JPH024804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両の車室内天井部の前端部分に設け
られた換気装置の改良に関するものである。

一般にこの種換気装置においては、車両の車室
内天井部の前端部分は、特にトラツク等におい
て、前後方向及び上下方向共に寸法が十分でない
ために走行風に含まれる雨水を狭い空間で効率良
く排除する必要がある。

本考案は上記に鑑み創案されたもので、ルーフ
パネル、同ルーフパネルの前端縁に一縁を固着さ
れ車幅方向に延びたアツパパネル、一縁がフロン
トウインドウの開口を形成し他端が上記アツパパ
ネルに固着され同アツパパネルとの間に空間を形
成したロアパネル、上記空間内に挿入され一端が
上記アツパパネルの前部に支持されると共に走行
風が取入れられるように車両前方に開口され他端
が上方に向けて延びると共に上記アツパパネルの
下面に対し間隔を存しかつ同下面に対向するよう
に上記空間内に開口し中間部を屈曲させた水切ダ
クト、上記ロアパネルに形成され上記水切ダクト
からの空気を車室内に流入させる吹出口、上記空
間と車外とを連通し上記ロアパネル上に形成され
た水抜き穴を有し、上記吹出口が、上記アツパパ
ネルの下面における上記水切ダクトから吹出され
る風が直接当る部分から十分離れた上記ロアパネ
ルにおける車室内に近い方の縦壁部であつて、上
記アツパパネルから下方に距離を存した位置に配
設されたことを特徴とする車両の換気装置であ
る。

本考案によれば、雨中走行時に走行風が雨水を
伴なつて上記水切ダクト内に流入するが、同ダク
トは中間部を屈曲させているため、走行風中の雨
水はダクトの内壁をつたわつて同水切りダクトの
一端開口から車外へ流出する。また、同ダクトに
おける上記屈曲された部分を通過してしまつた雨
水は、同ダクトの他端が上方に向けて延びている
ため、同ダクトの他端開口に至るまでに効果的に
排除される。

しかも、上記ダクトの他端は上記アツパパネル
の下面に対し間隔を存しかつ同下面に対向するよ
うに上記空間内に開口していると共に、水切りダ
クトからの空気を車室内に流入させる吹出口が、
上記アツパパネルの下面における同水切りダクト
の他端から吹出される風が直接当る部分から十分
離れた上記ロアパネルにおける車室内に近い方の
縦壁部であつて、上記アツパパネルから下方に距
離を存した位置に配設されているので、上記ダク
トの他端開口から走行風と共に雨水が排出されて
しまつても、走行風が上記空間内において広がり
その方向を大きく変えて上記吹出口へ流れるた
め、その雨水は、上記吹出口に到達することな
く、上記アツパパネルの下面に付着されてアツパ
パネルに沿つて流下し、上記水抜き穴から車外へ
排出される。

したがつて、車室内天井部の前端部分の極めて
狭い空間において、走行風に含まれる雨水を効果
的に排除できる換気装置を得ることができる。

以下、本考案の一実施例について具体的に説明
する。

図面において、車両のルーフパネル１は車体前
方において下方へ湾曲されている。アツパパネル
２は一縁をルーフパネル１に溶着され車幅方向に
延び、ロアパネル３は一縁を補強パネル４に溶着
し、フロントウインドウの開口５を形成し、マウ
ントゴム６を介してガラス７を装着し、他端をア
ツパパネル２の他縁に溶着している。樹脂製の水
切ダクト８は上記アツパパネル２とロアパネル３
とにより形成される空間９内に挿入され、一端を
車体前方へ開口し中間部をかぎ形に屈曲させて他
端を上方へ向けて延ばすと共にアツパパネル２に
おけるほぼ水平方向に延びた部分の下面に対向す
るように開口している。水抜き穴１０は水切ダク
ト８の下面の一部を切り欠いて、同切り欠きとロ
アパネル３とにより形成されている。１１はロア
パネル３に形成された吹出口であり、同吹出口１
１はロアパネル３における車室内に近い方の縦壁
部において水切ダクト８から吹出される風が直接
当るアツパパネル２の部分から十分離れた位置に
配設されている。

よつて、雨中走行時走行風は雨水を伴なつて水
切ダクト８内に流入するが、同ダクト８がほぼ直
角に曲つた屈曲部を有しているため、走行風中の
雨水はダクト８の内壁に衝突して付着し、内壁を
つたわつて水切ダクト８の一端開口から車外へ流
出する。

また、水切ダクト８における上記屈曲部を通過
してしまつた雨水は、水切ダクト８の他端が上方
に向けて延びているため、同水切ダクト８の他端
開口に至るまでに効果的に排除される。

しかも、水切ダクト８の他端開口はアツパパネ
ル２の下面に対向するように空間９内に開口して
いると共に、水切ダクト８からの空気を車室内に
流入させる吹出口１１が、アツパパネル２の下面
における水切ダクト８の他端開口から吹出される
風が直接当る部分から十分離れたロアパネル３に
おける車室内に近い方の縦壁部であつて、アツパ
パネル３から下方に距離を存した位置に配設され
ているので、上記他端開口から走行風と共に雨水
が排出されてしまつても、走行風が空間９内にお
いて広がりその方向を大きく変えて吹出口１１へ
流れるため、その雨水は、吹出口１１に到達する
ことなく、アツパパネル２の下面に付着されてア
ツパパネル２に沿つて流下してロアパネル３に達
し、ロアパネル３が左方へ向つて下がつているた
め、左方へ流れ、水抜き穴１０から車外へ排出さ
れる。

これにより、水切ダクト８の屈曲部およびアツ
パパネル２の下面において水切りができると共
に、アツパパネル２とロアパネル３とにより形成
される空間９が車外に連通しているため、水切ダ
クト８から吹き出した空気によりアツパパネル２
またはロアパネル３に付着した水分は水抜き穴１
０から車外へ流れ、アツパパネル２またはロアパ
ネル３が腐食することを防止できるものである。

したがつて、車室内天井部の前端部分の極めて
狭い空間において、走行風に含まれる雨水を効果
的に排除できる換気装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す断面図である。 １……ルーフパネル、２……アツパパネル、３
……ロアパネル、８……水切ダクト、１０……水
抜き穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ルーフパネル、同ルーフパネルの前端縁に一縁
   を固着され車幅方向に延びたアツパパネル、一縁
   がフロントウインドウの開口を形成し他端が上記
   アツパパネルに固着され同アツパパネルとの間に
   空間を形成したロアパネル、上記空間内に挿入さ
   れ一端が上記アツパパネルの前部に支持されると
   共に走行風が取入れられるように車両前方に開口
   され他端が上方に向けて延びると共に上記アツパ
   パネルの下面に対し感覚を存しかつ同下面に対向
   するように上記空間内に開口し中間部を屈曲させ
   た水切ダクト、上記ロアパネルに形成され上記水
   切ダクトからの空気を車室内に流入させる吹出
   口、上記空間と車外とを連通し上記ロアパネル上
   に形成された水抜き穴を有し、上記吹出口が、上
   記アツパパネルの下面における上記水切ダクトか
   ら吹出される風が直接当る部分から十分離れた上
   記ロアパネルにおける車室内に近い方の縦壁部で
   あつて、上記アツパパネルから下方に距離を存し
   た位置に配設されたことを特徴とする車両の換気
   装置。