JPS631654Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、動力運搬車の両前車輪を左右に回
動させるナツクルアームを連結させるタイロツド
の連結構造に関する。

従来、動力運搬車の両前車輪を同時に回動させ
るべく両前車輪を支持回動させるキングピンの上
端部にナツクルアームを取付け、この両ナツクル
アームをタイロツドにて一体に連結し、同時に同
一方向へ前車輪を操向させるように構成されてい
るが、このタイロツドが、前車輪のデフケースの
下部に設けられているため、走行中に障害物に当
たつたり、凹、凸の激しい路面においては、タイ
ロツドが路面に接触してタイロツドを曲げたり折
つたりするため前車輪を円滑に操向させることが
できなかつた。

この考案では、タイロツドを上方向に〓字状に
折り曲げて、フロントデフケース上に迂回させる
ように構成させて、タイロツドに上記した障害物
や凹凸路面の一部が接触しないように形成し、前
車輪部の構造を簡素化してタイロツドに傷が付い
たり折り曲つたりしないようにして車体の操向を
円滑にせる動力運搬車におけるタイロツドの連結
構造を提供せんとするものである。

この考案の実施例を図面に基づき詳説すれば、
動力運搬車１は、走行機体部２と運搬機体部３と
よりなり、走行機体部２の後部に運搬機体部３を
連結している。

走行機体部２は、基台フレーム１１を境にして
上方一側先端部にステアリング・ホイル４を設
け、その真後ろに操縦席５を設け、他側部にエン
ジン６を搭載してボンネツト７にて包囲し、基台
フレーム１１の下方には、前車輪８，８′を取り
付けている。前車輪８，８′は、基台フレーム１
１に垂下固定されたフロントデフケース９の両側
に取り付けられており、エンジン６からの動力を
フロントデフケース９と一体に設けたミツシヨン
ケース１０に伝達して変速させ、更に、フロント
デフケース９に動力を伝えて前車輪を駆動させて
両前車輪８，８′を回転させる。

運搬機体部３は、前車輪８，８′とほぼ平行に
配設したチエンケース１２を兼用せる支持フレー
ム１３の外側に後車輪１４及び最後車輪１５を軸
支させ、後車輪１４と最後車輪１５とをチエンケ
ース１２内に張設させたチエンでもつて連結し、
上記支持フレーム１３の後端部にはブラケツト１
６を固着して荷台１７の一端を枢着１８させ、こ
の荷台１７の下端部に油圧シリンダ（図示せず）
の一端を枢着して荷台１７を上下方向に回動させ
るように構成している。

１９は、上記せる走行機体部２と運搬機体部３
とを揺動自在に連結せる連結部材であり、チエン
ケース１２上に荷台１７を載置せる横フレーム２
１及び、補助フレーム２２を横架固着し、この両
フレーム２１，２２の中央部に筒体２０を固着
し、この筒体２０内に走行機体部２の基台フレー
ム１１の後部より後方に延設したブラケツト２３
に固着せる中空軸（図示せず）を遊嵌せしめて、
走行機体部２と運搬機体部３とを相互に揺動自在
に連結している。

後車輪１４及び最後車輪１５を回転させる場合
は、エンジン６の動力をミツシヨンケース１０に
伝達し更に、プロペラシヤフト２４を介して後車
輪１４を回動させるリヤデフケース（図示せず）
に動力を伝達して後車輪１４を回転させ、同時に
チエンケース１２内に張設したチエンにこの駆動
力を伝達して最後車輪１５を回転させる。

上記ステアリング・ホイル４は、ステアリン
グ・シヤフト（図示せず）を内設せるコラム２５
の上端に取着し、ステアリング・シヤフトの下端
をギヤボツクス２６に噛合させて、噛合ギヤの一
端軸２７にピツトマンアーム２８を固着させ、こ
のピツトマンアーム２８の先端部にドラツグ・リ
ンク２９の基端部を枢着３０させて、先端部を前
車輪８を支持するキングピン（図示せず）の上端
部に取付けたナツクルアーム３１の一端３１ａに
枢着させている。

そして、このナツクルアーム３１の中央部を前
記せる如くキングピンの上端部に取り付け、キン
グピンをギヤケース３２に回動自在に取り付けて
いる。

ナツクルアーム３１の他端部３１ｂは、長杆を
〓字状に折曲げたタイロツド３３の一端部３３ａ
と枢着３４させ、他端部３３ｂを他方の前車輪
８′のキングピンに取着させたナツクルアーム３
５に枢着３６させている。

タイロツド３３は、上記せる如く、中央部３３
ｃを上方に立ち上げて、ミツシヨンケース１０の
上部を迂回させ、両端部３３ａ，３３ｂを中央部
３３ｃより一段低く水平に折曲げ形成させ、タイ
ロツド３３の動作時に、中央部３３ｃがミツシヨ
ンケース１０に接触しないように構成させてい
る。

この考案の実施例は、上記のように構成されて
おり、ステアリング・ホイル４を時計方向に回転
させると、ピツトマンアーム２８も時計方向に回
動し、ドラツク・リンク２９を車体前方方向に引
張りナツクルアーム３１を時計方向に水平に回動
させるため、前車輪８が右方向に回転する。

この時、ナツクルアーム３１に枢着したタイロ
ツド３３は、左方向に移動するため、反対側の前
車輪８′のナツクルアーム３５を時計方向に回動
させて、前車輪８′を右方向に回転させる。

逆に、ステアリング・ホイル４を反時計方向に
回転させると、ピツトマンアーム２８が反時計方
向に回動し、ドラツグ・リンク２９を車体後方方
向に押す。その結果、ナツクルアーム３１が反時
計方向に回動して前車輪８を反時計方向（左方
向）に回転させ、同時にタイロツド３３を右方向
に引張るため、反対側の前車輪８′も左方向に回
転する。

このように、両前車輪８及び８′の走行方向を
変えるためにミツシヨンケース１０の上部を迂回
させて前車輪８，８′を回動させるナツクルケー
ス３１と３５との間に〓字状のタイロツド３３を
介設させることによつて、地面の凹凸の影響や、
障害物をミツシヨンケース１０とフロントデフケ
ース９とによつて防護させるようにしているた
め、タイロツド３３の動作に障害となるものが完
全に無くなり、機構もより簡素化できた。

この考案によれば、前車輪８，８′を回動させ
るナツクルアーム３１と３５との間にミツシヨン
ケース１０の上部を迂回させる形状に構成させた
タイロツド３３を介在させることによつて、走行
中、路面上の障害物によつてタイロツド３３が傷
付けられたり折曲げられたりすることもなくな
り、耐久性が増し、しかもタイロツド３３の構造
を簡素化している上に取付けも容易に出来るた
め、前車輪部の機構を非常に簡素な構造にするこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、６輪動力運搬車の側面図。第２図
は、第１図の平面図。第３図は、本考案の要部を
示した斜視図である。 １：動力運搬車、２：走行機体部、３：運搬機
体部、４：ステアリング・ホイル、６：エンジ
ン、８，８′：前車輪、９：フロントデフケース、
１０：ミツシヨンケース、１２：チエンケース、
２５：コラム、２６：ギヤボツクス、２８：ピツ
トマンアーム、２９：ドラツグ・リンク、３１：
ナツクルアーム、３３：タイロツド、３５：ナツ
クルアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントデフケース９の両側に軸支した前車輪
   ８，８′を回動させるナツクルアーム３１と３５
   との間に正面形状が〓字に形成されたタイロツド
   ３３を介在させ、このタイロツド３３の中央***
   部下方に上記フロントデフケース９と一体連設し
   たミツシヨンケース１０を配設して成る動力運搬
   車におけるタイロツドの連結構造。