JPS6342656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両のドアに使用される三角ピー
スの改良に関する。

一般に、車両のドアに使用される三角ピース
は、ドア・フレームのガラス・チヤンネルの前方
側に配置され、そのガラス・チヤンネルに昇降可
能に配置されたドア・ガラスの前方側の気密性を
高め、キヤブ内への雨水の浸入を防止するように
構成されてきている。

しかし、そのような三角ピースを備える車両に
あつては、通常、ルーフ・パネル側からの雨水が
ドリツプ・チヤンネルを介して、ドア・フレーム
の前方側、すなわちその三角ピース側に流れるた
め、走行中にその雨水がドア・ガラスの外側面に
付着し易く、その結果、その雨水に含まれた塵、
砂などによつて、そのドア・ガラスの外側面が汚
され、そのドア・ガラスにおける視界が妨げられ
る傾向にあつた。

この考案の目的は、車両のルーフ・パネル側か
らドリツプ・チヤンネルを介してドア・フレーム
の前方側に流れる雨水のドア・ガラスへの付着を
少なくし、そのドア・ガラスの外側面の汚損を少
なくし、そのドア・ガラスにおける視界を良好に
維持するところの車両のドアに使用される三角ピ
ースの提供にある。

それらを課題として、この考案の車両のドアに
使用される三角ピースは、車両のドア・フレーム
の前方側に配置される三角ピース本体と、その三
角ピース本体の外側面に形成されたウオータ・ポ
ケツトと、一端をそのウオータ・ポケツトに連絡
し、他端をその三角ピース本体の下方の端面に開
口した水抜き穴とを含んで構成されている。

以下、この考案に係る車両のドアに使用される
三角ピースの望ましい具体例について、図面を参
照して説明する。

第１ないし３図は、ピツク・アツプに適用され
たこの考案の車両のドアに使用される三角ピース
の具体例１０を示している。

その三角ピース１０は、ピツク・アツプのドア
２０において、ドア・フレーム２４のガラス・チ
ヤンネル２５の前方側に配置される三角ピース本
体１１と、その三角ピース本体１１の外側面に前
後方向に所定の間隔を保ち、かつ、上下方向に伸
長されたウオータ・ポケツト１２，１３と、一端
をそのウオータ・ポケツト１２，１３の下方部分
のそれぞれに連絡し、他端をその三角ピース本体
１１の下方の端面にそれぞれ開口した水抜き穴１
４，１５とより構成されている。

三角ピース本体１１は、ドア・フレーム２４に
おけるガラス・チヤンネル２５の前方側に配置さ
れるように、合成ゴムから形成されている。

勿論、その三角ピース本体１１は、下方部分を
ドア・パネル２１間、すなわちインナおよびアウ
タ・パネル２２，２３間に収め、しかも斜辺部分
をそのガラス・チヤンネル２５の蟻溝２８に嵌め
込まれるように構成されている。

従つて、その三角ピース本体１１は、厚さがそ
のインナおよびアウタ・パネル２２，２３間の距
離と実質的に等しくされ、しかもその斜辺部分に
は、そのガラス・チヤンネル２５の蟻溝２８に嵌
め込まれる蟻〓１６が斜辺方向に沿つて一体的に
形成されている。

また、その三角ピース本体１１の後方部分に
は、チヤンネル・バー２６を嵌め込むための溝１
７が上下方向に沿つて形成されている。勿論、そ
の三角ピース本体１１の後方部分に形成された溝
１７は、後方側に向けて開口され、そのチヤンネ
ル・バー２６の嵌め込み状態において、そのチヤ
ンネル・バー２６によるドア・ガラス２９の前方
の縁の支持を可能にしている。

ウオータ・ポケツト１２，１３は、その三角ピ
ース本体１１の外側面において、前後方向に所定
の間隔を保ち、かつ、上下方向に伸長されるよう
に、長円形状の窪みとしてそれぞれ形成されてい
る。

水抜き穴１４，１５は横断面が円形状をなし、
それぞれの一端をそのウオータ・ポケツト１２，
１３の下方部分に連絡し、また、それぞれの他端
をその三角ピース本体１１の下方の端面に開口し
ている。

勿論、その水抜き穴１４，１５は、そのウオー
タ・ポケツト１２，１３内に溜められる雨水をそ
の三角ピース本体１１の下方の端面側に流し易く
することを考慮して、内径がそのウオータ・ポケ
ツト１２，１３の開口幅と実質的に等しくなるよ
うに、若しくは、その開口幅よりも僅かに大きく
なるように形成することが望ましい。

また、その水抜き穴１４，１５の横断面形状
は、良好な水抜き効果が得られるものであれば、
任意であり、例えば方形状に形成することも可能
である。

上述のように構成された三角ピース１０をピツ
ク・アツプのドア・フレーム２４に取り付けるに
は、先ず三角ピース本体１１の後方部分に形成さ
れた溝１７にチヤンネル・バー２６を嵌め込む。

勿論、そのチヤンネル・バー２６は、上端に略
Ｌ字状に折り曲げられたブラケツト２７を溶接し
ている。すなわち、そのチヤンネル・バー２６
は、その三角ピース本体１１の溝１７に嵌め込ま
れた状態において、その三角ピース本体１１の斜
辺部分に沿うように配置される取付け部分３０を
備えた略Ｌ字状のブラケツト２７を、そのチヤン
ネル・バー２６の上端に溶接し、そのブラケツト
２７によるそのドア・フレーム２４への取付けを
可能にするように構成されている。

従つて、そのようなチヤンネル・バー２６が取
り付けられた三角ピース１０は、下方部分をバ
ア・パネル２１、すなわちインナおよびアウタ・
パネル２２，２３間に収め、さらにその三角ピー
ス１０の斜辺部分に形成された蟻〓１６をガラ
ス・チヤンネル２５の蟻溝２８に嵌め込むように
して、そのドア・フレーム２４の前方側に配置さ
れる。

勿論、そのチヤンネル・バー２６のブラケツト
２７は、そのガラス・チヤンネル２５を貫通して
そのブラケツト２７の取付け部分３０におけるね
じ孔３１にねじ込まれるビス（図示せず）によ
り、そのドア・フレーム２４に固定される。

また、そのようにして三角ピース１０が取り付
けられたドア２０のインナおよびアウタ・パネル
２２，２３間には、ドア・ガラス２９がウイン
ド・レギユレータ（図示せず）を介して昇降可能
に配置され、しかも、そのドア・ガラス２９の閉
塞時、そのドア・ガラス２９の縁は、そのガラ
ス・チヤンネル２５およびチヤンネル・バー２６
に配置されたガラス・ラン（図示せず）内に収め
られるように構成されることは勿論である。

次に、上述のようにして三角ピース１０が取り
付けられたピツク・アツプの走行について述べる
に、そのピツク・アツプが雨天に走行すると、ル
ーフ・パネル（図示せず）側の雨水がドリツプ・
チヤンネル（図示せず）を介してその三角ピース
１０の前方側の外側面に流される。

そのようにして流される雨水は、そのウオー
タ・ポケツト１２，１３内に流れ、さらに、水抜
き穴１４，１５を介してドア・パネル２１内、す
なわち、インナおよびアウタ・パネル２２，２３
間に流される。

従つて、その三角ピース１０の外側面からド
ア・ガラス２９の外側面に流れる雨水の量が少な
くなり、換言するならば、そのドア・ガラス２９
への雨水の付着が少なくなり、その雨水に含まれ
た塵、砂などに起因するそのドア・ガラス２９の
汚れが少なくなり、そのドア・ガラス２９におけ
る視界が良好に維持される。

上述の三角ピース１０において、ウオータ・ポ
ケツト１２，１３は、長円形状の窪みをなしてそ
れぞれ別々に形成されたものとして説明したが、
そのドア・ガラス２９側への雨水の流れを少なく
するように、雨水を溜め得るものであれば形状、
大きさ、および数は任意である。

如上のこの考案によれば、車両のドア・フレー
ムの前方側に配置される三角ピース本体と、その
三角ピース本体の外側面に形成されたウオータ・
ポケツトと、一端をそのウオータ・ポケツトに連
絡し、他端をその三角ピース本体の下方に端面に
開口した水抜き穴とよりなり、そのウオータ・ポ
ケツトがその三角ピース本体の前方側からの雨水
を溜め、その水抜き穴がそのウオータ・ポケツト
内の雨水を下方に流出させるように構成されてい
るので、その車両のルーフ・パネル側からドリツ
プ・チヤンネルを介してドア・フレームの前方側
に流れる雨水のドア・ガラスへの付着が少なくな
り、そのドア・ガラスの外側面の汚損が少なくな
り、そのドア・ガラスにおける視界が良好に維持
され、極めて実用的になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の車両のドアに使用される三
角ピースが適用されたピツク・アツプのドアを示
す斜視図、第２図は第１図の２−２線に沿つて示
した部分縦断面図、および、第３図はこの考案の
車両のドアに使用される三角ピースの具体例を示
す正面図である。 １０……車両のドアに使用される三角ピース、
１１……三角ピース本体、１２，１３……ウオー
タ・ポケツト、１４，１５……水抜き穴、２０…
…ピツク・アツプのドア、２４……ドア・フレー
ム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両のドア・フレームの前方側に配置される三
   角ピース本体と、 その三角ピース本体の外側面に形成されたウオ
   ータ・ポケツトと、 一端をそのウオータ・ポケツトに連絡し、他端
   をその三角ピース本体の下方の端面に開口した水
   抜き穴 とを含む車両のドアに使用される三角ピース。