JPS6333941B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6333941B2
JPS6333941B2 JP54141497A JP14149779A JPS6333941B2 JP S6333941 B2 JPS6333941 B2 JP S6333941B2 JP 54141497 A JP54141497 A JP 54141497A JP 14149779 A JP14149779 A JP 14149779A JP S6333941 B2 JPS6333941 B2 JP S6333941B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
electrode
pool
weight
mig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP54141497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5666376A (en
Inventor
Norio Katsumoto
Mutsuo Nakanishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP14149779A priority Critical patent/JPS5666376A/ja
Publication of JPS5666376A publication Critical patent/JPS5666376A/ja
Publication of JPS6333941B2 publication Critical patent/JPS6333941B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は鋼材の溶接、特にUOE法によつて製
造される大径鋼管の溶接工程に有用な多電極アー
ク溶接法に関するものである。 UOE法による大径鋼管の製造は、対向側縁に
開先加工を施した鋼板のこの側縁部を僅かに同側
へ屈曲し、次いでプレスにより前記側縁部同士を
内向きに対向させるようにU形に曲成し、更に側
縁部同士が衝合するようにO形にプレス加工して
オープンパイプを得、このオープンパイプの開先
の要所に仮溶接を施すと共に、オープンパイプ両
端部には開先の延長上に位置するようにしてオー
プンパイプと略同曲率のタブ板を溶着した後、衝
合部の溶接を、まず内面について行い、次いで外
面について管体とし、その後拡管工程などを経て
仕上げることとしている。而して前記オープンパ
イプの内、外面の溶接には潜弧溶接法、特に入熱
量が大きく、内外面夫々を1層の溶接で仕上げる
ことができ、且つビード形状の美麗な多電極潜弧
溶接法が採用されている。 然るところ近時厚肉の大径鋼管の需要が高ま
り、しかも低温高靭性が要求される傾向にある
が、叙上の如く潜弧溶接法による場合は、厚肉大
径鋼管に対する低温高靭性の要求に対処できな
い。すなわち、入熱量が大きいために溶接熱影響
部〔以下HAZ(Heat Affected Zone)という〕
の靭性が低下するからである。斯かる問題点を潜
弧溶接法の技術的範疇で解決するには、入熱量を
抑制して多層溶接を行うことが考えられるが、斯
かる方法を採る場合には、1層毎の入熱量を抑制
するために溶接電極数を減少させ、また溶接速度
を低下させる必要があり、更に1層の溶接を終え
る都度スラグ除去作業を要する等のために著しく
能率が低下する。このために潜弧溶接法によつて
低温高靭性の厚肉大径鋼管を製造することは実際
上不可能である。 そこでMIG(Metal Inert−gas)溶接法による
か、又はMIG溶接法と潜弧溶接法との併用によ
るオープンパイプの溶接方法が種々試みられてい
る。前者の場合先行電極、後行電極ともにMIG
溶接電極を用い、後者の場合先行電極にはMIG
溶接電極を、また最後行(最終)電極として潜弧
溶接電極を用いることとし、これらの電極を適当
に離隔させることとして1ランでの溶接を行う方
法である。ところがこのような方法は先行電極に
MIG溶接のための直流電流を通じるので、後行
電極のアークに磁気吹き現象が発生し、良好なビ
ード外観が得られず欠陥も多いため実際の製品に
適用することはできなかつた。また直流MIG溶
接では一般にアークの集中性が強いために溶け込
みが深くなつて断面形状梨型のビードが形成さ
れ、ビードの両側部に形成されるデンドライトの
中間部での高温割れが発生し易く、特に溶接電流
が大電流である場合には融合不良の溶接欠陥が発
生しがちであり、要するにこのような従来の直流
MIG溶接を用いる方法では十分な解決策とはな
らない。 本発明は斯かる技術的背景の下になされたもの
であつて、少くとも先行電極により交流MIG溶
接をまた最後行電極により交流MIG溶接又は潜
弧溶接を、複数プール方式の多層溶接を行わせる
如くに実施することとして、入熱量を分散させ、
能率低下を招来することなくHAZの靭性向上を
図り得る多電極アーク溶接法を提供することを目
的とする。 まず本発明の具体的説明に先立ち交流MIG溶
接法についで述べる。元来MIG溶接法とは一義
的に直流電流を使用しての溶接法であるとされて
きた。即ち放電現象自体は交直流の別に拘りなく
生ぜしめ得るものであるがMIG溶接の場合に溶
接電極兼熔加材たるワイヤと溶接対象たるワーク
との間に交流電圧を印加した場合には、所定の条
件下で一旦放電が生じるものの、放電電流の極性
が交番する電流零の位相において放電現象が中断
され、その後の再点弧に失敗することが多く、安
定した継続的アークの発生が望めず、このために
MIG溶接法には必ず直流が用いられ、また単に
MIG溶接法と言えば必ず直流溶接を意味してい
た。これは前述した如きMIG溶接法と潜弧溶接
法とを併用せんとする試み、例えば特開昭52−
3543号、特開昭53−130242号に係る技術において
もまた然りである。 然るところMIG溶接法(直流による)の特長
を生かしつつ、磁気吹きの原因となる残留磁気を
生成せしめず、且つ電源装置を簡略化することを
意図して電源を交流化することの可能性を種々検
討した結果、必須成分として1〜15重量%の
TiO2と、単独若しくは合計で1〜10重量%の
Na2O及び/又はK2Oとをアーク安定剤として、
また1〜10重量%のSiO2をスラグ形成剤として
内蔵している複合ワイヤの使用により、交流電源
を用いても安定した継続的アークを得さしめるこ
とを可能とする技術、即ち交流MIG溶接法が可
能であることを知見した。本発明は旧来単に
MIG溶接法と称されてきた直流方式のMIG溶接
と異り、後行溶接電極によるアークの磁気吹きを
生ぜしめることのない、上述した如き交流MIG
溶接法を利用して複数プール方式の多層溶接、換
言すれば1ランでの多層溶接を行わしめんとする
ものである。 本発明に係る多電極アーク溶接法は大別すると
交流MIG溶接法のみによるものと交流MIG溶接
法及び潜弧溶接法とを併用するものとの2種類に
大別されるが、いずれも交流MIG溶接法を採用
し、且つ複数プール方式の多層溶接を行うことを
主要部としており、また能率及びHAZ靭性共に
優れた溶接を可能ならしめることを目的としてい
る。 而してまず前者の方法について説明する。最も
基本的な実施態様は第1図に示す如く交流MIG
溶接用の複合ワイヤ1f,1rを白抜矢符で示す
溶接進行方向の前後に距離l1だけ離隔させてタン
デムに配し、両複合ワイヤ1f,1r夫々とワー
クWとの間に交流電圧を印加しての交流MIG溶
接を行わせる。複合ワイヤ1f,1rは溶接ヘツ
ド11,11に各挿通されて夫々の先端をワーク
Wに臨ませており、送りロール12,12によつ
て繰り出されるようにしていること、また溶接ヘ
ツド11,11からはヘリウム、炭酸ガス及びア
ルゴンからなる混合不活性ガスがワークWに向け
て噴出され、複合ワイヤ1f,1r夫々とワーク
Wとの間に生成されるアークを覆うこと、更に溶
接の進行は白抜矢符方向に複合ワイヤ1f,1r
を連動移動させるか、又はワークWを白抜矢符と
は逆方向に移動させる等の点は通常の直流方式の
MIG溶接、その他連続的溶接法と同様である。 而して複合ワイヤ1f,1r間の離隔距離l1
夫々による交流MIG溶接が2プール方式での多
層溶接として行われる値、即ち複合ワイヤ1l,
1rが各独立にモルトンプールを形成するに必要
とされる値に設定する必要がある。このl1の値は
溶接条件、すなわち溶接電圧、溶接電流、溶接速
度によつて区々に異るが200mm末満の範囲では2
プールが形成されず、逆に500mmを超過する範囲
では大径鋼管製造における溶接の場合、前記タブ
板が長大化して作業に支障を来たすことになるの
で200〜500mmの範囲の適当な値にするのが好適で
ある。 次に複合ワイヤ1f,1rについて説明する。
この複合ワイヤ1f,1rの使用はアークを安定
させて、交流MIG溶接を可能とする上で不可欠
であることは勿論であるが、良好なビードを得る
上でその選定は極めて重要である。本発明者等が
種々の実験を繰返した結果、この複合ワイヤとし
ては次のようなものを使用するのが好適であるこ
とが判明した。即ち、その複合ワイヤ全体に対
し、1〜15重量%のTiO2と、単独若しくは合計
で1〜10重量%のNa2O及び/又はK2Oとをアー
ク安定剤として、また1〜10重量%のSiO2をス
ラグ形成剤として内蔵させたものである。ここで
TiO2を1〜15重量%としたのは1%未満ではア
ークの安定性が悪く、15%を超えると再点弧電圧
が高くなり過ぎアーク切れの虞れがあるからであ
る。また単独で又は複合的に添加されるNa2O、
K2Oの量を1〜10重量%としたのは1%未満では
アーク安定化の効果が小さく、10%を超えるとビ
ード中にブローホールが生じ易くなるからであ
る。 更にSiO2を1〜10重量%としたのは、1%未
満ではスラグ形成が不十分であり、10%を超える
とスラグ量が過大となりスラグ巻込欠陥を生じ易
くなるからである。 なお上述したアーク安定剤、スラグ形成剤の各
成分はワイヤを構成する鋼製の中空体内に原材料
のまま内蔵させても、またワイヤ自体にメルトさ
せてこれと一体的に内蔵させたものでもよい。ま
たこの複合ワイヤには、脱酸剤としてのMnO、
Al2O3及びCaF2、並びに溶接金属の強度向上剤と
してのFe−Mn及びFe−Mo等を各1種又は2種
以上を少量添加することとしてもよい。 第1図はワークWの溶接状態を模式的にあらわ
しており、図中複合ワイヤ1f,1r夫々の先端
部後方の白抜領域はモルトンプールW1,W2を示
し、先行する複合ワイヤ1fに係るモルトンプー
ルW1によつて先行ビードW3が形成され、後行す
る複合ワイヤ1rに係るモルトンプールW2によ
り先行ビードW3の上層に後行ビードW4が形成さ
れていく。なお後行する複合ワイヤ1rの前方に
在る先行ビードW3上にはスラグW5が形成される
が、このスラグW5は約1mmと薄いので後行する
複合ワイヤ1rのアークによつて何ら問題なく溶
融除去される。このように本発明では適長離隔し
て形成される、つまり各独立の複数のモルトンプ
ールW1,W2により、先行、後行ビードを略々同
時的に形成していく、複数プール方式の多層溶
接、即ち1ランでの多層溶接が行われていく。 斯かる本発明の溶接法による場合は入熱量が各
複合ワイヤ1f,1rに分散されるので、1ラン
で1層の多層盛溶接を行う場合の如くHAZの低
温靭性の向上が図れる一方、これが1ランで可能
となるから能率も高い。そして先行溶接を交流
MIG溶接としたことにより後行溶接のアークに
磁気吹き現象が現れず、また先行溶接により生成
されるスラグW5は薄いので後行溶接のアークに
より溶融除去され、スラグ巻込欠陥が発生するこ
ともなく良好なビードが得られる。更に本発明方
法では交流MIG溶接を行う都合上複合ワイヤの
使用は不可欠であるが、複合ワイヤ使用の場合は
直流方式のMIG溶接で使用される実体ワイヤ
(ソリツドワイヤ)の場合に比してアークの集中
力は弱いので、これに起因する融合不良、高温割
れの発生が防止できるという効果もある。 次に上述の如く交流MIG溶接法のみによる場
合の他の実施例について説明する。第1図に示し
た実施例では先行、後行の溶接電極は各1本の複
合ワイヤによつて構成されてきたが、いずれか一
方、又は双方に複数本(実用上は2〜4本)の複
合ワイヤを用いることとしてもよい。この場合、
先行又は後行電極として各機能する複数本の複合
ワイヤは単一モルトンプールを形成すべく近接配
置される。つまり先行又は後行電極として複数本
の複合ワイヤを使用する場合にも、先行プール、
後行プールが各1個形成されるのみであり、2プ
ール方式の多層溶接としてみる限り、1本の複合
ワイヤと先行又は後行電極として各近接配置され
る複数本の複合ワイヤとは等価である。このよう
に先行電極若しくは後行電極又は後述するように
中間電極として同一モルトンプールの形成に夫々
与る1本又は近接配置された複数本の複合ワイヤ
を溶接電極ユニツトと称することとすると、第1
図の方法は複合ワイヤが各1本の先行の溶接電極
ユニツトFU1及び後行の溶接電極ユニツトRU
1を用いての溶接ということになる。これに対し
て第2図の実施例では先行の溶接電極ユニツト
FU2及び後行の溶接電極ユニツトRU2として、
いずれも2本の複合ワイヤ2f1,2f2及び2r1
2r2を使用し、両溶接電極ユニツトをタンデムに
配置することとしている。溶接電極ユニツトFU
2(又はRU2)の複合ワイヤ2f1,2f2(又は2
r1,2r2)間寸法l21(又はl22)〔いずれも先端間寸
法〕は上述の如く同一のモルトンプールW1(又は
W2)を形成するように、例えば20mm程度に定め
られる。一のユニツトが3本以上の複合ワイヤを
備える場合は相隣するワイヤ間の寸法を同様に定
めればよい。そして両溶接電極ユニツトFU2,
RU2間寸法、即ちユニツトFU2の後側の複合
ワイヤ2f2の先端とユニツトRU2の前側の複合
ワイヤ2r1の先端との離隔寸法l2は、各ユニツト
によるモルトンプールを独立させておく必要上前
述したところと同様に200〜500mmの範囲とする。
第2図に示す如く各溶接電極ユニツトを複数の複
合ワイヤにて構成する場合にも前述した如き第1
図の実施例の場合と同様の効果が奏されることは
勿論である。そして溶接電極ユニツトを複数本の
複合ワイヤで構成する場合には開先が広幅であつ
たり、深い場合にも溶接速度を高速化できる。 第3図は溶接電極ユニツトを先行、中間、後行
の3個構成として、これらをタンデム配置した場
合の実施例を示している。各溶接電極ユニツト
FU3,MU3及びRU3の複合ワイヤ本数を図示
の如くいずれも2本とするか、夫々につき1本又
は3本以上とする等の選択は必要に応じて定めれ
ばよいが、第2図の実施例におけると同様、同一
溶接電極ユニツトを構成する複合ワイヤ相互の離
隔距離はそのユニツト全体として単一のモルトン
プールを形成させるべく20mm程度の小さな値に設
定すること、並びに溶接電極ユニツト相互間の離
隔距離、即ち先行溶接電極ユニツトFU3の後側
の複合ワイヤ先端と中間溶接電極ユニツトMU3
の前側の複合ワイヤ先端との離隔距離l31及び中
間溶接電極ユニツトMU3の後側の複合ワイヤ先
端と後行溶接電極ユニツトRU3の前側の複合ワ
イヤ先端との離隔距離l32は各ユニツトにより形
成されるモルトンプールW1,W0,W2が各独立
するように200〜500mmの範囲とする。第3図の実
施例の場合も第1図、第2図の場合と同様の効果
が奏されることは勿論であるが、溶接電極ユニツ
ト数を3個としたことにより、1ランで3層の溶
接が行えることになり、より一層入熱量が分散さ
れることとなるから、HAZの低温靭性向上効果
はより顕著である。 なおタンデムに配置する溶接電極ユニツトの数
は上述の3例の如く2又は3に限らず4以上でも
よく、ワークの仕様(肉厚、開先条件、要求され
る低温靭性)、溶接速度、各ユニツトを構成する
複合ワイヤの本数等に基いて適宜に選択すればよ
い。 次にいま一つの本発明方法、即ち交流MIG溶
接法及び潜弧溶接法とを併用する方法につき説明
する。この方法は簡単に述べると第1〜3図に示
した溶接電極ユニツトRU1,RU2又はRU3等
の後行又は最後行、即ち最終の溶接電極ユニツト
に替えて1又は複数本の潜弧溶接ワイヤよりなる
溶接電極ユニツトを配し、該溶接電極ユニツトに
より潜弧溶接を行わせんとするものである。複数
本の潜弧溶接ワイヤを用いた場合の相隣するワイ
ヤ先端相互間の距離は前述した交流MIG溶接用
の溶接電極ユニツトにおけると同様に、潜弧溶接
用の溶接電極ユニツト全体として単一のモルトン
プールを形成し得るように20mm程度の小さな値と
し、また潜弧溶接用の、即ち最後行の溶接電極ユ
ニツトと、その前方に位置する先行又は中間の溶
接電極ユニツトとの離隔距離、即ち前者の前側の
ワイヤ先端と後者の後側のワイヤ先端との離隔距
離はこれら両溶接電極ユニツトにて各形成される
モルトンプールが各独立するように200〜500mmと
する。なおこの場合においても交流MIG溶接用
のユニツトには前述した如き組成の複合ワイヤを
用いるが、潜弧溶接用のユニツトに用いるワイヤ
は適当なものを選択すればよく、使用フラツクス
も適宜に選択すればよい。要するにこの方法は最
後行の溶接として潜弧溶接を行い、これに先行す
る1又は複数個の溶接電極ユニツトにて交流
MIG溶接を行わせるのである。 第4図はその1実施例をワークWの溶接進行状
態と共に模擬的に示している。白抜矢符で示す溶
接進行方向の前方には交流MIG溶接用の溶接電
極ユニツトFU4となる1本の複合ワイヤ4fが
溶接ヘツド41に挿通され、送りロール42によ
り繰出されるようにしてある。複合ワイヤ4fと
ワークWとの間には交流電圧を印加し、溶接ヘツ
ド41からは前述した如き混合不活性ガスをワー
クWに向けて噴出させ、これにより複合ワイヤ4
fとワークWとの間のアークを覆い、交流MIG
溶接を行わせる。そして溶接電極ユニツトFU4
の後方には潜弧溶接用の溶接電極ユニツトRU4
となる2本の潜弧溶接ワイヤ4r1,4r2が溶接ヘ
ツド43,43を経て繰出され、またこの潜弧溶
接ワイヤ4r1の前方であつて、複合ワイヤ4fの
後方には図示しないフラツクスフイーダが配さ
れ、このフイーダから供給されたフラツクスFL
でワイヤ4r1,4r2とワークWとの間のアークを
覆うようにして公知の如く潜弧溶接を行わせる。
なおワイヤ4f,4r1夫々の先端間距離l4は200
〜500mmに設定される。 このように先行するユニツトFU4にて交流
MIG溶接を、また後行するユニツトRU4にて潜
弧溶接を行わせると先行する交流MIG溶接によ
つてまずモルトンプールW41が形成され、これに
よつて先行スピードW43から得られ、次いで後行
する潜弧溶接によつてモルトンプールW42が形成
され、これによつて後行ビードW44が得られるこ
とになり、1ランでの2層溶接が行われる。なお
先行ビードW43上に交流MIG溶接によるスラグ
W45が形成されるが、前述の場合と同様に1mm程
度の厚さであるので、後行する潜弧溶接のアーク
にて溶融除去される。なおW46は潜弧溶接にて形
成されるスラグであつて、その大半は用済のフラ
ツクスFLと共に回収される。 このように潜弧溶接を併用する場合にも、最後
行の溶接電極ユニツト以外は交流MIG溶接を行
うから、後行溶接(交流MIG溶接又は潜弧溶接)
のアークに磁気吹き現象が現れず、また先行する
交流MIG溶接により生成されるスラグは薄いの
で、後行する交流MIG溶接又は潜弧溶接により
溶融除去され、スラグ巻込欠陥が発生せず良好な
ビードが得られる。そして入熱量も前同様に分散
されHAZの低温靭性向上が図れ、また1ランで
の多層溶接を行うので能率も高いことは勿論、複
合ワイヤ使用によるアークの集中力低減により、
融合不良、高温割れの防止も図れ、前述の交流
MIG溶接のみによる場合と同様の効果が奏され
る。そして潜弧溶接を最後に行うこととしたこと
により、ビード形状の外観が著しく美麗になり、
またこれに伴いビード形状不良部に対する応力集
中の虞れがなくなるという独自の効果も奏され
る。 次に本発明方法の効果を実施例により明らかに
する。以下の2つの実施例においてはいずれも第
4図に示した如き方法、即ち先行のユニツトにて
交流MIG溶接を、また後行のユニツトにて潜弧
溶接を行うこととし、前者の複合ワイヤ数は1
本、後者の潜弧溶接ワイヤ数は2本とする方法に
よつた。またワークとしては第5図に示す如く、
幅100mm、長さ2000mm、厚さ25mm鋼板2枚夫々の
長片一側において表裏面夫々に深さ9mmのV形開
先を形成せしめるべきテーパをとり、中央に7mm
のルートフエースを設けるべく加工し、両者のル
ートフエース同士を衝合せたものを用いた。なお
鋼板の化学組成(重量%)はC:0.12、Si:0.28、
Mn:1.25、P:0.016、S:0.005である。 実施例 1 (1) 溶接条件:表1による
【表】 なおワイヤ4f−4r1間距離l4は400mmとし
た。 (2) 交流MIG溶接用の供試複合ワイヤの化学組
成:表2による
【表】 (単位:重量%)
なお記号aのものは実体ワイヤであり、本発
明方法の条件を満たさないものである。また記
号b〜dのものは本発明方法の実施に用いて好
適とされる複合ワイヤのTiO2、K2O、Na2O、
SiO2についての成分条件を満たさないもので
ある。これに対して記号e〜hのものは上記成
分条件を満たすものである。 (3) 潜弧溶接用のワイヤ及びフラツクス ワイヤ:市販Si−Mn系ワイヤ フラツクス:中性溶融型フラツクス (4) 溶接結果:第3による
【表】 この結果から明らかな如く実体ワイヤ又は前
記成分条件を満たさないb〜dの複合ワイヤで
は安定した交流MIG溶接が行えず、特に実体
ワイヤではビードが形成されない。これに対し
て前記成分条件を満たす複合ワイヤを使用する
場合はワークの安定した交流MIG溶接が行え、
また欠陥の発生もない。なお上述の実施例は無
負荷電圧が85Vの溶接機を使用した場合の結果
を示しているが、溶接機として無負荷電圧が
95Vのものを使用した場合はb〜dの複合ワイ
ヤを使用するときにもアークは安定し、またブ
ローホール、スラグ巻込とも“なし”の結果が
得られ、本発明方法の効果は必ずしも複合ワイ
ヤのアーク安定剤、スラグ形成剤の組成のみに
依つて奏されるものではないことが推測され
る。 実施例 2 (1) 溶接条件:表1による 但し、ワイヤ4f−4r1間距離l4を種々変化
させた。また溶接は表裏両面に行つた。また供
試複合ワイヤは記号fのものである。 (2) HAZ靭性を調べるためのシヤルピー試験結
果:表4による なお各試料につき3箇処の測定を行つた。
【表】 この結果から明らかな如くワイヤ間距離が
200mm未満(試料番号1〜3)では多層溶接と
しての効果が得られず、200mm以上(試料番号
4〜7)で良好な靭性が得られた。 以上詳述したように本発明による場合は生産能
率が高く、且つHAZの低温靭性が高く、更に欠
陥のない良好なビード形成が可能な溶接を実現で
き、本発明が厚肉大径鋼管の品位向上、生産能率
向上に寄与する処は多大である。 なお本発明に係る溶接法はワークの表裏両面に
施す迄もなく、後に溶接される面の溶接にのみ適
用することとしても相当の効果が得られる。すな
わちUOE法による大径鋼管製造の場合であれば
外面溶接にのみ本発明方法を適用することとして
もよい。けだしHAZの靭性は最後に行われた溶
接に支配される処が大きいからである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明を総て交流MIG溶
接にて実施する場合の模式図、第4図は本発明
を、最後行の溶接のみ潜弧溶接にて、また他を交
流MIG溶接にて実施する場合の模式図、第5図
は実施例1、2にて使用したワークの斜視図であ
る。 1f,1r,4f……複合ワイヤ、4r1,4r2
……潜弧溶接ワイヤ、FU1,RU1…FU4,
RU4……溶接電極ユニツト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 その必須成分として、1〜15重量%のTiO2
    と、単独若しくは合計で1〜10重量%のNa2O及
    び/又はK2Oとをアーク安定剤として、また1〜
    10重量%のSiO2をスラグ形成剤として内蔵して
    いる一本の複合ワイヤ又は単一モルトンプールを
    形成すべく近接配置した複数本の複合ワイヤより
    なる溶接電極ユニツト複数個を、各独立のモルト
    ンプールを形成させるに必要とされる距離だけ相
    互に離隔させてタンデムに配し、各溶接電極ユニ
    ツトによる交流MIG溶接を行うことを特徴とす
    る多電極アーク溶接法。 2 前記距離は200〜500mmである特許請求の範囲
    第1項記載の多電極アーク溶接法。 3 その必須成分として、1〜15重量%のTiO2
    と、単独若しくは合計で1〜10重量%のNa2O及
    び/又はK2Oとをアーク安定剤として、また1〜
    10重量%のSiO2をスラグ形成剤として内蔵して
    いる一本の複合ワイヤ又は単一のモルトンプール
    を形成すべく近接配置した複数本の複合ワイヤよ
    りなる溶接電極ユニツトを1個先行させ、該溶接
    電極ユニツトによる交流MIGを行うと共に、該
    交流MIG溶接により形成されるモルトンプール
    とは独立の単一モルトンプールを形成するに必要
    とされる距離だけ前記溶接電極ユニツトから離隔
    させて設けた1又は複数本の潜弧溶接ワイヤより
    なる溶接電極ユニツトを最後行電極として、該溶
    接電極ユニツトによる潜弧溶接を行うことを特徴
    とする多電極アーク溶接法。 4 前記距離は200〜500mmである特許請求の範囲
    第3項記載の多電極アーク溶接法。 5 その必須成分として、1〜15重量%のTiO2
    と、単独若しくは合計で1〜10重量%のNa2O及
    び/又はK2Oとをアーク定定剤として、また1〜
    10重量%のSiO2をスラグ形成剤として内蔵して
    いる1本の複合ワイヤ又は単一のモルトンプール
    を形成すべく近接配置した複数本の複合ワイヤよ
    りなる溶接電極ユニツトを複数個を各独立のモル
    トンプールを形成させるに必要とされる距離だけ
    相互に離隔させてタンデムに配置して先行させ、
    該溶接電極ユニツトによる交流MIGを行うと共
    に、該交流MIG溶接により形成されるモルトン
    プールとは独立の単一モルトンプールを形成する
    に必要とされる距離だけ前記溶接電極ユニツトか
    ら離隔させて設けた1又は複数本の潜弧溶接ワイ
    ヤよりなる溶接電極ユニツトを最後行電極とし
    て、該溶接電極ユニツトによる潜弧溶接を行うこ
    とを特徴とする多電極アーク溶接法。 6 前記距離は200〜500mmである特許請求の範囲
    第5項記載の多電極アーク溶接法。
JP14149779A 1979-10-31 1979-10-31 Multielectrode arc welding method Granted JPS5666376A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14149779A JPS5666376A (en) 1979-10-31 1979-10-31 Multielectrode arc welding method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14149779A JPS5666376A (en) 1979-10-31 1979-10-31 Multielectrode arc welding method

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5666376A JPS5666376A (en) 1981-06-04
JPS6333941B2 true JPS6333941B2 (ja) 1988-07-07

Family

ID=15293305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14149779A Granted JPS5666376A (en) 1979-10-31 1979-10-31 Multielectrode arc welding method

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5666376A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0247063A (ja) * 1988-08-09 1990-02-16 Nippon Baldwin Kk ブランケット胴自動洗浄装置
JPH02202451A (ja) * 1989-01-31 1990-08-10 Nippon Baldwin Kk ウエブガイドローラの洗浄方法及び装置
JPH03177257A (ja) * 1989-12-04 1991-08-01 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd ウェブ料紙案内装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57202981A (en) * 1981-06-05 1982-12-13 Nippon Steel Corp Highly tenacious ac mig welding method
JPS58103967A (ja) * 1981-12-15 1983-06-21 Sumikin Yousetsubou Kk 全姿勢溶接が可能な突合せ溶接方法
JP4786402B2 (ja) * 2006-04-17 2011-10-05 新日本製鐵株式会社 Uoe鋼管の製造方法
JP5966107B1 (ja) * 2016-02-02 2016-08-10 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 自動溶接方法及び自動溶接装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4996944A (ja) * 1973-01-20 1974-09-13
JPS50129448A (ja) * 1974-03-30 1975-10-13
JPS53149144A (en) * 1977-05-31 1978-12-26 Lincoln Electric Co Arc welding method of metallic plate from one side surface and its device

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4996944A (ja) * 1973-01-20 1974-09-13
JPS50129448A (ja) * 1974-03-30 1975-10-13
JPS53149144A (en) * 1977-05-31 1978-12-26 Lincoln Electric Co Arc welding method of metallic plate from one side surface and its device

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0247063A (ja) * 1988-08-09 1990-02-16 Nippon Baldwin Kk ブランケット胴自動洗浄装置
JPH02202451A (ja) * 1989-01-31 1990-08-10 Nippon Baldwin Kk ウエブガイドローラの洗浄方法及び装置
JPH03177257A (ja) * 1989-12-04 1991-08-01 Tokyo Kikai Seisakusho Ltd ウェブ料紙案内装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5666376A (en) 1981-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4258242A (en) Welding process for production of a steel pipe
JPS6317554B2 (ja)
JPS6333941B2 (ja)
JPH08243754A (ja) クラッド鋼管の内面溶接方法
US3118047A (en) Apparatus for welding by fusing a metal strip
EP1025944B1 (en) Method for making a welding joint
JP2001038472A (ja) ステンレスクラッド鋼板の溶接方法
JP3182672B2 (ja) クラッド鋼管の内面溶接方法
US3073948A (en) Process for welding by fusing a metal strip and article produced
JPH0252586B2 (ja)
JPH0428472B2 (ja)
JPH08276273A (ja) クラッド鋼の突合せ溶接方法
JPH0623543A (ja) 二重管の管端シール溶接方法
JP3180257B2 (ja) クラッド鋼管の内面シーム溶接方法
JP2833279B2 (ja) 鋼管の溶接方法
JPS61226187A (ja) 高合金鋼クラツド鋼管の製造方法
JPH11239879A (ja) 極厚鋼板の多層サブマージアーク溶接方法および極厚溶接部材
JPS6121750B2 (ja)
US20060027549A1 (en) Buried arc welding of integrally backed square butt joints
JPH032597B2 (ja)
JPS5832583A (ja) 大径鋼管の造管溶接法
SU835678A1 (ru) Способ изготовлени сварных конструк-ций
JPH071126A (ja) 横向き片面自動溶接方法
JPS61266185A (ja) 2電極ミグ溶接法
SU1433678A1 (ru) Способ изготовлени тавровых соединений многопроходной сваркой