JPS6317042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はレコード盤上を走行、回転しなが
ら、ロールブラシの回転により盤上の塵埃を集収
する自走式レコードクリーナに関するものであ
る。

従来、レコード盤を清掃するにあたつては、片
手でレコード盤を持つて行なつていたため、手あ
かがついたり、誤まつてレコード盤を不用意に落
下させ傷つけてしまう虞れがあつた。また、途中
でレコード盤の把持位置を変えながら清掃を行な
うため、ふきむらが生じやすかつた。

そこで、ターンテーブル等のスピンドルに、ク
リーナ本体の一端部を回転自在に枢着して、スピ
ンドルを中心にレコード盤上を走行させながら、
クリーナ本体に支承されたロールブラシで、レコ
ード盤上に付着した塵埃を集収するような自走式
レコードクリーナが提供されている。

しかし、上記レコードクリーナでは、レコード
盤上でクリーナ本体を回転させる手段である駆動
輪はレコード盤のレーベル部上を走行するため、
駆動輪に添加されたカーボンブラツク、加硫剤等
のよごれが転動している間にレーベル部に付着
し、レコード盤の美感を損ね、記載された文字を
判読し辛くするとともに、レーベル部の表面仕上
げはレコード盤によつて異なるので、レーベル部
が光沢仕上げされたものの場合、駆動輪がスリツ
プしてしまい、クリーナ本体が走行、回転しない
ことがあつた。また、温度変化や、その他の外力
によりレコード盤が変形し、反り等が生じていた
場合、クリーナ本体の自重のみでは反りを補正で
きず、そのまま清掃を行なえば、ロールブラシの
先端部が当接しない部分が発生し、これがため、
その部分に付着した塵埃を集収できず、清掃効果
を著しく損なつていた。

この考案は上記欠点を鑑みて、レコード盤Ｒの
レーベル部R₁上に載置されるスタビライザと、
このスタビライザを中心として回転するクリーナ
本体と、このクリーナ本体には前記スタビライザ
に当接、転動する駆動輪と、レコード盤上に付着
した塵埃を除去するロールブラシと、前記駆動輪
及びロールブラシを回転させるための駆動機構と
を備えた自走式レコードクリーナを提供すること
により、上記欠点を解消し、レコードクリーナの
性能の向上を図ろうとするものである。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図、第２図及び第３図において、１は合成
樹脂などからなるクリーナ本体で、Ｔはプレーヤ
のターンテーブル、ＲはターンテーブルＴにセツ
トされるレコード盤、ＳはターンテーブルＴのス
ピンドルである。５１は前記レコード盤Ｒのレー
ベル部R₁上に載置され、レコード盤Ｒを押えつ
ける円盤状のスタビライザで、その上面５２中央
にはスピンドル部５３が突設されている。このス
タビライザ５１はクリーナ本体１と分離可能に構
成され、スタビライザ５１だけでは、レコード盤
Ｒの反りや歪を是正するに適当な重量体からな
る。

上記クリーナ本体１の基部１ａと先端部１ｂは
段違いに形成されており、その内方は仕切壁２に
よつて基部１ａ側は駆動室３に、先端部１ｂ側は
ブラシ収容室４とに分割されている。前記クリー
ナ本体１の基部１ａの下面には、上記スタビライ
ザ５１のスピンドル部５３に枢着される軸孔７が
穿設され、この軸孔７をスピンドル部５３に枢着
させ、クリーナをセツトした状態で、クリーナ本
体１の基部１ａの下面はスタビライザ５１の上面
５２と、先端部１ｂ下面はレコード盤Ｒの有音部
R₂とそれぞれ対応する。

上記クリーナ本体１の駆動室３にはモータ５が
収容されており、内蔵の乾電池８を電源として回
転するモータ出力軸６の回転力は減速系９を介し
て駆動輪１０に伝達される。この駆動輪１０は回
転数が200〜300R.P.Mになるよう設定されてお
り、またその外周がクリーナ基部１ａ下面から突
出してスタビライザ５１の上面５２を転動するよ
う配置されている。

１１は上記ブラシ収容室４に支承されたロール
ブラシで、上記モータ５により2500〜3000R.P.M
程度の回転数が付与され、また上記駆動輪１０と
逆方向に回転するよう連結されている。このロー
ルブラシ１１によつて掻き上げられたレコード盤
Ｒ上の塵埃はブラシの高速回転によつて生じる空
気流の流れに乗つて集塵室１２へ導入され、フイ
ルタ部１３によつて塵埃のみが集塵室１２内に貯
溜される。１４は起動、停止用スイツチ、１５は
乾電池８交換用の開閉自在の蓋体である。

ここで上記スタビライザ５１の重量は500〜
1000ｇ程度とするとともに、スタビライザ上面５
２は上記駆動輪１０がスリツプを起さないよう
に、駆動輪走行位置にスベリ止めローレツト５４
を配設するか、あるいは表面を粗面として、駆動
輪１０との間の摩擦係数を高めてやる工夫を凝ら
している。前記すべり止めローレツト５４はプレ
ーヤのターンテーブルＴの回転数を測定するため
のストロボスコープを兼ねさせてやつてもよい。

上記構成において、第２図、第３図、及び第４
図においてプレーヤのターンテーブルＴ上にセツ
トしたレコード盤Ｒのレーベル部R₁上にスタビ
ライザ５１を載置し、このスタビライザ５１の上
面５２に立設したスピンドル部５３にクリーナ本
体１の軸孔７を嵌入させて、クリーナ本体１をセ
ツトしたのち、スイツチ１４をONしてモータ５
を起動させれば、ロールブラシ１１がレコード盤
Ｒの有音部R₂上で、たとえば矢印ａ方向へ回転
すると同時に駆動輪１０がスタビライザ５１の上
面５２で逆方向の矢印ｂ方向へ回転するため、ク
リーナ本体は上記スピンドル部５３を中心として
レコード盤Ｒ上を周方向Ｃへ走行する。この走行
にともない、上記ロールブラシ１１が逆方向へ回
転してレコード盤Ｒ上の塵埃を掻き上げ、集塵室
１２に自動的に集収する。

上記実施例においては、駆動輪１０はスタビラ
イザ５１の上面５２を転動するように配置した
が、他にスタビライザ５１の周側面を転動するよ
うにしてもよく、スタビライザ５１の上面５２の
中央のスピンドル部５３は着脱自在としてもよ
く、また、クリーナ本体１の回転の中心は、スタ
ビライザ５１の中央を凹部とし、クリーナ本体１
の下面に前記凹部に嵌合するような凸部を形成
し、これを中心として回転するようにしてもよ
い。

ここで、上記駆動輪１０はスタビライザ５１に
当接、転動するため、レコード盤Ｒのレーベル部
R₁によごれが付着するという不都合を防止でき
るとともに、レーベル部R₁の表面の仕上げ状態
に関係なく安定した走行を図ることができ、ま
た、スタビライザ５１の重量と、クリーナ本体１
の自重によりレコード盤Ｒに生じた反りを補正し
た状態で清掃を行なうことができるため、レコー
ド盤Ｒ表面にはロールブラシ１１の外周が常に一
定状態で当接し、盤上に付着した塵埃を完全に集
収することができ、清掃効果の向上を図ることが
できる。

なお、演奏時にはクリーナ本体のみを取り去れ
ば、スタビライザの重量により、レコード盤の反
りや歪を補正した状態でプレイできるため、正規
の再生音が得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の斜視図、第２図は同
実施例の横断平面図、第３図は同実施例の縦断側
面図、第４図は使用例を示す斜視図である。 １……クリーナ本体、５……駆動機構、１０…
…駆動輪、１１……ロールブラシ、５１……スタ
ビライザ、５３……スピンドル部、Ｒ……レコー
ド盤、R₁……レーベル部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レコード盤Ｒのレーベル部R₁上に載置される
   スタビライザ５１と、このスタビライザ５１を中
   心として回転するクリーナ本体１と、このクリー
   ナ本体１には前記スタビライザ５１に当接、転動
   する駆動輪１０と、レコード盤Ｒ上に付着した塵
   埃を除去するロールブラシ１１と、前記駆動輪１
   ０及びロールブラシ１１を回転させるための駆動
   機構５とを備えた自走式レコードクリーナ。