JPS6328377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、集熱器で屋根板の一部を兼ねさせて
屋根下地材に固定する、所謂屋根一体型に適した
太陽熱集熱器の屋根面への取付構造に関する。

住宅用の給湯及び暖冷房を目的として住宅の南
面の屋根に太陽熱集熱器を設置することは従来よ
り行なわれていて、屋根一体型の集熱器の取付構
造として種々のものが提案されているが、いずれ
も水密性保持のため複雑な構造を必要とするばか
りでなく十分な取付強度が得られず、従つて屋根
への設置、殊に一般住宅への屋根への設置には不
適当であると共に、既存屋根への設置にはさらに
問題が残されていた。

本考案は、屋根への設置するための構造が極め
て簡単であつて、屋根側に適宜部材を設けるだけ
で強固な屋根への設置を達成することができ、か
つ水密性にすぐれた屋根設置用太陽熱集熱器の取
付構造を提供することを目的とする。

以下図面を参照して本考案を詳細に説明する。
図において、建物の屋根板又は野地板１上に防水
紙等を敷いて屋根下地材を形成する。該屋根下地
材上には下記の示すように太陽熱集熱器を設置す
るがそれ以外の部分は図示せぬスレート、金属
板、瓦等の屋根材を葺いて屋根を構成する。

上記の屋根下地材面において、設置すべき太陽
熱集熱器２の設置底面積にほぼ対応する屋根材非
敷設面上に上方に向けて適宜立上つた太陽熱集熱
器支持枠３を取付ける。集熱器支持枠３は野地板
１上に木製平角材４又は木製平角材に相当する金
属製型材を少なくとも１個の集熱器に対して左右
２本敷設して、野地板１又は野地板を通して図示
せぬ垂下に固定する。さらに２本の平角材４の勾
配方向上下端に同様に平角材４を直角方向に敷設
して角枠形の集熱器支持枠３を構成する。

上記の角枠形の集熱器支持枠３に雨押え施工を
施す。雨押え板材５はカラー鋼板、アルミ板等の
薄板からなり、各平角材４の上面から外側面に添
設して防水紙上に適宜長展延６し、各雨押え板材
５の上端部を釘、ネジ７等により平角材４に固定
すると共に平角材４の突合せ角部上では溶接、折
り合わせ等の手段を用いて互に水密状に接合す
る。又雨押え板材５の上端部を上方に折曲して水
返し８を形成する。

水等の液体を加熱する集熱器で示した太陽熱集
熱器２は、扁平箱形ケース９の扁平上面を開放し
てこれにガラス等の透光板１０を嵌装し、ケース
９内には給水用下部基管１１と温水取出し用上部
基管１２とを配設すると共に両基管間に温水が流
れる多数の流路１３を有する集熱板１４を接続す
る。尚１５は両基管１１及び１２と集熱板１４と
の組合せ体の側方及び下方を包囲したケース９内
の断熱材でグラスウール等を使用する。

集熱器ケース９の底部には該ケースの四周壁に
沿つて角枠形の垂下板１６が垂設される。垂下板
１６は外壁部１７と支持枠３の上面に載置すべき
立上り部１８とを有して断面〓状の鍵形に形成さ
れ、外壁部１７の外形はケース９の外形にほぼ等
しい。図に示す如く垂下板１６の外壁部１７の内
側下縁にＣ形チヤンネル１９を形成し、該チヤン
ネル１９にゴム、プラスチツク等の弾性材料から
なる断面舌状のタイト材２０を片持梁状に装着す
る。又垂下板１６の外壁部１７は上述した集熱器
支持枠３よりも大型の角枠形を形成され、該垂下
板１６を支持枠３に載置した場合、支持枠３の外
側面を被覆した雨押え板材５と垂下板１６の外壁
部１７との間の間隙Ｗは約15mmである。このよう
な間隙Ｗにおいて上記のタイト材２０の先端は雨
押え板材５に弾性的に接触して間隙Ｗを水密状に
塞ぐ。タイト材２０は垂下板の外壁部１７の四周
内側に設けられるが、屋根勾配の方向で下側に位
置する部分に図示せぬ切欠を設けて水抜きをす
る。

本考案で集熱器ケース９と垂下板１６とを別箇
に形成したのは、勾配方向に複数の集熱器を連結
した場合の横樋２１の取付け等が容易になること
及び必要に応じて別設計の垂下板を交換取付け得
るようにした為である。従つて場合によつてはケ
ース９と垂下板１６を一体にして工作を簡単にす
ることができる。

集熱器２の取付に先行して、屋根下地材上に固
定した集熱器支持枠３の長手方向の平角材４上に
集熱器取付金具２２を取付ける。該取付金具２２
は断面〓形の短辺部材で１個の集熱器２に対して
通常４個の取付金具２２を使用する。取付金具２
２は雨押え板材５で被覆した平角材４にビス等を
用いて取付ける。次に集熱器２とタイト材２０を
装着した垂下板１６との組立体に上記の取付金具
２２に夫々対応したアングル板２３を予めかしめ
付けして置き、これを垂下板１６の立上り部１８
の下端が平角材４の上面に当接するように集熱器
支持枠３の外側に被嵌し、アングル板２３と取付
金具２２をボルト等で締結する。尚垂下板１６等
の取付金具２２と重複する部分は予め切欠いてお
く。

本考案の集熱器の取付構造による時は、屋根材
上に降つた雨は屋根材面よりも上方に立上つた角
枠形支持枠３の外側に沿つて屋根面を流下して支
持枠３の内側に流入することがない。又表面張力
によつて支持枠３の側面を上昇する雨水があつて
もタイト材２０により防止され、万一タイト材２
０の部分を通過した若干の雨水があつても垂下板
１６の立上り部１８さらには雨押え板材５上端の
水返し８によつて支持枠３内への侵水は完全に防
止される。

上述したように本考案は上記のように構成し
て、角枠状の集熱器支持枠を集熱器の四周より垂
下した垂下板の角枠よりも小型に形成し、集熱器
を支持枠に固着した時に、垂下板に取付けた弾性
持梁状のタイト材の先端を支持枠の外周に密接状
に当接させたので、極めて簡単な構造で十分な水
密性が維持できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は屋根上に配設した本考案の集熱器支持
枠を示す斜視図、第２図は本考案にかかる太陽熱
集熱器の実施例を示す垂直断面図、第３図は第２
図の−線についての垂直断面図である。 ２……太陽熱集熱器、３……集熱器支持枠、９
……ケース、１０……透光板、１１，１２，１４
……太陽熱集熱装置、１６……垂下板、２０……
タイト材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に透光板１０を有するケース９内に太陽熱
   集熱装置１１，１２，１４を内装してなる太陽熱
   集熱器２の四周から角枠形の垂下板１６を下向き
   に延出し、屋根面には該屋根面より上方に立上り
   かつ上記垂下板の角枠よりも小型の角枠形の集熱
   器支持枠３を固定し、上記集熱器を、その垂下板
   が上記集熱器支持枠の外側を所定の間隙Ｗをあけ
   て包囲した状態で該集熱器支持枠上に固着すると
   共に上記垂下板には集熱器支持枠外面に向う弾発
   性片持梁状のタイト材２０を附設して上記間隙Ｗ
   を弾発的に塞いでなる太陽熱集熱器の取付構造。