JPS6331075B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、原子力発電プラントにおける原子炉
建屋の建設施工方法に関する。

（従来の技術） 従来、この種の原子炉建屋の施工方法は、第１
図乃至第３図に示されるように、掘下げた岩盤１
上に原子炉建屋２の下部階床３及び外壁４ａと内
壁４ｂとによる壁体４を鉄骨若しくは鉄筋５で組
込み、これにコンクリート６を打設し、一定の養
生期間の経過した後、例えば、予め、５分割され
た格納容器７の各輪体７ａを下から順に溶接によ
つて接合して格納容器７を構築し、しかる後、こ
の格納容器７の漏洩試験（漏洩テスト）を行う。

次に、第２図及び第３図に拡大して示されるよ
うに、上記下部階床３及び壁体４に上部階床８及
び外壁９ａと内壁９ｂとによる壁体（生体遮蔽
壁）９を鉄筋５や型枠１０及び各支え部材１１を
使用してコンクリート６を運転床（圧力容器の搬
入レールの敷設床）まで打設し、一定の養生期間
の経過後、上記運転床上に敷設されたレールを使
つて圧力容器（図示されず）を上記格納容器７
に、予め、設けられた圧力容器遮蔽体（ペデスタ
ル）１２を設置し、次に、原子炉建屋２の上部側
壁、屋内クレーン及び屋根を図示されないタワー
クレーンを用いて構築するようになつている。

即ち、従来の原子炉建屋の建設施工方法は、掘
下げられた岩盤１上に下から略地面に至る原子炉
建屋の下部階床３及び壁体４を構築し、次に、予
め、分割された格納容器７を下から順に溶接し、
しかる後、格納容器７の漏洩試験を行い、この漏
洩試験の結果をまつて、上記下部階床３上に上部
階床８及び壁体９を構築するようになつている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上述した原子炉建屋の建設施工
方法は、溶接された格納容器７の漏洩試験の結果
をまつて、地面より上部の原子炉建屋２の上部階
床８及び壁体９を構築するようになつている関係
上、機材（資材）の搬入、設置や配管、配線をす
ることができず、これに起因して、原子炉建屋の
工期が長期化し、納期も遅延する等の欠点があ
る。

本発明は、上述した欠点を解消するために、原
子炉建屋の工期を大幅に短縮し、併せて、早期納
期を確保するようにしたことを目的とする原子炉
建屋の施工方法を提供するものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段とその作用） 本発明は、掘下げられた岩盤上に原子炉建屋の
下部階床を構築し、次に、この下部階床の中程に
分割された格納容器を下から順に溶接して設置
し、同時に、この格納容器の周りの各階床及び壁
体の一部を残して、上記下部階床上に上部階床を
同時に平行して構築し、他方、上記格納容器の周
りの各階床及び壁体の一部の接合部分にねじ接手
及びねじ鉄筋を螺合して連結し、さらに、下部階
床や壁体を複数のデツキプレートや型枠を使用し
て構築し、しかる後、上記格納容器の完成をまつ
て、この格納容器の漏洩試験を行うと同時に、上
記下部階床に必要な機材を搬入すると共に、配
管、配線等を平行して施工し、次に、上記格納容
器の周りに残された下部階床や壁体を構築し得る
ようにしものである。

（実施例） 以下、本発明を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本発明は、上述した具体例と同一構成部
材には同じ符号を付して説明する。

第４図乃至第６図において、符号１は、予め、
掘下げられた岩盤であつて、この岩盤１上には、
原子炉建屋２の下部階床３及び外壁４ａと内壁４
ｂとによる壁体（生体遮蔽壁体）４が鉄筋５及び
ねじ鉄筋１３で組込まれ、これに型枠１０等を使
用してコンクリート６を打設して一定の養生期間
を経過させて構築される。なお、上記下部階床３
の略中央部には、圧力容器を設置する圧力容器の
遮蔽体１２が同時に構築される。

次に、上記遮蔽体１２の位置する外がわの上記
下部階床３上には、予め、分割された格納容器７
の輪体７ａが下から順に溶液されて格納容器７を
構築する。同時に、この格納容器７の周りに位置
する上記下部階床３の各階床及び壁体４の一部を
残して、上記下部階床３及び壁体４上には、上部
階床８及び外壁９ａ内壁９ｂとよりなる壁体９
が、第４図の実線で示されるように、構築され
る。

なお、上記格納容器７の周りに位置して残され
た各階床３及び壁体４の端部の接合部分には、第
６図に拡大して示されるように、ねじ接手１４及
びねじ鉄筋１３が螺合して連結されるようになつ
ているから、従来、この種の連結接合部分（第３
図参照）よりも、簡単に連結することができるよ
うになつている。

一方、上記格納容器７の溶接による設置作業が
完了するのをまつて、この格納容器７の漏洩試験
を行うと同時に、第５図に示されるように、完成
した上記下部階床３内には、必要な機材（資材）
１５が、例えば、クレーン等によつて搬入して設
置されると共に、配管や配線等が並行して施行さ
れる。

次に、上記格納容器７の周りに残された下部階
床３や壁体４が、第５図に示されるように、複数
のデツキプレート１６及び型枠１０を使用して構
築される。即ち、この残された下部階床３や壁体
４は、コンクリート６に埋設されたねじ接手１４
にねじ鉄筋１３を螺装して連結し、しかる後、所
要の各型枠１０及びデツキプレート１６を使用し
て上記下部階床３及び壁体４の外壁を形成し、こ
これにコンクリート６を打設して養生するように
なつている。

従つて、本発明による原子炉建屋は格納容器７
の(1)構築作業及び(2)漏洩試験作業と(3)下部階床３
及び(4)上部階床８の構築及び機材１５の搬入設
置、配管・配線作業とを同時に並行して行われる
から、作業工期を大幅に短縮することができる。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明によれば、掘下げられ
た岩盤１に原子炉建屋２の下部階床３を構築し、
次に、この下部階床３の中程に、予め、分割され
た格納容器７を下から順に溶接して設置し、同時
に、この格納容器７の周りの各階床及び壁体４の
一部を残して、上記下部階床３上に上部階床８を
平行して構築し、他方、上記格納容器７の周りの
各階床及び壁体４の一部の接合部分にねじ接手１
４及びねじ鉄筋を螺合して連結し、さらに、下部
階床３や壁体４を複数のデツキプレート１６及び
型枠１０を使用して構築し、しかる後、上記格納
容器７の完成をまつて、この格納容器７の漏洩試
験を行うと同時に、上記下部階床に必要な機材１
５を搬入すると共に、配管、配線等を平行して施
行し、次に、上記格納容器の周りに残された下部
階床や壁体を構築するようになつているので、大
幅な工期の短縮を図ることができると共に、機材
１５の搬入作業を円滑に、しかも、容易に行うこ
とができる等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の原子炉建屋の施工方法を説明
するための断面図、第２図は、第１図中の鎖円Ａ
部の拡大断面図、第３図は、第２図中の鎖円Ｂ部
の拡大断面図、第４図は、本発明による原子炉建
屋の施工方法を説明するための断面図、第５図
は、第４図中の鎖円Ｃ部の拡大断面図、第６図
は、第５図中の鎖円Ｄ部の拡大断面図である。 １……岩盤、３……下部階床、４……壁体、５
……鉄筋、６……コンクリート、７……格納容
器、８……上部階床、９……壁体、１０……型
枠、１３……ねじ鉄筋、１４……ねじ接手、１５
……機材、１６……デツキプレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 掘下げられた岩盤上に原子炉建屋の下部階床
   を構築し、次に、この下部階床の中程に分割され
   た格納容器を下から順に溶接して設置し、同時
   に、この格納容器の周りの各階床及び壁体の一部
   を残して、上記下部階床上に上部階床を同時に平
   行して構築し、他方、上記格納容器の周りの各階
   床及び壁体の一部の接合部分にねじ接手及びねじ
   鉄筋を螺合して連結し、さらに、下部階床や壁体
   を複数のデツキプレート及び型枠を使用して構築
   し、しかる後、上記格納容器の完成をまつて、こ
   の格納容器の漏洩試験を行うと同時に、上記下部
   階床に必要な機材を搬入すると共に、配管、配線
   等を平行して施工し、次に、上記格納容器の周り
   に残された下部階床や壁体を構築し得るようにし
   たことを特徴とする原子炉建屋の施工方法。