JPS63219912A - スラスト軸受の製造方法 - Google Patents

スラスト軸受の製造方法

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JPS63219912A
JPS63219912A JP5438787A JP5438787A JPS63219912A JP S63219912 A JPS63219912 A JP S63219912A JP 5438787 A JP5438787 A JP 5438787A JP 5438787 A JP5438787 A JP 5438787A JP S63219912 A JPS63219912 A JP S63219912A
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郁紀 坂谷
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、音響機器、映像機器、事務用機器などに使
用される軸受装置およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、音響機器、映像機器などの磁気ヘッド用回転シリ
ンダの軸受装置として、たとえば第4図に示す構造のも
のが知られている。
この軸受装置は、固定軸10の下端部を下部シリンダ3
0に圧入等により固着し、上部シリンダ32に固着され
たスリーブ20を固定軸10の周りに回転可能に嵌挿し
、固定軸lOの外周面にヘリングボーン状の動圧発生用
の溝1)3.llbを設けてスリーブ20を半径方向に
支持する動圧形のラジアル流体軸受を構成し、固定軸l
OO軸方向上端面(平面)を、スリーブ20の軸方向上
端部の内周面に圧入により固着された球状体からなるス
ラスト受け22と潤滑剤を介してまたは介さないで対向
させて、スリーブ20を軸方向に支持するピボット形の
スラスト軸受を構成している。
上記のスリーブ20の上端部内周面には、固定軸10の
上端部とスラスト受け22との間の空間を外気に連通さ
せる空気抜き溝23が軸方向に設けてあり、スリーブ2
0の中間部にも半径方向に貫通する空気抜き穴24を設
けて固定軸10の外周面とスリーブ20との間の空間を
外気に連通させ、軸受組立時における空気抵抗を軽減す
るとともに油等の潤滑剤中に含まれる気泡を外部へ逃が
すようにしている。
軸受装置の回転駆動モータとしては、円筒状のロータマ
グネット34をスリーブ20の外周面に固着されたディ
スク33に取り付け、ロータマグネット34の外周面に
円筒面で対向するステータコイル35を下部シリンダ3
0の側壁に取り付けている。
また、下部シリンダ30には、スリーブ20の外周に配
設した円筒状の固定側ロークリトランス36を取り付け
、固定側ロータリトランス36の外周面に円筒面で対向
する回転側ロークリトランス37を前記ロータマグネッ
ト34の内周面に取り付け、上部シリンダ32に取り付
けられた磁気ヘッド38から取り出した信号を回転側ロ
ークリトランス37を経て固定側ロークリトランス36
に伝達するようにしている。
上記の軸受装置は、スリーブ20と固定軸10との間の
ラジアル軸受すきまに油、グリースなどの潤滑剤を充填
して駆動するか、あるいは空気などの気体を潤滑剤に用
いて駆動するようになっている。
回転駆動モータのステータコイル35に通電すると、ロ
ータマグネット34に回転力が発生してスリーブ20と
これに固着された各付属品とは一体となって回転するが
、スリーブ20が回転すると、固定軸10の動圧発生用
の溝1)a、1)bによる動圧が発生してラジアル軸受
すきまに流体膜が生成され、この流体膜の圧力によりス
リーブ20は固定軸10に対して非接触状態を保って半
径方向に支持されるとともに、スラスト受け22が固定
軸10の上端面と点接触するのでスリーブ20は固定軸
10の上端面によって軸方向に支持されて回転する構成
になっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のように、固定軸10の一方の軸方向端面と固定軸
10に回転可能に嵌挿されたスリーブ20の軸方向端部
に固着された球体状のスラスト受け22とによるピボッ
ト形のスラスト軸受を備えた磁気ヘッド用回転シリンダ
の軸受装置においては、固定軸10よりも硬質の素材か
らなるスラスト受け22が一般に使用されているが、従
来の軸受装置の固定軸10はスラスト受け22に対する
対向端面が平面であるため、スラスト受け22との接触
点において極めて大きな面圧を受けて摩耗量が大きくな
り、これにより上部シリンダ32に取り付けられた磁気
ヘッド38の高さが軸受使用中に漸次低くなるという事
態が発生している。
この発明者らが行った実験例によると、固定軸lOには
焼入れしたステンレス丸鋼(SUS420J2)、スラ
スト受け22には焼入れした軸受用鋼球(SUJ2)を
それぞれ使用した場合、潤滑剤に油を用いても数百時間
経過した時点で固定軸10の端面に5μm以上の摩耗量
が生ずるという結果が得られた。
しかしながら、この種の軸受装置においては、軸受使用
中に磁気ヘッド38の高さの変化をできるだけ少なくす
ることが必要とされており、たとえば高さの変化を5μ
m以内に抑えることが要求されているため、このような
要求を満足する軸受装置の開発が要望されている。
この発明は、上記のような要望に応えるためになされた
ものであり、球状体のスラスト受けと点接触する軸体の
端面の摩耗が少ない軸受装置とその製造方法とを提供す
ることを目的とする。
[問題点を解決するための手段〕 この発明の軸受装置は、球状のスラスト受けに対向する
軸体の端面に、スラスト受けの半径よりも大きい半径を
有する凹球面を設けている。
また、この発明の軸受装置の製造方法は、軸体の外周面
に、軸体よりも硬質の球体が一方の軸方向端部に固着さ
れた円筒状体を咲挿し、軸体と球体との少なくとも一方
に軸方向の押圧荷重を与えて球体に対向する軸体の端面
に球体による塑性変形を生ぜしめ、この軸体の端面に球
体の半径よりも大きい半径を有する凹球面を形成するも
のである。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は、この発明の軸受装置を前述の第4図で説明し
た磁気ヘッド用回転シリンダに適用した実施例を示す縦
断側面図である。
同図に示すように、固定軸10の軸方向上端面12には
凹球面13が形成されており、この凹球面13により、
球状体からなるスラスト受け22を支持するスラスト軸
受が構成されている。
固定軸10の軸方向上端面I2に形成された凹球面13
の半径R5は、第2図に示すようにスラスト受け22の
半径RKよりも大きくなっている。
上記以外の各部の構成については第4図と同一であるか
ら、同一部分に同一符号を付すに止め、繰り返しての説
明は省略する。
次に、上記構成の軸受装置について製造方法を説明する
固定軸10として使用する軸体の外周面に嵌挿可能な内
径をもつ円筒状体を用意し、この円筒状体の一方の軸方
向端部の内周面に軸体よりも硬質の球体を圧入笠により
固定した治具(図示を省略)を使用して、この治具に軸
体を挿入し、軸体を固定して治具の球体を軸体の端面に
押圧して所定の押圧荷重を与えるか、または固定した治
具の球体に対して軸体を押圧するか、あるいは治具と軸
体との双方を軸方向に押圧して軸体の端面に冶具の球体
による押圧荷重を与える。なお、この円筒状体の一方の
端部内周面には軸体と球体との間の空気を外気に連通さ
せる空気抜き溝が設けられている。
これにより、軸体の端面が軸体よりも硬質の球体によっ
て塑性変形され、軸体の端面には球体の半径よりも大き
な半径をもつ凹球面が形成される。
上記の治具の円筒状体と軸体との間の半径方向すきまを
、製品として使用するスリーブと軸体との間の半径方向
すきまよりも小さくでき、軸体の端面に軸体の軸心から
の偏心が少ない凹球面を形成することができる。
また、治具の球体の半径を製品として使用するスラスト
受けの半径とは異なるものを用いることにより、それぞ
れの球体の半径に応じた半径をもつ凹球面を軸体の端面
に形成することができる。
なお、上記の治具の代わりに、製品として使用するスラ
スト受けを圧入等により固定し、これに他の付属部品を
取り付けたものまたは取り付けないものを使用してもよ
く、この場合は軸体についてもあらかじめ下部シリンダ
に圧入笠により固定しておいてまたは固定しないで、前
記と同様の操作を行うことにより、軸体の端面に凹球面
を形成することもできる。このようにした場合には、軸
体にスラスト受けが固着されたスリーブを嵌挿して所定
の押圧荷重を与えると同時に組立ても完成した軸受装置
が得られる。
上記の方法によって製造した試験品とこれについて行っ
た摩耗試験の結果は、次の通りである。
球体は直径約1.5 snの軸受用鋼球(SUJ2)に
焼入れ、焼戻し処理を施したもの(硬度HRC62〜6
4)を使用して、これを軸受用部品のスリーブの端部に
圧入により固定し、軸体は球体よりも直径が僅かに小さ
い直径約1.5龍のステンレス九#(SUS420J2
)に焼入れ、焼戻し処理を施したもの(硬度H*C57
〜58)を使用して、軸体を軸方向に押圧して球体に所
定の押圧荷重を与えたところ、軸体の端面に直径が約3
鰭の凹球面か形成された。このように、製品として使用
するスラスト受けである球体へ軸体の端面を押圧しても
、軸体の端面に球体より大きな直径を有する凹球面を塑
性変形により形成することができた。
この試験品をそのまま使用して摩耗試験を行った結果、
従来品の軸体の端面には前述のように数百時間で5μm
以上の摩耗量が生じたのに対し、この発明の軸体の端面
には同一時間経過後においても、殆ど摩耗量が生じてい
ないことが確認された。
前記実施例で説明した回転スピンドルにおいては、固定
軸の周りのスリーブとその付属部品とが回転する構造に
なっているが、これとは反対にスリーブを下部シリンダ
に固定し、上部シリンダに固着した軸体がスリーブに支
持されて回転する構造のものについても前記同様にこの
発明を適用することができる。
また、スリーブと軸体との間に構成されるラジアル軸受
については、前記実施例で説明した動圧形流体軸受に限
定されるものではなく、静圧形流体軸受でもよく、また
流体軸受以外のすべり軸受。
あるいは転がり軸受を用いることもできる。
さらに、軸体とスラスト受けとの材質についても、前記
実施例に限定されず、任意の材質のものを使用すること
ができる。
また、第3図に示すようにスラスト受け22および球体
を、スラスト受け22の直径より小さい直径を有する平
面40を備えた半球体即ち擬球体としてもよい。このよ
うにすると、スリーブ20とスラスト受け22とを備え
た回転部材の軸方向寸法を短くできる。
なお、周囲温度変化が少なくて油等の潤滑剤からの気泡
あ排出が少ない使用条件の場合には、中間部の空気抜き
穴24を省略することもできる。
また、ロータマグネットとステータコイルとが平面で対
向する平面対向形モーフを用いてもよい。
ロータマグネットとステータコイルとが円筒面で対向す
る周対向形モータでも、平面対向形モータでも、スリー
ブ20の軸体10からの抜けを防止するために、ロータ
マグネットとステータコイルとで生ずる軸方向吸引力に
よって、スラスト受け22が軸体10の方へ吸引される
ようにしておくことが好ましい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の軸受装置は、球状のス
ラスト受けに対向する軸体の端面に、スラスト受けの半
径よりも大きい半径を有する凹球面を設けているから、
スラスト受けを支持する軸体の凹球面における接触面圧
が小さくなり、摩耗量を著しく減少することが可能とな
る。したがってこの発明によれば、磁気ヘッドが取り付
けられる回転シリンダのように、軸方向の高さの変化が
厳しく制限される装置における問題が解決され、この種
の回転シリンダに最も好適な軸受装置が得られる。
また、この発明の軸受装置の製造方法によれば、円筒状
体に固定された球体と円筒状体に挿入された軸体との少
なくとも一方に押圧荷重を与えて、軸体の端面に塑性変
形を生じさせる構成になっているから、極めて簡単な操
作で、しかも曲率精度の高い凹球面を形成することがで
き、スラスト軸受の大量加工に適した製造方法が得られ
るだけでなく、球体と円筒状体とに製品の部品であるス
ラスト受けとスリーブとを用いた場合には、格別の治具
が不用となり、軸受部品を利用して節単に軸受装置を製
造することができ、製造と同時に軸受装置としての組立
ても完成するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を磁気ヘッド用回転シリンダに適用し
た実施例を示す縦断側面図、第2図は第1図の要部を拡
大して示す側面図、第3図はこの発明の他の実施例を示
すスラスト受けとスリーブとの縦断側面図、第4図は従
来の磁気ヘッド用回転シリンダを示す縦断側面図である
。 図中、10は軸体、12は軸体の端面、13は凹球面、
20はスリーブ、22はスラスト受け、R8は軸体の凹
球面の半径、R8はスラスト受けの半径である。 特許出願人  日本精工株式会社 代理人 弁理士 森   哲 也 代理人 弁理士 内 藤 嘉 昭 代理人 弁理士 清 水   正 第1図 第2図  第3図 手続補正書(自発) 昭和62年 4月 9日 昭和62年特許願第54387号 2、発明の名称 軸受装置およびその製造方法 3、補正をする者 事件との関係 特許出願人 名称 (420)  日本精工株式会社4、代理人  
 ■100  電話 03−284−1876住所 東
京都千代田区丸の内−丁目4番2号東銀ビルヂング 6
階 628区 (1)  明細書の全文を別紙のとおり補正する。 (2)  添付図面のうち、第1図および第2図を別紙
のとおり補正する。 以上 明細書 1、発明の名称 軸受装置およびその製造方法 2、特許請求の範囲 (1)軸体と軸体に嵌挿されたスリーブとのUが出 に
ラジアル  を して回転可能に支持され、スリーブの
一方の軸方向端部に固着された球状のスラスト受けと、
これに軸方向に対向する軸体の端面との間にスラスト軸
受が構成されてなる軸受装置において、前記スラスト受
けに対向する軸体の端面に、スラスト受けの半径よりも
大きい半径を有する凹球面を設けたことを特徴とする軸
受装置。 (2)軸体の外周面に、軸体よりも硬質の球体が一方の
軸方向端部に固着された円筒状体を嵌挿し、軸体と球体
との少なくとも一方に軸方向の押圧荷重を与えて球体に
対向する軸体の端面に球体による塑性変形を生ぜしめ、
軸体端面に球体の半径よりも大きい半径を有する凹球面
を形成することを特徴とする軸受装置の製造方法。 (3)球体および円筒状体として、それぞれ軸受装置の
部品であるスラスト受けおよびスリーブを使用する特許
請求の範囲第2項記載の軸受装置の製造方法。 3、発明の詳細な説明 〔産業上の利用分野〕 この発明は、音響機器、映像機器、事務用機器などに使
用される軸受装置およびその製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、音響機器、映像機器などの磁気ヘッド用回転シリ
ンダの軸受装置として、たとえば第4図に示す構造のも
のが知られている。 この軸受装置は、固定軸10の下端部を下部シリンダ3
0に圧入等により固着し、上部シリンダ32に固着され
たスリーブ20を固定軸10の周りに回転可能に嵌挿し
、固定軸10の外周面にヘリングボーン状の動圧発生用
の溝1)3.llbを設けてスリーブ20を半径方向に
支持する動圧形のラジアル流体軸受を構成し、固定軸l
OO軸方向上端面(平面)を、スリーブ20の軸方向上
端部の内周面に圧入により固着された球状体からなるス
ラスト受け22と潤滑剤を介してまたは介さないで対向
させて、スリーブ20を軸方向に支持するピボット形の
スラスト軸受を構成している。 上記のスリーブ20の上端部内周面には、固定軸10の
上端部とスラスト受け22との間の空間を外気に連通さ
せる空気抜き溝23が軸方向に設けてあり、スリーブ2
0の中間部にも半径方向に貫通する空気抜き穴24を設
けて固定軸10の外周面とスリーブ20との間の空間を
外気に連通させ、軸受組立時における空気抵抗を軽減す
るとともに油等の潤滑剤中に含まれる気泡を外部へ逃が
すようにしている。 軸受装置の回転駆動モータとしては、円筒状のロータマ
グネット34をスリーブ20の外周面に固着されたディ
スク33に取り付け、ロータマグネット34の外周面に
円筒面で対向するステータコイル35を下部シリンダ3
0の側壁に取り付けている。 また、下部シリンダ30には、スリーブ20の外周に配
設した円筒状の固定側ロークリトランス36を取り付け
、固定側ロークリトランス36の外周面に円筒面で対向
する回転側ロータリトランス37を前記ロータマグネッ
ト34の内周面に取り付け、上部シリンダ32に取り付
けられた磁気ヘッド38から取り出した信号を回転側ロ
ークリトランス37を経て固定側ロークリトランス36
に伝達するようにしている。 上記の軸受装置は、スリーブ20と固定軸10との間の
ラジアル軸受すきまに油、グリースなどの潤滑剤を充填
して駆動するか、あるいは空気などの気体を潤滑剤に用
いて駆動するようになっている。 回転駆動モータのステータコイル35に通電すると、ロ
ータマグネット34に回転力が発生してスリーブ20と
これに固着された各付属品とは一体となって回転するが
、スリーブ20が回転すると、固定軸10の動圧発生用
の溝1)3.llbによる動圧が発生してラジアル軸受
すきまに流体膜が生成され、この流体膜の圧力によりス
リーブ20は固定軸10に対して非接触状態を保って半
径方向に支持されるとともに、スラスト受け22が固定
軸10の上端面と点接触するのでスリーブ20は固定軸
10の上端面によって軸方向に支持されて回転する構成
になっている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記のように、固定軸10の一方の軸方向端面と固定軸
lOに回転可能に嵌挿されたスリーブ20の軸方向端部
に固着された球体状のスラスト受け22とによるピボッ
ト形のスラスト軸受を備えた磁気ヘッド用回転シリンダ
の軸受装置においては、固定軸10よりも硬質の素材か
らなるスラスト受け、22が一般に使用されているが、
従来の軸受装置の固定軸10はスラスト受け22に対す
る対向端面が平面であるため、スラスト受け22との接
触点において極めて大きな面圧を受けて摩耗量が大きく
なり、これにより上部シリンダ32に取り付けられた磁
気ヘッド38の高さが軸受使用中に漸次低くなるという
事態が発生している。 この発明者らが行った実験例によると、固定軸10には
焼入れしたステンレス丸鋼(SUS420J2)、スラ
スト受け22には焼入れした軸受用鋼球(SUJ2)を
それぞれ使用した場合、潤滑剤に油を用いても数百時間
経過した時点で固定軸10の端面に5μm以上の摩耗量
が生ずるという結果が得られた。 しかしながら、この種の軸受装置においては、軸受使用
中に磁気ヘッド38の高さの変化をできるだけ少なくす
ることが必要とされており、たとえば高さの変化を5μ
m以内に抑えることが要求されているため、このような
要求を満足する軸受装置の開発が要望されている。 この発明は、上記のような要望に応えるためになされた
ものであり、球状体のスラスト受けと点接触する軸体の
端面の摩耗が少ない軸受装置とその製造方法とを提供す
ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明の軸受装置は、球状のスラスト受けに対向する
軸体の端面に、スラスト受けの半径よりも大きい半径を
有する凹球面を設けている。 また、この発明の軸受装置の製造方法は、軸体の外周面
に、軸体よりも硬質の球体が一方の軸方向端部に固着さ
れた円筒状体を嵌挿し、軸体と球体との少なくとも一方
に軸方向の押圧荷重を与えて球体に対向する軸体の端面
に球体による塑性変形を生ぜしめ、この軸体の端面に球
体の半径よりも大きい半径を有する凹球面を形成するも
のである。 〔実施例〕 以下、この発明の実施例について図面を参照して説明す
る。 第1図は、この発明の軸受装置を前述の第4図で説明し
た磁気ヘッド用回転シリンダに適用した実施例を示す縦
断側面図である。 同図に示すように、固定軸10の軸方向上端面12には
凹球面13が形成されており、この凹球面13により、
球状体からなるスラスト受け22を支持するスラスト軸
受が構成されている。 固定軸10の軸方向上端面12に形成された凹球面13
の半径R3は、第2図に示すようにスラスト受け22の
半径R,よりも太き(なっている。 上記以外の各部の構成については第4図と同一であるか
ら、同一部分に同一符号を付すに止め、繰り返しての説
明は省略する。 次に、上記構成の軸受装置について製造方法を説明する
。 固定軸IOとして使用する軸体の外周面に嵌挿可能な内
径をもつ円筒状体を用意し、この円筒状体の一方の軸方
向端部の内周面に軸体よりも硬質の球体を圧入等により
固定した治具(図示を省略)を使用して、この治具に軸
体を挿入し、軸体を固定して治具の球体を軸体の端面に
押圧して所定の押圧荷重を与えるか、または固定した治
具の球体に対して軸体を押圧するか、あるいは治具と軸
体との双方を軸方向に押圧して軸体の端面に冶具の球体
による押圧荷重を与える。なお、この円筒状体の一方の
端部内周面には軸体と球体との間の空気を外気に連通さ
せる空気抜き溝が設けられている。 これにより、軸体の端面が軸体よりも硬質の球体によっ
て塑性変形され、軸体の端面には球体の半径よりも大き
な半径をもつ凹球面が形成される。 上記の治具の円筒状体と軸体との間の半径方向すきまを
、製品として使用するスリーブと軸体との間の半径方向
すきまよりも小さくでき、軸体の端面に軸体の軸心から
の偏心が少ない凹球面を形成することができる。 また、治具の球体の半径を製品として使用するスラスト
受けの半径とは異なるものを用いることにより、それぞ
れの球体の半径に応じた半径をもつ凹球面を軸体の端面
に形成することができる。 なお、上記の治具の代わりに、製品として使用するスラ
スト受けを製品として使用するスリーブに圧入等により
固定し、これに他の付属部品を取り付けたものまたは取
り付けないものを使用してもよく、この場合は軸体につ
いてもあらかじめ下部シリンダに圧入等により固定して
おいてまたは固定しないで、前記と同様の操作を行うこ
とにより、軸体の端面に凹球面を形成することもできる
。 このようにした場合には、軸体にスラスI・受けが固着
されたスリーブを嵌挿して所定の押圧荷重を与えると同
時に組立ても完成した軸受装置が得られる。 上記の方法によって製造した試験品とこれについて行っ
た摩耗試験の結果は、次の通りである。 球体は直径約1.5 mmの軸受用鋼球(SUJ2)に
焼入れ、焼戻し処理を施したもの(硬度HRC62〜6
4)を使用して、これを軸受用部品のスリーブの端部に
圧入により固定し、軸体は球体よりも直径が僅かに小さ
い直径約1.5酊のステンレス丸f4(SUS420J
2)に焼入れ、焼戻し処理を施したもの(硬度HRC5
0〜55)を使用して、軸体を軸方向に押圧して球体に
約10kgfの押圧荷重を与えたところ、軸体の端面に
直径が約3鶴の凹球面が形成された。このように、製品
として使用するスラスト受けである球体へ軸体の端面を
押圧しても、軸体の端面に球体より大きな直径を有する
凹球面を塑性変形により形成することができた。 この試験品をそのまま使用して摩耗試験を行った結果、
従来品の軸体の端面には前述のように数百時間で5μm
以上の摩耗量が生じたのに対し、この発明の軸体の端面
には同一時間経過後においても、殆ど摩耗量が生じてい
ないことが確認された。 なお、球体の硬度はHIC60〜67が好ましく、また
軸体の硬度はHRC40〜55が好ましい。しかし、球
体は軸体よりも硬質であればよいので、軸体として焼入
れ焼戻しをしない材料を用いても、硬度の高い材料を用
いてもよく、球体は軸体より硬質であれば硬度は高くて
も低くてもよい。 なお、焼入れ焼戻し前の硬度の低い軸体の端面に凹球面
を塑性変形によって形成すると、焼入れ焼戻し工程を経
て軸体の硬度が高くなるまでは、軸体の凹球面および外
径面等に傷が付きやすい。 また、凹球面には熱処理変形が生ずる。 しかし、焼入れ焼戻し後のある程度硬度の高い軸体の端
面に凹球面を塑性変形によって形成すると、軸体はある
程度硬度が高いので凹球面および外径面等へは傷が付き
にくい。また、凹球面には熱処理変形が生じない。 前記実施例で説明した回転スピンドルにおいては、固定
軸の周りのスリーブとその付属部品とが回転する構造に
なっているが、これとは反対にスリーブを下部シリンダ
に固定し、上部シリンダに固着した軸体がスリーブに支
持されて回転する構造のものについても前記同様にこの
発明を適用することができる。 また、スリーブと軸体との間に構成されるラジアル軸受
については、前記実施例で説明した動圧形流体軸受に限
定されるものではなく、静圧形流体軸受でもよく、また
流体軸受以外のすべり軸受。 あるいは転がり軸受を用いることもできる。 さらに、軸体とスラスト受けとの材質についても、前記
実施例に限定されず、任意の材質のものを使用すること
ができる。 また、第3図に示すようにスラスト受け22を、スラス
ト受け22の直径より小さい直径を有する平面40を備
えた半球体即ち擬球体としてもよい。 このようにすると、スリーブ20とスラスト受け22と
を備えた回転部材の軸方向寸法を短くできる。 なお、周囲温度変化が少な(て油等の潤滑剤からの気泡
の排出が少ない使用条件の場合には、中間部の空気抜き
穴24を省略することもできる。 また、ロータマグネットとステータコイルとが平面で対
向する平面対向形モータを用いてもよい。 ロータマグネットとステータコイルとが円筒面で対向す
る周対向形モータでも、平面対向形モータでも、スリー
ブ20の軸体10からの抜けを防止するために、ロータ
マグネットとステータコイルとで生ずる軸方向吸引力に
よって、スラスト受け22が軸体10の方へ吸引される
ようにしておくことが好ましい。 〔発明の効果〕 以上説明したように、この発明の軸受装置は、球状のス
ラスト受けに対向する軸体の端面に、スラスト受けの半
径よりも大きい半径を有する凹球面を設けているから、
スラスト受けと軸体の凹球面との接触面圧が小さくなり
、摩耗量を著しく減少することが可能となる。したがっ
てこの発明によれば、磁気ヘッドが取り付けられる回転
シリンダのように、軸方向の高さの変化が厳しく制限さ
れる装置における問題が解決され、この種の回転シリン
ダに最も好適な軸受装置が得られる。 また、この発明の軸受装置の製造方法によれば、円筒状
体に固定された球体と円筒状体に挿入された軸体との少
な(とも一方に押圧荷重を与えて、軸体の端面に塑性変
形を生じさせる構成になっているから、極めて簡単な操
作で、しかも曲率精度の高い凹球面を形成することがで
き、スラスト軸受の大量加工に適した製造方法が得られ
るだけでなく、球体と円筒状体とに製品の部品であるス
ラスト受けとスリーブとを用いた場合には、格別の治具
が不用となり、軸受部品を利用して簡単に軸受装置を製
造することができ、製造と同時に軸受−装置としての組
立ても完成するという効果が得られる。 4、図面の簡単な説明 第1図はこの発明を磁気ヘッド用回転シリンダに適用し
た実施例を示す縦断側面図、第2図は第1図の要部を拡
大して示す側面図、第3図はこの発明の他の実施例を示
すスラスト受けとスリーブとの縦断側面図、第4図は従
来の磁気ヘッド用回転シリンダを示す縦断側面図である
。 図中、lOは軸体、12は軸体の端面、13は凹球面、
20はスリーブ、22はスラスト受け、R8は軸体の凹
球面の半径、RKはスラスト受けの半径である。 特許出願人  日本精工株式会社 代理人 弁理士 森   哲 也 代理人 弁理士 内 藤 嘉 昭 代理人 弁理士 清 水   正 第1図 第2図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)軸体と軸体に嵌挿されたスリーブとの何れか一方
    が固定されて他方がラジアル軸受を介して他方に回転可
    能に支持され、スリーブの一方の軸方向端部に固着され
    た球状のスラスト受けと、これに軸方向に対向する軸体
    の端面との間にスラスト軸受が構成されてなる軸受装置
    において、前記スラスト受けに対向する軸体の端面に、
    スラスト受けの半径よりも大きい半径を有する凹球面を
    設けたことを特徴とする軸受装置。
  2. (2)軸体の外周面に、軸体よりも硬質の球体が一方の
    軸方向端部に固着された円筒状体を嵌挿し、軸体と球体
    との少なくとも一方に軸方向の押圧荷重を与えて球体に
    対向する軸体の端面に球体による塑性変形を生ぜしめ、
    軸体端面に球体の半径よりも大きい半径を有する凹球面
    を形成することを特徴とする軸受装置の製造方法。
  3. (3)球体および円筒状体として、それぞれ軸受装置の
    部品であるスラスト受けおよびスリーブを使用する特許
    請求の範囲第2項記載の軸受装置の製造方法。
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