JPS6332660B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車両用ガードモールデイング、特に車
体取付部への取付作業を比較的簡単に行うことが
できると共に車体取付部へのモールデイング本体
の波打ち変形を最小に抑えることのできる様なガ
ードモールデイングに関するものである。

車両には外部からの衝撃を軽減するため、例え
ば車両用バンパ外側等の車体取付部にガードモー
ルデイングが取付けられているが、このようなガ
ードモールデイングとして第１図乃至第５図に示
すような措置を先に出願したもの（実願昭55−
78630号、実開昭57−3048号）がある。これは車
両３のフロントバンパを前面から保護するガード
モールデイングを示しているが、このガードモー
ルデイングは、車体取付部２即ちバンパに取付く
様長手方向に延びて成形されたモールデイング本
体１と、このモールデイング本体１を補強するた
めモールデイング本体１の内周に設けられた補強
リブ４，５と、モールデイング本体１から突出し
て補強リブ４，５に一体成形された爪部材６とか
ら成る。補強リブは、モールデイング本体１の補
強を確実に行うためにモールデイング本体１の長
手方向に沿つて延びる横方向リブ４と、この横方
向リブ４に対してほぼ直角方向に交差して延びる
縦方向リブ５とがある。また、第２図及び第４図
に明らかな様に、縦方向リブ５を対になつて延び
る平行リブ構造にしたり、或は横方向リブ４に対
して平行に延びる補助リブ１０を所々に設けてモ
ールデイング本体１の剛性をより高めたものもあ
る。爪部材６は、先端部１１が先細りになつて尖
り又基端部に係止部１２を形成した、断面が略く
さび形の係合片７が対になつて出来ており、この
係合片７の間には隙間が形成されていると共に当
該隙間内には壁部材８が設けてある。そしてこの
爪部材６の先端部１１を車体取付部２にあけられ
た孔９に当て、モールデイング本体１を後方から
槌等で打つことにより爪部材６を孔９に押し込み
モールデイング本体を車両３へ取付けるようにな
つている。

なお、壁部材８は上下対になつた係合片７の撓
曲起倒作用を一定の強さで行わせるために設けら
れたもので、第５図ａ乃至ｃに示すように種々の
形状に作られており、矢印Ｆの方向に加わる力に
対して一定の剛性を係合片７に与えている。従つ
て、衝撃を軽減する効果は大である。

しかし、このガードモールデイングは、モール
デイング本体１内周に形成された補強リブ４，５
はモールデイング本体１の外周縁部に直接接続し
て一体的に成形された平板状の部材から成り、且
つ爪部材６を一体的に形成して支持しているた
め、ガードモールデイングを車体取付部２に取付
けるに当りモールデイング本体１に打撃を与えた
時に生じる押圧力が補強リブ４，５を伝つて横方
向又は縦方向へ逃げ易く、爪部材６に対して充分
な挿入力を伝えることができなくなる虞れがあつ
た。またこれは壁部材８が構造上弾性に乏しく、
係合片７の撓み性能を低下させているという点に
も一因があつた。このため爪部材６を孔９に係合
させるためにはモールデイング本体１に過大な打
撃力を与える必要があり、当該モールデイング本
体１の外表面に傷を付けたり、逆に打撃力が足ら
ずに複数の爪部材６のうちの幾つかが確実に係止
されない等の事態が生じ易い。そしてこの不確実
な係止や大きな打撃力によつて、ガードモールデ
イングに波打ちやうねりといつた変形が生じた
り、亀裂や割れが生じたり、或は車両３走行時の
振動がガードモールデイングに伝わつてビビリ音
を生じさせ易いという虞れもあつた。

本発明は、このような先願を改良したもので、
その第１の目的は、ガードモールデイングの補強
用に設けられ且つガードモールデイング取付用の
爪部材を支持している補強リブに、適当な間隔を
おいて溝状のスリツト或は切込み等の切込み部を
形成することにより、爪部材の後方位置において
ガードモールデイングの打撃力を加えた時この打
撃力が爪部材に集中的に加わるようにし、ガード
モールデイングを容易に車体取付部に取付け固定
できるようにすることによつて作業性の向上とガ
ードモールデイングの変形防止及び確実な取付け
を図ることである。また、上記打撃力によつて爪
部材を車体取付部の孔に挿入するに当り、爪部材
の係合部の撓曲起倒をより円滑に行わせるため、
この係合部間に弾性に富んだ壁部材を設け、上記
ガードモールデイングの取付け作業性をより一層
向上させることが本発明の第２の目的である。

本発明を添付の図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第６図は本発明の一実施例を部分的に示す斜視
図である。この実施例に係るガードモールデイン
グは、モールデイング本体１と、モールデイング
本体１の内周に設けられた補強リブ４，５とモー
ルデイング本体１から突出して補強リブ４，５に
一体成形された爪部材６とを有し、上記補強リブ
４，５には適当な間隔をおいて切込部Ａを形成し
て成る。モールデイング本体１は外周縁部１４，
１５とこれら外周縁部１４，１５の間に延びる基
部１６とを有し、合成樹脂、その他の比較的柔か
い材料から出来ている。補強リブ４，５はモール
デイング本体１内周において、横方向に延びる補
強リブ４と縦方向に延びる補強リブ５とから成
り、またモールデイング本体１に必要な強度に応
じて一列又は二列になつて延びている。切込部Ａ
は、図に示してある様に、比較的狭い幅寸法で補
強リブ縁部から内方に向けて種々の深さに刻まれ
たスリツト１３ａ…１３ｄとか、補強リブ４，５
の長手方向に比較的長い寸法だけ延びた切込み１
７等種々の形態のものを設けることができる。こ
れらスリツト１３ａ…１３ｄや切込み１７等の切
込部Ａを形成することにより、補強リブ４，５に
は、その長手方向に複数のリブ区画４ａ，４ｂ，
４ｃ，４ｄが分断して形成される。

補強リブ４，５と一体に成形されモールデイン
グ本体１から突出した爪部材６は一定の間隔をお
いて対になつた係合片７を有し、これら係合片７
の間には当該係合片７の撓み性能を一定に維持し
つつ、他方において撓み変形を或る程度規制する
ための壁部材８が設けられている。この壁部材８
は係合片７の撓み性能をより向上させるため種々
の構造を考えることが出来る。例えば第７図はこ
のような係合片を備えた爪部材６を示す斜視図で
ある。この爪部材６は、横方向に延びる補強リブ
４と縦方向に延びる補強リブ５との交差部に基端
を有し先端に向けて延びた一対の係合片７によつ
て形成され、これらの係合片７の間には、第８図
ｂに示すような当該係合片７の対角位置部分１
８，１９にわたつて斜め方向に延びる壁部材８ａ
が設けられている。この壁部材８ａに代えて、第
８図ａ，ｃ，ｄに示すような側面構造を有する壁
部材８ｂ，８ｃ，８ｄを用いることもできる。

本発明のガードモールデイングは上記の様な構
成を有するから、いまガードモールデイングをバ
ンパ等の車体取付部２に取付けるため、或る爪部
材６の後方部分にてモールデイング本体１の基部
１６外面に打撃力を加えると、この打撃力は、例
えば横方向に延びる補強リブ４について見ればス
リツト１３ａや１３ｂや１３ｃ更には切込み１７
等の切込部Ａによつて伝達が妨げられ、また縦方
向に延びる補強リブ５について見ればスリツト１
３ｄの切込部Ａによつて伝達が妨げられる。特に
補強リブ４ではスリツト１３ｂ，１３ｃが並設さ
れているため、スリツト１３ｂで分断された打撃
力はスリツト１３ｃや切込み１７によつて再び分
断されることになり、これにより打撃力の散逸を
大幅に低減できる。よつて爪部材６には上記打撃
力が押圧力となつて集中的に働き、爪部材６の先
端部１１を車体取付部２の孔９へと押し込む。こ
れに対応して爪部材６の係合片７が互いに近づく
方向へ撓み孔９の中へと徐々に入り込んで行く。
係合片７の間に形成された壁部材８は従来に比べ
てより一層弾性を有する構造に作られているた
め、上記係合片７は座屈を起すことがなくその撓
み作用は極めてスムーズに行われ、強固は挟持固
定が係止部１２において行われる。このためガー
ドモールデイングは係止部１２によつて確実に係
止させることができる上、車体取付部２の孔９に
寸法精度上のバラツキがあつてもこのバラツキを
容易に吸収することができる。

第９図及び第１０図は補強リブ、特に横方向に
延びる補強リブ４に形成された切込部Ａの種々の
形状を示す本発明の変更例である。これらの図か
らも明らかになる様に補強リブ４には、符号２０
で示すような基部１６にまで達するスリツトや、
スリツト１３のように補強リブ４の奥行き深さに
対して中途まで延びたものや、補強リブ４の長手
方向に一定の長さで形成された切込み２１、或は
切込み２１をやや変形させた凹部２２等の切込部
Ａを形成することができる。例えばスリツト２０
のような切込みはモールデイング本体１の波打変
形、特に当該スリツト２０を有する補強リブ４が
夏冬の暖寒の変化に伴つて突つ張るのを防止し、
車両の軽衝突時において局部的に凹み作用を及ぼ
す衝撃力の他の部分への伝達を防止し、長手方向
へのたわみを防止し、複数個の爪部材６に加わる
外力が過大にならないようにする。また、上記他
のスリツトや切込み１３，２１，２２等の切込部
Ａもガードモールデイングに加わつた衝撃力を分
断しつつ、モールデイング本体１の剛性を増大さ
せることができる。

かかる補強リブへの変形は、縦方向に延びる補
強リブ５に対しても行い得る。縦方向の補強リブ
５にも例えば第６図に示されている様な切込部即
ちスリツト１３ｄが形成されているが、このスリ
ツト１３ｄは上に述べた様な種々の形状の切込部
に変形することができる。そしてまた補強リブ５
の一端部又は両端部において、第１１図ａ，ｂ，
ｃに示すようなスリツト２３ａ，２３ｂ，２３ｃ
をガードモールデイング１の外周縁部１４又は１
５との間に形成し、補強リブ５の長手方向への衝
撃力の分断を行うと共に、補強リブ５の変形がモ
ールデイング本体１の外周縁部１４又は１５に直
接伝わらないようにすることもできる。

上述の実施例ではスリツト又は切込みは異種の
組合わせで記載したが、これに限定するものでな
く、同一形状のスリツトでも同一形状の切込みで
もよいことは勿論である。

以上述べて来たように、本発明によれば、モー
ルデイング本体の内周部分において横方向又は縦
方向に延設され且つ車体への取付け固定を行う爪
部材を支持している補強リブを有するガードモー
ルデイングにおいて、補強リブの切込部を形成し
ガードモールデイングの取付時にモールデイング
本体に加わつた衝撃力が補強リブを伝つて逃げな
い様にしたため、爪部材に押圧力が集中的に加わ
ることになり、ガードモールデイングの取付けを
容易に行うことができると共にガードモールデイ
ングの表面に打撃による外傷がつく事を防止する
ことができるようになつた。また、爪部材の係合
片の間に設けられた該部材をより弾性を有する構
造にすることにより、上記ガードモールデイング
の取付けを更に一層簡単にすることができると共
に、ガードモールデイングの取付後にあつては車
体取付部に形成された孔の径に多少のバラツキが
あつても該孔の中に爪部材が正しく嵌合すること
が可能になり、精度上の許容範囲を大きくするこ
とができる。そして補強リブに形成した切込部の
大きさを適宜変更することにより、補強リブの変
形がモールデイング本体に与える影響を軽減させ
ることが可能となる等の種々の効果を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車体に取付けられるガードモールデイ
ングの先願を示す斜視図、第２図は第１図に示す
ガードモールデイングを部分的に拡大して示す斜
視図、第３図は第２図のガードモールデイングの
車体への取付け状態を示す第２図中−線にお
ける断面図、第４図はガードモールデイングの先
願を示す斜視図、第５図はガードモールデイング
に設けられた爪部材の各種構造を示すため当該爪
部材を拡大して示す正面図、第６図は本発明の一
実施例に係るガードモールデイングを部分的に示
す斜視図、第７図は第６図のガードモールデイン
グの爪部材を拡大して示す部分斜視図、第８図は
本発明のガードモールデイングにおける爪部材の
各種構造を示すため当該爪部材を拡大して示す正
面図、第９図は本発明のガードモールデイングに
おいて切込部の変更例を示す第６図中−線に
おける断面図、第１０図は本発明のガードモール
デイングにおいて切込部の他の変更例を示す第６
図中−線における断面図、第１１図は本発明
のガードモールデイングにおいて縦方向に延びる
補強リブに形成された切込部の各種変更例を示す
第６図中XI−XI線における断面図である。 １……モールデイング本体、２……車体取付
部、４，５……補強リブ、６……爪部材、７……
係合片、８……壁部材、１２……係止部、Ａ……
切込部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モールデイング本体１と、このモールデイン
   グ本体１の内周に設けられた補強リブ４，５と、
   モールデイング本体１から突出して補強リブ４，
   ５に一体成形され、車体取付部２に穿設された孔
   に挿入嵌合する爪部材６とから成る車両用ガード
   モールデイングにおいて、補強リブ４，５に適当
   な間隔をおいて切込部Ａを形成したことを特徴と
   する車両用ガードモールデイング。 ２ 爪部材６は先端部から基端部に向けて拡開
   し、基端部付近で係止部１２を有し一定の間隔を
   おいて対になつて形成された係合片７と、この係
   合片７の間に設けられ一定の弾性力を係合片７に
   与える壁部材８とから成り、壁部材８は係合片７
   の撓みを広範囲にわたつて吸収し得る構造に形成
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の車両用ガードモールデイング。