JPS6324744B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般に廃棄物として収集される混合
材料を鉄片で代表される磁性材料と、アルミ缶で
代表される非磁性導電材料と、紙屑あるいは木辺
で代表される非磁性非導電材料とに分離するのに
用いられる混合材料分離装置に関する。

廃棄物として収集された混合材料は前記した磁
性材料、非磁性導電材料および非磁性非導電材料
に大別することができ、磁性材料の分離のために
磁石の磁気吸着力を利用した種々の磁気選別機が
提案されている。また、磁気選別機等によつて予
め磁性材料が除去された材料を非磁性導電材料お
よび非磁性非導電材料に分離するために、本願発
明者によつて特願昭53−98711号明細書に示され
た非磁性導電材料分離装置が提案された。

前記分離装置は、横方向に配置される長手方向
中心軸線を回転軸線として一方向に駆動回転され
る円筒体と、該円筒体を取り巻きかつ前記回転軸
線を中心として前記円筒体と同軸的にこれと逆方
向に回転する磁界を発生する手段とを備える。前
記円筒体内には予め磁性材料が除去された材料が
投入され、前記円筒体に投入された材料のうち非
磁性導電材料を除く非磁性非導電材料は前記円筒
体の回転によつてその回転方向に向けられる。ま
た、前記非導電材料は前記回転磁界によりその内
部に生じるうず電流と前記回転磁界との電磁作用
力によつて前記円筒体の回転方向と逆の方向に向
けられる。

従つて、前記分離装置によれば、前記円筒体と
独立して逆方向に回転する前記回転磁界を高速回
転させることにより前記円筒体内に投入された材
料に強い遠心力を作用させることなく前記非磁性
導電材料に強い電磁作用力を作用させることがで
き、これにより効果的に非磁性導電材料と非磁性
非導電材料とを分離することができる。

しかし、前記分離装置では磁性材料を分離する
ことはできず、前記投入材料中に磁性材料が残存
している場合、この残存する磁性材料は前記回転
磁界の磁気吸着力により回転する前記円筒体の内
周面に吸着保持された状態で該円筒体と一体的に
回転して非磁性導電材料と非磁性非導電材料との
分離を妨げることがあつた。

従つて、本発明の目的は、混合材料を磁性材料
と、非磁性導電材料と、非磁性非導電材料とに分
離し得る混合材料分離装置を提供することにあ
る。

本発明は、横方向に配置される長手方向中心軸
線の回わりを一方向に駆動回転される円筒体と間
隔をおいて該円筒体を取り巻いて配置された環状
の磁気装置による回転磁界の磁気吸着力によつて
前記円筒体の内周面に吸着保持された磁性材料を
前記内周面より釈放すべく、前記円筒体の上側部
における該胃筒体と前記磁気装置との間に磁気シ
ールドを設けると共に、前記円筒体の内方に釈放
された磁性材料を受ける手段を設けたことを特徴
とする。

本発明が特徴とするところは、図示の実施例に
ついての以下の説明により、さらに明らかとなろ
う。

本発明に係る分離装置１０は、第１図に示され
ているように、非磁性体からなる両端開放の円筒
体１２と、磁気装置１４と、フレーム１６とを含
む。

フレーム１６は傾斜して配置されており、該フ
レームには、ブラケツト１８を介して一対の駆動
ローラ２０および一対の従動ローラ２２（第１図
にはいずれも一方のローラのみを示す）が設けら
れている。円筒体１２はその両端部に設けられた
環状案内部２４において両ローラ２０，２２上に
載置されており、これにより円筒体１２は水平面
に対し角度θ₁の傾斜をなす長手方向中心軸線a₁を
回転軸線として回転可能に支承されている。前記
角度θ₁は中心軸線a₁が垂直状態とならない限り所
望の角度とすることができる。

前記駆動ローラ２０には、その軸２６に固定さ
れたスプロケツト２８およびモータ３０の回転軸
に固定されたスプロケツト３２を巡るチエーン３
４を介してモータ３０の回転力が伝えられ、駆動
ローラ２０の回転により円筒体１２はその中心軸
線a₁の回わりを第２図でみて時計方向に駆動回転
される。

この円筒体１２の上端開口１２ａには、混合材
料３６を円筒体１２内に連続的に投入するための
シユート３８が配置されており、該シユートから
円筒体１２内に投入された混合材料３６はその自
重によつて円筒体１２の底部に沿つてその下端開
口１２ｂに向けられる。この際、混合材料３６は
円筒体１２が一方向に回転されていることから、
円筒体１２の回転方向へ全体的に偏した状態で下
端開口１２ｂに向けられ、この混合材料３６中の
磁性材料４０および非磁性導電材料４２の選別の
ために前記磁気装置１４が円筒体１２を取り巻い
て配置されている。

磁気装置１４は、円筒体１２の外径より大きな
内径を有しかつ該円筒体のほぼ中央部を巡る外輪
環４４を備える。外輪環４４の内周面には、多数
の永久磁石４６，４８が埋設されている。各磁石
４６，４８は、第２図に示したように、円筒体１
２の外周面から間隔をおいてこれを取り巻きかつ
該外周面に対向する各磁極面が周方向に交互に異
磁極となるように配列されており、各磁石４６，
４８の磁極境界線は第１図に示したように外輪環
４４の中心軸線a₂と平行に伸びる。

外輪環４４の外周面には環状案内部５０が設け
られている。外輪環４４は、前記案内部５０にお
いて、前記フレーム１６に設けられたブラケツト
５２に支承された一対の駆動ローラ５４上に載置
されている。図示の例では、外輪環４４の中心軸
線a₂は円筒体１２の中心軸線a₁と平行でありかつ
該中心軸線の上方に位置する。これにより円筒体
１２と外輪環４４との間隔は円筒体１２の上側部
においてその下側部よりも大きく設定されてい
る。

外輪環４４を受ける一対の駆動ローラ５４に
は、その軸５６に固定されたスプロケツト５８お
よびモータ６０の回転軸に固定されたスプロケツ
ト６２を巡るチエーン６４を介してモータ６０の
回転力が伝えられ、駆動ローラ５４の回転により
外輪環４４はその中心軸線の回わりを第２図でみ
て反時計方向へ駆動回転される。その結果、円筒
体１２内をその下端開口１２ｂに向けて移動する
前記混合材料３６には円筒体１２の回転方向と逆
の方向へ回転する回転磁界が付与される。

この回転磁界は、相対的にこの回転磁界を横切
る前記混合材料３６中のアルミ缶で代表される非
磁性導電材料４２内にうず電流を誘起する。この
ため前記導電材料４２は、前記うず電流と前記回
転磁界との電磁作用力によつて、第２図に示すよ
うに、回転磁界の回転方向に向けられ、前記円筒
体１２の回転方向と逆方向へ偏した状態で該円筒
体の底部に沿つて下端開口１２ｂに向けられる。

また、混合材料３６中の紙屑、木片で代表され
る非磁性非導電材料６６も前記した回転磁界域を
通過するが、この非導電材料６６にうず電流が誘
起されることはなく、該非導電材料は円筒体１２
の回転により前記したように円筒体１２の回転方
向へ偏した状態で該円筒体の底部に沿つて下端開
口１２ｂに向けられる。

混合材料３６中の前記導電材料４２および前記
非導電材料６６は、前記したように円筒体１２の
底部に沿つて回転磁界域を通過し、円筒体１２の
下端開口より互いに分離された状態で順次排出さ
れるが、前記した両材料４２，６６を除く鉄片等
で代表される磁性材料４０は円筒体１２の底部に
沿つて前記回転磁界域を通過することはない。す
なわち、混合材料３６中の磁性材料４０は前記回
転磁界域においてその磁気吸着力によつて円筒体
１２の内周面に吸着され、円筒体１２と一体的に
回転しようとするが、この磁性材料４０の前記内
周面からの釈放のために前記円筒体１２と磁気装
置１４との間には磁気シールド６８が配置され、
また前記円筒体１２内にはその内周面から釈放さ
れた磁性材料４０が円筒体１２の底部に落下する
ことを防止すべくこれを受け止める手段７０が配
置されている。

前記磁気シールド６８は、全体に弧状の磁性板
からなり、該磁性板は前記円筒体１２の上側部に
おいて該円筒体および前記磁気装置１４に間隔を
おくようにその両端でフレーム７１により支承さ
れている。磁性板６８は外輪環４４に設けられた
多数の磁石４６，４８のうち少くも隣接する２つ
の異磁極の磁石４６，４８を被うのに充分な幅寸
法Ｗすなわちほぼ円筒体１２の周方向に沿う磁性
板６８の一側６８ａより他側６８ｂに至る長さ寸
法を有する。この磁性板６８は、外輪環４４と一
体的に回転する磁石４６，４８が磁性板６８に対
向する回転域を通過する間、磁石４６，４８を磁
気的に短絡することから、前記円筒体１２の内周
面に吸着保持された前記磁性材料４０は磁気シー
ルド６８の下方において前記内周面より釈放され
て下方に落下する。

この磁性材料４０を受ける前記手段７０とし
て、第１図および第２図にはベルトコンベアの例
が示されており、このベルトコンベア上に落下し
た磁性材料４０は円筒体１２内より該円筒体の下
端開口１２ｂを経て前記非磁性導電材料４２およ
び前記非導電材料６６と分離された状態で円筒体
１２の外方へ排出される。前記したようなベルト
コンベアにより磁性材料４０を円筒体１２の上端
開口１２ａより排出することができ、またベルト
コンベアに代えて樋を用いることができる。ま
た、前記手段７０として、前記ベルトコンベア或
は樋に代えて円筒体１２より出し入れ可能な受皿
等を用いることもできるが、分離された磁性材料
４０を連続的に排出する上で、前記したような搬
送機能を有するベルトコンベア或は樋等を用いる
ことが好ましい。

前記磁性板６８の厚さ寸法を第３図ａ，ｂに示
されているように、その一側６８ａより他側６８
ｂに向けてすなわち円筒体１２の回転方向へ沿つ
て漸増させ、これにより磁性材料４０を確実に前
記内周面より釈放し、またベルトコンベア７０に
衝撃を与えることなく該ベルトコンベア上に前記
磁性材料を落下させることができる。第３図ａは
磁性板６８をこれと円筒体１２との間隔が該円筒
体の周方向に一定となるように配置した例を示
し、また第３図ｂは磁性板６８をこれと磁気装置
１４との間隔が周方向に一定となるように配置し
た例を示す。

前記磁気シールド６８として用いられる磁性板
は、一般に導電性を有する。このため磁性板６８
内には前記回転磁界によつてうず電流が生じ、こ
のうず電流は回転する外輪環４４に強い回転抵抗
を与える。従つて、前記磁性板６８の表面に第４
図ａ，ｂ，ｃにそれぞれ示されているように磁性
板６８の縦方向、横方向あるいは斜方向へ多数の
溝７２を設けて、回転磁界による磁性板６８内で
のうず電流の発生を抑制することが望ましい。

また、第５図に示されているように、磁性導電
体からなる薄板７４を厚さ方向に積層したものを
磁気シールド６８として用いることによつても該
シールド内のうず電流の発生を抑制することがで
きる。この薄板７４としてうず電流の生じにくい
けい素鋼板を用いることが好ましく、また各けい
素鋼板に多数の孔７５を設けることによつて一層
良好にうず電流の発生を抑制することができる。
また薄板７４に代えて金網等を積層することによ
つてもうず電流の発生の小さい磁気シールド６８
を得ることができる。

また、第６図ａ，ｂに示すように、磁性体７６
およびプラスチツク、ゴムあるいは紙等の電気絶
縁体７８を交互に縦方向あるいは横方向に順次接
合することによつてもうず電流の発生の小さい磁
気シールド６８を得ることができ、第６図ｂに示
したように両者７６，７８を横方向に交互に接合
する場合各磁性体７６は前記したとおり隣接する
２つの異磁極の磁石４６，４８を被うのに充分な
幅寸法Ｗを有する。

前記分離装置１０によれば、前記したように、
比較的単純な構成によつて混合材料３６を磁性材
料４０と、非磁性導電材料４２と、非導電材料６
６とに分離することができ、混合材料３６中に混
在する磁性材料４０によつて従来のように前記回
転磁界の電磁作用力による前記導電材料４２の分
離が妨げられることはない。また、磁気シールド
７８としてうず電流の発生の小さいものを用いる
ことにより、前記磁気装置１４に与える回転抵抗
を小さくすることができ、該磁気装置の駆動力を
無駄なく磁界の回転に向けることができる。従つ
て、前記回転磁界を高速で回転することができ、
前記円筒体１２内の混合材料３６に強い遠心力を
作用させることなく前記電磁作用力を高めること
ができ、これにより分離効率の向上を図ることが
できる。

前記したところでは、円筒体１２および外輪環
４４の両回転軸線a₁およびa₂を傾斜させた例につ
いて説明したが、両回転軸線a₁およびa₂を水平と
することができる。この場合、前記導電材料４２
および前記非導電材料６６を円筒体１２の下端開
口１２ｂより連続的に排出させることが不可能と
なることから、円筒体１２内で分離された両者を
それぞれ該円筒体から取り出す作業が必要とな
る。また、外輪環４４の磁石４６，４８の磁極境
界線を中心軸線a₂に対して傾斜させることによ
り、その傾斜方向に応じて前記電磁作用力に前記
中心軸線a₂に沿つた力成分を与えることができ、
これにより前記導電材料４２を円筒体１２の上端
開口１２ａより排出させ或は積極的に円筒体１２
の下端開口１２ｂに向けて該開口より排出させる
ことができる。

また、前記磁気装置１４として永久磁石を備え
かつ駆動回転される外輪環を用いた例について説
明したが、前記磁気装置として前記円筒体１２の
外周を取り巻く環状のリニアモータを用いること
ができ、また前記磁気装置と前記円筒体との間隔
が前記磁気シールドを配置するのに充分な広さで
あれば、前記したように円筒体１２の回転軸線a₁
に対して回転磁界の回転軸線a₂を偏心させること
なく互いに同軸的に配置することができる。

本発明によれば、単一の磁気発生源によつて混
合材料を磁性材料と、非磁性導電材料と、非磁性
非導電材料とに分離することができ、しかも混合
材料が投入される円筒体と独立して磁界を高速で
回転することができることから、比較的単純な構
成によつて分離効果の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る混合材料分離装置をその
一部を破断して示す正面図であり、第２図は第１
図に示した線−に沿つて得られた横断面図で
あり、第３図ａ，ｂは第１図および第２図に示し
た磁気シールドのそれぞれ他の実施例を示す第２
図と同様な図であり、第４図ａ，ｂ，ｃ、第５図
および第６図ａ，ｂはそれぞれ本発明に係る磁気
シールドのさらに他の実施例を示す斜視図であ
る。 １２：円筒体、１４：磁気装置、４０：磁性材
料、６８：磁気シールド、７０：磁性材料を受け
る手段、７２：溝、７４：磁性導電体（けい素鋼
板）、７６：磁性体、７８：電気絶縁体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 横方向に配置される長手方向中心軸線の回わ
   りを一方向に駆動回転され、磁性材料を含む混合
   材料が投入される非磁性体からなる円筒体と、該
   円筒体の回わりをこれと間隔をおいて取り巻いて
   配置され、前記円筒体の回転方向と逆の方向へ回
   転する磁界を発生する環状の磁気装置と、前記円
   筒体の上側部における該円筒体と前記磁気装置と
   の間に配置される磁気シールドと、前記円筒体の
   内方において前記磁気シールドの下方に配置され
   る、磁性材料を受ける手段とを含む混合材料分離
   装置。 ２ 前記磁気シールドは前記円筒体の回転方向へ
   沿つて厚さ寸法を漸増する特許請求の範囲第１項
   に記載の混合材料分離装置。 ３ 前記磁気シールドはその表面に多数の溝が形
   成された磁性板からなる特許請求の範囲第１項に
   記載の混合材料分離装置。 ４ 前記磁気シールドは磁性体および電気絶縁体
   が交互に配置されてなる積層構造を有する特許請
   求の範囲第１項に記載の混合材料分離装置。 ５ 前記磁気シールドは磁性導電体を積層してな
   る積層板からなる特許請求の範囲第１項に記載の
   混合材料分離装置。 ６ 前記各磁性導電体はけい素鋼板である特許請
   求の範囲第５項に記載の混合材料分離装置。 ７ 前記各磁性導電体は多数の孔を有する特許請
   求の範囲第５項または第６項に記載の混合材料分
   離装置。