JPS6337490Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関のピストンとコンロツドの結
合構造の改良に関するものである。

内燃機関のピストンとコンロツドの結合は、従
来ではコンロツド小端部をピストンピンを介して
予じめピストンに結合し、コンロツド大端部は上
下に二分割に形成しておき、クランクシヤフトピ
ン部に大端部半割部を挾む如くしてセツトし、ボ
ルトを介して半割部を結合していた。

かかる従来構造は部品点数が多いこと、組付工
数が多いこと、コンロツドとクランクシヤフトと
が分割された結合体であるため強度上必ずしも有
利とはいい難く、ために結合部、結合部材の剛
性、強度アツプを図る必要があること等改善の余
地がある。

本考案は以上を改善すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、内燃機関のクランクケースに
シリンダブロツクのピストン下死点側端部の一面
を含んでクランクシヤフトの軸方向へ少なくとも
開放してクランクシヤフトを挿入可能な開口部を
形成し、この開口部からクランクケース内にクラ
ンクシヤフトを組み込むとともに、シリンダブロ
ツクのシリンダ内径部にピストンを組み込む一
方、コンロツドの大端部及び小端部にともに孔部
を形成し、クランクシヤフトのクランクピン部に
大端部の孔部を嵌合した状態でコンロツドの小端
部をシリンダ内径部の下死点に略位置した状態の
ピストンに対しピストンピンを介して結合する構
造において、シリンダブロツクのピストン下死点
側端部に前記開口部と連続し、且つシリンダ内径
部の下死点に略位置した状態のピストンに形成さ
れたピン孔を露出可能な凹欠部を形成し、この凹
欠部からピストンのピン孔とコンロツドの小端部
の孔部とにピストンピンを挿入することで、組立
性向上、強度上等有利であること、部品点数の削
減等を図つた結合構造を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案の第１実施例で片持クランクシ
ヤフト式を示し、実施例ではオーバーヘツドバル
ブ式のものを示しているがサイドバルブ式のもの
に用いることもでき、又実施例ではクランクシヤ
フト横置のものを示したが縦置のものにも実施す
ることができる。

内燃機関１はシリンダブロツク部３、クランク
ケース部４をメインブロツク２として一体鋳造
し、シリンダヘツド５を別体としてシリンダブロ
ツク部３上に接合したが、シリンダヘツド５をブ
ロツク部３と一体鋳造しても良い。シリンダブロ
ツク部３の一部の下部３ａからクランクケース部
４の底４ａの同方向端には開口部６がシリンダ軸
線と平行でクランクシヤフトの軸方向に形成さ
れ、この開口部６はカバー７で閉塞される。尚シ
リンダヘツドをシリンダブロツク、クランクケー
スと一体鋳造した場合には開口部は下がクランク
ケースの底のシリンダ内径部外方迄達する如くシ
リンダ軸線及びクランクシヤフト軸線に対して斜
めに設けるものとし、これにより内径側からシリ
ンダ及びこれの天井部の加工、クランクケース軸
受部等の加工が容易に行えることとなる。

クランクケース部４の端壁４ｂ及びシリンダ内
径部の一部の直下に近い部分には軸受部４ｃ，４
ｄを設け、一方、シリンダヘツド５には点火栓８
及び吸、排気弁をなす弁９（図では一方のみを示
している）を設け、シリンダヘツド５上に設けた
バルブロツカーアーム１０の一端とステム９ａ端
を係合し、ロツカーアーム１０は他端をシリンダ
軸線方向に延出したプツシツロツド１１の一端と
係合し、プツシツロツド１１はシリンダヘツド及
びシリンダブロツク部３の一側に夫々一体に設け
たハウジング１２，１３の通路１２ａ，１３ａを
通り、他端はクランクケース部４の一側寄り部に
臨む。

クランクシヤフト１５はウエブ１５ａの一方に
のみ軸部１５ｂを有する片持式とし、ウエブ１５
ｂの外方でこれに近く、シリンダ内径の延長上に
近い部分で軸受１６を介して第１ジヤーナル部１
５ｃを支持し、又軸部１５ｂの外端に近い第２ジ
ヤーナル部１５ｄを軸受１７を介して支持し、こ
の軸受部間の軸部上にギヤ１５ｅを設け、これを
直交する如く設けたカムシヤフト１８のギヤ１８
ａに噛合せしめ、カム部１８ｂをプツシツロツド
１１端のリフタ１１ａに係合し、動弁機構を構成
した。

以上において、シリンダブロツク部３の開口部
６上端にある一部の下部には、シリンダブロツク
部３の下端３ｂに開放するシリンダ軸方向上方に
凹つた凹欠１９を壁の前後方向に貫通する如く設
ける。これを第２図で正面から示した。シリンダ
内径部３ｃ内にはピストン２０を予じめ嵌挿し、
一方、クランクシヤフト１５のウエブ端面偏心位
置に予じめピン部１５ｆを形成し、これにコンロ
ツド２１の大端部２１ａの孔部２１ｂを嵌合し、
ストツパ２２、ボルト２４で軸方向を規制する。
大端部２１ａは従来の如く上下割りとせず、一体
としこれに孔部２１ｂを形成した。ピストン２０
の周壁には同心的にピン孔２０ａを形成し、ピス
トン２０を下死点にセツトしてコンロツド２１の
小端部２１ｃを内径部に臨ませ、これの孔部２１
ｄをピン孔２０ａに合せ、かかるピン孔２０ａの
一方を凹欠１９に臨ませ、外方からピン２３を一
方のピン孔２０ａ、小端部の孔部２１ｄ、他方の
ピン孔に通してコンロツド小端部とピストンとを
連結し、爾後カバー７を閉じる。

第３図は両持クランクシヤフト式の内燃機関の
実施例で、クランクシヤフト１１５は軸方向二分
割部材１１５Ａ，１１５Ｂで形成され、ピン部１
１５ｆの一部で結合され、ピン部１１５ｆにコン
ロツド１２１の大端部１２１ａを嵌合し、シリン
ダブロツク部１０３には既述の凹欠１１９を形成
し、下死点のピストン１２０の内部にコンロツド
小端部１２１ｃを臨ませ、凹欠１１９を介して外
方からピン１２３を通してピストンとコンロツド
小端部とを連結した。このように両持クランクシ
ヤフト式のものにも実施することができる。

以上で明らかな如く本考案によれば、クランク
シヤフト及びピストンをつなぐコンロツドの大小
端部が一方を割ることなく組み付けることがで
き、特に従来の如く大端部を割ることなく組み付
けでき、クランクシヤフトピン部への大端部の嵌
合、ピストンピンのピストン、コンロツド小端部
への嵌合がピストンの下死点で行え、従つてボル
ト止め等を必要とせず組付工数が削減され、組付
も容易であり、組付性、量産性向上を図ることが
できること、上記により結合部材、半割体の不要
等により部品点数が削減され、上記と相俟つてコ
ストダウンを図ることができること、上記により
簡易、小型の内燃機関を得る上で有利であり、部
品の減少で軽量化を図ることができること、コン
ロツド大端部を分割して接合せず、一体化し得る
ため強度上極めて有利で、大端部を従来の如く厚
肉等に形成する必要がなく、この点でも軽量化を
図ることができる等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は第１実施例の縦断面図、第２図は同要部の正面
図、第３図は第２実施例の縦断面図である。 尚図面中１は内燃機関、３はシリンダブロツ
ク、１５はクランクシヤフト、１９は凹欠部、２
０はピストン、２１はコンロツド、２１ｃは大端
部、２３はピストンピンである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内燃機関のクランクケースにシリンダブロツク
   のピストン下死点側端部の一面を含んでクランク
   シヤフトの軸方向へ少なくとも開放してクランク
   シヤフトを挿入可能な開口部を形成し、この開口
   部からクランクケース内にクランクシヤフトを組
   み込むとともに、シリンダブロツクのシリンダ内
   径部にピストンを組み込む一方、コンロツドの大
   端部及び小端部にともに孔部を形成し、クランク
   シヤフトのクランクピン部に大端部の孔部を嵌合
   した状態でコンロツドの小端部をシリンダ内径部
   の下死点に略位置した状態のピストンに対しピス
   トンピンを介して結合する構造であつて、 シリンダブロツクのピストン下死点側端部に前
   記開口部と連続し、且つシリンダ内径部の下死点
   に略位置した状態のピストンに形成されたピン孔
   を露出可能な凹欠部を形成し、 この凹欠部からピストンのピン孔とコンロツド
   の小端部の孔部とにピストンピンを挿入してピス
   トンにコンロツドを結合したこと、 を特徴とする内燃機関のピストンとコンロツドの
   結合構造。