JPS6339898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は改良されたケーブル終端接続部に関す
る。

ケーブル終端接続部において、ケーブル遮蔽層
に接続した接地線をケーブルシース側へ引出す場
合の防水処理は、従来粘着層付テープの巻回、自
己融着テープの巻回、或いは防水パテの充填とテ
ープの巻回の併用等が用いられている。しかしな
がら、外径が円く且つ平滑なシース表面へある程
度の厚み或いは高さのある接地線を配置させるた
め、シースと接地線間に微小な間隙が生ずること
が避けられず、十分な防水処理ができない。又、
テープ巻で防水作業を実施する場合、狭い空間で
は作業性が悪く、長時間を要する等の問題点があ
つた。

本考案の目的は、接地線引出部の防水を短時間
で確実に処理できるケーブル終端接続部を提供す
るにある。

上記本考案の目的は、終端部において、ケーブ
ルシース、ケーブル遮蔽層、外部半導電層、及び
絶縁体層を段剥ぎしてなるケーブルの、該遮蔽層
の端から絶縁体層にかけてこれら遮蔽層、外部半
導電層及び絶縁体層の周上に加熱収縮性電界緩和
用ストレスコントロール層を密着配置し、更に外
側には下方に向つて末広がりを呈するラツパ状外
面を有し、内側にはケーブルシースの外径よりや
や小さい内径の円筒状内面とケーブルシースの端
に係留する肩面と遮蔽層の周上に配される小径内
面を有する円筒状防水体と、両端を円筒状防水体
の小径部側及び大径部側に露出させるようにして
当該防水体の内部に埋設された中間に大径部を有
する接地線とよりなる接地線取出装置を、上記円
筒状防水体の肩面がケーブルシースの端に係留す
るようにして且つ上記接地線の一端を遮蔽層に対
して電気的に接続するようにしてケーブルシース
及び遮蔽層の周上に配置し、更に絶縁体層の端か
ら円筒状防水体にかけてこれらの周上に保護層を
配置したケーブル終端接続部によつて達成でき
る。

以下本考案を添付図面に例示した実施例につい
て説明する。第１図は本考案のケーブル終端接続
部の部分断面図、第２図は本考案のケーブル終端
接続部において用いられる接地線取出装置の部分
断面図である。

図において、イは終端部において、ケーブルシ
ース１、ケーブル遮蔽層２、外部半導電層３及び
絶縁体層４を順次所定の区間に亘つて段剥ぎして
なるケーブルである。５は絶縁体層４の剥ぎ取り
によつて露出した導体である。ロは上記ケーブル
シース１の端に保留するようにしてケーブルシー
ス１及びケーブル遮蔽層２の周上に被せられた接
地線取出装置であつて、これは第２図に詳しく図
示するように、外側には下方に向かつて末広がり
を呈するラツパ状外面７を有し、内側には最終形
状においてケーブルシース１の外径よりやや小さ
い内径の円筒状内面８とケーブルシース１の端に
係留する肩面１８とケーブル遮蔽層２の外径より
やや大きい内径の小径内面９を有するゴム・プラ
スチツク製又は加熱収縮性ゴム・プラスチツク製
の円筒状防水体６と、両端を露出させるようにし
て上記防水体６の内部に埋設された中間に大径部
１１を有する接地線１０とよりなる。しかして、
円筒状防水体６はケーブルシース１との界面を気
密に保持しつつ、ケーブルシース１の端部に固定
される。そして、円筒状放水体６と接地線１０の
界面においても気密状態が確保され、当該界面へ
の浸水を抑止すると共に、接地線１０が防水体６
から引き抜けるのが防止される。接地線１０の一
端は、ケール遮蔽層２に対して電気的に接続され
る。１２はその接続部である。１３はケーブル遮
蔽層２の端から絶縁体層４にかけて、これらケー
ブル遮蔽層２、外部半導電層３及び絶縁体層４の
周上に密着して配置された電界緩和用ストレスコ
ントロール層にして、これは所定の誘電率を持つ
た加熱収縮性プラスチツクチユーブを上記部分に
被せ、更にこれを加熱収縮させることで形成され
る。電界緩和用ストレスコントロール層１３は、
外部半導電層３の先端付近における電界集中を緩
和するためのものであつて、これにより当該部分
における電界集中は効果的に緩和される。

１４は絶縁体層４の先端から円筒状防水体６の
下端にかけて、ストレスコントロール層１３を含
む全体の周上に被覆された保護層にして、これに
は絶縁性の加熱収縮性プラスチツクチユーブ等が
適している。保護層１４は、これら全体を機械的
且つ電気的に保護する。

尚、円筒状防水体６の外周は前記したように下
方に向つて末広がりを呈するラツパ状外面７を形
成しているので、降雨時水が直接接地線１０と防
水体６の埋設部及び防水体６のシース１の界面に
あたらない為により高い防水効果が得られる。

１５はストレスコントロール層１３の上端付近
を被うようにして保護層１４の周上に設けられた
雨覆、１６はケーブルの導体５に接続された端子
金具、１７は保護層１４の端から端子金具１６に
かけて設けられた端子用防水層である。

このような接地線取出装置ロを用いてケーブル
終端接続部を構成することによつて接地線１０の
表面を通して水が浸水するのを防ぐことができ、
更に降雨時水が接地線１０に直接接しないため耐
トラツキング特性が著しく改善できる効果が顕著
である。又、雨覆１５を付けるとそのバリア効果
で雷インパルスに対する表面閃絡電圧が上昇する
が、防水体６にもこのバリア効果が見られ、使用
電圧15kvのケーブルの終端接続部の例では、テ
ープ巻防水方式のものに比べ約30％上昇した。

本考案において用いられる防水体としては、先
にも述べた通りゴム・プラスチツク等が用いられ
るが、シースへの外嵌性や気密性から弾性体であ
ることが好ましい。

又、防水体の内面に粘着層を設けることにより
尚一層の気密性向上が期待できる。

以上説明したように、本考案のケーブル終端接
続部は、次の如き効果を有する。

(1) 成形された接地線取出装置をケーブル終端接
続部のケーブルシースに外嵌するという簡単な
作業で接地線引出部の防水を行うことができ
る。

(2) 接地線取出装置を取り付けるための作業空間
が小さく、極めて短時間で処理できる。

(3) 防水体によりドライバンドが形成されるた
め、耐トラツキング特性が大幅に向上する。

(4) 防水体のバリア効果により特に雷インパルス
の閃絡電圧を増加できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のケーブル終端接続部の一例を
示す断面図で、その半分の部分を示してある。第
２図は本考案のケーブル終端接続部へ適用した接
地線引出装置の態様を示す断面図である。 １：ケーブルシース、２：ケーブル遮蔽層、
３：外部半導電層、４：絶縁体層、５：導体、
６：円筒状防水体、７：ラツパ状外面、８：円筒
状内面、９：小径内面、１０：接地線、１１：接
地線の大径部、１２：接地線の接続部、１３：電
界緩和用ストレスコントロール層、１４：保護
層、１５：雨覆、１６：端子金具、１７：端子用
防水層、１８：肩面、イ：ケーブル、ロ：接地線
取出装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 終端部において、ケーブルシース１、ケーブル
   遮蔽層２、外部半導電層３、及び絶縁体層４を段
   剥ぎしてなるケーブルの、該遮蔽層２の端から絶
   縁体層４にかけてこれら遮蔽層２、外部半導電層
   ３及び絶縁体層４の周上に加熱収縮性電界緩和用
   ストレスコントロール層１３を密着配置し、更に
   外側には下方に向つて末広がりを呈するラツパ状
   外面を有し、内側にはケーブルシース１の外径よ
   りやや小さい内径の円筒状内面８とケーブルシー
   ス１の端に係留する肩面１８と遮蔽層２の周上に
   配される小径内面９を有する円筒状防水体６と、
   両端を円筒状防水体６の小径部側及び大径部側に
   露出させるようにして当該防水体６の内部に埋設
   された中間に大径部１１を有する接地線１０とよ
   りなる接地線取出装置を、上記円筒状防水体６の
   肩面１８がケーブルシース１の端に係留するよう
   にして且つ上記接地線１０の一端を遮蔽層２に対
   して電気的に接続するようにしてケーブルシース
   １及び遮蔽層２の周上に配置し、更に絶縁体層４
   の端から円筒状防水体６にかけてこれらの周上に
   保護層を配置してなることを特徴とするケーブル
   終端接続部。