JPS6248236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真方式の乾式複写機に用いられ
る除電分離装置に関する。

電子写真方式の乾式複写機には転写紙を感光体
から分離させるのに除電分離装置を用いるものが
ある。第１図はそのような電子写真方式の乾式複
写機の一例であり、その画像形成工程では感光体
ドラム１は図示矢印方向へ回転駆動されて最初に
帯電装置２により全面一様な表面電位分布が与え
られる。次に感光体ドラム１は原稿に対応する光
画像が露光装置により照射されて静電潜像が形成
され、現像装置３にて画像に応じたトナー付着を
受けて顕像化される。次に給紙装置より感光体ド
ラム１と同期をとつて送り出された転写紙４が非
画像面よりトナーと逆極性のコロナ放電を転写装
置５によつて受けて感光体ドラム１に密着し感光
体ドラム１からトナー像が転写される。そして転
写紙４は除電分離装置６によつて非画像面からコ
ロナ放電による除電を受けて感光体ドラム１との
静電引力が減らされ感光体ドラム１から分離す
る。この分離した転写紙４は定着部７を通過する
際にヒータより熱を受けてトナーが融着し複写物
として排出される。

第２図は上記乾式複写機の転写時における感光
体ドラム１と転写紙４の電荷モデルである。転写
工定においてトナーを感光体ドラム１から転写
紙４上へ移すために転写紙４の非画像面より転写
装置５でコロナ放電を与えた場合感光体ドラム１
が導電性支持体８と感光体９とよりなるため転写
紙４と支持体８との接触部がコンデンサとなり、
そこにコロナ放電により電荷が蓄積されて静電的
に転写紙４と支持体８が引き合う。分離工程にお
いてはその引き合う力に対し転写紙４がそれ自身
のもつ腰の強さで分離を始める程度まで除電分離
装置６で弱める必要がある。このため、除電分離
装置６は転写紙４に交流コロナ放電を与えること
により上記蓄積電荷を消去する構成としていた。

第３図はそのような除電分離装置の除電効果を
実験的に確認するためのものであり、第４図はそ
の場合の感光体表面電位の減衰曲線である。ドラ
ム１を回転させながら感光体表面に帯電装置２に
より一様な表面電位分布を与えた後、コロナ放電
器１０及び交流電源１１よりなる除電分離装置で
交流コロナを与えてその表面電位を表面電位計１
２で測定したところ、表面電位は第４図に示すよ
うに時間経過に伴なつて変化した。すなわち、表
面電位は交流コロナが感光体表面に与えられた瞬
間から減衰を始めてある飽和電位に達し、その減
衰曲線の時定数は交流電源１１の電圧が高い時の
方が小さく、又飽和電位は初期電位に依存せず通
常負の値をとつた。その理由はコロナ放電器１０
の放電特性が正と負とで異なることによつて平均
的コロナ電流が負の値をとるためである。実測値
において同一電圧での負の放電電流は正の放電電
流の約２倍程度である。したがつて飽和電位は交
流成分による除電効果と直流成分による充電電流
のバランスしたある一定値をとることになる。

ところで転写紙の分離に対しては転写紙４と支
持体８との間に現われる蓄積電荷をすみやかに消
去することが望ましい。この意味で交流電源１１
の交流電圧値を高くすることは除電効果としては
好ましい方向であるが、上述の如く表面電位に片
寄り、つまりある飽和電位を生じさせる。この結
果、転写紙４と支持体８はその片寄りによつて吸
引力を生じ、これが転写紙４の腰に打ち勝つ程度
になると、分離不良が発生する。

そこで、第５図に示すように交流電源１１と直
列に直流バイアス電源１３を挿入して直流バイア
スをかけその片寄りを除くようにした装置が提案
されている。しかしこの装置ではコロナ放電が温
湿度、気圧等の環境要因、コロナ放電器における
コロナワイヤの劣化等により変化するため、一定
の直流バイアスで常に最小の片寄りを得ることは
できず、分離不良を発生することがある。

本発明は上記欠点を除去し、分離を確実に行う
ことができる除電分離装置を提供することを目的
とする。

以下図面を参照しながら本発明の実施例につい
て説明する。

本実施例はコロナ放電の直流成分が分離に対し
最も強く影響することに着目してコロナ放電電流
の直流成分を検出して直流バイアス電圧を変化さ
せることによつて常にコロナ放電電流の直流成分
を零付近の一定値にするものである。すなわち、
第６図に示すようにコロナ放電器１０はコロナワ
イヤ１４及びシールド枠１５よりなり、シールド
枠１５が前述した電子写真方式の乾式複写機にお
ける感光体ドラム１の支持体８と共に接地され、
コロナワイヤ１４と接地点との間に交流電源１
１、直流バイアス電源１９と、抵抗１６及びコン
デンサ１７の並列回路とが直列に接続される。そ
してコロナワイヤ１４は交流電源１１の交流電圧
と直流バイアス電源１９の直流バイアス電圧が重
畳して供給され、感光体ドラム１上の転写紙４に
対しコロナ放電を行なつて除電し感光体ドラム１
から分離させる。この時、コロナ電流の交流成分
はコンデンサ１７をバイパスし、コロナ電流の直
流成分により抵抗１６の両端に現われる電圧は検
知回路１８で検知される。この検知回路１８は抵
抗１６の両端電圧に応じて直流バイアス電源１９
を制御してコロナ電流の直流成分を一定値に保
つ。したがつて転写紙４と感光体ドラム１との吸
引力は転写紙４の腰の強さより弱い程度まで常に
弱められ、転写紙４の分離が確実に行われる。

なお、抵抗１６及びコンデンサ１７の並列回路
は第７図に示すように感光体ドラム１と接地点と
の間に挿入しても同様に動作する。又コロナ電流
の直流成分を検出する手段、及びその出力により
直流バイアス電圧を制御する手段は様々な手段を
用いることができる。

以上のように本発明による除電分離装置によれ
ば転写紙の非画像面を帯電させることによつてこ
の転写紙を感光体に密着させて感光体上のトナー
像を転写紙へ転写させた後に、転写紙を感光体よ
り分離する電子写真方式の複写機において、上記
転写紙をコロナ放電により除電して上記感光体よ
り分離させるコロナ放電器と、このコロナ放電器
に交流電圧を供給する交流電源と、この交流電源
に直列に接続される直流バイアス電源と、コロナ
放電電流の直流成分を検出する手段と、この手段
の出力信号により上記直流バイアス電源の直流バ
イアス電圧をコロナ放電電流の直流成分が転写紙
の分離が確実に行われる所定の値となるように制
御する手段とを設けたので環境要因、コロナワイ
ヤの劣化等によるコロナ放電の変化がなくなり、
分離を確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は乾式複写機の一例を示す正面略図、第
２図は同乾式複写機の転写時における感光体ドラ
ム及び転写紙の電荷モデルを示す図、第３図は従
来の除電分離装置の除電効果を実験するための装
置を示す正面図、第４図は同装置で得た表面電位
減衰特性を示す特性曲線図、第５図は従来の除電
分離装置を示す結線図、第６図及び第７図はそれ
ぞれ本発明の一実施例を示す結線図である。 １……感光体ドラム、１０……コロナ放電器、
１１……交流電源、１３……直流バイアス電源、
１６……抵抗、１７……コンデンサ、１８……検
知回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 転写紙の非画像面を帯電させることによつて
   この転写紙を感光体に密着させて感光体上のトナ
   ー像を転写紙へ転写させた後に、転写紙を感光体
   より分離する電子写真方式の複写機において、上
   記転写紙をコロナ放電により除電して上記感光体
   より分離させるコロナ放電器と、このコロナ放電
   器に交流電圧を供給する交流電源と、この交流電
   源に直列に接続される直流バイアス電源と、コロ
   ナ放電電流の直流成分を検出する手段と、この手
   段の出力信号により上記直流バイアス電源の直流
   バイアス電圧をコロナ放電電流の直流成分が転写
   紙の分離が確実に行われる所定の値となるように
   制御する手段とを備えたことを特徴とする除電分
   離装置。