JPS631503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はテレビジヨン受像機等に使用されるキ
ヤビネツトに関する。

(ロ) 従来技術 一般にテレビジヨン受像機では、木製の前部キ
ヤビネツト枠に合成樹脂製の後部カバーを結合し
た型式のキヤビネツトが賞用されている。このよ
うなキヤビネツトに於いては、従来は、第１図又
は第２図に示すように、前部キヤビネツト枠１の
開口側の補強桟２に後部カバーの縁部３をネジ止
めする際に、上記補強桟２に板バネ（金属）製の
止め具４を嵌め込んだり、合成樹脂製の止め具５
をネジ止めし、これらの止め具４，５に対して後
部カバー取付用のネジ６を締付けるようにしてい
た。このような止め具４，５を使用するのは、前
記補助桟２に後部カバー３を木ネジで直接ネジ止
めした場合には、修理点検等によつて後部カバー
を何回も取付けたり、取外したりしているうち
に、補助桟２のネジ孔がいわゆるネジ馬鹿となつ
てしまうので、これを避けるためである。

ところで、第１図の場合の板バネ製の止め具４
は折り曲げ加工や穴あけ加工を必要とするのでコ
スト高であり、且つ、ネジ６に補強桟２を貫く長
寸のものを必要とする。また、第２図の場合の止
め具５は、前部キヤビネツト枠１の横方向から補
強桟２にネジ止めしなければならないため、作業
性が極めて悪いと言う欠点があつた。

(ハ) 考案の目的 本考案は上記の点に鑑みなされたものであり、
合成樹脂製の安価な結合具を使用して、前部キヤ
ビネツト枠と後部カバーとの結合を非常に作業性
よく行なうことのできるキヤビネツトを提供する
ことを目的とする。

(ニ) 考案の構成 本考案のキヤビネツトは、前部キヤビネツト枠
の開口縁部に取付けられた木製の補強桟に透孔を
設け、合成樹脂製の結合具に設けた第１のボスを
上記透孔に挿入するとともに前記結合具に設けら
れ前記挿入方向とは逆の方向に対して抜け止めと
なる係合片を前記補強桟に係合せしめて前記結合
具を前記補強桟に取付け、上記第１のボスと平行
な方向に突出する第２のボスの軸方向の透孔に後
部カバーの開口縁部をネジ止めするようにした構
造を特徴としている。

(ホ) 実施例 第３図は本考案キヤビネツトの一実施例を示し
ており、同図ａに於いて、１１は木製の前部キヤ
ビネツト枠、１３は合成樹脂製の後部カバーであ
る。上記キヤビネツト枠１１の天板１１ａ及び側
板１１ｂ，１１ｃの後面側の縁部には、前述の従
来例の場合と同様に木製の３本の補強桟１２が接
着固定されており、、且つ、この補強桟にはこの
桟を前後方向に貫く透孔１４が図示の４個所に形
成されている。１５は合成樹脂製の結合具であ
り、この結合具は第３図ｂに示すように係止用の
複数のヒレ１６ａを有する第１ボス１６と小孔１
７ａを有するネジ止め用の第２のボス１７が一体
成型されている。そして、この結合具１５の第１
ボス１６を前記補強桟２の透孔１４に該桟の内側
から圧入することによつて、第３図ａの如く４個
の結合具１５が前部キヤビネツト枠１１に取付け
られる。その際、第３図ｃの如く、第２ボス１７
の裏面側が補強桟１２の内端面に当接して、結合
具１５の回転を阻止するようになつている。

一方、前記後部カバー１３の開口縁部には前記
補強桟１２に取付けられた各結合具１５の第２ボ
ス１７に対向する各位置にネジ挿通用の透孔１８
が設けられている。従つて、この後部カバー１３
を前部キヤビネツト枠１１に衝き合せ、第３図ｃ
の如く後部カバー１３の透孔１８に通したタツピ
ングネジ１９を結合具１５の第２ボス１７の小孔
１７ａに締付けると、前部キヤビネツト枠１１の
補強桟１２を結合具１５との間に挾み込んだ状態
で、後部カバー１３が前部キヤビネツト枠１１に
固定される訳である。

次に、第４図は本考案のキヤビネツトの他の実
施例を示しており、第３図の実施例と対応する部
分には同一図番を付している。この実施例の結合
具１５は、第４図ｂの如く、位置決め用の第１の
ボス１６と、小孔１７ａを有する第２のボス１７
と、小孔２０ａを有する第３のボス２０と、係止
爪２１が一体成型された合成樹脂製のものであ
る。

また、前部キヤビネツト枠１１の各補強桟１２
には、前記結合具１５の第１〜第３ボス１６，１
７，２０がそれぞれ挿通される３個の透孔が４個
所に設けられている。そして、その４個所の各透
孔に前記結合具１５の第１〜第３ボス１６，１
７，２０をそれぞれ挿入することによつて、この
結合具１５の係止爪２１が第４図ｂの如く補強桟
１２に係合し、これによつて結合具１５が前部キ
ヤビネツト枠１１に取付けられる。ここで、結合
具１５の第３ボス２０は第２ボス１７よりも若干
短くしてあつて、第４図ｂの如く補強桟１２に取
付けられた状態でその第３ボス２０の先端が上記
補強桟１２の前面と面一となる。

そして、斯る状態で、合成樹脂製のプリント板
保持枠２２の取付片２２ａ，２２ｂに設けた透孔
２３ａ，２３ｂの一方２３ａに結合具１５の第１
ボス１６を通し、他方の透孔２３ｂに通したタツ
ピングネジ２４を第３ボス２０の小孔２０ａにネ
ジ込むことによつて、上記保持枠２２が前部キヤ
ビネツト枠１１に取付けられる。なお、この保持
枠２２は第４図ａでは左側の１個だけを示してい
るが、右側にも同様に１個取付けられるようにな
つている。

次に、上述のようにプリント板保持枠２２を取
付けた状態で、後部カバー１３を前部キヤビネツ
ト枠１１に衝き合せて、結合具１５の第１ボス１
６を後部カバー１３の透孔１８ａ，１８ｂの一方
１８ａに挿通させる。そして、後部カバー１３の
他方の透孔１８ｂにタツピングネジ１９を通し、
このネジを結合具１５の第２ボス１７の小孔１７
ａにネジ込むことによつて、後部カバー１３の前
部キヤビネツト枠１１への取付けが完了する。そ
の際、上記ネジ１９の締付け作業は後部カバー１
３が第１ボス１６によつて前部キヤビネツト枠１
１に対して仮止めされた状態で、行なうことがで
きるので、極めて作業性がよい。また、結合具１
５の第２第３ボス１７，１８に段差を設けている
ので、プリント板保持枠２２の取付け用のネジ２
４が後部カバー１３の取付け時に何等邪魔になら
ない。

(ヘ) 考案の効果 本考案のキヤビネツトに依れば、前部キヤビネ
ツト枠と後部カバーの結合に合成樹脂製の安価な
結合具を使用でき、且つ、この結合具の前部キヤ
ビネツト枠への取付け及びこの結合具へのネジの
締付けを容易に行なうことができるので、組立時
の作業性がよく、また抜け止め片を設けているの
で、結合具の補強桟への取付け状態が堅固であ
り、ネジの締付け時に結合具が後退することがな
く作業性の向上が更に図れるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は互いに異なる二つの従来例
をそれぞれ表わし、両図ともにａは止め具の取付
け前の状態を示す斜視図、ｂは前部キヤビネツト
枠と後部カバーを結合した状態を示す要部の断面
図である。第３図及び第４図は本考案の互いに異
なる二つの実施例をそれぞれ表わし、両図ともに
ａは前部キヤビネツト枠と後部カバーの結合前の
状態を示す斜視図、ｂは結合具の取付け途中の状
態を示す斜視図、ｃは前部キヤビネツト枠と後部
カバーを結合した状態を示す要部の断面図であ
る。 １１……前部キヤビネツト枠、１２……補強
桟、１３……後部カバー、１５……結合具、１６
……第１ボス、１７……第２ボス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部キヤビネツト枠と後部カバーからなるキヤ
   ビネツトに於いて、前部キヤビネツト枠の開口縁
   部に取付けられた木製の補強桟に透孔を設け、合
   成樹脂製の結合具に設けた第１のボスを上記透孔
   に挿入するとともに前記結合具に設けられ前記挿
   入方向とは逆の方向に対して抜け止めとなる係合
   片を前記補強桟に係合せしめて前記結合具を前記
   補強桟に取付け、上記第１のボスと平行な方向に
   突出する第２のボスの軸方向の透孔に後部カバー
   の開口縁部をネジ止めするようにしてなるキヤビ
   ネツト。