JPS6328683Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用のドアミラーに関するもので
ある。

自動車用のドアミラーは運転室壁の外側に装着
され、第１図に示すようにミラー本体１が車体の
最大幅よりも寸法ｌだけ突出している。

このため、自動車の走行中に外部物体と衝突す
る虞れがあり、又、たとえば船積みなどの輸送の
際は上記のｌ寸法に相当する分だけ余分の空間を
占めるという不具合がある。

ドアミラーが外部物体と衝突したとき、その衝
撃を緩和して外部物体及びドアミラー、並びにド
アミラーを装着した自動車運転室壁の損傷を軽減
するため、ドアミラーのミラー本体が弾性的に傾
倒し得る構造の緩衝機構付ドアミラーが実用化さ
れている。

一方、船積みなどの際に占有空間を縮小するた
め、ドアミラー未装着の状態若しくはドアミラー
を取り外した状態で船積みし、揚陸後にドアミラ
ーを取り付けることも従来、一部で行なわれてい
る。

ところが、前述の緩衝機構付ドアミラーにおい
ては、運転室壁に固着されたミラーベースに対し
てミラー本体を弾性的に支承し、外力を受けたと
きに傾倒し得る構造とするため、内部に強力なバ
ネを設けてあるため、その装着に高度な専門的技
術を必要とし、揚陸後のドアミラー装着が容易で
ない。

更に、リモートコントロール手段を備えたドア
ミラーはその取付に関してより高度な専門的技術
を必要とするので揚陸後の装着が困難である。

以上の事情により、緩衝機構付ドアミラーを備
えた自動車においては、従来一般に第１図のよう
に車体外側に取付けたドアミラーのミラー本体１
を突出させたままで海上輸送その他の輸送が行な
われていたので輸送費が嵩み、不経済であつた。

第２図に緩衝機構付ドアミラーの一例の平面図
を示す。図において上方が自動車の前進方向であ
る。

２は自動車の運転室壁に固着されるミラーベー
ス、３はミラーボデーである。ミラー４はミラー
ハウジング５に固着され、このミラーハウジング
５は上記のミラーボデー３に対して回動自在に支
承されている。６は上記のミラーハウジング５を
遠隔操作するための電動式駆動部、６ａは同電線
保護管である。

上記のミラーボデー３をミラーベース２に対し
て自動車の走行方向について前後双方に自在に傾
倒せしめ得るように、ミラーボデー３はヒンジ部
材７を介して次記のごとくミラーベース２に取り
つけられる。

ヒンジ部材７を後側軸８でミラーベース２に回
動自在に軸支する。ヒンジ部材７は図示の状態か
ら後側軸８を中心として矢印Ａ方向に回動し得
る。上記ヒンジ部材７の自由端側に、前側軸９で
ミラーボデー３を回動自在に軸支する。ミラーボ
デー３は図示の状態から矢印Ｂ方向に回動し得
る。

上記のように支承したミラーボデー３とミラー
ベース２に当接せしめて図示のごとく車体側方に
突出した正規の姿勢を保たせるように、ミラーボ
デー３とミラーベース２との間にテンシヨンスプ
リング１０を介装係着して矢印Ｃ方向に付勢す
る。テンシヨンスプリングの一端をミラーベース
２に係着する一つの方法として、スプリング接続
用のリンク１１を介してピン１２でミラーベース
２に軸着することが考えられる。

以上のように構成した第２図のドアミラーは、
ミラーボデー３に矢印Ｄ方向の外力を受けるとヒ
ンジ部材７が後側軸８の回りに矢印Ａ方向に回動
し、ミラーボデー３がヒンジ部材７と一緒に矢印
Ｅのごとく後方に傾倒して外力の衝撃を緩和す
る。第３図はミラーボデー３が矢印Ｅのごとく後
方に傾倒した状態を示す。

ミラーボデー３が矢印Ｆ方向の外力を受けると
ヒンジ部材７が前側軸９の回りに矢印Ｂ方向に回
動し、ミラーボデー３は矢印Ｇのごとく前方に傾
倒して外力の衝撃を緩和する。

上述のように構成したドアミラーを船積みする
場合、第３図に示すごとくミラーボデーを後方に
傾倒させてこの姿勢を維持させれば、このドアミ
ラーが車体外側に突出している寸法が減少し、か
つ、ミラー４を車体に近接させてその上をミラー
ボデー３で覆う形になるので好都合であるが、次
記のような技術的困難がある。

このドアミラーの正常使用状態（第２図）にお
いてミラーボデー３をミラーベース２に当接せし
めて正規の姿勢を保たせるためにはテンシヨンス
プリング１０を相当強いものとしなければならな
い。このため、ミラーボデー３を第３図のように
後方に傾倒させるには大きい力を要し、これを作
業員の手で行なおうとすると多大の労力を費さね
ばならない。その上、ミラーボデー３をこの傾倒
姿勢に保持するには強固な係止具を用いなければ
ならない。

本考案は以上の事情に鑑みて為され、簡単な構
成でミラーボデーを傾倒姿勢に保持することがで
き、しかも該ミラーボデーを傾倒姿勢にしたり正
常作動姿勢に復元させたりする操作を迅速かつ容
易に行ない得る自動車用ドアミラーを提供するこ
とを目的とする。

第２図のように構成したドアミラーに関する前
述の不具合、即ち、(イ)傾倒操作に大きい力が要る
ことと、(ロ)傾倒姿勢を保つために強固な係止具を
要することとは、直接的にはテンシヨンスプリン
グ１０の付勢力が強大であることに起因している
ので、本考案は以下に述べるように構成して上記
テンシヨンスプリング１０の張力によるミラーボ
デー３の回動力を簡単な操作で自在に消失、復元
せしめ得るようにする。これによりミラーボデー
の傾倒操作が容易になるとともに、簡易な係止具
を用いて傾倒姿勢を保持し得るようになる。

上記の基本的な原理に基づいて前述の目的を達
成する為、本考案は、ミラーボデーとミラーベー
スとの間に介装するヒンジ部材を形成し、上記の
ヒンジ部材をヒンジピンによつてミラーベースに
回動自在に軸支するとともに、該ヒンジ部材の自
由端側にアーム状のスプリングフツクを形成して
このスプリングフツクを上記のヒンジピンと同軸
上にミラーベースに回動自在に軸支するととも
に、上記のスプリングフツクをミラーベースに固
定する手段を備えたこを特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第４図乃至第９図に
ついて説明する。

第４図は第２図に示した緩衝機構付リモートコ
ントロール式ドアミラーのヒンジ部材７付近を仮
想線で示して、これに本考案に係るスプリングフ
ツク１３及びその関連部材を実線で付記した断面
図である。第５図は上記のスプリングフツク１３
の斜視図である。

スプリングフツク１３に、先に述べたヒンジ部
材７のヒンジピンである後側軸８に嵌合する軸受
孔１３ａを設けて、上記の後側軸８によつて回動
自在に支承されるように構成し、かつ、その自由
端付近にバネ掛け用の透孔１３ｂを設ける。本実
施例においては２本のテンシヨンスプリングを用
いるように２個の透孔１３ｂを設けてある。本考
案を実地に適用する場合、テンシヨンスプリング
の個数に応じて適宜個数の透孔を設ける。要する
に本考案に係るスプリングフツクは、ヒンジ部材
７のヒンジピンの機能を果たしている軸（本例に
おいては後方軸８）によつて回動自在に支承され
るアームの自由端にテンシヨンスプリングの一端
を取り付け得る構造とする。

スプリングフツク１３に取付ネジ用の孔１３ｃ
を穿ち、取付ネジ１４を挿通してこのスプリング
フツク１３をミラーベース２に固定する。本実施
例のドアミラーは以上のようにしてミラーボデー
３とミラーベース２との間に介装するヒンジ部材
７を形成し、上記ヒンジ部材７のヒンジピンであ
る後側軸８によりミラーベース２に回動自在に軸
支するとともに、該ヒンジ部材７の自由端側にミ
ラーボデー３を回動自在に軸支し、かつ、上記と
別体にアーム状のスプリングフツク１３を形成し
て上記ヒンジ部材７の後側軸８と同軸上にミラー
ベース２に回動自在に軸支するとともに、このス
プリングフツク１３をミラーベース２に固定する
ための取付ネジ１４を備えてある。

以上のように構成したドアミラーにおいて、取
付ネジ１４を抜き取ると、第６図に示すようにス
プリングフツク１３は後側軸８の回りに回動して
ヒンジ部材７に当接し、ミラーベース２はテンシ
ヨンスプリング１０の張力を受けなくなる。従つ
てミラーボデー３は回動力を付勢されず、ヒンジ
部材７及びスプリングフツク１３と一緒に後側軸
８を中心として自由に回動し得る状態となる。第
７図にこの状態の斜視図を示す。２ａは前述の取
付ネジ１４を螺合するためミラーベース２に設け
たタツプ穴である。

上述のようにミラーボデー３がテンシヨンスプ
リング１０による回動力を受けなくなると、これ
を傾倒姿勢にする操作力が軽くなり、また、傾倒
姿勢に保持するための係止具も簡易なもので足り
る。１５及び１６はそれぞれミラーボデー３及び
ミラーベース２と一体形成した孔付ブラケツト、
１７は上記の孔付ブラケツトに合わせて形成した
コの字形のロツクバーである。このように小形軽
量の係止具で実用上充分の係止効果が得られる。

以上の作用から容易に理解できるように、取付
ネジ１４によつてスプリングフツク１３をミラー
ベース２に固定するとミラーボデー３はテンシヨ
ンスプリング１０に付勢されて緩衝機能を発揮し
得る状態となり、取付ネジ１４を抜き取つてスプ
リングフツク１３がミラーベース２に対してフリ
ーに回動し得るようにするとミラーボデー３がテ
ンシヨンスプリング１０によつて付勢されていた
回動力が消失して傾倒操作が容易となり、かつ、
傾倒姿勢の保持が容易になる。

上記の取付ネジ１４を着脱する際は第８図に示
すようにミラーボデー３を前方に傾倒して行な
う。第９図はこの状態の斜視図である。

この状態でテンシヨンスプリング１０と前側軸
９との間の距離が非常に短かくなるので、ミラー
ボデー３をこの姿勢に保持するために大きい力を
要しない。そして、テンシヨンスプリング１０の
張力によつてスプリングフツク１３がミラーベー
ス２に接近する方向に回動するので、この状態に
すると取付ネジ１４を容易に着脱することができ
る。

第１０図乃至第１２図に上記と異なる実施例を
示す。この実施例は先に説明したスプリングフツ
ク１３を第１０図に示すように２個のスプリング
フツク１８に分割して構成したものである。この
スプリングフツク１８は、後側軸８に嵌合すべき
軸受孔１８ａ、テンシヨンスプリング１０を掛け
るための透孔１８ｂ、及び取付ネジ挿通用の孔１
８ｃを備えていて、前記実施例のスプリングフツ
ク１３と同様に第１１図及び第１２図に示すよう
に緩衝機構付リモートコントロール式ドアミラー
に組みこんで用い、前例と同様の作用効果が得ら
れる。

以上詳述した作用により、本考案を適用する
と、簡単な構成でミラーボデーを傾倒姿勢に保持
することができ、しかも該ミラーボデーを傾倒姿
勢にしたり正常作動姿勢に復元させたりする操作
を迅速かつ容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアミラーを装着した自動車の正面
図、第２図は緩衝機構付リモートコントロール式
ドアミラーの正常姿勢における断面平面図、第３
図は同傾倒姿勢における断面平面図、第４図は本
考案の一実施例の部分断面平面図、第５図は上記
実施例のスプリングフツクの斜視図、第６図は同
じく作用説明のための部分断面平面図、第７図は
上記の実施例の後方傾倒姿勢における斜視図、第
８図は同じく前方傾倒姿勢における部分断面平面
図、第９図は同斜視図である。第１０図乃至第１
２図は上記と異なる実施例を示し、第１０図はス
プリングフツクの斜視図、第１１図は後方傾倒姿
勢の斜視図で前記の実施例における第７図に対応
する図、第１２図は前方傾倒姿勢の斜視図で前記
の実施例における第９図に対応する図である。 ２……ミラーベース、２ａ……タツプ穴、３…
…ミラーボデー、４……ミラー、５……ミラーハ
ウジング、６……リモートコントロール駆動部、
７……ヒンジ部材、８……ヒンジ部材のヒンジピ
ンとしての機能を有する後側軸、９……前側軸、
１０……テンシヨンスプリング、１１……リン
ク、１２……ピン、１３……スプリングフツク、
１３ａ……軸受孔、１３ｂ……バネ掛け用透孔、
１３ｃ……取付ネジ用の孔、１４……取付ネジ、
１５，１６……孔付ブラケツト、１７……ロツク
バー、１８……スプリングフツク、１８ａ……軸
受孔、１８ｂ……バネ掛け用透孔、１８ｃ……取
付ネジ用の孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミラーボデーとミラーベースとの間に介装する
   ヒンジ部材を形成し、上記ヒンジ部材をヒンジピ
   ンによりミラーベースに回動自在に軸支するとと
   もに、該ヒンジ部材の自由端側にミラーボデーを
   回動自在に軸支し、かつ、上記と別体にアーム状
   のスプリングフツクを形成して上記ヒンジ部材の
   ヒンジピンと同軸上にミラーベースに回動自在に
   軸支するとともに、このスプリングフツクをミラ
   ーベースに固定する手段を備えて上記スプリング
   フツクとミラーボデーとの間にテンシヨンスプリ
   ングを介装係着したことを特徴とする自動車用ド
   アミラー。