JPS6332893B2 - - Google Patents

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JPS6332893B2
JPS6332893B2 JP13729078A JP13729078A JPS6332893B2 JP S6332893 B2 JPS6332893 B2 JP S6332893B2 JP 13729078 A JP13729078 A JP 13729078A JP 13729078 A JP13729078 A JP 13729078A JP S6332893 B2 JPS6332893 B2 JP S6332893B2
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JP
Japan
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yarn
twisted
untwisted
twist
fibers
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JP13729078A
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Takao Negishi
Kazuo Tomiita
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、実撚糸様の風合や淡い絣を呈する布
帛を形成し得る特殊な仮撚加工糸に関する。 更に詳しくは、糸軸方向にS撚糸部分とZ撚糸
部分とが交互に存在し、いずれか一方の撚方向の
糸部分は堅密な撚糸構造であつて、他方の撚方向
の糸部分は嵩高な撚糸構造である、特殊な仮撚加
工糸に関するものである。 本発明は、仮撚加工の加撚領域にある糸の撚糸
構造を仮撚加工後の糸に残留せしめた所謂未解撚
部分に堅密な撚糸構造を求め、仮撚加工の加撚領
域にある糸の撚密度を越えて解撚せしめた所謂過
解撚部分に嵩高な撚糸構造を求めるものであり、
形成された該未解撚部分と該過解撚部分とにより
成る交互撚糸状態の糸に実撚糸様の効果を求め、
該未解撚部分と該過解撚部分との形態差に絣の効
果を求めんとするものである。 仮撚加工によつて未解撚部分と過解撚部分とを
交互に形成させる技術は、従来においても数多く
知られている。 例えば、特公昭50−25065号公報、特公昭51−
225号公報、特公昭51−42662号公報等に、ポリエ
ステル系の延伸繊維やポリアミド系の延伸繊維
を、スピンドル方式の仮撚装置を用いて、繊維相
互が部分的に融着を起こすという極めて高い加熱
温度のもとで仮撚加工を実施している例が記載さ
れている。 しかし、上記従来の技術では、本発明の目的と
するところの実撚糸様の風合や淡い絣を呈する布
帛を形成し得るものを得ることは到底できなかつ
たものである。その原因は次の如くと考えられ
る。 第1に、実撚糸様の風合を得ようとするには、
未解撚部分および過解撚部分の両者の撚密度を高
くすることが重要であり、それは、とりもなおさ
ず未解撚部分の撚密度を高くかつ糸に占める長さ
割合を多く形成することである。ところが仮撚加
工において加撚領域の糸の撚密度を高めると未解
撚部分の発生が減少するという好ましくない特性
をもつているのである。 一方、加熱温度を高めて、繊維相互の融着を多
くすると未解撚部分の発生が増加し、この点に関
しては好ましいことではあるが、繊維相互の融着
を多くすると、一方では実撚糸の本来の効果であ
る柔軟でドレープ性に富み、あるいはシボの発現
能が高いといつた効果を阻害することになる。つ
まり融点は糸をモノフイラメント糸に近づけ、糸
を剛直にするからである。 第2に、淡い絣を得ようとするには、未解撚部
分と過解撚部分との糸構造差に依る以外はなく、
両者はむろん同一の繊維、繊度、繊維数で構成さ
れているわけであるから、かなり明瞭な形態差が
必要である。それには、未解撚部分の堅密性を高
く、一方過解撚部分の嵩高性を高くすることが重
要である。未解撚部分の堅密性は仮撚加工の加撚
領域の糸の撚糸構造が保たれていれば良く、つま
り繊維の捲縮が露顕していなければ良く、撚密度
の影響は少ないのであるが、過解撚部分の嵩高性
は、繊維の捲縮が高いほど良く、より高い仮撚加
撚を受けていることが必要である。しかるに、未
解撚部分と過解撚部分とは同一の仮撚加撚を受け
るわけであり、過解撚部分の嵩高性を高めるため
に未解撚部分にも高い仮撚加撚を与えることにな
り、この場合、前記と同様一方では未解撚部分の
発生を減少させることになる。 一方、繊維相互の融着を多くすると、未解撚部
分の堅密性は保たれるが、過解撚部分の嵩高性を
阻害して好ましくない。それは過解撚部分の捲縮
の露顕を阻害するからである。 第3に、更に絣に関しては、その模様が重要で
あり、未解撚部分の長さ、数、量に密接に関係し
てくる。繊維相互の融着が多くない場合には、未
解撚部分の長さ、数、量とも絣を呈するには不十
分である。 第4に、目的を達成するためには、糸に高い抗
張力性が必要である。糸に形成された未解撚部分
と過解撚部分とが、糸から布帛になるまでの間の
張力を受ける工程において、撚の相殺を伴なつて
破壊されては全く無意味であるからである。繊維
相互の融着が多くない場合、抗張力性が一般に不
十分である。 上記の如く、前記3つの公報に記載されてなる
方法で実撚糸の風合、絣の明瞭さ、絣の模様、糸
の抗張力性の面で本発明の目的を達成できないの
は、まずひとつは技術範囲が延伸糸をスピンドル
方式の仮撚装置で仮撚加工する方法に限定されて
いたからである。 つまりスピンドル方式の仮撚は、細いペグに捲
回して行なうため、ペグを通過する糸に大きな歪
を与え、未解撚部分の発生を阻害し、また発生し
た未解撚部分の抗張力性を低いものとする。 更に、延伸糸の仮撚加工においては、繊維相互
の融着を発生する加熱温度領域と融着を発生しな
い加熱温度領域とが明確に区分でき、未解撚部分
の抗張力性を高め、過解撚部分の嵩高性をあまり
阻害しない程度の適量の融着や、融着は起こるが
過解撚部分においては解撚の歪で融着が剥離して
しまう程度の軽度の融着といつた、中間的融着を
起こす温度領域が極めて狭く、その温度領域を使
用することが困難であるからである。 また、特開昭51−143746号公報、特開昭51−
143749号公報、特公昭53−15188号公報、特公昭
53−30818号公報、特開昭51−19847号公報、特開
昭53−98444号公報等に延伸繊維を流体旋回流応
用の仮撚装置を用い、高い過超供給のもとで仮撚
加工を実施している例が記載されている。 しかし、上記従来の技術においても、本発明の
目的とするところのものを得ることはできなかつ
た。特に絣の模様において、不十分であり、未解
撚部分の長さが短かすぎるのである。 流体旋回流応用の仮撚加工方式で、未解撚部分
を長くできない理由は、糸条が仮撚を受ける際、
流体旋回流に乗つて糸条が公転(バルーニング)
作用を受ける。この公転作用は解撚領域の糸にも
バルーニングを誘発する。流体旋回流によつて強
制的に起こる糸条の公転と、糸とその張力によつ
て決まる解撚領域の糸の固有振動数とは一致せ
ず、糸は断続的な力を受け、未解撚部分は寸断さ
れるものと考えられる。過超供給量が多く、糸の
張力が低いとこの現象が一層助長され、また過超
供給量が少なく、糸の張力が高いと、高い撚密度
の仮撚を到底付与できない。 また、一方長い未解撚部分を形成する技術とし
て、仮撚加工されつつある糸条に積極的な非定常
作用を施す技術がある。例えば、糸条と加熱装置
との接触状態を変動させる技術として特開昭49−
66928号公報、特開昭51−15017号公報、特開昭52
−8119号公報、仮撚装置から加熱装置方向へ伝播
する撚を変動させる技術として特公昭51−34016
号公報、特開昭49−554号公報、特開昭50−
121546号公報、仮撚装置により発生する糸条の撚
数を変動させる技術として特公昭49−8414号公
報、特開昭49−108353号公報、特開昭53−61745
号公報、仮撚装置を通過する糸条の速度を変動さ
せる技術として特開昭49−92337号公報、特開昭
49−92354号公報、仮撚加工される糸条を長さ方
向に不均一にする技術として特開昭52−66722号
公報、特開昭53−81749号公報、特開昭49−
101654号公報等が知られている。 上記の非定常仮撚の共通した特徴は、糸軸に沿
つた撚数変化がなだらかである、染着性斑、太さ
斑等が形成される等である。撚数変化がなだらか
であると絣の模様が不明瞭になり、染着性斑や太
さ斑は、視覚に対する印象が強いため、糸の撚糸
構造によつて表現しようとする淡い絣の効果を阻
害する。更に特開昭49−133647号公報の技術も提
案されているが、かかる技術は仮撚加工糸を実撚
で追撚するものであるので、堅密撚糸部分は形成
されず、また反対方向の撚を有する嵩高撚糸部分
も形成されない。またかかる技術は実撚による追
撚を付与しているので生産能率が劣るという欠点
もある。 前記した如き本発明の目的と上記の如き従来の
技術との間には、大きな隔たりがあるため、本発
明を完成させる過程において、これら従来の技術
を参考にしながらも、供給原糸、仮撚装置、加工
条件、及び得られる糸とその糸を用いた布帛につ
いて、本発明者らは種々一から鋭意研究したもの
である。 その結果、本発明の目的を達成するためには、
前記従来の技術によつて得られる糸に比べて、糸
軸方向に染着性斑を有さず、繊維相互の融着を極
力少なくした上で、未解撚部分の撚密度をより高
く、糸に占める長さ割合をより多く、かつ個々の
長さをより長くし、更に糸の抗張力性をより高く
すること等を達成する必要があるとの結論に達し
たものである。 そして、上記の本発明の目的を達成するための
糸製造技術上の目的に関し、前記従来の技術より
も、下記する技術手段の方が優れていることを見
い出した。 第1に、糸軸方向に染着性斑を形成しないこと
が最も重要であり、これは、仮撚加工を定常状態
で行なうことである。 第2に、繊維相互の融着を極力少なくすること
であり、仮撚加工条件を選定する他に、中間的融
着を起こす温度範囲の広い未延伸繊維を供給原糸
とし、該未延伸繊維の分子配向度合を必要に応じ
て選定することである。 第3に、仮撚装置として、糸に与える撚以外の
歪を小さくでき、かつ糸にバルーニングを与えな
いことのできる摩擦仮撚装置を用いることであ
る。 本発明は、上記技術手段に関して、更に鋭意研
究を重ねた結果、目的を達成することに成功し、
ここにその技術を提供するに至つた。 本発明の骨子は次の如きである。 即ち本発明は、仮撚捲縮を有する長繊維から成
る多繊条糸であつて、該糸は、糸軸方向に沿つ
て、撚密度が21000/(撚数/m)以上であり、
かつ繊維の捲縮形態が糸の撚構造と一致している
堅密撚糸部分と、該堅密撚糸部分とは反対方向の
撚を有しかつ繊維の捲縮形態が露顕している嵩高
撚糸部分とが、不規則な長さで交互に存在し、か
つ前記堅密撚糸部分の糸全体に占める長さ割合が
10%以上であり、更に前記堅密撚糸部分の各各の
長さ(単位:mm)の自乗和が糸1m当り3000以上
であることを特徴とする実撚調仮撚加工糸(ただ
し、Dは糸のデニール数である)である。本発明
において好ましくは、該糸の抗張力性が0.3g/
D以上であることを特徴とし、更に、該糸は、糸
軸方向に染着性の斑を実質的に有さないことを特
徴とし、更に、該糸を構成する繊維相互が融着し
ていないか、又は融着していても該繊維を切断せ
ずに剥離できる程度の融着であることを特徴とす
る、特殊仮撚加工糸である。 上記における「堅密撚糸部分」とは、撚密度が 21000/√(撚数/m) 以上でありかつ繊維の捲縮形態が糸の撚構造と一
致している状態の糸部分である。すなわち捲縮の
ないマルチフイラメント糸を加撚し、熱固定した
如き状態の糸部分である。 上記における「嵩高撚糸部分」とは、撚を有し
かつ繊維の捲縮形態が露顕している状態の糸部分
である。すなわち、無撚で捲縮のあるマルチフイ
ラメント糸を加撚した如き状態の糸部分である。 上記における「堅密撚糸部分と嵩高撚糸部分と
を交互に有する糸」とは、該糸が前記堅密撚糸部
分又は前記嵩高撚糸部分のいずれにも該当しない
糸部分を実質的に有さない状態の糸である。但
し、厳密には、該堅密撚糸部分と該嵩高撚糸部分
との境界に、該両糸部分のいずれにも属さない無
撚糸部分が存在するが、該無撚糸部分は意味のあ
る長さを持たず、実際には、1mmを越えるものは
ない。 上記における「D」とは、該糸のデニール数で
ある。 上記における「0.3g/D以上の抗張力性」と
は、1m間隔に配置された一対の糸送ローラ間を
0.3g/Dの張力、200m/minの糸速で該糸を緊
張走行処理した際、前記堅密撚糸部分が少しでも
残留することであり、好ましくは、該糸に対する
長さ割合で10%以上残留することである。 本発明を更に詳しく説明する。 本発明の究極の目的は、前記した如く、実撚糸
様の風合や淡い絣を呈する布帛を得ることにあ
り、本発明の直接の目的は、該布帛の原糸を得る
ことにある。 未解撚部分の撚密度は、実撚糸様の風合効果に
対して、高いほど好ましく、どこまで未解撚部分
の撚密度を高められるかは、実施態様によつてそ
の上限が決められる。 未解撚部分の堅密性は、仮撚加工の加撚領域の
糸の撚糸構造をそのまま残留せしめて完壁であ
る。しかし、スピンドル方式の仮撚加工では、強
い融着を起こしていないとき、未解撚部分の撚密
度は仮撚加工の加撚領域の糸の撚密度よりもかな
り低く、この差は解撚されたものであり、解撚の
作用が未解撚部分の構造を一部破壊し、撚線に割
れ目を作り堅密性を阻害する。この傾向は、仮撚
加工の加撚領域の糸の撚密度が高いときほど強
く、 21000/√(撚数/m) 以上になると顕著に現われる。 一方、過解撚部分の嵩高性は、仮撚加工の加撚
領域の糸の撚密度が高いときほど高く、 21000/√(撚数/m) 以上になると嵩高性に寄与する繊維の捲縮が得ら
れるようになる。 上記両者の撚密度が一致しているのも興味深い
現象である。 本発明の糸を得る方法によれば、仮撚加工の加
撚領域の糸の撚密度を、ほとんどそのまま未解撚
部分に残留させることができ、高い撚密度の仮撚
加工によつて、高い撚密度の未解撚部分を形成し
た糸を得ることができ、その糸を用いた布帛を手
にすることができた。布帛の絣の模様が明瞭にな
るのは、仮撚加工の加撚領域の撚密度を 21000/√(撚数/m) 以上にすることが必要である。 仮撚加工糸の長さ方向に未解撚部分が部分的に
存在する本発明糸において、該未解撚部分の存在
が効果を十分に発揮するに足る量でなければなら
ない。 先ず、実撚糸様の風合に関しては、未解撚部分
の量が多くなると、過解撚部分の撚密度も高くな
り、撚の効果が高まる方向である。一方、仮撚加
工糸に撚を加え、撚密度と風合の関係を調べると
撚密度が 2300/√乃至2400/√(撚数/m) の範囲を越えると、撚の効果を感じるようにな
る。また未解撚部分を含む仮撚加工糸を各種試作
し、さらに撚を加えて過解撚部分の撚密度を 2300/√乃至2400/√(撚数/m) に揃えて、未解撚部分の量と効果を比較したとこ
ろ、未解撚部分の量が10%を越えると、その存在
を触覚にて感ずることができる。撚密度が 21000/√(撚数/m) 以上の未解撚部分が10%以上存在すれば、過解撚
部分の撚密度は、 2300/√乃至2400/√(撚数/m) の範囲を超えるのである。 次に絣の模様と未解撚部分の量との関係である
が、これは未解撚部分の長さと密接な関係を持
ち、かつ人の好みにも関係してくることである
が、概して言えることは、未解撚部分の量が少な
いと、布帛において細い筋が散在する程度である
が、未解撚部分の量が10%を越えると未解撚部分
同志が隣り合う確率が増し、筋に幅がつき、模様
がより明瞭に表われるようになる。 絣の模様には、厳密には未解撚部分の長さと量
が同時に関係する。例えば、未解撚部分の長さ
が、5mm程度の場合、量を増しても斑紋を呈する
ばかりで、絣を呈さない。未解撚部分の長さが10
mm程度になると斑紋模様からいくぶん長さを帯び
て、その量が30%以上と極めて多量になると絣を
呈するようになる。また、未解撚部分の長さが40
mm程度になると糸1m当り2ケ程度(量として8
%程度)の存在でも絣を呈する。各種実験を総合
すると、未解撚部分の長さ(mm)の自乗和が糸1
m当り3000を越えると絣を呈すると認められるよ
うになる。 かかる未解撚部分(堅密撚糸部分)の長さ
(mm)の、糸1m当りの自乗和の値と、良好な絣
模様を呈し得る効果の関係について検討、試験し
た結果を第1表を用いて説明する。 この第1表に示した試験結果は、後述実施例に
記載したものと同様の未延伸マルチフイラメント
糸と装置を用いて、仮撚加撚の撚密度、加熱温
度、延伸倍率等を種々変更して、堅密撚糸構造部
分の糸全体に対する長さ割合や平均長さの異なる
種々の加工糸(9種類)を作り、その加工糸を織
物の緯糸に用いて該糸による絣模様の現出効果を
官能評価した結果である。なお、経糸にはポリエ
ステルマルチフイラメント糸(50デニール、36フ
イラメント)を用い、経糸密度は110本/インチ、
緯糸密度は85本/インチとしたものである。 同表中、評価の欄の、〇印は「絣模様の現出効
果が良好であるもの」、×印は「絣模様の現出が良
好になされていないもの」を示している。
【表】 かかる第1表の結果からわかるように、上述自
乗和の値が3000以上のもの(糸番号6、8、9)
は、いずれも良好な絣模様の現出効果を示してい
る。 かかる効果が得られる点について、さらに具体
的な例を上げて説明すると、たとえば、同じ平均
長さのものであつても、すなわち、今たとえば、
平均長さ20mmという、平均値では同じ値を持つて
いる糸を想定した場合であつても、具体的には
様々な糸が存在するものであり、たとえば20mmの
長さのものばかりからなる糸は、シマ模様効果は
表わし得ても良好な絣模様の効果までは表わし得
ないものであり、一方、平均は20mmだが大部分は
5mm程度であつてかつ時々は長い5mm程度のもの
があるというような糸は、良好な絣効果を奏し得
るのである。 このように長い堅密撚糸部分(上記の例では50
mm)は長いスジとして走るので、少ない存在数で
も絣模様効果を良好に現出するのに大きな役割り
を果たすことができるのである。一方、短いもの
は非常に多く存在してでもいない限りさらにある
箇所に集中して存在してでもいない限り、良好な
絣模様の現出効果は有し得ないものであり、1次
的には、短いものは非常に多く存在していること
がまず要求される条件となる。 結局、絣模様の現出効果には、長いものは良く
目立つて効果的な要素になるものであり、さらに
あるいは、長いものばかりでなくとも、短いもの
の中に長いものが適宜に混在して平均値としては
低いものであつても、やはり長いものが少しでも
あれば、そのお陰で効果は高く得られ得るのであ
る。 したがつて、堅密撚糸部分の長さと絣模様の現
出効果との関係の追及には、長いものが存在して
いるということには重みを持たせて評価をするこ
とが有効であるという知見を本発明者らは得たも
のである。そして、ここで該手段として、ある長
さデータにその長さデータを掛けてそれらの値を
トータルするという自乗和の値を用いることが、
上記のように長さに重みを与えた定量化ができ
て、かつ絣模様現出効果との整合性も認められ、
定量化のフアクターとして最も好適であるとの知
見を得たものであり、第1表にも示したようにま
た本発明で特定するように、自乗和の値が3000以
上であれば、良好な絣模様の現出効果を示し得る
のである。 糸の抗張力性は、糸から布帛を製造する工程に
おける糸の変形と関係する。糸の変形を防ぐには
糸の抗張力性が高い方が好ましく、また低張力で
工程を通過させることが望ましい。しかし0.3
g/D以下の糸張力で工程を通過させることは、
作業性および得られる布帛の品位を阻害するた
め、少なくとも0.3g/Dの抗張力性は必要であ
る。撚を加えたり、糊を付与したりして抗張力性
を高めて用いる場合には、もとの糸はその限りで
はない。 本発明の特殊仮撚加工糸を得るに際しては、未
延伸糸を供給糸として、摩擦仮撚装置に供給し定
常状態で延伸中仮撚を施すのがまず重要な要件で
あつて、その際、延伸倍率をその未延伸糸の自然
延伸比以下の低倍率延伸に設定し、かつ該摩擦仮
撚装置は内接型、外接型は特に問われないが施撚
作用とともに糸の送り作用をも十分に有している
ものとし、実質的にバルーニングを発生させない
ようにして延伸仮撚を施す。また、仮撚加撚数は
21000/√(撚数/m)を少し超えるぐらいの
値からウーリ糸と呼ばれる通常の仮撚捲縮加工糸
を得るときの仮撚加撚数値よりも若干小さい値の
範囲内とし、かつ仮撚温度は、高めの場合ほど効
果的ではあるが、繊維相互が融着した場合、該融
着繊維を切断しなければ剥離不可能な程度の融着
度合となる如き温度は避ける必要がある。本発明
者らの知見によれば、該温度については、一般に
ポリエチレンテレフタレート繊維の場合210〜240
℃程度の範囲が最適であり、ポリアミド繊維の場
合ナイロン6繊維で175〜190℃程度の範囲が最適
である。むろん、かかる範囲以外でも本発明の特
殊仮撚加工糸を得ることは可能であり、適宜、供
給糸、所望の加工糸、他の加工条件等に合わせて
設定するのがよい。また本発明においては仮撚加
工法により生産することが可能であるので、高速
かつ生産能率性よく生産することができ、コスト
の安価な加工糸を得ることができるという顕著な
効果も有する。 実施例 ポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸して、
3000m/minの速度で引き取り、太さ126Dフイ
ラメント本数36本の未延伸マルチフイラメント糸
を得た。かかる未延伸糸の自然延伸比は1.62であ
つた。 この糸を1.4倍に延伸しつつその領域で仮撚を
付与し、仮撚による加撚領域の一部を225℃に加
熱した熱板によつて加熱した。 仮撚方法は、外接式の摩擦仮撚装置を用いるも
ので特開昭50−69343号公報に記載されている如
きものである。 仮撚加撚の撚密度を1800〜3200(撚数/m)の
範囲で各種設定したところ、すべて未解撚部分を
発生し、その撚密度は、仮撚加撚の撚密度とほぼ
等しかつた。 すなわち、この糸は、繊維の捲縮形態が糸の撚
構造と一致している堅密撚糸構造の未解撚部分
と、該堅密撚糸構造部分とは反対方向の撚を有し
かつ繊維の捲縮形態が露顕している嵩高撚糸構造
の過解撚部分とを、不規則な長さで交互に有する
ものであり、これら両構造以外の無撚糸構造部分
はほとんど認められないものであつた。 得られた糸は約90D(デニール)であり、この
糸を緯糸(85本/inch)に用い、経糸にはポリエ
ステルマルチフイラメント糸50D−24fil(135本/
inch)を用い平織に製織し評価を行なつた。未解
撚部分の撚密度と布帛の絣を比較してみると2000
(撚数/m)では絣が不明瞭であり、2400(撚数/
m)で絣が明瞭なものであつた。中間の2200(撚
数/m)では明瞭さがやや不十分の感があるもの
であつた。かかる結果から、未解撚部分の撚密度
は21000/√(撚数/m)以上の場合に絣の効
果が大きいことがわかる。 上記において、未解撚部分の撚密度が2400(撚
数/m)の本発明の糸は、仮撚加撚の撚密度を
2430(撚数/m)に設定して得られたものである。 また、この糸の構造について更に詳しく調べた
ところ緊密撚糸部分の糸全体に占める長さ割合は
17%であり、さらに、該部分の各々の長さ(mm
数)の自乗和は糸1mの当り3400であつた。 またこの糸は、布帛を製造する工程においても
特に不都合を招くような張力による変形は認めら
れないものであり、さらに布帛の官能評価におい
ても該糸は明瞭なる糸軸方向の染着性の斑や融着
の存在が認識はされなかつた。 なお、未解撚部分の撚密度、過解撚部分の撚密
度とは、適宜長さの未解撚部分、過解撚部分をそ
れぞれ採取し、それぞれの撚数を測定し、それぞ
れ1m当りの撚数に換算したものである。 比較実施例 実施例と同じ未延伸糸を用いて、特開昭53−
98444号公報に記載された方法と同様な方法で空
気仮撚加工を行つた。空気仮撚ノズルは、糸通過
孔の直径が2mmで、糸通過孔の断面の接線方向に
直径0.4mmの空気噴射孔を6個備えたものでゲー
ジ圧3.5Kg/cm2の圧空を供給した。 条件および結果を第1表に示す。
【表】 第1表の結果からも明らかなとおり、実験番号
1〜5において、加熱温度が高いほど未解撚部分
が多く形成されるが、本発明の特徴である1m当
りの未解撚部分の長さ(mm)の自乗和が3000以上
には遠く及ばないものであつた。空気仮撚ノズル
の前後で強いバルーニングが発生し、長い未解撚
の形成を阻止していると考えられる。 なお、240℃(実験番号5)では、糸全体に繊
維相互の融着している部分が多く、交互撚が極め
て短周期で撚角が小さく、また、過解撚部分の捲
縮形態が十分には露顕していないので本発明の嵩
高撚糸部分と構造が全く異なつたものであつた。 次に、実験番号6〜9では、加熱温度を225℃
にして延伸倍率を変更して実験した。延伸倍率を
1.4倍から小さくしていくと繊維相互の融着が進
み、未解撚部分が多くなるが、バルーニングもよ
り強くなり、未解撚部分が寸断されてあまり長く
はならなかつた。延伸倍率を1.4倍から大きくし
ていくと、未解撚部分が少なくなる。繊維相互の
融着が少なくなると、糸の張力が高くなることと
が原因していると考えられる。 以上の実験結果から明らかなとおり、空気仮撚
を用いた加工方法ではいかなる条件を採用しても
本発明糸を得ることはできなかつた。 さらに以上の実験で得られた糸を緯糸に1イン
チ当り90本用いた平織物を作つたところ、未解撚
部分が点状に表現され、絣模様を呈さず、模様自
体も美しいものではなかつた。未解撚部分短く、
かつ数が多いためモアレ模様となつてイラツキを
感じ、生理的に不快なものであつた。従つて効果
上も顕著な差異を有するものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 仮撚捲縮を有する長繊維から成る多繊条糸で
    あつて、該糸は、糸軸方向に沿つて、撚密度が
    21000/√(撚数/m)以上であり、かつ繊維
    の捲縮形態が糸の撚構造と一致している堅密撚糸
    部分と、該堅密撚糸部分とは反対方向の撚を有し
    かつ繊維の捲縮形態が露顕している嵩高撚糸部分
    とが、不規則な長さで交互に存在し、かつ前記堅
    密撚糸部分の糸全体に占める長さ割合が10%以上
    であり、更に前記堅密撚糸部分の各々の長さ(単
    位:mm)の自乗和が糸1m当り3000以上であるこ
    とを特徴とする実撚調仮撚加工糸(ただし、Dは
    デニール数である)。 2 0.3g/D以上の抗張力性を有することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の実撚調仮撚
    加工糸。 3 糸軸方向に染着性の斑を実質的に有さないこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の実撚
    調仮撚加工糸。 4 構成繊維相互が融着していないか、又は融着
    していても該繊維を切断せずに剥離できる程度の
    融着であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の実撚調仮撚加工糸。
JP13729078A 1978-11-09 1978-11-09 Special false twisting finished yarn Granted JPS5567025A (en)

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JPS5663033A (en) * 1979-10-29 1981-05-29 Unitika Ltd Partially crimped false twisted processed yarn
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