JPH0117675B2 - - Google Patents

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JPH0117675B2
JPH0117675B2 JP56163475A JP16347581A JPH0117675B2 JP H0117675 B2 JPH0117675 B2 JP H0117675B2 JP 56163475 A JP56163475 A JP 56163475A JP 16347581 A JP16347581 A JP 16347581A JP H0117675 B2 JPH0117675 B2 JP H0117675B2
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enzyme
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Sumitaka Kokusho
Shigeaki Kato
Haruo Machida
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Meito Sangyo KK
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Meito Sangyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は微生物によるホスホリパーゼDの製造
法に関するものである。すなわち、本発明はアク
チノマデユーラ(Actinomadura)属に属するホ
スホリパーゼD生産菌を培地に培養し、培養物か
らホスホリパーゼDを採用することを特徴とする
ホスホリパーゼDの製造方法である。 ホスホリパーゼD(E.C.3.1.4.4)は、グリセロ
燐脂質のリン酸と含窒素塩基とのエステル結合を
分解し、ホスフアチジン酸と塩基とを遊離する酵
素である。又、ホスホリパーゼDは、エタノー
ル、グリセロール、エタノールアミン等のアルコ
ール基を有する化合物の共存下で、グリセロ燐脂
質に作用させると、ホスフアチジン酸をアルコー
ル基へ転移することも知られている。 ホスホリパーゼDは、キヤベツ、ニンジン等の
植物界に広く存在することが古くより知られ、主
としてキヤベツの組織中より抽出して製造されて
いる。又、最近では、微生物によるホスホリパー
ゼDの製造方法として、ストレプトマイセス属
(特公昭52−39918号公報)や、ミクロモノスポラ
属(特開昭54−44094号公報)に属する放線菌を
用い、発酵法により製造する方法が知られてい
る。 ホスホリパーゼDは、燐脂質の代謝に関連する
研究用試薬や血清中に含まれるリン脂質の定量用
試薬等に利用される他、各種リン脂質よりのホス
フアチジン酸製造にも利用出来る。 本発明者等は、自然界の土壌中より広く微生物
を分離し、ホスホリパーゼDを生産する菌株を検
索した。その結果、東京都八王子市の土壌より分
離した菌株(アクチノマデユーラ属No.362と称す
る)を培地に培養すると、培地中にグリセロ燐脂
質に作用してホスフアチジン酸と塩基とを遊離す
る作用がある酵素が生産されることを確認し、本
菌がホスホリパーゼDを生産することを見出し
た。またこの酵素を、エタノール、ソルビトー
ル、エタノールアミン、グリセロール等の適当な
アルコール基を有する化合物の共存下で、グリセ
ロ燐脂質に作用させた場合、ホスフアチジン酸を
アルコール基へ転移することも認められた。 上記菌株の菌学的性状は次に示す通りである。 (a) 形態 澱粉無機塩寒天、チロシン寒天、酵母・麦芽
寒天、オートミール寒天培地等では良好に、ま
たグリセリンアスパラギン寒天では中程度に生
育して気菌糸の集落を着生する。 胞子を着生した菌叢の色は培地の種類、観察
時期により若干変化するが、おおむねやや紫味
を持つた灰白色から灰色を呈する。 シユークロース硝酸塩寒天、栄養寒天、グル
コースアスパラギン寒天では気菌糸を着生しな
いか、貧弱にしか着生しない。 寒天培地上に生育させた本菌株を顕微鏡で観
察すると、気密糸は巾0.8〜1.2μで分枝し、一
部ループ状又は螺旋状をなし、屈曲を混じえな
がら主として直線状に長く伸び、先端はループ
状にゆるく巻いている場合が多い。 胞子は数10から100以上の連鎖状をなして着
生し、ほぼ気菌糸全体を形成する。 胞子の大きさは0.8〜1.2×1.2〜1.7μで、短円
筒又は卵形で、大きさ形ともやや不規則であ
る。 基生菌糸は巾0.6〜1.0μで、不規則な分枝を
もつて屈曲しながら伸長し、遊走胞子、胞子の
う、菌核等は形成されない。 また通常、隔壁、菌糸の分断は見られない
が、液体培養により菌糸の分断が見られること
もある。 (b) 各種培地上での性状 以下に記載する実験方法は、主としてイー・
ビー・シヤーリング(Int.J.Syst.Bacteriol.16
巻、313〜340、1966年)の方法にしたがつて行
つた。 色調は、「色の標準」(財団法人日本色彩研究
所、1964年)を用いて決定し、色相名とともに
括弧内に色相名、彩度番号、明度番号の順に色
相記号を記入した。 培養は25℃で行い、最も生育の旺盛な2〜3
週間目の各倍地上における観察結果を第1表に
示した。但し第1表中、生育項目に記載した基
生菌糸表面の色は胞子着生前の培養一週間目に
おける観察結果を示しており、胞子着生が早く
基生菌糸表面の色の判定困難な培地については
記載していない。
【表】
【表】 (c) 生理的性質 生育温度:10〜37℃附近で生育し、20〜30
℃で最もよく生育する。 ゼラチンの液化:液化しない(グルコー
ス・ペプトン・ゼラチン培地上、25℃、3週
間培養)。 スターチの加水分解:分解する(スターチ
寒天培地上、25℃、3週間培養)。 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化:凝固せず、
ペプトン化する(30℃、3〜4週間培養)。 メラミン様色素の生成:ペプトンイースト
鉄寒天、チロシン寒天で生成する(25℃、2
〜4日)。 (d) 炭素源の同化性(30℃、10〜16日培養) L−アラビノース + シユークロース − D−キシロース + イノシトール ± D−グルコース + L−ラムノース − D−フラクトース − ラフイノース − (e) 細胞の化学分析 本菌株のデイアミノピメリン酸はメソ型であ
り、細胞壁の糖組成はアラビノース、キシロー
ス、ラムノース等を有せず、マデユロース、ガ
ラクトース、マンノース等を有する。 以上の分析結果についてBergey′s Manual of
the Determinative Bacteriology第8版、657頁
〜658頁(1974年)や、レシエバリエ(Inter.J.
System.Bacteriol.20巻、435頁〜443頁、1970年)
等の分類法にしたがつて判定すると、本菌は細胞
壁類型(cell wall type)型、糖組成類型
(cell wall sugar pattern)B型となる。 以上本菌は、その細胞壁類型がであり、糖組
成類型がBのマデユロースを有する放線菌である
ことから、マデユロースを有さない糖組成類型C
のダツソンビレイタイプのアクチノマデユーラ属
(ノカルデイオプシス属)とは異なる。したがつ
て、本菌はミクロビスポラ属、ストレプトスポラ
ンギウム属、スピリロスポラ属、プラノモノスポ
ラ属、デルマトフイラス属、アクチノマデユーラ
属のいづれかに属する。しかし、本菌はその形態
において多数の胞子から成る胞子連鎖を着生し、
菌核、胞子嚢、遊走胞子が見い出されないことよ
り、アクチノマデユーラ属(Genus
Actinomadura)に同定するのが分類学上、最も
妥当である。 そこで本菌はアクチノマデユーラ属No.362
(Actinomadura sp No.362)と称することにし
た。そして本菌は工業技術院微生物工業技術研究
所に寄託されており、その受託番号は「微工研条
寄第511号(FERM BP−511)」である。 本発明における使用菌としては、上記したアク
チノマデユーラ属No.362、及び本菌株を変異処理
した変異株だけでなく、アクチノマデユーラ属に
属しホスホリパーゼDを生産する菌であれば全て
用いる事が出来る。 本発明を実施するに当り、その培養形態として
は、液体培養、固体培養いづれも用いることが出
来るが、工業的には深部通気撹拌培養を行うのが
有利である。 また使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩、及びそ
の他の微量栄養素の他、アクチノマデユーラ属に
属する微生物の利用することの出来る栄養源であ
ればすべて使用することが出来る。 培地の炭素源としては、例えばブドウ糖、果
糖、シヨ糖、乳糖、澱粉、グリセリン、デキスト
リン、糖蜜、ソルビトール等の他、脂肪酸、油
脂、粗レシチン、アルコール、有機酸などが単独
または組合せて用いられる。 窒素源としては、無機窒素源、有機窒素源いづ
れでも利用可能であり、無機窒素源としては、例
えば硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿
素、硝酸ソーダ、燐酸1アンモニウム、燐酸2ア
ンモニウム、塩化アンモニウム等が挙げられ、ま
た有機窒素源としては、大豆、米、とうもろこ
し、綿実、菜種、小麦などの粉、糠、脱脂粕をは
じめ、コーンスチープリカー、ペプトン、酵母エ
キス、肉エキス、カゼイン、アミノ酸等が用いら
れる。 無機塩及び微量栄養素としては、例えばリン
酸、マグネシウムム、カリウム、鉄、アルミニウ
ム、カルシウム、マンガン、亜鉛等の塩類の他、
ビタミン、非イオン界面活性剤、消泡剤等菌の生
育やホスホリパーゼDの生産を促進する物であれ
ば必要に応じて使用できる。 培養は好気的条件で行なわれる。培養温度は菌
が発育し、ホスホリパーゼDを生産する温度範囲
で適宜変更出来るが、特に好ましいのは20℃〜35
℃である。 培養時間は条件により異なるが、ホスホリパー
ゼDが最高生成量に達するまで培養すればよい。
液体培養の場合は通常1〜3日程度である。 培養物中に生成したホスホリパーゼDは、液内
培養では主として培養液中に溶けているので、培
養終了液より固形物を別して得られる培養液
よりホスホリパーゼDを採取する。 培養液中よりホスホリパーゼDを採取するに
当つては、通常酵素精製に用いられるあらゆる方
法が使用出来る。例えば硫安、食塩等による塩
析、アセトン、エタノール、メタノール等の有機
溶剤沈澱、透析、イオン交換クロマトグラフイ
ー、吸着クロマトグラフイー、ゲル過、吸着
剤、等電点沈澱等の方法が使用出来る。 さらにこれ等の方法を適当に組み合せることに
よつて、ホスホリパーゼDの精製効果が上る場合
には、組合せて行うことが出来る。 これ等の方法により得られる酵素は、安定化剤
として各種塩類、糖質、蛋白質、脂質、界面活性
剤等を加えるか、もしくは加えることなく減圧濃
縮、減圧乾燥、凍結乾燥等の方法により液状又は
固形のホスホリパーゼDを採取することが出来
る。 ホスホリパーゼDの酵素活性測定法は、基質グ
リセロ燐脂質に作用してリン酸と含窒素塩基との
エステル結合と分解して生ずる塩基の量を測定し
て求める。ホスホリパーゼDの活性は、特に記載
しないかぎり、以下に記載するコリンオキシダー
ゼ法により測定した。 力価測定法: 1%卵黄精製レシチンエマルジヨン(0.1gレ
シチン、1mlエチルエーテル、10ml蒸留水の超音
波乳化液)0.1mlに、0.2M PH7.2トリス−塩酸緩
衝液0.1ml、0.1M CaCl2水溶液0.05ml、蒸留水
0.15mlを混合し、これに酵素液0.1mlを加え、37
℃で20分反応後、50mMのEDTA・2Naを含む
1Mトリス−塩酸緩衝液(PH8.0)0.2mlを加え、
直ちに5分間煮沸して反応を完全に停止する。次
にコリンエステラーゼ測定用試薬〔日本商事(株)製
造〕のキツトに含まれるコリン呈色剤を呈色溶解
液に溶解した溶液4mlを加え、37℃で20分間反応
させた後、500nmの吸光度を測定する。 対照としては、あらかじめ熱失活した酵素液を
用いて同様に反応させたものの吸光度を測定す
る。 そして1時間に1μモルのコリンを遊離する酵
素活性を1単位とする。 次に実施例3で示した方法により精製した酵素
標品を用いたホスホリパーゼDの理化学的性質に
ついて述べる。 作用 グリセロリン脂質のリン酸と含窒素塩基との
エステル結合を分解してホスフアチジン酸と塩
基を遊離する。 基質特異性 基質としてレシチン、リゾレシチン、スフイ
ンゴミエリンのいづれか1つを0.5μモル含むエ
マルジヨン0.1mlを用い、蒸留水の代りに1%
Triton X−100を含む水溶液を用いる以外は、
上記力価測定法と同様にして反応させ遊離した
コリン量を測定し、各基質に対するホスホリパ
ーゼD活性を測定した。その結果、レシチンに
対する活性を100とした時の相対活性は、リゾ
レシチン3.6、スフインゴミエリン0.3であつ
た。 至適PH 力価測定法において用いる緩衝液の代りにPH
3.0〜4.0では蟻酸・蟻酸ソーダ緩衝液、PH4.0〜
5.5では酢酸・酢酸ソーダ緩衝液、PH5.5〜8.5で
はトリス・マレイン酸・苛性ソーダ緩衝液、PH
7.0〜9.0ではトリス・塩酸緩衝液、PH9.0〜10.0
ではグリシン・苛性ソーダ緩衝液を用いてホス
ホリパーゼDの活性を測定し至適PHを求めた。
また同測定法で用いる蒸溜水0.15mlの代りに1
%Triton X−100(和光純薬)水溶液0.15mlを
用いた時の至適PHについても求めた。 その結果は第1図に示す通りで、蒸溜水を用
いた場合の至適PHは7.0付近であり、1%
Triton X−100水溶液を用いた場合の至適PH
は5.5付近に認められた。 至適温度 力価測定法において、反応温度条件を10、
20、25、37、40、50、55、60、70、80および90
℃で酵素活性を測定した。その結果は第2図に
示す通りであつて、至適温度は55℃から80℃の
範囲であると認められる。 PH安定性 酵素溶液0.1mlに0.9mlの0.1Mの各種緩衝液、
すなわちPH3.0〜3.5ではグリシン・塩酸緩衝
液、PH3.5〜7.0では酢酸・酢酸ソーダ緩衝液、
PH5.0〜8.0ではトリス・マレイン酸・苛性ソー
ダ緩衝液、PH7.0〜9.0ではトリス・塩酸緩衝
液、PH9.0〜9.5ではグリシン・苛性ソーダ緩衝
液を夫々加え、25℃で2時間保つた。その後、
これら酵素緩衝溶液に0.5Mトリス・塩酸衝液
(PH7.2)9.0mlを加え、PHを7.0〜7.3とした。こ
の溶液0.1mlを用い、力価測定法に従つて力価
を測定し、安定PH範囲を調べた結果、第3図に
示した通り本酵素の特に安定なPH範囲はPH4.0
〜8.0であると認められた。 また力価測定法で用いる蒸留水0.15mlの代り
に1%Triton X−100の水溶液0.15mlを用いる
他は、上記と同様に操作してPH安定範囲を調べ
たが、結果は第3図と殆んど変らなかつた。 熱安定性 酵素溶液0.1mlに0.1Mトリス・塩酸緩衝液
(PH7.2)9.9mlを加え、20、30、37、40、50、
60および65℃に30分間放置した後、残存する酵
素活性を測定した。その結果は第4図に示す通
りで、30℃で30分の熱処理では殆んど失活せ
ず、50℃で30分の熱処理で60%の活性が残存し
た。 各種物質による影響 力価測定法においてCaCl2水溶液の代りに各
種物質の水溶液を0.05ml加え、酵素反応系中で
1mM濃度に成るようにして活性を測定した。
その結果、賦活作用のあつたものは、例えば
AlCl3、CaCl2、FeCl3、FeSO4、MgCl2
SnCl2、デオキシコール酸ソーダ、エタノー
ル、イソプロパノール、t−ブタノールの如き
第1級、第2級、又は第3級アルコール等であ
り、一方阻害作用のあつたものはセチルピリジ
ニウムクロライドである。 力価の測定法 前述したとおりである。 精製方法 前述したとおりであり、その具体例は実施例
3に記載のとおりである。 等電点 6.4±0.1(アンホライン電気泳動法により測
定) 転移作用 キヤベツのホスホリパーゼDはレシチンから
ホスフアチジン酸を生成し、これを炭素数1か
ら6までの直鎖の1級アルコールに転移してエ
ステルを形成することが知られている。本酵素
についても同様に転移作用を調べた結果、本酵
素では更に広範囲のアルコールに転移が起りエ
ステルが形成することが判明した。基質となる
リン脂質としてもレシチン以外のジアシルエス
テル型、モノアシルエステル型、プラスマロー
ゲン型、シクロアルキリデン型、ジアルキルエ
ーテル型、モノアルキルエーテル型のα−グリ
セロリン脂質、及びβ−グリセロリン脂質が用
いられ、またスフインゴリン脂質もよい基質と
なる。 転移の起るアルコールとしては次の分類もの
があげられる。 A 1級アルコール (1) 炭素数1から22までの脂肪族アルコール
及びそれに第1級、第2級、第3級アミ
ン、ハロゲン、水酸基、カルボン酸とその
エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン
等の置換基を有するもの (2) ペントース、ヘキソース及びそれにアミ
ノ基、酸アマイド等の置換基を有するもの (3) 糖アルコール及び多価アルコール (4) 二糖類 (5) 芳香族アルコール及びそれにアミノ基、
ハロゲン、カルボン酸等の置換基を有する
もの (6) 脂環式アルコール (7) 炭素多環式アルコール (8) フラン環、フタルイミド環、ピロール
環、インドール環、ピリジン環、モルホリ
ン環、ピリミジン環、ピペラジン環、イミ
ダゾピリミジン環等の複数環アルコール B 第2級アルコール (1) 炭素数3から10までの脂肪族アルコール
及びそれに各種置換基を有するもの (2) 芳香族アルコール (3) 脂環式アルコール これらの基質とアルコールを組合わせて転移
作用が起つたかどうかを調べた結果が第2表で
ある。第2表では、転移物(エステル)の生成
が認められたものを+、少量の生成があつたも
のを±、生成の認められなかつたものを−で示
した。また各アルコールの前の記号は上記アル
コールの分類番号を示す。これと同様の検査を
市販のキヤベツから得られたホスホリパーゼD
を用いて行つたが、転移物(エステル)の生成
したものは全くなかつた。 次に転移作用の実験方法を述べる。 0.4M、PH5.7酢酸緩衝液0.1ml、0.1M CaCl2
水溶液0.05ml、ホスホリパーゼD250単位を含
む酵素液0.1ml、1%リン脂質エマルジヨン
(0.1gリン脂質、1mlエーテル、10ml蒸留水の
超音波乳化液)0.1ml及び10%アルコール溶液
(溶解度に応じて水、エーテルまたはアセトン
を用いる)0.15mlを混合し、37℃で1〜5時間
反応させた。反応終了後、50ミリモルの
EDTAを含む1モル、PH8.0のトリス塩酸緩衝
液0.2mlとクロロホルム−メタノール混液
(2:1)5mlを加え、混合して転移生成物
(エステル)を抽出した。静置後、下層を分取
し、減圧乾燥後少量のクロロホルム−メタノー
ル混液(1:1)に溶かし、薄層クロマトグラ
フイーにて転移生成物(エステル)の検出を行
つた。その結果を第2表に示す。
【表】
【表】 分子量 約52000(Ultrogel ACA34ゲル濾過法により
測定)約58000(SDS電気泳動法により) 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する
が、これによつて本発明は限定されるものではな
い。 実施例 1 脱脂小麦胚芽10gに硫安0.1g、ペプトン0.1
g、及び水8mlを500ml容三角フラスコに入れ、
121℃で15分間蒸気殺菌後、アクチノマデユーラ
属No.362の胞子水懸濁液2mlを接種した。そして
培養温度25℃で静置30日間培養した。 培養終了後、100mlの水を加えてホスホリバー
ゼDを抽出した後、固形物を別し、液中のホ
スホリパーゼDの活性を測定した。その結果は
7.4u/mlであつた。 実施例 2 シード培地として澱粉1%、(NH4
H2PO40.25%、ペプトン0.25%、K2HPO40.2%、
MgSO40.01%を含む水溶液培地(PH6.8)100mlを
500ml坂口フラスコに入れ、蒸気殺菌後、アクチ
ノマデユーラ属No.362の胞子を一白金耳接種し、
培養温度30℃、120回転/分で2日間振盪培養し
てシード培養液を得た。 つぎに本培地、すなわちグルコース1.0%、コ
ーンスチープリカー1.0%、ペプトン0.5%、粉末
酵母エキス0.1%、NH4NO30.5%、K2HPO40.2
%、MgSO4・7H2O0.01%からなる培地(PH6.0)
50mlを500ml容坂口フラスコに入れ、121℃で10分
蒸気殺菌後、上記シード培養液5mlを移植し、25
℃で2日間培養した。 培養後、遠心分離して固形物を除去し、培養
液50ml(77u/ml)を得た。これに硫安22.7gを
撹拌しながら徐々に加えてホスホリパーゼDを沈
澱させた。遠心分離により沈澱を集め、0.02Mト
リス−塩酸緩衝液(PH7.2)に溶解してホスホリ
パーゼD活性を測定した。 この時の培養液に対するホスホリパーゼDの
活性回収率は78%であつた。 実施例 3 きな粉3.0%、コーンスチープリカー1.0%、ペ
プトン0.5%、粉末酵母エキス0.1%、グルコース
1.0%、NH4NO30.25%、K2HPO40.4%、
MgSO4・7H2O0.01%、ツウイン(Tween)−85
0.1%から成る培地(PH6.0)約15を30ジヤー
フアーメンターに入れ、120℃で15分間滅菌後、
実施例2に記載したシード培養液1.5を植菌し、
27℃で40時間培養を行つた。 培養後、菌体固形物を遠心分離により除去し、
遠心上清13(100u/ml)を得た。この遠心上
清を5℃に冷却した後、−20℃のアセトンを加え
てアセトン濃度30〜70%画分に相当するホスホリ
パーゼDを含む沈澱物を遠心分離により集めた。
この沈澱物をPH6.5トリス−マレイン酸に溶解し、
0.02Mの同緩衝液に対して透析した後、同緩衝液
で平衡化したDEAE−セルロースに通塔し、通過
円分を集めた。次に堀内等の方法〔J.Biochem.
81、1639(1977)〕で調整したパルミトイルガーゼ
をカラムに充填し、充分に水洗してから上記
DEAE−セルロース通過液をを注入し、活性を吸
着した。これを0.05Mトリス−塩酸緩衝液(PH
7.2)で洗浄後、0.2%Triton X−100を含む同緩
衝液を加え活性を溶出した。活性区分を集めてバ
イオエンジンエアリング社製の限外過膜
(Type G−10T)を用いて濃縮した後、ゲル
過担体としてトヨパールHW−55F〔東洋曹達(株)
製〕充填カラムに注入し、蒸留水を用いて通塔
し、活性区分を集めて凍結乾燥を行つた。 この乾燥粉末を0.025Mトリス−酢酸(PH8.3)
に溶解後、フアルマシア・フアインケミカルス社
製のポリバツフア交換体PBETM94(20ml)充填カ
ラムに通塔して活性を吸着後、同社製の溶出用ポ
リバツフア(PH5.0)を用いてPH勾配により溶出
した。溶出したホスホリパーゼDの活性区分を集
めて限外過膜にて濃縮し、セフアデツクスG−
75充填カラムに通塔し、ホスホリパーゼD活性区
分を集めて凍結乾燥した。 かくして約43%の活性回収率でホスホリパーゼ
Dを回収し、この時の比活性は13100u/mg蛋白
質であつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明方法によつて得られるホスホリパ
ーゼDに関するもので、第1図は至適PHを示す曲
線、第2図は至適温度を示す曲線、第3図はPH安
定性を示す曲線、第4図は熱安定性を示す曲線で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アクチノマデユーラ属に属するホスホリパー
    ゼD生産菌を培地に培養し、培養物からホスホリ
    パーゼDを採取することを特徴とするホスホリパ
    ーゼDの製造方法。
JP56163475A 1981-10-15 1981-10-15 ホスホリパ−ゼdの製造方法 Granted JPS5867183A (ja)

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