JPS63219373A - ホスホリパ−ゼdおよびその製造法 - Google Patents

ホスホリパ−ゼdおよびその製造法

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JPS63219373A
JPS63219373A JP62052990A JP5299087A JPS63219373A JP S63219373 A JPS63219373 A JP S63219373A JP 62052990 A JP62052990 A JP 62052990A JP 5299087 A JP5299087 A JP 5299087A JP S63219373 A JPS63219373 A JP S63219373A
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澤田 治司
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工藤 聰
Tsuneichi Watanabe
渡辺 常一
Akio Kuroda
彰夫 黒田
Takamasa Oki
隆正 大木
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業よL遭」分野 本発明は、水中および各種有機溶媒中でホスファチジル
基転移活性を有し、かつすぐれた熱安定性を有するホス
ホリパーゼDお上りその製造法に関するものである。
ホスホリパーゼD(特に後記ホスファチジル基転移触媒
能を有するもの)は、大豆や卵黄に含まれているホス7
7チノルコリンやホスファチジルエタノールアミンなど
のリン脂質と各種アルコールから乳化剤、分散剤、農薬
、医薬、工業用試薬等に有用な、リン脂質誘導体を製造
するのに使われる。
従来の技術 ホスホリパーゼD (EC3,1,4,4)は、リン脂
質のホスファチジル基と塩基との間のエステル結合を加
水分解してホスファチジン酸および塩基を遊離させる酵
素であるが、その起源によっては、グリセロール、エタ
ノール等のアルコール性水酸基を有する化合物の共存下
でグリセロリン脂質のホスファチジル基と塩基との間の
エステル結合を加水分解すると同時にホスファチジル基
と上記アルコール性水酸基を有する化合物とより新たな
エステルを生成する反応(ホスファチジル基転移反応)
を生起させる。
この酵素は、キャベツ、ニンジン等の植物体その他の植
物界に広く存在することが早くから知られており、この
酵素を含有する植物体から抽出する方法により製造する
のが普通であったが、最近では、ストレプトミセス属、
ミクロモノスポラ属、ノルカディオプシス属、アクチノ
マデューラ属、メカルディア属等の微生物を用いて発酵
法により製造する方法が提案され、一部実施されている
(特公昭52−39918号。
特公昭58−52633号、特開昭58−63388号
、特開昭58−67183号、特開昭60−16448
3号)。
しかしなが呟これら従来の製造法により得られるホスホ
リパーゼDは、ホスファチジル基転移活性を有するもの
に関する限り、至適条件下における熱安定性が悪く、そ
のため転移反応を高温で能率よく行わせることができな
いという問題があった。
また、上記従来の微生物利用製造法は、上述のように熱
安定性のよい酵素を与えないだけでなく、培養液当りの
酵素生産性が悪く、したがって製品が高価なものになる
という問題があった。さらに、一部の製法において使わ
れる微生物には病原性が指摘されており、食品用乳化剤
の製造に使用するには安全性の点で問題があった。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、ホスファチジル基転移活性を有する従来のホ
スホリパーゼDが上述のような欠点を持ち、その製造法
もまた改良の余地あるものであったことに鑑み、高度の
熱安定性およびホスファチジル基転移活性を示すホスホ
リパーゼDとその効率よい製造法を提供しようとするも
のである。
辿1戸」清りζ1す≧吃Δ±戊 本発明者らは、ホスファチジル基転移活性を示すホスホ
リパーゼDを生産する能力を多数の微生物について探索
し、さらに、選抜されたホスホリパーゼD高能率生産菌
について、特に熱安定性のよい酵素を生産する菌株を探
索する実験を繰返した。その結果、東京都多摩地区で採
取した土壌から分離された新菌株・ストレプトミセス・
プルニカラー(S trepto−+ayces pr
unicolor) S K −02−81がすぐれた
性能を有することを知り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は上記ストレプトミセス・プル−カラ
ー3K−02−81株を用いるホスホリパーゼDの製造
法、およびそれにより得られる高耐熱性ホスホリパーゼ
Dを提供するものである。
本発明の製法において使われるストレプトミセス・プル
ニカラ−3K−02−81株は、次のような菌学的性質
を有する。
■ 形態的特徴 気菌糸:直線状が主であり、僅かに屈曲している。時に
ネストまたはスクレロチウム様のものが認められる。
幅0.4〜0.6um。
胞子:大きさ0.4−0.611mX1.1−1.3X
Imの短円筒形1表面は平滑。
基土菌糸:多少波状で、短軸分岐している。菌糸の分断
および胞子の着生はない。
鞭毛胞子および胞子嚢:形成しない。
諸種の培地上での生育状態二次表のとおり(但し28℃
、2週間後の結果0色の表示はJIS Z8721準拠
標準色票によゐ色の分類に従っている。)。
■ 細胞壁のアミノ酸組成および糖組成meso−ノア
ミノピメリン酸    −しL−ノアミノピメリン酸 
    十グリシン           + グルタミン酸         十 アラニン           + アラビノース         − ガラクトース         − 〃フラクトミン         − グルコサミン         + 以上より、5K−02−81株の細胞壁は1型である。
■ 生理的性質 a、生育温度範囲:20〜40℃ b、至適生育温度:28〜35℃ C0至適p)1:6〜7 d、ゼラチンの液化:なし e、スターチの加水分解:あり f、脱脂牛乳の凝固、ペプ)ン化:なしg、メラノイド
色素の産生:なし す、炭素源の利用性(30″C916日@n> :L・
アラビノース  十   〇−キシロース   十〇−
グルコース   十   〇・7ラクトース  十〇−
マニトール   +    シュークロース  +イノ
シF−ル   +   し−ラムノース   +ラフィ
ノース   + i、GC含量ニア0,4% ([放線菌の同定実験法」日本放線菌研究会、151〜
160頁の方法による) この菌株がストレプトミセス・プルニカラーであること
は、上述の菌学的性質を、Bergey’s Manu
al第8版、第807−808頁、およびCooper
ative Description of Type
Culture  of  SLreptomyees
  W   5pecies*  Descripti
onsfrom the 5econcLThird 
and Fourth 5tudies by Elw
ood。
B、Shirling and Gottliebt第
468−469頁の各記載と照合することにより確認さ
れた。
ストレプトミセス・プルニカラ−9K−02−81は、
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されており、そ
の寄託番号は、微工研菌寄第9225号である。
本発明のホスホリパーゼDを製造するための、上記入ト
レブHセス・ブルニカラー5K−02−81の培養は、
放線菌一般の培養に通常採用される方法に従って行うこ
とができる。
すなわち、培地には炭素源としてブドウ糖、果糖、ショ
糖、乳糖、糖蜜、デンプン、デキストリン、グリセリン
等を単独で、または組合せて、適宜用いることができ、
脂肪酸、油脂・レシチン、アルコール類などを用いるこ
ともできる。また窒素源としては、硫酸アンモニウム、
硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素、硝酸ナト
リウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチ
ープリカー、カザミノ酸、脱脂大豆粉、大豆蛋白、デス
チラーズソリュプルなどを用いることができる。培地に
は、ほかに食塩、塩化カリウム、リン酸塩、マグネシウ
ム塩、カルシウム塩、カリウム塩、鉄塩、マンガン塩、
各種ビタミン、その他、菌の生育やホスホリパーゼDの
生産促進に有効な物質を適宜添加することができる。好
ましい培地pHは5〜9、特に好ましくは6〜7である
。培養法としては深部培養法が好ましいが、固体培養法
を採用することもできる。培養は約20〜40℃で行う
ことができるが、好ましい培養温度は25〜35℃であ
る。好ましい培養期間は温度、pH1培地によって異な
るが、通常1〜6日程度であり、目的物であるホスホリ
パーゼDの生産が最大に達しな頃に培養を停止する。
培養終了後、培養液がら菌体をろ別し、ろ液がらホスホ
リパーゼDを採取する。ホスホリパーゼDの採取に特に
困難はなく、各種酵素の分離精製に通常採用される方法
を適宜組合せて行うことができる。たとえば、限外ろ過
、減圧濃縮、塩析、有機溶媒沈殿、透析、デルろ過、吸
着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー
、等電点電気泳動法、凍結乾燥等の方法を、後述する本
発明のホスホリパーゼDの理化学的性質を考慮した条件
で採用すればよい。
ストレプトミセス・プルニカラ−3K−02−81が生
産する本発明のホスホリパーゼDは、次のような理化学
的性質を有するものである。
(イ)作用 ■ リン脂質のホスファチジル基と塩基との間のエステ
ル結合を加水分解し、ホスファチジン酸および塩基を遊
離させる。
■ グリセロール、エタノール等のアルコール性水酸基
を有する化合物の共存下、グリセロリン脂質のホスファ
チジル基と塩基との間のエステル結合を加水分解すると
同時にホスファチジル基と上記アルコール性水酸基を有
する化合物とより新たなエステルを生成するホスファチ
ジル基転移反応を生じさせる。
(ロ)基質特異性 ■ホスファチジルフリンに対する加水分解活性を100
とした場合の相対活性は、リゾホスファチジルフリンに
対して1.5、スフィンゴミエリンに対して0.1であ
る。
■ ホスファチジルコリンに対するKm値は0.9nM
である。
(ハ)至適pH:約6.0 (加水分解反応およびホスファチジル基転位反応に共通
)(ニ)至適温度:50〜55℃ (加水分解反応およびホスファチジル基転位反応に共通
)(ホ)pH安定性:pH5〜8で安定 (へ)熱安定性 pH5または6において50℃3力月間の加熱または5
5°C100分間の加熱では全く失活しない。
(ト)金属イオンによる影響 濃度10mMの金属イオンを存在させた場合、加水分解
活性は金属イオンがMn2+のど外30%阻害されるが
、Ca 2”、N i 2 +、Mg+、Ba2+、Z
、24、co2+のときは阻害されない。
(チ)各種阻害剤の影響 モノヨード酢酸により46%阻害されるが、ジイソプロ
ピルフルオロホス7エート、N−エチルマレイミド、シ
アン化カリウム、p−クロロマーキュリ−ベンゾニー)
 、o−71ナンスロリン、2−メルカプトエタノール
、エチレンジ7ミン四酢酸二ナトリウムでは影響されな
(す)分子量 5.2万(SDS−PAGE法による)。
なお、ホスホリパーゼDの酵素活性は、基質であるリン
脂質に作用してリン酸と塩基との間のエステル結合を分
解したときに生じる塩基を定量することにより求める。
この明細書に記載した酵素活性は、ホスファチジルコリ
ンを基質として用いる下記の方法により測定されたもの
であって、1分間に1μモルのコリンを遊離する酵素活
性を1ユニツトとしている。
ホスファチジルコリン分解活性測定法二0.8%のホス
ファチジルコリンと0.6%のトリトンxiooを含む
イソブロパンール溶液50IJ1、および0.1%のト
リトンxiooを含む0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝
液(pH6)900μmを混合し、これに酵素液50.
1を加え、50℃で10分間反応させる。その後、直ち
に100℃で2分間煮沸し、反応を完全に停止させる。
次に、コリン測定用試薬(コリンオキシダーゼ325ユ
ニツト、パーオキシダーゼ500ユニツト、塩化カルシ
ウム 123mg、)リドンX100 250論g14
−7ミノアンチピリン50mg、フェノール78mgを
pH8,0のトリス塩酸緩衝液250mlに溶かしたも
の)1論1に上記酵素反応の反応液50μlを添加し、
37℃で10分間反応させた後、あらかじめ熱失活させ
た酵素液を用いて同様に反応させたものを対照液にして
、500nmの吸光度を測定する。
実施例 以下、実施例を示して本発明を説明する。
実施例 1 培地として、可溶性デンプン4%、大豆粉5%、リン酸
−カリウム0.1%、リン酸二カリウム0.2%、塩化
ナトリウム0.3%、硫酸マグネシウム0.05%、お
よび7デカノールLG294を0.2%含むpH7,0
のものを用意し、その100m1を500m1容の板目
7ラスフに入れ、蒸気滅菌後、ストレプトミセス・プル
ニカラ−3K”02−81の前培養液5輪1を植菌し、
28℃で3日間、120spmで振とう培養した。
培養終了後、菌体をろ別し、酵素活性が75.5ユニッ
ト/mlの培養ろ液100+slを得た。
次いで上記ろ液に硫酸アンモニウム96gを攪拌しなが
ら徐々に加え、生成した沈殿を遠心分離により集め、減
圧下に乾燥して、淡褐色のホスホリパーゼD (880
μm1g、 5300ユニツトを得た。培養ろ液からの
ホスホリパーゼDの活性回収率は70%であった。
実施例 2 実施例1で用いた培地と同じ培地20eを30gのジャ
ー7アーメングーに入れ、120℃で15分間蒸気滅菌
した後、ストレプトミセス・ブルニカラー5K−02−
81の前培養液1eを植菌し、28℃で40時間培養し
た。
培養終了後、菌体等の固形物を遠心分離により除去し、
酵素活性が80.0ユニツト/論1の上清液18gを得
た。
次いで上記上清液を4℃に冷却し、限外ろ過膜・AIL
−1010(旭化成株式会社製品)を用いて限外ろ過を
行い、濃縮液1.88を得た。濃縮液に対して40〜6
0%飽和の硫安塩析を行い、生成した沈殿を50mM)
’Jス塩酸緩衝液(pH7、0)に溶解し、同緩衝液に
対して透析した。その後、同じ緩衝液で平衡化したDE
AE−セファロースCL−6Bのカラムに通し、不純物
である蛋白質および色素を吸着させた。
溶出したホスホリパーゼD画分は同じ緩衝液に対して透
析したのち、4.8mMのクエン酸緩衝液(pH5,4
)で平衡化したCM−セファロースCL−6Bのカラム
に通して活性を吸着させ、食塩濃度勾配法(0〜0.2
M)により活性区分を溶出分離し、凍結乾燥して、白色
のホスホリパーゼD1301agを得た。
上記精製工程におけるホスホリパーゼDの活性回収率は
約30%、得られた精製品の比活性は3300ユニツ)
/mg蛋白であった。
次に、精製品について下記のような理化学的性質の試験
を行なった。
■ 至適pH ホスファチジルコリン分解活性:前述の酵素活性測定法
における緩衝液を他の種々のpHの緩衝液にかえて酵素
活性を測定することにより、本酵素のホスファチジルコ
リン分解活性のEIH依存性を調べた。その結果は第1
図のとおりであって、至適pi−tは6.0付近にある
ホスファチジル基転移活性:ホスホリパーゼDの存在下
、ホス77チジlレフリンとグリセリンからホスファチ
ジルグリセロールを生成する反応の初速度を種々のpH
で測定した。
その結果は第2図のとおりであって、有機溶媒系、水系
、いずれにおいても、至適pHは6〜7である。[反応
初速度測定法:有磯溶媒(酢酸エチル)系の場合は、1
0%のホスファチジルフリンを含有するインプロパツー
ル溶液25IJ+、グリセリン50μl、緩衝液50μ
l、酢酸エチル4001+1、酵素液数p1を混合し、
50℃で30分間反応させる0反応終了後、反応液のp
Hを希塩酸で2以下に調整して全リン脂質を酢酸エチル
層に移し、同層中のホスファチジルグリセロールをイア
トロスキャンにて分析して反応期速度を求める。水系の
場合は、10%のホスファチジルコリンを含有するイン
プロパツール溶液25μm、グリセリン50μm、緩衝
液400.1.0.1M塩化カルシウム水溶液50μm
、酵素液数μmを混合し、50℃で30分間反応させる
0反応終了後、反応液pHを希塩酸で2以下に調整し、
ヘキサン/エーテル/イソプロパツール(1/110.
5)混合溶媒を加えて全リン脂質を抽出した後、有機溶
媒層中のホス7アチンルグリセロールをイアトロスキャ
ンにて分析し、反応初速度を求める。]■ 至適温度 前述のホスフ7チンルコリン分解活性測定法における酵
素反応の温度を種々変更して酵素活性を測定することに
より、本酵素の活性の温度依存性を調べた。その結果は
第3図のとおりであって、至適温度は50〜55℃付近
にある。
■ 安定なpH トリ(ンxiooを0.1%含有する種々のpHの緩衝
液に試料を1ユニット/mlになるように溶解し、それ
ぞれ50’Cで1時間、または4℃で24時間、静置し
た。その後、酵素活性を測定し、試験前の酵素活性と比
較した。結果は第4図(50℃保存)および第5図(4
℃保存)のとおりであって、本発明によるホスホリパー
ゼDが安定なpHは約5〜8、特に安定なpHは5〜7
であることがわかる。
■ 熱安定性 0.1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6,0)に試
料を溶解し、20〜70℃に30分間保ったのち残存す
る酵素活性を測定した。その結果は第6図のとおりであ
って、55°Cでは全く失活せず、60℃で約5%の活
性低下が認められた。
別に、pH5または6において、この酵素の至適温度で
ある50°CIこ長期間保った場合における活性変化を
調べたが、3か列後も100%の残存活性を示した。
■ 金属イオンの影響 前述の酵素活性測定法において各種金属塩の水溶液を用
い、酵素反応系中で金属イオン濃度が1mMまたは10
mMになるようにして酵素活性を測定した。金属イオン
無添加のときの活性を100とする相対活性を、第1表
に示す。
第1表 金属イオンの    金属イオン濃度 種類 ’   10nM     1mMCa”   
    92     99Ni”       98
     99Mg2+105    101 Ba”           1 0 2      
   1 0 1Zn”           1 0
0          9 9Mn2+70    1
04 Co”           1 0 4      
  1 00■ 阻害剤の影響 前述の酵素活性測定法において各種阻害剤(種々の酵素
に対して阻害作用あることが知られている物質)の水溶
液を用い、酵素反応系中で阻害剤濃度が1mMになるよ
うにして酵素活性を測定した。阻害剤無添加のときに測
定される活性を100とする相対活性を、第2表に示す
第2表 阻 害 剤         相対活性ジイソプロピル
フルオロホス7エート  104モ/ヨード酢酸   
          54N−エチルマレイミド   
       111シアン化カリウム       
    105p−90ロマーキユ+) −ヘンソs−
−)    101o−7エナンスロリン      
     1112−メルカプトエタノール     
    96エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム  
1120 分子量 5DS−PAGE法によって分子量を測定した。その結
果から推察される本酵素の分子量は、5,2万であった
発明の効果 本発明のホスホリパーゼDは、上述のようにその至適反
応温度である50℃において3か月以上連続使用しても
100%の残存活性を示し、この温度では事実上活性低
下を起こさないという、きわめてすぐれた熱安定性を示
す。また、金属イオンや阻害剤の影響も受は難い。した
がって、本発明のホスホリパーゼDはカビ等微生物増殖
のおそれのない約50℃またはそれ以上の温度での長期
保存ができるという特長を持つとともに、リン脂質誘導
体の製造を従来よりもはるかに高能率かつ低い酵素コス
トで容易に実施できるようにする優れたものである。
また本発明の製造法によれば、上述のようにすぐれた特
性を有するホスホリパーゼDをきわめて高い生産性をも
って製造することができる。すなわち、従来報告されて
いるホスホリパーゼD生産菌株の培地1ml当りの酵素
生産量は、ストレプトミセス・タロモフスカスが0.5
ユニツト (J、 Biochem、 。
85巻、79頁、1979年)、ミクロモノ又ボラ・チ
ャルセアが0.13ユニツト (特公昭58−5263
3号)、メカルディオプシスspが0.54ユニツト 
(特開昭58−63388号)、アクチノマデューラs
pが1.7ユニツト(特開昭58−67183号)、7
カルデイ7spが0.1マユニツト(特開昭60−16
4483号)といった低水準のものであるから、80ユ
ニツ)/mlもの高力価産生菌を使用する本発明の製造
法によれば、ホスホリパーゼDの製造能率の飛躍的な向
上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図:本発明の酵素のホスファチジルコリン分解活性
のpH依存性を示すグラフ。 第2図二本発明の酵素のホスファチジル基転位活性のp
H依存性を示すグラフ。 第3l;本発明の酵素のホスファチジルコリン分解活性
の温度依存性を示すグラフ。 第4l:本発明の酵素の安定性に及ぼすpHの影響を示
すグラフ(保存温度50°C)。 第5l:本発明の酵素の安定性に及ぼすpHの影響を示
すグラフ(保存温度4℃)。 第6l:本発明の酵素の熱安定性を示すグラフ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)下記の理化学的性質を有するホスホリパーゼD:
    (イ)作用 [1]リン脂質のホスファチジル基と塩基との間のエス
    テル結合を加水分解し、ホスファチジン酸および塩基を
    遊離させる; [2]グリセロール、エタノール等のアルコール性水酸
    基を有する化合物の共存下、グリセロリン脂質のホスフ
    ァチジル基と塩基との間のエステル結合を加水分解する
    と同時にホスファチジル基と上記アルコール性水酸基を
    有する化合物とより新たなエステルを生成するホスファ
    チジル基転移反応を生じさせる; (ロ)基質特異性 [1]ホスファチジルコリンに対する加水分解活性を1
    00とした場合の相対活性は、リゾホスファチジルコリ
    ンに対して1.5、スフィンゴミエリンに対して0.1
    である; [2]ホスファチジルコリンに対するにKm値は0.9
    mMである; (ハ)至適pH:約6.0 (ニ)至適温度:50〜55℃ (ホ)pH安定性:pH5〜8で安定 (ヘ)熱安定性 pH5〜6において50℃3カ月間の加熱、または55
    ℃100時間の加熱で全く失活しない;(ト)金属イオ
    ンによる影響 濃度10mMの金属イオンを存在させた場合、加水分解
    活性は金属イオンがMn^2^+のとき30%阻害され
    るが、Ca^2^+、Ni^2^+、Mg^2^+、B
    a^2^+、Zn^2^+、Co^2^+のときは阻害
    されない; (チ)各種阻害剤の影響 モノヨード酢酸により46%阻害されるが、ジイソプロ
    ピルフルオロホスフェート、N−エチルマレイミド、シ
    アン化カリウム、p−クロロマーキュリーベンゾエート
    、o−フェナンスロリン、2−メルカプトエタノール、
    エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムでは影響されない
    ; (リ)分子量 5.2万(SDS−PAGE法による)。 (2)ストレプトミセス・プルニカラーSK−02−8
    1株を培養し、培養液からホスホリパーゼDを採取する
    ことを特徴とするホスホリパーゼDの製造法。
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