JPS6321939A

JPS6321939A - 混繊融着加工糸

Info

Publication number: JPS6321939A
Application number: JP16283586A
Authority: JP
Inventors: 東雲　修身; 長岡　孝一; 金元　直貴
Original assignee: Unitika Ltd
Current assignee: Unitika Ltd
Priority date: 1986-07-10
Filing date: 1986-07-10
Publication date: 1988-01-29

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、盛夏用素材に適切な風合を有する布帛製品を
提供できる混繊融着加工糸に関するものである。

（従来の技術）熱可塑性合成繊維に天然繊維様の性質、あるいは天然繊
維にない性質を付与すべく種々の検討がなされ、多くの
成功が収められている。これらの試みの１つとして、麻
様のシャリ惑を合成繊維で発現させるために８例えば熱
可塑性合成繊維を仮撚加工するに際し、加工温度を繊維
の融点付近に設定して融着させる方法（特公昭５１−２
２５号公報参照）、融点差のある２種の繊維を同時に仮
撚加工するに当り、低融点の繊維が融着し、高融点の繊
維は融着しない温度条件下で融着糸を製造する方法（特
公昭４５−１８０７２号公報参照）等１種々の方法が提
案されており、これらの方法で製造された仮撚融着糸は
、盛夏用素材分野で大きな比重を占めるに至っている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、従来の仮撚融着糸２例えば特公昭４５−
１８０７２号公報で提案されたごとく。

芯部に融着した繊維を有し、その周囲に融着せざるフィ
ラメントが存在する仮撚融着糸は、融着によって芯部の
繊維が極めて太いモノライラメント状になるため１曲げ
に対する砥抗が大きく、従って布帛にシャリ感は付与で
きるものの、柔軟なドレープ性を付与することは困難で
ある。

また、盛夏用素材には２発汗によって皮膚に生じた水分
を吸収して保持する抱水性も要求されるが、丸断面や多
葉断面をした仮撚融着糸にあっては、構成単糸が密着し
やすくて、単糸間の空隙が少ないので、抱水性が低いと
いう欠点があった。

このように、従来の仮撚融着糸においては、柔軟性やド
レープ性とシャリ感および高泡水性を同時に付与するこ
とが困難であり、これらの要請を充分満足する仮撚融着
糸は得られていないのが現状である。

本発明は、布帛に柔軟性やドレープ性とシャリ窓および
高抱水性を同時に付与できるのは勿論のこと、ドレープ
性またはシャリ感の一方を強調することもできる混繊融
着加工糸を提供することを技術的な課題とするものであ
る。

（問題点を解決するための手段）すなわち本発明は、熱可塑性重合体（Ａ）と。

（Ａ）より融点の低い熱可塑性重合体（Ｂ）との複合繊
維、および熱可塑性重合体（Ａ）のみからなる繊維が混
繊された仮撚加工糸であって、いずれの繊維の断面形状
もＶ字状またはＵ字状あるいはＷ字状をした異型断面で
あり、前記複合繊維の少なくとも１ケ所の底部に（Ｂ）
成分が繊維の外表面側に露出して配置され、かつ、互い
に接近した繊維同士が（Ｂ）成分を接着点として部分的
に融着していることを特徴とする混繊融着加工糸を要旨
とするものである。

以下１本発明の詳細な説明する。

本発明の混繊融着加工糸は、２種の繊維、すなわち熱可
塑性重合体（Ａ）と、　（Ａ）より融点の低い熱可塑性
重合体（Ｂ）との複合繊維、および熱可塑性重合体（Ａ
）のみからなる繊維が混繊された仮撚加工糸であり、い
ずれの繊維も第３図のようなＶ字状またはＵ字状あるい
はＷ字状の異型断面を有している。複合繊維は、第３図
の斜線で示したように、熱可塑性重合体（Ａ）によって
異型断面の外形がほぼ形成されており、底部には。

影点て示したように、　（Ｂ）成分が繊維の外表面側に
露出して配置されている。なお、Ｗ字状断面をした複合
繊維には底部が２ケ所あるが、少なくとも１ケ所の底部
に（Ｂ）成分が配置されていればよく、また、いずれの
断面の複合繊維も、（Ｂ）成分が底部の複数箇所に分散
して配置されたちのでもよい。

さらに１本発明の混繊融着加工糸は、第１，２図のよう
に、単糸の凹部側と隣接する単糸間で空隙を形成しつつ
、複合繊維の少なくとも１ケ所の底部に配された融点の
低い（Ｂ）成分を接着点として、互いに接近した繊維同
士が長手方向にランダムに融着している。

このように１本発明の混繊融着加工糸を構成する２種の
繊維、すなわち熱可塑性重合体（Ａ）と。

（Ａ）より融点の低い熱可塑性重合体（Ｂ）との複合繊
維、および熱可塑性重合体（Ａ）のみからなる繊維のい
ずれもが、Ｖ字状またはＵ字状あるいはＷ字状の異型断
面を有し、しかも、複合繊維の少なくとも１ケ所の底部
に配された融点の低い（Ｂ）成分を接着点として、互い
に接近した繊維同士が長手方向にランダムに融着してい
るので。

繊維の特殊な断面とランダムな融着が相まって糸条を製
編織して、得られる布帛に従来にない独特なシャリ感が
付与され、しかも、繊維間の融着は複合繊維の底部に配
された（Ｂ）成分を接着点とした部分的なものなので、
シャリ惑と同時に柔軟性やドレープ性が付与される。ま
た、単糸の凹部側と隣接する単糸間で空隙が形成される
ので１毛細管現象により吸水性が向上し、高抱水性を呈
することができる。

さらに９本発明の混繊融着加工糸を構成する熱可塑性重
合体（Ａ）、　（Ｂ）の種類および両成分の融点差、複
合繊維の断面形状、　（Ａ）、　（Ｂ）両成分で形成さ
れた複合繊維と（Ａ）成分のみからなる繊維との混繊比
率、さらには、複合繊維中の（Ａ）。

（Ｂ）両成分の構成重量比率、加工温度等を適宜変更し
て、ドレープ性および柔軟性とシャリ惑ならびに抱水率
を自由に調節することが可能である。

例えばドレープ性や柔軟性を充分に付与したい場合には
、複合繊維と（Ａ）成分のみからなる繊維の混繊比率を
９重量比で５〜５０：９５〜５０゜より好ましくは５〜
３０７９５〜７０とし、複合繊維の構成重量比（Ａ：Ｂ
）を５０〜９０７５０〜１０．より好ましくは７０〜９
０：３０〜１０にすることが有効である。

一方、シャリ感を強く付与したい場合には、複合繊維と
（Ａ）成分のみからなる繊維の？Ｗ、繊比率を２重量比
で５０〜９５：５０〜５．より好ましくは６０〜９５：
３５〜５とし、複合繊維の構成重量比（Ａ：Ｂ）を５０
〜１０：５０〜９０．より好ましくは３０〜１０　：　
７０〜９０にすることが有効である。

また、高抱水性を付与したい場合には２例えば第３図の
ようなＶ字状断面糸の場合、角度αを６０〜１２０°と
し、製糸性を損なわない範囲でｌを長く、ｔを薄くする
のが有効である。

本発明では、熱可塑性重合体（Ｂ）として、熱可塑性重
合体（Ａ）＠融点より１０〜５０℃低い融点の熱可塑性
重合体を用いることが好ましい。

（Ａ）、　（Ｂ）成分間の融点差が１０℃未満のときは
。

融着させるためのヒータ温度制御を細かくする必要があ
るばかりか、熱可塑性重合体の種類によっては、　（Ｂ
）成分以外で繊維相互間に軽く融着現象が生じ、得られ
る混繊融着加工糸は粗剛性が強調され、ドレープ性が低
下する傾向を示す。一方。

（Ａ）、　（Ｂ）成分間の融点差が５０℃を超えると。

仮撚温度を低くする必要があるので、　（Ａ）成分の熱
的安定性が不足し、以降の高次加工で障害が発生しやす
くなる。

本発明に使用される熱可塑性重合体（Ａ）、　（Ｂ）と
しては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリオレフィ
ン系重合体などのうち、繊維形成性が良好な重合体があ
る。このうち、ポリエステル系としてはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびこれ
らを主成分とする共重合ポリエステルがあり、また、ポ
リアミド系としてはナイロン４．ナイロン６、ナイロン
４６゜ナイロン６６、ナイロン６１０ならびにこれらを
主成分とする共重合ポリアミドがあり、さらに。

ポリオレフィン系としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ンおよびこれらを主成分とする共重合ポリオレフィンが
ある。また、上記した熱可塑性重合体（Ａ）、　（Ｂ）
は、帯電防止剤、難燃剤、耐光剤。

耐熱剤等の低分子量添加物およびその他の熱可塑性高分
子を含有したものでもよい。（Ａ）、　（Ｂ）両成分の
組み合わせは、融点差が好ましくは１０〜５０℃あるよ
うに選択すればよいが、親和性のある組み合わせの方が
高次加工で障害が発生しにくいので好ましい。

本発明の混繊融着加工糸の製造法としては、熱可塑性重
合体（Ａ）と、　（Ａ）よりも低い融点を有する重合体
（Ｂ）との複合未延伸糸、熱可塑性重合体（Ａ）のみか
らなる単独未延伸糸とを別々に紡糸し２両未延伸糸を引
き揃えて延伸同時融着仮撚する方法、または、複合未延
伸糸と単独未延伸糸とを共紡糸して未延伸段階で両繊維
を混繊し。

次いで延伸同時融着仮撚する方法等が挙げられる。

上記混繊糸の仮撚加工は１例えばフィードローラと仮撚
スピンドルの間に位置せしめたヒータの温度Ｔ　（ｔ）
を下式の範囲に設定して行えばよい。

ＴＩＩＡ＞Ｔ＞ＴＩ、ｌ。

ただし、Ｔ、：　　（Ａ）成分の融点（℃）Ｔ＋ａｌｌ
：　　（Ｂ）成分の融点（℃）ここで、ヒータ温度Ｔが
Ｔ＋＋＋Ａより高い時には。

（Ｂ）成分のみならず（Ａ）成分も融着し、得られる混
繊融着加工糸は粗剛性が強調されてドレープ性に欠け、
一方、ＴがＴｌｌ８より低い時には、（Ｂ）成分が融着
せず、従って得られる加工糸はシャリ感をまったく有し
ないので好ましくない。

本発明の混繊融着加工糸は、上記のごとく、比較的簡単
な工程で操業性よく製造することができる。

（実施例）以下１本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。

実施例１〜３．比較例１各種の熱可塑性重合体を表１のように組み合わせ、第３
図のごと＜、Ｖ字状断面で、かつ、複合繊維は底部の１
ケ所に（Ｂ）成分を繊維の外表面側に露出するようにし
て配置した断面形状の繊維を、引取速度３５００　ｍ／
ｍｉｎで共紡糸した。ただし、比較例１では、　（Ａ）
成分単独の繊維のみを紡糸した。

延伸仮撚機（バーマーグ社ＦＫ−５Ｃ３）を用いて、ヒ
ータ温度を変えて得られた繊維に延伸同時仮撚加工を施
し、１００ｄ／２４ｆの混繊融着加工糸を得た。

次いで、福原精機ＪＩＬ−７３０インチ２２ゲージの編
機を用い２表に上記で得られた混繊融着加工糸、裏に通
常のポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸１００　ｄ
／２４　ｆを使用して、モツクミラノリブ組織に編成し
た後１通常の精練、染色、仕上加工を施した。

上記仮撚加工時のヒータ温度および得られた布帛の風合
評価および抱水率の測定結果を表２に示す。風合の評価
は、◎：非常に良好、○：良好。

×：不良の３段階で評価した。また、抱水率は次の式に
より算出した。

ただし、Ｗｏ　：布帛の絶乾時の重量なお、延伸同時仮撚加工は、ヒータ温度以外の加工条件
は一定とし、延伸倍率：１．４５．仮撚数：３３００Ｔ
／ｍ、ｔｏ取速度１５０ｍ／ｍｉｎで行った。

表２から明らかなように、実施例１．２では。

布帛に従来にない優雅なシャリ感と適度なドレープ性お
よび高い抱水率を併せ持つ、良好な風合を付与できる混
繊融着加工糸が得られた。また、実施例３の加工糸から
は、シャリ味とドレープ性および高抱水率に加えて１両
成分の染色性の差から細かい杢が現れ、深みのある色の
布帛を得ることができた。

一方、比較例１の加工糸は、抱水率は高いものの、ポリ
エチレンテレフタレート単独であるため。

異型断面であるにもかかわらず、粗剛な風合の布帛しか
得られず、さらに、実施例１〜３に比較して１強度低下
率も大きかった。

（発明の効果）本発明の混繊融着加工糸は、前述の構成を有するので、
繊維の特殊な断面と（Ｂ）成分を接着点とするランダム
な融着が相まって、この加工糸を製編織して得られる布
帛に従来にない独特なシャリ感を付与でき、しかも、繊
維間の融着は複合繊維の底部に配された（Ｂ）成分を接
着点とした部分的なものなので、シャリ感と同時に柔軟
性やドレープ性も付与することができ、さらに、単糸の
凹部側と隣接する単糸間で空隙が形成されるので。

抱水性も向上する。また、複合繊維と（Ａ）成分のみか
らなる繊維との混繊比率や断面形状等を適宜変更するこ
とにより、ドレープ性および柔軟性とシャリ惑、抱水性
を自由に調節することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は１本発明の一実施態様を示すＶ字状断面糸の断
面図、第２図は、同上の部分拡大図、第３図は１本発明
の一実施態様である加工糸の一部を構成する複合繊維の
仮撚融着加工前の断面図であり２図中、斜線の部分は熱
可塑性重合体（Ａ）。影点の部分は（Ａ）成分よりも低い融点の熱可塑性重合
体（Ｂ）を示す。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）熱可塑性重合体（Ａ）と、（Ａ）より融点の低い
熱可塑性重合体（Ｂ）との複合繊維、および熱可塑性重
合体（Ａ）のみからなる繊維が混繊された仮撚加工糸で
あって、いずれの繊維の断面形状もＶ字状またはＵ字状
あるいはＷ字状をした異型断面であり、前記複合繊維の
少なくとも１ヶ所の底部に（Ｂ）成分が繊維の外表面側
に露出して配置され、かつ、互いに接近した繊維同士が
（Ｂ）成分を接着点として部分的に融着していることを
特徴とする混繊融着加工糸。
（２）（Ｂ）成分の融点が（Ａ）成分の融点より１０〜
５０℃低い特許請求の範囲第１項記載の混繊融着加工糸
。
（３）熱可塑性重合体（Ａ）と（Ｂ）との複合繊維と、
（Ａ）のみからなる繊維との混繊比率が、重量比で５：
９５〜９５：５である特許請求の範囲第１項または第２
項記載の混繊融着加工糸。
（４）複合繊維における（Ａ）と（Ｂ）との重量比が９
０：１０〜１０：９０である特許請求の範囲第１項、第
２項または第３項記載の混繊融着加工糸。