド１６のプランジヤ１７が
作動的に連結されており、その逆転ソレノイド１
６の作動によつて前記逆送りを行い得るようにな
つている。

一方、前記ミシンフレーム１０の顎部１８に
は、その逆転ソレノイド１６を作動させるための
操作装置が設けられている。

その操作装置についてその構成を説明すると、
前記顎部１８には、凹部２０及び軸受孔２１が形
成されており、更に、その軸受孔２１と直交し且
つ前記ミシンフレーム１０内部から前記凹部２０
へ貫通する開口２２が形成されている。

前記軸受孔２１には、支持軸２３が回動可能に
挿嵌されており、その支持軸２３にはその軸方向
と直交する貫通孔２４が設けられている。

その貫通孔２４には、下端が前方に曲折された
軸部２５ａとその軸部２５ａの前方に形成の操作
部２５ｂとが設けられた手動操作体２６が挿嵌さ
れている。

その手動操作体２６の軸部２５ａは、前記開口
２２を貫通して配置されている。第２図及び第３
図に示すように、その軸部２５ａの直径と前記開
口２２の前記支持軸２３の軸方向における幅とが
略同じ大きさのため、手動操作体２６は、その支
持軸２３の軸方向には移動し得ず、又、前記支持
軸２３を中心にした回動方向においては、前記軸
部２５ａの直径よりもやや長く形成され、それに
よつて、その手動操作体２６の揺動が許されるよ
うになつている。

更に、前記手動操作体２６は、前記支持軸２３
中を前記軸受孔２１の前記ミシンフレーム１０外
方側から前記貫通孔２４まで貫通する調節ネジ２
７によつて、前記支持軸２３に位置決め固定され
ている。尚、前記手動操作体２６が前記調節ネジ
２７によつて第２図において実線で示す上方位置
に固定される時、前記操作部２５は前記凹部２０
内に収容されるようになつている。

又、前記凹部２０内のミシンフレーム１０に
は、前記逆転ソレノイド１６を作動させるための
マイクロスイツチ２８が取付けネジ２９によつて
固着されており、前記手動操作体２６下部の後方
への揺動に伴つて、そのマイクロスイツチ２８の
押し釦３０が前記手動操作体２６の後部によつて
押圧されるようになつている。そして、マイクロ
スイツチ２８が作動された時、前記手動操作体２
６は前記支持軸２３よりも上部が開口２２の前壁
に、下部が後壁に当接されて前記手動操作体２６
の揺動を一定範囲内に規制するようになつてい
る。

更に、前記凹部２０内のミシンフレーム１０に
は、前記手動操作体２６下部を前記開口２２の前
壁へ向つて押圧付勢し、前記手動操作体２６の後
部と前記押し釦３０とが接するか若しくは僅かに
離れるようにするための板バネ３１が前記取付け
ネジ２９によつて固着されている。尚、前記手動
操作体２６の下部が後方へ揺動される時、板バネ
３１の一部が開口２２内に設けられた溝部３２に
収容されるようになつている。

以上のように構成された送り逆転機構の操作装
置においてその動作を説明する。

縫製作業開始前に予め送り調節ダイヤル１２に
よつて送り量を決定すると共に手動操作体２６の
操作部２５bNの位置を縫製条件及び作業者の好
みに応じて合わせておく。

この操作位置の変更に際しては、調節ネジ２７
を緩め手動操作体２６を上下に摺動させ、操作部
２５ｂを所望の位置に合わせた後、前記調節ネジ
２７を締付けて位置決め固定すればよい。

そして、縫製を開始し、正送り方向に縫製中に
返し縫を行いたい時は、加工布上に添えられた作
業者の右手を僅かに動かし操作部２５ｂを板バネ
３１に抗し押圧する。そうすれば、手動操作体２
６が揺動され、その下部によつてマイクロスイツ
チ２８の押し釦３０が押圧されるため、逆転ソレ
ノイド１６が作動されて返し縫が行われる。。又、
返し縫を止めたい時は、前記操作部２５ｂの押圧
操作を解除すればよい。

効 果 以上詳述したように、本考案においては、ミシ
ンフレーム１０に回動可能に挿嵌された支持軸２
３に対し、その支持軸２３の軸線と直交する方向
に手動操作体２６を摺動可能に挿嵌支承するよう
にしたから、作業条件及び作業者の好みに応じて
より操作し易い操作位置を選択できるため作業能
率を向上し得るものである。又、手動操作体２６
をミシンフレーム１０の軸受孔２１に挿嵌された
支持軸２３に支承するようにしたから、手動操作
体２６の自重及び操作力を支持軸２３の略全体で
受けるため、手動操作体２６の取付状態が安定
し、度重なる使用によつても円滑な作動を保障し
得る。更に、手動操作体２６とミシンフレーム１
０又はそのミシンフレームに取付けられた部材と
の協働によつて支持軸２３の軸方向の移動を阻止
したから、部品点数が少なく、簡単な構成の手動
操作体を提供し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例で示すものであつて、
第１図は操作装置等の位置を示すための正面図、
第２図は要部を破断して示すミシンの顎部部分の
正面図、第３図は第２図におけるＡ−Ａ線断面図
である。 尚、図中１０はミシンフレーム、２１は軸受
孔、２２は開口、２３は支持軸、２４は貫通孔、
２６は手動操作体、２７は調節ネジ、２８はマイ
クロスイツチである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミシンフレーム１０に形成された軸受孔２１
   と、 その軸受孔２１に回動可能に挿嵌された支持軸
   ２３と、 その支持軸２３にはその軸方向と直交する貫通
   孔２４が設けられていることと、 その貫通孔２４に挿嵌されると共に前記支持軸
   ２３を中心にして揺動可能な手動操作体２６と、 その手動操作体２６は前記ミシンフレーム１０
   に形成された開口２２を通して延びることと、 前記手動操作体２６と前記ミシンフレーム１０
   又は前記ミシンフレームに取付けられた部材との
   協働によつて前記支持軸２３の軸方向の移動が阻
   止されていることと、 前記手動操作体２６を前記支持軸２３に対し位
   置決め固定するため、前記支持軸２３中を前記軸
   受孔２１のミシンフレーム１０外方側から前記貫
   通孔２４まで貫通する調節ネジ２７と、 前記ミシンフレーム１０に設置され、前記手動
   操作体２６の移動操作に伴つて作動されミシンの
   各種機能の少なくとも一つを作動させるためのス
   イツチ２８と、 を設けたことを特徴とするミシンの操作装置。