JPS6253571B2 - - Google Patents
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- JPS6253571B2 JPS6253571B2 JP11201484A JP11201484A JPS6253571B2 JP S6253571 B2 JPS6253571 B2 JP S6253571B2 JP 11201484 A JP11201484 A JP 11201484A JP 11201484 A JP11201484 A JP 11201484A JP S6253571 B2 JPS6253571 B2 JP S6253571B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/12—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Electromagnetism (AREA)
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- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の
製造法に係わり、JIS C2552で規定されている最
高グレードS9〔鉄損W15/50が2.90w/Kg以下
(0.50mm厚)、2.40w/Kg以下(0.35mm厚)〕より優
れたS8グレード以下の高級な無方向性電磁鋼板
の製造法に関する。 現在の高級な無方向性電磁鋼板として、S9グ
レードがあり、大型回転機の磁芯材料等に使用さ
れている。しかし無方向性電磁鋼板は高級品とい
えども、鉄損は低いが磁束密度が劣るので、電機
メーカーでは大型回転機用磁芯材料に必ずしも十
分に使用せず、高価な磁束密度の高い方向性電磁
鋼板を使うところもある。 最近はコスト低減および大型回転機の高効率化
を図るため、大型回転機用鉄心材料は見直され、
S9グレードよりも更に低鉄損で磁束密度も良好
なより高級品が要求されている。 (従来の技術) ところで、S8、S7グレードの高級な無方向性
電磁鋼板の製造について、これまでに幾つか提案
されている。例えば特開昭55−97426号公報記載
の方法では、Sを0.005%以下、Nを0.004%以下
に規制して、微細な介在物や析出物の生成を抑制
し、鉄損、磁束密度の改善を図り、熱延板焼鈍を
非脱炭性雰囲気で行ない、仕上焼鈍を非酸化性雰
囲気で行なうかあるいはアルカリ金属塩溶液を鋼
板に塗布し脱炭雰囲気で950〜1100℃にて1〜5
分間行なつて、内部酸化を防ぎ磁気特性の改善を
図つている。 特開昭54−68717号公報記載の方法では、Sを
0.007%以下に低下させて、Sbを0.005〜0.30%を
含有させ、結晶粒の成長と集合組織の改善を図
り、さらに熱延板の焼鈍を行なつて磁気特性の改
善を図つている。 (発明が解決しようとする問題点) これらの提案に加え、さらにSiやAlの含有量を
高める等の方策により無方向性電磁鋼板について
鉄損の低下が図られている。しかし製造ラインに
て工業的規模で製造するさいには、S8グレード
を大幅に上まわる高級な無方向性電磁鋼板を安定
して製造することは難しく、今後さらに研究の必
要があるというのが実情である。 とくにS8グレード以上の高級品の製造におい
ては、その鋼板の板幅方向で磁気特性、なかでも
鉄損が異なり、板端から板幅の1/3までの板端部
は中央部にくらべて、鉄損は約数%劣るという問
題が散見され、高級品を安定して製造するうえで
大きな隘路となつている。 本発明はS8グレード以上の高級な無方向性電
磁鋼板を、板幅方向にわたつて均等でかつすぐれ
た磁気特性を有するように安定して製造する方
法、換言すると製造の著しく低い無方向性電磁鋼
板の製造法を提供することを目的とするものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 本発明者達は、板端部においての鉄損の劣化が
なく板幅方向すべてにわたつて鉄損がすぐれ、
S8グレード以上の高級な無方向性電磁鋼板を安
定して製造すべく検討を行つた。その結果、Cを
0.005%以下、Sを0.0030%以下に低減し、Si:
2.5〜4.0%、Al:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜1.0%、
N:0.004%以下を含み、残部が鉄および不可避
的不純物からなる珪素鋼板を最終板厚に冷延後に
仕上焼鈍をするにあたり、該仕上焼鈍を1000℃超
〜1200℃で5秒〜15分間で行なつて冷却後、打抜
き、剪断等の加工を施すことなく、前記仕上焼鈍
温度以下の600〜1000℃で5秒以上ドライ雰囲気
で焼鈍すると、製造が例えばW15/50で2.00w/
Kg以下(0.35mm厚)2.30w/Kg以下(0.50mm厚)
と著しく低くS6、S7グレードのものが製造さ
れ、また板端部(板端から板幅の1/3程度まで)
の製造は中央部と殆んど同じで、板幅方向すべて
にわたつて鉄損の低いものが安定して製造される
ことを見出した。 以下に本発明を詳細に説明する。 まず鋼成分について述べる。 Cは磁気特性を劣化させる成分で、0.005%を
超えて含有すると炭化物が析出し、鉄損を増大
し、また磁気時効を生じるので0.005%以下とす
る。鉄損を低くするための好ましい含有量は
0.003%以下である。 Siは鋼の固有抵抗を高めて、うず電流損を減ら
し鉄損を低下せしめるので、2.5%以上含有させ
る。しかしその含有量が多くなると鋼を脆化し、
冷延性を劣化させるので4.0%以下とする。 Sは微細な硫化物を形成し、鋼のマトリツクス
を汚し、鉄損を劣化させるので0.005%以下とす
る。 Alは鋼の固有抵抗を高め前記Siと同様に鉄損を
低下せしめる作用があり、その作用を発揮させる
には0.30%以上必要である。一方この含有量が増
すと鋼を脆化するので上限を1.5%とする。 Nは磁気特性を劣化させる成分であるので
0.004%以下とする。 Mnは熱間加工性を劣化させないために0.1〜
1.0%の範囲とする。 なお、不可避的に含まれる元素P,Ti,Zr等
は少ないほど好ましい。 前記成分を含み、残部が鉄および不可避的不純
物からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連続鋳造
あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼ス
ラブは公知の方法で加熱され次いで1.5〜3.5mm板
厚に熱間圧延される。 熱間圧延後は熱延板焼鈍を例えば800〜1050℃
で行つて、次いで1回の冷間圧延により最終板厚
例えば0.35〜0.50mmにするか、あるいは熱延板焼
鈍は施さず、中間に焼鈍をはさんで2回以上の冷
間圧延により最終板厚にする。 次いで仕上焼鈍するが、1000℃超〜1200℃の温
度に加熱し、この温度で5秒〜15分間均熱する。
1000℃以下の温度では結晶粒が小さく、鉄損を劣
化(高く)するので1000℃超とする。一方、加熱
温度が余りにも高温になると鋼板表面に酸化皮膜
が生成し、磁気特性の劣化を招くため上限を1200
℃とする。 また均熱時間は5秒未満では鉄損の向上が少な
く、15分間を超えると雰囲気ガスは非酸化雰囲気
といえども内部酸化が生じることがあるので、15
分以下とする。 均熱後は冷却される。次いで、打抜き等の加工
を施すことなく、再加熱し、前記仕上焼鈍の温度
より低い温度の600〜1000℃にて5秒以上均熱す
る焼鈍を行なう。この焼鈍は連続焼鈍、箱焼鈍の
いずれでもよい。 この焼鈍について実験データを参照して述べ
る。 C:0.0015%、Si:3.07%、S:0.0008%、
Al:0.670%、Mn:0.17%、N:0.0017%を含
み、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼ス
ラブ供試材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍し、次い
で冷間圧延し、板厚0.35mmと0.50mmの冷延板とし
た。 仕上焼鈍は1075℃×15秒にて行ない、冷却の
後、550,600,650,700,750,800,850,900,
1000℃の温度に再加熱し60分間均熱した。仕上焼
鈍と再加熱する焼鈍におる雰囲気ガスは10%H2
+90%N2でドライとした。 この条件で処理した後、鉄損値W10/50,W15
/50と磁束密度B50を測定し、その結果を第1図
に示す。この図において●印は板厚0.05mm材の値
で、○印は板厚0.35mm材の値である。またAは鉄
損値10/50、Bは鉄損値W15/50、Cは磁束密度
B50を示す。 この図から明らかなように、仕上焼鈍の後、再
加熱し焼鈍すると鉄損はW10/50、W15/50とも大
幅に低下する。また磁束密度B50も改善される。 この再加熱の焼鈍による作用効果は600℃未満
および1000℃超の加熱では僅かであるので、本発
明では600以上1000℃以下とする。なお1000℃超
でも鉄損の向上はあるが鋼板の幅方向でバラツキ
を生じるので上限を1000℃としている。この温度
が前記仕上焼鈍温度より高いと鉄損が劣化するの
で、仕上焼鈍温度以下とする。該焼鈍での均熱時
間は5秒未満では鉄損の低下効果がないので、5
秒以上とする。 この焼鈍での雰囲気ガスはH2とN2の混合ガ
ス、あるいはそれらの単一ガス、Arガス等が用
いられるが、ドライで非酸化性であることが好ま
しい。 (実施例) 次に実施例について述べる。 実施例 1 C0.0024%、Si3.19%、Mn0.16%、S0.0013%、
Al0.665%、N0.0015%を含み、残部が鉄および不
可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した板
厚1.8mmの熱延鋼板を950℃×120秒で熱延板焼鈍
し、板厚0.50mmまで冷間圧延した。 引続き、1075℃で20秒の仕上焼鈍を施し、冷却
の後、加工を施すことなく再加熱し950℃×30秒
の焼鈍を行なつた。 再加熱前後の材料を30mm×320mmのエプスタイ
ン試験片に圧延方向および直角方向からそれぞれ
半量ずつ剪断して、W10/50,W15/50の鉄損と
B50の磁束密度について磁気特性を測定した。 第1表に結果を示すとおり、再加熱により磁性
が大幅に向上することがわかつた。
製造法に係わり、JIS C2552で規定されている最
高グレードS9〔鉄損W15/50が2.90w/Kg以下
(0.50mm厚)、2.40w/Kg以下(0.35mm厚)〕より優
れたS8グレード以下の高級な無方向性電磁鋼板
の製造法に関する。 現在の高級な無方向性電磁鋼板として、S9グ
レードがあり、大型回転機の磁芯材料等に使用さ
れている。しかし無方向性電磁鋼板は高級品とい
えども、鉄損は低いが磁束密度が劣るので、電機
メーカーでは大型回転機用磁芯材料に必ずしも十
分に使用せず、高価な磁束密度の高い方向性電磁
鋼板を使うところもある。 最近はコスト低減および大型回転機の高効率化
を図るため、大型回転機用鉄心材料は見直され、
S9グレードよりも更に低鉄損で磁束密度も良好
なより高級品が要求されている。 (従来の技術) ところで、S8、S7グレードの高級な無方向性
電磁鋼板の製造について、これまでに幾つか提案
されている。例えば特開昭55−97426号公報記載
の方法では、Sを0.005%以下、Nを0.004%以下
に規制して、微細な介在物や析出物の生成を抑制
し、鉄損、磁束密度の改善を図り、熱延板焼鈍を
非脱炭性雰囲気で行ない、仕上焼鈍を非酸化性雰
囲気で行なうかあるいはアルカリ金属塩溶液を鋼
板に塗布し脱炭雰囲気で950〜1100℃にて1〜5
分間行なつて、内部酸化を防ぎ磁気特性の改善を
図つている。 特開昭54−68717号公報記載の方法では、Sを
0.007%以下に低下させて、Sbを0.005〜0.30%を
含有させ、結晶粒の成長と集合組織の改善を図
り、さらに熱延板の焼鈍を行なつて磁気特性の改
善を図つている。 (発明が解決しようとする問題点) これらの提案に加え、さらにSiやAlの含有量を
高める等の方策により無方向性電磁鋼板について
鉄損の低下が図られている。しかし製造ラインに
て工業的規模で製造するさいには、S8グレード
を大幅に上まわる高級な無方向性電磁鋼板を安定
して製造することは難しく、今後さらに研究の必
要があるというのが実情である。 とくにS8グレード以上の高級品の製造におい
ては、その鋼板の板幅方向で磁気特性、なかでも
鉄損が異なり、板端から板幅の1/3までの板端部
は中央部にくらべて、鉄損は約数%劣るという問
題が散見され、高級品を安定して製造するうえで
大きな隘路となつている。 本発明はS8グレード以上の高級な無方向性電
磁鋼板を、板幅方向にわたつて均等でかつすぐれ
た磁気特性を有するように安定して製造する方
法、換言すると製造の著しく低い無方向性電磁鋼
板の製造法を提供することを目的とするものであ
る。 (問題点を解決するための手段) 本発明者達は、板端部においての鉄損の劣化が
なく板幅方向すべてにわたつて鉄損がすぐれ、
S8グレード以上の高級な無方向性電磁鋼板を安
定して製造すべく検討を行つた。その結果、Cを
0.005%以下、Sを0.0030%以下に低減し、Si:
2.5〜4.0%、Al:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜1.0%、
N:0.004%以下を含み、残部が鉄および不可避
的不純物からなる珪素鋼板を最終板厚に冷延後に
仕上焼鈍をするにあたり、該仕上焼鈍を1000℃超
〜1200℃で5秒〜15分間で行なつて冷却後、打抜
き、剪断等の加工を施すことなく、前記仕上焼鈍
温度以下の600〜1000℃で5秒以上ドライ雰囲気
で焼鈍すると、製造が例えばW15/50で2.00w/
Kg以下(0.35mm厚)2.30w/Kg以下(0.50mm厚)
と著しく低くS6、S7グレードのものが製造さ
れ、また板端部(板端から板幅の1/3程度まで)
の製造は中央部と殆んど同じで、板幅方向すべて
にわたつて鉄損の低いものが安定して製造される
ことを見出した。 以下に本発明を詳細に説明する。 まず鋼成分について述べる。 Cは磁気特性を劣化させる成分で、0.005%を
超えて含有すると炭化物が析出し、鉄損を増大
し、また磁気時効を生じるので0.005%以下とす
る。鉄損を低くするための好ましい含有量は
0.003%以下である。 Siは鋼の固有抵抗を高めて、うず電流損を減ら
し鉄損を低下せしめるので、2.5%以上含有させ
る。しかしその含有量が多くなると鋼を脆化し、
冷延性を劣化させるので4.0%以下とする。 Sは微細な硫化物を形成し、鋼のマトリツクス
を汚し、鉄損を劣化させるので0.005%以下とす
る。 Alは鋼の固有抵抗を高め前記Siと同様に鉄損を
低下せしめる作用があり、その作用を発揮させる
には0.30%以上必要である。一方この含有量が増
すと鋼を脆化するので上限を1.5%とする。 Nは磁気特性を劣化させる成分であるので
0.004%以下とする。 Mnは熱間加工性を劣化させないために0.1〜
1.0%の範囲とする。 なお、不可避的に含まれる元素P,Ti,Zr等
は少ないほど好ましい。 前記成分を含み、残部が鉄および不可避的不純
物からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連続鋳造
あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼ス
ラブは公知の方法で加熱され次いで1.5〜3.5mm板
厚に熱間圧延される。 熱間圧延後は熱延板焼鈍を例えば800〜1050℃
で行つて、次いで1回の冷間圧延により最終板厚
例えば0.35〜0.50mmにするか、あるいは熱延板焼
鈍は施さず、中間に焼鈍をはさんで2回以上の冷
間圧延により最終板厚にする。 次いで仕上焼鈍するが、1000℃超〜1200℃の温
度に加熱し、この温度で5秒〜15分間均熱する。
1000℃以下の温度では結晶粒が小さく、鉄損を劣
化(高く)するので1000℃超とする。一方、加熱
温度が余りにも高温になると鋼板表面に酸化皮膜
が生成し、磁気特性の劣化を招くため上限を1200
℃とする。 また均熱時間は5秒未満では鉄損の向上が少な
く、15分間を超えると雰囲気ガスは非酸化雰囲気
といえども内部酸化が生じることがあるので、15
分以下とする。 均熱後は冷却される。次いで、打抜き等の加工
を施すことなく、再加熱し、前記仕上焼鈍の温度
より低い温度の600〜1000℃にて5秒以上均熱す
る焼鈍を行なう。この焼鈍は連続焼鈍、箱焼鈍の
いずれでもよい。 この焼鈍について実験データを参照して述べ
る。 C:0.0015%、Si:3.07%、S:0.0008%、
Al:0.670%、Mn:0.17%、N:0.0017%を含
み、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼ス
ラブ供試材を、熱間圧延し、熱延板焼鈍し、次い
で冷間圧延し、板厚0.35mmと0.50mmの冷延板とし
た。 仕上焼鈍は1075℃×15秒にて行ない、冷却の
後、550,600,650,700,750,800,850,900,
1000℃の温度に再加熱し60分間均熱した。仕上焼
鈍と再加熱する焼鈍におる雰囲気ガスは10%H2
+90%N2でドライとした。 この条件で処理した後、鉄損値W10/50,W15
/50と磁束密度B50を測定し、その結果を第1図
に示す。この図において●印は板厚0.05mm材の値
で、○印は板厚0.35mm材の値である。またAは鉄
損値10/50、Bは鉄損値W15/50、Cは磁束密度
B50を示す。 この図から明らかなように、仕上焼鈍の後、再
加熱し焼鈍すると鉄損はW10/50、W15/50とも大
幅に低下する。また磁束密度B50も改善される。 この再加熱の焼鈍による作用効果は600℃未満
および1000℃超の加熱では僅かであるので、本発
明では600以上1000℃以下とする。なお1000℃超
でも鉄損の向上はあるが鋼板の幅方向でバラツキ
を生じるので上限を1000℃としている。この温度
が前記仕上焼鈍温度より高いと鉄損が劣化するの
で、仕上焼鈍温度以下とする。該焼鈍での均熱時
間は5秒未満では鉄損の低下効果がないので、5
秒以上とする。 この焼鈍での雰囲気ガスはH2とN2の混合ガ
ス、あるいはそれらの単一ガス、Arガス等が用
いられるが、ドライで非酸化性であることが好ま
しい。 (実施例) 次に実施例について述べる。 実施例 1 C0.0024%、Si3.19%、Mn0.16%、S0.0013%、
Al0.665%、N0.0015%を含み、残部が鉄および不
可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した板
厚1.8mmの熱延鋼板を950℃×120秒で熱延板焼鈍
し、板厚0.50mmまで冷間圧延した。 引続き、1075℃で20秒の仕上焼鈍を施し、冷却
の後、加工を施すことなく再加熱し950℃×30秒
の焼鈍を行なつた。 再加熱前後の材料を30mm×320mmのエプスタイ
ン試験片に圧延方向および直角方向からそれぞれ
半量ずつ剪断して、W10/50,W15/50の鉄損と
B50の磁束密度について磁気特性を測定した。 第1表に結果を示すとおり、再加熱により磁性
が大幅に向上することがわかつた。
【表】
実施例 2
C0.0014%、Si3.01%、Mn0.16%、S0.0002%、
Al1.032%、N0.0021%を含み、残部が鉄と不可避
的不純物としてTi0.0019%、Zr0.0003%を含む鋼
スラブを熱間圧延した板厚1.9mmの熱延鋼板を板
厚0.70mmまで冷間圧延した。 引続き、980℃×50秒で中間焼鈍のあと、仕上
げ圧延により、板厚0.35mmとし、1060℃×30秒で
仕上焼鈍を行なつた。 この材料を加工を施すことなく再加熱し、900
℃×60秒の焼鈍を施した。再加熱前後のエプスタ
イン測定値を第2表に示す。同表から、2回冷延
材の場合も再加熱により、磁性は大幅に向上し
た。
Al1.032%、N0.0021%を含み、残部が鉄と不可避
的不純物としてTi0.0019%、Zr0.0003%を含む鋼
スラブを熱間圧延した板厚1.9mmの熱延鋼板を板
厚0.70mmまで冷間圧延した。 引続き、980℃×50秒で中間焼鈍のあと、仕上
げ圧延により、板厚0.35mmとし、1060℃×30秒で
仕上焼鈍を行なつた。 この材料を加工を施すことなく再加熱し、900
℃×60秒の焼鈍を施した。再加熱前後のエプスタ
イン測定値を第2表に示す。同表から、2回冷延
材の場合も再加熱により、磁性は大幅に向上し
た。
【表】
実施例 3
C0.0025%、Si3.25%、Mn0.18%、S0.0002%、
Al0.689%、N0.0012%を含み、残部が鉄および不
可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した板
厚1.8mmの熱延鋼板を980℃×100秒にて熱延板焼
鈍し、板厚0.35mmまで冷間圧延後、1030℃×30秒
の仕上焼鈍を施し、冷却後、打抜き、剪断等の加
工を施すことなく、850℃×30秒の再加熱焼鈍を
施した。 この焼鈍前後の板幅方向W10/50(w/Kg、55
mm×55mmSST)を第2図に示す。焼鈍前Dは、板
端部(板端から板幅の1/3程度まで)の鉄損が中
央部にくらべ劣つていたがEに示す如く、再加熱
焼鈍により中央部とほとんど同レベルまで改善さ
れた。すなわち、仕上焼鈍し、冷却後、打抜き、
剪断等の加工を施すことなく再加熱し焼鈍を行う
ことにより、板幅方向すべてにわたつて鉄損の低
い材料を安定して製造する手段であることが確認
された。
Al0.689%、N0.0012%を含み、残部が鉄および不
可避的不純物からなる鋼スラブを熱間圧延した板
厚1.8mmの熱延鋼板を980℃×100秒にて熱延板焼
鈍し、板厚0.35mmまで冷間圧延後、1030℃×30秒
の仕上焼鈍を施し、冷却後、打抜き、剪断等の加
工を施すことなく、850℃×30秒の再加熱焼鈍を
施した。 この焼鈍前後の板幅方向W10/50(w/Kg、55
mm×55mmSST)を第2図に示す。焼鈍前Dは、板
端部(板端から板幅の1/3程度まで)の鉄損が中
央部にくらべ劣つていたがEに示す如く、再加熱
焼鈍により中央部とほとんど同レベルまで改善さ
れた。すなわち、仕上焼鈍し、冷却後、打抜き、
剪断等の加工を施すことなく再加熱し焼鈍を行う
ことにより、板幅方向すべてにわたつて鉄損の低
い材料を安定して製造する手段であることが確認
された。
第1図A,B,Cは鉄損値、磁束密度におよぼ
す再加熱熱処理の影響を示す図、第2図D,Eは
本発明の実施例3において再加熱熱処理の前(第
2図D)と後(第2図E)における板幅方向の鉄
損を示す図である。
す再加熱熱処理の影響を示す図、第2図D,Eは
本発明の実施例3において再加熱熱処理の前(第
2図D)と後(第2図E)における板幅方向の鉄
損を示す図である。
Claims (1)
- 1 重量%でC:0.005%以下、Si:2.5〜4.0%、
S:0.005%以下、Al:0.3〜1.5%、Mn:0.1〜
1.0%、N:0.004%以下を含み、残部が鉄および
不可避的不純物からなる珪素鋼スラブを熱間圧延
後、熱延板焼鈍し1回の冷間圧延により、または
中間に焼鈍をはさんで2回以上の冷間圧延により
最終板厚とし、仕上焼鈍を行なう無方向性電磁鋼
板の製造法において、仕上焼鈍を1000℃超〜1200
℃で5秒〜15分間均熱し、冷却後、打抜き剪断等
の加工を施すことなく前記仕上焼鈍温度以下の
600〜1000℃で5秒以上の焼鈍を行うことを特徴
とする鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11201484A JPS60255925A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11201484A JPS60255925A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60255925A JPS60255925A (ja) | 1985-12-17 |
JPS6253571B2 true JPS6253571B2 (ja) | 1987-11-11 |
Family
ID=14575809
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11201484A Granted JPS60255925A (ja) | 1984-05-31 | 1984-05-31 | 鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60255925A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS643963A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Hitachi Ltd | Molten salt fuel cell |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4773948A (en) * | 1985-06-14 | 1988-09-27 | Nippon Kokan Kabushiki Kaisha | Method of producing silicon iron sheet having excellent soft magnetic properties |
JPS6347333A (ja) * | 1986-08-14 | 1988-02-29 | Nippon Steel Corp | 鉄損の著しく低い無方向性電磁鋼板の製造法 |
JPS6347334A (ja) * | 1986-08-14 | 1988-02-29 | Nippon Steel Corp | 無方向性電磁鋼板の製造法 |
CN100417735C (zh) * | 2006-08-01 | 2008-09-10 | 余锡爽 | 机动车牌专用成型铝板的制造方法 |
-
1984
- 1984-05-31 JP JP11201484A patent/JPS60255925A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS643963A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Hitachi Ltd | Molten salt fuel cell |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60255925A (ja) | 1985-12-17 |
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