JPS634071Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車その他の車輛の車体の整備に用
いられるリフト装置に関する。

従来この種リフト装置として、車体底面を洗浄
する洗浄場とこれに隣接する車体を検査整備する
検査整備場の各床面の下に油圧シリンダーを埋設
し、そのロツドを床面上に突出して該ロツドの上
端に固定した支持杆に自動車を載せてこれを持ち
上げる固定式のものが一般である。しかしこの従
来の固定式の装置によれば、洗浄場においてリフ
ト装置により持ち上げられた自動車から車輪を外
して該自動車の下面を洗浄し、次に該自動車を検
査整備場に移してリフト装置により該自動車を持
ち上げて例えばかじ取り装置や駆動装置等の検査
整備を行なうようにするためには、洗浄場で外し
た車輪を自動車に取付けてから自走して検査整備
場に移動し、ここで再度車輪を外す必要があり、
移動毎に車輪の取付け及び取外し更に自走のため
に作業員が自動車に乗り込むこと等洗浄と検査整
備の作業以外の作業が不何欠となつて作業能率の
低下が生じていた。

本考案はこのような作業能率の低下を簡単な手
段によつて解消したリフト装置を提供することを
目的としており、その主たる構成は、複数の洗浄
或いは検査整備する場を並列配置し、これらの場
の各床面の下方に、上端突部が該床面の上方に昇
降する昇降装置を設けると共に、これらの場の床
面上に横断する走行レールを敷設し、下面に前記
上端突部に着脱自在に嵌合する凹部を有する車体
の架台を前記走行レールに走行自在に係合し、該
架台は枠体とそ隈部に連結した支柱とこれら支柱
に設けられ昇降する車体の支承アームとからなる
ことにある。

以下図面に従つて本考案の１実施例を説明す
る。

１ａは洗浄場、１ｂはその左側に並列配置した
検査整備場、１ｃは前記洗浄場１ａの右側に並列
配置した検査整備場、２ａは前記洗浄場１ａの床
面、２ｂは前記検査整備場１ｂの床面、２ｃは前
記検査整備場１ｃの床面、３ａ，３ｂ及び３ｃは
これら床面２ａ，２ｂ及び２ｃのそれぞれの中央
部下方に埋設した昇降装置である油圧シリンダ
ー、４ａ，４ｂ及び４ｃはこれらシリンダー３
ａ，３ｂ及び３ｃのロツドの上端部即ち上端突部
を示す。

５，５は走行レールを示し、これら走行レール
５，５は前記ロツドの両側で前記場１ａ，１ｂ及
び１ｃを横断するように前記床面２ａ、２ｂ及び
２ｃ上に敷設した。

６，６は架台を示し、これら各架台は略方形の
枠体６ａとその隅部に連結した支柱６ｂ…６ｂと
これら支柱６ｂ…６ｂに上下動自在にそれぞれ設
けた車体の支持アーム６ｃ…６ｃとからなり、前
記枠体６ａにロール６ｄ…６ｄを枢着し、これら
ロール６ｄ…６ｄを前記走行レール５，５に係合
させて架台６を走行レール５，５に沿つて走行で
きるようにした。又前記枠体６ａの中央の下面に
前記上端突部４ａ、４ｂ或は４ｃが着脱自在に嵌
合する凹部６ｅを形成した。ここで前記各支柱６
ｂは不使用時収納された状態になるように枠体６
ａの偶部に内方に回動自在に連結されており、又
前記各対の支持アーム６ｃ，６ｃは第３図示の如
く前記枠体６ａに設けたシリンダー７のロツドに
ワイヤー８，８を介して連結されており、該シリ
ンダー７の駆動により昇降するようにした。

次に上記実施例装置の作動を説明する。

洗浄場１ａにおいて支持アーム６ｃ…６ｃを完
全に下した状態にして自動車Ａを該洗浄場１ａに
進入させる。そして油圧シリンダー３ａを駆動し
てそのロツド上端部４ａを上昇させる。それに伴
い該上端部４ａが凹部６ｅに嵌合してその後架台
６が上昇し、支持アーム６ｃ…６ｃを介して前記
自動車Ａを持ち上げる。尚このときシリンダー
７，７も駆動して支持アーム６ｃ…６ｃも各支柱
６ｂに沿つて適宜上昇させる。そして該自動車Ａ
から車輪を取り外しガイドレールに沿つて移動す
る洗浄機により該自動車Ａの下部を洗浄する。そ
の後油圧シリンダー３ａを逆駆動してロツド上端
部４ａを降下し、該上端部４ａを凹部６ｅから離
脱してから架台６を走行レール５，５に沿つて左
側の検査整備場１ｂに移動し、ここで前述の如く
油圧シリンダー３ｂを駆動し、そのロツド上端部
４ｂが凹部６ｅに嵌合して架台６を再度上昇さ
せ、前記自動車Ａを持ち上げる。そしてこの持ち
上げ状態において自動車Ａのかじ取り装置や駆動
装置の点検整備及びブレーキ関係の点検整備更に
車輪の取付けも行う。尚この点検整備において必
要においてシリンダー７，７を駆動して支持アー
ム６ｃ…６ｃについて各支柱６ｂに沿つて上下動
させ点検整備を行い易い高さに自動車Ａを位置さ
せることができる。そして自動車Ａを降してエン
ジン関係の点検整備を行い該自動車Ａを検査整備
場１ｂから出す。これらの間洗浄部１ａにおいて
は次なる自動車Ａを進入して該自動車Ａをもう１
つの架台６により持ち上げ前述と同様の洗浄を行
う。次に左側の架台６は空のまま又右側の架台６
は前記次なる自動車Ａを載せた状態で共に右に移
動され、該次なる自動車Ａは右側の検査整備場１
ｃで前述の如くかじ取り装置等の点検整備を行う
と共に洗浄場１ａでは更に次なる自動車Ａを導入
吊上げ後洗浄を行なう。以上のような手順で作業
を順次繰り返すことにより待期時間を生ずること
なく作業が効率的に行われる。

尚、上記実施例では昇降装置を油圧シリンダー
により構成したがこれに限るものでなく上下に伸
縮するパンダグラフ式のリンク機構による等任意
であり、更に架台６を走行レール５，５に沿つて
移動させるのに人力によるモータ等の動力でよる
かは任意である。

このように本考案によると、洗浄場から検査整
備場等への自動車の移動が昇降装置の上端突部か
ら離脱した架台を走行レールに沿つて移動するこ
とにより達成されるので、従来のように移動のた
めに自動車に車輪を取付ける等の作業が不必要と
なり作業能率が格段に向上すると共に、従来のリ
フト装置を多少改良して走行レールの敷設とこれ
に走行する架台の準備により実現し得るので、既
存の作業場においても簡単且つ廉価に設備可能で
あり、更に架台自体がその支柱に沿つて昇降する
支承アームにより車体が昇降可能であるので、車
体が支承アームにより支承された状態で昇降して
任意の高さにセツトでき、かくてレール上の任意
の位置で支承アームの上昇により車体を上昇して
必要に応じて車輪の着脱や整備が可能となつた
り、又は昇降装置により一旦架台を上昇した後該
昇降装置を作動させるまでもなく支承アームのみ
を適宜昇降させて整備等が行い易い高さに車体を
セツトすることも可能となる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の正面図、第２図は
その平面図、第３図は要部の拡大斜視図である。 １ａ……洗浄場、１ｂ，１ｃ……検査整備場、
２ａ，２ｂ，２ｃ……床面、３ａ，３ｂ，３ｃ…
…昇降装置、４ａ，４ｂ，４ｃ……上端突部、
５，５……走行レール、６……架台、６ｅ……凹
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の洗浄或いは検査整備する場を並列配置
   し、これら場の各床面の下方に、上端突部が該床
   面の上方に昇降する昇降装置を設けると共に、こ
   れら場の床面上に横断する走行レールを敷設し、
   下面に前記上端突部に着脱自在に嵌合する凹部を
   有する車体の架台を前記走行レールに走行自在に
   係合し、該架台は枠体とそ隈部に連結した支柱と
   これら支柱に設けられ昇降する車体の支承アーム
   とからなることを特徴とする車体整備用リフト装
   置。