JPS6215044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のフロントウインドウガラスモ
ール、特にフロントウインドウガラス面を横方向
に流れる雨水等がフロントサイドドアガラスに至
るのを阻止する溝を有するモールに関するもので
ある。

自動車の走行時、フロントウインドウガラス面
に付着した雨水やフロントウインドウガラス洗浄
液が横方向に流れてドアガラス面に至り、ドアガ
ラスに付着し、ガラス面を汚す。

この対策として、フロントウインドウガラスの
両側縁に沿うモールの部分に該ウインドウガラス
中央方向へ開口する溝を設け、この溝により横方
向の雨水等の流れを受け止める構造、いわゆるレ
インガター構造としたものがある。しかしなが
ら、このレインガター構造のモールでは溝で風の
乱れが生じ、これに起因する風切音の問題があ
る。

そこで本考案は、フロントウインドウガラスか
らドアガラスへ至る雨水等の流れを阻止する作用
を保持し、かつ風切音による騒音を可及的に少く
したフロントウインドウガラスモールを提供する
ことを目的とするもので、該モールのフロントウ
インドウガラスの両側縁に沿う部分のうち、その
上半部のみをレインガター構造とすることにより
目的を達成するものである。

以下、本考案を図示の実施例により説明する。

第１図に示すように、フロントウインドウガラ
ス１の全周縁には樹脂製のフロントウインドウガ
ラスモール２が装着してある。３はフロントピラ
ー、４はフロントサイドドアガラスである。

フロントウインドウガラスモール２のうち、ガ
ラス１の両側縁に沿う縦方向のモール２１の構造
は第２図および第３図に示す如くであつて、その
裏面はガラス１の面に接着されるとともに外側面
はフロントピラー３の外板３１と密着している。

一連の縦方向モール２１のうちほぼ中央を境と
して上半部は第２図に示す如く、前面がフロント
ピラー外板３１の外周面と連続面を形成してガラ
ス１の側縁前方へこれに平行に張出し、張出し部
先端とガラス１面との間にガラス１の中央方向へ
開口する溝５を形成している。下半部は第３図に
示す如く前面がガラス１面とフロントピラー外板
３１面とをつなぐ滑かな曲面を形成している。

ところで自動車走行時、ガラス１に付着した水
の大部分は、ガラス１面が後方へ傾斜するととも
に横方向へ湾曲しているので、ガラス１面を上方
および横斜め上方へ流れる。従つて両側の縦方向
モール２１に至る水はほとんどが上半部の溝５に
捕集されることになる。なお一部の水は下半部へ
流れてこれを乗り越えドアガラス４に至るがその
量は少なく、ドアガラス４を著しく汚すには至ら
ない。

一方、風切音の発生要因たる風の乱れはフロン
トピラー３部においては主として下部で発生す
る。本考案ではフロントピラー３に沿う縦方向モ
ール２１を滑らかな面に形成したことにより風の
乱れを少なくし、風切音の発生を低減させること
ができる。第４図は本考案の風切音発生防止効果
を示すもので、線Ａは本考案のモールを装着した
場合、線Ｂは縦方向モールの全長にわたつて溝を
形成した場合の実験結果を示す。

以上説明したように、本考案のモールでは、自
動車走行時、フロントウインドウガラス面に付着
した雨水等がドアガラスへ流れるのを有効に阻止
することができ、かつモールによる風切音の発生
を可及的に低減することができる。

なお、上記実施例では樹脂製のモールについて
示したが、本考案は金属製のモールにも適用でき
る。また、上記実施例では縦方向モールのほぼ中
央部を境として上半部に溝を形成したレインガタ
ー構造としたが、境界部が連続的に形状変形する
構造としてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したモールの設置場所を
示す図、第２図は第１図の−線断面図、第３
図は第１図の−線断面図、第４図は本考案の
風切音防止効果を示す図である。 １……フロントウインドウガラス、２……フロ
ントウインドウガラスモール、３……フロントピ
ラー、４……フロントサイドドアガラス、５……
フロントウインドウガラスモールの溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のフロントウインドウガラスの周縁に沿
   つて設置するモールにおいて、フロントウインド
   ウガラスの両側縁に沿う部分のうち上下方向ほぼ
   中央部よりも上の部分のみに、フロントウインド
   ウガラスの中央方向へ開口する溝を設け、フロン
   トウインドウガラス面を横方向に流れる水の流れ
   を阻止するようになしたことを特徴とする自動車
   のフロントウインドウガラスモール。