JPS6329726B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスライド装置の投影装置に関し、特に
外光が存在する場合でも充分なコントラストを有
する映像を自然な感じでスクリーン上に映出でき
るようにしたものである。

従来の投影装置例えばスライド装置では、スラ
イド装置よりの投写光をスクリーンの反射面で乱
反射させるものであるから、外光が存在する場合
には、この外光もスクリーンで乱反射され、スク
リーン上の画像のコントラストが低下される欠点
があつた。従つて通常は周囲を暗くして使用する
必要があつた。また、スクリーンとして指向性を
有するものを使用したりしていた。

また、通常の照明のもとで、無理に充分なコン
トラストを得ようとすると、外光による反射輝度
が画像の黒レベルとなるようにしなければなら
ず、白レベルの画像を映出するために、光源を極
めて明るくする必要があり、電力的に無駄である
と共に、見た感じが非常に不自然となる。一般に
スクリーンの画像による白レベルの反射輝度Ｌと
外光による反射輝度ｌの関係は第１図のように表
わすことができる。第１図で縦軸は反射輝度（相
対値）を示し、横軸は時間軸（ｔ）であり、簡単
のためＬはｌの２倍としている。この第１図から
分かるように、この場合の画像の最低レベルは外
光のためにｌ以下にはならないので、本来はＯか
らＬ迄変化すべき画像の輝度がｌからＬ迄しか変
化しないことになる。このときのコントラスト
（Ｌ／ｌ）は２である。

本発明は上述せる点を考慮して周囲が明るい場
合でも充分なコントラストが得られ、且つ自然な
感じの投影像を現出できる投影装置を提供せんと
するものである。

以下、本発明を例えばスライド装置に適用した
一実施例について説明しよう。第２図は本発明の
一実施例の概略の構成を示し、第２図において、
Ｐはスライド装置である。スライド装置Ｐは光源
１とフイルム２とレンズ３とからなり、光源１に
よりフイルム２の像がレンズ３により拡大されて
スクリーンＳ上に映出される。

スクリーンＳは第３図に示すように、相対向す
るガラス板４Ａ及び４Ｂと、スペーサ５Ａ及び５
Ｂとによつて形成される密閉空間内に電界効果形
ネマチツク液晶６が充填され、ガラス板４Ａ及び
４Ｂの互いに対向する面の全面に板状の電極７及
び８が被着されたものである。そしてスクリーン
Ｓの前面の電極７は透明電極とされ、背面の電極
８は黒色の電極とされている。

そして、スライド装置Ｐの光源１よりの光が断
続的にスクリーンＳに投影されるようになし、こ
れと同期してスクリーンＳが断続的に反射機能を
有するようになす。このため駆動源９より駆動パ
ルスをスライド装置Ｐの光源１及びスクリーンＳ
の電極に供給するようになす。つまり、スライド
装置Ｐの光源１が点灯されるのと同時にスクリー
ンＳの電極７及び８間に動作電圧が印加され、こ
れにより液晶６が白濁し、この瞬間だけスクリー
ンＳに投影像が映出される。

上述の本発明の一実施例の構成において、駆動
源９よりの駆動パルスのデユーテイフアクタが25
％で、第４図Ａに示すように、スライド装置Ｐの
光が投影されたときに反射輝度が４倍（８の輝
度）のL′となる場合を例に説明する。このとき外
光による反射輝度はl′で示すように１の輝度であ
る。そしてスクリーンＳはこの駆動パルスが供給
されていない期間では、液晶６が白濁されておら
ず、黒色面となつているので、外光による反射
も、スクリーンＳが反射機能を有している期間で
しか生じない。ここで人間の眼は光の積分値を輝
度として知覚するので、第４図Ｂに示すように、
人間の眼が感じるスライド装置Ｐによるスクリー
ンＳの反射輝度L″は第１図と同様に２の明るさ
であるが、外光による反射輝度l″は1/4の明るさ
となる。即ち、コントラストは２から（２／0.25
＝８）と向上する。

上述せる所から明かなように、本発明に依れば
消費電力を増加させることなくコントラストを向
上できると共に、眼で感じる画像の白レベルの輝
度を異常に上げる必要がないので画像が不自然に
なることはない。

尚、スライド装置Ｐの光源１及びスクリーンＳ
の駆動パルスの１周期は、ちらつきを感じないよ
うにするために20ｍｓ以下にするのが望ましい。
また、スライド装置Ｐの光源１としては、白熱電
球、キセノンランプ、ストロボなどを使用するこ
とができる。

また、上述せる本発明の一実施例は反射形のス
クリーンを使用する投影装置に本発明を適用した
場合であるが、本発明は透過形のスクリーンを使
用する投影装置にも適用することができる。第５
図はその場合の構成の概略を示す。第５図におけ
るスクリーンＳは例えば第３図に示すのと同様の
構成であるが、スクリーンＳの背面にも前面と同
様に透明電極９が設けられ、スクリーンＳとは別
個に光吸収体例えば黒色膜が被着された光吸収板
１０を配する。この場合、光吸収板１０はスライ
ド装置ＰよりスクリーンＳに到る投写光の光路を
遮らず、観客１２がスクリーンＳを見たときに、
スクリーンＳが黒色となる位置に配設される。

そして、スクリーンＳの液晶６は、前述と同様
にスライド装置Ｐの光源よりの光が投影されるの
に同期して白濁される。このような透過形スクリ
ーンに本発明を適用したときも、コントラストの
向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の説明に使用する略線図、第２
図は本発明の一実施例の概略を示す構成図、第３
図は本発明の一実施例に使用するスクリーンの断
面図、第４図は本発明の一実施例の説明に使用す
る略線図、第５図は本発明を透過形スクリーンを
有する投影装置に適用した一例の概念図、であ
る。 Ｐはスライド装置、Ｓはスクリーン、１は光
源、６は液晶、７は透明の電極、８は黒色の電
極、９は駆動源である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 板状電極間に液晶が充填されたスクリーン
   と、このスクリーンに映像光源からの映像光を投
   写する投写器と、上記スクリーンに対して略平行
   でかつ観視者と反対側に設けられた光吸収板とよ
   りなり、上記投写器及び上記スクリーンの電極に
   同期して駆動パルスを供給することにより、上記
   映像光源からの映像光を断続的に上記スクリーン
   に投写し、上記映像光が投写される期間のみ上記
   液晶を白濁状態とするとともに上記映像光が投写
   されない期間は上記液晶を光透過状態とするよう
   にした投影装置。